クオルテック(9165)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】クオルテックの事業につきましては、信頼性評価事業、微細加工事業及びその他事業の3つの柱で構成されております。クオルテック及びクオルテックの関係会社の事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。また、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (信頼性評価事業)当事業においては、電子部品等に対する環境試験、電気試験、パワーサイクル試験等からなる信頼性評価試験、分析・故障解析、分析及びその前工程となる試料作製のための断面研磨、試験装置の設計、製造、販売等を行っております。単なる解析業務にとどまらず、故障や不良の真因を見つけ出すための再現実験を行い、顧客の技術課題を根本から解決できる会社を志向し、企画提案力と技術力を融合した技術営業体制を構築しております。また、近年では受託試験を通じて蓄積した技術・ノウハウを活かしたパワー半導体の信頼性評価装置の開発・販売にも積極的に取組んでおります。クオルテックでは電気自動車の開発・普及が急速に拡大すると予測される以前から電気自動車の基幹部品であるインバータの中のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に取組み、実績を積み上げてきました。電子回路、ソフトウエア、水冷機構などの試験環境を自社内で開発できることから、顧客の多種多様なニーズに対応してまいりました。また、信頼性評価試験の前後において、部品や基板の実装部の解析や評価、改善提案までトータルで対応できることで、パワー半導体の信頼性評価試験において強みを有しております。近年では、信頼性評価試験を実施するだけでなく、国際規格に基づく試験の実施から規格認証の取得まで、トータルに対応できる体制を構築しております。現在では、IPC(米国電子回路協会)やJEITA(電子情報技術産業協会)に参画し、信頼性評価試験の規格を策定する、いわゆるルールメーカーとしての活動にも力を入れております。当事業では、顧客より試験や検査、分析、解析、加工、機器販売の役務提供の対価として収益を得ております。 (微細加工事業)当事業においては、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)等に対する試作及び、それらの量産レーザ加工や新しい材料や最先端の材料への表面加工処理の条件出しから試作まで請け負っている表面処理技術を行っております。スマートフォンから医療機器まで、あらゆる製品領域において、ジャンルを問わない幅広い対応力で顧客のニーズに対応してまいりました。また、顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで電子部品業界の技術的なニーズに応える体制を整えてまいりました。温湿度などの少しの環境変化で加工の仕上がりに影響が出たり、設備ごとの個体差があるなど管理が非常に難しいレーザ加工機を自社では持たずアウトソーシングする基板メーカーに対して、大ロットの量産加工から新材料のレーザ加工性評価や極短納期の試作品加工まで、多様な依頼に柔軟に対応できることがクオルテックの強みであり、20年以上の長きに亘って事業を継続できている理由であると考えております。また、近年ではガラス基板や低誘電材など、レーザ加工が困難とされてきた素材に対しての加工やその評価を行っており、微細加工の特殊技術力を強化しております。当事業では、顧客より加工の役務提供の対価として収益を得ております。 (その他事業)当事業においては、バイオ医薬品の製造工程に使用される製品(包装材料、シリンジなど)の受託試験を行うバイオ、品質コンサルティングや技術指導を行うゼロ・イノベーションによる指導を行っております。顧客が開発する製品は、高品質かつ高い信頼性を求められており、その実現に向けて素材等の改善提案をしております。そのためにクオルテックは、基礎実験や再現実験を繰り返し、ノウハウとデータの蓄積を地道に行ってまいりました。当事業では、検査や指導の役務提供の対価として収益を得ております。 これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「オートモーティブとエネルギー」をキーワードにパワー半導体の実装関連、電池関連の信頼性についての研究開発を行っております。・パワー半導体実装に関する研究市場が拡大しているパワー半導体について、クオルテックはパワー半導体の信頼性評価試験であるパワーサイクル試験受託市場での実績を持っております。その実績を活かし、クオルテックの得意とする実装技術との融合による高信頼性品質を提供するために、次の研究開発に取組んでおります。1)パワー半導体の接合不具合要因となる、ボイド/クラック現象の進展予測技術の研究2)はんだ接合部などのボイド/クラックについてX線画像をもとにした画像解析ソフトの開発3)はんだ接合部に関連する信頼性試験時間の短縮化に向けた研究4)高温接合に適した焼結材料の評価技術の開発・電池に関する研究自動車をはじめ様々な電子機器やインフラ設備において、電池は重要な基幹製品となっています。クオルテックでは、長年に亘る水系電解液の研究開発で培ってきた電気化学に関する技術知見を電池の品質解析に活かすべく、キャパシタへの技術応用の試み、あるいは電池の性能判定に必要な特徴的な電気特性の抽出の研究を進めてまいりました。その実績を活かし、高度化する電池特性に関する顧客ニーズにお応えすべく、次の研究に取組んでおります。1)液系や固体系に関わらず、電池性能試験の基本のひとつとして提唱するインピーダンス特性の測定方法確立2)インピーダンス測定の知見を活かした、電池の寿命予測技術の開発3)多価金属二次電池材料、フッ化物固体二次電池材料の合成、解析を通し、電池としての品質維持に必要な技術要素の抽出及び性能評価法確立 事業の系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年6月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】クオルテックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてクオルテックが判断したものであります。 (1)経営方針クオルテックは、分析・評価・加工の技術を磨き、表面処理・実装の開発を推進し、パワー半導体・医療機器・二次電池の分野で確固たるポジションを築き、未来品質の創造に貢献するという経営方針を掲げております。環境性能と安全性能の評価技術を確立し、安心・快適な未来社会の実現に貢献いたします。 (2)経営環境(信頼性評価事業)自動車業界における「CASE(注)」を背景に、「クルマ」の概念が大きく変わろうとしています。近年では環境問題への対応として掲げられたカーボンニュートラルの目標達成に向け、自動車の電動化(EV、PHV、HV等)に向けた開発が進められており、次世代車の普及は世界的に年々増加するものと見ております。これらを背景に自動車の信頼性評価試験の市場では、特に電動化・自動運転に向けた車載機器の信頼性評価の需要が大きく伸びております。製品固有の試験需要や電動化、自動運転技術に伴う高度な試験への対応、また試験設備への投資ハードルやソフト開発へのリソースシフトを目的に、外注市場規模も大きくなっております。また、電動自動車に多く実装されるパワー半導体需要は今後も増加すると考えられ、加えてより高性能な半導体の開発も盛んに進められております。 (微細加工事業)当事業では、車載部品、ヘルスケア、通信その他の分野で拡大を続けてまいりました。今後注力するヘルスケア分野では、バイオセンサ市場の成長が見込まれます。市場成長に加えて開発サイクルが長く、参入障壁も高いことから、長期に亘る安定受注が期待できる市場であると考えております。また、レーザ加工においてクオルテックが加工するビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板、表面処理技術による電子部品は車載部品、ヘルスケア、通信その他の幅広い分野に使用されていることから、どの分野においても微細加工の需要が増加すると見ております。技術的な進歩は目まぐるしく、短小軽薄・高多層・高精細化が進み、クオルテックが得意とする難加工材への加工ニーズがより一層高まると考えております。 (その他事業)その他事業に属するバイオ事業では、バイオ医薬品関連の産業化は、経産省主導の国家戦略として推進されております。 (注)CASE自動車業界において次世代技術やサービスを意味する「Connected(つながる)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared(共有)」、「Electric(電動化)」の4つの英語の頭文字をつなげた造語。 (3)経営戦略等クオルテックでは、今後も発展を続ける自動車業界において、そのパラダイムシフトの方向性を的確に把握、認識し、その変化に素早く対応できるように、日ごろから体制構築を図っております。信頼性評価事業において、クオルテックの強みは、「独立系検査会社」であることと、試験ラインナップが多いことで実現する、幅広い顧客のニーズにワンストップで応えられる「Total Quality Solution」が可能であることと認識しており、ケイパビリティの優位性があるものと考えております。昨今の検査データ改ざんにみられる企業の不正を無くすことがクオルテックの存在意義であり、メーカーが自らの検査データを改ざんする可能性があるような状況においては、クオルテックのような中立な第三者が担う信頼性評価試験の重要性が高まると考えております。クオルテックは、これまで培った技術力を発揮することにより業界内での存在感を増していきたいと考えております。 クオルテックは、品質検査や分析、測定などを行う試験所等に対する要求事項を定めた試験所認定と呼ばれるISO/IEC17025の認定を取得しており、クオルテックの技術力は国際的に認められており、今後も同認定を維持してまいります。高度な分析には高性能の装置や設備が不可欠になることから、以前より設備投資を行ってまいりました。顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで、技術やノウハウを蓄積しております。「(2)経営環境」でも述べたとおり、CASEを背景に2030年頃からEV(電気自動車)市場が急拡大すると言われており、クオルテックは日本でCASEを推進している企業と取引しております。市場が急拡大する前段階にある試作品段階では、量産時の製品の安全性を確保するため、何度も信頼性評価試験が繰り返されます。クオルテックはこれらの需要を着実に獲得し、その後の量産品段階での需要獲得に繋げることを目指してまいります。