フューチャーベンチャーキャピタルグループは、国内各地に事業拠点を置き、ベンチャーキャピタル事業として、ベンチャー企業への投資及び投資助言、投資事業組合の組成及びその管理・運営、投資事業組合の無限責任組合員となって投資先の選定及び育成支援を行う他、ベンチャーキャピタル事業において管理・運営する投資事業組合と利益相反が生じないM&A案件に限り、投資事業組合の資金に頼らないフューチャーベンチャーキャピタルの自己勘定による地域企業のM&Aに積極的に取り組んでおります。
以上に述べた事項を事業系統図によって示しますと、次のとおりであります。
〔事業系統図〕
フューチャーベンチャーキャピタルグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてフューチャーベンチャーキャピタルグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
フューチャーベンチャーキャピタルは、株主共同の利益のため、過去から続くフューチャーベンチャーキャピタルの経営資源を合理的に活用し、また、上場会社として適切なコーポレート・ガバナンス体制の確立をし、堅実かつ確実な事業経営の実現を目指しています。新体制は、近年の数度の経営体制の変更により、フューチャーベンチャーキャピタルのベンチャーキャピタル事業の経営方針が不明確となり経営資源が分散している状況と捉えており、今後、フューチャーベンチャーキャピタルのベンチャーキャピタル事業における「集中と選択」と新たな経営方針を実行するケイパビリティの獲得が不可欠だと考えております。このようにフューチャーベンチャーキャピタルの主たる事業であるベンチャーキャピタル事業の立て直しを図り、フューチャーベンチャーキャピタルの中長期的な企業価値、並びに、株主価値向上に邁進いたします。また、ベンチャーキャピタル事業において管理・運営する投資事業組合と利益相反が生じないM&A案件に限り、投資事業組合の資金に頼らないフューチャーベンチャーキャピタルの自己勘定による地域企業等のM&Aを実施し、投資事業組合の「ファンド管理報酬」及び投資リターンの一部として受領する「成功報酬」だけでなく、直接的な投資によりキャピタルゲインを得るなど収益の多角化を目指します。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、フューチャーベンチャーキャピタルの主たる事業がベンチャーキャピタル事業であることから、資産運用総額(AUM)の拡大を目指します。
今後、どのように、この資産運用総額(AUM)を増加させていくのかについては、新中期経営計画(フューチャービジョン2027)を策定し、情報開示を行いました。
なお、業績予想に関しては、フューチャーベンチャーキャピタルの売上は、ファンド管理報酬を主体とする安定収益であることから、一定程度予見可能であるものの、その金額規模が年間10億円未満と小さいため、ファンド投資先やフューチャーベンチャーキャピタル直接投資・買収先か
ら売却益または減損等が発生した場合、業績に大きな影響を与えます。従って、現時点においては業績予想を合理的に行うことは困難であると判断し、決算後可能な限り迅速な開示をすることにしております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 投資ファンドの規模と投資領域の両拡大
ベンチャーキャピタル事業を中核とするフューチャーベンチャーキャピタルにとりまして、投資家の皆さまからお預かりした資金を原資とした投資により財務的及び事業戦略的成果を上げ、その成果から生まれる信頼によって次の投資の器となるファンドに資金をお預かりするというプロセスを繰り返す中でその規模を拡大していくことが1つの成長モデルであります。
投資ファンドは、1本あたりのファンド規模が少額であると、そこから分散投資をすることになり、投資実行金額が自ずと少額になります。その結果、投資先社数ばかりが先行して増えてしまい、フューチャーベンチャーキャピタルが無限責任組合員として運用するファンド総額が充分に追いつかず、フューチャーベンチャーキャピタルとして維持できるファンド投資担当者の人員規模と投資先社数の整合がとれなくなる課題があります。従って、フューチャーベンチャーキャピタルの伝統である地方でのリスクマネー提供機能を維持しつつ、今後新規設立する1本あたりの投資ファンドの規模を、10億円~30億円以上にできるよう努めております。
② 地域企業等のM&Aの実行
外部資金を用いたファンド形態での投資活動においては、ファンドの存続期間等に応じて投資により取得した持分を一定期間で売却し、その資金を償還することが必要となりますが、上場会社であるフューチャーベンチャーキャピタルが内部留保資金等の自己資金や自社株式を用いて投資活動を行うことにより、投資事業組合の「ファンド管理報酬」及び投資リターンの一部として受領する「成功報酬」だけでなく、直接的な投資によりキャピタルゲインを得るなど収益の多角化が可能となります。なお、M&A対象企業を、ベンチャーキャピタル事業において管理・運営する投資事業組合と利益相反が生じない案件に限ることで、フューチャーベンチャーキャピタルの主たる事業であるベンチャーキャピタル事業のファンド運用事業者として受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)を果たすことを第一とします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
フューチャーベンチャーキャピタルが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。
① 新規ファンドの設立
フューチャーベンチャーキャピタルのファンド事業は、安定的に収益を確保出来る体制を整えております。従って、引き続きフューチャーベンチャーキャピタルサービスを
