三菱倉庫(9301)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】連結財務諸表提出会社(以下、三菱倉庫という。)グループは、三菱倉庫、子会社55社及び関連会社28社で構成され、倉庫事業を中核として陸上運送事業、国際運送取扱事業、及び港湾運送事業を総合的、一貫的に運営し、またビル賃貸業を中心とした不動産事業を併営しております。三菱倉庫グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。物流事業(1) 倉庫事業貨物の寄託を受けてこれを倉庫に保管し、あわせて庫入、庫出、その他の荷役を行う事業であって、三菱倉庫のほか、国内では富士物流㈱、海外ではインドネシア三菱倉庫会社、上海菱華倉庫運輸有限公司等が倉庫事業を行っております。(2) 陸上運送事業貨物自動車による貨物の運送、利用運送又は運送取次を行う事業であって、このうち自動車運送(実運送)については、菱倉運輸㈱、九州菱倉運輸㈱等が行っております。(3) 国際運送取扱事業国際間に輸送システムを整備し、各種輸送手段の有機的結合を図り、荷主の委託を受けて国際間の物品運送の取扱(国内における海運貨物取扱を含む。)を行う事業であり、国内においては富士物流㈱、ユニトランス㈱等、海外ではCAVALIER LOGISTICS, INC.、米国三菱倉庫会社、欧州三菱倉庫会社等が三菱倉庫輸送システムの一部を構成しております。(4) 港湾運送事業荷主又は船舶運航事業者の委託を受け、港湾において、貨物の船舶への積込又は船舶からの取卸のほか、はしけによる運送、上屋その他荷捌場への搬入、搬出、保管等を一貫して、又は個別に行う事業であります。このうち荷役については、神菱港運㈱、菱洋運輸㈱等が行っております。(5) その他上記各事業に関連した付帯事業であり、ダイヤ情報システム㈱は物流情報システムの開発業務等を行っております。このほか、三菱倉庫(中国)投資有限公司は中国において事業会社の管理等を行っております。不動産事業ビル等の賃貸・管理のほか、駐車場・ショッピングセンターの管理、運営、マンション分譲を中心とする不動産販売、投資・開発後の売却等を通じた資産回転型ビジネス等を行う事業であります。このうち賃貸施設の管理、保守等をダイヤビルテック㈱、横浜ダイヤビルマネジメント㈱、㈱タクト等が行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】中東情勢や米国の通商政策による影響等に留意する必要がある中、今後の世界経済は、中国で景気は緩やかな減速が続くと見込まれるものの、欧州では緩やかに持ち直し、米国では緩やかな拡大が続くことがそれぞれ期待されます。またわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されます。こうした経済情勢にあって、三菱倉庫グループを取り巻く事業環境は、物流業界においては、人手不足やインフレを背景としたコストの増加が続くことが予想され、他方、不動産業界においては、賃料の上昇や、空室の消化が順調に進むことが期待されます。三菱倉庫グループは2030年に目指す姿として、「トータルロジスティクスと街づくりを世界で展開し、社会のいつもを支え、非連続な成長を実現する」を「MLC2030ビジョン」として掲げ、その実現に向けてグループ全体でサステナビリティ経営と経営計画を推進しています。ビジョン達成に向けた最終フェーズとして、経営計画[2025-2030]において掲げた5つの成長戦略及び財務戦略を推進し、持続的な成長を図ります。 成長戦略1「物流事業の飛躍」では、トータルロジスティクスサービスの強化、カテゴリー戦略の推進、物流サービスの機能強化と品質向上を進めることで、売上の伸長と利益率の改善を図ります。成長戦略2「不動産事業の進化」では物流事業とのシナジーが見込める新たなアセットクラスへの展開を拡大するほか、アセットマネジメント事業に進出し、資産回転型ビジネスを本格稼働させます。また海外不動産ビジネスへ進出し、事業拡大を図ります。成長戦略3「海外事業の拡大」ではASEAN、北米、インドを最重点領域と定め、有力物流事業者とのパートナーシップ戦略等により事業成長速度を加速させることで、2030年度の海外売上高目標として、2024年度比2倍以上の収益規模となることを目指します。成長戦略4「先端技術の活用等による業務プロセスの改善と新ビジネス創出」では先端技術を積極的に導入することにより物流・不動産両事業での社会課題解決と事業成長の実現を図ります。成長戦略5「グループ経営基盤の強化」では人的資本経営の推進、広報・IRの強化、グループ経営推進、グループ資産の価値向上、リスクマネジメントの強化を推し進めることで非連続な成長に向けた事業基盤の構築を進めます。財務戦略においては、2030年までにDOE4%以上、機動的な自己株式取得、政策保有株式の縮減を進めるほか、純資産を4,000億円前後の水準でコントロールします。 これらの戦略をグループ全体で推進することで、2030年度において事業利益630億円程度、純利益410億円程度、ROE10%以上の財務目標をそれぞれ達成することを目指します。なお、事業利益は営業利益に持分法投資損益と資産回転型ビジネス損益を加えたものであり、資産回転型ビジネス損益とは以下①②③の損益です。このうち①については営業利益に含みます。① 売却を目的とした資産の取得による運用損益及び売却損益② 売却を目的とした資産に係る出資による運用損益及び売却損益③ 今後組成を予定する不動産ファンドへの固定資産売却損益※事業利益=営業利益+持分法投資損益+資産回転型ビジネス損益 また、三菱倉庫グループパーパスを実現するため、そして経営環境の変化に適応しながら、経済・環境・社会の各面で持続可能な価値を提供し続け、サステナビリティ経営を推進するためのマテリアリティは次のとおりです。・災害に強く、安全・安心で持続可能な社会的インフラサービスの提供・気候変動対策と環境保護の取組みの強化・先端技術の活用と多様なパートナーシップによるイノベーション創出・成長のための人的資本経営の推進・コンプライアンスの徹底・人権の尊重・リスクマネジメントの強化 各マテリアリティにおける施策・KPI・目標を設定し、MLC2030ビジョンと同じ2030年度に達成することを目指しています。サステナビリティ委員会を中心に進捗を管理し、定期的に検証と入れ替えを実施し、統合報告書やウェブサイト等を通じて社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを拡充する等、質の高い取組みを進めます。三菱倉庫グループは、物流・不動産両分野でのインフラサービスを通じ、環境対応等、社会課題の解決に取り組む中で事業の成長機会を見出し、グループの持続的な成長を目指します。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】三菱倉庫グループのリスクマネジメント基本方針及び体制、並びに主要なリスクは以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において三菱倉庫グループが判断したものであります。 (1) リスクマネジメント基本方針三菱倉庫グループでは、企業理念を実現するうえでの不確かさの影響をリスクと定義し、リスクを適時・適切に特定・分析・評価し、リスク対応計画の策定・実行及びモニタリング・レビューを通じて負のリスク顕在化の頻度及び影響度を極小化することを基本方針として、以下の基本目的及び行動指針に基づいてリスクマネジメントシステムを構築・運用しております。 (リスクマネジメント基本目的)・企業価値の向上・安定的な事業継続・あらゆるステークホルダーとの信頼関係の維持・向上 (リスクマネジメント行動指針)・事業計画と一体性のあるリスクマネジメント体制を整備し、三菱倉庫グループ全体で適切なリスクテイク及び 的確なリスクコントロールを支える環境を整えます。・役職員に対する啓発、教育、訓練を通じてリスク感性を高め、三菱倉庫グループ全体で健全なリスクカルチャ ーを醸成します。・リスクインテリジェンス活動を強化したうえで新興リスクを含めて適切なリスクアセスメントを実施し、 重点的に取り組むリスクを特定します。・三菱倉庫グループにおけるすべてのリスクについて管轄部門を選定したうえでリスク対応計画を策定し、PDCA サイクルマネジメントを実施します。・リスクマネジメントシステムの有効性について定期的に確認・点検し、維持・向上に繋げます。 (2) リスクマネジメント体制グループリスクマネジメント最高責任者を社長とし、リスクマネジメント担当常務を委員長とした「グループリスクマネジメント委員会」を設置し、子会社を含めた三菱倉庫グループ全体でリスクマネジメント活動を推進しています。 「グループリスクマネジメント委員会」では、リスク管轄部門からの報告をもとに、リスクの網羅的な把握を行い、評価・分析及び対策について協議し、今後の方針を定めています。また、危機事態の発生時には、対応要領を定めた危機管理基本マニュアルに基づいて迅速かつ的確な初動対応を行うことにより、影響の拡大防止及び早期の収束に努めます。リスクマネジメントシステムの有効性については、監査部が独立した立場から内部監査を実施し、継続的な評価・改善を図っています。 (3) 主要なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 イ.サイバーリスク環境認識・高度化・巧妙化するサイバー攻撃リスクの拡大を背景に、グループ全体での実効性ある情報セキュリティ対策と迅速なインシデント対応体制の構築が求められている。・DXの進展により業務の大半が情報システムに依存しており、障害発生時には業務への影響が広範かつ甚大となるリスクが高まっている。影響サイバーインシデント等により、情報システムや通信の停止、業務停止、収益減少、情報漏えい等に伴う信用失墜・損害賠償、さらには重要インフラとしての社会的信用低下が発生する可能性がある。取組内容・ゼロトラストセキュリティモデルに基づく環境構築、脆弱性診断、教育・訓練等の継続実施及びガイドラインに基づくグループ会社への支援・評価を通じ、インシデントの未然防止と被害極小化を図る。・IT-BCPに基づくインシデント対応訓練の定期実施と訓練結果を踏まえたBCP見直し、ならびにガイドラインに基づくグループ会社のIT-BCP策定支援を行う。 ロ.人材確保環境認識労働力人口の減少に伴う採用競争の激化により、物流現場を含む必要人材の確保が困難となる。また、処遇・職場環境等の不安が高まると、人材が流出し、技術・技能の継承が困難となる。影響人材不足や人材流出により、採用・教育コストの増加、事業継続への支障、業務品質や競争力の低下、新規事業拡大の遅延が生じるおそれがある。取組内容採用力強化、エンゲージメント向上、外国人採用の検討、DX・AI活用による省人化に取り組み人材確保と定着を図る。 ハ.自然災害環境認識大規模地震や津波、噴火、風水害の発生により、三菱倉庫グループの従業員や関係者に多数の死傷が生じ、施設・設備の損壊やインフラ被害が発生し、事業が中断・停止する可能性がある。影響施設の損壊に伴う復旧費用が発生する。また、連絡体制や手順の不備により復旧が遅延し、事業中断が長期化し、売上・利益が減少するおそれがある。取組内容大規模地震・台風等対策マニュアルの改訂、各部室店のBCP見直し及び富士山噴火対策の検討を進めるとともに、マニュアル改訂内容を国内グループ会社へ共有し各社の改訂を支援する。 ニ.コンプライアンス環境認識業務の属人化や権限集中が進む場合、役職員による不正行為が発生・潜在化しやすい。発覚が遅れると、被害が拡大するおそれがある。影響不正が発生した場合、会社資産の毀損や法令違反による処分・賠償、ブランドイメージの低下や社会的信用の失墜、取引停止や収益悪化につながるおそれがある。取組内容規程・方針の周知と重点事項を絞った教育の実施、アンケート・相談内容の分析を踏まえたリスクの洗い出し、不正発覚時の是正及び再発防止が適切に行われる運用の整備を行う。 ホ.地政学リスク 環境認識・日中関係の緊張により、貿易規制や行政対応の強化、反日感情の高まりなどが発生し、事業活動や海外勤務者・出向者の安全確保に影響を及ぼす可能性がある。・ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や軍事的緊張の広がりにより、欧州地域での安全保障リスクが高まり、物流網の寸断やエネルギー・輸送コストの上昇が生じる可能性がある。・中東情勢悪化、ホルムズ海峡封鎖による輸送能力の不足、生産減少、物価高騰、サプライチェーンの変更等が、三菱倉庫の事業に影響を及ぼす可能性がある。 影響・物流遅延・コスト増により物流サービスの安定提供に支障があり、品質が悪化する。・取扱減、サプライチェーン変更により業績が低下する。・海外勤務者・出向者が負傷する。 取組内容契約・マニュアル・緊急時体制の確認、リスクシナリオの対応の検討、より多く、より着実に海外情報の共有を行う。 へ.人権関連 環境認識人権尊重に対する社会的要請が国内外で高まっており、バリューチェーン全体での対応が求められている。影響人権課題への対応が不十分な場合、取引停止や社会的信用の低下、ブランド価値の毀損などにつながるおそれがある。取組内容ロードマップに沿って優先的に対応すべき人権リスクの低減施策の実効性を確認し、また、2027年度以降の人権デュー・ディリジェンス実施方針の検討を行う。 ト.GHG削減計画の遅れ環境認識GHG排出量削減への対応が不十分な場合、各ステークホルダーからの評価が低下するリスクがある。影響GHG排出量削減の遅れにより、短期的、中長期的に、企業価値・収益性が悪化する。取組内容照明のLED化、高効率空調機器の導入及び再生可能エネルギーの創出・調達拡大等によりGHG排出量削減を進める。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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