ビーイングホールディングス(9145)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ビーイングホールディングスグループは、ビーイングホールディングス及び連結子会社11社で構成されており、顧客のロジスティクス(注1)を企画・提案して、自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL(注2)事業を主軸に、同業他社に3PL事業をプロデュースしてサプライチェーン全体を管理する4PL(注3)事業を、グループで連携を図り展開しております。ビーイングホールディングスグループのセグメントの区分は、主に物流センターの運営(構内業務・配送業務)及びコンサルティング業務等を行う「物流事業」、及び旅客事業(タクシー、バス)、不動産業、システム開発、保険代理業、自動車整備業、燃料販売業等を行う「その他」となっております。なお、ビーイングホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ビーイングホールディングスグループが顧客へ提供する物流改革の特徴として、メーカー、卸売、小売間でそれぞれ実施する拠点間配送、在庫管理、検品作業などを拠点物流センターに集約し、構内作業工程や配送業務の徹底した合理化により全体最適化する「運ばない物流」を提案・構築・運営しております。 物流拠点の事業展開エリアとしては、設立以降、北陸地方を中心に事業を展開しておりましたが、その後、業務の評判や取引先等からの紹介により物流コンサルティングの引き合いを受けたことを契機に、東海・近畿地方へと事業エリアを拡大しました。また、2013年には顧客から積雪時の安全な輸送について相談を受けたことを契機に、関東・東北地方において物流事業を受託し、更なる事業エリアの拡大を実現しております。このように、ビーイングホールディングスグループでは、全国展開へ向けて物流拠点数の拡大を加速しており、2025年12月期末時点では、北陸地方4県に24拠点、関東地方1都6県に22拠点、その他2府9県に25拠点の計71拠点を運営しております。なお、各期末における都道府県別の物流拠点数の推移は以下のとおりです。 ビーイングホールディングスグループでは、取り扱う商品を生活物資に特化しており、3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の食品、医薬品、化粧品、日用品の小口物流に強みを持ち、卸売企業及びコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアの物流センター運営を受託しております。また、ビーイングホールディングスグループでは、物流システムであるWMS(注4)(倉庫管理システム)、TMS(注5)(輸配送管理システム)、PMS(注6)(生産性管理システム)及びDMS(注7)(庸車管理システム)を自社開発、又はメーカーと協働し開発しております。これらの情報システムの構築及びビーイングホールディングスグループ独自の設備や機材により、顧客それぞれの特性に合わせたオリジナルの物流システムを構築できることがビーイングホールディングスグループの最大の強みであります。 [用語解説](注1)ロジスティクスサプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービス、及び関連する情報を計画、実施、及びコントロールする過程。(注2)3PL(3rd Party Logistics)競合他社に真似できない核となる能力に集約した経営を指向する企業が、企業戦略として、物流機能の全体もしくは一部を第三の企業に委託することで実現する物流業務形態のひとつ。(注3)4PL(4th Party Logistics)3PLに優れたノウハウを持つ物流企業が、別の物流企業に自社のノウハウを用いて物流をプロデュースするなど、3PLにロジスティクス戦略の企画・推進を行うコンサルティング要素が加わったソリューション。(注4)WMS(Warehouse Management System)倉庫管理システムを言い、物流センター内の一連の作業、具体的には入荷・在庫・流通加工・帳票類の発行・出荷・棚卸などを効率化し、一元的に管理する情報ツール。導入することで人的ミスを最小化し、作業時間短縮、生産性向上に役立つ。(注5)TMS(Transport Management System)輸配送管理システムを言い、商品が物流センターから出荷された後、届け先までの輸配送をトータルに管理する情報ツール。トラックやドライバーの手配やGPSによる車両の位置管理に役立つ。(注6)PMS(Productivity Management System)生産性管理システムを言い、「勤怠」「業務」「作業」実績を計測・集計し、分析・予測データをリアルタイムで、物流センター全体から個人別に至るまでの生産性を管理する情報ツール。物量に合わせた適切な勤怠シフト作成、レイバー管理及び作業別・個人別の動態管理を行うことが可能であるほか、勤務シフトと連携しながら、日次から月次まで労働時間を管理していくことが可能であり、生産性の向上や労務管理に役立つ。(注7)DMS(Delivery Management System)TMSとPMSの機能を拡張し、協力会社との円滑な協力体制の強化を目的として開発。