(1)アルプス物流の企業集団は、アルプス物流と関係会社(子会社26社)で構成され、国内外の顧客に対して運送・保管・フォワーディング等のサービスを一貫して提供する総合物流サービス事業及び成形材料・包装資材及び電子デバイスの商品販売事業を行っております。
また、アルプス物流グループは、アルプスアルパイン株式会社を中心とした企業グループに属しており、同グループの電子部品、音響製品の販売・製造に伴って生じる国内外の物流業務も受託しております。
アルプス物流グループの事業に関わる位置付け及びセグメントの関連は、次のとおりです。
[電子部品物流事業]……アルプス物流、国内子会社2社及び海外子会社は、国内外の顧客に対する電子部品貨物の運送・保管及びフォワーディング等のサービスをグローバルに提供する総合物流サービスを行っております。
[商品販売事業]…………アルプス物流及び海外子会社4社は、成形材料、包装資材及び電子デバイスの販売を行っております。
[消費物流事業]…………国内子会社1社は、主に生協関連の一般消費者向け個配やその他国内消費物流に絡む貨物の運送・保管・流通加工等に関する物流サービスを行っております。
(2)事業の系統図は次のとおりであります。
アルプス物流グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアルプス物流グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
アルプス物流グループは、電子部品物流を主体とするアルプス物流及び国内外の子会社25社と、消費物流を主体とする国内子会社の㈱流通サービスによって構成されており、それぞれ専門分野に経営資源を集中して総合物流事業を展開しております。
電子部品関連のアルプス物流及び国内外の子会社では、「ものづくりを支える最適物流を追求し、豊かな社会の実現に貢献します」との企業理念を掲げ、事業領域を「電子部品を核とした総合物流サービス」と定めています。また、消費物流関連の㈱流通サービスでは、「地域社会の中で、消費者の暮らしに貢献できる消費物流に特化した総合物流企業を目指します」との企業理念を定めています。グループ各社は企業理念のもと連携して、中期・短期の経営計画を推進し、業容の拡大と企業価値の最大化を図ってまいります。
(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
<電子部品物流・商品販売>
電子部品関連の事業につきましては、主要顧客が属する電子部品産業は、通信の5G関連機器の普及や自動車の電子化の進行、AI、IoT、DXの実用化の進展などによりエレクトロニクス製品の需要拡大によって、今後も成長が予想されております。一方で、商品やマーケットの変化に対応した生産地変更やサプライチェーンの効率化・強靭化が進んでおり、顧客の物流改革ニーズは高度化かつ多様化しております。また、地政学リスクや感染症リスクなど経済環境の不確実性が高まる中、いわゆる経済安全保障上のリスクマネジメントが物流事業者に求められています。
このような事業環境において、電子部品関連の事業をドメインとするアルプス物流及び国内外の子会社では、2022年度より3カ年の第5次中期経営計画をスタートしました。中期基本方針を「地球と社会にやさしく・最適物流の追求と進化」と定め、次の戦略・施策を推進し、グローバルにビジネスの拡大を図っていきます。
①GTB(Get The Business / 市場と商品の拡大):ビジネス領域の拡大、グローバルネットワークの充実、協創・提携体制の拡充。
②GTP(Get The Profit / 間・直の生産性向上):省人化・自働化の推進、戦略投資の拡大と確実な刈り取り、DXへチャレンジ。
③GTC(Get The Confidence / サステナビリティの追求):ESG対応の強化、安全・高品質の維持確保、非財務資本の維持・強化。
目標とする経営指標として、中期・短期の経営計画で、事業別の売上高や営業利益などの損益目標を定め、PDCAのサイクルにより計画達成を図っております。グローバル成長の度合いを測る指標として「外販比率(アルプスアルパイングループ以外の売上構成比率)」、「海外売上比率」をKPIとしています。また、資本効率を意識した指標としてROE(自己資本当期純利益率)の向上に取り組んでおります。
<消費物流>
消費物流分野では、人々のライフスタイルの変化に加え宅配サービスや通販ビジネスの成長に伴って個人宅配や通販の需要が拡大しています。一方で、これに伴う貨物量の増加や即日配送サービスの普及などによって、物流インフラへの負荷増、特にドライバーや倉庫作業員の人手不足、コストアップなどの深刻な状況が続いております。
このような事業環境において、㈱流通サービスにおきましても、2022年度より3カ年の中期経営計画をスタートしました。事業の運営体制や営業体制の強化を図り、主要顧客である生協向けビジネスの更なる拡大、シェアアップを図るとともに、「通販・EC物流」の拡販を強化しています。さらに、新たな領域として、医薬品市場などの開拓も進めております。
また、業界課題である人手不足に対処すべく自働化の推進、働き方改革の推進などによって定着率の向上を図り、人財の確保・育成につなげてまいります。
アルプス物流グループでは電子部品関連、消費関連それぞれの分野において、上記の戦略・重点施策を着実に実行するとともに、サステナビリティに配慮した社会課題の解決に貢献し、更なるグローバル成長を図り、企業価値向上に努めてまいります。
(3)会社の経営環境と優先的に対処すべき課題
アルプス物流の主要顧客である電子部品業界は、次世代通信である5G関連機器の普及、自動車の電子化の進行、AI、DXの進展など、エレクトロニクス製品の需要拡大によって、中長期的に成長が期待されております。一方で、商品やマーケットの変化に対応した生産地変更やサプライチェーンの効率化・強靭化が進んでおり、顧客の物流改革ニーズは高度化かつ多様化しております。また、地政学リスクや感染症リスクなど経済環境の不確実性が高まる中、いわゆる経済安全保障上のリスクマネジメントが物流事業者に求められています。このような中、2022年度より3カ年の第5次中期経営計画をスタートしました。中期基本方針を「地球と社会にやさしく・最適物流の追求と進化」と定め、次の戦略・施策を推進し、グローバルにビジネスの拡大を図っていきます。また、貨物特性に合わせた自働化、ロボットの導入や間接部門を含めた生産性向上を図り、収益性の強化にもつなげてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合にアルプス物流グループの経営成績などの状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアルプス物流グループが判断したものであります。
(1)景気変動
アルプス物流グループは電子部品物流及び消費物流を主とした総合物流事業を展開しております。電子部品物流分野ではメーカーのグローバルな生産体制に対応するため海外子会社での物流体制を強化しており、当連結会計年度の電子部品物流分野における海外売上比率は42.9%です。主要顧客は電子部品業界であり、特に自動車、スマートフォンなどの各種電子機器などの生産・販売動向に影響を受けます。また、消費物流分野では国内各地での受託体制を拡大しており、景気変動に伴う各地域における消費者需要などに影響を受ける可能性があります。景気後退による顧客の生産・販売減や消費者の需要減は、アルプス物流グループの受託業務量の減少につながり、アルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、顧客と密接にコンタクトを取り、市場・顧客の動向を把握することで、需要の変動に対応すべく取り組んでおります。
(2)為替変動
アルプス物流グループでは電子部品物流のグローバル化に対応し、中国、韓国、インド、アセアン、北米及び欧州で物流事業を展開しており、各地域に海外子会社を展開しております。これらの海外子会社の財務諸表は現地通貨で作成され、連結財務諸表作成のために円換算されております。また、アルプス物流におきましても子会社や商品販売事業の顧客などこれら子会社などに対する外貨建債権債務を有しているため、換算時の為替レートの変動はアルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。中でも、北米や中国での事業規模が大きく、米ドル、中国元に対して円高に変動した場合には、アルプス物流グループの業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。対応策として、アルプス物流では、為替変動の影響を減少させるため、商品販売事業の一部の顧客との間では、直近の為替変動を取引価格に反映すべく定期的に取引価格の見直しを行っております。
(3)法的規制
アルプス物流グループが国内で営む各種事業は事業の公共性やそれに見合うサービスが提供できるように一般貨物自動車運送事業法(利用運送事業含む)、通関業法及び倉庫業法などの許認可を必要としております。また、アルプス物流グループが進出している海外各国でも各種の事業法制のもとに規制を受けております。アルプス物流グループでは国内外において必要な各種許認可を取得し法令遵守のもとに物流事業を遂行しておりますが、これらの法律が改廃された場合、内容によってはアルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、国内外の法的規制や法律改正をウォッチすると共にコンプライアンスを重視した取り組みを行っております。
(4)業界内での競争
顧客の海外への生産シフトに伴う国内貨物量の減少や大手物流事業者のアルプス物流グループの物流業域への参入などにより、受託価格やサービス面などの競争は激化しております。アルプス物流グループでは電子部品物流の強みを活かした分野で事業展開し、拠点・ネットワークの整備拡充と事業基盤・体質の強化に努め、顧客ニーズに対応した高品質なサービスを提供してまいりますが、業界内における価格・サービス面での競争激化の状況によってはアルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、これまで蓄積してきた電子部品の取扱いノウハウを活かし、各種自働化やシステム化に取り組み、高度化する個々の顧客ニーズに対応する最適物流に磨きをかけ、サービスの充実を図っております。
(5)市場・顧客ニーズの変化
アルプス物流グループの電子部品物流事業は、多品種・小ロットで顧客ニーズにきめ細かく対応できることが特徴です。自動車や電子産業で半導体・電子部品の標準化が進んだり、サプライチェーンが大きく変わる場合、多品種・小ロットのニーズが減少したり、価格競争力を失う可能性があります。これらの変化に対応するため、手作業によるきめ細かなサービスと同時に積極的に自働化投資も行っております。更にサプライチェーンの変化にも対応できるようグローバルネットワークの拡充も行っております。しかし、それらの市場・顧客ニーズの変化に迅速な対応ができない場合、アルプス物流グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)燃料費・人件費等の高騰
アルプス物流グループは、運送サービスにおいて多数の貨物自動車を使用しております。その燃料費は原油価格や為替相場により変動します。国際物流の航空・海上利用運送の仕入価格も燃料費の変動に連動します。また、ドライバー、倉庫作業者など多くの人材を活用しており、人件費が上昇する可能性があります。トラック積載率の向上や倉庫の自働化投資を行い、原価改善を進めておりますが、急激な燃料価格の上昇や人件費の高騰に対し、原価改善が追い付かない場合や価格転嫁ができない場合、アルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)アルプスアルパイングループとの関係
アルプスアルパイン㈱(以下、「アルプスアルパイングループ」という。)は、本書提出日現在においてアルプス物流議決権の48.8%を保有しており、アルプス物流は同社の持分法適用会社となります。
アルプスアルパイングループは、国内外において電子部品、車載情報機器の製造・販売を行っております。当期において、アルプス物流グループがアルプスアルパイングループより受託している物流関連業務の連結売上高に占める割合は、32.5%となっております。自動車やスマートフォンの市況変化によるアルプスアルパイングループの生産変動、海外生産展開方針の変化や部材調達のサプライチェーンの変化などによって、アルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、アルプスアルパイングループ以外の顧客に対する売上拡大を重点施策として取り組んでおります。
(8)カントリーリスク
アルプス物流グループでは顧客のグローバルな物流ニーズに対応するため、中国、韓国、インド、アセアン、北米及び欧州において事業を展開しております。これらの海外物流市場での事業展開には「予期しない法律又は税制の変更」、「不利な政治又は経済要因」、「テロ、戦争、その他の社会的混乱」などのリスクが常に内在されております。これらの事象がおきた場合、アルプス物流グループの事業の遂行に深刻な影響を与える可能性があります。特に事業規模の大きい北米や中国の動向が大きく影響します。対応策として、これら事業規模の大きい地域だけでなく、アセアンや欧州地域の拡大も図り、グローバルに拠点網を拡充し、バランスよく成長することに取り組んでおります。
(9)災害等
アルプス物流グループは、国内外の物流拠点において地震、台風、大雨、洪水などの自然災害や火災・事故などへの防災・減災対策を徹底しております。事業継続においては、運送、保管及びフォワーダーの物流機能など重要な情報インフラのバックアップ体制を整備しております。また、受託貨物保険や火災、地震災害保険の付保などの対策をとっております。これらの対策により、過去の災害発生時には事業への影響を最小限に留めています。しかし、想定を超える大規模な災害が発生した場合には、事業への影響が大きくなる可能性があります。
(10)感染症拡大に係るリスク
アルプス物流グループは、世界各地域において事業を展開しております。新型コロナウイルスの感染再拡大や新たな感染症の発生により、顧客の工場の操業停止などに伴い、アルプス物流取扱貨物量に影響が出ることがリスクとして予想されます。これらの事象が起きた場合、社長を対策本部長として、グローバルに展開する国内外の子会社と連携し、従業員の健康と安全の確保を最優先として、規制地域に勤務する従業員への支援物資の手配や、間接部門での在宅勤務の導入などの取り組みを推進しています。今後もこのような取り組みを継続し、感染症の発生・拡大に備え、顧客のサプライチェーンの寸断が発生しないよう物流事業者としての責任を果たすべく、事業継続に取り組んでおります。
(11)気候変動に係るリスク
アルプス物流グループでは、気候変動といった将来の不確実性に対処することは、持続的な企業価値向上並びに持続可能な社会の実現に資するものであると考え、気候変動への対処について全社で取り組んでおります。また、その取り組み状況を説明するため、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに沿って気候変動に関する情報開示に努めてまいります。TCFDの枠組みに沿った情報開示は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。アルプス物流グループでは、中長期にわたり事業活動に重要な影響を与える可能性のある気候変動に係るリスクと機会を特定しました。移行リスクとして、新たな法規制や制度、低排出技術への移行などによる費用負担増、顧客要求に追従できない場合のビジネス機会の損失、企業評価低下に伴う資本調達コストの増加などを想定しております。また、物理リスクとして、異常気象による自然災害の激甚化、海面上昇への対応などを想定しております。それらが想定した範囲を超えて発生した場合、アルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)機密情報の漏洩・紛失
アルプス物流グループでは、業務に関連して多数の個人(従業員を含む)や顧客の機密情報を入手しております。「情報セキュリティ基本方針」を制定し、情報管理規程の整備や情報セキュリティ強化施策の展開、従業員への教育を行うなど、情報の管理には細心の注意を払っておりますが、何らかの事情によりこれらの情報が外部に漏洩する可能性は否定できません。万が一、個人情報や顧客情報が漏洩した場合、アルプス物流グループの社会的信用の低下や損害賠償責任を負うことにより、アルプス物流グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)人材の確保等に係るリスク
アルプス物流グループの電子部品物流分野では、市場の拡大、新規顧客の獲得などにより、倉庫の新設・拡張、運送路線の拡大を進めております。消費物流分野では、小売企業の宅配サービスや通信販売ビジネスの成長に伴って、物流インフラの拡張や運送の増便を進めております。しかし、ドライバーや倉庫作業員の人手不足、コストアップなどの状況が続いております。人材確保及び定着率向上のための働き易い職場作り、省人化による生産性向上、人材育成、採用効率向上などの対応策を取っておりますが、雇用環境の変化などにより、アルプス物流が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、今後の成長に影響を及ぼす可能性があります。
(14)物流施設・設備への投資
アルプス物流グループの電子部品物流分野の物流施設は、全体で約43%が自社施設です。国内については約62%が自社施設で、今後も事業の拡大に向け積極的に物流施設を建設してまいります。また、既存の物流施設は定期的に建て替えや大規模修繕が必要になります。そのため、今後投資額が大きくなり、減価償却費増加による業績への影響や投資負担により財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)固定資産の処分損失及び減損損失
当連結会計年度末における有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額は51,277百万円です。アルプス物流グループは国内外に物流拠点などを有しております。設備投資及び長期賃貸借契約などについては、投資効果やキャッシュ・フロー回収見込みなどを長期的な視点で検討した上で実施しておりますが、経済動向、顧客企業の動向などにより、当初計画よりも早期に処分、返還などを行い、一時的な損失または減損損失が発生するなど、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的な対応策として、アルプス物流では、減損損失が発生すると影響が大きい一定金額以上の投資案件について、投資計画を取締役会において精査し、損益計画の妥当性、投資回収の実現性を審議しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー