スカイマーク(9204)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 スカイマークは、長らく大手数社の寡占により運賃が高止まり状態にあった航空業界に競争原理を起こすべく設立された航空会社であります。スカイマークは設立以来、安全運航を使命とし、社会に役立つ存在となるべくお客様に適正な運賃を提供することを理念としております。なお、スカイマークは、航空事業の単一セグメントであり、セグメント情報の記載を省略しております。(1)事業の概要 スカイマークの航空事業の概要は次のとおりであります。事業概要(2026年3月31日現在)航空事業旅客運送事業定期航空運送事業羽田―新千歳線(1日9往復) 羽田―神戸線(1日6往復) 羽田―福岡線(1日12往復) 羽田―鹿児島線(1日4往復) 羽田―那覇線(1日6往復) 羽田―宮古(下地島)路線(1日1往復) 茨城―新千歳線(1日2往復) 茨城―福岡線(1日2往復) 茨城―那覇線(1日1往復) 中部―新千歳線(1日3往復) 中部―鹿児島線(1日2往復) 中部―那覇線(1日3往復) 神戸―新千歳線(1日4往復) 神戸―仙台線(1日2往復) 神戸―茨城線(1日3往復) 神戸―長崎線(1日3往復) 神戸―鹿児島線(1日3往復) 神戸―那覇線(1日3.5往復) 神戸―宮古(下地島)路線(1日1往復) 福岡―新千歳線(1日1往復) 福岡―那覇線(1日3往復) 鹿児島―奄美線(1日2往復) 那覇―宮古(下地島)路線(1日2往復) 不定期航空運送事業国内外への不定期旅客(チャーター)便を運航しております。 附帯事業旅客運送附帯業務旅客運送において予約のキャンセル及び変更サービス、手荷物受託サービス及びペット受託サービス等を提供しております。 広告宣伝業務スカイマークが運航する航空機にて提供している機内誌、機内サービス等を活用し、広告枠の販売を行っております。 訓練設備等賃貸業務他の航空会社に対し、模擬操縦訓練装置(シミュレーター)及び航空機地上作業車両等の貸し出しを行っております。 商品販売業務スカイマークが運航する航空機の機内にてスカイマークのグッズ等を販売しております。 (2)事業の特徴 スカイマークは1996年11月に設立され、定期航空運送事業の路線免許(当時)取得を経て、1998年9月19日にボーイング767-300型機1機で羽田=福岡線(3往復/日)に就航しました。航空運送事業における規制緩和政策を受け、大手航空会社(当時3社)に対し半額運賃を武器に、適正な航空輸送サービスの提供を理念に新規航空会社として参入いたしました。スカイマークの参入によって新たに航空運送事業での競争状態の創出に貢献し、効率的な航空機への転換、運航路線の拡充に努め、世界有数の市場規模を誇り、寡占的な構造を持つ日本の国内航空市場において、国内航空会社の第三極として航空運送事業での足場を固めました。現在は、北は北海道から南は沖縄県・宮古(下地島)まで、12空港・23路線・1日当たり158便の運航(2026年夏ダイヤ、2026年3月31日時点)をボーイング737-800型機にて行っております。 スカイマークは、世界的にも利用旅客数の多い空港の一つであり、首都圏からのアクセスもよい東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としております。羽田空港を拠点とする路線は、旅客単価が高く、収益性に優れているため、スカイマークは、これらの路線に戦略的に集中して運航することとしており、2025年度のスカイマークの旅客収入、旅客数及び運航便数における羽田空港国内路線の占める割合は、それぞれ、約56%、約52%及び約49%となっております。 また、これまでスカイマークは保有・運用コストが低く抑えられる小型機(ボーイング737-800型機)の単一機材で運航してまいりましたが、2026年5月からはその後継機種であるボーイング737-8型機の運航を開始いたしました。このボーイング737-8型機は、従来のボーイング737-800型機と比較して1座席当たりの燃料消費量を約15%削減することができる省燃費機材です。さらに、運航乗務員や整備士の資格、航空機部品の多くがボーイング737-800型機と共通化されており、単一機材運用のメリットを維持しながら高い省燃費効果を享受できるという特徴を持っています。 スカイマークは、こうした機材の更新を進めながら、2025年4月に再定義したMVV(Mission・Vision・Value)に基づき、大手航空会社、LCC(格安航空会社)各社との運賃競争での価格優位性を確保しながら、心のこもった快適な航空サービスを、利用者に対し身近な価格で継続的に提供しております。また、運航品質の向上(高い定時運航率、低い欠航率)、顧客満足度の向上、地域共生の強化は、営業活動を行う上での認知度向上に役立っており、低運賃に加え、飲み物の無料提供、一定重量までの手荷物無料受託、受託手荷物の迅速な返却等、様々な付加価値を提供することで旅客の支払総額における優位性を確保しております。 