住友商事(8053)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP>関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


住友商事(8053)の株価チャート 住友商事(8053)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】住友商事グループは、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。住友商事は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。住友商事の各グループ、及びその関係会社、各地域拠点が共同でそれぞれの事業を推進しております。住友商事グループの事業セグメント毎の取扱商品又は事業の内容、及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。セグメント取扱商品又は事業の内容主要な関係会社名鉄鋼鋼管・鋼材等の鉄鋼製品の国内・貿易取引、加工及び関連事業を推進。住友商事グローバルメタルズ(子)Eryngium(子)Edgen Group(子)自動車自動車、タイヤ及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を推進。住友商事パワー&モビリティ(子)住友三井オートサービス(持)TBC Holdings(持)輸送機・建機リース・ファイナンス事業、航空機・船舶海洋・建設機械事業、防衛宇宙・安全保障ビジネスを推進。住友精密工業(子)SMS Construction And MiningSystems(子)三井住友ファイナンス&リース(持)都市総合開発不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ・デジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建設資材の製造・販売、機電設備関連事業及び物流・保険関連事業を推進。住友商事マシネックス(子)住商グローバル・ロジスティクス(子)アイジー工業(子)メディア・デジタル(注)2,3デジタルソリューション事業、情報インフラ事業、モバイル付加価値サービス事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、映像コンテンツ関連事業、グローバルCVC事業(スタートアップ投資)を推進。SCSK(子)JCOM(持)ジュピターショップチャンネル(持)ライフスタイル食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果等の食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック等のヘルスケア事業を推進。サミット(子)トモズ(子)Fyffes International(子)資源金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売及び商品デリバティブの活用等の幅広い機能を提供するトレードビジネスを推進。Sumisho Coal AustraliaHoldings(子)SC Quebrada Blanca(子)Oresteel Investments(持)化学品・エレクトロニクス・農業化学品のトレード・製造事業、電子材料トレード及び電子機器製造受託事業、医薬関連事業、化粧品関連事業、アニマルヘルス事業、農業資材販売事業の推進。住友商事ケミカル(子)住商グローバルエレクトロニクス(子)Sumi Agro Europe(子)エネルギートランスフォーメーション国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNG等のエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、次世代エネルギー分野での事業開発を推進。サミットエナジー(子)Central Java Power(子)Pacific Summit Energy(子) (注)1 (子)は連結子会社、(持)は持分法適用会社であります。(注)2 住友商事は、2026年4月1日付で、全社組織傘下にあった「DX・ITグループ」を営業グループに変更し、「DX・    ITグループ」の名称を「デジタル・AIグループ」に変更しております。また、「メディア・デジタルグ    ループ」傘下にあったデジタルSBUを「デジタル・AIグループ」傘下の組織に移管しております。(注)3 住友商事は、2026年4月1日付で、「メディア・デジタルグループ」の名称を「コミュニケーションサービスグ    ループ」に変更しております。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ●中期経営計画2026の進捗2024年度から始まった中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させています。2025年度は「強みを核とした成長」や「事業ポートフォリオ変革」を着実に推進した結果、過去最高となる当期利益6,003億円となりました。現中期経営計画最終年度となる2026年度については、中東情勢等の地政学的リスクの顕在化懸念もありますが、既存事業を中心とするOrganicと大型投資案件を中心とするInorganicの両面で成長を牽引することで過去最高益を更新する6,300億円を計画しています。 2025年度実績 (1) 中期経営計画2026における取組の状況① 強みを核とした成長・成長8分野につき、2023年度から2026年度の基礎的収益(注)の平均成長率が+11%となる見込み・2025年度における成長8分野での利益成長は前年度比プラス150億円・SCSKの完全子会社化を経てデジタル・AI戦略(DAIS)を策定。住友商事の事業現場でデジタル・AIを活用し、住友商事グループの収益性向上に取り組む・2026年度は、Organic成長に加えて、SCSK、米国航空機リース会社の利益貢献により成長8分野で前年度比790億円の増益を計画・デジタル・リース:実施した大型投資により更なる収益成長を目指す・不動産・エネルギーソリューション:資産回転推進による収益性向上等により収益成長を図る・鉄鋼・ヘルスケア:成長市場への経営資源投下、デジタル・AIを活用した収益性向上を図る・建機・アグリ:足元の低パフォーマンスを分析し、経営基盤強化と収益性の抜本的な改善に取り組む(注)「基礎的収益」は当期利益(親会社の所有者に帰属)から資産入替関連及び特殊損益を除いたものです。 ② 事業ポートフォリオ変革・2025年度はSCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得合意(2026年4月に買収完了)など、強みを更に強くする投資を実行・政策保有株式、ティーガイア社、マイダス社、北米メロン生産・販売事業、Sekal ASの売却等、資産入替も着実に進捗し、事業ポートフォリオの新陳代謝を加速・アンバトビーニッケル事業については、住友商事は2026年5月に譲渡契約を締結、住友商事保有の全出資持分を譲渡・SBU毎にROIC・WACCをモニタリング、機動的に各ビジネスの期待役割を見直し、全体としてポートフォリオの質向上を図る ③ 成長の原動力の強化・経営人財やラインマネージャーの育成、自律的なキャリア形成の促進、業務改革推進等の取組進捗。エンゲージメントは継続的に改善・都市総合開発グループではインフラ事業の知見/ノウハウを活かした海外都市開発案件等の取組進捗 (2) 定量計画① 経営環境全般世界経済は、緩やかな回復基調が続いてきたものの、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を受けてホルムズ海峡の航行が困難となり、鉱物性燃料、化学品、金属等原材料の供給途絶とそれに伴う価格上昇が生じており、足元では先行き不透明感が増しております。先進国経済では、米国において総じて緩やかな持ち直しの動きが続いているものの、ガソリンやディーゼル等の石油製品価格の上昇が、個人消費や生産活動全般の重石となることが懸念されます。ユーロ圏経済は、財政による下支えや金融緩和の効果を背景に景気回復の動きが続いてきましたが、エネルギー不足やエネルギー価格高騰の悪影響が懸念されます。日本経済は、物価上昇ペースが一服しつつある中で、財政政策や賃金上昇の効果が徐々に表れてきた一方、物資不足や生活関連費の上昇が消費者マインドの改善の重石となっております。新興国経済では、中国において不動産市場の低迷や欧米向け輸出の伸び悩みが経済活動の下押し要因となっております。その他のアジア諸国では、米国の関税措置により景気の足取りが重くなったものの、AIデータセンター向け等の電気機器輸出が景気を下支えしてきました。しかしながら、ホルムズ海峡の混乱に伴う重要物資の供給障害及び価格高騰が、景気の先行き不透明感を一段と強めております。今後のリスク要因としては、ホルムズ海峡の実質的封鎖の長期化、不安定な鉱物性燃料供給の継続及び価格上昇を通じた世界的な物価上昇、物価抑制に向けた金融引き締め、経済活動支援に伴う各国の財政悪化に加え、北東アジア、東南アジア、アフリカ等における地政学的リスクの高まりが挙げられます。 鉄鋼グループ当グループは、鋼管・鋼材など鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。鋼管分野では、米国市場は足元横ばいで推移しておりますが、原油価格の動向次第では価格・需要が変動する可能性があります。その他地域は、一部プロジェクトの端境期からの回復を見込む一方、中東情勢等の変化により回復時期や需要動向が左右される可能性があります。また、世界各国でエネルギー安定供給の重要性を背景に石油・ガス開発は継続するも、脱炭素に向けたエナジートランジションの動きも続く見通しです。鋼材分野では、米国で鋼材価格は上昇基調にあるものの、物価高や景気動向により需要が下振れする可能性があります。その他地域では中国での需要低迷が続き、中国材の東南アジア等への流入により各地市況が押し下げられております。他方、欧州洋上風力発電用の基礎構造物事業への出資等を通じ、収益基盤の拡大に取り組んでおります。以上を踏まえ、既存事業を堅持しつつ、強みを有する事業・地域に経営資本を重点配分して収益力を強化してまいります。また、DX・AIによる新たな価値提供に加え、再生可能エネルギーやCCS等、カーボンニュートラルに資する製品・サービスの供給を通じて産業のGXに貢献してまいります。 自動車グループ当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高まっております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスクがもたらすサプライチェーンの混乱、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。このような環境を踏まえ、足元の市場環境の変化への備えを確実にするとともに、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長促進、自動車リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大、自動車エンジニアリング事業等の新たな事業機会の取り込み、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでまいります。 輸送機・建機グループ当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業投資を行っております。当グループを取り巻く事業環境については、足元では中東情勢の緊迫化に伴い、地政学的リスクが顕在化しております。現時点での当グループ事業への直接的な影響は限定的であるものの、市況の変動や資材・燃料価格の動向等については注視しております。一方、中長期的には、世界的な航空需要の拡大が見込まれるほか、海上貨物輸送やインフラの建設・更新需要も堅調に推移すると見込んでおります。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な要請が一層高まっております。こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上に注力してまいります。リース・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では米国の関税措置といった不確実性への影響を注視しつつ、コスト削減やフリートマネジメントを柱とした収益改善施策を進めてまいります。また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進め、成長を加速してまいります。 都市総合開発グループ当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ及びデジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建材・セメントなどの建設資材関連事業、産業用設備などの機電設備関連事業、物流・保険関連事業を展開しております。不動産分野では国内不動産事業が堅調に推移したほか、工業団地分野においても引渡しが順調に進展し、期初予想を上回る実績となりました。当グループの主力ビジネスである国内不動産事業においては、今後も大都市圏を中心に需給バランスがタイトな状況が継続すると見込まれる一方で、中東情勢、金利動向、為替変動、インフレ等を取り巻く不確実性が、国内外事業におけるコストや工期を含む採算面に与える影響については、引き続き慎重な見極めが必要であると認識しております。当グループでは、こうした外部環境の変化を注視しつつ、事業のレジリエンス強化に努めております。このような環境認識のもと、資産入替や金融ストラクチャリングを積極的に活用し、自然環境に配慮するとともに災害に強い街づくりのグローバル展開を推し進めてまいります。 コミュニケーションサービスグループ当グループは、通信インフラ事業、通信サービス事業、メディア・エンターテインメント事業、金融投資事業を行っております。通信インフラ事業領域では、高速・大容量通信の需要拡大により、キャリア横断的な通信インフラの新増設とその共同利用の需要が見込まれており、当グループでは通信事業者向けの基地局シェアリング事業を拡大しております。通信サービス事業領域では、人手に依存していた公共インフラの保守・点検を通信技術とAIで置き換え、安心安全を更に向上させようという取り組みが進んでおり、異常検知AIソリューションの開発・展開を進めております。メディア・エンターテインメント事業領域では、国内最大のケーブル通信事業会社JCOM及び通販事業のジュピターショップチャンネルの企業価値最大化に加え、日本のアニメコンテンツが世界的に高い評価を受けていることを踏まえ、海外展開・二次利用事業の開発に取り組んでおります。金融投資事業領域ではスタートアップ投資やプライベートエクイティ投資を行っております。 デジタル・AIグループ当グループはネットワーク構築からシステム開発・運用およびデジタル・AI領域におけるソリューション事業を総合的に展開しております。事業環境は、既存のシステム・環境の刷新やクラウドの高度利用ニーズの拡大に支えられ、引き続き堅調に推移しております。加えて、DXの進展に伴い、顧客におけるシステム開発の主導権が情報システム部門から事業部門へと広がるとともに、AI技術の急速な発展により、AIを前提としたプロセス・業務そのものの変革ニーズが高まるなど、当グループにとって新たな事業機会が広がっております。こうした環境のもと、当グループは、従来の基幹・業務系システム開発・運用を中心とした事業基盤を強化しつつ、デジタル・AI領域へと事業の拡張を進めております。具体的には、AIを活用した開発高度化を通じた生産性向上とともに、顧客課題の発掘から事業・業務変革まで踏み込んだ提案型ビジネスの強化により、付加価値の高いサービス提供を推進してまいります。 ライフスタイルグループ当グループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック・慢性疾患患者向け在宅ヘルスケア事業などのヘルスケア事業を展開しております。リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健康に対する意識の高まりが見込まれます。一方で、地政学リスクの高まりやその一部顕在化を背景とした関連コストの上昇等により、消費マインドの抑制傾向が続く等、事業環境の不透明感が継続しております。ヘルスケア分野では、高齢化加速に伴う医療費適正化ニーズが一層高まる見通しであり、いずれも生活を支える事業として社会的重要性は引き続き高まっていくものと見ております。このような環境を踏まえ、リテイル事業では、優良な店舗基盤と顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、データ活用によるマーケティング及びデジタル・AI活用によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組んでまいります。食料事業では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとグローバルなネットワークを通じた収益基盤の強化と成長分野への展開を図ってまいります。ヘルスケア事業では、国内外での事業基盤拡大を通じ、医療費抑制・適正化に資する取り組みを進め、持続的な成長を目指してまいります。 資源グループ当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも住友商事事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。資源価格は、地政学的リスク等を背景に先行きの不透明感がある中、品目ごとの強弱はあっても底堅く推移しており、中長期の市況変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、住友商事ならではの経験・強みを発揮し、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の強化を進めております。基幹産業を支えるベースメタルを中心に、既存資産の価値最大化と優良権益の拡充に取り組むとともに、市況影響を受けにくい製造業・トレード等の中下流ビジネス拡充に引き続き注力し、環境負荷低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与するバリューチェーン構築を推進しております。これら取り組みを通じて、日本及び世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指してまいります。 化学品・エレクトロニクス・農業グループ当グループは、基礎化学品、エレクトロニクス、グリーンケミカル、医薬、化粧品、動物薬、農業資材等の分野において、材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しております。基礎化学品分野における新興国企業の台頭やエレクトロニクス分野におけるデジタル・AIの進展、EV化等に伴う業界構造の変化、経済安全保障を背景としたサプライチェーン再構築に加え、農業資材分野では、穀物市況の低迷や高金利の状況が事業環境に影響を及ぼしております。さらに、中東情勢の先行き不透明感の高まり、為替変動や物流コストの上昇、地政学的要因等を背景に、近年、当グループを取り巻く事業環境の不確実性は高まっております。