澁澤倉庫グループは、澁澤倉庫(澁澤倉庫株式会社)、子会社15社および関連会社8社(2025年3月31日現在)により構成され、物流事業および不動産事業を中核として事業運営を行っております。
子会社には、物流事業会社として澁澤倉庫の物流事業の実作業・実運送を担当する会社、あるいは独自の営業活動を併せて行う会社ならびに不動産管理等を担当し澁澤倉庫とともに不動産事業を推進する会社があります。連結決算の対象会社として、これらの会社のうち重要性の判断基準により、9社を連結子会社としております。
澁澤倉庫グループの事業内容および澁澤倉庫と子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1) 物流事業
主たる業務は倉庫業務、港湾運送業務、陸上運送業務および国際輸送業務であります。
(イ) 倉庫業務
寄託を受けた貨物の倉庫における保管・入出庫業務およびこれらに伴う流通加工等の荷役を行う業務であり、澁澤倉庫および大宮通運株式会社等が行っております。また、澁澤倉庫は荷役業務について澁澤コネクト株式会社等に委託しております。
(ロ) 港湾運送業務
港湾における船内荷役、沿岸荷役、はしけ運送、上屋保管およびこれらに伴う荷捌を行う業務であり、澁澤倉庫および門司港運株式会社等が行っております。
(ハ) 陸上運送業務
貨物自動車運送および引越等のサービスを行う業務であり、実運送および実作業は澁澤陸運株式会社等が行っております。
(ニ) 国際輸送業務
国際一貫輸送業務、国際航空貨物運送業務およびこれらに伴う荷捌を行う業務であり、海外においては澁澤(香港)有限公司、Shibusawa Logistics Vietnam Co., Ltd.および澁澤物流(上海)有限公司等が行っております。
(ホ) その他の物流業務
物流施設賃貸業務および通運業務等を、澁澤倉庫および大宮通運株式会社等が行っております。
(2) 不動産事業
主たる業務はオフィスビル、物流施設等の開発・賃貸・管理であり、施設の設備管理、各種工事請負等を澁澤ファシリティーズ株式会社が行っております。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(注)矢印は澁澤倉庫グループ各社が提供するサービスの主な流れを示しております。
澁澤倉庫グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において澁澤倉庫グループが判断したものであります。
今後のわが国経済は、世界的な金融引締めに伴う影響、地政学リスクの継続、中国における経済成長鈍化の長期化が懸念されるものの、雇用・所得環境の改善を背景として、緩やかに景気の回復が続くことが期待されます。
このような事業環境のもと、澁澤倉庫グループは、澁澤倉庫グループミッション「物流を越えた、新たな価値創造により、持続可能で豊かな社会の実現を支えること」のもと、「Shibusawa 2030 ビジョン」にて「お客さまの事業活動に新たな価値を生み出す Value Partner」の実現を目指してまいります。
事業の競争力強化とサービス領域の拡大とともに、持続的な価値向上のためのESG経営の確立に取り組み、澁澤倉庫グループが共有する価値観である、創業者の精神「正しい道理で追求した利益だけが永続し、社会を豊かにできる」を体現する企業であり続けてまいります。
「Shibusawa 2030 ビジョン」の実現に向けては、以下の諸施策に取り組んでまいります。
(1) 強みを深化させたカテゴリーNO.1の物流サービスを確立します。
(2) 物流の枠を超えたアウトソーシングサービスを事業の柱に育てます。
(3) スマートで強靭な不動産ポートフォリオを確立します。
(4) ステークホルダーとの共存共栄の関係を進化させます。
(5) 多様な人材が働き甲斐を感じる労働環境、企業風土を確立します。
(6) 実効性のあるコーポレートガバナンスの確立に取り組みます。
併せて、2024年度を初年度とする3ヵ年の新たな中期経営計画「澁澤倉庫グループ中期経営計画 2026」で掲げた事業戦略に基づき、以下の課題に取り組んでまいります。
(1) 物流事業の収益力強化
(2) 国内/海外における物流ネットワークの拡充
(3) 物流の枠を超えた業域の拡大
(4) 不動産ポートフォリオの拡充
(5) ESGへの取組み強化
澁澤倉庫グループでは、事業の成長は堅固な経営基盤の上に成り立つとの認識から、財務体質の改善、事業インフラの整備に取り組むとともに、コンプライアンスの徹底、コーポレート・ガバナンスの強化により経営品質を向上させてまいります。加えて、サステナビリティ推進基本方針を策定し、以下の6項目をマテリアリティ(重要課題)と定めております。
(1) 地球温暖化の防止
(2) 循環経済への転換
(3) 安全・安心の実現
(4) イノベーションの活用
(5) 人権の尊重
(6) 共存共栄の追求
澁澤倉庫グループのみならず社会にとっても持続可能な成長につながる課題の解決に事業活動を通じて取り組むことにより、企業価値を向上させてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において澁澤倉庫グループが判断したものであります。
① 事業環境の変化
澁澤倉庫グループは、倉庫業ならびに陸・海・空にわたる運輸業を主体とした物流事業と不動産賃貸業を中心とする不動産事業を主たる事業としておりますが、物流事業においては、国内外の経済環境や社会情勢の変動および天候等による景気動向の変化が、澁澤倉庫グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産事業においても施設の改善と機能拡充を推進しておりますが、首都圏における賃貸オフィス市場の需給バランスの変化や市況動向等の影響を受ける可能性があります。
② 特有の法的規制等に係るもの
澁澤倉庫グループの物流事業は、国内外において法的許認可を事業基盤としており、施設、設備の安全性や車両等の安全運行のために、国際機関および各国政府の法令、規制等様々な公的規制を受けております。また、事業推進にあたっては通商、租税、為替管理、環境、公正取引等に関する法規制の適用を受けております。今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、澁澤倉庫グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害の発生
