京浜急行電鉄および京浜急行電鉄の関係会社(子会社39社および関連会社22社)の営んでいる主要な事業内容は、次のとおりであります。なお、交通事業以下の各区分は、セグメント情報における事業区分と同一であります。
(注)上記事業区分の会社数には、京浜急行電鉄および京急開発㈱が重複して含まれております。
以上の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。
本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。
京急グループは、「都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことなどをグループ理念として掲げております。また、グループ理念の持続的な実現が、社会と京急グループの持続可能性を高めることにつながるという考えのもと、グループ理念と不可分一体の方針として、サステナビリティ基本方針を策定しております。引き続き、社会価値および企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
イ.第19次総合経営計画の振り返り
2021年度から2023年度までを中期経営計画期間とした第19次総合経営計画では、「新型コロナウイルス感染症の影響による急激な事業環境の変化への対応」をテーマに、経営基盤強靭化および事業ポートフォリオ変革に取り組みました。その結果、各事業におけるローコストオペレーションや、不動産事業における流動化を活用した収益性の向上等を実現し、2023年度の実績は、当初に定めた目標を上回る営業利益280億円、純有利子負債/EBITDA倍率6.0倍となりました。引き続き、事業環境の変化をふまえた構造変革に努めてまいります。
ロ.第20次総合経営計画の概要
2024年度から、2040年度を長期ビジョンの実現年度、2024年度から2026年度までを中期経営計画期間とした第20次総合経営計画を推進しています。
サステナビリティ基本方針に基づき社会価値・企業価値向上を目指す「サステナビリティ推進方針」を、あらゆる事業・経営活動の基礎として掲げたうえで、移動プラットフォームとまち創造プラットフォームの相互価値共創を軸とする「沿線価値共創戦略」と、その推進を支える「経営基盤重点項目」を設定しています。また、経営計画期間中に、京浜急行電鉄グループならではの強みを活かし特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しています。
本総合経営計画は中長期にわたり一貫した枠組みとしておりますが、特に中期経営計画期間においては、移動とまち創造の両プラットフォームによる相互価値共創の具現化に向けた取り組みを進めるとともに、品川駅周辺開発事業の着実な推進、財務健全性の確保と資本収益性の中長期的な向上を両立させる財務マネジメントを強化してまいります。
(京急グループ総合経営計画体系図・骨子)
(注)京急グループ総合経営計画の詳細は、京浜急行電鉄ウェブサイト
(https://www.keikyu.co.jp/ir/policy/vision/)に掲載しております。
ハ.沿線価値共創戦略
沿線価値共創戦略は、社会課題や価値観の多様化に、移動とまち創造の両プラットフォームの「相互価値共創」のスパイラルアップによって新しい価値を創出することで対応し、地域と京急グループの持続的な発展を目指す戦略です。「相互価値共創」とは、鉄道事業をはじめとする「移動プラットフォーム」が、あらゆる交通手段を用いた移動環境の最適化を通じて、まちの価値向上と沿線範囲を拡大する一方で、不動産・レジャー事業などの「まち創造プラットフォーム」が、移動のきっかけや人の流れの需要を創出することで、相互の事業による相乗効果を最大化し、新しい価値を生み出すことを意味します。
この沿線価値共創戦略を通じて、鉄道会社やデベロッパーの枠を超えた、地域事業者や自治体等の沿線全体で価値を共創する「ローカルプラットフォーマー」として、沿線の各地域に「移動」と「住・働・楽・学」が揃う多極型まちづくりを推進してまいります。
(沿線価値共創戦略の概念図)
ニ.経営基盤重点項目
(イ)事業構造変革
事業環境の変化を踏まえたオペレーション変革を推進するとともに、取り組むべき事業への経営資源の集中によるポートフォリオ変革に取り組みます。具体的には、鉄道事業におけるワンマン運転をはじめとする次世代型オペレーションの推進、不動産事業の強化、沿線価値共創への寄与や収益性の観点からのグループ内全事業の抜本的な再編や新規事業の創出等を進めます。あわせて、省エネ・再エネ・創エネ施策の推進など、環境配慮を前提とした事業運営に努めます。
(ロ)顧客視点の徹底
顧客の多様なニーズに応じたサービス提供による顧客体験価値向上を目指し、京急グループが提供しているサービスを通じて蓄積したデータの一元化・可視化、グループ全体での横断的活用を推進することに加え、体制整備や人財育成による意識・風土改革を図ります。
(ハ)人的資本経営の推進
「多様な視点・顧客視点で物事を捉え、価値創造・共創ができる人財の開発」と、「コミュニケーションや学習の場づくり、多様な価値観の尊重、信頼と協力を大切にする組織づくり」の両輪により、長期ビジョンの実現・企業価値の向上を目指します。また、エンゲージメントサーベイを継続的に実施し、人的資本経営に関わる各取り組みの仮説検証を組織・職場のさまざまなレベルで実行できる体制を確立してまいります。
(ニ)財務マネジメントの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の拡大に向け、資本収益性の向上を図ります。一方で、品川駅周辺開発をはじめとする成長投資の着実な実行のため、財務健全性を確保することも喫緊の課題と認識しています。このため、資本収益性の向上に向けた事業別ROIC(注1)-WACC(注2)管理の導入および適切なキャッシュフローアロケーションの構築等により、グループ全体で財務マネジメントを強化し、財務健全性の確保と資本収益性の向上の両立を図ります。
(注1)投下資本利益率(投下した資金に対して生み出したリターンの割合)
(注2)加重平均資本コスト(企業の資金調達に平均してかかるコスト)
ホ.重点事業展開
経営計画期間中に、京浜急行電鉄グループならではの強みを活かし、特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しており、各エリアにおいて取り組みを進めてまいります。具体的には、品川・羽田・横浜を結んだ「成長トライアングルゾーン」と各エリアとの相互連携により、沿線の発展・活性化を図ります。
品川エリアにおいては、トヨタ自動車㈱と共同で高輪3丁目地区開発の2029年度開業を目指すとともに、駅街区地区開発についても着実に進捗させ、沿線全体の持続的発展を牽引する新しいまちづくりを推進します。
羽田エリアにおいては、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の整備によって抜本的に輸送力を増強するとともに、インバウンド需要の創出と取り込みを推進するなど、日本の玄関口・羽田空港のポテンシャルを最大限に活用します。
このほか、川崎や横浜エリアにおける開発プロジェクト、都市近郊リゾートみうらの創生、沿線各地に「住・働・楽・学」が揃う中核拠点を整備する多極型まちづくりの推進等により、沿線全体の活性化に取り組みます。
(重点事業展開の全体像)
ヘ.中期経営計画期間の最終年度(2026年度)における財務指標
京浜急行電鉄グループの財政状況および業績に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項については、以下のようなものがあります。京浜急行電鉄グループは、これらの事業等のリスクを認識したうえで、事態発生の回避および発生時の対応に努めます。
当該リスクの顕在化する可能性の程度や時期については、現時点において、明確に想定できませんが、事業の遂行にあたっては、取締役会において、想定されるリスクとその対応を含めて、意思決定を行っております。
また、グループ重要リスク調査を実施し、想定しうるリスクの洗い出し、リスクを最小化するための取組計画の策定および取組状況を集約し、取締役会でリスクの確認と対応の方向性について報告した後、グループ会社社長が出席するグループ社長会で共有しております。さらに、リスク管理委員会では京浜急行電鉄グループのリスク情報を集約し、一元的に管理することでリスク管理体制の強化に努めております。
また、本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。
(1)社会的・経済的な影響
イ.少子高齢化の進行による影響
少子高齢化の進行などの要因により地域人口が減少した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.リスクが沿線全域に与える影響
京浜急行電鉄グループの事業は、都心から品川、羽田空港、川崎、横浜を経て三浦半島に至る京浜急行電鉄線沿線を中心とした地域に集中して展開しているため、沿線地域の発展と京浜急行電鉄グループの業績は密接な関係にあります。このため、社会的・自然的要因等により沿線地域の発展が阻害された場合、あるいは沿線地域が壊滅的な被害を受けた場合、京浜急行電鉄グループは大きな経済的影響を受ける可能性があります。
ハ.生活様式の変化による影響
在宅勤務の増加による移動減をはじめとした生活様式の変化によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ニ.品川駅周辺開発による影響
国土交通省による品川駅西口基盤整備事業の推進に伴い、京浜急行電鉄所有地の段階的な譲渡や施設の一部閉鎖など、一時的に京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新しい生活様式や社会的価値観の変化などにより、不動産の賃貸需要が著しく減少した場合、開発計画が変更となる可能性があります。
ホ.羽田空港への新たなアクセス路線による影響
羽田空港への新たなアクセス路線が検討されているため、この推移によっては、将来的に競争の激化により、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ヘ.訪日外国人の減少による影響
世界的な恐慌とりわけアジア諸国における景気の急速な減退、東ヨーロッパおよびロシア地域における政治的・軍事的緊張の高まりによる安全保障情勢の変化、感染症等による国際的な渡航制限等により訪日外国人が大幅に減少した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制・規制緩和等による影響
イ.法的規制による影響
京浜急行電鉄グループの基幹事業である交通事業は、鉄道、バスなど公共輸送機関としての性格上、厳格な法規制の下に事業を行っているため、鉄道事業法、道路運送法および労働諸法制の定めにより、事業の拡大・縮小、通常の業務運営、運賃および料金の設定・変更や乗務員の労働条件などにおいて規制を受けており、規制の強化や社会情勢等の変化によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.規制緩和による影響
バス事業等においては、規制緩和による他業種などからの新規参入が容易であることから、引き続き厳しい競争にさらされる可能性があり、これらの推移によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.環境規制による影響
交通事業は、公共交通機関として環境負荷が小さいという長所があるものの、今後、環境に対する規制が強化された場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)財政的な影響
イ.金利変動・格付引下げによる影響
京浜急行電鉄グループは、鉄道事業をはじめ各事業において多額の設備投資を行っており、金融機関からの借入金や社債等の有利子負債残高が高水準で推移しております。このため、今後、市場金利の大幅な変動や格付機関による京浜急行電鉄発行債券の格付の引下げがあった場合、利息負担の増加や調達金利の変動などにより、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.金融市場の混乱等による影響
金融市場の混乱等により、資金調達に制約を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.地価・株価の変動や税制の改正による影響
京浜急行電鉄グループは、事業の性格上必要な土地(事業用および販売用)や株式などの投資有価証券等を多く保有しておりますが、市況の動向等による地価や株価の大幅な下落や保有に対する課税強化などの税制の改正等があった場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ニ.人件費負担増による影響
京浜急行電鉄グループは、主として労働集約型の事業を展開しているため、退職者の増加、採用難による人手不足の影響により、賃金水準が急激に高騰した場合、人件費負担増などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
ホ.物価・燃料費の高騰による影響
京浜急行電鉄グループは、修繕工事等の継続的な実施や事業に必要な電力、軽油等を多大に消費しているため、物価や燃料価格が高騰した場合、あるいはその供給不足が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事故等による影響
イ.安全を阻害する事態による影響
京浜急行電鉄グループは、鉄道、バス、ホテル、百貨店、ストアなどの営業施設を多くのお客さまにご利用いただいており、安全の確保、無事故の継続を最も重要な課題として取り組んでおります。このうえで、不慮の火災や事故・障害の発生など、安全に対する信頼を損なうような事態が発生した場合、京浜急行電鉄グループ全体の根幹を揺るがすような重大な影響を及ぼす可能性があります。また、京浜急行電鉄グループは、食品等を取り扱う各事業において、衛生管理には十分注意しておりますが、京浜急行電鉄グループ固有の管理および社会全般にわたる一般的な品質問題等が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.個人情報流出等の問題による影響
京浜急行電鉄グループは、鉄道やカード事業をはじめ、各事業において個人情報を保有しており、適正な管理に努めておりますが、万一、個人情報が流出するなどの問題が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害・テロ、疾病等による影響
イ.自然災害または不法行為による影響
地震、台風等の自然災害あるいはテロ等の不法行為等により、京浜急行電鉄グループの営業施設やコンピューターシステム等の設備の損壊を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ロ.疾病の発生・流行による影響
新型ウイルスなどによる疾病の発生・流行等による恐慌等により、お客さまや従業員等が罹患し被害を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)不正・不法行為、不祥事等による影響
京浜急行電鉄グループは、「コンプライアンス規程」、「京急グループ・コンプライアンス指針」および「京急グループ・役員および従業員行動基準」に基づいてコンプライアンス順守に関する教育を定期的に実施するなどの啓発活動に努めておりますが、役職員等による重大な不正・不法行為、不祥事等が発生した場合、京浜急行電鉄グループへの信頼の低下などにより、財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記の記載事項は、京浜急行電鉄グループの事業その他について予測される主なリスクを可能な限り具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが京浜急行電鉄グループに関するすべてのリスクを網羅したものとは限りません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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