椿本興業(8052)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


椿本興業(8052)の株価チャート 椿本興業(8052)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

当企業グループは、椿本興業及び子会社19社で構成され、その主な事業内容と、各社の当企業グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、下記の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの関連情報「1 製品及びサービスごとの情報」として記載しているものと同一であります。

 

椿本興業は、機械部品の販売(動伝事業)、搬送設備等の自動化・省力化・環境対応化商品やその付帯サービスの販売(設備装置事業)、各種不織布及びその加工品や製造機械の販売(産業資材事業)を主な事業としております。一方、報告セグメントは、当企業グループの営業拠点所在地を中心とした販売エリアで区分しており、販売エリアを国内3エリア(地区)に区分し、東・西・中日本本部セグメントとして管理をしております。さらに、海外エリア全体については開発戦略事業と位置付け、産業資材事業及び新商品開発部門を加えた包括的な戦略事業として開発戦略本部セグメントとしております。

 

各子会社の主たるセグメントに係る位置付けは下記の通りであり、該当箇所に〇印を付しております。

 

事業区分

報告セグメント

会社名

動伝事業

設備装置

事業

産業資材

事業

東日本

本部

西日本

本部

中日本

本部

開発戦略

本部

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

 

ツバコー北日本㈱

 

 

 

 

 

ツバコー北陸販売㈱

 

 

 

 

 

ツバコー北関東㈱

 

 

 

 

 

ツバコー西関東㈱

 

 

 

 

 

ツバコー東関東㈱

 

 

 

 

 

㈱ツバコー・ケー・アイ

 

 

 

 

 

ツバコー東海㈱

 

 

 

 

 

㈱ツバコー・エス・ケー

 

 

 

 

 

ツバコー関西㈱

 

 

 

 

 

ツバコー四国㈱

 

 

 

 

 

ツバコー・ウエスト㈱

 

 

 

 

 

ツバコー九州㈱

 

 

 

 

 

TSUBACO SINGAPORE PTE.LTD.

 

 

 

 

TSUBACO KTE CO.,LTD.

 

 

 

 

上海椿本商貿有限公司

 

 

 

(非連結子会社)

 

 

 

 

 

 

 

TSUBACO(HONG KONG)CO.,LTD.

 

 

 

 

 

TSUBACO KOREA CO.,LTD.

 

 

 

 

 

PT.TSUBACO INDONESIA

 

 

 

 

TSUBACO VIETNAM CO.,LTD.

 

 

 

 

 

 

 

 

<事業系統図>

事業の系統図は次のとおりであります。


 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

当企業グループは、社是に加え、経営理念・経営戦略として事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進しております。一方でこれらの事業活動の持続的な成長を維持するために、中長期的な課題である気候変動を含むサステナビリティ課題について、優先順位を上げて対応しております。具体的には、企業価値の最大化を目指すために、また、広く社会的使命を果たすために社是に加え、社是に基づいたミッション・ステートメントを策定し、これらを行動計画の基礎としながら日々実践しております。

 

社是

「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」

「吾々はその繁栄を、常に怠りなき商品の開発と、たゆみなき販路の開拓によって達成させる。」

 

(ミッション・ステートメント)

Our Mission(社会に果たすべき使命)」

私達は、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供します。

 

Our Vision(実現したい内容)」

私達は、機械と技術の総合商社として、産業界の未来価値創造企業を目指します。

Advanced Technology for Optimum Machinery”「ATOM」

 

