カナデン(8081)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業などのリスク


カナデン(8081)の株価チャート カナデン(8081)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 カナデングループは、㈱カナデン(カナデン)及び子会社11社、関連会社1社、その他の関係会社1社により構成されており、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4部門に関係する事業を主として行っており、その商品はあらゆる種類にわたっております。

 カナデンは、その他の関係会社にあたる三菱電機㈱のFA機器、電子機器、産業メカトロニクス、昇降機設備、冷熱設備、半導体、デバイスの代理店であります。

 なお、三菱電機㈱の子会社である三菱電機ビルソリューションズ㈱及び三菱電機住環境システムズ㈱との間においては、電機製品等の仕入及び販売を行っております。

 また、カナデンの販売商品の付加価値及びエンジニアリング、設計開発施工、アフターサービス部門を拡充すべく、子会社、関連会社とともに、事業活動を行っております。

 各事業におけるカナデン及び関係会社の位置付け等は、次のとおりであります。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

(FAシステム)

 当部門においては、製造ラインの品質・生産性向上に貢献するコントローラシステムや自動化システムをはじめとするFA機器、微細加工に対応するレーザ加工機、放電加工機等のメカトロニクス商品を販売しております。

[主な関係会社]

(販売)

KANADEN (THAILAND) CO.,LTD.、KANADEN TRADING (THAILAND) CO.,LTD.、KANADEN VIETNAM CO.,LTD.

(据付・サービス)

テクノクリエイト㈱、㈱日本制御エンジニアリング、KANADEN SOLUTIONS (THAILAND) CO.,LTD.

(ビル設備)

 当部門においては、無停電電源装置、昇降機等のほか、省エネ化を踏まえた空調機器、住宅設備機器、低温機器、並びにエネルギーマネジメントシステム等を販売しております。
[主な関係会社]

(据付・サービス)

㈱カナデンエンジニアリング

(インフラ)

 当部門においては、交通事業者向けに変電電力設備、LED機器、情報通信機器及び車両用電機品等を販売するほか、社会基盤整備に貢献する交通安全システム、航空管制システム、太陽光発電設備、地域防災システム等を販売しております。

(情通・デバイス)

 当部門においては、情報通信機器、自動車、産業機器に不可欠なマイコンを中心とする半導体、電子デバイス部品等のほか、様々なニーズや課題に応じた映像ソリューションシステムやセキュリティシステム等を販売しております。

[主な関係会社]

(販売)

㈱カナデンテレシス、科拿電(香港)有限公司、KANADEN CORPORATION SINGAPORE PTE.LTD.、科拿電国際貿易(上海)有限公司

(据付・サービス)

㈱カナデンエンジニアリング

[事業系統図]

以上で述べた事項を事業の系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注)上記は、2024年3月31日現在のものであります。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 カナデングループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカナデングループが判断したものであります。

 (1)会社の経営の基本方針

 カナデングループのミッション(存在意義)を「技術と創意で一歩先の未来へ導く」とし、カナデングループの技術と創意、そしてパートナー会社の技術を掛け合わせたソリューションで世の中をより良い未来へ導いていくことを掲げております。そして、ビジョン(ありたい姿)を「Creating New Value for Society」とし、お客さまやパートナー会社、ひいては社会全体のために常に新しい価値を創造し続ける集団となり、事業活動を展開してまいります。

 カナデングループは、永年にわたりエレクトロニクス技術商社として培った技術とノウハウを有しており、常にお客さまの企業価値向上を図るべく事業に取り組んでまいりました。これからもより高い技術力と提案力をもって事業を進化させ、お客さまの課題解決、ひいては社会課題の解決に貢献することにより持続的な成長を実現する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」であることを志向し続けることを経営の基本方針としております。

 

 (2)中期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標

 2025年度を最終年度とする中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』では、持続的な成長に向けた収益構造の強化を図り、価値を提供し、社会課題の解決に貢献できる「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることを目指す5年間としています。

 お客さまを最も知るベストパートナーであり続けるため、技術力・企画力を高め、パートナー企業やグループ内の連携を強化し、オリジナルソリューションの提供を通し、高付加価値ビジネスを追求するとともに、社会の変化に即応し持続的に成長できる企業を目指します。

 さらに、公明正大な経営を実践するため、コーポレート・ガバナンス体制をより一層強化するとともに、社員一人ひとりが倫理・遵法意識を高く持ち、健全で誠実な事業活動を推し進めてまいります。

 

