東京海上ホールディングス(8766)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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東京海上ホールディングス(8766)の株価チャート 東京海上ホールディングス(8766)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 東京海上ホールディングスグループは、東京海上ホールディングス、子会社365社および関連会社33社により構成されており、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業および金融・その他事業を営んでいます。

 また、東京海上ホールディングスは特定上場会社等です。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 2025年3月31日現在の事業の系統図は以下のとおりです。

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

①経営理念

 東京海上ホールディングスは、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。

<東京海上グループ経営理念>

 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。

 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。

 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。

 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。

 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。

②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~

 東京海上グループは、お客様や社会のいざをお守りすることをパーパスとし、2035年にめざす姿として、お客様や社会の課題およびリスクに対して「イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー」を掲げています。

 この実現に向けて、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいきます。

 

 

 

③目標とする経営指標等

 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROEを掲げており、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、修正純利益の持続的な成長および規律ある資本政策を通じて、修正EPSの年平均成長率(CAGR)+8%以上(含む政策株式売却益では+16%以上)、修正ROE14%以上(含む政策株式売却益では20%以上)をめざします。

 2023年度の修正純利益および修正ROEは、当事業年度の第3四半期報告書提出日時点においては、それぞれ6,900億円、16.1%を見込んでいましたが、その実績はそれぞれ7,116億円、15.5%となりました。

 2024年度の修正純利益および修正ROEは、国内外での自然災害に伴う発生保険金の増加等の減益要素はあるものの、政策株式の売却加速による売却益の増加や円安による海外事業の利益増加を主因として、本有価証券報告書提出日現在においては、それぞれ10,000億円、18.1%を見込んでいます。

 なお、修正純利益および修正ROEは、次の方法で算出します。

・修正純利益*1

 修正純利益=連結当期純利益*2+異常危険準備金繰入額*3+危険準備金繰入額*3+価格変動準備金繰入額*3+自然災害責任準備金*4繰入額*3+初年度収支残*5の影響額*6-ALM*7債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等

・修正EPS

 修正EPS=修正純利益÷発行済株式総数

・修正純資産*1,8

 修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金+自然災害責任準備金*4+初年度収支残-のれん・その他無形固定資産

・修正ROE

 修正ROE=修正純利益÷修正純資産

*1 各調整額は税引後です。

*2 連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」です。

*3 戻入の場合はマイナスとなります。

*4 大規模自然災害リスクに対応した火災保険の未経過保険料です。

*5 保険料から発生保険金の一部と事業費を控除した残高を、翌期以降の保険事故に備えて繰り越すものです。

*6 普通責任準備金積増額のうち、未経過保険料の積増額を控除したものです。

*7 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。

*8 平均残高ベースで算出しています。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 2024年度の世界経済は、これまでの大幅な金融引締めによる効果がより一層顕在化すると見込まれること等から、米国景気の減速や欧州景気の低迷継続が懸念されます。わが国経済は、2023年度を超える賃上げが見込まれる一方でインフレ率も引き続き高いことから、当面は実質賃金の伸びがマイナスの状態が続く可能性が高く、回復のペースは鈍化する見込みです。

 こうした状況のなか、東京海上グループは、長期ビジョン「世界のお客様にあんしんをお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ」の実現に向け、2024年度からの3か年計画「東京海上グループ中期経営計画2026~次の一歩の力になる。~」を開始しました。めざす姿として「お客様や社会の課題・リスクに対して革新的な解決策を届け続けるパートナー」を掲げ、その実現に向け、保険に留まらない価値提供領域の飛躍的な拡大、ディストリビューションの多様化・複線化および生産性の徹底的な向上に取り組むと同時に、内部統制・ガバナンス強化にも徹底して取り組んでまいります。また、サステナブルな社会の実現に向け、サステナビリティ戦略と事業活動を一体化させ、事業活動を通じた社会課題の解決の取組みを強力に推進してまいります。

 国内損害保険事業では、東京海上日動は、同社の新中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、新しい会社につくりかえる覚悟をもって、適正な競争を阻害してきた業界慣行をはじめ、あらゆる業務プロセスをお客様起点で見直し、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざします。

