京浜急行電鉄(9006)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】京浜急行電鉄および京浜急行電鉄の関係会社(子会社39社および関連会社22社)の営んでいる主要な事業内容は、次のとおりであります。なお、交通事業以下の各区分は、セグメント情報における事業区分と同一であります。 (1)交通事業(5社)事業の内容主要な会社名鉄道事業京浜急行電鉄バス事業京浜急行バス㈱、川崎鶴見臨港バス㈱、東洋観光㈱ その他1社 (2)不動産事業(29社)事業の内容主要な会社名不動産販売業京浜急行電鉄、京急不動産㈱不動産賃貸業京浜急行電鉄、京急不動産㈱、京急開発㈱、臨港エステート㈱ その他25社 (3)レジャー・サービス事業(13社)事業の内容主要な会社名ビジネスホテル業京浜急行電鉄、㈱京急イーエックスインレジャー関連施設業京浜急行電鉄、京急開発㈱、㈱市原京急カントリークラブ、㈱葉山マリーナーレジャーその他京浜急行電鉄、㈱京急アドエンタープライズ、京急ロイヤルフーズ㈱ その他6社 (4)流通事業(5社)事業の内容主要な会社名百貨店・ショッピングセンター業㈱京急百貨店ストア業㈱京急ストア その他3社 (5)その他(13社)事業の内容主要な会社名土木・建築工事業京急建設㈱輸送用機器修理業㈱京急ファインテック電気工事業京急電機㈱ビル管理業京急サービス㈱自動車教習所業㈱鴨居自動車学校 その他8社 (注)上記事業区分の会社数には、京浜急行電鉄および京急開発㈱が重複して含まれております。 以上の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。 (1)経営の基本方針 京急グループは、「都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことなどをグループ理念として掲げております。また、グループ理念の持続的な実現が、社会と京急グループの持続可能性を高めることにつながるという考えのもと、グループ理念と不可分一体の方針として、サステナビリティ基本方針を策定しております。引き続き、社会価値および企業価値の持続的な向上を図ってまいります。 グループ理念(抜粋) <経営理念>■京急グループは、都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する■京急グループは、伝統のもとに、創意あふれる清新な気風をもって、総合力を発揮し、社業の躍進をめざす■京急グループは、グループの繁栄と全員の幸福との一致を追求する サステナビリティ基本方針(抜粋) 京急グループは、グループ理念のもとで、「社会の持続的発展への貢献」と「京急グループの持続的発展」のよりよい循環を目指します。 (2)総合経営計画 イ.第20次総合経営計画の概要2024年度から、2040年度を長期ビジョンの実現年度、2024年度から2026年度までを中期経営計画期間とした第20次総合経営計画を推進しています。サステナビリティ基本方針に基づき社会価値・企業価値向上を目指す「サステナビリティ推進方針」を、あらゆる事業・経営活動の基礎として掲げたうえで、移動プラットフォームとまち創造プラットフォームの相互価値共創を軸とする「沿線価値共創戦略」と、その推進を支える「経営基盤重点項目」を設定しています。また、経営計画期間中に、京浜急行電鉄グループならではの強みを活かし、特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しています。 (京急グループ総合経営計画体系図・骨子)(注)京急グループ総合経営計画の詳細は、京浜急行電鉄ウェブサイト(https://www.keikyu.co.jp/ir/policy/vision/)に掲載しております。 ロ.沿線価値共創戦略沿線価値共創戦略は、社会課題や価値観の多様化に、移動とまち創造の両プラットフォームの「相互価値共創」のスパイラルアップによって新しい価値を創出することで対応し、地域と京浜急行電鉄グループの持続的な発展を目指す戦略です。「相互価値共創」とは、鉄道事業をはじめとする「移動プラットフォーム」が、あらゆる交通手段を用いた移動環境の最適化を通じて、まちの価値向上と沿線範囲を拡大する一方で、不動産・レジャー事業などの「まち創造プラットフォーム」が、移動のきっかけや人の流れの需要を創出することで、相互の事業による相乗効果を最大化し、新しい価値を生み出すことを意味します。この沿線価値共創戦略を通じて、鉄道会社やデベロッパーの枠を超えた、地域事業者や自治体等の沿線全体で価値を共創する「ローカルプラットフォーマー」として、沿線の各地域に「移動」と「住・働・楽・学」が揃う多極型まちづくりを推進しています。(沿線価値共創戦略の概念図) ハ.経営基盤重点項目(イ)事業構造変革不動産事業において、不動産価値の顕在化による資本収益性の向上と成長投資の原資確保を目的に、長期保有前提の賃貸事業から回転型事業への本格転換を図ります。具体的には、私募ファンドに加えて私募リートを組成し、2030年度までに総額1,000億円以上の運用資産規模を目指しておりますが、さらなる検討を進め、2029年度までに1,500億円以上の不動産流動化の可能性について精査を行っております。私募リート・私募ファンドへの不動産売却により、沿線地域のプラットフォーマーとして継続的な関与余地を残すことで、まちづくり・沿線価値共創に貢献するとともに、アセットマネジメント、プロパティマネジメント、ビルマネジメント業務等を通じたフィービジネス収益源の確保を目指します。さらに、これらの取り組みを着実に推進するため、事業の推進・モニタリング体制、事業計画の妥当性検証の仕組みおよび外部人材の活用等によりノウハウを強化するなど、不動産事業の推進・モニタリング体制をいっそう強化しています。このほか、鉄道事業においては、ワンマン運転をはじめとする次世代型オペレーションを推進するほか、バス事業においては、さらなる路線最適化等を実施し、効率化・省人化を図るなど、各事業において資本収益性向上に資する施策に取り組みます。(ロ)顧客視点の徹底顧客の多様なニーズに応じたサービス提供による顧客体験価値向上を目指し、京浜急行電鉄グループが提供しているサービスを通じて蓄積したデータの一元化・可視化、グループ全体での横断的活用を推進することに加え、体制整備や人財育成による意識・風土改革を進めています。 (ハ)人的資本経営の推進多様な視点・顧客視点で物事を捉え、価値創造・共創ができる「個」の成長の後押しと、信頼と協力を大切にして、異なる「個」の創発を促す組織・カルチャー醸成の両輪により、長期ビジョンの実現・企業価値の向上を目指します。また、エンゲージメントサーベイを継続的に実施し、人的資本経営に関わる各取り組みの仮説検証を組織・職場の様々なレベルで実行できる体制を確立します。(ニ)財務マネジメントの強化京浜急行電鉄グループは、大規模成長投資を着実に推進するための財務健全性の確保と資本効率向上の両立、および資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を長期的な基本方針として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けた取り組みを推進しています。また、京浜急行電鉄グループが注力する品川駅周辺開発をはじめとする成長投資を着実に実行するため、重要経営指標として「純有利子負債/EBITDA倍率」に加え、最適資本構成をもとに「自己資本比率」目標を明確化することで、バランスシートマネジメントを推進します。さらに、各事業の資本収益性の向上に向けた事業別ROIC(注1)-WACC(注2)管理を拡充・継続するなど、様々な取り組みを徹底することで財務マネジメントの強化を推進してまいります。(注1)投下資本利益率(投下した資本に対して生み出した利益の割合)(注2)加重平均資本コスト(資金調達に要する費用の平均値)(不動産回転型ビジネスの推進イメージ図) (目標経営指標の内容) ニ.重点事業展開第20次総合経営計画において、京浜急行電鉄グループならではの強みを活かし、特に重点的に取り組む事業として「重点事業展開」を設定しており、各エリアにおいて取り組みを進めています。具体的には、品川・羽田・横浜を結んだ「成長トライアングルゾーン」と各エリアとの相互連携により、沿線の発展・活性化を図ります。品川エリアにおいては、トヨタ自動車㈱と共同で高輪3丁目地区事業計画の2029年度竣工・開業を目指すとともに、京浜急行電鉄グループが行う開発・品川駅整備のみならず、周辺開発やリニア中央新幹線の開業等の効果を最大限取り込み、沿線全体に波及させます。羽田エリアにおいては、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の整備によって抜本的に輸送力を増強するとともに、周辺エリアの活性化を図り、日本の玄関口・羽田空港のポテンシャルを最大限に活用します。このほか、川崎や横浜エリアにおける開発プロジェクトのほか、都市近郊リゾートみうらの創生、沿線各地に「住・働・楽・学」が揃う中核拠点を整備する多極型まちづくりの推進等により、沿線全体の活性化に取り組んでいます。(重点事業展開の全体像)
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】京浜急行電鉄グループの財政状況および業績に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項については、以下のようなものがあります。京浜急行電鉄グループは、これらの事業等のリスクを認識したうえで、事態発生の回避および発生時の対応に努めております。当該リスクの顕在化する可能性の程度や時期については、現時点において、明確に想定できませんが、事業の遂行にあたっては、取締役会において、想定されるリスクとその対応を含めて、意思決定を行っております。また、グループ重要リスク調査を実施し、想定しうるリスクの洗い出し、リスクを最小化するための取組計画の策定および取組状況を集約し、取締役会でリスクの確認と対応の方向性について報告した後、グループ会社社長が出席するグループ社長会で共有しております。さらに、リスク管理・コンプライアンス委員会では京浜急行電鉄グループのリスク情報を集約し、一元的に管理することでリスク管理体制の強化に努めております。また、本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。 (1)社会的・経済的な影響イ.少子高齢化の進行による影響少子高齢化の進行などの要因により地域人口が減少した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ロ.リスクが沿線全域に与える影響京浜急行電鉄グループの事業は、都心から品川、羽田空港、川崎、横浜を経て三浦半島に至る京浜急行電鉄線沿線を中心とした地域に集中して展開しているため、沿線地域の発展と京浜急行電鉄グループの業績は密接な関係にあります。このため、社会的・自然的要因等により沿線地域の発展が阻害された場合、あるいは沿線地域が壊滅的な被害を受けた場合、京浜急行電鉄グループは大きな経済的影響を受ける可能性があります。ハ.生活様式の変化による影響在宅勤務の増加による移動減をはじめとした生活様式の変化によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ニ.品川駅周辺開発による影響国土交通省による品川駅西口基盤整備事業の推進に伴い、京浜急行電鉄所有地の段階的な譲渡や施設の一部閉鎖など、一時的に京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新しい生活様式や社会的価値観の変化などにより、不動産の賃貸需要が著しく減少した場合、もしくは建設工事費が高騰した場合、開発計画が変更となる可能性があります。ホ.羽田空港への新たなアクセス路線による影響羽田空港への新たなアクセス路線が検討されているため、この推移によっては、将来的に競争の激化により、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ヘ.訪日外国人の減少による影響世界的な恐慌とりわけアジア諸国における景気の急速な減退、東ヨーロッパおよびロシア地域における政治的・軍事的緊張の高まりによる安全保障情勢の変化、感染症等による国際的な渡航制限等により訪日外国人が大幅に減少した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法的規制・規制緩和等による影響イ.法的規制による影響京浜急行電鉄グループの基幹事業である交通事業は、鉄道、バスなど公共輸送機関としての性格上、厳格な法規制の下に事業を行っているため、鉄道事業法、道路運送法および労働諸法制の定めにより、事業の拡大・縮小、通常の業務運営、運賃および料金の設定・変更や乗務員の労働条件などにおいて規制を受けており、規制の強化や社会情勢等の変化によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ロ.規制緩和による影響バス事業においては、規制緩和による他業種などからの新規参入が容易であることから、引き続き厳しい競争にさらされる可能性があり、これらの推移によっては、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ハ.環境規制による影響交通事業は、公共交通機関として環境負荷が小さいという長所があるものの、今後、環境に対する規制が強化された場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)財政的な影響イ.金利変動・格付引下げによる影響京浜急行電鉄グループは、鉄道事業をはじめ各事業において多額の設備投資を行っており、金融機関からの借入金や社債等の有利子負債残高が高水準で推移しております。このため、今後、市場金利の大幅な変動や格付機関による京浜急行電鉄発行債券の格付の引下げがあった場合、利息負担の増加や調達金利の変動などにより、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ロ.金融市場の混乱等による影響金融市場の混乱等により、資金調達に制約を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ハ.地価・株価の変動や税制の改正による影響京浜急行電鉄グループは、事業の性格上必要な土地(事業用および販売用)や株式などの投資有価証券等を多く保有しておりますが、市況の動向等による地価や株価の大幅な下落や保有に対する課税強化などの税制の改正等があった場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ニ.人件費負担増による影響京浜急行電鉄グループは、主として労働集約型の事業を展開しているため、退職者の増加、採用難による人手不足の影響により、賃金水準が急激に高騰した場合、人件費負担増などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。ホ.物価・燃料費の高騰による影響京浜急行電鉄グループは、修繕工事等の継続的な実施や事業に必要な電力、軽油等を多大に消費しているため、物価や燃料価格が高騰した場合、あるいはその供給不足が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事故等による影響イ.安全を阻害する事態による影響京浜急行電鉄グループは、鉄道、バス、ホテル、百貨店、ストアなどの営業施設を多くのお客さまにご利用いただいており、安全の確保、無事故の継続を最も重要な課題として取り組んでおります。このうえで、不慮の火災や事故・障害の発生など、安全に対する信頼を損なうような事態が発生した場合、京浜急行電鉄グループ全体の根幹を揺るがすような重大な影響を及ぼす可能性があります。また、京浜急行電鉄グループは、食品等を取り扱う各事業において、衛生管理には十分注意しておりますが、京浜急行電鉄グループ固有の管理および社会全般にわたる一般的な品質問題等が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。ロ.個人情報流出等の問題による影響京浜急行電鉄グループは、鉄道やカード事業をはじめ、各事業において個人情報を保有しており、適正な管理に努めておりますが、万一、個人情報が流出するなどの問題が発生した場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)災害・テロ、疾病等による影響イ.自然災害または不法行為による影響地震、台風等の自然災害あるいはテロ等の不法行為等により、京浜急行電鉄グループの営業施設やコンピューターシステム等の設備の損壊を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。ロ.疾病の発生・流行による影響新型ウイルスなどによる疾病の発生・流行等による恐慌等により、お客さまや従業員等が罹患し被害を受けた場合、京浜急行電鉄グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (6)不正・不法行為、不祥事等による影響京浜急行電鉄グループは、「コンプライアンス規程」、「京急グループ・コンプライアンス指針」および「京急グループ・役員および従業員行動基準」に基づいてコンプライアンス順守に関する教育を定期的に実施するなどの啓発活動に努めておりますが、役職員等による重大な不正・不法行為、不祥事等が発生した場合、京浜急行電鉄グループへの信頼の低下などにより、財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、上記の記載事項は、京浜急行電鉄グループの事業その他について予測される主なリスクを可能な限り具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが京浜急行電鉄グループに関するすべてのリスクを網羅したものとは限りません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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