自家用車の電動化が進むその先には、モビリティの小型化や建設機械及び航空分野の電動化も進むものと予測されます。そのような環境においても、これまでどおりクオルテックの高度な技術力に基づいた信頼性評価試験を行うことで、顧客とともに成長できるパートナーとしての確固たる地位の獲得を目指してまいります。更に、裾野の広い自動車業界に属する主要顧客との関係性を強化、確立することで、幅広く関連企業のニーズ開拓に繋げていきたいと考えております。微細加工事業において、自動運転に関連した製品や医療機器などは各市場の拡大が続くと考えております。それらの市場をターゲットに高付加価値、特殊用途、小ロット多品種でも製品ライフサイクルの長い製品に関する試作の受注拡大を進めており、これらの量産受注の獲得を目指してまいります。クオルテックは同事業において20年以上の歴史を持っており、大ロットの量産から、小ロット多品種の試作、材料評価まで幅広い対応力を持つ強みと24時間受付、稼働することで幅広いニーズをキャッチする体制を整えております。また、フェムト秒グリーンレーザ加工(注)など特殊な材料の加工や特殊な工法が可能なことも強みのひとつであり、これらクオルテックの強みを活かして医療分野などで大ロット製品の量産受注を目指すなど、ターゲット市場の開拓を進める考えです。その他事業において、バイオ事業では、国家戦略として進められるバイオ医薬品関連の産業化の機運を契機に人員体制を強化し、バイオ医療関連製品の受託検査の受注伸長を図ります。販売戦略としては既存顧客のニーズを的確に把握するための信頼関係強化に加え、クオルテックの技術を必要とする新しい市場の開拓、拡大が必要であると認識しております。そのため、顧客の高度なニーズへの迅速な対応を可能にするための体制強化策として、管理職を含む各拠点の人員増強、営業本部内へのマーケティング部の設置、熊本営業所を開設した九州地区の半導体や電子部品メーカーへの販路拡大や同業他社空白地帯(北海道、東北、中四国)への積極的な営業を展開し、潜在顧客の開拓に取組みます。技術戦略としては、顧客の多種多様なニーズに対応できる技術陣がクオルテックの強みであり、特異技術を駆使した特殊解析のニーズへの対応力を保つことで、競争優位性を確保し、更に高度なニーズにも応えられるよう、人材育成と技術の伝承に注力し、期待以上の提案ができる集団を目指してまいります。クオルテックが重要と考える自動車市場は、時代とともに変化しながらも益々成長する可能性を秘めていると考えており、同市場においてクオルテックは、顧客のニーズのひとつひとつに実直に応えることで着実な成長を目指します。クオルテックはこれからも、環境性能と安全性能の評価技術を確立し、安心・快適な未来社会の実現に貢献することを経営基本方針とし、「未来品質の創造」をスローガンに全てのステークホルダーのため、社業に邁進してまいります。 (注)フェムト秒グリーンレーザ加工パルス幅(時間幅)が数ピコ秒(1兆分の1秒)よりも短いレーザ加工で、熱拡散する時間を与えずに分子結合を切断、除去することで、熱影響の少ない高品位な加工を可能にする工法。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等クオルテックは、継続的な事業拡大及び成長の観点から、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標としており、業界動向及びクオルテック業績の推移等を勘案し、適切な目標設定を行い、企業価値向上に努めてまいります。売上高を指標とすることは、クオルテックの主要市場の成長や同業他社の売上高との比較、分析に有用であると考え重要な指標と位置付けております。クオルテックが市場での競争優位性を確保しつつ売上高を向上させるために、主要市場の動向を注視し、ニーズに応える技術力の向上に取組んでまいります。併せて、事業の収益性、販売活動の効率性を図る観点から、売上高営業利益率を重要な指標と位置付けております。クオルテックが市場での競争優位性を確保するために、高い付加価値の提供と効率的かつ効果的な販売活動に取組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題分析・評価・加工の技術を磨き、表面処理・実装の開発を推進し、パワー半導体・医療機器・二次電池の分野で確固たるポジションを築き、未来品質の創造に貢献するという経営方針を掲げるクオルテックが、持続的な企業価値の向上を図るうえで、対処すべき課題として認識している事項は以下のとおりであります。 ① 自動車業界以外の柱となる業界の開拓クオルテックの主要事業である信頼性評価事業においては、特に自動車業界に属する特定顧客への売上割合が高い状況です。2025年6月期は、同事業におけるパワーサイクル試験や断面研磨、分析・解析の分野において、半導体業界への拡販活動で特定顧客への依存度を低減できたことと、微細加工事業において、ヘルスケア業界での試作受注が進むなど、一定のリスク低減が認められました。引き続き顧客基盤の拡充を課題として、特定業界の売上割合の低減を進めてまいります。 ② 設備の増強顧客が取組む新規開発には、様々な試験、分析が繰り返し行われます。近年はより高度な試験、検査のニーズが高まっております。また、半導体需要の増加に伴う試験、検査需要の増加に対応すべく、サービスの高度化やスピードの重要性が更に高まると考えております。