Our Concept(達成の為の基本的考え方)」

①私達は、社会に対する公正さを堅持し、地球環境の保全等社会の要請への積極的な対応により、企業の社会的責任を全うします。

②私達は、顧客への最適商品の供給を通じて、産業界の発展に寄与し、社会に貢献します。

③私達は、常に世界のトレンドと市場のニーズに目を向けて、先端技術商品を取り込み、新市場の開拓を行い、顧客とメーカーの信頼に応えます。

④私達は、情報力、技術力、提案力を常に錬磨し、結集して、価値を創造し、企業価値を高めて株主の負託に応えます。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当企業グループは、経営指標として、受注高・売上高の前期比成長率、各利益の前期比成長率、総資産経常利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率(ROE)などを採用しております。これらの指標は業績拡大の目安であり、基本的に前期に比べ増加しているかどうかをもって会社成長の目安としております。特に利益額については、簡単にかつ正確に計測でき、株主をはじめとしたステークホルダーへの還元や社会貢献の原資でもある重要なものと考えております。また、連結ROEの目標は10%を継続的に維持することとしており、これにより、株主資本コスト以上の水準が確保できると考え、毎期達成努力しております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努めてまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

114,837

124,773

108.7

売上高

107,963

113,503

105.1

営業利益

5,102

5,233

102.6

経常利益

5,434

5,577

102.6

親会社株主に帰属する当期純利益

3,667

4,000

109.1

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

11.4

10.8

 

売上高経常利益率(%)

5.0

4.9

 

総資産経常利益率(%)

6.7

6.2

 

 

 

(3)中期経営計画方針

当企業グループは、業績の向上や企業体質の強化に加え、持続可能な社会の実現へ寄与することを目指し、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新たな中期経営計画『ATOM2025』を策定しております。

 

①基本方針

新中期経営計画『ATOM2025』では、経営指標の一つとしてROEを重要視し、加えて配当性向を意識した経営を行うこと、持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決と積極的な情報開示を推進することを基本方針としております。スローガンのATOMとは、『Advanced Technology for Optimum Machinery』の頭文字であり、最先端の技術で最適な機械をお客様に提供することを意味しており、今後2030年度に向けて経常利益のさらなる増加を目指します。

 

②重点施策

1.重点業界の深耕

 物流、環境、自動車、健康、食品、交通インフラ、先端技術・素材関連への攻略を見据え、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。

 

2.新たな分野へのアプローチ強化

 先端半導体生産設備、ロボット(ロボティクス分野)、二次電池(EV分野)、ヘルスケア分野、物流(EC分野)、SDGs関連(環境保全・気候変動)など、新分野・新領域へのアプローチを強化いたします。

 

3.高付加価値商品の販売拡大

・モノづくり商社として、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。

・国内外の販売ネットワークを拡充すべく地域戦略を推進いたします。また、開発商品の販売拡大を目指し、国内外子会社及び仕入先メーカーとの連携を強化いたします。

 

4.脱炭素社会における事業機会の探索

 脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の需要増加を見込んだ事業機会の探索(再生可能エネルギー・環境保全・EV・水素関連など)を実施いたします。

 

5.人的資本への投資 …人材採用・育成と社内環境整備

・一人当たりの生産性向上を図り、人的付加価値(労働生産性)の向上を目指します。

・多様な人材を採用するため、新卒の複数回採用及び経験者・有能人材採用等の採用手法の多角化を進めます。

・女性管理職候補となる対象者を増やすため、女性総合職の新卒及び経験者採用に注力するとともに、一般職からの職種転換を推進します。

・従業員の健康を向上させるための投資を行うことで、将来的に生産性と収益性の向上を目指すべく健康経営を推進いたします。

・知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

・設備装置事業拡大のため、施工管理人員として計画的に有資格者数の拡大を図ります。

 

6.DXの推進

 DXに対する投資により、デジタル技術を活用した業務効率向上と生産性向上の実現を目指します。

 

7.サステナビリティ経営の推進

・サステナビリティ基本方針に則った各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を新たに策定し、各種方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。

・サステナビリティ推進委員会では、全社的なリスクや機会を抽出し、重要課題(マテリアリティ)を見直すとともに、全社方針や重要業績評価指標(KPI)の決定、取組状況のモニタリングを行います。

・事業部門と本社部門の連動により、環境・品質・人権・働き方改革など各分野におけるSDGsへの取組を加速させます。

 

 

③定量目標

指 標

2025年度目標

(財務目標)

 

経常利益 (注1)

53億円

ROE (注1)

10%

(非財務目標)

