東武鉄道(9001)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】東武鉄道グループは、東武鉄道、子会社73社及び関連会社11社で構成され、主要な事業内容及び東武鉄道と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (1) 運輸事業(31社)事業の内容会 社 名鉄道業東武鉄道、上毛電気鉄道㈱※1バス・タクシー業朝日自動車㈱※1、東武バス㈱※1貨物運送業東武運輸㈱※1 その他26社 (2) レジャー事業(26社)事業の内容会 社 名遊園地・観光業東武レジャー企画㈱※1スポーツ業東武興業㈱※1、蔵王ロープウェイ㈱※2旅行業東武トップツアーズ㈱※1ホテル業東武鉄道、㈱東武ホテルマネジメント※1スカイツリー業東武タワースカイツリー㈱※1 その他19社 (3) 不動産事業(4社)事業の内容会 社 名不動産賃貸業東武鉄道、東武不動産㈱※1不動産分譲業東武鉄道スカイツリータウン業東武鉄道、東武タウンソラマチ㈱※1 その他1社 (4) 流通事業(9社)事業の内容会 社 名百貨店業㈱東武百貨店※1、㈱東武宇都宮百貨店※1ストア業㈱東武ストア※1その他業東武商事㈱※1、東武食品サービス㈱※1 その他4社 (5) その他事業(17社)事業の内容会 社 名建設業東武建設㈱※1、東武谷内田建設㈱※1その他業東武ビルマネジメント㈱※1、東武シェアードサービス㈱※1 その他13社 (注)1※1 連結子会社2※2 持分法適用関連会社3上記部門の会社数には東武鉄道が重複して含まれております。 企業集団の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、東武鉄道グループが判断したものであります。 (1) 経営理念、経営方針東武鉄道グループでは以下のとおり、「東武グループ経営理念」、「東武グループ経営方針」を定めております。① 東武グループ経営理念東武グループでは、「奉仕」「進取」「和親」を経営の拠り所としています。「奉仕」:東武グループは、東武グループの全ての事業が社会に支えられていることを深く自覚し、豊かな社会の実現に貢献します。「進取」:東武グループは、現状に甘んじることなく、常に研鑚に励み、時代を切り開く開拓者精神をもって新たな挑戦を続けます。「和親」:東武グループは、人の和や環境との調和をもとに事業の発展と従業員の幸福を図り、社会の進展に寄与します。 ② 東武グループ経営方針お客様の暮らしに密着した事業を通じて沿線地域の発展に貢献する企業グループとして、安全・安心を根幹に「運輸」「レジャー」「不動産」「流通」等の事業を多角的、複合的に展開します。お客様の視点に立ち、質の高い先進性や独創性あふれるサービスを提供し、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指します。事業を通じて安定的に利益を創出しながら、環境にも配慮した経営を進め、お客様の生活を担う企業グループとして地域社会とともに持続的に発展することにより、企業の社会的責任を果たします。 (2) 経営環境、対処すべき課題東武鉄道グループは、2024年4月に策定した長期経営ビジョン「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」の実現に向け、事業環境やニーズの変化を先取りする「挑戦」と、グループ内外の関係者との連携により新たな価値を創出する「協創」を通じ、基盤である沿線の持続的な発展とグループ成長の両立を目指しております。具体的には、「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」、「観光需要を捉えた収益力強化」、「持続的な事業運営体制の確立」を注力するポイントとし、各種施策を推進しております。今後の事業環境は、インバウンド需要の継続が見込まれる一方で、働き方の変化や価値観の多様化、デジタル技術の進展などにより、これまで以上に変化の速度が増し、先行きの見通しが難しくなっています。加えて、人口減少・少子高齢化の進展に伴う沿線需要の構造的変化、物価・人件費・金利の上昇、労働力不足の拡大など、厳しい事業環境が想定され、既存の延長線上での事業展開のみでは、グループの持続的な成長は見込めないと認識しております。こうした事業環境下においても、成長領域として位置付ける観光事業やまちづくりなどのプロジェクトを加速させるとともに、東武スカイツリーラインと東京メトロ有楽町線との新たな相互直通運転実施などの大型プロジェクトを着実に進捗させ、沿線価値の向上を図ることでさらなる成長が可能であると考えております。また、足元の収益性の状況や大型プロジェクトの進捗・完成時期の見通しなどを踏まえ、長期経営ビジョンの目標として、「2030年代半ばに営業利益1,000億円以上」の達成を目指してまいります。 「営業利益段階における非鉄道事業割合の増加」については、インバウンドを中心として市場の成長が見込めるホテル業やスカイツリー業をはじめとする「観光事業」と、沿線での開発余地のある「開発事業(まちづくり)」を成長領域と位置付け、重点的に投資を行うことで、中長期的な収益・利益拡大に資する事業の育成と領域の拡張を図ります。また、生体認証サービス「SAKULaLa」をはじめとする、既存事業の領域を超えた新たな事業フィールドを探索し、将来を見据えた収益源の確立を目指してまいります。 「観光需要を捉えた収益力強化」については、東武鉄道グループを挙げての「事業拠点強化・サービス構築・ブランディング・情報発信」により、インバウンドや多様化する国内旅行などの観光需要を取り込み、収益の最大化を図ります。 「持続的な事業運営体制の確立」については、ワンマン運転の拡充やDXの活用など国内人口と労働力減少への対応、環境負荷の低減・人的資本の強化を図り、持続可能な運営体制を構築します。 東武鉄道グループは、1897年の設立以来、社会とともに持続的な発展を遂げてまいりました。1969年には東武鉄道社是として「奉仕」「進取」「和親」を制定、現在はこれを「東武グループ経営理念」として掲げ、安全・安心を根幹に、活力に富んだ暮らしやすく訪れたい東武沿線の実現を目指す「東武グループ経営方針」のもと、事業を通じて社会課題の解決に取組むことで、社会の持続的な発展の一端を担いつつ、東武鉄道グループも発展してまいりました。