ヤマタネ(9305)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】ヤマタネグループは、ヤマタネ及びヤマタネの連結子会社10社、非連結子会社4社で構成され、物流関連、食品関連を中心に情報関連、不動産関連の各事業を営んでおります。ヤマタネグループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の4部門はセグメントと同一の区分でありますが、全社共通のヤマタネエキスパートは除いております。物流関連 倉庫業………………寄託を受けた物品を倉庫に保管し、その対価として保管料を収受し、倉庫保管に伴い入出庫する貨物の荷役及びこれに付随する業務を行っております。ヤマタネは、保管業務及び入出庫業務を、㈱ヤマタネロジワークスに委託しております。 港湾運送業…………国土交通大臣の免許のもと、京浜港及び神戸港において一般港湾運送事業(第1種)を営んでおります。 貨物利用運送業……荷主の依頼に応じて実運送業者の行うサービスを利用して貨物を運送する業務であり、㈱ヤマタネロジスティクスはヤマタネが利用している貨物自動車運送業者(実運送業者)であります。また、海外向運送として外航海運、国際航空の利用運送業者であります。 (関係会社)ヤマタネ、㈱ヤマタネロジスティクス、㈱シンヨウ・ロジ、㈱ヤマタネロジワークス、 ㈱ヤマタネドキュメントマネジメント及び㈱キョクトウ食品関連改正食糧法に基づき、農林水産大臣への「米穀の出荷又は販売の事業」届出業者として、全国の主要産地から玄米を仕入れ、玄米販売及び精米加工して大手量販店、外食産業、コメ小売店等に卸売販売を行っております。また、冷凍食品を中心とした加工食品卸売販売や米穀・穀物の食品小売販売を行っております。 (関係会社)ヤマタネ及び㈱ショクカイ、㈱農産ベストパートナー及び㈱しん力情報関連コンピュータ・システムに関する、導入・開発・保守・運用のトータルサービスの提供、情報処理に関するソフトウェア、ハードウェアの研究・開発並びに販売及び棚卸サービスの提供・仲介・管理を行っております。 (関係会社)㈱ヤマタネシステムソリューションズ不動産関連不動産の売買、仲介、ビル等の賃貸、管理を行う業務を行っております。 (関係会社)ヤマタネ 事業の系統図は次のとおりであります。 (注)上記以外に非連結子会社4社があります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてヤマタネグループ(ヤマタネ及び連結子会社)が判断したものであります。(1) 経営基本方針ヤマタネグループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。この原点であり土台である企業理念のもと、ヤマタネグループはコーポレートメッセージとして“「続く」を支える。”を掲げており、これには、いかなる時もすべてのステークホルダーの良きパートナーとして最適な解を提供し、共に持続的な成長を歩み続けるというヤマタネの矜持が込められております。この企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本に、グループすべての役職員が大切にする価値観「Values」として「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」を定め、ヤマタネグループのパーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」を実現し、チャレンジ精神溢れる企業文化を醸成することで、中長期的な企業価値の向上を図ることを、ヤマタネグループの経営の基本方針としております。また、ヤマタネグループは、この基本方針のもと、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値の向上をより確かなものとするため、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるためヤマタネグループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年目標としております。 <サステナビリティ方針 行動指針> ① 長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事業 を通じてその解決に取組みます ② 攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます ③ 適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います ④ パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます <マテリアリティ 取組み重点テーマ及び2030年目標>≪E:環境≫〇環境に配慮した事業活動の推進・温室効果ガス排出量削減・エネルギー使用量の削減・廃棄物及び有害物質の管理 2030年目標 □GHG排出量削減2013年度対比▲50%以上≪S:社会≫〇製品・サービスの品質向上・安心,安全な商品・サービスの提供・安全衛生の推進 ・個人情報保護及び高度なデータセキュリティ・リスクマネジメント 2030年目標 □重篤な労働災害事故(※1)0件 □ISO9001認証取得 全拠点(営業倉庫/精米工場) □個人情報漏洩事故0件≪S:社会≫〇人財の多様性と活躍の促進・生産性向上による働き方改革 ・人財育成及び教育・女性活躍を含む多様な人財の活躍推進・差別防止及び社会的弱者への配慮 2030年目標 □有給休暇取得率80%以上 □女性管理職比率(※2)20%以上 □キャリア採用者の活躍促進≪S:社会≫〇地域コミュニティ及び生産地と農業の発展・コミュニティへの参画及び発展への寄与 2030年目標 □地域社会の文化活動への貢献 □大規模災害発生時の官民連携を推進 □産地・行政・取引企業とのコンソーシアム構築≪S:社会≫〇持続可能なコメの調達の推進・持続可能な材料調達と効率的な使用 2030年目標 □産地のブランド化による持続的営農の実現≪G:ガバナンス≫〇コーポレート・ガバナンスの深化・経営の健全性の確保、効率化の追求、透明性の向上、 再現性の堅持・リスクマネジメント ・適正な情報開示 2030年目標 □取締役会によるリスクと機会の把握と適切な対処 □重大なコンプライアンス違反0件 ※1 重篤な労働災害事故 ①死亡、長期療養を要する(または可能性のある)疾病、障がいの残る(または可能性のある)怪我、特定伝染病 ②一時に3人以上の労働者が業務上死傷または罹病した災害(不休含む)※2 対象範囲:株式会社ヤマタネ (2) 経営戦略及び業績目標ヤマタネグループでは、経済や社会環境の変化やSDGsに対する意識の高まりなど、変貌する外部環境の中でサステナビリティ経営の高度化を目指し、目指すべき企業像を描いた長期ビジョンとして、「ヤマタネ2031ビジョン」を策定しております。「ヤマタネ2031ビジョン」においては、ヤマタネグループの企業理念である「信は万事の本を為す」に則り、ヤマタネグループのパーパスを見つめ直し、9年間で目指すべきビジョンとして「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」を掲げ、その実現に向けた第2フェーズを投資効果最大化に向けた成長期と位置づけ、実行計画として中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」(2026年3月期~2028年3月期)を推進しております。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の1年目である当連結会計年度においては、昨今の資本市場より求められている資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2025年4月より「カンパニー制」へと移行し、部門別収益管理の高度化、更なる事業シナジーの創出、成長投資の活性化、ガバナンス体制の強化等に一段と取り組んでまいりました。新体制下においては意思決定の迅速化による積極的な成長投資の寄与や、グループ内でのシナジー創出、事業環境の変化に応じた適宜適切な価格転嫁等が進展し、着実な成果をあげております。今後も新体制のもと、権限移譲による経営スピードの向上を図るとともに、グループ間連携の強化を一段と加速させ、収益力の更なる向上を目指します。あわせて、政策保有株式の縮減スピードを早めるなど、資本収益性の改善に取り組んでまいります。また、これらの実現を通じた更なる企業価値向上に向けて、取締役及び執行役員がその役割と責務を十分に果たすことを促し、株主の皆様との価値共有を強化することを目的として、新たな役員報酬制度を導入することとし、2026年6月の第127回定時株主総会に、取締役報酬限度額の改定等を付議しております。さらに、事業の成長と資本・ガバナンス戦略の両輪を推進していく中で、当連結会計年度の業績進捗や事業環境の変動を鑑み、投資効果の最大化に向けた更なる成長投資の推進や資本効率の向上を加速させるため、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の財務目標を見直しました。見直し後の2028年3月期の財務目標は、売上高1,000億円、営業利益47億円、EBITDA92億円、ROE7.5%以上、総還元性向70~80%としております。ヤマタネグループは、この新たな目標の達成に向け、持続的な企業価値の向上と豊かな社会づくりに力強くチャレンジしてまいります。 「ヤマタネ2031ビジョン」の概要① パーパス(存在意義) 「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」 ② ビジョン(9年間で目指す姿) 「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」 「ヤマタネ2028プラン」の概要① 基本方針 ・部門別収益管理および部門間シナジー最大化によりグループ全体最適化を進める ・資本収益性改善に取り組むと同時に、実行力の高いガバナンス体制を構築する ・次の100年に向け、社内外のステークホルダーと共に持続的成長の基盤を創る ② 財務目標 2026年3月期ヤマタネ2028プラン(目標見直し後)売上高886億円1,000億円営業利益58.6億円47億円EBITDA103.8億円92億円ROE9.0%7.5%以上配当性向29.4%-総還元性向-70%~80% ③ カンパニー別方針カンパニーテーマ施策物流「食×物流」シナジー創出① 収益力強化② 業界特化型プラットフォーム構築③ コールドチェーン参入検討食品バリューチェーン拡大① 米事業収益改善② 川下戦略(新規顧客開拓)③ 川上参入(生産への進出)情報特化型SI展開① ヤマタネグループDX支援② 機器販売サービス展開③ 地方展開不動産CRE戦略高度化① 保有不動産有効活用② 不動産流動化事業開始③ 新たな分野への取り組み (3) 経営環境及び対処すべき課題今後につきましては、2025年度の実質GDP成長率がプラス1%前後と予測されるなど緩やかな回復基調が見込まれる一方で、米国の通商政策の動向や地政学的な混乱などの下押しリスクが懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。そのような状況下、ヤマタネグループのValues「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」をすべての業務の中心に据え、パーパス経営を加速します。当連結会計年度にて策定した部門別パーパスの徹底したディスカッションを通じて、日常業務とパーパスを紐づけ、「遣り甲斐」と「誇り」溢れる職場づくりを目指します。社員の活性化を最優先課題とし、企業価値の極大化、社員のエンゲージメント向上、処遇改善、株価向上を目指します。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目として、人的資本投資や成長投資を積極的に推進し、中期経営計画達成に向けた基盤づくりを推進します。 <対処すべき課題> ① 「パーパス経営の加速」 ② 「企業価値向上に向けて」 ③ 「DX推進」 中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目にあたる2027年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は985億60百万円(前期比11.1%増)を予想し、営業利益は41億10百万円(同29.9%減)、経常利益は36億10百万円(同34.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億円(同20.0%減)を予想しております。売上高につきましては、食品カンパニーのコメ販売事業において原料調達が前期を上回り販売数量が増加することに加えて、各カンパニーにおいて2025年にグループ入りした連結子会社が通年寄与することから増収を予想しております。営業利益につきましては、不動産カンパニーにおいて、一部物件を流動化し計画的販売に着手しますが、食品カンパニーにおいて、コメ販売事業での需給緩和による差益の圧縮が予想されることに加えて、経営上の最重要資源である人的資本への投資や、DX投資を中心とした将来に向けた基盤整備のための費用の計上等があり、減益を予想しております。経常利益は、金利上昇が見込まれることによる支払利息の増加等により減益を予想しており、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の縮減を加速させることに加え、前期に計上した特別損失がなくなるものの、前期に計上した受取補償金がなくなることに加え、営業利益及び経常利益の減少により、減益を予想しております。 事業別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。(物流関連事業)物流業界におきましては、国内貨物輸送では建設関連貨物の低迷が続くものの、個人消費の回復による消費関連貨物の堅調な推移や生産関連貨物の持ち直しが期待され、総輸送量のマイナス幅は改善する見通しです。また、国際貨物輸送におきましても、関税政策や円安是正による輸出への逆風が懸念される一方、生産拠点の国内回帰等による輸入の増加や、AI需要に牽引される航空貨物の好調などにより、総じて持ち直しの動きが見込まれます。このような状況下で、物流カンパニーにおきましては、既存事業領域の収益力強化に向けて、本牧新倉庫を含む既存倉庫の稼働率向上に取り組みます。また、前期に新会社として設立した株式会社ヤマタネドキュメントマネジメント(以下、「ヤマタネドキュメントマネジメント」という。)及び株式会社キョクトウ(以下、「キョクトウ」という。)とのシナジー創出を進め、機密文書保管・電子化事業を拡大します。また、顧客の物流パートナーからSCM(サプライチェーンマネジメント)パートナーになるべく、2024年4月に設立したSCM推進部を中心にあらゆるサービスを提供できる総合物流会社として、効率化や高度化へのサービス拡充提案、実現を進めます。特に、食品カンパニーと協働したコメ及び農産物領域、また、既存提供サービスでノウハウがある介護商材や静脈物流において、物流プラットフォームの構築を加速させます。さらには、人手不足により外注コスト等が上昇する中で、AIによる物流データ活用の高度化を図り、更なる業務の標準化、サービスの効率化を推進するとともに、お客様目線での高品質なサービスを提供し、顧客満足度向上に努め、適正な利潤の確保を図ってまいります。 (食品関連事業)コメ流通業界におきましては、令和7年産と政府備蓄米の流通により不足感は解消し販売価格は下落傾向であるものの、生産及び製造コスト増やインバウンド需要の継続により一定水準の価格推移が見込まれます。食品業界全体におきましても、物流費等を含む食品全体のコスト増が継続する見通しです。消費者の動向としては、節約志向と食の簡便化の二極化がさらに進み、中食需要などが引き続き伸長すると予測されております。需給環境の変化に伴う調達難易度の上昇が継続すると見込まれる中、こうした消費者の動向に的確に対応し、安定供給の確保と適正な価格転嫁を推進していくことが引き続き求められます。このような状況下で、食品カンパニーにおきましては、コメ販売事業では、販売において、安定供給を目的とした計画的な販売に努めるとともに、新規顧客の開拓に注力してまいります。仕入においては「産地の続くを支える」を掲げ、ヤマタネの持つ強みである産地との信頼関係を基に事業パートナー企業との協働体制を更に強化し、産地が抱える全ての課題解決を推進し、グループ内生産法人においては儲かる農業モデルの実現を進めます。その上で、産地との関係強化と農業の活性化を図るとともに関連する圃場面積を拡大し、安定した供給体制の構築を推進いたします。加工食品卸売事業では、給食事業得意先の業態変化への対応、デリカ事業の一層の成長とビジネスモデルの確立、商品ブランドの再構築と育成等の戦略を掲げ、事業を推進してまいります。また、物流カンパニーとの協働で直接貿易による仕入体制の確立も進め、仕入コストの削減にも取り組んでまいります。あわせて、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の事業戦略であるバリューチェーン拡大に向けて、2025年に子会社化した農産ベストパートナーに加え、2026年に子会社化を予定する株式会社アジテック・ファインフーズ(食品製造・販売事業)、株式会社コメプロ(旧:株式会社穂海耕研、農業経営コンサルティング事業)とのシナジー創出を加速させ、収益力のさらなる向上を図ってまいります。 (情報関連事業)情報サービス業界におきましては、DX推進は継続的な経営課題であり、クラウドサービスの更なる拡大、AI活用推進、セキュリティ対策の強化等、大企業を中心に投資が加速すると見込まれます。一方で、需要の増加に伴い、IT人財不足もさらに深刻化すると見込まれます。このような状況下で、情報カンパニーにおきましては、技術者の確保、提携先との更なる関係強化を図り、汎用機基盤の開発や運用業務の拡大を図るとともに、ヤマタネグループ内でのDX支援を通じ、各カンパニーとの連携強化とシステム課題解決ノウハウの積み上げを両輪で進め、新たなサービスの開発に邁進してまいります。あわせて、2025年より取り組んでいる既存顧客への機器販売サービスと地方におけるサービス提供を拡充するなど、収益力強化と顧客開拓を推進してまいります。 (不動産関連事業)不動産業界におきましては、人件費や資材価格の高騰を背景に建築コストの上昇が続いており、新築物件の価格は引き続き高値圏で推移しています。また、金融政策の転換に伴う金利上昇が本格化しており、住宅ローン動向や不動産投資市場への影響をより一層注視する必要があります。賃貸オフィスビル市場におきましては、主要都市での大規模開発による大量供給が続くものの、企業のオフィス回帰や拡張移転の需要は堅調です。しかしながら、最新設備や環境配慮型(ESG)物件にニーズが集中する一方で、築古物件では空室が目立つなど、物件の競争力に応じた二極化が一段と進むと見込まれます。このような状況下で、不動産カンパニーにおきましては、中長期修繕計画に基づき、物件の付加価値や安全性の向上を図るとともに再生可能エネルギーの積極的な活用等、環境に配慮したオフィスビル運営により、既存物件の品質、サービスの高度化を図り、高稼働率を維持してまいります。さらにグループ全体の企業価値の向上を目指し、資産の有効活用、流動化等のCRE戦略の高度化を進めてまいります。また、新たな分野への取り組みとして、2026年2月に公表した「棚田を中心とした持続可能な地域づくりに関する連携協定」に基づき、農地を中心とした地域の文化・資産を保全し、持続可能な地域づくりに取り組みます。また、2026年3月から計画策定パートナーとなった清水建設株式会社とともに越中島開発計画を着実に推進してまいります。 日本の農業は、高齢化による生産者の減少、資材や農機具の高騰、異常気象など様々な課題を抱えています。 ヤマタネグループでは、パーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」のもと、ヤマタネグループのリソースやノウハウを活用し、「産地の続くを支える」ために産地側・販売側一体となったバリューチェーンを構築し、農業分野の課題解決に向け取組んでおります。 農業問題への対処すべき課題は以下のとおりであります。(農業問題への取組み)地域の生産者と共に直接農業生産を行うとともに、連携企業を通じた生産現場の課題解決や販売・加工機能の強化、流通基盤の構築により、一貫した新たな農業運営モデルの確立を目指す活動を行っております。●農業生産への直接的な参画・連携・・生産基盤の弱体化と将来の供給不足への取組み <現状>・一次産業従事者の高齢化や担い手不足による急激な減少により耕作放棄地が拡大し、将来的な米の安定 供給が危ぶまれております。ヤマタネでは中長期的にはこの担い手不足によりコメの需要が供給を恒常的に 上回ることを見込んでおります。⇒各事業との連携・地域の生産者と共に自ら農業生産に参画するとともに、農業生産法人等との連携や出資を通じて関連圃 場面積を拡大(合計約1,650ha)し、将来を見据えた安定供給体制の構築を進めております。あわせて、 大規模かつ複合的な営農モデルを推進し、高収益化を図ることで、産地の継続性担保を目指します。 ●専門企業との連携による生産現場の課題解決・・労働力不足や低生産性、環境負荷への取組み <現状>・一次産業従事者は高齢化や担い手不足といった要因から、大幅な人財不足状態にあり、加えて生産性の 向上が課題となっております。・ヤマタネグループが取扱うコメ生産においては利益率が低い状態にあり、気候変動リスクなど生産現場を取 り巻く環境は厳しい状態です。⇒各事業との連携・人材支援企業等を通じた人財派遣による、生産現場における労働力不足を解消する取組み。・コンサルティング企業等を通じた営農・経営支援による、大規模農家の「儲かる農業」への取組み。・食用消費されなかったお米を、独自技術でアップサイクルし、農家所得の向上等に貢献する取組み。・未利用バイオマス活用(籾殻セルロース抽出等)で、生産者の収益改善と環境負荷低減を図る取組み。・稲作における温室効果ガスの削減への取り組み推進により持続的な農業に貢献する取組み。・農業リモートセンシングや、自動で雑草を抑制する農業用ロボットを活用した有機栽培の促進。・脱炭素・低環境負荷米の生産・流通を通じて米の付加価値を創出する取組み。 ●販売・加工機能の強化による確実な販売先の提供・・需要変化やフードロス、低収益性への取組み <現状>・消費者のライフスタイルの変化(簡便化・健康志向)や、深刻化するフードロス問題など、需要側にお いても新たな市場課題が発生しております。これらの需要側の変化に的確に対応できなければ、生産者 の安定的な所得向上は難しくなります。⇒各事業との連携・業務用冷凍食品の卸売販売網の活用を通じた、新たな販売ルートの確保。・EC販売ノウハウを持つ企業等を通じた、グループ全体の販売力強化と新たな販路の開拓・最先端加工技術(ソフトスチーム加工)を持つ企業や健康志向製品を展開する企業等と連携し、規格外 作物の加工によるフードロス削減や高付加価値商品の開発を推進。・海外でおにぎり専門店を展開する企業等と連携し、海外市場の開拓を推進。 ●持続可能な米の流通基盤の構築・・物流停滞リスクと流通コスト上昇への取組み <現状>・ドライバー不足や時間外労働の規制強化により、重量物である米の輸送確保が課題となっております。・エネルギー高騰による物流費上昇が、生産者の収益確保や持続可能な農業体制への重荷です。⇒各事業との連携 ・物流カンパニーと食品カンパニーの連携による、米のサプライチェーン全体の最適化を推進。 ・産地からの調達輸送におけるモーダルシフトや、輸配送スキームの再検討による効率化の推進。 ・データの一元管理やAI導入による調達計画の自動化等、バックオフィス業務の効率化の推進
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ヤマタネグループにおいては、事業に関連する様々なリスクを適切に管理し、事業の遂行とリスク管理のバランスを取りながら持続的成長による企業価値向上をめざしております。このため、取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント方針を制定し、全社的なリスクマネジメントを計画・実行するために「リスクマネジメント委員会」を設置しております。事業を遂行していく上で生じる可能性のある様々なリスクへ適切な対応を行うために、現状を正しく評価し、発生可能性とその影響度を分析し、リスク対策の実施等を行い、リスクマネジメントの継続的な改善に努めてまいります。なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在においてヤマタネグループ(ヤマタネ及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 事業ごとの経営成績の変動リスク ヤマタネグループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおり、各事業の主要なリスクは以下のとおりです。(物流関連事業のリスク)ヤマタネグループの主要顧客である食品、家電、医療等の市場環境は多様であり、顧客の物流戦略の変化に伴う取扱量の変動が、ヤマタネグループの事業採算を悪化させるリスクがあります。また、物流の「2024年問題」や各種法改正、構造的なドライバー不足により、委託先運送業者の確保困難や外注コストが高騰し、輸配送網の維持に影響を及ぼす可能性もあります。これらのリスクに対し、ヤマタネグループは顧客との連携を深めてニーズを迅速に捉えるとともに、効率的な物流提案や適正な価格転嫁を推進することで、リスクの低減に努めてまいります。(食品関連事業のリスク)販売においては、人口減少や消費者の消費性向の変動により食料消費は減少していくことが想定されます。この市場環境の影響により競合との価格競争リスクが高まることが考えられます。調達においては米の生産地における高齢化の進展と昨今の気候変動の影響により生産量が減少していくことも想定され、調達価格の変動リスクも高まることが考えられます。また、深刻なドライバー不足により、重量物である米の輸配送網の維持困難や物流費高騰が事業採算を圧迫するリスクがあります。さらに、輸入冷凍加工食品については、地政学リスク、為替リスク等を抱えています。これらの販売・調達面や物流のリスクに対し、生産地やサプライヤーとの連携強化による調達力向上と、自社物流機能を活用した効率的なサプライチェーン構築により低減を図ります。さらに、信用低下や多額の損失を招く製造した商品に関する品質問題に対しては、「CS向上委員会」を通じた徹底した商品管理により対応してまいります。(情報関連事業のリスク)ヤマタネグループは汎用系システムを主力事業としてまいりました。しかしながら、AI等の先端技術が急速に進展する中、ヤマタネの主力である汎用系システム事業の技術競争力低下や、既存技術者の高齢化がリスクとして考えられます。同時に、高度IT人財の獲得競争激化により、顧客のDX需要に対応するリソースが不足する可能性があります。また、経済安全保障の観点や新技術の活用拡大に伴い求められるセキュリティ要件が急速に高度化しており、対応コストの増大やインシデント発生時の信用失墜リスクも考えられます。ヤマタネグループとしては、専門部署による先端技術の習得や外部システム会社との連携強化、積極的な人財投資、ならびに強固なセキュリティ管理体制の構築を通じて、リスクの低減を図ってまいります。(不動産関連事業のリスク)ヤマタネグループは首都圏を中心に保有しているオフィスビルの賃貸事業を主力事業としております。首都圏での大型オフィスビル供給増による空室・価格競争リスクを抱えております。また、本格化する金利上昇による調達コストの増加や不動産市況の変動リスクに加え、資材価格や人件費の高止まりによる建築コスト増大が、開発スケジュールの遅延や計画見直しを招くリスクがあります。さらに、環境規制強化に伴う既存ビルの改修コスト増大も懸念されます。ヤマタネグループは、柔軟な事業計画の推進や、環境配慮型物件への計画的な整備・開発により競争力を高め、リスク低減を図ってまいります。(各事業に共通するリスク)ヤマタネグループにおいて、取引先が属する業界の環境変化や顧客独自の理由により、突然の取引停止に至り損失を被るリスクがあります。加えて、近年のサステナビリティ要請への対応が遅滞した場合にも取引機会を喪失するリスクが考えられます。また、複数の事業展開において経営資源が分散し、事業間シナジーが十分に発揮されない場合、グループの競争力が低下するリスクを抱えています。これらに対し、ヤマタネグループは、顧客関係の強化、サステナビリティ推進、カンパニー制による連携強化により、リスク低減を図ってまいります。 (2) 財政状態の変動についてヤマタネグループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。また、ヤマタネグループが保有する資産について、今後経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施する必要が生じ、財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報セキュリティについて情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱いについてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合にはヤマタネグループのみならず取引先企業等への影響が予想され、ヤマタネグループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。 (4) 自然災害等について大規模地震等の自然災害や新型コロナウイルス等の感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、ヤマタネグループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。 (5) コンプライアンスについてヤマタネグループにおいては、企業の社会的使命を認識し、関係法令及び社内規程遵守の徹底により全ての企業活動が健全な商習慣と企業倫理に適合するよう、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、コンプライアンス基本方針を作成するとともに、行動規範、行動原則を制定しています。しかしながら、この様な活動を実施していても、関連法令、規制などに抵触する事態が発生する可能性があり、その場合には社会的信用の低下と多額の費用発生あるいは損害賠償が請求されるなど、ヤマタネグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人財についてヤマタネグループにとって人財は重要な経営資源であり、グループの成長のためには、人財の活用が大きな課題となります。またグループではそれぞれ異なる事業を展開しており、様々な人財を必要としております。この様な状況において、優秀な人財の採用、確保と人財の育成が出来ない場合、あるいは人財の流出等を防止できない場合にはヤマタネグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、適切な労務管理ができない等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など社会的信用の低下などの問題が生じる可能性があります。 (7) エネルギー価格や外注コスト等の高騰及び資材不足について昨今の中東情勢やウクライナ情勢の長期化、円安の進行等により、エネルギー価格の高騰が長期化する可能性があります。また、ナフサの供給不足を起点とする資材の調達競争の激化により、物流関連事業の車両燃料や荷役資材、食品関連事業の包装資材、不動産及び情報関連事業における建築資材や電子部品等の調達コストが上昇し、ヤマタネグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ヤマタネグループは、資材や調達ルートの見直し、デジタル化による資材消費の抑制など効率的な事業運営を進めるとともに、市場環境を踏まえた適正な価格転嫁を推進し、業績への影響の低減を図ってまいります。 (8) M&A等についてヤマタネグループでは、企業買収や出資を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業等についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収後の事業環境の変化や予期せぬ債務の発覚、統合プロセス(PMI)の遅れ等によりヤマタネグループの事業計画に支障をきたす可能性があり、ヤマタネグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ヤマタネグループは、管理部門人材の早期PMI参画や買収先への人員派遣を通じた迅速なガバナンス構築、また、経営陣による定期的な進捗評価を通じた適切なモニタリング体制を構築することで事業シナジーを最大化し、リスクの低減を図ってまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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