阪急阪神ホールディングス(9042)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】阪急阪神ホールディングスグループにおいて営んでいる事業の内容及びその主要な会社名は次のとおりです。各区分は「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(セグメント情報等)」「1 報告セグメントの概要」に記載しているセグメントの区分と同一です。なお、阪急阪神ホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (子会社)(1) 都市交通事業事業の内容主要な会社名鉄道事業阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、能勢電鉄㈱、北大阪急行電鉄㈱、神戸高速鉄道㈱自動車事業阪急バス㈱、阪神バス㈱、阪急観光バス㈱、阪急タクシー㈱、阪神タクシー㈱流通事業阪急電鉄㈱、㈱エキ・リテール・サービス阪急阪神都市交通その他事業アルナ車両㈱、阪急設計コンサルタント㈱、㈱阪神ステーションネット (2) 不動産事業事業の内容主要な会社名賃貸事業等阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、阪急阪神ビルマネジメント㈱、阪急阪神クリーンサービス㈱、阪急阪神リート投信㈱住宅事業阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急阪神ハウジングサポート海外不動産事業阪急阪神不動産㈱、PT CPM ASSETS INDONESIAホテル事業㈱阪急阪神ホテルズ、㈱阪神ホテルシステムズ、㈱有馬ビューホテル (3) エンタテインメント事業事業の内容主要な会社名スポーツ事業阪神電気鉄道㈱、㈱阪神タイガース、㈱阪神コンテンツリンクステージ事業阪急電鉄㈱、㈱宝塚クリエイティブアーツ、㈱梅田芸術劇場 (4) 情報・通信事業事業の内容主要な会社名情報・通信事業アイテック阪急阪神㈱、ユミルリンク㈱、㈱ベイ・コミュニケーションズ (5) 旅行事業事業の内容主要な会社名旅行事業㈱阪急交通社 (6) 国際輸送事業事業の内容主要な会社名国際輸送事業㈱阪急阪神エクスプレス、㈱阪急阪神ロジパートナーズ、HHE(USA)INC.、HHE(DEUTSCHLAND)GMBH、HHE(HK)LTD.、HHE SOUTHEAST ASIA PTE. LTD.(※HHE:HANKYU HANSHIN EXPRESS) (7) その他事業の内容主要な会社名建設・環境事業㈱ハンシン建設、中央電設㈱、阪神園芸㈱広告代理・制作事業阪急阪神マーケティングソリューションズ㈱人事・経理代行業㈱阪急阪神ビジネスアソシエイトグループカード事業㈱阪急阪神カードグループ金融業㈱阪急阪神フィナンシャルサポート(注)1 「主要な会社名」には、主要な連結子会社を記載しています。2 当連結会計年度より、「不動産」セグメントの業態(サブセグメント)名称について、「賃貸事業」を「賃貸事業等」へ、「分譲事業等」を「住宅事業」へ変更しています。また、従来「分譲事業等」に含めていたプロパティマネジメント・ビルメンテナンス事業と不動産ファンド・リート事業を「賃貸事業等」に含めて表示しています。 (関連会社)事業の内容主要な会社名百貨店事業エイチ・ツー・オー リテイリング㈱鉄道事業西大阪高速鉄道㈱、神戸電鉄㈱映画の興行東宝㈱不動産賃貸事業PT Duta Cakra Pesona(注)「主要な会社名」には、主要な持分法適用関連会社を記載しています。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】阪急阪神ホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において阪急阪神ホールディングスグループが判断したものです。 1.会社の経営の基本方針阪急阪神ホールディングスグループでは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行及び国際輸送の6つの事業を主要な事業領域と位置付け、グループ経営機能を担う阪急阪神ホールディングス(純粋持株会社)の下、阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急交通社及び㈱阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社として、グループ全体の有機的な成長を目指しています。 阪急阪神ホールディングスグループは、鉄道事業をベースに住宅・商業施設等の開発から阪神タイガースや宝塚歌劇など魅力溢れるエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、沿線をはじめ良質な「まちづくり」に貢献するとともに、社会に新風を吹き込み、100年以上の長い歴史の中で数々の足跡を残してきました。そして、これらの活動等を通じて、暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を絶えずお客様にお届けしてきました。今後も、グループの全役員・従業員が、お客様の日々の暮らしに関わるビジネスに携わることに強い使命感と誇りを持ち、そうした思いを共有し、一丸となって業務にあたっていく上での指針として、以下のとおり「阪急阪神ホールディングス グループ経営理念」を制定しています。 阪急阪神ホールディングス グループ経営理念使命(私たちは何のために集い、何をめざすのか)「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。 価値観(私たちは何を大切に考えるのか)お客様原点すべてはお客様のために。これが私たちの原点です。誠実誠実であり続けることから、私たちへの信頼が生まれます。先見性・創造性時代を先取りする精神と柔軟な発想が、新たな価値を創ります。人の尊重事業にたずさわる一人ひとりが、かけがえのない財産です。 行動規範(「価値観」を守り、「使命」を果たしていくために、私たちはどのように行動するのか)1. 私たちは、出会いを大切にし、お客様の立場に立って最善を尽くします。2. 私たちは、法令遵守はもとより、社会的責任を自覚して行動します。3. 私たちは、仕事に責任と誇りを持ち、迅速にやり遂げます。4. 私たちは、目先のことのみにとらわれず、中長期的な視点で考えます。5. 私たちは、現状に満足することなく、時代の先を見据えて取り組みます。6. 私たちは、思いやりの心を持ち、お互いを認め合います。7. 私たちは、活発にコミュニケーションを行い、風通しのよい職場をつくります。8. 私たちは、グループ全体の発展のために力を合わせます。 2.サステナビリティ宣言阪急阪神ホールディングスグループでは、2020年5月に発表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」に基づき、ESG(環境・社会・企業統治)に関する取組を着実に推し進めています。このサステナビリティ宣言では、阪急阪神ホールディングスグループがサステナブル経営を進める上での基本方針や6つの重要テーマ等を定めており、これをベースに、これからもお客様や地域社会等との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図り、ひいては持続可能な社会の実現につなげていきます。なお、サステナブル経営の推進にあたり、2021年5月に「国連グローバル・コンパクト」(※1)及び「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」(※2)の提言に賛同の意を表明しました。また、2025年10月には「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」(※3)の提言に賛同の意を表明し、「TNFDアダプター」(※4)に登録しました。※1 「国連グローバル・コンパクト」…1999年の世界経済フォーラムで提唱された企業の行動規範であり、企業等に対し、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野において、10原則を遵守し実践するよう要請しています。※2 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」…2015年に、G20の要請を受け、金融安定理事会の作業部会として設置されたものであり、投資家等の適切な投資判断に資するよう、企業等に対して、気候変動に伴うリスクと機会の特定、その財務的な影響の試算、気候変動に対応する事業戦略等を開示することを推奨しています。※3 「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」…2021年に国連開発計画(UNDP)や世界自然保護基金(WWF)等により共同で設立された国際的なイニシアチブであり、企業等が生物多様性・自然資本に関するリスクや機会を適切に評価・開示するための枠組みを策定しています。※4 「TNFDアダプター」…TNFD提言に沿った情報開示に取り組む意向を表明した企業等 <サステナビリティ宣言の概要>基本方針~暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を、未来へ~私たちは、100年以上積み重ねてきた「まちづくり」・「ひとづくり」を未来へつなぎ、地球環境をはじめとする社会課題の解決に主体的に関わりながら、すべての人々が豊かさと喜びを実感でき、次世代が夢を持って成長できる社会の実現に貢献します。 6つの重要テーマ取組方針① 安全・安心の追求鉄道をはじめ、安全で災害に強いインフラの構築を目指すとともに、誰もが安心して利用できる施設・サービスを日々追求していきます。② 豊かなまちづくり自然や文化と共に、人々がいきいきと集い・働き・住み続けたくなるまちづくりを進めます。③ 未来へつながる暮らしの提案未来志向のライフスタイルを提案し、日々の暮らしに快適さと感動を創出します。④ 一人ひとりの活躍多様な個性や能力を最大限に発揮できる企業風土を醸成するとともに、広く社会の次世代の育成にも取り組みます。⑤ 環境保全の推進脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。⑥ ガバナンスの充実すべてのステークホルダーの期待に応え、誠実で公正なガバナンスを徹底します。 <サステナビリティ宣言の位置づけ> 3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(1) 長期経営構想について 阪急阪神ホールディングスグループでは、ステークホルダーからの期待・要請が様々な形で高まるなど、グループを取り巻く環境の変化がこれまでの想定以上に加速し、今後もそのスピードを増していくことが考えられることから、2040年頃に実現を目指す「未来のありたい姿」と現状とのギャップを埋めていくために「長期経営構想」を2025年3月に策定しました。 阪急阪神ホールディングスグループは、これまで積み重ねてきた提供価値を土台に、これからも新たな価値の創造にグループ一体で取り組み、あらゆるフィールドにおいて次々と新しい「お客様の喜び」を実現していきます。とりわけ、重要なフィールドである沿線においては、技術革新の進展やインバウンド需要の高まりといった環境変化の中でも、快適で魅力的な都市空間を創出し続け、さらにそうした「まちづくり」をグローバルに展開していきたいと考えています。そして、サステナブルで良質な商品・サービスを提供し、お客様に選ばれ続けることで、「誰もが自分らしい生活を送れるように、サステナブルな行動を自然と選択できる」社会の実現も目指しています。こうした2040年頃の「未来のありたい姿」の実現に向けた阪急阪神ホールディングスグループの取組を「長期経営構想」と位置付け、事業・財務・人材の各戦略を推進します。 事業戦略では、「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4つの方向性を定めて経営資源を配分し、沿線を中心とした既存のフィールドの深掘りと、成長の見込まれる新たなフィールドでの挑戦を続けることで、グループ全体で成長し、お客様や地域・社会の期待に応えていきます。 財務戦略では、中長期的な成長を実現するとともに、資本効率の向上に向けて、バランスシートをコントロールしつつ必要な投資を実施します。そのために、グループのポートフォリオにおける事業の役割を整理し、投資効果の最大化に向けて全社視点で資金を配分します。都市交通事業及び不動産賃貸・開発事業については、安定的に資金を創出し、成長事業に資金を供給します。不動産事業(グローバル)、住宅事業、ホテル事業、情報サービス事業及び旅行事業等については、グループの成長を牽引する役割と位置付け、規模の拡大と利回りを追求します。スポーツ事業、ステージ事業、放送・通信事業及び国際輸送事業については、引き続きグループ全体の利回り向上に貢献することを目指します。そのほか、新事業領域についても、規模の拡大と高利回りの実現に貢献できるよう育成します。 人材戦略では、「長期経営構想」の実現に向けて、多様かつ有能な人材を確保したうえで、成長分野をはじめとした有望領域に積極的に投入し、グループの成長を図るとともに、グループの将来を担う人材を計画的に育成していきます。また、人的資本に対する投資を続けていくことに加え、従業員が個性や能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいきます。 これらの各戦略を推進することで、早期にROE8%を持続的に達成できる企業となり、さらにその先の2040年度にかけて従来の延長線上にはない成長を遂げ、お客様から評価され、従業員も誇れる企業グループであり続けるとともに、持続的な価値創造の好循環を創出し、投資家の皆様の期待に応えていくことを目指します。 また、持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの関心が高い社会課題である「地球環境問題」については、KPIを設定したうえで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきます。なお、2050年度の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けては、グローバルで求められる水準を踏まえ、2035年度の削減目標を△60%(2019年度比)としています。 具体的な経営指標(財務・非財務)については下記のとおりです。 (2) 株主還元の見直しについて 株主還元については、「年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、総還元性向(※)50%を目安にキャッシュフローの状況を踏まえた弾力的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針としていましたが、より機動的に自己株式の取得を行うため、2025年度の利益配分からその方針を見直し、「2025~2030年度の6年間累計で総還元性向を50%以上とすることで、年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、キャッシュフローの状況や株価動向等を勘案して、2030年度末までの間で機動的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針とします。 ※ 総還元性向…親会社株主に帰属する当期純利益に対する年間配当金総額と自己株式取得額の合計額の割合 (3) 長期経営構想の進捗等について 2025年度においては、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなどスポーツ事業が好調に推移したこと等により、着実に利益を伸ばすことができました。また、2030年度の事業利益目標1,600億円の達成に向けた施策の具体化に取り組み、分譲マンション事業や短期回収型事業、海外事業の成長を通じた不動産事業の拡大、スポーツ事業・旅行事業等の伸長などにより、利益目標とのギャップを解消し、財務指標の目標であるROE8%の達成に向けた道筋をつけることができつつあります。 2026年度については、大阪・関西万博に伴う需要の剥落などにより、事業利益は1,240億円に留まるものの、資本効率の向上に向けた資産売却等を推し進めることにより、親会社株主に帰属する当期純利益は790億円を予想しており、ROEは7.3%、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は7.9倍、D/Eレシオは1.5倍となる見通しです。 また、2026年度の株主還元については、上記の株主還元に係る基本方針の見直しのとおり、安定的な配当の実施と機動的な自己株式の取得に取り組んでいきます。このうち、配当については、年間配当金は2025年度と同水準の1株当たり100円(中間配当金50円、期末配当金50円)を予定しています。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】阪急阪神ホールディングスグループでは、リスクマネジメントを重要な経営課題と位置付け、「リスク管理規程」に基づき、リスクを「グループにおける組織目標の達成を阻害する事象」と定義し、適時適切にリスクを把握・アセスメントして対策を講じる体制を整備しています。このため、阪急阪神ホールディングスでは、専任部署であるリスクマネジメント推進室を設置するとともに、社長を委員長とするリスク管理委員会を定期的に開催し、リスク管理に関する事項を審議しています。阪急阪神ホールディングスでは、阪急阪神ホールディングスグループの事業戦略やサステナブル経営の観点を踏まえて、グループ経営上重要かつグループ横断での対応が必要なリスクとして、自然災害をはじめとするリスクを選定するとともに、当該リスクの管理を統括するリスクオーナーを決定し、これらのリスクにグループを挙げて対応するようにしています。また、リスクオーナーが立案及び実施する対策の進捗状況をモニタリングし、定期的に取締役会に報告しています。阪急阪神ホールディングスグループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。文中における将来に関する事項は、阪急阪神ホールディングスグループが当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、これらのリスクは阪急阪神ホールディングスグループのすべてのリスクを網羅したものではありません。 (1) 自然災害等① 自然災害等について阪急阪神ホールディングスグループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業及び国際輸送事業などの事業を営んでおり、地震や台風等の自然災害、大規模な事故、テロ行為等が発生した場合には、顧客や営業施設への被害及び事業活動の制限等により、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。特に近年、気温や海水温の上昇などの気候変動により、集中豪雨や強力な台風等が増加する可能性が指摘されており、こうした自然災害により上記の影響を受けるリスクが高まってきています。阪急阪神ホールディングスグループとしては、既存設備の維持更新投資や耐震補強工事を実施するとともに、激甚化する自然災害による影響の分析や対応を進めるほか、特に鉄道等の公共輸送に携わるグループ会社については、安全性を最優先にした体制の整備に努めるなど、ハード・ソフトの両面から、自然災害や事故等による影響の最小化に向けた取組を行っています。 ② 感染症の流行について感染症が広く流行し、往来の制限をはじめ人々の生活が様々な制約を受けることとなった場合、阪急阪神ホールディングスグループでは、都市交通事業における鉄道等の旅客人員の減少、不動産事業における賃貸施設の休館・来館者数の減少やホテルのインバウンド・国内需要の減少、エンタテインメント事業におけるプロ野球の試合や宝塚歌劇の公演の中止・入場人員の制限、旅行事業における海外・国内ツアーの催行中止等、各事業において大きな影響を受ける可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループとしては、こうした状況下であっても、感染状況に応じた予防・拡大防止措置を講じながら、鉄道等の社会インフラを運営する企業グループとして事業継続に努めるとともに、これらによる影響を受けても持続的な企業価値の向上を実現すべく、収益力の向上と安定した財務体質の確保を図っていきます。 (2) サイバーセキュリティ・情報管理事故や災害、社内や取引先における不正やミス、近年高度化・巧妙化しているサイバー攻撃等により、阪急阪神ホールディングスグループが利用している情報システムの機能に重大な影響を受けた場合、当該情報システムの停止、誤作動等のほか、情報の漏えい等が生じることで、阪急阪神ホールディングスグループの事業運営に支障を来すとともに、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。また、個人情報については、各事業において顧客データ等の個人情報を管理しており、不測の事故等により情報が流出した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、大きな影響を受ける可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループとしては、電子情報セキュリティ基本方針等の社内規程に従い、情報の漏えい、改ざん、不正利用等の防止や情報システムの安定稼働に必要な対策を講じています。特に、阪急阪神ホールディングスグループは、重要インフラである鉄道を運営していることも踏まえ、サイバーセキュリティの確保をリスク管理の重要な要素と位置付けており、グループ全体で継続的にセキュリティレベルの強化を図るとともに、行政等の関係機関とも積極的に連携して情報収集に努めるなど、継続的に対策を講じているほか、「グループCSIRT」を整備し、問題発生時に速やかに連絡・対処して被害の局所化を図るとともに、適切な再発防止策を講じる体制を構築しています。また、個人情報については、上記に加え、国内外の個人情報保護に関する法令を遵守するよう、個人情報管理基本方針等の規程を制定し、個人情報の適切な利用と保護を図る体制を整備するとともに、役職員に対する教育等に取り組んでいます。 (3) コンプライアンス① コンプライアンス経営について阪急阪神ホールディングスグループは、全てのステークホルダーの期待にお応えし、信頼され、称賛される企業集団となることを目指しており、その前提の一つとなるのがコンプライアンスを重視した経営姿勢です。万一、コンプライアンスに反する行為が発生した場合は、損害賠償や社会的信用の失墜等により、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループとしては、各事業において、会社法、金融商品取引法、労働法、税法、経済法、各種業法その他関係法令の遵守に努めています。また、人権の尊重、腐敗行為(贈収賄等)の防止、税務ポリシー等の各種の基本方針や、企業倫理規程等の社内規程を整備し、これらに従った事業運営を徹底するとともに、法令の制定・改正等に関する情報収集と対応を確実に行います。また、阪急阪神ホールディングスによるモニタリングを継続的に行うほか、一部の中核会社においては社外出身の役員を取締役会の構成員とすること等によって、グループ全体のガバナンス機能を強化するなど、コンプライアンス経営を推進しています。さらに、これらの実効性をより高めるため、役職員等への啓発や教育を行い、その知識や意識を向上させることで、コンプライアンスに反する行為の未然防止を図っているほか、取引先等も利用可能な内部通報制度を設け、コンプライアンス経営の確保を脅かす事象を速やかに認識し、対処できる体制を構築しています。 ② 人権の尊重について人権の尊重については、阪急阪神ホールディングスグループの使命を果たし続けるための基盤であると考えており、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等を踏まえて、「人権の尊重に関する基本理念」及び「人権の尊重に関する基本方針」を策定するとともに、人権デュー・ディリジェンスにも取り組むなど、「ビジネスと人権」の枠組みに沿った取組をさらに推進することで、負の影響の回避・低減に努めていきます。また、こうした取組をサプライチェーン全体で推し進め、持続可能な社会の実現に貢献するため、2024年4月に「阪急阪神ホールディングスグループ サプライチェーン方針」を策定し、グループ全体で取引先と共に取組を推進しています。 ③ 業法による規制について阪急阪神ホールディングスグループでは、鉄道事業をはじめとして、監督官庁から許可又は認可を受けて事業を行っている会社が多くあります。これらの会社においては、法的規制の変更によって、事業活動が制限され、又は規制遵守のための費用が増加する可能性があるほか、規制に対応できなかった場合には、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受けることがあります。阪急阪神ホールディングスグループとしては、規制の変更、新設に関する情報やその影響等を事前に調査・把握し、阪急阪神ホールディングスグループへの影響を最小限に止めるよう努めています。 (4) 財務(有利子負債について)阪急阪神ホールディングスグループでは、各事業において継続的に設備投資を行っていますが、これに必要な資金の多くは、金融機関からの借入れや社債等によって調達しています。そのため、今後、金利の上昇・金融市場の変化等が生じた場合や、阪急阪神ホールディングスグループの財務状況の変動等に伴って阪急阪神ホールディングスの格付が引き下げられた場合には、支払利息の増加のほか、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。なお、当連結会計年度末における連結有利子負債残高は1兆4,345億59百万円となっていますが、今後、施設等の安全性の維持・向上に係る投資に加えて、大規模プロジェクトをはじめ将来を見据えた成長投資を予定しており、連結有利子負債が一定程度増加する見込みです。阪急阪神ホールディングスグループとしては、引き続き資金調達の多様化を進め流動性を確保し、金利の固定化を行うことで金利変動リスクの回避に努めるとともに、コストや維持更新投資の削減などを通じて有利子負債の抑制を図りながら、財務体質の健全性の維持に努めていきます。 (5) 政治・経済・社会環境の変動① 保有資産の時価下落について政治・経済環境の大幅な悪化により、阪急阪神ホールディングスグループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産及び投資有価証券等の時価が、今後著しく下落した場合には、減損損失又は評価損等を計上することにより、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。 ② 人口減少等について阪急阪神ホールディングスグループが基盤とする京阪神エリアにおいて、少子化等に伴う将来的な人口減少・人口動態の変化から、鉄道、バス、タクシー等に対する旅客輸送需要やその他の各事業における需要が減退することに加え、労働市場の逼迫に伴い働き手の確保が困難になることが想定され、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループとしては、沿線における定住人口の増加や、インバウンド需要の取込等による交流人口の増加のための取組に加えて、人的資本への投資を継続してその充実・確保を図るとともに、DXの活用等を通じた生産性の向上に向けた取組をグループ全体で推し進めていきます。 ③ 地球環境問題への対応について気候変動問題については、温室効果ガスの排出抑制に向けた取組が世界全体で進んでいます。阪急阪神ホールディングスグループの主力事業である鉄道は、他の輸送機関と比べて環境負荷が少ないものの、今後、鉄道や不動産をはじめとする各事業において、脱炭素社会や循環型社会に対応するための投資・費用の発生が見込まれるほか、温室効果ガス排出に係る税制の導入や(再生可能エネルギーの促進等に向けた)電力小売単価の上昇に伴って費用が増加する可能性があります。このほか、近年、生物多様性・自然資本の保護や資源循環に向けた取組についても関心が高まってきており、こうした社会への移行に対応できなかった場合には、信用の毀損等に伴う収益の減少や、円滑な資金調達が困難となる可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループでは、温室効果ガス削減への対策は持続可能な社会の実現に向けて必要な取組であると認識しており、「サステナビリティ宣言」において重要テーマの一つに「環境保全の推進」を掲げ、脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進しています。その一環として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、その開示フレームワークに沿って、「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」を明示するとともに、「戦略」については、阪急阪神ホールディングスグループの事業のうち、特に気候変動の影響が大きいと想定される鉄道事業と不動産事業における「リスクと機会」を特定し、シナリオ分析を進めて財務的な影響の試算等を行い公表するなど、同提言に沿った対応を進めています。また、こうした気候変動に関するリスクと機会を評価・管理するため、グループ共通のKPIとして温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標(2035年度目標:GHG排出量2019年度比△60%、2050年度目標:実質ゼロ)を設定するとともに、各事業における個別のKPIを定めるほか、温室効果ガス排出量についてスコープ3の算定・開示や、ICP(内部炭素価格)の設定により各事業における取組を推進するなど、気候変動に対する事業の強靭性の向上を図っています。併せて、生物多様性や資源循環についても取組の方向性を明示し、KPIを設定するなど、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいきます。 ④ 事業環境の変化等について阪急阪神ホールディングスグループを取り巻く事業環境の変化はこれまで以上に加速し、ESGやサプライチェーンに関わる分野、CSRへの取組、会社での働き方、株主価値の向上をはじめとした多様な分野において、ステークホルダーからの期待も様々な形で高まってきており、こうした変化はこれからもスピードを増していくことが想定されます。今後、これらの変化に伴って人々の生活が大きく変容した場合には、人々の生活に密接に関わる事業を多く営んでいる阪急阪神ホールディングスグループの既存のビジネスモデルが影響を受ける可能性があります。また、インフレが加速するなどして建設コストをはじめとする各種コストが増加すれば、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受けることがあります。中でも、鉄道事業については、鉄道事業法の定めにより経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(第3条)、さらに旅客の運賃及び料金の設定・変更は、国土交通大臣の認可を受けなければならない(第16条)こととされており、こうした変化に応じた機動的な運賃改定等ができない可能性があります。阪急阪神ホールディングスグループでは、こうした状況を踏まえ、2025年3月に策定した「長期経営構想」に従い、「未来のありたい姿」の実現に向けて、グローバルな展開も視野に入れながら、資金や人材と言った経営資源を可能な限り最適に配分し、グループ一体での価値創造を一層加速していきます。なお、阪急阪神ホールディングスグループの「長期経営構想」については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」「(1) 長期経営構想について」に記載のとおりです。 ⑤ 国際情勢について阪急阪神ホールディングスグループのうち、不動産事業、旅行事業、国際輸送事業等については、海外においても事業活動を行っており、各国の政治・経済情勢の大幅な変動や法規制、紛争又はテロ行為、感染症の流行など、地政学上のリスクを含めた様々なリスク要因があります。また、こうした国際情勢に起因して動力費や原材料費が高騰するリスクがあるほか、各国の通商政策の動向等によっては、金融資本市場や国内の景気等が変動するリスクがあります。これらの影響は、海外において事業活動を行っている上記の事業にとどまらず、エネルギー価格や物流環境の変動等を通じて、都市交通事業をはじめとする国内各事業に波及する可能性があります。これらのリスクのうち、特に地政学上のリスク等については、弁護士やコンサルタント等、専門家の助言を踏まえたリスク分析を行った上で対応に努めています。また、動力費・原材料費の高騰や金融資本市場・景気変動等に対しては、情勢の変化を注視し情報収集等に努めるとともに、上記の「(4) 財務(有利子負債について)」や「(5) 政治・経済・社会環境の変動」の「④ 事業環境の変化等について」等に記載の取組を推進していきますが、予期せぬ情勢変化が生じた場合には、阪急阪神ホールディングスグループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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