 

人的付加価値率 (注3、4)

108

女性総合職比率 (注2)

8%

男性育休取得率 (注2)

100%

特定資格保有者数 (注2、3、5)

115

 

(注)1 一時的な大口案件等を除く、ベースとなる通常営業活動によるものであります。

2 提出会社のみの数値であります。

3 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

4 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

5 各種の特定資格のうち、椿本興業の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

(4)対処すべき課題

当企業グループは、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新中期経営計画「ATOM2025」を実施しております。初年度に当たる2023年度は、地域の状況を踏まえた顧客・商品戦略を推進した結果、連結売上高は過去最高となりました。

一方で、需要に対する人材の不足感がさらに高まり、持続的な成長のために必要な財産ともいえる「人財」の充実を目的とした人事戦略の見直しが急務となっております。

また、脱炭素社会への対応及び環境保全、少子高齢化による需要拡大等、産業構造の変化が予測されています。このような外部環境の変化を背景として、社会課題解決に向けた取り組みが、これまで以上に重要な課題となっております。

 

①人的資本への投資 …「人財」の充実(人材の確保・育成)

当企業グループの競争力を強化し、人的付加価値を向上するためには、多様で有能な人材を採用するとともに、社員一人ひとりが能力を高め、その能力を最大限発揮することが重要となります。そのためには、女性の総合職をはじめとする多様な人材を採用するため、新卒の通年採用や経験者採用に注力し、採用手法の多角化を進めます。また、DXの推進に対応した人材育成をはじめ、デジタル技術活用に向けたDX投資を行うことで、業務の改善と効率化をはかり、将来的に生産性と収益性の向上を目指してまいります。さらには、従業員の健康を増進させるための健康経営への投資、知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

②取扱商品・高付加価値商品の拡大

成長分野としての物流、ヘルスケア、環境、食品、交通インフラ、EV関連に注力し、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。加えて、脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の増加を見込んだ事業機会の探索を実施します。また、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します

③エリア制の進化と事業領域の拡大

当企業グループの事業領域拡大のため、営業拠点の基盤強化をはかってまいります。地域密着営業の強化による顧客数の増加を目指し、子会社の機動力をより発揮するため、地域特性に合わせた地域戦略を推進いたします。加えて、国内外子会社および仕入先メーカーと連携を強化し、販売ネットワークのさらなる拡充を図ります。

④サステナビリティ経営の推進

サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築および積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。さらには、事業部門と本社部門の連動により、様々な分野におけるSDGsへの取り組みを加速させます。

 

以上を重要課題と再認識し、その解決に向けて事業戦略と経営基盤強化の側面から重点施策に磨きをかけてまいります。さらには、変化する経営環境において、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当企業グループはこれらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。特に、経営戦略上のリスクについては、必要に応じて経営会議や取締役会において審議を行っており、事業運営上のリスクについては、必要に応じて執行役員会において議論し、対応策を検討しております。また、それらを組織的かつ体系的に管理する必要があるため、リスクマネジメント規定を制定し、グループ全体のリスク全般の監視及び対応を椿本興業のリスクマネジメント委員会が主導しております。

一方、サステナビリティの課題に関しては、椿本興業にサステナビリティ推進委員会を設置した上、当企業グループの各部門から実務担当者を中心に選抜し、気候変動リスク及び人的資本・多様性リスクを中心にその回避策を策定し、グループの持続的成長を阻害する中長期的なリスク要因を特定・評価しております。特定・評価されたリスクが重大である場合は連携したリスクマネジメント委員会とともに取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。なお、以下の記載は当企業グループに関するリスクをすべて網羅するものではありません。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

設備投資需要の変動

当企業グループの主力事業である動伝事業及び設備装置事業の売上は、各産業界における設備投資の動向や、メーカーの製品に組み込まれる部品供給量に大きく依存する傾向にあります。従って、景気の低迷等により設備投資や部品供給量が抑制される場合には、当企業グループ全体の業績に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、各業界の設備投資需要やメーカーの生産計画の予測情報を入手するなどして、状況に応じた対応を迅速に取れるように対策を行っております。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告、検討をしております。