これに対応するため、パワエレテクノセンター(堺市西区)の新設とそれに伴う移転跡地の活用等により、クオルテックは2025年6月期に「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載の設備投資を実施しました。投資した設備を十分に活かすことを課題としつつ、今後も顧客ニーズを機動的に捉えた設備の増強を図り、顧客対応力と生産性向上を追求してまいります。 ③ 技術力の向上顧客の新規開発フェーズでは、様々な困難に直面する場面が多くあり、その困難をともに解決する技術力を高める必要があると考えております。顧客の求める新規技術やサービス提供力を高めるために、2025年6月期には部門間横断チームによる事業部門と研究開発部門の連携を開始しました。今後、これらの試みを効果的に業務に活かすことを課題として、これまでの経験により蓄積された見識による技術力に加えて、新たな試験や検査への取組でより知見を深め、更なる技術力の向上を続けてまいります。 ④ 新規事業の醸成次世代半導体基板開発においてクオルテックが強みとしている分析・解析で貢献するとともに、新たに、クオルテックは2025年7月から次世代成長事業として、ユニバーサルめっき法(クオルテック独自開発)によるコーティング技術の開発「MAP(Mist-Assisted universal Plating)プロジェクト」を始動いたしました。近年、次世代成長産業は、原材料や装置等のコスト急騰によりそのコア事業の継続が難しく、また環境規制への対応も今まで以上に企業に求められています。本プロジェクトでは、次世代成長産業を支えるための低コストかつ安定供給可能な環境配慮型技術の確立を目指します。このユニバーサルめっき法により、高品質で緻密な機能性膜の形成が可能となり、「通信」「半導体」「医療」「航空宇宙」「再エネ」等の次世代成長産業の発展へ大きく寄与できる可能性に挑戦してまいります。 ⑤ 優秀な技術者の採用・育成と労働環境づくりクオルテックでは、今後も益々高度化する顧客ニーズに応えるために、優秀な技術者の採用と育成が必要不可欠であると認識しております。採用市場における競争激化により人材確保が難しい状況下で、クオルテックは積極的な採用活動を進め、従業員数は「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおり増加いたしました。採用した技術者の育成に努めるとともに、採用後も高いモチベーションを維持しながら安心して働くことができる労働環境づくりを課題として取組んでまいります。 ⑥ 営業体制の強化クオルテックの継続的な事業成長には、既存顧客のニーズを的確に把握するための信頼関係強化に加え、クオルテックの技術を必要とする新しい市場の開拓、拡大が必要であると認識しております。そのため、顧客の高度なニーズへの迅速な対応を可能にするための体制強化策として、2025年6月期は管理職を含む各拠点の人員増強、営業本部内へのマーケティング部の設置、2024年2月に営業所を開設した九州地区や同業他社空白地域への積極的な拡販活動等に取組みました。増強した人員の早期戦力化を課題として、更なる体制強化を推進してまいります。また、クオルテックの技術力を広くアピールするための積極的な展示会への出展やホームページやメディアへの露出によるPR等も活用し、顧客開拓に取組んでまいります。 ⑦ 情報セキュリティの強化クオルテックでは、技術や営業に関する情報、取引先の重要情報など多くの情報を取扱っており、情報セキュリティの強化が重要であると認識しております。2025年6月期には、技術的対策としてのアクセス制御やマルウェア対策、物理的対策としての入退室管理、人的対策としてのセキュリティ教育訓練等に取組み、リスク低減が進みました。今後も更なる情報セキュリティの高度化を課題として、規程等を整備しつつ、情報セキュリティ委員会を通じて、情報資産の機密性、完全性、可用性の視点から情報セキュリティの維持、向上の取組を行うなど、情報資産の流出や外部からの攻撃への対応策を徹底いたします。それにより、情報資産の毀損による損害の防止や取引先からの信頼に応えるべく、情報セキュリティの強化を継続的に図り、万全な防御体制の構築を進めてまいります。 ⑧ 内部管理体制の強化クオルテックは、より一層の事業拡大を進めるうえで、また上場企業としての責務を果たすため、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。2025年6月期は内部管理体制の高度化や社内教育としての下請法研修等に取組み、社内のリスクに対する感度を高めました。ただし年々厳格化される法整備やルール強化等へ確実に対応するための体制強化を課題として、引き続きコンプライアンスを重視した経営管理体制を敷くことで、経営の公平性や透明性の確保を進めてまいります。 ⑨ ESG・社会貢献活動の強化(環境負荷への低減策)クオルテックは、様々な試験装置を稼働させる業種であることを踏まえつつ、日常業務における環境配慮を意識しています。限りある資源を有効活用するため、顧客にサンプルをご返却する際に使用している梱包用の段ボール箱やノベルティとして配布したカレンダーを、再生紙を利用したものに変更しました。今後も実行可能な施策を見極めながら、環境負荷低減に取組んでまいります。 (地域社会への貢献)地域との共生を重視し、地元人材の採用や地域企業との協力関係構築を通じて、地域に根差した企業活動を行っています。堺市教育委員会による「企業による学びの応援プログラム」を通じて、技術・研究機関としての特徴を活かした小学校への出前授業を実施しております。