当企業グループは、椿本興業及び子会社19社で構成され、その主な事業内容と、各社の当企業グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、下記の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの関連情報「1 製品及びサービスごとの情報」として記載しているものと同一であります。
椿本興業は、機械部品の販売(動伝事業)、搬送設備等の自動化・省力化・環境対応化商品やその付帯サービスの販売(設備装置事業)、各種不織布及びその加工品や製造機械の販売(産業資材事業)を主な事業としております。一方、報告セグメントは、当企業グループの営業拠点所在地を中心とした販売エリアで区分しており、販売エリアを国内3エリア(地区)に区分し、東・西・中日本本部セグメントとして管理をしております。さらに、海外エリア全体については開発戦略事業と位置付け、産業資材事業及び新商品開発部門を加えた包括的な戦略事業として開発戦略本部セグメントとしております。
各子会社の主たるセグメントに係る位置付けは下記の通りであり、該当箇所に〇印を付しております。
<事業系統図>
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
当企業グループは、社是に加え、経営理念・経営戦略として事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進しております。一方でこれらの事業活動の持続的な成長を維持するために、中長期的な課題である気候変動を含むサステナビリティ課題について、優先順位を上げて対応しております。具体的には、企業価値の最大化を目指すために、また、広く社会的使命を果たすために社是に加え、社是に基づいたミッション・ステートメントを策定し、これらを行動計画の基礎としながら日々実践しております。
(社是)
「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」
「吾々はその繁栄を、常に怠りなき商品の開発と、たゆみなき販路の開拓によって達成させる。」
(ミッション・ステートメント)
「Our Mission(社会に果たすべき使命)」
私達は、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供します。
「Our Vision(実現したい内容)」
私達は、機械と技術の総合商社として、産業界の未来価値創造企業を目指します。
“Advanced Technology for Optimum Machinery”「ATOM」
「Our Concept(達成の為の基本的考え方)」
①私達は、社会に対する公正さを堅持し、地球環境の保全等社会の要請への積極的な対応により、企業の社会的責任を全うします。
②私達は、顧客への最適商品の供給を通じて、産業界の発展に寄与し、社会に貢献します。
③私達は、常に世界のトレンドと市場のニーズに目を向けて、先端技術商品を取り込み、新市場の開拓を行い、顧客とメーカーの信頼に応えます。
④私達は、情報力、技術力、提案力を常に錬磨し、結集して、価値を創造し、企業価値を高めて株主の負託に応えます。
当企業グループは、経営指標として、受注高・売上高の前期比成長率、各利益の前期比成長率、総資産経常利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率(ROE)などを採用しております。これらの指標は業績拡大の目安であり、基本的に前期に比べ増加しているかどうかをもって会社成長の目安としております。特に利益額については、簡単にかつ正確に計測でき、株主をはじめとしたステークホルダーへの還元や社会貢献の原資でもある重要なものと考えております。また、連結ROEの目標は10%を継続的に維持することとしており、これにより、株主資本コスト以上の水準が確保できると考え、毎期達成努力しております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努めてまいります。
(単位:百万円)
当企業グループは、業績の向上や企業体質の強化に加え、持続可能な社会の実現へ寄与することを目指し、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新たな中期経営計画『ATOM2025』を策定しております。
①基本方針
新中期経営計画『ATOM2025』では、経営指標の一つとしてROEを重要視し、加えて配当性向を意識した経営を行うこと、持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決と積極的な情報開示を推進することを基本方針としております。スローガンのATOMとは、『Advanced Technology for Optimum Machinery』の頭文字であり、最先端の技術で最適な機械をお客様に提供することを意味しており、今後2030年度に向けて経常利益のさらなる増加を目指します。
②重点施策
1.重点業界の深耕
物流、環境、自動車、健康、食品、交通インフラ、先端技術・素材関連への攻略を見据え、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。
2.新たな分野へのアプローチ強化
先端半導体生産設備、ロボット(ロボティクス分野)、二次電池(EV分野)、ヘルスケア分野、物流(EC分野)、SDGs関連(環境保全・気候変動)など、新分野・新領域へのアプローチを強化いたします。
3.高付加価値商品の販売拡大
・モノづくり商社として、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。
・国内外の販売ネットワークを拡充すべく地域戦略を推進いたします。また、開発商品の販売拡大を目指し、国内外子会社及び仕入先メーカーとの連携を強化いたします。
4.脱炭素社会における事業機会の探索
脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の需要増加を見込んだ事業機会の探索(再生可能エネルギー・環境保全・EV・水素関連など)を実施いたします。
5.人的資本への投資 …人材採用・育成と社内環境整備
・一人当たりの生産性向上を図り、人的付加価値(労働生産性)の向上を目指します。
・多様な人材を採用するため、新卒の複数回採用及び経験者・有能人材採用等の採用手法の多角化を進めます。
・女性管理職候補となる対象者を増やすため、女性総合職の新卒及び経験者採用に注力するとともに、一般職からの職種転換を推進します。