新中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』

<基本方針>

SDGsへの取り組みを通じて、社会的課題の解決に貢献し持続的な成長を実現する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となる。

・お客さまを最も知るベストパートナーであり続ける。

・成長性に重きを置いた戦略の実行と、必要な経営資源を積極的に投入する。

・高付加価値ビジネスを拡大し、収益性の向上を図る。

 

<基本戦略>

持続的成長に向けた収益構造の強化

① 「深化・進化」による競争力の強化

カナデングループ内・パートナー企業との連携強化を図り、システム構築力やエンジニアリング力を強化することで、お客さまの企業価値向上に寄与するオリジナルソリューションを企画・提供し、差別化・競争力を強化する。

 

② 社会課題の解決を図るため、今後も成長性が高い分野への取り組みを強化

環境問題や労働力不足といった社会的課題の解決を図り持続的な社会の発展に寄与する、環境・エネルギー分野やロボット・自動化分野を始め、今後成長が見込まれる5G・IoT・AI対応分野への積極的な取り組みとそれぞれに対応する技術力の強化を図る。

 

③ カナデンDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

デジタイゼーションによる業務標準化・効率化にとどまらず、デジタライゼーションによるビジネスモデルの変革を実現し、提案内容の高度化・品質向上につなげるとともに、カナデンが蓄積してきた情報資産を最大限に活用し、企業間コミュニティを活性化するコンソーシアムの形成を目指す。

 

④ 多様な人材が能力を十分に発揮できる風土・仕組みづくり

人権の尊重と差別の禁止を徹底するとともに、多種多様な人材がライフイベントとキャリアを両立できるよう積極的な施策を講じ、カナデンの持続的な発展を担う人材を確保・育成する。

また、ビジネススキル向上や企業理念の浸透を通して個人の「挑戦と革新」の資質を高めるとともに、組織として事業環境の変化に柔軟に対応し、常に変化を志向する。

⑤ 戦略的投資政策の実行

技術力強化に向けたパートナー企業との連携や、新分野への事業領域の拡大を図るためのM&Aの実践。

 

⑥ 公明正大な経営

外部規律や社会的要請に適うガバナンス体制を構築し、より健全で透明性の高い経営を実践するとともに、全員が高い倫理観を持ち、健全で誠実な事業活動を実践する。

 

<経営目標数値>

目標数値(2025年度)

・営業利益 57億円,営業利益率 4.5%以上

・ROE  8.0%以上

・戦略的投資等による、売上高100億円の創出

 

<基本戦略に基づく施策>

(共通)

・全社プロジェクトによる既存重点分野(自動化、エネルギーマネジメント等)の取組強化とともに、新市場、新

 商材の開拓を推進する。

・エリア戦略の推進

 国内:各ビジネスユニット戦略とエリア戦略のマトリックス経営の推進

 海外:ASEAN地区におけるソリューション提案体制の強化

・技術教育を拡充し、ソリューション提案力の強化による差別化を図る。

・カナデンコンソーシアムの形成、活用による創発的な企業間コミュニティへの移行を図り、ビジネスモデルの継続的創出につなげる。

・セグメント横断的なアカウントマネジメント体制の確立による複合販売の推進。

・インサイドセールス機能を整備し、フィールドセールスとのハイブリッド対応による営業力強化を図る。

・成長分野におけるスタートアップ企業との協業による事業創出と、企業再編の活用によるバリューチェーンの拡大を目指す。

 

(FAシステム)

・ソリューション提案力を強化し、コンポーネントからソリューション、コンサルティングビジネスへの変革を図る。

・蓄積した製造現場の知見やAI・IoT等の新技術の活用や自動化によるお客さまの課題解決やものづくりの進化、安全で働きがいのある職場づくりを支援する。

・海外でのシステム対応力強化に向けたパートナー企業との連携強化。

 

(ビル設備)

・ビルマネジメントシステムの展開を強化し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)提案の強化を図り、環境負荷の低いエネルギー利用の普及を促進し快適性の向上と消費エネルギーの抑制を両立させる。

・工事、保守サービスを含め一貫したソリューションの展開強化。

 

(インフラ)

・社会インフラとしての「安心・安全・快適」を支え、進化させるという使命を果たし続けるとともに、交通・公共分野におけるお客さまのビジネスモデルの変革に対応し、従来の領域にとらわれないソリューション提案の拡大を図る。

・気候関連災害や自然災害に備える監視・防災・減災ソリューションの提供により社会や産業の基盤強化に貢献する。

 

(情通・デバイス)

