東京海上ホールディングス(8766)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


東京海上ホールディングス(8766)の株価チャート 東京海上ホールディングス(8766)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】 東京海上ホールディングスグループは、東京海上ホールディングス、子会社436社および関連会社25社により構成されており、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業およびソリューション・その他事業を営んでいます。 また、東京海上ホールディングスは特定上場会社等です。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 2026年3月31日現在の事業の系統図は以下のとおりです。 (注)1. 東京海上ダイレクト損害保険株式会社は、2025年10月1日付でイーデザイン損害保険株式会社から名称変更しました。2. Tokio Marine Life Insurance Singapore Pte. Ltd.は、2025年10月18日付でTokio Marine Life Insurance Singapore Ltd.から名称変更しました。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針①経営理念 東京海上ホールディングスは、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。<東京海上グループ経営理念> 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~ 東京海上グループは、事業環境が加速度的に変化するなかでも、お客様や社会の“いざ”をお守りするというパーパスを果たし続けるために、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいます。 ③目標とする経営指標等 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROE(いずれも国際財務報告基準(IFRS))を掲げています。 2026年度の修正純利益および修正ROEは、前年の自然災害が少なかったことの反動の一方で、国内保険事業における自動車保険の収支改善、前年に実施したボルトオン買収の利益貢献および国内外の為替の影響により、本有価証券報告書提出日現在において、それぞれ9,500億円、13.0%を見込んでいます。なお、当事業年度までの経営指標としては修正純利益および修正ROE(いずれも日本基準)を掲げており、当事業年度の半期報告書提出日時点においては、それぞれ11,100億円、20.5%を見込んでいましたが、政策株式売却益の増加等により、実績はそれぞれ12,048億円、22.0%となりました。  修正純利益および修正ROE(いずれも国際財務報告基準(IFRS))は、それぞれ次の方法で算出します。・修正純利益*1 修正純利益=連結当期利益*2-キャピタル損益*3-ALM*4・ヘッジ関連損益-事業投資関連損益*5・修正純資産*1,6 修正純資産=連結純資産*7-含み損益・修正ROE 修正ROE=修正純利益÷修正純資産*1 調整額は税引後です。*2 連結財務諸表上の「親会社の所有者に帰属する当期利益」です。*3 ALM*4・ヘッジ関連損益以外のキャピタル損益をいいます。*4 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。*5 その他無形資産償却額等を含みます。*6 平均残高ベースで算出しています。*7 連結財務諸表上の「親会社の所有者に帰属する持分合計」です。 (2)経営環境及び対処すべき課題 2026年度も、気候変動による災害の激甚化、AIの急速な進歩、変化の激しい各国の政治・社会情勢や地政学リスク等、国内外の先行きに対する不透明感が強い状況は続く見込みです。 こうした状況のなか、東京海上グループは、パーパスに基づく2035年にありたい姿(「Aspiration」)として、「日本発のグローバルカンパニーとして、安心・安全の提供を通じ、お客様や社会の“いざ”と“いつも”をお守りし、幸せにあふれる社会と未来の創造に挑戦し続ける」という姿を掲げています。2026年度は、「東京海上グループ中期経営計画2026~次の一歩の力になる。~」の最終年度となります。計画の達成に向けて、各事業がオーナーシップを発揮しながら、ソリューション事業を中心とした価値提供領域の飛躍的な拡大、ダイレクトチャネルの拡充等の販売チャネルの多様化・複線化、AI・データ等を活用したアンダーライティング(保険引受)の高度化・自動化や生産性の徹底的な向上、そして内部統制・ガバナンスの強化と資本管理の高度化に取り組んでまいります。 各事業における今後の取組みは、次のとおりです。<国内損害保険事業> 東京海上日動火災保険株式会社は、中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざし、引き続き組織風土の変革を進めてまいります。また、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」として、保険金支払いに留まらない事前(リスクや損害の発生の抑制)・事後(早期復旧や再発防止)の領域における商品・サービスの提供にも取り組んでまいります。東京海上ダイレクト損害保険株式会社は、AI・データ等を活用したアプリケーションの機能拡充等、ダイレクトの強みを活かしながらお客様起点で品質を高めることで事業基盤の強化を図ってまいります。<国内生命保険事業> 東京海上日動あんしん生命保険株式会社は、創業以来の理念に立ち返り、引き続き「お客様本位の生命保険事業」の運営に向けた取組みとガバナンスの強化に取り組んでまいります。また、お客様本位の取組みのさらなる強化と今後予想される環境変化に対応するための成長戦略である「あんしんReboot(再起動)」のもと、未病・早期発見・重症化予防等の領域における新たな保障・サービスの開発や、保障と一体型のヘルスケアサービスの提供等にも取り組みながら、持続的な成長の実現をめざします。<海外保険事業> 引き続き、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大とともに、収益性の向上に取り組んでまいります。また、さらなる質の高いポートフォリオの構築に向け、グローバルなリスク分散や戦略的なM&Aの実行に取り組んでまいります。<ソリューション・その他事業> 多様なリスクや損害そのものを減らすソリューションを保険と一体的に提供していくことで、社会全体のレジリエンス向上を実現するとともに、ソリューション事業を国内保険事業と海外保険事業に次ぐ東京海上グループの収益の柱とすることをめざします。お客様や社会の課題は多様化・複雑化していますが、東京海上ホールディングスはこの環境をお客様や社会のお役に立てる重要な成長機会として捉えています。ID&Eホールディングス株式会社および東京海上日動火災保険株式会社等が共創して取り組んでいる防災・減災領域をはじめ、モビリティ、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素社会への移行等の複数の領域においてソリューションを提供し、事業規模の拡大を図ってまいります。 これらの各事業を支え、「People's Business(人とその信頼からなる事業)」である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉となるのは、昔も今もこれからも「人」です。すべてのステークホルダーの「幸せ(Happiness)」に貢献できる企業として、社員一人ひとりが適材適所でやりがいと誇りをもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会の“いざ”と“いつも”をお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。 東京海上グループは、急速に進歩するAIをビジネスモデル変革の鍵と位置付けています。