これからも、沿線の特長や経営資源を活かしながら、社会課題の解決を通じて、将来にわたって新たな価値を創造し、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」を実現することで、社会に不可欠な企業集団として存続してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、「事業環境・ビジネスモデルに影響を与えるリスク」「安全・安心の確保に関するリスク」「経営資源の確保に関するリスク」「ガバナンスに関するリスク」の4つを設定いたしました。それぞれのリスク顕在化を防ぐための取組みは以下に記載のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、東武鉄道グループが判断したものであります。 (1) 事業環境・ビジネスモデルに影響を与えるリスク① 法的規制東武鉄道が展開している鉄道事業においては、鉄道事業法第3条により、路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の認可を受けなければなりません。同様に、運賃の設定・変更についても同法第16条により、鉄道事業者は旅客運賃等の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならず、国土交通大臣は、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して認可しております(総括原価方式)。また、認可を受けた運賃等の上限の範囲内で運賃等を設定・変更する場合は、国土交通大臣に届け出ることとなっております。鉄道を取り巻く社会経済環境が大きく変化している中、コストコントロールを徹底しても生じる原価を適時適切に運賃に反映できない場合は、東武鉄道の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、鉄道事業以外の東武鉄道グループ会社が展開する各種事業においても、様々な法令・規則等の規制の適用を受けており、これら法的規制が変更された場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 出生率の低下による人口減少・少子高齢化の急激な加速わが国の合計特殊出生率は2016年より減少傾向に転じ、出生数の減少も続いております。昨今の経済・社会環境の影響により出生率と出生数の低下にさらに拍車がかかっており、今後地域によって差はあるものの、人口減少と少子高齢化がさらに進行することが想定されます。そのため、東武鉄道グループにおいては、相互直通運転を活用したシームレスな輸送をはじめ利便性や速達性の向上、ホーム柵の整備等により安全・安心・快適な通勤・通学輸送と魅力ある観光輸送の提供、並びに良質で暮らしやすい住環境・サービスの提供や観光誘客を推進しております。これらの取組みをとおして東武鉄道沿線の価値向上を図り、定住化促進と交流人口の創出に努めております。しかしながら、消費活動の基盤となる人口減少と少子高齢化が沿線地域で急激に加速した場合、鉄道事業を中心に東武沿線を主たるマーケットとして事業を展開している東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ ライフスタイルの変化これまでの新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方等において新しいライフスタイルが浸透・定着し、今後もニーズや価値観の変化・多様化が続くことを想定しております。そのため、東武鉄道グループにおいては、事業環境が変化する中でも利益を確保できるよう事業構造改革を行い、事業運営体制の見直しやコスト削減施策による効率化と省力化を進めてまいりました。また、集客拠点を強化する沿線開発とグループの総力を活かしたまちづくりの実施等による非鉄道事業の強化や観光需要を捉えた収益力強化により、事業の持続的発展を目指してまいります。しかしながら、移動を前提としないライフスタイルが定着した場合、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競争環境の変化東武鉄道グループは、鉄道事業をはじめ幅広い事業を展開しており、事業環境の大きな変化や急速な技術革新に伴う新たな競合サービス・競合事業者の出現等により、需給関係の悪化や競争激化が生じた場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」と定めた長期経営ビジョンのもと、事業環境の変化やお客様ニーズの変容を的確にとらえ、グループ各社で培ったノウハウやデジタル技術などを活かしつつ、新たな技術や外部からの知見を取り入れて事業に活かしてまいります。それにより、お客様へ最適なサービスを迅速かつ柔軟に提供しサービス向上を図るとともに、生産性を向上することで利益の確保につなげてまいります。 ⑤ パンデミック等の発生パンデミック等により外出制限や出控えが発生した場合には、運輸事業やレジャー事業を中心に利用者が急減し、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、パンデミック等により従業員の感染が多発した場合には、事業運営に支障が生じ、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、従業員の基本的な感染症予防策を継続的に実施するとともに、感染状況に応じた事業継続計画や感染対策を講じることでお客様が安全・安心にご利用いただけるよう取組み、国民の安定的な生活の確保に欠かせない社会インフラの1つである鉄道事業を中心に社会を支え、事業を継続してまいります。 (2) 安全・安心の確保に関するリスク① 安全・安心の確保東武鉄道グループでは、安全・安心の確保はお客様の信頼を得るうえで最も重要であると考え万全を期しておりますが、万が一、重大な事故を発生させ長期的に事業を運営できなくなった場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、「安全はすべての事業の根幹である」との信念のもと、お客様と従業員の安全確保を最優先に安全管理体制の確立に努めるとともに、安全のための設備投資や教育・訓練などに継続して取組み、安全・安心の確保に努めております。 ② 気候変動による事業運営・維持への影響気候変動による事業運営・維持に関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ① 気候変動、人的資本・多様性」に記載のとおりであります。 ③ 不測の事故・災害等の発生による事業運営・維持への影響東武鉄道グループは、鉄道事業をはじめ幅広い事業を展開しておりますが、不測の事故や災害、テロ・戦争の発生等外的要因により、長期的に事業を運営できなくなった場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、大規模な自然災害等の緊急事態に備え事業継続計画を整備するなど危機管理体制の充実強化に努めるとともに、自然災害に強いインフラの整備やテロ対策など、安全確保のための対策にも継続して取組んでまいります。 ④ 個人情報の管理東武鉄道グループは、各事業において顧客の個人情報を含むデータベースを管理しており、情報が流出した場合には損害賠償や信用の低下等により、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、情報の取得及び利用に際しての社内での保護規程類を定め管理体制を整備するとともに社員教育を実施し、関係者の情報管理を徹底するほか、情報処理を社外に委託する場合も秘密保持の整備、監督を強化する等、取り扱いには十分留意し情報管理を行っております。 ⑤ 情報セキュリティ対策情報セキュリティに関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ② 情報セキュリティ」に記載のとおりであります。 (3) 経営資源の確保に関するリスク① 人手不足東武鉄道グループは、鉄道事業をはじめ多くの労働力を必要としております。出生率の低下による人口減少と高齢化は、一層早いスピードで進むことが想定され、労務費の高騰及び採用難等により人手不足が顕在化した場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、人材確保のために、多様な知識や価値観を持つ人材の登用や育成、安定した雇用や多様化する働き方への対応、福利厚生の充実等、働きやすく働き続けられる柔軟で安心な就労環境の確保を図ってまいります。さらに、労働力人口減少下でも安定輸送を提供するため、ワンマン運転区間の拡大や自動運転等を含むデジタル技術の活用等により生産性の向上を進め、効率的な事業運営体制を構築してまいります。 ② 原材料や資源の価格高騰並びに調達不足東武鉄道グループは、鉄道事業をはじめとして多くのインフラ設備を活用し、動力として電力や燃料を使用しております。また、各事業においてはさまざまな原材料を使用しています。自然災害の発生や海外情勢の悪化、為替の影響などにより原材料や資源の価格が高騰した場合や、調達不足が継続した場合には、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては省エネに資する高効率車両や設備を導入するほか、設備の適正化や見直しによるエネルギー消費や温室効果ガス排出量の削減、適切な時期での調達を行う等、コスト抑制とともに持続可能な社会の構築に取組んでおります。 ③ 有利子負債残高の増加及び調達金利の変動東武鉄道グループは、各事業で継続的に行っている設備投資等の必要資金を、主として社債や金融機関からの外部借入れによって調達しており、将来への成長投資等により高水準の有利子負債残高を保有しています。今後、金利が一段と上昇した場合や、格付機関が東武鉄道の格付を引き下げた場合には、金利負担の増大や資金調達条件の悪化を招くことにより、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、東武鉄道グループにおいては、財務健全性を確保しつつ、財務レバレッジを活用した成長戦略を推進するとともに、昨今の金利上昇傾向を踏まえた連結有利子負債残高の適切な管理や、資金の調達手段の多様化を進めることにより、中長期の金利環境を勘案し適時最適な方法による調達を行っております。 ④ 保有資産の価値下落東武鉄道グループは、多様な事業展開を行う上で必要な資産や、株式などの投資有価証券等を保有しております。収支管理の徹底や確実な利益確保のための事業構造改革を実施するとともに、中長期的な収益・利益の拡大に資する事業の育成を推進し、資産価値の向上を図っております。また、投資有価証券については保有意義の検証を行い、中長期的に希薄と考えられる場合は段階的に縮減を図っております。しかしながら、保有資産のキャッシュ・フロー創出力の低下や株価の大幅な下落等によりその時価が著しく下落した場合は、減損損失または評価損等を計上することにより、東武鉄道グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4) ガバナンスに関するリスク① コンプライアンスコンプライアンスに関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ③ コンプライアンス」に記載のとおりであります。 ② 人権人権に関するリスクの内容については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)重要なサステナビリティ項目 ③ コンプライアンス」に記載のとおりであります。 なお、上記は東武鉄道グループの事業等について予想される主なリスクを例示したものであり、ここに記載されたものが東武鉄道グループの全てのリスクではありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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