・従業員の健康を向上させるための投資を行うことで、将来的に生産性と収益性の向上を目指すべく健康経営を推進いたします。
・知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。
・設備装置事業拡大のため、施工管理人員として計画的に有資格者数の拡大を図ります。
6.DXの推進
DXに対する投資により、デジタル技術を活用した業務効率向上と生産性向上の実現を目指します。
7.サステナビリティ経営の推進
・サステナビリティ基本方針に則った各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を新たに策定し、各種方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。
・サステナビリティ推進委員会では、全社的なリスクや機会を抽出し、重要課題(マテリアリティ)を見直すとともに、全社方針や重要業績評価指標(KPI)の決定、取組状況のモニタリングを行います。
・事業部門と本社部門の連動により、環境・品質・人権・働き方改革など各分野におけるSDGsへの取組を加速させます。
③定量目標
(注)1 一時的な大口案件等を除く、ベースとなる通常営業活動によるものであります。
2 提出会社のみの数値であります。
3 2022年度を100とした場合の指数表示であります。
4 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。
5 各種の特定資格のうち、椿本興業の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。
当企業グループは、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新中期経営計画「ATOM2025」を実施しております。初年度に当たる2023年度は、地域の状況を踏まえた顧客・商品戦略を推進した結果、連結売上高は過去最高となりました。
一方で、需要に対する人材の不足感がさらに高まり、持続的な成長のために必要な財産ともいえる「人財」の充実を目的とした人事戦略の見直しが急務となっております。
また、脱炭素社会への対応及び環境保全、少子高齢化による需要拡大等、産業構造の変化が予測されています。このような外部環境の変化を背景として、社会課題解決に向けた取り組みが、これまで以上に重要な課題となっております。
①人的資本への投資 …「人財」の充実(人材の確保・育成)
当企業グループの競争力を強化し、人的付加価値を向上するためには、多様で有能な人材を採用するとともに、社員一人ひとりが能力を高め、その能力を最大限発揮することが重要となります。そのためには、女性の総合職をはじめとする多様な人材を採用するため、新卒の通年採用や経験者採用に注力し、採用手法の多角化を進めます。また、DXの推進に対応した人材育成をはじめ、デジタル技術活用に向けたDX投資を行うことで、業務の改善と効率化をはかり、将来的に生産性と収益性の向上を目指してまいります。さらには、従業員の健康を増進させるための健康経営への投資、知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。
②取扱商品・高付加価値商品の拡大
成長分野としての物流、ヘルスケア、環境、食品、交通インフラ、EV関連に注力し、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。加えて、脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の増加を見込んだ事業機会の探索を実施します。また、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。
③エリア制の進化と事業領域の拡大
当企業グループの事業領域拡大のため、営業拠点の基盤強化をはかってまいります。地域密着営業の強化による顧客数の増加を目指し、子会社の機動力をより発揮するため、地域特性に合わせた地域戦略を推進いたします。加えて、国内外子会社および仕入先メーカーと連携を強化し、販売ネットワークのさらなる拡充を図ります。
④サステナビリティ経営の推進
サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築および積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。さらには、事業部門と本社部門の連動により、様々な分野におけるSDGsへの取り組みを加速させます。
以上を重要課題と再認識し、その解決に向けて事業戦略と経営基盤強化の側面から重点施策に磨きをかけてまいります。さらには、変化する経営環境において、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。
当企業グループはこれらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。特に、経営戦略上のリスクについては、必要に応じて経営会議や取締役会において審議を行っており、事業運営上のリスクについては、必要に応じて執行役員会において議論し、対応策を検討しております。また、それらを組織的かつ体系的に管理する必要があるため、リスクマネジメント規定を制定し、グループ全体のリスク全般の監視及び対応を椿本興業のリスクマネジメント委員会が主導しております。
一方、サステナビリティの課題に関しては、椿本興業にサステナビリティ推進委員会を設置した上、当企業グループの各部門から実務担当者を中心に選抜し、気候変動リスク及び人的資本・多様性リスクを中心にその回避策を策定し、グループの持続的成長を阻害する中長期的なリスク要因を特定・評価しております。特定・評価されたリスクが重大である場合は連携したリスクマネジメント委員会とともに取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。なお、以下の記載は当企業グループに関するリスクをすべて網羅するものではありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて当企業グループが判断したものであります。
(1) 事業環境にかかるリスク
(2) 事業運営にかかるリスク
(3) 環境・災害、その他にかかるリスク
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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