AIを徹底的に活用し、アンダーライティング(保険引受)や照会応答の高度化等を通じてお客様の安心や利便性を飛躍的に高めることに加え、生産性の向上にも取り組んでまいります。 2026年3月には、世界で最も成功した投資会社の一つであり、保険事業を中核に卓越した投資実績を有するBerkshire Hathawayグループとの戦略的提携に合意しました。同グループの強固な財務基盤および保険・再保険分野における豊富な引受経験と、東京海上ホールディングスのグローバルに展開する保険プラットフォーム、業界をリードする保険引受力等の双方の強みを結集するとともに、共同投資によるM&Aの実行等を通じて、東京海上ホールディングスの持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。 東京海上ホールディングスは、2026年6月29日開催予定の第24回定時株主総会の承認が得られることを条件に、同日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行します。これにより、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念のもと、「成長戦略とガバナンスの高位均衡」の実現を、さらに進化、充実させながら、グループを挙げて業務に邁進してまいります。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】 東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。 ○リスクベース経営(ERM)のイメージ図  具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。 ○ERMサイクルのイメージ図(注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。具体的には、エマージングリスクおよび前事業年度のグループの重要なリスクにつき、影響度(経済的影響、業務継続への影響およびレピュテーションへの影響で評価し、最も大きいものを採用)ならびに頻度・蓋然性を評価し、以下の5×5のマトリクスを用いて特定しています。 (1)定性的リスク管理 事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを実施し、毎年取締役会に報告しています。 ○重要なリスクの一覧重要なリスク/シナリオ対応例①経済・金融危機〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。<経済的影響への対応>・地政学リスク等の市場への影響を調査する。・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。・金融危機のアクションプランを整備する。②巨大地震〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震、米国における大規模地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。<経済的影響への対応>・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。・②、③および⑤はストレステストを行い、②および⑤については資本十分性や資金流動性を、③については資金流動性を確認する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。③巨大風水災・セカンダリーぺリル(含む気候関連物理的リスク)〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災、森林火災、洪水等のセカンダリーペリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。④火山噴火〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。⑤新ウイルスのまん延〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。⑥インフレーション〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。<経済的影響への対応>・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行うとともに、合理的な条件で再保険を調達する。⑦サイバーリスク〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停止による利益の減少や情報漏えいによるレピュテーションの毀損が発生する。<経済的影響への対応>・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。・外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢の整備を行う。⑧法令・規制への抵触/コンダクトリスク〇保険業法、競争法(独占禁止法、不正競争防止法等)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、行政処分、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。〇業界・企業慣行と世間の常識の乖離や重要法令への意識・知識不足、健全な企業文化の醸成・浸透の不十分さ等により、顧客に不利益が発生すること、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・グループ会社の法令遵守状況をモニタリングし、態勢整備に向けた支援を行う。・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。・従業員の意識や行動に関する調査について、設問を見直すとともに、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。⑨重要情報の漏えい・不正取得〇従業員による他社の重要情報の不正取得や東京海上グループの保有する個人情報等の重要情報の不正持出し等により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。○東京海上グループや外部委託先の従業員によるAIの不適切利用により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、東京海上ホールディングスやグループ会社の態勢整備を行う。⑩AI/データガバナンスの不足〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟やレピュテーションの毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、東京海上ホールディングスやグループ会社の態勢整備を行う。⑪地政学リスク○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。〇国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。(経済的影響への対応は上記①に記載)・情報収集や外部専門家の知見も活用し、適切な状況把握や将来予測を行う。⑫ビジネスモデル変革に伴うリスク〇デジタルトランスフォーメーションやAIの進化等に対しビジネスモデルの変革が遅れることにより、東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。〇保険業界の構造変化に対応するために進めるビジネスモデル変革において、対応の不備により顧客や代理店から理解・支持を十分に得られず、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。<経済的影響への対応>・デジタル・AIの活用に関する重点領域を選定し、集中的に投資することで、競争優位性を確保する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・新たなビジネスモデルについて丁寧に説明を行い、理解を高める。⑬東京海上ホールディングス事業におけるディスラプション〇革新的な新規参入者、モビリティ産業の構造転換等により、東京海上ホールディングス事業領域でのディスラプションが発生し、東京海上グループのビジネスモデルの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。<経済的影響への対応>・モビリティ産業の構造転換を見据えた中長期的な事業戦略を構築する。・デジタル保険販売を進めてノウハウを蓄積し、販売モデルを構築する。・保険に留まらないソリューション事業の確実な成長に向けた取組みを展開する。⑭システム障害〇東京海上ホールディングスグループ会社や外部委託先等のシステムに障害等が発生して長期間停止することにより、事業継続に重大な影響が生じるとともに、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・ITガバナンスを確保するための具体的な運営指針を定めた基準に基づき、グループ会社の管理態勢整備を支援するとともに、リスクの高い開発プロジェクトを特定し、リスクの程度に応じた支援を実施する。 ○エマージングリスクの例エマージングリスク/シナリオ対応例①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応(気候・自然関連移行リスク)〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・電力・エネルギーセクターとの取引に専門性を有する一部のグループ会社において、石炭を主業とする企業への保険引受・ファイナンス提供を厳格化している。・東京海上スマートGXやTokio Marine GX等、新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスを提供する新会社を設立するとともに、ID&Eによる自然関連リスクのコンサルティング等、自然資本関連ソリューションを提供している。②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失(気候・自然関連物理的リスク)〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。・東京海上ホールディングスポートフォリオにおける自然資本・生物多様性の観点で、重要セクターのひとつである自動車セクターのバリューチェーン分析を実施している。・分析を通じて、東京海上ホールディングスの自然資本・生物多様性のリスク・機会を特定し、Climate & Nature Reportへ開示している。③ビジネスパートナーリスク〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、東京海上ホールディングスの事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。④事業ポートフォリオの拡大・変遷に伴う経営管理リスク〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、当該グループ会社で大規模な不適正事案が発生し、業績が悪化するとともに、東京海上ホールディングスが経営責任を問われる。・ソリューション事業の新たな取組みについては、経営支援チームを組成して内部統制の態勢整備を行うとともに、PoC(実証実験)を通じてリスクの抑制を図っている。・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMI(Post Merger Integration)チームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や東京海上ホールディングスにおける経営管理態勢の構築を行っている。⑤グローバルな人権尊重対応の遅れ〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・東京海上ホールディングス事業に関係する主要なステークホルダーの人権課題に対するリスクを特定した「人権リスクマップ」を作成し、第三者の視点に基づく分析等も踏まえて更新している。・「ビジネスと人権に関する有識者ダイアログ」を開催し、外部有識者から実務面の課題について助言を得ている。 (2)定量的リスク管理 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、99.5%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認しています。なお、2025年9月末までは99.95%VaRによるESRを用いて資本の十分性を確認していましたが、2026年3月末から日本国内において新資本規制(経済価値ベースのソルベンシー規制)が導入されたことに伴い、グローバルピアとの比較可能性や新資本規制との整合性等を重視し、2026年3月末より99.5%VaRによるESRへ定義を変更しました。 東京海上グループのESRのターゲットは、AA格相当の資本水準を維持することを目的として、190%以上と設定しています。2026年3月末時点におけるESRは268%となり、資本が十分な水準にあることを確認しています。なお、2026年度は、自己株式取得について年間を通じて4,000億円(注)3を、期中の市場環境や株価の状況等を総合的に勘案して機動的に実施する方針を2026年5月20日付で公表しており、これを考慮した場合のESRは255%となります。また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震および新ウイルスのまん延については、経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づき、資本十分性および資金流動性に関するストレステストを実施しています。また、巨大風水災についても資金流動性に関するストレステストを実施しています。その結果、いずれも問題がないことを確認しています。(注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.5%VaRとは、今後1年間の損失が99.5%の確率でその額以内に収まる金額水準です。2.財務会計上の連結純資産に、生保保有契約価値の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。3. 2026年3月23日付で公表した、Berkshire Hathawayグループとの戦略的提携に伴う2,874億円の自己株式取得を除いた額です。なお、当該自己株式取得は、同グループに対する自己株式の第三者割当に伴う株式数の増加による1株当たり価値の希薄化を抑えるために実施するものであり、同額の自己株式の処分をあわせて行うことから、資本水準への影響は限定的で、ESRへの影響はありません。 ○ESRの状況 (3)危機管理 定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。 そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。 また、東京海上ホールディングスはグループ会社に対し支援・指示・指導を行い、グループ会社は東京海上ホールディングスに対し報告・連絡・相談を行うことで、グループ会社においても平時から危機管理態勢や緊急事態時アクション等の整備を行うとともに、緊急事態時においては復旧や事業継続を迅速・的確に対応できるよう努めています。 さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。(注)東京海上グループの各社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または東京海上グループの各社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。 ○東京海上グループの危機管理態勢  なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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