 政策株式については、同社はこれまでも事業ポートフォリオの変革および財務基盤の安定性向上を目的に、20年以上に亘りその削減に取り組んできました。結果として、2002年以降、累計2.7兆円を売却し、簿価ベースで72%の削減を行ってきています。今般、適正な競争実施のための環境整備という新たな目的を加え、その取組みをさらに加速し、2029年度末までに政策株式(非上場株式および資本業務提携による出資等を除く)の残高をゼロにすべく取り組んでまいります。

 また、保険の提供に留まらず、事故の未然防止といった「事前」の領域、あるいは早期復旧・再発防止といった「事後」の領域を含め、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」をめざし取り組んでまいります。

 国内生命保険事業では、あんしん生命は、お客様をお守りする領域を拡大すべく、未病・早期発見・重症化予防等の領域で新たな保障やサービス開発等に引き続き取り組みます。加えて、お客様の健康状態に応じた保障と一体型のヘルスケアサービス提供等の新たな取組みも行ってまいります。また、デジタル技術の進化に対応することで、お客様への直接アプローチを拡大しながら、生産性を向上させ、持続的な成長の実現をめざします。

 海外保険事業では、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大に取り組むとともに、デジタル活用および業務のアウトソーシング等による生産性の向上およびオペレーションの高度化を進めます。また、戦略的なM&Aの実行に向けた市場動向調査にも継続的に取り組み、優良な投資機会を着実に捉えてまいります。

 資産運用では、国内外のグループ会社と連携しながら、資産と負債の総合管理(ALM)を軸としたグローバルな運用態勢の強化に引き続き努めてまいります。今後の世界経済や金融市場の変化を注視しつつ、資産ポートフォリオの多様化とリスク分散を進めることによって、長期安定的な運用収益の確保と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。

 ソリューション事業については、東京海上グループにおける保険引受および資産運用に続く3本目の収益の柱にすることをめざし、今後、防災・減災、モビリティに加え、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素といった複数の領域での事業化を加速してまいります。

 これらの各事業を支えるのは人です。東京海上グループは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」に注力しています。「People's Business」(人とその信用・信頼からなる事業)である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉は、昔も今もこれからも人です。社員一人ひとりが適材適所で情熱と意欲をもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会のいざをお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。

 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、新中期経営計画期間においては、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。

 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念を掲げ、健全性と透明性の高いガバナンス体制を基盤に、収益性と成長性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくため、グループを挙げて業務に邁進してまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。

 

○リスクベース経営(ERM)のイメージ図

 

 具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。

 

○ERMサイクルのイメージ図

(注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。

 

2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。具体的には、エマージングリスクおよび前事業年度のグループの重要なリスクにつき、影響度(経済的影響、業務継続への影響およびレピュテーションへの影響で評価し、最も大きいものを採用)ならびに頻度・蓋然性を評価し、以下の5×5のマトリクスを用いて特定しています。

3.重要なリスクについて、対応策の策定(Plan)、実行(Do)、振返り(Check)および改善(Act)を行います。

 

(1)定性的リスク管理

 事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価およびPDCAを行い、毎年取締役会に報告しています。

 東京海上ホールディングスではこのようなリスク管理を実施してきましたが、東京海上日動で発生した一連の不適正事案を踏まえ、「重要なリスク」の「法令・規制への抵触/コンダクトリスク」に競争法に関するシナリオを加え、対応策を策定しました。

 

○重要なリスクの一覧

重要なリスク/シナリオ

対応例

①経済・金融危機

〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。

〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。

<経済的影響への対応>

・地政学リスク等の市場への影響を調査する。

・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。

・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。

・金融危機のアクションプランを整備する。

②巨大地震

〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。

<経済的影響への対応>

・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。

・②、③および⑤については、ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。

 

<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>

・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。

・⑥については、サイバーセキュリティ態勢も整備し、有事訓練により実効性を確認する。

③巨大風水災(含む気候関連物理的リスク)

〇巨大台風や集中豪雨が発生し、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。

④火山噴火

〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。

⑤新ウイルスのまん延

〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。

⑥サイバーリスク

〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。

〇東京海上グループのシステムがサイバー攻撃を受け、重要情報の漏えいや事業活動の停滞が発生する。

⑦地政学リスク

○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。

<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>

・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。
(経済的影響への対応は上記①に記載)