スカイマークの旅客構成は、伝統的にレジャーやVFR(知人・家族訪問)などの非ビジネス目的の割合が高いことが特徴です。昨今では、円安に伴う国内旅行への需要シフトや、インバウンド(訪日外国人旅客)の増加などが追い風となり、旅行需要のさらなる押し上げが見られます。加えて、出張旅費を抑えたい企業ニーズの取り込みに向けて、大手旅行会社のBTM(ビジネストラベルマネジメントシステム)との接続を開始しました。 スカイマークは、2015年の民事再生手続以降、ガバナンスの強化、機材の統一、運用コスト削減、路線の選別等の改革を実施し、柔軟な運航便数調整による変動費抑制や、機材コストや委託費を中心とした固定費削減の施策を実施するなど、コスト削減に取り組んで参りました。今後ともスカイマークは適正な運賃水準を確保しながら、安定した高い運航品質の維持及びお客様へ温かく誠実なサービスを提供することで顧客満足度を高め、高い座席利用率を安定的に維持することで収益の安定確保を図って参ります。 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 スカイマークの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてスカイマークが判断したものであります。(1)経営方針 スカイマークは、「社会的使命」、「将来に目指す姿」、「価値観・行動指針」を全役職員で共有すべく、スカイマークMVV(Mission・Vision・Value)を掲げております。 Mission(ミッション) 安全を全ての基礎とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する Vision(ビジョン) なくてはならない愛される翼として成長し続け、誰もが気軽に移動できる未来を創造する Value(バリュー)[価値観]1.スカイマークらしさ 他にはない価値の源泉である「独自性」、「ユニークさ」、「唯一無二」を大事にします2.航空のプロフェッショナルとしての誇り プロフェッショナル集団として成長し、その成果を未来への投資や社員、ステークホルダー、社会への還元に繋げ、さらなる成長に向けた好循環を作り出します3.挑戦・変化するマインド 新たな挑戦や変化を恐れずに楽しみます4.人の尊重 サービス提供者である社員、そして事業にかかわる全ての人を尊重します [行動指針]1.私たちは、お客様や地域への優れた価値提供のために最善を尽くします2.私たちは、互いを尊重し、部門を越えて共創・協働します3.私は、主体性をもって価値ある正しい仕事をします (2)経営戦略及び目標とする経営指標等 スカイマークは、安定した需要が見込まれる羽田空港発着路線を中心に、高水準の運航品質と心のこもったサービスを身近な価格で提供し、収益の安定的な確保を図ってまいります。コスト面においては、ボーイング737シリーズによる機材の単一化と高効率な多頻度運航を維持するとともに、継続的なコスト削減を進めることで、国内線における収益性の安定確保に注力しております。 機材戦略に関しましては、これまで運航してきたボーイング737-800型機の後継機として、2026年5月よりボーイング737-8型機の運航を開始いたしました。さらに2027年には、これら2機種よりも座席数の多いボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入し、さらなる収益性の向上に努めてまいります。これら燃料効率に優れた新型機の導入により、燃料費をはじめとする運航コストのいっそうの削減を見込んでおります。 路線戦略については、2025年に実施された福岡空港および神戸空港の発着枠拡大、ならびに2029年に予定されている羽田空港の発着枠再配分を好機と捉え、運航便数の増加を通じて有償旅客数の拡大へ繋げてまいります。同時に、運用時間が拡大された茨城空港をはじめ、神戸空港や下地島空港(宮古島市)など、スカイマークのシェアが高い拠点においても就航地域と協働して需要を喚起し、さらなる収益性の向上を図ってまいります。 また、運航路線や運航ダイヤの最適化による利便性の向上、高い定時性の確保、そして心に残る温かいサービスを提供し続けることで、お客様にとって価値のある「Value for Money(VFM)トップの航空会社」であり続けられるよう取り組んでまいります。運航品質面では、これまでも業界トップクラスの定時運航率や顧客満足度を維持してまいりました。今後も安全運航の堅持を大前提に、お客様の利便性向上を追求して他社との差別化を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるマーケティング強化も加え、顧客体験のさらなる向上に努めてまいります。 (中期経営目標) スカイマークは中期経営目標において2030年度の業績目標を下記の通り定めております。上記の基本戦略を着実に実行し、変化する競争環境下でも安定的に利益を確保できるよう努めてまいります。 2030年度目標事業収益 :1,690億円以上営業利益 :140億円程度自己資本比率 :40%程度(新リース会計基準は未考慮)機動的にさらなる株主還元を目指す。 (3)経営環境 円安の長期化や構造的なインフレは、国内航空業界に大幅なコスト高騰をもたらしております。加えて、昨今の中東情勢は原油価格の先行き不透明感を一段と高めており、航空機燃料コストのさらなる上昇リスクとして注視が必要な状況です。 またスカイマークにおいては、主要拠点である羽田空港発着路線をはじめ、多くの路線において大手航空会社やLCC(格安航空会社)と競合しているほか、一部の路線では新幹線や高速バスをはじめとする地上交通機関とも競合しております。今後、これら競合他社の運賃戦略等により競争が一段と激化した場合には、スカイマークの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした状況を受けスカイマークでは、原油相場に連動する航空機燃料価格の動向や、為替相場の変動に伴う外貨建取引(航空機リース料等)のコスト増減は、スカイマークの経営環境に多大な影響を与える最重要のリスク要因として、今後も動向を注視してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①新機材の導入 スカイマークは当事業年度末現在運航中のボーイング737-800型機の後継機としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機の導入を予定しております。これらの新機材は現行機と比較してボーイング737-8型において15%程度、ボーイング737-10型では19%程度燃料使用量を削減でき、二酸化炭素排出量の軽減も期待できる省燃費機材です。 ボーイング737-8型機については2026年度第1四半期より導入を開始する計画であり、導入に向けた準備を進めております。スカイマークとしては、これらの省燃費新機材を導入することは重要な施策のひとつと考えており、2027年度からはボーイング737-8型機に加え、長胴型であり提供座席数を現行機の177席から207席まで拡大することができるボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入することで、更なる収益性の向上に努めて参ります。新機材の導入戦略を着実に実行することで、現在の29機体制から、2026年度以降は段階的に機材を増やし、33機体制へと事業規模拡大を目指してまいります。 ②発着枠の拡大 羽田空港国内路線の拡大にあたり、2028年に予定されている羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおける増枠の達成が重要と考えております。前回2020年の配分見直しにおいては評価項目として以下が設けられておりました。・運賃水準の低廉化の努力・安全の確保・全国的なネットワークの形成・航空会社の効率的な経営の促進・発着枠の効率的な使用・行政処分の有無 スカイマークは2020年の羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおいて、本邦航空会社で唯一羽田空港国内路線発着枠の増枠を達成しており、今後もスカイマークの「身近な価格で、高い運航品質とシンプルで心のこもったサービスを提供する」ビジネスモデルを維持・強化し、増枠に必要な評価を得られるように継続して努めてまいります。 ③財務上の課題 スカイマークは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う旅客需要の減少により、業績に大きな影響を受けました。 ポストコロナにおいて旅客需要は概ねコロナ禍以前の状態に回復しておりますが、スカイマークとしましては再び同様の事例が発生した場合等に備えた財務基盤の拡充は重要な課題であると考えております。 具体的には、各種収益向上施策により創出したキャッシュ・フローを元に安全維持のための更新投資、新機材導入などの成長投資を行ったうえで、有利子負債の返済や手元流動性の確保を通じて財務基盤を強化し、自己資本比率を40%程度まで引き上げてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてスカイマークが判断したものであります。(1)安全①航空機事故について スカイマークは安全を全ての基盤とし、高品質な航空サービスを提供するべく、高い定時運航率・顧客満足を維持しています。