マーケットへ浸透させ、新規投資家の発掘、ファンド設立を推進してまいります。
② 新たな収益源の獲得
フューチャーベンチャーキャピタルは、新たなビジネスモデルを確立し、複数の投資家、投資先企業との関係構築に努めてまいりました。今
後、フューチャーベンチャーキャピタルが関与する投資家、投資先企業がより一層成長するためのプロダクト、サービスを開発し、成長支援を
行うとともに、フューチャーベンチャーキャピタルの新たな収益の柱となり得る事業を構築すべく、引き続きプロダクト開発、事業会社との提
携模索、M&Aを中心とした自己投資の施策を推進してまいります。
③ 営業及び投資体制の強化
フューチャーベンチャーキャピタルは、新規ファンドの設立を推進し、複数本のファンドを効率的に運営できる体制を整備運用しておりま
す。投資家の投資ニーズは拡大傾向にあり、フューチャーベンチャーキャピタルのファンド規模の拡大及びファンド運営を継続的に成長させる
にあたり、新たな投資担当者、投資事務担当者などの人員を確保し、かつ早期に戦力化できるよう教育体制を充
実させる必要があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
<知名度及び信用度リスク>
フューチャーベンチャーキャピタルが従事する投資業務においては、投資検討先ならびに金融業界全般における知名度や社会的信用が重要です。フューチャーベンチャーキャピタル役職員及び関係者による法令や社会規範に反する行為が発生した場合、顧客保護・市場の健全性・公正な競争・公共の利益及びフューチャーベンチャーキャピタルのステークホルダーに悪影響を及ぼす恐れがあります。フューチャーベンチャーキャピタルは、経営上の重大な知名度及び信用度リスクを特定・評価し、コントロール策によるかかるリスクの低減・制御を図っています。また、企業風土を重んじる人事評価制度を通じ、上場する投資会社に求められる行動規範及び健全なリスクカルチャーの浸透・醸成に努めています。しかしながら、これらの取組みにも関わらず、役職員等の不適切な行為が原因で、市場及び公共の利益等に悪影響を与えた場合、取引先及び金融業界等からの信用失墜等により、フューチャーベンチャーキャピタルの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<人材確保、育成>
フューチャーベンチャーキャピタルの成長力の源泉は、主として投資先企業の成長を支えるとともに各種収益機会を獲得する投資担当者に大きく依存いたします。一方管理部門においても、合理化を進める中で少人数の運営体制を築いており、個別人材への依存度が高い状態にあります。従いまして過度な離職を防止し、能力ある人材を確保できないと、フューチャーベンチャーキャピタルの成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、業務運営に支障をきたす恐れがあります。
<ファンド残高の減少>
ファンドの運用成績が芳しくない場合、又は出資者対応が適切に行えなかった場合には、フューチャーベンチャーキャピタルが運営するファンドに対する社会的信用及び投資家からの信頼の低下を招き、新規ファンドの設立及び募集が困難になる恐れがあります。また、顧客ニーズを適時適切にとらえた商品設計ができない場合も同様に、新規ファンドの設立及び募集が困難になる恐れがあります。その結果、フューチャーベンチャーキャピタルがファンドから受領する管理報酬金額の減少や十分な投資実行が行われないことによる将来の収益の減少により、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<M&Aに対するリスクについて>
フューチャーベンチャーキャピタルグループは事業拡大及び安定収益の確保を目的として、積極的に地域企業等のM&Aの検討を進めております。M&Aにおいては、対象企業の財務内容や主要事業に関するデューデリジェンスを実施することにより、事前にリスクを把握するように努めておりますが、事業環境の急激な変化や、予期せぬ簿外債務や偶発債務が発生した場合、取引時に想定したシナジー効果が達成されなかった場合並びに対象企業の事業が計画通りに進展せずのれんの減損処理が生じる場合等、フューチャーベンチャーキャピタルグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
<法的規制>
フューチャーベンチャーキャピタルはファンドの管理運営、プライベート・エクイティ投資を行っており、その活動にあたっては、種々の法的規制(会社法、金融商品取引法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律等)を受けることとなります。従いまして、その活動が制限される場合及びこれらの規制との関係で費用が増加する場合があり、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<投資能力の劣化>
投資機会の減少により投資担当者の能力が低下し、又は担当者の離職により投資先との信頼関係が劣化すること等により、ファンドの運用パフォーマンスが悪化すると、ファンドの損益を取り込むことによりフューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、運用パフォーマンスの悪化は新規ファンドの設立及び募集を困難にする恐れがあり、そうなるとフューチャーベンチャーキャピタルがファンドから受領する管理報酬金額の減少や十分な投資実行が行われないことによる将来の収益の減少により、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<コンプライアンス>
「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、コンプライアンス体制構築には万全を期した上で業務の合理化を進めてはいるものの、少人数での運営体制になることで牽制機能が弱まり、何らかの不祥事等が生じた場合、その内容によってはフューチャーベンチャーキャピタルの信頼が損なわれ、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<投資資金の回収>
フューチャーベンチャーキャピタルのファンド運営成績には、ファンドの運営期間中に投資資金を早期に、かつ、どれだけ投資金額を上回って回収できるかということが直接的な影響要因となります。フューチャーベンチャーキャピタルの主な投資対象は、株式上場を目指す成長性の高い未上場企業でありますが、投資先企業が株式上場に至ることなく経営破綻する場合、又は株式上場時期が延期となる場合、さらには、株式上場後に株式売却金額が想定額を大幅に下回る場合等が考えられます。それに伴い、営業投資有価証券の売却損失や投資資金の回収期間の長期化が発生し、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<ベンチャーキャピタル業務への偏り>
フューチャーベンチャーキャピタルは、現在収益源をベンチャーキャピタル事業に依存しており、経営資源を投資事業組合(以下、「ファンド」という。)の管理・運営、投資先企業の選定及び育成支援に集中しております。地域企業等のM&Aによる収益の多角化を目指しておりますが、当該M&A実行前においては、フューチャーベンチャーキャピタルの業績は日本の経済情勢の変化や株式市場の影響を強く受けることとなり、経済環境の変化に適切に対応できない場合、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態が悪化する可能性があります。
<株式市場の下落と新規上場市場の低迷>
フューチャーベンチャーキャピタルが株式上場した投資先企業の株式売却によって得られる収益は、株式市場の動向等に大きく影響を受けます。株式市場が下落した場合や新規上場市場が低迷した場合には、保有する上場株式に評価損が発生し、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新規上場銘柄は場合により、ロックアップ契約等によって上場後一定期間売却が制限されることがあります。その間の価格変動リスクは不可避であり、株価が下落した場合は、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<株式の希薄化>
フューチャーベンチャーキャピタルは、資金調達又は連携先との関係強化を目的として、今後新株式及び新株予約権等を発行する可能性があることから、これらの発行及び行使により、フューチャーベンチャーキャピタルの1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
<投資損失引当金の計上及び減損処理の実施>
フューチャーベンチャーキャピタルの投資先企業の多くは、新しいビジネスを営んでいる未上場企業であります。このため、当初想定していたとおりの成長が出来ない場合には、その投資先企業に著しい業績悪化、資金繰り悪化又は破綻の可能性が生じます。その場合、当該投資先企業の有価証券について、投資損失引当金の繰入又は減損損失を計上することになり、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<資金の調達>
フューチャーベンチャーキャピタルの投資の原資は手元資金により賄われておりますが、今後の既存事業拡大や新規事業構築に伴い、金融機関からの借入や資本市場により資金調達する場合があります。その際、金融市場その他の要因の変動が借入条件に影響を与える場合には、フューチャーベンチャーキャピタルの財政状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。
<システムリスク>
フューチャーベンチャーキャピタルは、会計システムや情報管理システム等により、経理情報や投資先企業の情報等を管理しております。このため、コンピュータウィルス感染やサーバ等への不正アクセス等の防止及びデータ保全のためのバックアップなどの対策を実施しております。しかし、コンピュータウィルス感染や天変地異等により、システムダウンや誤作動等が発生するリスクがあります。また、不正アクセスなどにより、データの改ざんや投資先企業の情報が流出する等の可能性があります。これらの事態が発生した場合、業務遂行に支障をきたす可能性があり、損害賠償や社会的信用の低下等により、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<情報管理>
フューチャーベンチャーキャピタルが保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理について、情報セキュリティ管理規程はじめ各種規程を制定するとともに役職員への周知徹底を行っておりますが、今後、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、フューチャーベンチャーキャピタルの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<為替レートの変動>
連結財務諸表の作成時、フューチャーベンチャーキャピタルグループの海外における外貨建ての資産・負債を円換算いたしますが、換算時の為替レートによりましては、フューチャーベンチャーキャピタルグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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