協力会社に委託する配送業務を日次で管理する情報ツール。電子請求書に対応し、経理処理の迅速化に役立つ。 セグメント別の区分は次のとおりであります。セグメントサービス内容及び各社の業務物流事業サービス内容は、主に物流センターの運営(構内業務・配送業務)及びコンサルティング業務等であります。(物流コンサルティング)ビーイングホールディングス(物流構内業務・配送業務)株式会社アクティー株式会社福井アクティー株式会社東京アクティー株式会社コラビス株式会社横浜LSP株式会社A2ロジその他サービス内容は旅客事業(タクシー、バス)、不動産業、システム開発、保険代理業、自動車整備業、燃料販売業等であります。(旅客事業)株式会社オリエンタル(不動産業)ビーイングホールディングス(システム開発)株式会社Gappa(保険代理業)株式会社ベプロ(自動車整備業)株式会社田川自動車(燃料販売業)北陸物流効率化事業協同組合 a.物流事業従来の物流業界は、運搬量に応じて収益を計上するシステムによるビジネスモデルが主流であります。その中において、ビーイングホールディングスグループでは、いかに「運ばない物流」を構築するかという技能、技術、マネジメントの手法を提供しております。拠点間に複数ある物流倉庫を1つにまとめ、生産者から消費者までの物流の作業工程を合理化して、顧客の管理コスト、保管コスト、移動コスト、配送コストを低減しております。メーカーやベンダーからの商品入荷管理及び小売店の発注から納品までの動きを可視化して、流通プロセスのボトルネックを発見し改善することで物流を全体最適化し、顧客の物流戦略に対する強力なサポートを実現しております。 ビーイングホールディングスグループでは、物流サービスとして、顧客の「困っていること」を解決し、「求めていること」が実現できるように、「詳細な原価計算」に基づき、オーダーメイドで物流をデザインしております。ビーイングホールディングスグループの各物流センターでは、「自ら育つことを教える」という教育理念の下で経験を積んだ社員を配置しており、多種多様な物流現場の立ち上げ業務や改善業務に従事しております。物流センターの運営は、準備段階から高品質を維持するしくみを丁寧に構築しております。新規事業を受託する場合において、構内業務では、地域の雇用を考え、近隣で働く気持ちのある人を多く受け入れられるように、全自動化などの「人の代わり」ではなく、「人を補助する」しくみにこだわり、設備、道具、IT等をメーカーと共同開発し、「お化けリフト」(注1)「カゴ車用リフトアタッチメント」(注2)「ピッキング用台車」(注3)などを導入しております。配送業務では、事前に配送先となる全ての店舗を視察し、「店舗カルテ」を制作しております。「店舗カルテ」は、「物流のお医者様」という意味を込めております。カルテには、運行ルート、バックヤード位置、荷下ろし手順等は勿論、その配送先ひとつひとつのルールや要望、注意点が詳細に掲載されており、更に店舗周辺環境における注意点、通学路(ビーイングホールディングスグループでは運行ルートから外しております)の状況まで掲載しております。「店舗カルテ」により、担当ドライバーを固定しなくても、常に高品質の配送を提供できるしくみを構築しております。ビーイングホールディングスグループは、物流センター内のWMSによる在庫量や入庫・出庫業務の進捗状況及びTMSによる配送の進捗状況などをⅠTシステムにより「見える化」しており、更にその情報を顧客側もインターネット経由で同時に確認し共有することができる「見せる化」するシステムを構築しております。 (注1)「お化けリフト」とは、カゴ車を最大8台運ぶことができる大型のハンドリフト(電動式)であります。 (注2)「カゴ車用リフトアタッチメント」とは、ピッキングリフトに直接カゴ車を設置できるアタッチメントであります。 (注3)「ピッキング用台車」とは、オリコン(折り畳みコンテナ)、オリコン台車、ピッキングカートを組み合わせたビーイングホールディングスグループオリジナルの台車であります。 b.その他ビーイングホールディングスグループでは、物流事業の補完及び事業の多角化を目的として、グループ子会社において以下の事業を営んでおります。株式会社オリエンタルは、旅客事業として、タクシーの運行、貸切バス・観光タクシーのサービス及び旅行プランの作成などを行っております。旅行プランニングは、顧客一人ひとりに合わせたオンリーワンの観光ツアーの実現を手厚くサポートしております。株式会社Gappaは、ビーイングホールディングスグループの情報システムの保守、メンテナンス、カスタマイズ及び事業所のサポートを行っております。新システムの開発及び販売は、ビーイングホールディングス事業開発部が窓口となり統制・運営しておりますが、開発案件によって株式会社Gappaと連携・調整・分担をしております。株式会社ベプロは、多くのトラック、バス、タクシーを運用するビーイングホールディングスグループと密接な業務として、一般、法人向けの保険代理店業務及び、グループ会社の所有物件や車両の各種保険を取り扱っております。株式会社田川自動車は、貨物用の大型自動車から軽自動車までの車検や一般整備等を行っており、また、顧客の新車・中古車の購入の相談についても対応しております。