競合の激化

当企業グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、価格競争や品質競争の結果、売上高や利益が減額するという事態になり、業績に悪影響が出る可能性があります。

当企業グループでは、各事業分野において、顧客価値を高める新商品の開発を継続的に実施しており、また、従来商品については、得意とするエンジニアリング力を生かしたトータルな設備導入提案を実施すること、顧客ニーズを徹底的にくみ取った商品提案を実施することなどにより、付加価値を高めた商品販売に尽力しています。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告・検討をしております。

人材の確保

当企業グループの中長期的な成長は、従業員個々の力量に大きく依存しております。当企業グループで最も重要な資産は人材であるという認識のもと、人材の配置・育成を推進しておりますが、適切な時期に優秀な人材を計画通りに確保できない場合や人材の成長が滞る場合などは、当企業グループの中長期の成長が阻害される恐れがあります。

当企業グループでは、左記をサステナビリティ関連リスクと認識し、人的資本・多様性リスクに対処するためにサステナビリティ推進委員会での中心テーマに据えております。この中で、人材採用と育成が現在の対処すべき課題に加え、将来のリスクでもあるものと認識しており、椿本興業独自のきめ細かい人事制度の検討やOJTをはじめとした社員教育、待遇の改善や働きやすい環境整備や制度構築などを継続的に実施しております。

海外事業の拡大と為替レートの変動

当企業グループでは、東南アジアを中心とした海外市場において事業の拡大を図っております。このため、海外子会社の進出地域を中心にそれぞれの国や地域において、テロや政情悪化、商習慣の違い等が発生した場合には、当該子会社の業績悪化に加え、当企業グループの海外における業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

海外の事業環境の全般についての情報については、海外子会社や駐在員事務所を通じ、必要に応じ収集することにしております。特にアジア各国企業・業界の設備投資動向、環境関連規制、輸出入関連規制等が当企業グループの業績へ与える影響を中心に情報収集しております。

在外連結子会社の売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成において円換算するため、換算時の為替レートが大幅に変動した場合には、円換算後の価値も大幅に変動し、当企業グループの経営成績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

当企業グループでは、為替相場の変動による影響を受ける外国通貨建ての取引については、外貨預金口座を通じての決済や為替予約取引等を原則とすることとしており、為替変動リスクをヘッジしております。

 

 

 

(2) 事業運営にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

長期大型工事案件の想定外の採算悪化や工期の遅延

工事の進捗度に基づく売上を計上する物件などの長期大型工事案件については、仕様変更や追加工事、下請業者や協力工場の経営悪化、納期遅延の要因等により追加原価の発生や工期遅延が発生する可能性があります。また、案件によっては将来の工事損失計上に備えるため、工事損失引当金の計上をする場合があり、それらにより収益性が低下する恐れがあります。

当企業グループでは、工事ごとの管理体制を整備し、受注時における見積及び受注後の進捗管理を厳正に管理しております。採算性に変化があった場合は、速やかに見積原価の変更を行うなど、売上計上時に相応の精度を確保するように徹底しております。

売上時期の変動

設備物件の顧客納期は年度末である3月期末時に集中する傾向にあります。従って、納品・稼動時期の遅れにより3月末予定の売上が翌期にずれ込む場合には、当企業グループの事前に予想していた期間の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、客先・仕入先との納品・稼働時期に関するスケジュール管理を厳格にするために、情報交換を緊密にすることを日頃から該当部門に指示することをはじめ、執行役員会では、各部門の当初の売上計画に対する進捗度を毎月報告するなどにより状況の推移を監視しており、可能な限り正確な3月末予定売上額の把握に努めております。

与信管理

当企業グループの販売先は1万数千社を超える社数となっており、それら販売先には中小の事業者が相当数存在し、設備投資の状況等国内景気の動向によっては、今後、貸倒引当金の積増しを要する事態や貸倒損失が生じる可能性があります。

当企業グループでは、法務・審査室を中心に、債権管理には各販売先別にその業容、資力に応じた与信設定を行うと共に、必要に応じ預り保証金の入手を行うほか、年1回必ずその見直しを実行し、信用状態の継続的な把握を行っており、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。また、貸倒引当金の計上に関しては、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

情報セキュリティ

当企業グループでの情報セキュリティを構築する上で、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、社外に情報が漏洩した場合は、当企業グループの社会的な信用力の低下を招き、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループにおける情報セキュリティの確保については、サイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、個人情報や機密情報の保護のためグループ管理体制の下で徹底を図り、定期的に情報セキュリティ上の脆弱性の検証を行い、それに対する対策を行っております。

有価証券投資

当企業グループでは、グループ企業の株式を保有すると共に、事業上の関係緊密化及び投資採算性等に鑑み、客先・仕入先・金融機関等に対し有価証券投資を行っております。有価証券投資は主として椿本興業が行っており、連結貸借対照表上に計上されている投資有価証券の大半は、椿本興業が保有するものであります。これらの時価については、今後の経済環境や企業収益の動向によって大幅に下落する可能性があります。また、「その他有価証券」で市場価格のないものについては、移動平均法による原価法で評価しておりますが、今後、投資先企業の財政状態が著しく低下したこと等の事実がある場合には評価減を行う可能性があります。

政策保有株式については、保有先との業務提携や取引の維持・強化のために保有を継続しているものがありますが、その意義が薄れたと判断したものについては、計画的に売却しております。なお、椿本興業では年度末において、継続保有が適当かどうかの判断を銘柄ごとに取締役会で審議しております。

 

 

 

(3) 環境・災害、その他にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

災害の発生

大地震等の自然災害や突発的な事故等によりグループの事業活動が不能になる場合に加え、客先・仕入先において生産設備等に多大な損害を受けた場合やインフラに問題が発生した場合には、予定している機械設備等の販売・仕入に支障が生ずる可能性があります。また、感染症の発生等により当企業グループの活動全般が阻害された場合には、当企業グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、自然災害に対し当企業グループに被る災害・事故等の発生を防ぎ、災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しており、社員の安否確認システムも導入しております。また、BCP(事業継続計画)の考え方を導入しており、業務全般の地域分散対応(他地域にて業務を代替して継続すること)や、営業活動や商品納入指示活動が在宅でも一部実施可能な仕組みを導入しております。これにより被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。

気候変動による移行リスク、物理リスク

気候変動リスクに関しては、産業革命前からの気温上昇を+2℃未満に抑えるシナリオ(主として移行リスク)においては、社会の脱炭素化に向けた規制強化によるコストの増加(炭素税等)が業績に与える可能性があります。一方、産業革命前からの気温上昇が+4℃となるシナリオ(主として物理リスク)においては、自然災害の甚大化の影響を被り、上記のような具体的な支障が生ずる可能性があります。

サステナビリティ推進委員会を設置し、当企業グループ全体にわたる気候変動リスクや人的資源・多様性リスクを特定・評価しております。このうち、気候変動に関連する移行リスク及び物理リスクについては、シナリオ分析を踏まえたうえで、リスクと機会を特定し、財務的な影響を踏まえて重要性を評価し、対応策を合わせて検討することにしております。又、特定・評価されたリスクは適宜取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。

訴訟の提起

当企業グループでは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟を受ける可能性があります。訴訟が提起された場合に、その結果によっては、当企業グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、当事者との協議の実施に努めるなどにより紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。

特定の仕入先への依存

当企業グループにおいて、重要な仕入先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。

株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、当企業グループ全体の仕入金額の約30%を占めております。同社製品の供給が万一滞る事態が発生する場合には、椿本興業の商品販売について客先への商品納入義務や納期を遵守できない可能性があり、売上高も減少する可能性があります。

当企業グループでは、同社グループと緊密な情報交換等を実施し、同社グループの生産計画等の情報も入手しながら継続的な商品供給体制を構築しております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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