⑧インフレーション

〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。

<経済的影響への対応>

・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行う。

⑨法令・規制への抵触/コンダクトリスク

〇競争法、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、罰金等を科されるとともにレピュテーションを毀損する。

〇業界・企業慣行と世間の常識が乖離することや、適切な企業文化の醸成が不足すること等により、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。

<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>

・東京海上日動における独占禁止法に抵触すると考えられる行為等が認められたことを踏まえ、グローバル施策導入の検討を進める。

・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。

・従業員の意識や行動に関する調査を行い、好取組事例の収集や展開を通じて東京海上グループの取組みを改善する。

⑩破壊的イノベーション

〇デジタルトランスフォーメーション、革新的な新規参入者等により、産業構造が大きく転換するようなイノベーションが発生して東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。

<経済的影響への対応>

・デジタルトランスフォーメーションの基本戦略推進とプロジェクトの実行を通じて、保険事業の競争優位性を確保する。

・保険事業と親和性の高い領域を中心とした新規事業を展開する。

⑪AI/データガバナンスの不足

〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の問題の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟の発生やレピュテーション毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。

<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>

・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルールの整備等を通じて、東京海上ホールディングスやグループ会社の態勢整備を行う。

 

○エマージングリスクの例

エマージングリスク/シナリオ

対応例

①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応
 (気候・自然関連移行リスク)

〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。

〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。

・「環境および社会リスクに対処する東京海上グループポリシー」を表明し、引受禁止留意事業を特定している。

・新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスの開発を加速している。

・従来の情報に加え、非財務情報についても投資判断に考慮する「ESGインテグレーション」を実施している。

②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失
 (気候・自然関連物理的リスク)

〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。

・自然災害リスク評価の高度化に向け、自然災害に関するリスク計測モデル精緻化や、気候変動の影響を評価する手法の開発等に取り組んでいる。

・事業の自然への依存や影響について、研究・分析に取り組んでいる。

③ビジネスパートナーリスク

〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、東京海上ホールディングスの事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。

・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。

・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。

④グローバルな人権尊重対応の遅れ

〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。

・「人権基本方針」を定め、バリューチェーンを含むあらゆる事業活動における人権尊重を推進する姿勢を示すとともに、ビジネスパートナーに対しても本方針の実践を促している。

・保険引受・投融資先における人権尊重を推進する取組みとして、特定セクターにおける人権リスクの予防・軽減を評価する「環境・社会リスクへの対応方針」を定め、対外公表している。

・東京海上ホールディングス役職員向けのホットラインに加えて、外部ステークホルダー向けのホットラインを設置している。

 

 

(2)定量的リスク管理

 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。

 具体的には、リスクをAA格相当の信頼水準である99.95%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認するとともに、事業投資機会や今後の市場環境の見通し等を総合的に勘案して資本政策を決定しています。

 東京海上グループのESRのターゲットレンジは100~140%ですが、2024年3月末時点におけるESRは140%となり、資本が適切な水準にあることを確認しています。

また、重要なリスクのうち、国内外の経済危機、金融・資本市場の混乱、日本国債への信認毀損、巨大地震、巨大風水災および新ウイルスのまん延等の経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づくストレステストも実施し、資本十分性および資金流動性に問題がないことを別途確認しています。

(注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.95%VaRとは、今後1年間の損失が99.95%の確率でその額以内に収まる金額水準です。

2.財務会計上の連結純資産に、資産と負債を時価評価し、異常危険準備金の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。

 

○ESRの状況

 

(3)危機管理

 定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。

 そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。

 また、東京海上ホールディングスはグループ会社に対し支援・指示・指導を行い、グループ会社は東京海上ホールディングスに対し報告・連絡・相談を行うことで、グループ会社においても平時から危機管理態勢や緊急事態時アクション等の整備を行うとともに、緊急事態時においては復旧や事業継続を迅速・的確に対応できるよう努めています。

 さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。

(注)東京海上グループの各社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または東京海上グループの各社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。

 

○東京海上グループの危機管理態勢

 

 なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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