SOMPOホールディングスグループは、SOMPOホールディングス(保険持株会社)および関係会社(子会社134社、関連会社等22社)によって構成されており、国内損害保険事業、海外保険事業、国内生命保険事業、介護事業、延長保証事業、デジタル関連事業、アセットマネジメント事業等を営んでおります。
SOMPOホールディングスグループの事業の内容、各関係会社の位置づけおよびセグメントとの関連は事業系統図のとおりであります。
なお、SOMPOホールディングスは特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
事業系統図
(2025年3月31日現在)
(注)各記号の意味は次のとおりであります。
◎:連結子会社 ★:持分法適用関連会社
SOMPOホールディングスグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、SOMPOホールディングスグループが判断したものであります。また、文中のSOMPOホールディングスグループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 前中期経営計画(2021~2023年度)の総括
前中期経営計画(2021~2023年度)においては、「規模と分散の追求」、「新たな顧客価値の創造」、「働き方改革」の3つの基本戦略を柱とし、グループのトランスフォーメーションと事業ポートフォリオ変革に取り組んでまいりました。
その結果、海外保険事業がグループの業績を大きく牽引したことなどにより、2023年度の修正連結利益は過去最高となる2,910億円、修正連結ROEは9.2%となりました。
一方、上記のとおり、SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンは自動車保険金不正請求等への対応に関して、また損保ジャパンは不適切な保険料調整行為等の問題に関して、行政処分(業務改善命令)を受けました。SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンは、金融庁に提出した業務改善計画に基づき、グループ一丸となって再発防止に取り組むとともに、お客さま保護を再徹底し、全てのステークホルダーからの信頼回復に努めております。
(2)SOMPOグループが目指す姿
国内外の金融政策や為替、グローバルな保険市場の動向の不確実性は増しており、国内では当面、インフレが企業経営に影響を与え続ける可能性もあります。また、中長期では少子高齢化の進行による人口動態の変化がもたらす国内保険市場の縮小、気候変動による世界的な自然災害の増加、地政学リスクやモビリティ技術の進展なども大きなパラダイムシフトの要因となり得ます。さらには、生成AIや消費者行動の変化により、ビジネスモデルの転換が必要となる可能性も考えられます。
こうした環境下において、SOMPOホールディングスグループは、130年を超える歴史で培った事業の基盤や専門性を背景に、お客さまに安心・安全・健康に資するサービスを提供できるグループとして、強みを最大限に活かした戦略遂行を目指してまいります。
<SOMPOグループが目指す姿>
(3)新中期経営計画(2024~2026年度)の取組方針
2024~2026年度の新中期経営計画においては、「SOMPOグループが目指す姿」に向けて、「レジリエンスのさらなる向上」と「つなぐ・つながる」をゴールと位置付けております。
グループとしては、信頼回復とレジリエンス向上に取り組む国内損害保険事業、グループの規模の拡大と成長を牽引する海外保険事業、中長期の成長の牽引役を担うウェルビーイング事業(※)という3つの事業領域を中心に注力してまいります。そして、その結果として、3年後には修正連結ROE13~15%、修正EPS成長率12%超の実現を目指してまいります。
また、グループ共通戦略として、「人材戦略(含むコーポレートカルチャー変革)」「財務戦略(含む資本循環経営)」「データ・デジタル戦略」にも取り組んでまいります。
各事業においては、まず国内損害保険事業において、業務改善計画を着実に遂行しながら、収益基盤と事業基盤の再構築にフォーカスしてまいります。保険本業の品質を高めながら、ポートフォリオ変革や、保険金サービス部門と営業部門の変革等に取り組むプロジェクト「SJ-R」を基軸として、態勢整備を進めてまいります。
次に、海外保険事業においては、地域・事業領域の拡大を図り、資産運用利益も高めながら、安定した利益成長を目指してまいります。また、M&Aの案件発掘も引き続き規律を持って進めてまいります。
ウェルビーイング事業では、国内生命保険事業においては、保険と健康サービスの2軸で「ひまわりファン」の拡大を、介護事業においては、オペレーター事業の更なる品質と効率性向上、そして介護事業者向けデータ活用サービス「egaku」を含むプラットフォーム展開を、引き続き進めてまいります。さらに、M&Aの実行も検討しながら、健康寿命の延伸に向けたさまざまなソリューションを提供することで、一人あたりLTV(Life Time Value)を高め、SOMPOホールディングスグループのPER向上にもつなげてまいります。
SOMPOホールディングスグループは、自らが果たすべき役割を進化させ、企業価値を向上させるとともに、多様なステークホルダーに真摯に向き合いながら、これからも様々な課題解決に取り組んでまいります。