スカイマークの運航便において航空機事故または重大インシデントが発生した場合、人的・物的損害の発生に加え、社会的評価の著しい低下や損害賠償請求、行政処分による運航停止等により、スカイマークの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります 。特に人的損害が生じた場合には、社会的な信用・信頼を根本から揺るがす可能性があります 。また、発生した損害が加入している航空保険の填補範囲を超えるリスクや、他社における事故であっても、業界全体の信頼低下により航空需要が減退し、スカイマークの業績に波及するリスクも内在しています。 ②人材の確保について スカイマークにおける人材の中でも、操縦士、運航管理者、整備士等の航空法に基づく国家資格を有する専門人材について、雇用環境の変化により必要数を確保できない場合、路線の維持や事業拡大に制約を受ける可能性があります。また、自社養成には長期の教育期間を要するため機動的な増員が困難であるほか、ストライキ等の労働争議が発生した場合には、運航に支障をきたし業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③災害等について スカイマークの全ての運航管理は羽田空港で行われており、また、国内路線の多くは羽田空港、新千歳空港、神戸空港、福岡空港、那覇空港等の国内主要空港を利用しております。このため、当該地域において地震、洪水、台風、大雪等の大規模な自然災害や火災、またはこれらに起因する労働争議や施設障害が発生した場合、運航管理機能の停止や空港施設の損壊により、発着便の欠航や運航ダイヤの大幅な乱れが生じる可能性があります。これにより、減収や復旧費用の発生が生じ、スカイマークの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)経済・社会環境の変化①景気動向の影響について 航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。スカイマークの事業はレジャー(非ビジネス)目的の旅客需要への依存度が高く、景気後退や物価上昇に伴う個人消費の冷え込みは、旅客数減少に直結する可能性があります。また、地上交通機関やLCCとの競合、ビデオ会議普及によるビジネス慣習の変化、少子高齢化による人口減少等により、旅客需要が構造的に減少した場合、スカイマークの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②原油価格の上昇に伴う燃料費への影響について 燃料費は、スカイマークの営業費用の相当部分を占めているため、地政学的要因や需給バランスの変化等による航空燃料価格の高騰は、スカイマークの営業損益に重要な影響を及ぼす可能性があります。スカイマークは、燃料費に係る原油価格については商品スワップ取引を行い、変動リスク低減に努めておりますが、これらの取り組みが、燃料費の変動による影響を完全に吸収できるとは限りません。また、スカイマークは燃油サーチャージ制度を導入していないため、コスト増を運賃へ転嫁する際には需要減少を招くリスクを伴います。また、想定外の急激な減便が発生した場合、燃料ヘッジが実需要を上回る(オーバーヘッジ)ことによる損失発生のリスクも内在しています。 ③為替変動の影響について スカイマークの主な費用のうち、航空機リース料、航空機整備費の大部分、機体購入代金等の主要な支出の多くは外貨建で取引されています。このため、為替相場が円安に振れた場合には、円換算での費用負担が増大し、スカイマークの業績を圧迫します。為替予約等により一定の影響緩和を図っていますが、急激かつ大幅な変動が生じた場合には、費用の増減や外貨建債権債務の評価損益が発生する可能性があります。 ④戦争・テロ等の影響について 国際的な武力衝突やテロ事件が発生した場合、日本国内においても保安対策の強化に伴う航空会社のコスト負担増や航空保険料の上昇を招きます。また、地政学的リスクに起因する燃料価格のさらなる高騰や、社会不安に伴う旅行マインドの冷え込みが生じた場合、スカイマークの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤感染症による影響について 感染症の蔓延は、渡航制限や外出自粛による旅客需要の劇的な減退を招きます。国内線主体であっても、水際対策によるインバウンド消失や、デジタル化に伴うビジネス需要の構造的減少が、業績に長期的な影を落とす可能性があります。また、自社従業員の大量感染により運航機能が維持できなくなるリスクも抱えています。 (3)航空事業等①発着枠について 羽田空港等の混雑空港における発着枠は、スカイマークの事業基盤の根幹です。政策的な見直しや再配分によりスカイマークの発着枠が減少、あるいは計画通りに獲得できない場合、事業計画の遂行が困難となります。