澁澤倉庫グループは、物流事業と不動産事業を展開するにあたり多くの施設を有しております。そのため、地震や台風等の自然災害が発生し、澁澤倉庫グループの施設が被災した場合、澁澤倉庫グループの業績および財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、澁澤倉庫グループの保有施設につきましては、適切な補償範囲にて企業財産包括保険を付保するとともに、建物の耐震対策として、1981年建築基準法改正以前の耐震基準の設計による建物について、必要に応じ耐震診断を行い、耐震性能が不充分な建物については現行基準並みの耐震補強工事を順次実施しております。
④ 車両燃料油価格の変動
澁澤倉庫グループの物流事業では、車両運行のための燃料の調達が不可欠なものとなっております。燃料費については、調達コストの平準化・削減に努めておりますが、燃料油の市場価格は概ね原油価格に連動しており、世界の景気動向、産油地域の情勢、米国を中心とする在庫水準、投機資金の流入等により影響を受ける可能性があり、燃料油価格の上昇は、澁澤倉庫グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 金利の変動
澁澤倉庫グループは、賃貸不動産や倉庫施設等の新設や更新のため、継続的な設備投資を行っております。有利子負債の削減に努めておりますが、運転資金および設備資金は主として外部借入れにて調達しております。固定金利での借入れや金利スワップ取引により金利の固定化を進めておりますが、変動金利で調達している資金については、金利変動の影響を受けます。また、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。
⑥ システムトラブルによる影響
澁澤倉庫グループは、各種物流情報システムを構築し、インターネットを介して顧客との情報交換を行っておりますが、外部からの不正なアクセスによるシステム内部への侵入や、コンピュータウイルスの感染等の障害が発生する可能性があります。これにより、ウイルス対策ソフト等を導入し、安全対策には万全を期しております。また、大地震、大規模停電への対策として、遠隔地でのデータ・バックアップ・センターの配備をしております。万が一システムのトラブルが発生した場合には、顧客との情報交換のための代替手段を準備しておりますが、復旧までの間、作業効率の低下を来たす可能性があります。
⑦ 個人情報漏洩等の発生
澁澤倉庫グループは、物流事業におけるトランクルーム、引越業務等において、個人情報を取り扱っております。澁澤倉庫グループでは情報保護方針を定め、当方針に基づき策定した「情報保護規程」をすべての役職員が遵守することにより、個人情報漏洩等の予防に努めております。しかしながら、予期せぬ不正アクセスやコンピュータウイルス等の不法行為による個人情報漏洩が発生した場合には、損害賠償請求等により、澁澤倉庫グループの事業および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、このようなリスクに備えるため、賠償責任保険を付保しております。
また、澁澤倉庫グループは、「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の認証を2005年12月16日に取得し、2014年12月16日に「ISO/IEC 27001:2013」へ移行しております。
⑧ 保有資産の時価変動
澁澤倉庫グループは、減損会計基準およびその適用指針に基づき、2006年3月期より固定資産の減損会計を適用しております。今後、保有資産の時価の下落あるいは当該資産の収益性悪化等により、減損処理の手順に従い減損損失を認識した場合には、澁澤倉庫グループの業績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当期末における澁澤倉庫グループの投資有価証券残高は253億8千4百万円であります。将来において投資先の業績不振や証券市場における市況の悪化等により時価あるいは実質価額が下落し、かつ回復の可能性があると認められない場合には、澁澤倉庫グループの業績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 海外への事業展開
澁澤倉庫グループは、海外においては、現地子会社等や代理店との連携により、事業活動を行っておりますが、現地の法令規制の改廃や税制等の変更、為替相場の変動あるいは事業活動に不利な政治または経済要因の発生、戦争・テロ・伝染病などの社会的混乱により、澁澤倉庫グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 退職給付債務
澁澤倉庫グループでは、従業員の退職給付費用および債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの数値は将来に対する予測に基づくものであり、今後の退職給付債務の割引率低下や年金資産の運用実績の悪化等が生じた場合には、澁澤倉庫グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。澁澤倉庫は、これらのリスクを緩和するため、2006年4月より確定拠出年金制度を一部導入しております。
⑪ 気候変動に伴うリスク
澁澤倉庫グループは、気候変動に伴う豪雨や台風などの異常気象により、保有する施設の被災や交通網の遮断、高温による労働生産性の低下などの影響を受ける可能性があります。
また、国内外における、企業が排出する温室効果ガスに対する規制強化や、炭素価格の導入等は、操業コストの増加原因となります。
澁澤倉庫グループは、サステナビリティ推進基本方針において、地球温暖化の防止と、安全・安心の実現をマテリアリティ(重要課題)として特定し、モーダルシフトの推進、物流効率化による温室効果ガスの排出削減や、保有する施設の強靭化に取り組んでおります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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