※国内生命保険事業および介護事業の顧客基盤や強みを生かして、健康寿命の延伸に向けたさまざまなソリューションを提供する事業
SOMPOホールディングスは、指名委員会等設置会社として社外取締役を中心に構成する取締役会がグループの執行状況を監督する体制としており、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の3つの法定委員会では、いずれも社外取締役が委員長を務めております。2024年4月からは取締役会の議長も社外取締役から選定することで、客観性と公正性を一層強化しております。また、SOMPOホールディングスの執行役、執行役員の一部は主要子会社の取締役を兼任しており、事業会社の課題等を各社の取締役会を通じて直接把握することで、経営管理の実効性を高める体制としております。グループ各社においても取締役会が監督機能を十分に果たせるよう、重要な執行情報について、タイムリーかつ能動的な報告が行われる仕組みを講じてまいります。
業務執行体制においては、グループCEOの全体統括のもと、執行権限と責任を明確化しております。事業区分ごとに選定される事業CEO(2024年4月1日付けで事業オーナーから名称変更)が一定の権限委譲を受けて事業の成長を牽引していく一方、グループ共通施策等は専門領域ごとに選定されるグループ・チーフオフィサーまたは領域担当役員が推進を担ってまいります。SOMPOホールディングスは2024年4月から、グループの内部統制の実効性を高めるコンプライアンス担当役員と、業務改善計画の進捗状況を含むグループの内部監査を統括する内部監査担当役員を新たに選任しております。
新中期経営計画期間中、SOMPOホールディングスは、このようなガバナンス体制のもとで、業務改善計画の着実な実行とグループの信頼回復に向けたガバナンスの実効性向上を最優先に、事業会社における自律的なPDCAサイクルの再構築や、持株会社であるSOMPOホールディングスによる子会社経営管理の強化を進め、執行と監督の分離と透明性ある意思決定プロセスを確保するための態勢を整備し、健全な持続的成長を実現するための強固な土台を築いてまいります。
<新中期経営計画の全体像>
◆グループ経営数値目標
2024年度は、損保ジャパンにおける自動車保険の保険金支払単価上昇や「SJ-R」の取組みへの先行投資などの影響により減益予想となりますが、国内損害保険事業の事業基盤・収益基盤変革、海外保険事業の規律ある拡大、ウェルビーイング事業の成長加速などにより利益成長を実現するとともに、資本を適切にコントロールすることで、ROEとEPSの向上を目指してまいります。
※国際財務報告基準(IFRS)適用後の基準(案)に基づく
(注)2024年度の事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結純資産、修正連結ROEおよびリスク分散の計算方法は、以下のとおりであります。
※1 事業部門別修正利益は、一過性の損益またはグループ会社配当等の特殊要因を除く。
※2 一過性の変動要素を除いたOperating Income(=当期純利益-為替損益-有価証券売却・評価損益-減損損失など)で定義
※3 国内生命保険事業修正純資産=国内生命保険事業純資産(日本会計基準)+危険準備金(税引後)+価格変動準備金(税引後)+責任準備金補正(税引後)+未償却新契約費(税引後)
(4) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
◆主なKPIの達成状況
国内損害保険事業では実質的な収益力を示すため、「修正利益」を主なKPIとしておりました。
前中期経営計画の最終年度である2023年度の修正利益は、損保ジャパンにおける火災保険の収支改善などにより、前年度から403億円増加し723億円となったものの、自然災害や大口事故、自動車保険の発生保険金の増加の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。
一方、政策保有株式の削減については、前中期経営計画期間における累計1,500億円の削減計画に対して、計画を上回る1,956億円(※1)の削減を行いました。
◆前中期経営計画の成果
前中期経営計画期間中は、火災保険・自動車保険を中心としたプライシングやアンダーライティングの強化に加え、生産性向上などの収益構造改革に努めてまいりました。この収益構造改革による利益改善効果は着実に発現しておりましたが、インフレによる保険金支払単価の上昇や想定を超える自動車事故発生率の悪化等のマイナス影響が収益拡大の重石となりました。
また、損保ジャパンは、2023年度に自動車保険金不正請求等への対応および不適切な保険料調整行為等の問題に関して、金融庁から行政処分を受け、業務改善計画に基づくこれらの問題の再発防止策の実行と抜本的な事業モデルの変革に着手しております。
◆新中期経営計画の取組方針
国内損害保険事業は、予測の難しい環境変化の中においても、SOMPOグループの中核会社として、グループが目指す「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を実現するため、信頼回復とレジリエンスの向上に取り組み、グループの成長に寄与してまいります。
損保ジャパンは、2023年度に発生した上記の問題を受けて、「お客さまに、社会に、まっすぐ。」というスローガンのもとでカルチャー変革に取り組み、「新しい損保ジャパン」を目指してまいります。
新中期経営計画では、収益基盤の変革と事業基盤の変革を両輪とし、持続可能な成長を実現するための戦略「SJ-R」に全力で取り組むことで、お客さま・社会とのつながりを強固なものにしていくとともに、高い独自性とレジリエンスを誇りとする「新しい損保ジャパン」を実現してまいります。
国内損害保険事業の主なKPIは以下のとおりであります。
ポートフォリオ変革を始めとする「SJ-R」による利益回復でROEの分子を改善し、政策株式削減で分母となるリスク量の圧縮を図ることで、2026年度時点で事業別ROE8%以上を目指してまいります。
② 海外保険事業
◆主なKPIの達成状況
海外保険事業では、実質的な収益力を示すため、「修正利益」を主なKPIとしておりました。
2021年~2023年の3年間で修正利益は年平均76%で成長し、2023年は目標1,000億円以上に対して1,631億円と大きく超過しました。
◆前中期経営計画の成果
海外保険事業はSompo International Holdings Ltd.を中心に米国、英国、欧州大陸、中南米、中東、アジア等で事業を展開し、高品質な保険および保険関連サービスの提供を通じて、事業を拡大させてまいりました。
コマーシャル分野では、北米、グローバルマーケット、農業、再保険の各事業セグメントで成長し、コンシューマー分野ではブラジルにおける健康保険事業およびその他のコンシューマー事業の売却など、ポートフォリオの最適化を図りました。
イ.新中期経営計画(2024~2026年度)
◆新中期経営計画の取組方針
前中期経営計画での取組みによって、新中期経営計画に向けての基盤が着実に整備されました。新中期経営計画期間中は、保険金コストの上昇に沿った保険料レート環境、金利環境による追い風、経済インフレの緩和など、事業環境の変動が見込まれます。そのような環境下で、保険引受規律を維持し、アンダーライティングサイクルへ適切に対応してまいります。また、将来へ向けた投資によって顧客基盤の拡大を継続し、種目分散、地理的分散を通じてグループに貢献し、株主価値の最大化を目指してまいります。
◆主なKPI
海外保険事業における主なKPIは以下のとおりであります。
実質的な収益力を示すため、「修正利益」と「事業別ROE」をKPIとしております。これに加えて、重要戦略である地理的拡大による成長を測定する指標として、当該戦略によるグロス保険料をKPIとして設定し、引き続きグループの成長の牽引役としての役割を果たしてまいります。
③ 国内生命保険事業
◆主なKPIの達成状況
国内生命保険事業では、お客さま本位の業務運営のもと、2016年度以降、新成長戦略として伝統的な生命保険会社から「健康応援企業」への変革を目指して、保険本来の機能と健康応援機能とを組み合わせた新たな価値(Insurhealth®:インシュアヘルス)の提供を開始し、非連続な生産性向上とともに取り組みました。
これらの取組みを進化させるべく、Insurhealth®を原動力とする成長をデジタル/データで加速し、働き方改革による生産性向上とひまわりブランドで後押しすることにより、「健康応援企業」の確立を目指しました。
その結果、2023年度の修正利益は当初計画を上回る過去最高の418億円となりました。
◆前中期経営計画の成果
前中期経営計画期間で、Insurhealth®商品は全10種類となり、その販売累計は、161万件、年換算保険料1,159億円に達し、お客さまの数と利益規模の拡大に寄与しました。Insurhealth®の健康応援機能に関しては、保険加入後の禁煙成功や健康改善によりキャッシュバックと保険料割引が得られる「健康☆チャレンジ!制度」の成功者が1.3万人に達し、未成功者と比べて入院率が約50%低いなどの実績が得られました。これらの成果により、健康応援企業としての礎を築き上げることができました。
イ. 新中期経営計画(2024~2026年度)
◆新中期経営計画の取組方針
生命保険業界の経営環境は、少子高齢化の進展や健康寿命への関心の高まり等による保険ニーズの多様化、デジタル技術進展、経済動向の不確実性など、大きく変化しております。また、政府が掲げる「健康寿命の延伸」のもと、国民一人ひとりの健康づくりや疾病等の予防をサポートするため、官民一体となった取組みが進められております。
このような環境のもと、国内生命保険事業は、ウェルビーイング事業の一員として、引き続き、保険本来の機能と健康応援機能とを組み合わせたInsurhealth®の提供を通じて、お客さま本位で「健康応援企業」の実現を目指すことにより、社会課題の解決に貢献してまいります。
新中期経営計画では、「お客さま本位で、ひまわりファンをさらに増やして、健康にすることで、利益規模の拡大を実現する」ことを経営方針として掲げ、実現のため3つの挑戦に取り組んでまいります。
◆主なKPI
国内生命保険事業における主なKPIは以下のとおりであります。
新中期経営計画の挑戦①②により、「ひまわりファン数」の拡大を通じて「新契約CSM※」の成長を目指しながら、「ひまわりファンの健康行動数」の拡大に取り組んでまいります。これらの取組みを挑戦③で後押しすることで、2026年度の事業別ROE12%以上を目指してまいります。
※Contractual Service Margin:新契約価値と同様のIFRS17号に基づく指標(税前)
④ 介護・シニア事業
◆主なKPIの達成状況
介護・シニア事業では、実質的な収益力を示す「修正利益」を主なKPIとしておりました。また、介護・シニア事業における収益の多くを居住系サービスが占めていることから、居住系サービスの「入居率」もKPIとしておりました。
2023年度は、水道光熱費の高騰が通期予想より抑えられた点や、令和6年度税制改正に伴い、エヌ・デーソフトウェア株式会社において将来見込んでいた繰延税金負債の減少などが影響し、修正利益は計画を上回る88億円となりました。一方、SOMPOケア株式会社における入居率は計画を下回り92.9%(※)となりました。
※入居率は年度末時点での数値であります。
◆前中期経営計画の成果
介護事業への参入以降、入居率向上、人材強化、ガバナンス強化に取り組むことで収益化を達成し、SOMPOホールディングスグループの主要事業として着実に成果を積み上げてまいりました。前中期経営計画では、介護施設の新設やM&Aを通じた規模の拡大、リアルデータを活用した品質の伴った生産性向上への取組み、処遇改善等の人材への投資、エヌ・デーソフトウェア株式会社の買収などにより事業基盤を拡大させるとともに、「egaku」の開発など新たな取組みも進めてまいりました。
イ. 新中期経営計画(2024~2026年度)
◆新中期経営計画の取組方針
急速に進展する高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者は増加し、今後も国内の介護市場は拡大することが見込まれております。その一方で、生産年齢人口の減少に伴い、介護を支える労働力の減少が見込まれており、持続可能な事業モデルを確立するためには、品質を伴う生産性のさらなる向上や人材確保・育成が喫緊の経営課題であると認識しております。
社会課題である介護人材の需給ギャップ拡大の解決に貢献するため、介護事業はプラットフォーマーへの変革を目指してまいります。また、SOMPOケア株式会社が介護オペレーター事業で培ったノウハウとエヌ・デーソフトウェア株式会社の介護ソフトウェアとの融合を図り、介護事業者のシステム化の支援およびそれに伴うサービス品質の向上と職員の負荷軽減を実現し、介護業界の持続可能性向上に貢献してまいります。
◆主なKPI
介護事業では、「事業別ROE」をKPIとし、2026年度に12%以上の達成を目指してまいります。また、介護オペレーターとしてのさらなる成長を実現するため、2026年度末時点での居住系サービスの「入居率」を95.5%に引き上げることを目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がSOMPOホールディングスグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」および「当該リスクの管理体制・枠組み」は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在においてSOMPOホールディングスグループが判断したものであります。
SOMPOホールディングスおよび損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)は、ビッグモーター社による自動車保険金不正請求等への対応に関する問題により、2024年1月25日に金融庁から業務改善命令を受けました。また、損保ジャパンは、独占禁止法に抵触すると考えられる不適切な保険料調整行為等の問題により、2023年12月26日に金融庁から業務改善命令を受けました。
SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンに対する行政処分への対応等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
SOMPOホールディングスグループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、SOMPOホールディングスグループを最適な方向に導く取組みを実施しております。
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、SOMPOホールディングスグループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。
② リスク管理に関するガバナンス体制
SOMPOホールディングスでは、取締役会が制定した「SOMPOグループERM基本方針」に基づき、「戦略的リスク経営(ERM)」の実効性を確保するため、グループ戦略・経営計画と合わせて、リスクテイクの指針としてリスクアペタイト原則、中期リスクテイク戦略およびリスクアペタイト指標からなる「SOMPOグループ リスクアペタイトステートメント」を定めております。
グループCEOの諮問機関であるGlobal Executive Committee (以下「Global ExCo」といいます。)では、グループのリスクアペタイトステートメント、中期グループERM推進方針、リスク許容度に関する対応方針・対応策などのリスク管理に関する事項について定期的に経営論議しております。
また、Global ExCoの下部組織として、グループCROを委員長とするグループERM委員会を設置しております。グループERM委員会では、リスクテイク戦略や資本配賦などグループの戦略的リスク経営に関する重要な事項やリスク管理部、各主管部を通じた重大リスクのコントロールの状況等について、グループ横断で確認・議論を行っております。
グループCROは、「SOMPOグループERM基本方針」や「中期グループERM推進方針」をグループ会社に周知徹底し、また定期的なモニタリング、各社CROとのディスカッション等を通じ、グループ全体の戦略的リスク経営の実効性の向上を図っております。
グループ会社においては、グループの方針に沿ったリスク管理体制を整備し、リスク管理を自律的に行っております。
なお、2024年4月1日付けでGlobal ExCoはグループ執行会議に改組しております。
<リスク管理に関するガバナンス体制(2024年4月以降)>
③ リスクコントロールシステム、リスクと資本の状況
リスクコントロールシステムにおいては、「重大リスク管理」の枠組みでSOMPOホールディングスグループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
SOMPOホールディングスグループは、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、グループCROがリスクアセスメントや専門家等の見解に基づいて網羅的に把握し、リスクがSOMPOホールディングスグループに及ぼす影響を具体的なシナリオで想定した上で、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、経営執行協議会(Managerial Administrative Committee)(以下「経営執行協議会(MAC)」といいます。)および取締役会に報告しております。
変化が大きいリスクや対策等に関する議論が必要なリスクについては、Global ExCoまたは経営執行協議会(MAC)において議論を行っております。
また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、SOMPOホールディングスグループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、個別の重大リスクと関連付けて適切に管理を実施しております。エマージングリスク候補は、官民の各種情報源のホライゾン・スキャンによって収集してエマージングリスク・レジスターに登録し、そのうち、所定の基準に該当するものをエマージングリスクに選定しております。
なお、2024年4月1日付けでGlobal ExCoおよび経営執行協議会(MAC)はグループ執行会議に改組しております。
<重大リスクおよびエマージングリスクの管理プロセス>
イ.自己資本管理
SOMPOホールディングスグループが保有する各種リスクを統一的な尺度(VaR:Value at Risk)で定量化し、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
ウ.ストレステスト
SOMPOホールディングスグループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、グループベースで「シナリオ・ストレステスト」「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。また、2024年3月末時点で、SOMPOホールディングスの想定するストレス下においても十分な資本を有していることを確認しております。
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスク、自然災害リスクの各々に対してグループベースで最大限度額を設定し管理しており、2024年3月末時点で各最大限度額に抵触していないことを確認しております。また、各限度額の枠内で予備的にリミット管理を行っております。
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しており、2024年3月末時点でSOMPOホールディングスに最大の資金流出をもたらすシナリオに対しても、十分な流動性資産を有していることを確認しております。
経営者がSOMPOホールディングスグループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」は、SOMPOホールディングスグループが定義する「重大リスク」であります。重大リスクおよびその発生可能性・影響度の評価は、下記のとおりであります。
<重大リスク一覧>
<重大リスクのヒートマップ(発生可能性・影響度)>
また、エマージングリスクの状況は以下のとおりであります。
<エマージングリスク一覧>
SOMPOホールディングスグループを取り巻く外部環境が変化し、経営戦略の前提条件が現実の事業環境と合わなくなる、またはグループガバナンス機能(内部統制システムの整備・運用を含む)や戦略的な人材配置が不十分となったなどの場合に経営戦略に合致するビジネスモデルの構築ができないことにより、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に重大な影響が生じるリスクを「経営戦略リスク」と認識しております。影響が大きいと考える環境変化等は以下のとおりであります。
短期的なリスクとしては、急激なインフレ進行による事業コスト・支払保険金の増加を商品・サービス価格に転嫁できないリスクや金融資産の価値下落リスク、気候変動により想定を超える風水災損害が発生するリスク、サステナビリティ関連の取組みが不十分とみられることや、風評がマスコミ報道・インターネット上の記事等に流布された場合にブランド価値が毀損するリスク、デジタル関連等の異業種からの新規参入やAIをはじめデジタル技術進展への対応不十分により競争力・収益基盤が劣化・毀損するリスク、地政学的緊張の高まりによる制裁の応酬や重大事象の発生などによる波及的な影響が生じるリスク、パンデミックによる人々の生活や産業活動への制約等がSOMPOホールディングス事業に影響を及ぼすリスク、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土への変革が実現できないリスク、多様な意見が受け入れられるコーポレートカルチャーへの変革が進まないことにより従業員エンゲージメントが低下するリスクなどにより、SOMPOホールディングスグループの収益力が低下する可能性があります。
長期的なリスクとしては、シェアリング経済の拡大や国内の人口減少・高齢化等を背景としたマーケット規模の縮小や技術革新に伴う事故の減少による保険ニーズの減少等がSOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会への移行に伴い、温室効果ガス(GHG)の高排出セクターの座礁資産化や信用リスクの悪化が、SOMPOホールディングスグループの保険事業や資産運用に影響を与える可能性があると認識しております。
SOMPOホールディングスグループでは、外部環境の変化は脅威とともに機会をもたらすと捉えて、デジタル戦略、M&A等を実行し、「SOMPOのパーパス」実現へのトランスフォーメーションを進めております。例えば、生成AI活用・データドリブンな意思決定を可能にするワークフローの構成等をはじめとした既存事業の生産性向上、デジタル技術を活用した新商品・サービスなどを通じた新たな顧客価値の創造、それらの実現を支えるデジタル分野の専門人材の採用・育成によるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めております。経済環境の悪化については、インフレによる世界経済・金融市場の悪化などの日々の変化を注視したうえで、SOMPOホールディングスグループへの影響を分析し、対応策を講じております。地政学リスクについては、SOMPOホールディングスグループに大きな影響を及ぼすシナリオの想定と対応体制の検証を行い、規制変更リスクについては、関連する国内外法規制等の動向の情報を収集するなどして、経営上の影響を見極められるよう注視しております。将来のパンデミックについては、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を活かし、大きな変化から来る機会と脅威に柔軟に対応できるよう、環境変化への注視など続けてまいります。また、グループガバナンスを適切に機能させるために、グループ会社の内部統制の十分性・実効性を適時・適切に把握する管理・モニタリング体制の強化を進めております。
デジタル戦略・M&Aや大規模システム開発等の大規模投資は取締役会等で妥当性を十分議論して実行しておりますが、環境変化や想定を超える困難などのために期待した成果が得られない可能性があるため、実行後も定期的に所定の基準に基づいて妥当性が失われていないことおよび撤退基準に抵触していないことを確認しております。
また、気候変動による物理的なリスクについては、自然災害の激甚化などの影響に関して気候シナリオを活用した分析などに取り組んでおります。脱炭素社会への移行に伴うリスクについては、保険引受や資産運用を中心としたグリーントランジションプランを掲げ取組みを進めるとともに、グループCSuOを議長、国内損害保険、海外保険、国内生命保険、介護の各事業のサステナビリティ担当役員およびCSOをメンバーとする「グループサステナブル経営推進協議会」において、これらの取組みの状況把握、協議を行い、必要に応じてGlobal ExCoや経営執行協議会(MAC)に報告する体制を構築しております。
風評リスクについては、SOMPOホールディングスで定める規程に従い適時適切に対応することで、影響の極小化を図っております。
人的資本のリスクについて、人事制度面では、人材競争力の向上を図るため、自律的なキャリア形成を促進するジョブ型人事制度や多様な働き方を実現する制度など、自分自身の人生の意義や目的あるいは働く意義である「MYパーパス」に基づくキャリアを描ける人事制度を構築しているほか、自律的な学びを促進するためのプラットフォームを整備して、その機会を従業員に提供しております。また、人材への投資を拡大し、従業員の専門性向上を図り、さらにはグループ役職員の認識・思考・価値観および行動を変革するため、遵守しなければならない行動原則等の策定を含めた、グループ企業理念体系の見直しおよび浸透を図っていく予定であります。
なお、2024年4月1日付けでGlobal ExCoおよび経営執行協議会(MAC)はグループ執行会議に改組しております。
イ.財務・運用リスク(No.13~15)
市場変動や投融資先・保証保険の保証先・再保険の出再先の破綻・信用力の悪化、大規模災害時の資金繰り悪化等により業績・財政状態が悪化するリスクを「財務・運用リスク」と認識しております。SOMPOホールディングスグループにおいては国内外の有価証券等に幅広く投資しており、株式・為替相場等の変動により、資産の価値が下落した場合には、売却損や評価損の発生、評価差額金の減少等により、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、SOMPOホールディングスグループは予定利率(契約時にお客さまにお約束する運用利回り)を設定した契約期間が長期の保険商品を販売しており、金利の低下局面では、実際の運用利回りが予定利率を下回るリスクがあります。反対に、金利の上昇局面では、主に貯蓄性商品において、お客さまが予定利率の高い商品に乗り換えることに伴う保険契約の解約が増加する可能性があります。
さらに国内生命保険事業は、保険商品の長期性から保険負債の金利感応度が大きく、資産の金利感応度とミスマッチが生じることにより、金利変動時に実質自己資本が減少するリスクが大きくなる可能性があります。
SOMPOホールディングスグループは、保有することで保険取引において適正な競争を阻害する要因となりうる株式については、2030年度末を目処に保有残高ゼロとする計画を策定しております。これにより、株式相場下落の影響が一定低減するよう努めております。また為替変動の影響については、グループベースで為替リスク量をモニターし、円高により自己資本が大幅に減少するリスクを管理しております。
積立保険の満期返戻金や国内生命保険事業などの長期の保険負債の金利感応度に対しては、長期の投融資を実行することで、資産負債全体の金利感応度を低減させ、実質自己資本に対する金利変動の影響を抑制するとともに、国内生命保険事業では、保障性をはじめとする金利の影響を受けにくい商品の保有割合を高めることにも努めております。
投融資にあたっては、特定の与信先への集積を回避するためリミットを設定して管理しております。
資金繰りについては保険子会社ごとに管理しており、巨大災害時の資金ニーズや金利上昇に伴う解約増加等に対応できる流動性資産が十分確保されるようにして管理しております。
ウ.オペレーショナルリスクおよびコンプライアンスリスク(No.16~22)
各種法規制への違反、外部委託先や代理店の管理(公正な取引を含みます。)の失敗、システム障害、サイバー攻撃、長時間労働・ハラスメント等の労務トラブル、顧客情報の漏えい、不正行為、ミスコンダクトなどが発生するリスクを「オペレーショナルリスクおよびコンプライアンスリスク」と認識しております。
SOMPOホールディングスグループは業務を行うにあたり、保険業法をはじめとした各種事業に適用される法規制、海外においては、事業を展開する各国・地域の法規制の適用を受けておりますが、これらの法規制が遵守されないリスクがあります 。また、SOMPOホールディングスグループが提供する商品・サービスや業務慣行と社会やお客さまをはじめとしたステークホルダーの期待との間にギャップが生じて利用者保護や市場の公正性・透明性などに悪影響を及ぼし、結果として企業価値を毀損するコンダクトリスクがあります。
SOMPOホールディングスグループのシステムは事業を行う上で重要な要素の一つであり、安定した稼働に向けた管理態勢の整備と適切なセキュリティ対策に努めておりますが、機器の故障や人為的ミスによる情報システムの不備といった内部要因、災害やサイバー攻撃による不正アクセス等の外部要因等により、情報システムの停止、誤作動、不正使用、データ破壊・改ざん等といったシステムリスクがあります。
SOMPOホールディングスグループは、多数のお客さまの情報を取り扱っているほか、様々な経営情報等の内部情報を保有しており、これらの情報に関しては、グループ各社において、情報管理態勢を整備し、厳重な管理を行っておりますが、サイバー攻撃による場合を含めて重大な情報漏えいが発生するリスクがあります。
上記以外にも、事務ミス、外部委託先管理の失敗、従業員の心身の不調、役職員等による不正行為、外部からの犯罪行為、訴訟に伴う賠償金の支払い等、業務運営に伴うさまざまなオペレーショナルリスク・コンプライアンスリスクが存在します。
これらのリスクが発生した場合には、直接・間接のコストおよび業務運営の支障発生、金融庁等による行政処分、SOMPOホールディングスグループの社会的信頼・信用の失墜等により、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
b.対応策の状況
SOMPOホールディングスグループは、SOMPOホールディングスおよび損保ジャパンに対する行政処分の指摘を受けて、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり再発防止策を進めております。その中でも、コンプライアンスやお客さま保護を重視する健全な企業風土を醸成し、グループ役職員の認識・思考・価値観および行動を変革するために、遵守しなければならない行動原則等の策定を含めた、グループ企業理念体系の見直しおよび浸透を図っていく予定であります。
また、法規制や社会規範および企業倫理に則った適正な企業活動を行うための態勢を整備するだけではなく、グループ各社で発生している不適切事案の具体事例を分析し、共通する課題への対策を実施する等により、グループ全体の内部統制システムの実効性向上に努めてまいります。
長時間労働等による労務リスクについては、適正な勤怠管理の徹底に加え、リモート環境下でのマネジメントスキルおよびリモートコミュニケーションの向上を図る体制を整備しております。
システム障害、サイバー攻撃といったシステムリスクについては、管理態勢を整備し継続的にシステムリスクの低減等を進めております。中でも日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対しては、対応能力を継続的に向上させることが何よりも重要と認識し、グループ一丸となってサイバーセキュリティ対策(詳細は下記「サイバーセキュリティへの取組み」を参照)に取り組んでおります。
エ.事業固有リスク(No.23~28)
(保険引受リスク)
国内損害保険事業、海外保険事業および国内生命保険事業において想定外の支払保険金が発生するリスクを「事業固有リスク(保険引受リスク)」と認識しております。
SOMPOホールディングスグループは、国内外の地震・風水災・雹災・雪災等の自然災害による損害に対して巨額の保険金等を支払うことがあり、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。SOMPOホールディングスグループにおいては特に、気候変動に伴う風水災の頻発や激甚化による支払保険金増加の影響が大きいと認識しており、保険引受収支の悪化や、十分な再保険の手配が困難となる等の影響により、安定した保険の提供が難しくなる可能性もあります。
また、SOMPOホールディングスグループでは、サイバーリスクの補償を目的とした専用の保険商品を販売しておりますが、ソフトウェアの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が大規模に発生した場合などに、同時多発的にお客さまのデータの破壊・窃取、事業中断等に関する保険金等を支払うことにより、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
SOMPOホールディングスグループでは、国内外の自然災害リスクについて、集積が過大とならないよう、グループの資本や利益水準を踏まえたリミット金額を地域別・自然災害種類別に設定し、当該リミットを超えることがないように定期的にモニタリングを実施して適切に管理しております。また、再保険の活用や国内の異常危険準備金等の積み立てを行い、事業の安定化を図るとともに、自然災害による保険金支払のリスクについて気候変動を踏まえて定量的に評価することで、適切な料率設定・商品設計を目指しております。
また、サイバー保険については、モデルや想定されるシナリオに基づき、予想最大損害額の算出を行っており、主要な保険子会社のそれぞれでモニタリングリミットを設けて、リスクの把握と適切な引受水準の維持・管理に努めております。
SOMPOホールディングスグループは、多くの高齢者やそのご家族の多様なニーズにお応えするため、SOMPOケア株式会社が在宅介護から施設介護までフルラインナップの介護サービスを提供しており、介護事業戦略の遂行において介護事業環境を見誤ることや、重大不祥事が発生してブランド価値を毀損するリスクを「事業固有のリスク(介護事業リスク)」と認識しております。介護事業においては、介護保険法の改正ならびに介護報酬の改定、介護市場における競争激化、介護人材の需給ギャップ拡大などに起因する従業員確保の困難、食中毒、集団感染症の発生、高齢者事業特有の事故等の発生およびそれらによる社会的信頼・信用の毀損、風評リスクの発生等により、SOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
SOMPOケア株式会社では、ご利用者さまとの信頼を築くため、コーポレート・ガバナンス体制、事業所管理体制の構築に取り組んでおります。ガバナンス・リスク・クオリティ・コンプライアンス委員会を経営会議の諮問機関として設置し、リスク管理・品質にかかわる重大事象への対応や、内部監査結果などの内部統制に関する事項の審議を実施するとともに、本社リスク管理部門では事故情報を集約し、再発防止策の周知・徹底を図っております。また、リアルデータプラットフォームの技術を活用した介護事業者向けサービスである「egaku」、ICT・最先端テクノロジーの介護現場での有効活用を推進し、生産性向上および処遇改善を通じた介護人材の需給ギャップの解消を目指しております。
大規模地震等の自然災害、大規模テロ攻撃、新型感染症等のパンデミック(世界的な大流行)、サイバー攻撃等による大規模システム障害等が発生し、本社機能、保険金支払、介護サービスの提供などにおける円滑な業務運営が阻害されるリスクを「その他リスク(事業中断リスク)」と認識しており、当該リスクはSOMPOホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
SOMPOホールディングスグループでは、従来から大規模な地震などの自然災害、新型感染症等のパンデミックの発生、サイバー攻撃等による大規模システム障害発生の有事に備えた業務継続計画を策定し、定期的に訓練を実施するとともに、業務継続計画の有効性の検証を行っております。
また、直近では、東京都防災会議の「首都直下地震等による東京の被害想定」に基づくグループ各社の整備状況の点検や最新の通信手段・電力ファシリティの配備、サイバー対応の有事体制やグループ内連携フローの明確化などを通じ、更なる危機対応力向上へ向け、グループ各社の重要業務の継続のための改善を行っております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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