また、保有する発着枠を有効活用できない場合も、収益性および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②競争環境について 国内線における大手航空会社やLCC(格安航空会社)との価格・サービス競争に加え、新幹線や高速バス等の地上交通機関との競合が収益を圧迫するリスクがあります。競合他社の運賃戦略や新規路線の開設等により市場シェアが低下した場合、スカイマークの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③航空機材の導入について 機材調達をボーイング社および特定のリース会社に依存しており、ボーイング737型機の単一機種による効率的な運営を基本としています。そのため、メーカー側の納入遅延や品質問題、あるいは特定機種に対する安全性への疑義が生じた場合、運航計画の大幅な変更や社会的信用の失墜を招き、経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④使用機材等の整備費の変動について 航空機やエンジンの点検に伴う整備範囲の拡大や、リース機材返還時の整備費用(リデリバリーコスト)が見込みを上回る場合、費用の急増が業績を圧迫します。これらは航空機の使用状況や状態に左右されるため、将来の支出額を正確に予測できない不確実性があります。 ⑤第三者のサービスへの依存について 一部運航乗務員の派遣を受けているほか、航空機の整備、機器の修理、地上ハンドリング、予約センター等の業務において、第三者に一部の業務を委託しています。委託先における人手不足、ストライキ、システム障害等により業務遂行に支障が生じた場合、スカイマークの運航や顧客サービスが停止し、社会的信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥資産減損について 航空機等の固定資産について、収益性の低下等により将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、減損損失の計上が必要となります。航空需要の大幅な減退や機材の早期退役、資産価値の下落が生じた場合、スカイマークの純資産が減少し、自己資本比率の低下を招く恐れがあります。 (4)システム関連①システム障害等について スカイマークの予約販売、搭乗手続き、運航管理等の基幹業務は高度にデジタル化されており、自然災害や通信障害、サイバー攻撃等によってこれらが停止した場合、大規模な欠航や運航ダイヤの混乱を招き、社会的信用の失墜や多額の減収、損害賠償が生じる恐れがあります。また、競争力維持のための新システム導入や更新において、開発の遅延、コストの膨張、あるいは想定した機能の未達が生じた場合、事業運営に支障をきたすだけでなく、ソフトウエア資産の減損処理が必要となり、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ②顧客情報漏洩について スカイマークは多くのお客様の氏名、クレジットカード情報等の個人情報、および飛行計画等の重要機密を保有しています。これらが外部からの不正アクセスやランサムウェア攻撃、あるいは役職員の過失や内部不正、委託先の不備等によって漏洩した場合、法的制裁(制裁金等)や損害賠償の発生、ブランド価値の致命的な毀損により、スカイマークの財政状態及び経営成績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。 (5)財務関連①損益構造について スカイマークの費用構成は、人件費、機材リース料、整備費、施設使用料等の固定費比率が高く、これらは旅客数や座席利用率の変動に応じて即座に削減することが困難です。そのため、景気後退や競争激化により旅客単価や利用率がわずかに減少しただけで、営業損益が大きく悪化するリスクがあります。また、長年のコスト削減施策により、さらなる削減余地が限定的となっている点も収益の下押し要因となります。 ②有利子負債及びリース債務について スカイマークは機材の多くをオペレーティング・リースにより導入しており、今後も新型機導入に伴いリース債務が増加する見込みです。多額の債務返済やリース料支払いは手元流動性を圧迫し、事業環境の変化に応じた投資能力を制限する可能性があります。また、リース会計基準等の改正によりリース資産・負債がオンバランス化された場合、自己資本比率等の経営指標が低下し、財務評価に悪影響を及ぼす恐れがあります。 ③配当施策について スカイマークを取り巻く事業環境は、各種の物価高騰などに加え、足元では中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や急激な為替変動により、極めて先行きが不透明な状況にあります。こうした外部環境のリスクを考慮した上で、株主還元の継続を基本としつつも、不測の事態に備えた内部留保の充実と、将来成長に向けた投資資金を確保すべき局面であると判断いたしました。 