北陸物流効率化事業協同組合は、軽油・レギュラーの2種類を取り扱い、ビーイングホールディングス敷地内、石川県白山市内、福井県福井市及び富山県富山市のビーイングホールディングス物流センター敷地内でガソリンスタンドの運営をしております。上記のほか、ビーイングホールディングスでは、不動産業として、ビーイングホールディングスが所有する物流センター等の一部を顧客に賃貸しております。 [事業系統図]事業の内容を事業系統図により示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ビーイングホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてビーイングホールディングスグループが判断したものであります。(1)経営方針ビーイングホールディングスグループは、「-BEING-存在しつづける」を企業理念に掲げ、「会社をつくる。人間をつくる。社会をつくる。」という経営目的のもと、時代や文明とともに進化するロジスティクス事業を探求し、時代にあわせた社会インフラの提供を通じて、企業、さらには社会システムのイノベーションを起こすような『リアルロジスティクス』の体現を目指してまいります。マーケティングコンセプトとしては、「ロジスティクスのプロフェッショナルたれ」「必要を発見し、本質を発見する」「価値あるものしか、価格はつけない」の3つを掲げております。ロジスティクス事業を通し、社会インフラを支え、経済のライフラインを担うプロとして、お客様の真の問題を発見し、お客様にとって価値のあるサービスだけを提供できるよう、最善を尽くしてまいります。また、マネジメントコンセプトとして、「雇用は最大の社会貢献」を掲げ、雇用をすることが社会貢献の始まりと捉え、誰もが働ける企業グループとして雇用を守り抜くことを命題とし、人が仕事する場所を安易に奪うことのないように、最大限の努力を惜しまないことを約束しております。 (2)経営環境政府の積極的な財政政策や賃上げ要請、インバウンド消費の増加などにより、社会・経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復となっております。一方で、世界的な政情不安や為替相場の急激な変動、継続する物価上昇などにより、依然として先行き不透明な状態が続いております。また、物流業界においては、極めて多層的なピラミッド型の業界構造が形成されているのが特徴で、単純な輸送サービスのみでの生き残りは厳しい状況にあり、今後は事業者の淘汰が進む可能性が高いとみられております。一方、近年ではこのような物流業界の現状を背景にして大きな変革の動きも見られています。まず、物流の需要者側の変化として、ネット通販市場の拡大や単身世帯の増加等による消費者の購買スタイルの変化に伴い、小口・多頻度の輸送ニーズが高まっております。また、物流の供給者側の変化として、小売業等の荷主企業は、店舗網の拡大や店舗運営の効率性向上のため、商品保管機能や輸配送機能の高度化を進めており、物流事業者においても大量の配送物を短期間で処理するための物流施設や保管・流通加工機能を備えた物流施設等の新設が増加しております。このように、物流に関するニーズの多様化・高度化やインフラの整備が進む中で、ビーイングホールディングスグループの主軸事業である3PL事業の重要性は年々高まっており、その市場規模は10兆円を超える水準まで拡大しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ビーイングホールディングスグループは中長期的な安定した成長を遂げるため、「卸売業者の持つ物流センターの下請業者」から「卸売・小売業者向けの3PL事業者」への移行を進め、1:1の部分最適な物流ではなく、1:Nの全体最適な消費者向けの物流サービスの提供を展開してまいります。また、ビーイングホールディングスグループの強みである拠点間物流を合理化するサプライチェーンの全体デザイン力をさらに拡充する技術・システム開発を推進し、モノを運ぶだけでなく、モノに関する様々なデータを収集・管理・分析し、サプライチェーンに携わる事業者同士を繋げ、クラウド上で管理する『データネットワークセンター』を構築し、ビーイングホールディングスグループの用意したDX(注1)プラットフォームを同業他社へと提供する、『小売ビジネスの物流プラットフォーマー』を目指します。その中で、技術面とビジネスモデル面の研究開発を重要課題と捉え、AIやIoTを使った省力化設備や高生産性・高品質の業務フロー等の技術面及びDtoC(注2)、オムニチャネルに対応する物流ビジネスの研究開発に取り組んでまいります。(注1)「DX」(Digital transformation)とは、デジタルトランスフォーメーションの略であり、「デジタル技術が進化し、人々の生活をより豊かにする」ことを指します。(注2)「DtoC」(Direct to Consumer)とは、製造者が直接消費者と取引を行うビジネスを指します。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ビーイングホールディングスグループは、上記のような経営戦略に基づき、小売・卸売事業者向けの3PL事業に注力し、顧客数拡大と事業エリア拡大を進め、データネットワークセンター実現に向けた技術面・ビジネスモデル面の変革に取り組んでまいります。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては次の3点を掲げております。① 顧客数・・・顧客数の増加による事業の拡大を進めてまいります。② 拠点数・・・拠点数の増加による事業の拡大を進めてまいります。③ 輸送力・・・協力会社を含むグループ全体の取扱車両数の拡大を進めてまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ビーイングホールディングスグループを取り巻く経営環境は、国内外における政治・経済情勢の変動等の懸念が払拭されておらず、今後も先行きの不透明感から積極的な投資が抑えられ、景気の膠着状態が続くものと思われます。また、少子高齢化による労働人口の減少、長時間労働や働き方等の労働問題、自動運転、AI、IT化・グローバル化による商流の変化や異業種からの物流参入など、時代の流れを捉えて早々に対応すべき大きな課題であると考えております。このような状況のもと、ビーイングホールディングスグループは、将来的な物流事業者の在り方を見据えた経営資源の選択と集中による効率化・合理化を図ってまいります。今後、ビーイングホールディングスグループが対処すべき課題として、成長率の確保、利益率の向上、技術革新への対応、人財の育成、持続可能な社会の実現、物流業界の2024年問題への対応を掲げており、その取組については次のとおりであります。① 成長率の確保3PL業界は成長市場であり、物流の2024年問題への対応をはじめ、持続可能な物流網の構築が課題となっております。そのような中、ビーイングホールディングスグループ独自のビジネスモデル「運ばない物流」を推進し、新規獲得により既存エリア内の受託業務の拡大及び既存顧客内のビーイングホールディングスシェアアップに注力し、関東から全国への展開を見据えた物流基盤の拡大を推進いたします。引き続き、年間4~8の新規業務開始を目標としてさらなる成長率の確保に努めてまいります。 ② 利益率の向上資源エネルギーの高騰により燃料費や光熱費の高止まり、賃金や外注費単価の引き上げなど、物流原価の上昇が続いております。そのような中、ビーイングホールディングスグループは自社開発の物流総合システム「Jobs」による物流DX化を推進し、各種物流データの蓄積・分析を進め、生産性を向上させ、予想される物量に対して適正な人員配置や配送コースを合理化するなど、原価コントロールの徹底により、利益率を向上させております。今後についても「Jobs」を活用した更なる生産性向上、原価コントロールの徹底を継続し、利益率の向上に努めてまいります。 ③ 技術革新への対応AI、IoT、自動運転等、物流業界を取り巻く環境は、ドラスティックな転換期を迎えており、時代を見据えた明確な成長戦略と先行投資が必要になると考えております。そのために、新しい技術を積極的に導入し、更なる機能拡充に努め、ロジスティクスの新しい価値を創造してまいります。また、小ロット多頻度化する物流に対応していくためには、在庫管理を全体最適化することが不可欠であると考えております。各エリアで消費される物資のデータを蓄積し、分析に基づいた消費データによる「在庫モデル」をもとに、詳細に予測された地域在庫を管理する体制を構築することにより、小ロットの輸送コストの削減及び分散された労働力の集約を図ることが可能と考えており、実現化に向けてしくみを構築してまいります。 ④ 人財の育成将来の人財確保のために、多様化する従業員のやりがいに応える取り組みや制度を導入するとともに、ビーイングホールディングスグループの強みである現場力や物流品質の向上及び生産性の向上にプラスに働くしくみを構築してまいります。人財育成においては、集合研修及びオンライン研修の実施、eラーニングなど、育成環境の整備を進めております。育成内容につきましては、多様なスキルアップをはじめ、マネジメントなどの業務に関連したものに加え、リスク・コンプライアンスや従業員の自立や成長を促す教育プログラムを実施しております。 ⑤ 持続可能な社会の実現ビーイングホールディングスグループは、気候変動問題を重要な経営課題の一つと認識し、2050年のカーボンニュートラル(Scope1およびScope2)の実現を長期目標として掲げております。中長期的な目標としては、Scope1およびScope2の温室効果ガス排出量を対象に、2030年度に2019年比48%削減、2040年度に同80%削減することを目指しております。これらの目標は、世界的な脱炭素の動向や事業環境の変化等を踏まえて設定しております。これらの目標達成に向けた主な取組として、2030年までにビーイングホールディングスグループが自社所有する事業所における使用電力について、再生可能エネルギー由来の電力への転換を進めてまいります。また、低環境負荷車両の導入を段階的に進めるとともに、その導入効果の検証を行ってまいります。さらに、ビーイングホールディングスグループの事業特性を活かした取組として、「運ばない物流®」の推進を通して、顧客およびサプライヤーにおけるCO2排出量の削減に貢献してまいります。Scope3の排出量に向けては、「責任ある調達」方針に基づき、サプライチェーン全体での排出量削減に向けた取組を推進してまいります。ビーイングホールディングスグループは、これらの取組を着実に進めることで、事業活動を通じた温室効果ガス排出量の削減を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 ⑥ 物流業界の2024年問題への対応物流業界の2024年問題といわれている、ドライバーの時間外労働時間規制において、ビーイングホールディングスグループでは、2019年より上限時間の段階的引き下げを実施し、ドライバーの労働時間管理体制を強化しております。2025年度よりさらに月間時間外労働時間70時間以内を目標として取り組んでおります。今後も段階的に時間外労働時間削減を進め、将来的には年間720時間以内(月間時間外労働時間60時間以内)を目指してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 ビーイングホールディングスグループの事業活動において財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。ただし、ビーイングホールディングスグループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。以下においては、将来に関する事項が含まれております。当該事項は本書提出日現在において、ビーイングホールディングスグループが判断したものです。 (1)法的規制について 国土交通省は、自動車運送事業者の適正化を図るため、自動車運送事業者の法令違反に対する点数制度を導入しております。そのため、ビーイングホールディングスグループが使用する車両に対し、過積載などによる累積点数により車両の使用停止・事業の停止・許可の取消処分等の罰則を受ける場合があります。そこで、ビーイングホールディングスグループでは、安全衛生会議を毎月開催し、適正な業務活動を継続するよう努めております。安全衛生会議では、法令違反・事故の情報共有、再発防止策の周知徹底、ヒヤリ・ハット事例による教育を実施し、安全かつ適正に業務を遂行するために、社内免許制度や総務部安全管理課による業務確認やチェーン装着などの定期的な講習を行い、安全品質の向上を図っております。さらに、協力会社に関しても、ビーイングホールディングスグループと同様の安全教育を実施し、ビーイングホールディングスグループが請け負う業務全般に対する安全管理、品質の維持に努めております。このような体制の下、現状において許認可等が取消しとなる事由等は発生しておりませんが、今後、許認可等の取消しや事業停止等の処分を受けた場合には、停止期間の営業収益減少リスクが生じ、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 主要な許認可等の概要は、以下のとおりであります。許認可等の名称法律名監督省庁有効期限取消事由一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省なし同法第33条第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省なし同法第16条倉庫業倉庫業法国土交通省なし同法第21条一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー)道路運送法国土交通省なし同法第40条一般貸切旅客自動車運送事業道路運送法国土交通省5年同法第40条普通自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省なし同法第92条他揮発油販売業者登録揮発油等の品質の確保に関する法律総務省なし同法第11条 (2)人財確保に関する影響について ビーイングホールディングスグループは、労働集約型の事業を展開しているため、事業を拡大していくうえで質の高い人財の確保が必要であります。また、将来的な労働人口の減少への対策として、物流センターにおいてはロボットの導入等による自動化への対応、車両においては自動運転技術の対応等、省人化に向けての準備を進めております。しかしながら、適正な人財を確保できない、又は人財確保に係る費用が大幅に増加する場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特定取引先への依存について ビーイングホールディングスグループは、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアの物流業務を、小売・卸売企業から受託する3PLを主たる事業としております。営業収益の中心である取扱物量だけでなく、事業拠点の拡大及び縮小など、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。2025年12月期における営業収益に占める上位2社(連結営業収益に占める割合)は、株式会社クスリのアオキ(35.5%)、株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(三菱食品株式会社)(11.7%)であります。取引関係維持のため、競争力の維持・強化など最大限の努力をしておりますが、取引先が事業戦略を変更した場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)災害等による影響について ビーイングホールディングスグループの事業拠点は、北陸、関東、関西、東海、東北エリアの複数箇所に点在しております。万一、地震や火災が発生しますと、取引先はもとよりビーイングホールディングスグループの事業活動に影響を及ぼすことが予測されます。さらに、近年の豪雪や猛暑等の異常気象がビーイングホールディングスグループの事業活動に影響を及ぼすことも予測されます。事業活動の継続のために災害等に備えておりますが、災害の規模によっては、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)経済動向等による影響について ビーイングホールディングスグループの物流センターで取り扱う商品は、食品・医薬品・日用雑貨が中心であります。そのため、国内景気の大幅な落ち込みによる廉価品の普及や、病気・災害等により購買活動が自粛・制限等される場合には、ビーイングホールディングスグループの取引先である卸売・小売企業の売上に影響を及ぼし、ビーイングホールディングスグループの取扱物量や通過金額(注)が減少することが予測されます。そのような経済動向の場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (注)通過金額とは、物流センターから出荷された商品の金額(卸売金額)であり、通過金額に契約により定められた料率を乗じて算出した料金がビーイングホールディングスグループの営業収益となります。 (6)重大な事故等による影響について ビーイングホールディングスグループは、公道を利用してトラックによる商品の配送を行っております。さらにビーイングホールディングスグループが所有するトラックを使用するだけでなく、協力会社に配送業務を委託しております。交通安全・事故防止のために、デジタルタコグラフ(注1)やセーフティレコーダー(注2)を使用した運行管理を実施する他、ビーイングホールディングスグループ及び協力会社に対して安全運転教育を実施する等、様々な取組を行っております。しかしながら、万一、重大な事故や違反等が発生した場合には、被害者からの訴訟や、顧客からの信頼喪失及び社会的信用の低下の他、車両の使用停止又は業務停止あるいは認可取消などの行政処分等、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)デジタルタコグラフとは、自動車運転時の速度・走行時間・走行距離などの情報をメモリーカード等に記録するデジタル式の運行記録計のことを指します。 (注2)セーフティレコーダーとは、安全運転・燃費向上を目的に、「いつ」「どこで」「どういう運転」をしたか運行状況が確認できる車載機のことを指します。 (7)原油価格等の変動について ビーイングホールディングスグループは、事業用車両の燃料として軽油及びガソリンを使用しております。そのため、原油価格・為替レートの変動による軽油及びガソリンの購入価格の変動に備えたコスト管理をしております。しかしながら、配送コスト増加相当分を料金に転嫁できない場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)規制緩和等による影響について ビーイングホールディングスグループは、物流事業及び旅客事業を展開しており、トラック、バス、タクシーを保有しております。近年のドライバー不足等解消を目的として、道路運送法及び貨物自動車運送事業法等が改正され、事業参入障壁が緩和された場合には、物流事業者と旅客事業者間での業務提携やM&Aが加速する可能性があります。さらに、小規模事業者の参入が増加した場合には、競争激化に伴う輸送費及び3PL業務委託費の見直し等が発生し、営業収益減少が予測されます。このような規制緩和への対応が遅れた場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)競合先の多様化による影響について ビーイングホールディングスグループの取引先は、卸売企業、小売企業が中心であります。取引先が卸売企業の場合は物流事業者間の競合となりますが、取引先が小売企業の場合は物流事業者間のみならず卸売企業とも競合することとなります。また、ネット販売の拡大により、生産者と消費者の間にある小売、卸売、物流企業の垣根が希薄化し、異業種からの参入や、新たな商流及び流通スタイルの登場により競合が激化することが予測されます。このような競合先の多様化への対応が遅れた場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)有利子負債依存度及び金利等の変動による影響について ビーイングホールディングスグループは、事業拠点の新設や車両の入替のために継続的な設備投資を行っております。設備投資に係る必要資金については、主に金融機関からの借入金を充当しており、2025年12月31日現在において有利子負債残高は6,784百万円であり、有利子負債依存度は33.4%と高い水準にあります。また、一部の借入金については変動金利で調達しております。 ビーイングホールディングスグループでは、健全な企業経営の目的のもと、有利子負債の削減に努め、借入金は金利の固定化を進めておりますが、今後の市場金利の動向により、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)システムダウンによる影響について ビーイングホールディングスグループでは、コンピューターシステムを使用して物流センター業務、運送業務等を管理しております。システム管理については、ビーイングホールディングスグループ全事業所の管理を一元化しており、システムダウンなどのリスク回避のための体制を講じております。しかしながら、予期せぬシステムダウンが生じ、あるいはシステムそのものを破壊された場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)情報漏洩による影響について ビーイングホールディングスグループは、物流業務受注に際し、取引先の商品情報等を取り扱うことがあります。そこで、情報の重要度によってアクセス制限を設け、許可者のみが顧客の商品情報等を取り扱いできるように社内体制を整備しております。また、社外への情報漏洩を防ぐことを目的として、ノートパソコン等の情報機器及び端末の持ち出しを許可制度とし、管理を徹底しております。しかしながら、情報漏洩やデータ破損の事態が生じた場合には、顧客からの信頼喪失や社会的信用の低下を招くほか、損害賠償請求等を受け、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)環境規制による影響について ビーイングホールディングスグループは、物流事業における配送手段として多数のトラックを使用しており、排出ガス規制等の環境関連法令の適用を受けております。ビーイングホールディングスグループでは、関係法令及び通達等を基準とした環境対策を自主的に進める目的のもと、低公害車を導入し、セーフティレコーダーを利用したエコドライブの教育及び実践を取り入れております。しかしながら、想定を上回る環境規制が実施された場合には、対応する費用の増加によりビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)M&Aによる影響について ビーイングホールディングスグループは、既存事業の規模拡大や新規エリアへの事業進出に際し、事業戦略の一環として資本参加や資本提携、M&Aを行っております。それらの実行に先立ち、慎重かつ綿密に分析・検討を行っております。しかしながら、事業計画が大幅に遅れて収益計画への影響等が生じた場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)自動化への対応による影響について 物流業界を取り巻く環境は、物流倉庫の大型化、自動化、トラックの自動運転化など大きく変化しております。ビーイングホールディングスグループは、人の代わりとなる設備投資としての自動化・ロボット化への対応ではなく、主に生活物資を取り扱う物流事業者として、緊急時や災害時においても対応が可能な「人を補助する」設備を中心に開発・導入していく方針としております。その場合、独自の機器、設備を開発・導入する投資が増え、投資回収や収益性を実現できない場合には、ビーイングホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)支配株主との関係について ビーイングホールディングスの代表取締役社長である喜多甚一は支配株主に該当しております。喜多甚一は、同氏の資産管理会社である株式会社喜多商店及び二親等内の親族との合算対象分を含めて、本書提出日時点でビーイングホールディングス株式の60.86%を保有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。ビーイングホールディングスといたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、今後、市場で当該株式の売却が行われた場合、又は売却の可能性が生じた場合には、ビーイングホールディングス株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先へ譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数やビーイングホールディングスに対する方針によっては、ビーイングホールディングスグループの経営戦略等に影響を与える可能性があります。 (17)業績の季節変動について ビーイングホールディングスグループの物流センターで取り扱う商品は、食品・医薬品・日用雑貨が中心であります。そのため、12月には各種イベントや年末商戦によって年間で一番の繁忙期となり物流センターで取扱物量が増加致しますが、その反動により1月は閑散期となり取扱物量が減少する傾向にあります。また、2月は他の月と比べると日数減の影響を受け取扱物量が少なくなる傾向にあります。これらの季節変動による取扱物量及び営業収益の増減を踏まえて、ビーイングホールディングスグループの利益計画を策定しておりますが、各種イベントや年末商戦等の生活習慣や慣例の予期せぬ変更が生じ、ビーイングホールディングスグループの取扱物量が減少し営業収益に影響が出た場合には、ビーイングホールディングスグループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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