・医療・介護・健康分野におけるデジタル技術を活用したソリューションの提供推進。

・セキュリティビジネスからトータルICTビジネスへの進化(デジタル分野への拡大)。

・IoTデバイスの進化や5Gの導入による、データの新たな活用や連携方法を可能にする商材の発掘、ソリューションの構築を目指す。

・自動車分野への参入加速。

 

 (3)会社の対処すべき課題

 カナデングループを取り巻く事業環境は、地政学リスクや中国経済の動向、欧米のインフレ高進や金融政策等、先行き不透明な状況が続いております。また、労働人口の減少や気候変動への対策も喫緊の課題となっております。

 このような状況下、5ヵ年中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』(2021年度~2025年度)では、持続的な成長に向けた収益構造の強化を図り、お客さまへ価値を提供し、社会課題の解決に貢献できる「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることを目指す5年間としておりますが、社会環境の変化とカナデングループにおけるリスクと機会を考察し、以下の項目に注力し取り組んでおります。

 

 

① 経営基盤である信頼と信用の向上

 企業価値向上に向けた成長の基盤として、まず信頼と信用が重要であると認識しております。

 法令違反や社会規範を逸脱した企業活動は信頼を損ない、企業価値を毀損します。さらに、デジタル社会では情報セキュリティの脆弱性が問題となり、外部からの侵入や情報漏洩による信頼低下や損害賠償請求のリスクが高まります。したがって、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、透明性の高い経営を実践するため、コンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会の機能を強化し、倫理観を持った健全で誠実な事業活動を推し進めてまいります。また、気候変動等の環境問題への対応は喫緊の課題と認識しており、サステナビリティ委員会を設置するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速し、社会的信頼と信用を高めてまいります。

 

② 変化の時代に応じた事業基盤の強化

 製品・サービスの複雑化や高度化、生産拠点やサプライヤーの多様化により、品質低下や欠陥が発生するリスクがあります。信頼の低下や損害賠償請求のリスクを回避するために、サプライヤーとの信頼と信用を築き、新たなサプライヤーの開拓に向け、製品サイト等を活用した活動を充実させ、企業間で補完しあう環境を築き品質向上に努めるとともに、サプライチェーンとの共創を進めてまいります。

 また、労働人口減少の中、優秀な人材の確保が重要な課題と認識しており、人事ポリシーに基づいた働きがいと成長の好循環を実現する人事制度の刷新を行い、ダイバーシティの推進を図ります。さらに、働き方改革や健康経営を通じてエンゲージメントの向上を図ってまいります。

 

③ 市場で勝ち残るための競争優位性の向上

 デジタル社会の進展には、商社機能の付加価値低下や既存商材・サービスの競争力低下といったリスクがあります。一方で、M&Aの実施等によるAI・IoT等を活用した技術力強化やソリューション提案力の向上とともに、デジタルマーケティングやインサイドセールス機能といった新たな切り口の拡充を図ることで、商談機会と提案領域を広げ営業力を強化し、新たな事業の創出を図ってまいります。グループ内やパートナー企業との連携により、オリジナルソリューションを提供し、お客さまの企業価値向上に貢献し続けることで競争力を強化してまいります。

 

④ 技術と創意による事業の成長

 気候変動等の環境問題への対応として、環境・エネルギー分野について、企業活動のあらゆる面において地球環境保全と調和に取り組み、カナデングループのソリューションを通じて脱炭素社会の実現やGHG排出量の削減に寄与してまいります。また、少子高齢化による労働人口の減少等の社会課題に対しては、ロボット等の自動化システムやAI、IoT技術を活かしたソリューションで日本のものづくりの進化に貢献し、放射線治療装置や介護システムの提案により、長寿社会における健康増進や福祉充実に寄与してまいります。社会インフラにおいては防災・減災設備の提供や、鉄道事業者向け受変電設備等の提供により安全で快適な社会基盤づくりに貢献するなど、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献することで持続的に成長するエレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとなることを目指してまいります。

 

⑤ 資本コストや株価を意識した経営

 カナデンの株価純資産倍率(PBR)は、1.0倍を下回る状態で推移しております。カナデンの株価とROEとの間には一定の相関関係があることから、収益力の強化と資本効率の向上を図り、ROEを向上させることがPBRの改善につながるものと認識しております。中期経営計画(ES・C2025)では、ROE8.0%以上を達成し、資本コストを上回るROEを実現・維持していくため、資本コストを意識した戦略的な投資と事業ポートフォリオの見直しを行っていくとともに、適切な資本政策も実施してまいります。

 持続的な成長の実現に向け、カナデングループの価値創造の源泉となるさまざまな資本を拡充するための投資を行っております。人的資本への投資としては、人事制度の改定と教育体系の見直しにより多様な人材が能力を十分に発揮できる制度・風土づくりを進めているほか、積極的なキャリア採用などによる人材の確保・育成を強化しております。知的資本への投資としては、営業支援システム・顧客管理システムの導入や基幹システムの刷新をはじめとするDXに注力しております。従来、各部門や個人で保有していた顧客やパートナー企業の情報、ノウハウや技術情報をシステム上で蓄積・共有・分析することにより有効活用し、新たなビジネスモデルの創出や事業領域の拡大を図ってまいります。社会関係資本への投資としては、M&Aによるグループネットワークの拡充や、取引先との協働による新たな事業の創出・進化に向けた投資を積極的に実行してまいります。

 また、お客さまの課題が多様化、複雑化する中、カナデングループに求められる役割が変化し、将来にわたって成長し続けるためには、セグメント間のクロスセルを強化し、従来提案しきれていなかった新たな価値を訴求することにより収益性を高めていくことが重要であると認識しております。事業のライフサイクルに応じた最適な資本投下や組織再編を行い、新たな事業機会を着実に次の基幹事業へと成長させてまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 カナデングループの業績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在においてカナデングループが判断したものであります。

 

① 経済状況について

 カナデングループの取扱商品でありますFA機器、ビル設備機器、半導体デバイス、情報通信機器等の需要は、カナデングループが供給を行っている顧客や業界の市場動向の影響を強く受ける商品であります。一方、無線通信機器、交通管制端末機器、受変電設備機器、車両用電気機器等につきましては、主要顧客であります鉄道事業者の設備投資や、官公庁の公共投資の影響を強く受ける商品であります。

 このため、前者は当該主要市場の需要の減退が生じた場合、後者は鉄道路線の新線計画あるいは設備の更新、並びに公共投資の動向等によっては、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、2025年度を最終年度とする中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』において、システム構築力やエンジニアリング力の強化を図り、顧客の企業価値向上に寄与するオリジナルソリューションを企画・提供することにより、差別化・競争力を強化するとともに、社会課題の解決を図り持続的な社会の発展に寄与する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることにより、持続的に成長できる企業となることを目指しております。

 

 

② 仕入先の依存について

 カナデングループの主要な仕入先は三菱電機株式会社であり、2024年3月期の総仕入高に対する割合は55.2%となっております。同社との間には販売代理店契約等を締結し取引関係は安定しており、今後ともこの関係を継続する方針でありますが、取引関係が継続困難となった場合や、仕入先の製品供給の動向によっては、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 カナデングループでは、引き続き主要仕入先との関係維持・強化を図り安定的な製品入手に努めるとともに、常に新規商材開拓に取り組み、パートナー企業との連携強化を図っております。

 

 

③ 業績の第4四半期偏重について

 カナデングループはカナデン及び子会社11社により構成されており、FAシステム事業、ビル設備事業、インフラ事業、情通・デバイス事業の4事業を主としております。

 インフラ事業における官公庁・自治体向けビジネス及びビル設備事業における建設業界向けビジネスは、工事完了・検収時期が年度末に集中することが多いこと等からカナデングループの業績は第4四半期に偏る傾向があります。そのため、工事・検収が年度内に完了しない案件が多数発生した場合は、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、顧客、仕入先、パートナー企業との連携を密にし、工事の進捗・案件管理の徹底に努め、年度内に完了しない案件の発生を極力少なくするよう努めております。

 

④ 債権管理について

 カナデングループの顧客は多種多様であるため、一律的な債権保全は困難であります。また、貸倒引当金の計上に関しては、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しておりますが、今後の動向によっては、貸倒引当金の積増しを要する事態が生じるため、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、債権管理には特に注力し、顧客の業態・資力に応じた信用限度設定を行うとともに、必要に応じて担保等の提供を受けるほか、信用状態の継続的な把握をするなど、不良債権の発生を極力少なくするよう努めております。

 

 

⑤ 為替レートの変動による影響について

 カナデングループの事業には、外貨による取引が含まれております。為替レートの短期的な変動によるリスクを全面的に回避することは不可能であり、為替レートの変動はカナデングループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 カナデングループでは、先物為替予約等による通貨ヘッジ取引を行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による影響を最小限に抑える努力をしております。

 

 

⑥ 投資について

 カナデングループが所有する投資有価証券は仕入先企業、取引金融機関、顧客企業等、業務上密接な関係にある企業が大半でありますが、株式相場の動向等によりましては、減損処理が必要となるリスクがあります。また、基幹ビジネスの進化、新分野への事業領域拡大、海外事業の強化、並びにグループ会社の強化のため、企業買収や資本提携を模索しております。しかしながら、買収等の対象事業について経営資源の有効活用ができない場合や、シナジー効果を十分に発揮できなかった場合は、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、これらの企業買収等の着手に際して、事前に各種リスクや効果等の評価を十分に検討して取り組むとともに、投資先の財政状態や事業環境を定期的にモニタリングしております。

 

 

⑦ 人材の確保

 カナデングループはエレクトロニクス分野において、優れた能力を有する新たな人材を確保し雇用を維持することにより、高い成長力が継続できると考えており、優秀な人材の確保及び雇用の維持は、今後の技術進化への対応を強化するために特に重要であります。労働人口減少が進むなか、カナデングループが優秀な人材の確保及び雇用の維持ができなくなった場合には、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、人事ポリシーを策定し、多種多様な人材がライフイベントとキャリアを両立できるよう積極的な施策を講じていくとともに、技術力強化を最も重要なテーマとし、スキル向上や個人の「挑戦と革新」の資質を高めるために、組織で人材を育成する風土を醸成し、カナデングループの持続的な発展を担う人材を確保・育成に努めております。

 

 

⑧ 情報システム不全

 カナデングループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しております。コンピュータウイルスその他の要因によって情報システムの機能に支障が生じた場合や、機密情報の漏洩等が生じた場合、事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、不正アクセスの防止等リスク低減のための措置を行い、インシデントの早期検知、インシデント発生時の適切な対処等を定め、情報セキュリティ対策の強化に努めております。

 

 

⑨ コンプライアンス

 カナデングループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあります。コンプライアンスの基本方針として「誠実に正道を歩む」と掲げており、法令・ルールの遵守に留まらず、高い倫理観に基づいた社会的責任を持った行動に努めております。

 しかしながら、万一法令違反等があった場合には、発注機関からの指名停止措置等の行政処分を受けるとともに、社会的信用を失墜することとなり、カナデングループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、企業倫理ガイドラインを定め、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進のための取り組みを協議・実行しております。

 

 

⑩ 自然災害のリスク

 カナデングループの事業活動の遂行に当たり、大規模な地震、風水害等の自然災害が発生した場合、主要な事務所の壊滅的損壊や役職員の被災、道路網・鉄道網の寸断、情報システムの障害等により営業活動や物流機能に支障が生じるとともに、その修復または代替のために巨額な費用が発生することがあります。併せて、仕入先・顧客の被災状況や社会インフラ復旧の遅れ等から、商品調達並びに販売に大きな影響を受けることとなり、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、自然災害が発生した場合は、危機管理規則及び災害対策規則に基づき、人命の保護・救助を最優先に心がけ、迅速かつ冷静に対応し影響の軽減に努めます。

 また、昨今の風水害の要因の一つである気候変動問題に対し、カナデングループでは、環境・エネルギー分野への積極的な取り組みを図るとともに、循環型社会の形成に貢献できるように、オフィスの省エネや事業活動におけるCO2排出量の低減に努めております。

 

 

⑪ 感染症の流行等に関するリスク

 カナデングループの事業活動の遂行にあたり、新たな感染症の大流行により社会活動や経済活動が制限され、取引先の事業活動や投資需要の低下、販売網及び供給網に混乱による景気悪化が生じる場合には、カナデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カナデングループや取引先の従業員等の就業不能が長期化した場合、事業活動が制限されることによる機会損失のリスクが高くなります。

 カナデングループでは、デジタル化を推進することにより事業活動の停滞を回避し、柔軟かつスピード感のあるビジネスモデルへの変革を図っております。

 

 

⑫ 地政学的リスク

 カナデングループは、東アジア及び東南アジアにおいて事業活動を展開しており、これらの国々や地域において予期しない法律又は規制の変更、政治又は経済情勢の悪化、テロ・戦争などによる社会的混乱等、地政学的リスクが顕在化した場合には、商品調達並びに販売に大きな影響を受けることとなり、カナデングループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 カナデングループでは、現地駐在員、現地コンサルタント等と地域の最新情報を確認し、必要に応じた対応、指示、注意喚起を行うことにより影響を最小限にするよう努めております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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