2026年3月期の業績におきましては、急激な円安進行に伴い多額の為替差益を計上したことにより、配当原資は非資金性の要因を多く含むこととなりました。前述した事業環境の急激な変化や新機材導入が本格化する資金需要等を総合的に勘案し、株主還元とのバランスを慎重に検討した結果、2026年3月期の期末配当を7円といたしました。また、従来公表しておりました配当方針につきましては、外部環境の変動が激しい中でも、安定的かつ継続した配当の実現に向けて、株主還元方針を変更することといたしました。新たな方針は2027年3月期の配当より適用すべく検討を進めており、決定次第速やかにお知らせいたします。 ④欠損金の繰越控除について スカイマークは現時点で税務上の繰越欠損金を有しており、法人税等の負担が軽減されています。しかし、利益計上によりこれらが解消された後は納税額が増加し、キャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、十分な課税所得を計上できない場合、控除を受けられないまま繰越欠損金が期限切れとなるリスクも内在しています。 ⑤繰延税金資産について スカイマークは将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産を計上しています。しかし、事業環境の悪化等により将来の課税所得見込額が低下した場合、資産の取り崩しが必要となり、スカイマークの純資産および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥資金調達について 金融情勢の変化やスカイマークの信用力の低下等により、計画通りの資金調達が困難になった場合、事業展開や機材導入に支障をきたす可能性があります。また、借入金等に付された財務制限条項(財務コベナンツ)に抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括弁済を求められることで資金繰りに重大な悪影響を及ぼすリスクがあります。 (6)その他①法的規制について 航空輸送事業は、航空法を始めとする多岐にわたる法令・規制の適用を受けています。これらに抵触し、事業認可の取消しや業務改善命令等の行政処分を受けた場合、事業運営が著しく制限される可能性があります。また、規制遵守のための組織整備や専門人材(航空従事者等)の確保・育成には多額の費用を要し、今後の法改正によってはさらなる追加的負担が生じるリスクがあります。 (航空運送事業許可の状況)(注) 航空法改正に伴い、2000年2月1日より従来の路線免許制から事業許可制へと変更されております。取得年月2000年2月(注)許認可等の名称事業許可所管官庁等国土交通省有効期限事業許可証の書換え又は再交付がなされるまでの間、有効とする。※書換え又は再交付の発生事由は、事業許可の内容、若しくは運航者情報の変更による場合であります。※最新の許可内容となった日は2019年12月2日であります。法令違反の要件及び主な許認可取消事由航空法第119条(事業の停止及び許可の取消し)・事業許可等に付した条件に違反したとき。・正当な理由が無く、事業許可等の実施すべき事項を実施しないとき。航空法第120条(許可の失効)・航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。 ※スカイマークの事業許可等に付された条件及び未実施事項はありません。 ②環境規制について 地球温暖化防止に向けた国際的な枠組み(CORSIA等)や国内法に基づき、航空機からの温室効果ガス排出削減が強く求められています。環境規制のさらなる強化や炭素税等の導入、騒音・廃棄物規制の厳格化が生じた場合、新型機材への更新投資やSAF(持続可能な航空燃料)の調達、汚染浄化費用などの多額の支出が発生し、スカイマークの業績を圧迫する可能性があります。 ③公租公課について 航空機燃料税、着陸料、航行援助施設利用料等の公租公課は、スカイマークの営業費用の大きな割合を占めています。現在、航空機燃料税については国の時限的な軽減措置を受けていますが、軽減措置のさらなる縮小・廃止や、空港使用料の引き上げが行われた場合、スカイマークの収益性及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ④訴訟・トラブル等について スカイマークの事業活動において、航空機事故、労働問題、知的財産権の侵害、契約違反等に関連して、重要な訴訟が提起される可能性があります。係争の内容や結果によっては、多額の賠償金の支払い、社会的信用の失墜、あるいは特定の業務の制限を受けることとなり、スカイマークの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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