このような環境下、当グループでは外部環境の変動が継続することを想定し、事業機会の着実な取り込みとリスクへの対応に取り組んでおります。今後は、各分野における事業基盤の強化や高付加価値創出を通じ、外部環境変化に対する下振れ耐性を高めつつ、持続的な収益成長を目指してまいります。 エネルギートランスフォーメーショングループ当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。ベトナム発電事業持分利益の減少、欧州ガストレードの低調など一部事業に関しては前年比減益となりましたが、電力EPC案件にかかる工事損失引当の取崩益や米国ガストレードにおける契約譲渡益等の一過性利益の計上もあり、グループ全体の利益としては堅調に推移しております。  当グループを取り巻く環境としては、生成AI普及(データセンター利用増大)に伴う電力消費量の増大、及び脱炭素・循環型社会の実現に向けた要請に加え、エネルギー安全保障に関する関心の高まりやエネルギー需要構成の変化が進んでおります。こうした環境下、ガスの重要性が増大し、経済性等の制約から脱炭素化は段階的に進展していきます。一方、昨今の地政学リスクの顕在化により、先行き不透明感が増大しております。こうした環境を踏まえ、当グループは、戦略性に富み、成長が見込める事業・資産への入替を促進し、エネルギー・トランジション事業と脱炭素関連事業の両方をバランス良く取り組んでまいります。次世代エネルギー分野での事業開発については、外部環境の変化に対応し、時間軸・リソース配分について迅速に調整を行いながら着実に継続してまいります。加えて、上流ビジネスを補完しバリューを高めるトレード機能と中下流ビジネスを強化し、より収益性の高いポートフォリオの構築を目指してまいります。 ② 定量計画・利益計画2026年度は、成長8分野がデジタル、リース、不動産、エネルギーソリューションを中心に着実な成長を計画しているほか、継続的な資産入替によるポートフォリオ変革の加速により、積み上げで6,600億円の利益となります。中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクが事業及び業績に与える影響については、現時点で見積もり可能な影響を各セグメントの見通しに織り込んでおります。一方、中東情勢における更なる不確実性などに対する備えとして△300億円のバッファーを設定し、通期業績予想は6,300億円としております。 ・キャッシュ・フローアロケーション2024年度、2025年度の実績及び2026年度中の計画については以下のとおりです。 また、財務健全性改善に向けては、資産入替の加速等により2028年度末までの3年間で財務健全性を大型投資実行前(2024年度末)の水準まで戻す計画です。一方で、現行の株主還元方針は継続、戦略的な投資も例年と同規模で実施し、更なる成長を目指します。 (3) 株主還元方針2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については以下のとおりです。・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うことを指します。 住友商事は、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。 2026年度の年間配当金は2026年度通期連結業績予想6,300億円を踏まえ、株式分割考慮後で1株当たり40円(株式分割考慮前で前期比10円増配となる160円)とする予定です。また、2026年5月1日の取締役会において、800億円(うち、2025年度の追加株主還元:100億円、2026年度の株主還元:700億円)を上限とする自己株式の取得を決定しました。 詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】住友商事の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当期末時点における住友商事の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。 (1) 住友商事グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制住友商事においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。 ① 「業績安定」② 「体質強化」③ 「信用維持」 住友商事は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。 (2) 事業投資に係るリスク① 全般当期末現在、住友商事は327社の連結子会社及び192社の持分法適用会社を有しています(注)。住友商事では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担に繋がるといったリスクが考えられます。住友商事ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。(注) 連結子会社が保有する関係会社のうち、当該連結子会社にて連結または持分法処理されているもの(当期末現在、子会社346社、持分法適用会社73社)については、上記会社数から除外しています。 (a) 新規投資実行時取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資案件選定指針を設定、新規投資検討の際には常にこの指針に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、経営会議及びその諮問機関である全社投融資委員会、またはグループ経営会議(各営業グループにおける投資意思決定機関)を開催し、個別案件の戦略上の位置付けや案件選定の背景・理由、投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ、並びに ESGの観点等、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。 (b) 投資実行後投資実行後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資実行後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」を設けています。更に、投資先のモニタリング制度を通じ、一定の定量基準に基づく撤退候補先の洗い出し、新規投資案件の進捗状況のフォローを行うとともに、投資先の成長性や収益性にフォーカスした事業投資先レビューを実施するなど、定期的に全投資先の保有意義をレビューし、ポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでいます。また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメント報酬の設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。加えて、投資の成功確度向上を目的に、過去の投資案件を踏まえてリスクや論点の抽出を支援するAIプラットフォームを構築しました。(注) 投資実行後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画を策定するとともに、その実行を担保する経営インフラ、ガバナンス体制の構築・整備を行う活動のこと。 ② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク住友商事は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、住友商事の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、住友商事では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと (3) タイプ別リスク① 信用リスク住友商事は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、住友商事は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。住友商事では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、住友商事の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 ② 商品市況の変動に係るリスク住友商事グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。住友商事は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。また、住友商事グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。 ③ カントリーリスク住友商事は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が住友商事の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。住友商事は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。中東諸国を含む全世界において、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、ロシア及びウクライナ関連ビジネスについては、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。 ④ 金利・為替の変動に係るリスク住友商事は、金融機関からの借入及び社債・コマーシャルペーパーの発行等により、事業資金を調達しています。また、住友商事は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生じる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。また、住友商事が行う外貨建投資・外貨建取引により生じる収益・費用、外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。住友商事は、これらの金利変動及び外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用しておりますが、これらの手段によりリスクを十分に回避できる保証はありません。 ⑤ 株式市場の変動に係るリスク住友商事が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、住友商事の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、住友商事の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。 ⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク住友商事は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、住友商事が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。不動産のほか、住友商事が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、住友商事の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに係るリスク住友商事は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、住友商事は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、住友商事の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。 ⑧ リーガル・コンプライアンスリスク住友商事は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための住友商事における負担がより増加する可能性があります。これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、住友商事は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、住友商事は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)ガバナンスに関する開示 法規制対応」を参照ください。しかしながら、このような取り組みをもってしても、住友商事または住友商事グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、住友商事の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。  なお、住友商事の子会社である住商リアルティ・マネジメント株式会社(以下、SRM)は、2025年12月5日、金融庁より金融商品取引法に基づく業務改善命令の行政処分を受け、2026年1月16日、業務改善報告を金融庁へ提出しました。SRMの親会社であり、運営するリートの主要な物件供給源でもある住友商事は、今般の事態を重く受け止め、今般SRMから提出された業務改善報告の実践状況をモニター・監督するとともに、適切なガバナンス体制の構築に協力してまいります。また、個別の物件取引においてはSRMとの利益相反関係をより一層意識・配慮し、適切なリスク管理を徹底いたします。SRMが、投資家の皆さまのご期待に応え、持続的な成長を果たせるよう、住友商事は、SRMと共に信頼の回復に努めてまいります。今後も「コンプライアンス最優先」の基本方針のもと、住友商事グループ各社の業容や組織の実情に応じた法令遵守体制及び内部管理体制を整備、強化し、住友商事グループのさらなるコンプライアンス強化に全力を挙げて努めてまいります。 ⑨ 訴訟等に関するリスク住友商事は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、住友商事の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で住友商事が勝訴するという保証や、将来において住友商事の社会的信用や住友商事の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。 ⑩ 社会・環境リスク住友商事グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、住友商事グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。住友商事は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。自然資本に関しては、循環型経済の構築やサプライチェーンマネジメント等を通じた自然と共生する社会の実現を目標に掲げています。事業による影響を回避・最小化するために排水・排気・廃棄物管理の適正化による汚染防止や、資源循環に資する取り組みを行っているほか、住友商事全事業の中で生物多様性や水ストレスの観点でリスクの高い事業を特定して対策状況を確認するなど、自然資本の保全・再生に努めています。人権の尊重に関しては、住友商事グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げています。住友商事全事業・サプライチェーンを対象として実施した人権デューデリジェンスの結果などを踏まえ、全社的なリスクマッピングをおこない、住友商事グループにおける人権リスクが高い事業を特定しております。各SBUや事業会社が主体となり、引き続き人権リスクの低減・防止に努めます。 ⑪ 自然災害等に関するリスク住友商事が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、住友商事の事業に悪影響を与える可能性があります。住友商事では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。 ⑫ オペレーショナルリスク住友商事は、営業グループ、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、住友商事が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為等が発生した場合、住友商事は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・モニタリング及び評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。 ⑬ 資金の流動性に関するリスク住友商事は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による住友商事の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、住友商事は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、住友商事の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。 ⑭ 繰延税金資産に関するリスク住友商事及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、住友商事及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。住友商事及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、住友商事及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本に関するリスク詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本に関する開示 ② 戦略 (c) 人的資本に関するリスク及び機会 および ③リスク管理」を参照ください。 (4) 集中リスク住友商事グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により住友商事が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、住友商事の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに適切に対応するため、住友商事では以下の管理を実施しています。・特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。住友商事が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、当該制度に基づき、きめ細かく管理しています。・特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。・住友商事グループとして債権残が高額になる取引先については、定期的に当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー