遠州トラック(9057)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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遠州トラック(9057)の株価チャート 遠州トラック(9057)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

遠州トラックグループ(遠州トラック及び遠州トラックの関係会社)は、遠州トラック(遠州トラック株式会社)及び子会社3社並びに親会社である株式会社住友倉庫により構成されており、一般貨物自動車運送事業、貨物運送取扱事業、倉庫事業及び不動産事業等による総合物流事業を営んでおります。事業内容とセグメントとの区分は同一であり、遠州トラック及び関係会社の当該事業にかかる位置付けは次のとおりであります。

区分

内容

会社名

一般貨物自動車運送事業

貨物運送

 

遠州トラック株式会社

株式会社藤友物流サービス

遠州トラック関西株式会社

小笠運送株式会社

 

貨物運送取扱事業

貨物運送の取次

倉庫事業

荷物の保管・管理

物流加工

不動産事業等

土地建物の賃貸・売買等

太陽光発電による

売電

遠州トラック株式会社

以上の遠州トラックグループについて図示すると次のとおりであります。

 

 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

遠州トラックグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において遠州トラックグループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

遠州トラックは、ミッション(使命)、ビジョン(経営目標)及びバリュー(従業員行動指針)の3項目から構成される経営理念を定めております。この経営理念に沿って会社経営を進めて参ります。

イ.ミッション(使命)

ⅰ)人的資本である従業員の「幸せ」を第一義に考えた経営を行います。

物流インフラの提供を使命とした全ての従業員が幸せになるように、経営として最善を尽くします。

従業員が、仕事に対する誇りと働きがいをもって、いきいきと安全・安心に働ける会社を目指し、お客様に価値を提供する経営基盤を盤石にします。

ⅱ)お客様起点に立って、物流サービスのあり方を問い続け、挑戦と創造により、お客様に満足される価値を提供します。

ⅲ)地球環境にやさしい物流の実現のためにCO2の削減に取り組み、社会的課題の解決に貢献します。

 

ロ.ビジョン(経営目標)

ⅰ)従業員が仕事に対する誇りとやりがいをもって働ける安全・安心な労働環境をつくり、従業員の「エンゲージメント」を向上させます。

ⅱ)戦略商品を核に関東・関西間の物流サービスを拡充し、事業領域を拡大します。

拡大に際しては、安全・品質を向上させながら、遠州トラック車両と乗務員、作業員で運営する自社輸送体制を堅持し、お客様のニーズに柔軟に対応する能力を確保します。

ⅲ)先端技術の積極的な導入により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、未来に向けた物流サービスのイノベーションに挑戦し、事業価値を向上させます。

ⅳ)社会的課題の解決に貢献します。

法令を遵守し、お客様と共同して、地球環境にやさしい物流サービスにより、社会的課題の解決に貢献します。また、企業の社会的責任として、地域の交通安全づくりや地域社会の行事への参画を通じて、社会の持続的な成長に貢献します。

 

ハ.バリュー(従業員行動指針)

従業員は、ミッション、ビジョンの実現を目指し、行動指針に沿って、バリュー(従業員の判断・行動の基準となる共通の価値観)を共有し、行動します。

バリューを会社の組織文化として定着させます。

ⅰ)ミッション、ビジョンの実現を目指して、行動指針に基づき判断・行動します。

従業員は、会社の事業の方向性を理解し、何に取り組むべきかを考えて、自らの目標に落とし込むとともに、目標に合わせて自身の意識と行動を変化させます。

ⅱ)安全を最優先に考え、安全・安心な働きやすい職場をつくります。

事故を未然に防止するため、ルールを遵守する基本行動を徹底します。

職場の従業員が、気持ちよく仕事ができるように人と人とのつながりを大切にします。

ⅲ)お客様起点にたって、物流サービスの品質を向上させ、お客様に満足していただける物流の仕組みを提供し、価値を向上させます。

お客様の方針、ニーズを理解し、期待に応え、安定した信頼関係をつくります。

ⅳ)我が事として、プロフェッショナルに仕事に取り組み、生産性を高めます。

従業員は自分の役割や責任を理解して、当事者意識をもって業務の進め方を改善し、職場やお客様に提案し、主体的に業務に取り組みます。

ⅴ)何が正しいことなのかを「正直、誠実、高潔」に物事を考え、判断・行動します。

法令と会社のルールを遵守し、ルールがなく上長に相談できない場合でも自らの責任で「正直、誠実、高潔」であることを基準に判断・行動します。

ⅵ)多様な価値観を認め、従業員個々の強みを発揮し、課題に挑戦して、人財として成長します。

率直な意見を交換する場をつくり、アイデアやヒントを組織として共有し、学び続けます。

 

(2) 経営戦略等

イ.新しい物流サービスに挑戦し、事業領域を拡大する

ⅰ)中継輸送(e-change)プラットフォームを活かした輸送ネットワークを拡充する

中継輸送による関東・関西間の物流サービスの取扱を拡充することで、乗務員が日帰り運行できる環境を構築して、2024年問題、とりわけ乗務員不足を解決します。

また、中継拠点を活用して幹線輸送とエリア配送を繋げたネットワークを拡充します。

ⅱ)EC(eコマース:インターネット上の電子商取引)物流を拡大する

東海エリアでのEC物流ネットワークを活用して新たなEC顧客の個配業務を開拓します。

ⅲ)共同配送網を拡充する

遠州トラック拠点が充実している静岡県、関東圏、中京圏の共同配送ネットワークを更に拡充して、お客様の業務効率化に貢献するとともに社会的課題であるCO2の削減に貢献します。

ⅳ)協力会社ネットワークを拡充する

協力会社とのネットワークを更に強固なものとして、お客様の多様なニーズにお応えします。

ⅴ)調達物流を進化させる

メーカー至近の立地を活かせる遠州トラック拠点を原料・資材を集積させる場にすることに加えて、セット組み機能や多頻度適時輸送など顧客に最適な納品形態を実現させる場として進化させます。

ⅵ)最適な物流サービスの提供に向けて物流拠点を新設する

お客様のニーズに合わせた立地に、立地地域の協力会社と提携しながら拠点を新設して、原料・資材の調達物流拠点や製品の消費地在庫拠点として活用します。

 

ロ.事業戦略の推進のための投資を行う

ⅰ)先端技術の積極的な導入により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、未来に向けた物流サービスのイノベーションに挑戦する

遠州トラックの業務上の情報(データ)とデジタル技術を活用し、業務の効率化と省人化を進めるとともに、お客様に最適で品質の高い物流サービスを提供します。

輸送においては、自動配車システムを全社展開して業務の標準化を進め、全社最適で効率的な配車を実現します。

ⅱ)大型車両の電動化の進展に合わせて、お客様と共同して導入に取り組む

 

ハ.人的資本価値を高める投資を行う

ⅰ)人材が事業の価値を高める人的資本であると捉えて投資する

従業員の処遇と職場環境を改善し、従業員のエンゲージメントを高め、多様な人材の募集と確保に努めます。

ⅱ)従業員の健康保持・増進に積極的に取り組み、組織の活性化や生産性の向上につなげる

 

ニ.コンプライアンスを遵守し、コーポレート・ガバナンスの強化を進める

2024年問題に法令遵守で対応し、コーポレートガバナンス・コードに対応したガバナンス強化を進めます。

 

ホ.地球にやさしい物流に取り組む

中継輸送、共同配送、調達物流の最適化、モーダルシフト等の提案により、社会的課題であるCO2削減に積極的に取り組みます。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

遠州トラックは2023年度を初年度とする3年間の中期経営計画の期間中に90億円の事業投資を行い、新しい物流サービスに挑戦し、事業領域を拡大することで、計画最終年度となる2025年度の営業収益を522億円、営業利益を36億50百万円とする計画としております。この中期経営計画を実現するため、以下の施策に取り組んでまいります。

第一に、様々なモノやサービスの価格が高騰しているなか、運輸・倉庫業においては運賃や作業料などの価格への転嫁が不十分な状況にあります。2024年4月から乗務員の年間労働時間上限規制が実施され、労働力不足が懸念されるなか、適正な価格転嫁を推進するとともに賃上げを積極的に行い、物流サービスの安定供給に努めてまいります。

第二に、「物流の2024年問題」の解決策の一つとして注目されている中継輸送を推進してまいります。遠州トラックは、関東・関西の中間に拠点をもつ立地を活かして、乗務員が日帰り運行できる環境の構築を目指しており、業界に先駆けて中継拠点を設置いたしました。このプラットフォームを活かした輸送ネットワークを拡充し、社会問題となっている乗務員の長時間労働の解消に努めてまいります。

次に、遠州トラックがこれまで取り組んできた化学品や食品などの共同配送による業務の効率化や、EC(電子商取引)関連の強化を図るべく、協力会社とのネットワークを更に拡充するとともに、輸送能力の増強を図ってまいります。

続いて、調達物流を進化させ、顧客企業に最適な物流サービスを提供してまいります。顧客企業の製造拠点近くに物流施設を設け、顧客が各サプライヤーから調達する部品を遠州トラックの輸送ネットワークを活かして効率的に集めるとともに、顧客の要望にあわせたセット組みや多頻度適時輸送を行います。物流の合理化・外注化を進める企業に向けて、高品質の物流サービスを提供するとともに、今後も事業の拡大に向けて取り組んでまいります。

上記事業戦略の推進に向けて投資を行い、先端技術の積極的な導入を図ります。具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に対応できるよう基幹システムを再構築するとともに、自動搬送ロボット等の導入を進め、作業環境の改善や省人化を図ってまいります。また、地球にやさしい物流に取り組むべく、中継輸送や共同配送の推進とともに大型車両の電動化に向けて、顧客と共同で導入に取り組んでまいります。

一方、管理面におきましては、人的資本価値を高めるための投資として従業員の健康保持・増進に取り組むべく、健康経営を推進するとともに従業員の処遇や職場環境の改善を積極的に行います。また、コーポレート・ガバナンスの強化を進め、経営管理体制の充実に一段の努力を払ってまいる所存です。

 

(4) 中期経営計画(2023年4月~2026年3月)の数値目標(連結)

 

2026年3月期

(第61期 目標)

営業収益

52,200百万円

営業利益

3,650百万円

事業投資額(期間累計)

9,000百万円

ROE(自己資本利益率)

8%以上

配当性向

30%以上

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において遠州トラックグループが判断したものであります。

①  取引集中によるリスク

遠州トラックグループの顧客層は業種も多種多様で、物流エリアも東北地方から関西、九州地方に分散しているものの、インターネット通販に関連する取引の増加により、特定の取引先との取引が営業収益の30%以上を占めております。遠州トラックグループは、物流サービスの拡充により取扱業務を拡大することで、取引集中によるリスクの回避に努めてまいります。取引先との関係は良好かつ安定的に推移しておりますが、内外の状況により取引先を含めた事業環境が激変する可能性に加えて、主要な取引先との契約内容が変更あるいは解消された場合、遠州トラックグループの業績が影響を受けるリスクがあります。

 

②  燃料費変動のリスク

原油価格等の高騰により軽油価格が上昇した場合、燃料油脂費等の運送原価が増加します。集中購買やエコドライブの推進等により費用の削減に努めておりますが、これら費用の増加分を運賃に転嫁できない場合、遠州トラックグループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

③  金利変動のリスク

遠州トラックグループは車輌の更新及び倉庫施設等の新設や更新のため、継続的な設備投資を行っております。有利子負債の圧縮に努めておりますが、必要な設備資金は主として外部借入により調達しております。主に固定金利での借入を行っておりますが、変動金利で調達している資金については金利変動の影響を受けることになります。また、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。

 

④  固定資産の減損リスク

遠州トラックグループは物流事業、不動産事業等を営んでおり、その業務の性格上、多額の固定資産を所有しております。今後、保有資産の時価下落や収益性の低下に伴う減損損失が発生する可能性があります。

 

⑤  法的規制及び環境規制に伴うリスク

遠州トラックグループは、一般貨物自動車運送事業、倉庫業等、国土交通大臣等の許可や登録に基づく事業を営んでおり、排ガス規制等、環境・安全に係る規制の影響を受けておりますが、低炭素社会への移行が社会全体の課題とされる中、規制強化の影響を受ける可能性があります。遠州トラックグループは、業界における各種の法的規制に適合した経営の遂行を最重要課題とし法令遵守の徹底を図っておりますが、万一、当該規制に抵触し、事業の停止、許可・登録の取消処分等を受けるような事態になった場合は、事業自体の遂行が困難となるケースも想定されます。また、法的規制が強化されることにより人的、資金的負担が増大する可能性もあります。

 

⑥  自然災害等のリスク

遠州トラックグループが主力地盤とする地域は東海地震の可能性が言及されている一帯に位置しています。大規模な地震、津波、風水害、火災等の発生により、遠州トラックグループの倉庫、車輌等の設備や道路、通信網等が重大な損害を受け、事業の一時的な中断、ひいては取引の縮小や解消、従業員の身体・生命に関わる安全レベルの低下、災害対策のための負担の増加等が発生する可能性があります。遠州トラックグループでは、社員の安否確認やBCPの策定、防災訓練の実施などの対策を講じておりますが、想定を超える規模で被害が発生した場合には遠州トラックグループの業績が重大な影響を受ける可能性があります。

 

⑦  感染症発生に関するリスク

遠州トラックグループは関東地区から関西地区にかけて事業所が点在しており、リスクの分散化が図られていると認識しておりますが、想定を超える規模で新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の未知の感染症が流行した場合、遠州トラックグループや取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態の発生により、遠州トラックグループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧  情報漏洩のリスク

遠州トラックグループは、物流業務の受託にあたり、取引先の各種情報を取り扱っております。このため、プライバシーポリシーの制定をはじめ、情報管理やコンプライアンスに関する教育・指導の徹底に努めております。万一、遠州トラックグループの責任により当該情報が漏洩し、取引先に損害を与えた場合は多額の損害賠償請求を受ける可能性があるため損害賠償保険に加入しておりますが、社会的信用を失うリスクがあります。

 

⑨  システムリスク

遠州トラックグループの業務はその大半をシステムに依拠しているため、自然災害、ウイルスの侵入、不正アクセスなどによりシステム障害が発生し、かつ長期間障害が継続した場合には業務に重大な支障を来たすおそれがあります。これについてはデータセンターの活用によりリスクの低減を図っているところですが、今後の多様な事業展開と情報量の飛躍的な増加も見据え、これら諸リスクに対処するため、基幹システムの統合刷新をいたしております。

 

⑩  重大な事故発生のリスク

遠州トラックグループは、貨物運送事業を営むうえで多くの車輌を使用し、日々運行を行っております。安全管理は遠州トラックグループの最重要課題として取り組んでおりますが、万一、重大な交通事故等を発生させてしまった場合は、取引先のみならず社会一般の信用も失墜することになり、多額な損害賠償請求、営業停止等の行政処分などにより、遠州トラックグループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

⑪  コンプライアンス違反に関するリスク

万一、会社や役員・従業員によるコンプライアンス違反に関する事項が発生した場合、取引先等の信頼を失うことにより事業活動に重大な影響を受ける可能性、あるいは過去の財務諸表等の修正を要する事態に発展する可能性があります。

遠州トラックグループは、コンプライアンス実践のため企業行動指針(10項目)を定め、平素より法令遵守の企業風土の醸成に努めております。また、法令や諸規程に基づく内部統制が機能するよう内部監査室や内部統制委員会等において、万一にも法令違反や重大な誤謬が発生しないよう監視・監督に努めております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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