また、クオルテックは自動車メーカーとともに、車の品質安全を保証し、交通事故ゼロを目指す立場です。クオルテックも事業においてかかわりのある自動車における事故で亡くなられたり、重度の後遺障害になられた方の残されたお子様に支援を行う機関を選定し、寄付を実施しました。次世代への科学教育支援や教育の機会均等を図ることで、地域に根差した企業市民としての責任を果たしてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてクオルテックが判断したものであります。 (1)市場環境に関するリスク① 自動車業界の構造変化に伴う業績変動リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの主要事業である信頼性評価事業は、自動車業界が主要な顧客であり、クオルテックの業績は同業界の研究開発の動向及び生産動向に強く影響を受けております。今後、同業界の業界構造変化による研究開発の動向及び生産動向の大幅な変動、並びに他業種企業が同業界に新規参入することにより既存の同業界企業との間でシェア争いが発生した結果、いわゆるゲームチェンジが起こることにより同業界の構造が大きく変化した場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。この影響を最小限に留めるべく、積み上げてきた実績・技術を背景に、引き続き顧客基盤の拡充を図るとともに、新たな分野への進出による事業拡大を進め、同業界への依存度低減を図ってまいります。 ② 技術革新に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの事業分野においては、自動車業界をはじめとして新しい技術が急速に発展しております。クオルテックにおいてもクオルテック事業分野における技術革新に対応するために、研究開発に対して多くの経営資源を投入しております。加えて、学会の講演や各研修への参加、社内の定期的な勉強会等を通じて、技術革新の動向を把握するとともに、それに対応したサービスの提供ができるよう努めております。しかしながら、クオルテックの研究開発の成果が顧客要求水準を満たさず、顧客の求めるサービスとして適用されなかった場合は、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 重要な設備投資に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの事業分野においては、試験設備等が重要な差別化要因となっており、クオルテックでは他社との差別化を図るため積極的な設備投資を行っております。しかし、市場環境の変化等により試験設備が陳腐化し投資額の回収が見込めなくなった場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 競合他社、新規参入に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックは、独立系検査会社であり第三者機関としての責務を果たすため、日々技術力の向上に努め、顧客の高水準のニーズに対応することで、競合他社と比較して優位性を確保できていると考えております。また、既存顧客との関係強化や新規顧客への取引拡大により、各事業における競争優位性を維持・向上させる事業活動を行っております。しかしながら今後、新規参入企業の増加やクオルテックの技術力を上回る国内外の企業が出現する可能性があります。これらにより、市場競争が激化し、クオルテックが市場における競争力を維持できない場合や、顧客が競合他社のサービスに移行した場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 内製化に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックは、顧客との連絡を密に取り顧客の開発動向に係る方針転換について情報収集に努め、受注減少のリスクを低減するとともに顧客のニーズに対応する提案を行い、受注拡大に努めております。しかしながら、クオルテックの主要事業である信頼性評価事業や微細加工事業について、顧客が自ら設備投資を行い、あるいは顧客グループ内企業でそれらの事業を行う等の内製化が推進された場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑥ エネルギー価格の変動に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックの信頼性評価事業における各種検査装置や微細加工事業におけるレーザ加工機といったクオルテック設備の稼働コストは、電力等のエネルギー価格高騰による影響を受けております。これらに対して、電力等のエネルギー消費量を抑えるなどの原価低減施策や販売価格の見直しなどによって対応できるよう努めておりますが、電力等のエネルギー価格の高騰に対応した十分な原価低減施策や販売価格の見直しを行えない場合は、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦ 米国の関税政策に関するリスク (顕在化の可能性:大/影響度:中/発生時期:1年以内)米国の関税政策については、現時点では直接的な影響は軽微なものと考えております。これはクオルテックが主に関与しているのが、自動車メーカーや電機メーカーの研究開発・設計段階における信頼性評価や分析・故障解析業務であり、これらは市場環境にかかわらず、顧客の次世代製品の競争力を確保するために不可欠な工程であり、基本的には中長期的な技術開発投資の一環として継続されるケースがほとんどであるのがその理由です。しかし先行きは不透明な状況となっており、今後の米国の政策動向によってはクオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2)事業に関するリスク① 品質に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックでは、高品質で顧客満足度の高いサービスが提供できるよう、従業員への教育による技術レベルの向上に努めておりますが、顧客が求める品質水準に至らない場合や、満足度の低下により受注の減少が生じた場合、提供したサービスに予期せぬ欠陥等が発生し、その欠陥に起因して顧客が被った損害の責任を負うこととなった場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 特定顧客への依存リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの主要事業である信頼性評価事業においては、自動車業界の顧客(特にトヨタ自動車グループのサプライチェーンに関連する企業群)向けの売上割合が高い状況です。株式会社デンソーとは長期間に亘って取引関係を構築しており、同社向け売上高は2025年6月期において597,248千円となり、クオルテック売上高の14.8%を占めております。クオルテックは、自動車の電動化・電装化等により新たに見込まれる需要の取り込みや、自動車業界以外への業界シェア拡大に努めておりますが、同社グループの業績等が変動した場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 継続的な受注獲得に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの事業が成長していくためには、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用が重要であると考えております。これらを促進するために、提供サービスの拡大及び品質の向上に加えて、潜在的顧客及び受注獲得のための最適な営業活動の遂行に注力しております。しかしながら、需要に応じたサービスが提供できない場合や、営業活動による効果が十分に得られない場合には、新規受注獲得や既存顧客からの受注が減少する可能性があり、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材確保及び育成に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックの事業は、高い意欲と技術力を備えた人材に支えられています。従って、優秀な人材の確保・育成・定着率の向上が経営上重要となります。しかしながら、労働市場においては、少子高齢化による労働人口の減少により、中長期的には人材の確保が難しくなる傾向にあります。クオルテックといたしましては引き続き優秀な人材の確保に努め、人材育成に注力してまいります。また、安全で働きやすい職場環境づくりに向け、適切な労働時間管理、長時間残業の撲滅、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底などにも取組んでおりますが、雇用情勢や経済環境によっては、計画どおりの人材確保・育成ができずクオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 内部管理体制に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックでは、企業価値を継続的、安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が不可欠であると認識し、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの充実・強化に努めております。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な業務運営が困難となり、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 特定時期への売上の集中リスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックの主要事業である信頼性評価事業においては、顧客の決算期である3月に納期が集中することから、売上高及び利益は第3四半期(1月-3月)に増加し、第4四半期(4月-6月)には減少する傾向にあります。また、第3四半期に予定していた試験や検査の完了及び検収が遅延した場合には、売上高及び利益の計上が第4四半期にずれることにより、クオルテックの四半期の業績に変動が生じる可能性があります。クオルテックは特定の事業分野への依存を避けるべく、常に新たな技術分野への事業展開を図っておりますが、信頼性評価事業においては自動車業界における電動化の進展等により需要の拡大が見込まれることから、当面の間はクオルテックの主要事業であり続けることが想定されるため、上記の変動のリスクは継続することが予想されます。 ⑦ 顧客の与信リスク (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックの主な顧客は大手企業で顧客数は多数に及びます。クオルテックは、与信管理規程を制定し、取引開始時に信用状況の調査及び与信限度額を設定し、顧客ごとに期日及び与信残高を管理するとともに、年1回与信限度額を見直し、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握及び軽減を図っております。しかしながら、顧客の業績悪化により回収遅延や回収困難となった場合、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑧ 減損会計適用に関するリスク (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックは、各事業所における信頼性評価試験・分析装置をはじめとした有形固定資産を所有しております。これらの資産については、減損会計を適用し、減損の兆候がある場合には当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化等により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クオルテックは、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上しており、その回収可能性を評価しておりますが、繰延税金資産の計算は、将来の一定期間における事業計画に基づく課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。事業計画の達成度合い等により、当該見積りを見直し、繰延税金資産の全部又は一部の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額と税金費用の計上が必要となり、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制に関するリスク① コンプライアンスに関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックでは、事業活動が法令及び内規を遵守して遂行されるよう、コンプライアンス規程を整備し、法令遵守の啓蒙活動や内部監査などを通じた検証を行っております。しかしながら、クオルテックの役員及び従業員、外部委託先等の第三者が法令等に違反した場合や、社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令等による処分や処罰、社会的制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、クオルテックの社会的信頼が損なわれるだけでなく、従業員の身体的、精神的不安や金銭的損害を被ることにより、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックでは、特許権の取得により知的財産権の保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、他社の有する知的財産権についても権利を侵害しないよう注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)その他のリスク① 災害の発生等によるリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)地震等の自然災害や火災・事故等により、クオルテックの従業員や試験設備等が被害を受ける可能性があります。これに伴う売上高の減少や試験設備等の修復又は代替のための費用が想定以上に発生した場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 情報漏洩によるリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテックでは、顧客の機密情報を取扱っており、情報セキュリティに関する規程等の策定、機密データへのアクセス管理のほか、セキュリティエリアへの電子鍵による入退室管理や監視カメラでの出入り口の監視を行うなど情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 地政学的リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化により引き起こされる物価の高騰や為替相場の変動等により景気動向が減速することで、顧客の業績悪化や投資行動が急激に変化した場合には、クオルテックの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 主要株主に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)クオルテック株式の40.01%を当事業年度末日現在所有する主要株主である志方廣一氏はクオルテックの創業者であり、クオルテック取締役であるため、今後もクオルテックの安定株主と認識しております。引き続きクオルテックの企業価値向上に努めてまいりますが、将来的に何らかの事情により、主要株主が保有する株式数が減少した場合には、クオルテック株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー