兵機海運(9362)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】兵機海運グループ(兵機海運及び兵機海運の関係会社)は、兵機海運(兵機海運株式会社)、及び兵機海運事業に密接に関わる関連会社2社により構成されており、内航海運、港湾運送、倉庫、外航海運等の事業活動を行っております。兵機海運事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (海運事業)内航海運……兵機海運の主力事業であり、主として国内の海上輸送業務を行っております。関連会社㈱吉美に姫路港での荷役の一部を委託しております。また、関連会社七洋船舶管理㈱は船員派遣等内航海運に関連する事業を行っております。外航海運……委託船を活用した国外の海上輸送業務を行っております。 (港運・倉庫事業)港運…………兵機海運の事業であり、神戸・大阪・姫路港で主として輸出入貨物を取扱っております。倉庫…………兵機海運の事業であり、神戸・大阪・姫路港で展開しております。関連会社㈱吉美に姫路港において入出庫荷役を委託しております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】兵機海運の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において兵機海運が判断したものであります。 (1)経営方針兵機海運は、「総合物流業者としてその業務を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと顧客のニーズを先取りし、生産と消費をつなぐ物流のエキスパートを目指しております。そのニーズに具体的に応える高度な情報力と革新的でスピーディーな経営を行うとともに社会や環境との共存を図り、株主、顧客、社員の信頼と期待に応えてまいります。(2)経営戦略等兵機海運は、2025年4月、兵機海運の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現すべく、長期経営ビジョン及び中期経営計画を策定・公表いたしました。長期経営ビジョンは、兵機海運の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すものであり、10年後の2035年度に向け、「VISION for 2035 物流“ソリューション”企業として新たなステージへ ~創業100年に向けた挑戦~」と題し、2042年の創業100年に向け、その中間地点にあたる2035年をターゲットとして、以下の3つの挑戦を掲げています。挑戦1:売上高200億円・営業利益10億円の実現挑戦2:新領域事業への進出挑戦3:“経営参画”意識をもった“人財”による強固な組織への変革また、同時に策定・公表した中期経営計画については、2025年度から2027年度までの3年間を長期経営ビジョンの実現に向けた『土台作り』の3年間と位置づけ、以下の4トピック10項目の取り組みテーマを掲げております。Ⅰ 基盤拡大1 大和工業株式会社グループとの資本業務提携によるさらなる連携強化Ⅱ 事業成長戦略1 船腹・船員増強による輸送力拡大2 継続的な設備投資3 荷主開拓による営業収益拡大Ⅲ 事業基盤戦略1 部門間連携による提案型営業力強化2 適正利潤の確保による利益率向上3 高収益商材を中心とした成長分野への取り組み強化Ⅳ その他取組トピック1 人的資本経営の実現2 システム・データ利活用の促進3 ESG経営への取り組み強化(3)経営環境次期の経営環境の見通しにつきましては、国内では実質賃金の改善が続けば個人消費の底堅さが期待される一方、労働力不足、原材料不足やエネルギー価格動向が企業収益に影響する見通しです。海外では主要国の政策動向や通商摩擦の再燃、中東およびウクライナ情勢など地政学リスクの長期化が国際物流や経済全体に影響を及ぼす可能性があり、先行きに不透明感が残ります。このような状況の下、兵機海運は収益基盤の強化、利益率の改善および業務効率化を進めるとともに、安全運航の徹底と船腹・要員の効率的運用を進め、環境変化に柔軟かつ的確に対応することを重要な課題と認識しております。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 内航事業では、中東情勢の影響により、船舶燃料である重油の調達が平常時よりも難しくなる可能性があります。原油の安定供給策の先行きを注視しながら、運航停止回避策や海上運賃のサーチャージ導入など、安定運航に支障をきたさない様な施策を講じてまいります。また、昨年同様に船員不足や労働環境改善策も重点施策としており、関係会社を通じた船員確保に加えて、兵機海運独自でも2025年度より実施している船員直接雇用の強化を継続してまいります。一方で、建造中の499トン型自社船は2026年6月末に運航を開始しますが、営業領域拡大を図るべく、新たな船種の可能性についても検討してまいります。 外航事業では、主要貨物である中国および中央アジア向け建機は、顧客のニーズに沿った輸送を提案し、継続受注が出来る様にサービス展開してまいります。なお、近海輸送は激しい運賃競争の事業環境が続いているので、利益率が高く競争に左右されない特殊貨物やニッチな輸送品の開拓も目指し、建機以外の貨物積み合わせ輸送で1航海当たりの運航効率を上げてまいります。また、営業のスタイルを従来の外航貨物のみの集荷営業だけではなく、内航輸送、国内陸上輸送、倉庫作業および通関を含めた総合物流力を発揮出来るよう、他部署との共同営業や共同提案など連携強化を図ります。 港運事業では、労働集約型ビジネスであるためベースアップ等により人件費が上昇しております。さらには、自由貿易や経済連携協定の拡大にともない、通関実務も複雑化していることから、港運事業に係る取扱料金および通関料金の改定交渉に取組んでまいります。また、業務に関連する海上コンテナ輸送および国内トラック輸送につきましては、ドライバー不足および燃料費が高騰しているなか、トラック適正化二法も施行されました。協力会社であるトラック運送事業者との連携強化を図り、適正運賃の支払いと顧客に対する価格転嫁を進めてまいります。営業面では、AI関連事業のデータセンターや蓄電池関連のプロジェクトカーゴの受注に注力いたします。 倉庫事業では、港運事業部門と連携を強化し、コンテナ型蓄電池を始めとする重量貨物や危険物貨物などの特殊貨物の集荷営業強化で売上拡大および収益性の向上を図ってまいります。また、システムを活用した業務効率化にも積極的に取り組むなどして、生産性向上を図ってまいります。加えて、作業員の高齢化に対処するため、新卒作業員の採用を進め、人材確保と技術の継承を図るとともに、安全教育の強化による労務問題や事故リスク低減に注力いたします。姫路地区倉庫においては、岸壁併設の野積み倉庫を利用して、内航船積み作業まで一体受注できる鉄鋼中間製品の営業拡大、および自社倉庫満床時の受け入れ先として外部倉庫ネットワークの拡大と活用を図ってまいります。(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2025年4月に公表した中期経営計画において、計画最終年度にあたる2027年度の目標計数として以下の計数を掲げております。 第85期2027年度(計画最終年度)売上高15,000百万円営業利益680百万円経常利益690百万円当期純利益480百万円
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において兵機海運が判断したものであります。 ① 事業環境の変化国内外の景気の変動や顧客の経済活動の変化、他社との協業等、事業環境の変化により貨物取扱量が減少することで、兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。特に、兵機海運の主力事業である内航事業は、その主な輸送品目が鉄鋼であり、経済活動の産業基礎物資である鉄鋼の需要は景気動向に 左右される面が大きいことから、今後の景気動向によりましては、兵機海運の業績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況を踏まえ、兵機海運は、2025年1月、大和工業グループ(下記5「重要な契約等」において定義します。)との間で、双方の企業価値を向上させることを目的とした資本業務提携契約を締結しており、今後の環境変化時においても、連携して対応していく体制を構築しております。また一方で、長年に培ったノウハウで顧客満足度をより一層高めるサービスの強化を図り、環境負荷が軽いモーダルシフトへの時代を見据えた取扱貨物の複線化についても取り組んでまいります。 ② 地政学的リスク長期化するロシア・ウクライナ紛争等の国際的な紛争、米国の関税政策、中東情勢等、国際的な緊張や対立が生じた場合、物流の停滞や、経済制裁による輸出入の禁止、資源価格の上昇等が経済全体に影響を及ぼすことで、兵機海運の経営にも影響を及ぼす可能性があります。 ③ コストに見合った料金設定円安や中東情勢等による燃料や原材料価格の高騰に加え、人件費の上昇等によるコスト上昇が続いている環境下で兵機海運が安定して成長していくためには、これらのコスト上昇分を適正に転嫁した料金を収受していく必要があり、その転嫁が不十分な場合は、兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、荷主企業との相互理解のもと、適正な料金設定に取り組んでおり、今後も継続してまいります。 ④ 人材の確保兵機海運が、総合物流企業として継続して発展していくためには、顧客に対し最適な物流提案を行うことが出来る優秀な人材を確保・育成していく必要があります。また、複雑化・高度化する通関事務に適切に対応していくための専門人材も確保していく必要があります。また、船員、倉庫作業員といった現業を担う人材の確保は物流業界全体の大きな課題となっております。これらの人材が十分確保できない場合には、兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。これらの課題に対処するため、採用チャネルの拡大や社員教育の充実に取り組んでおります。 ⑤ 金利動向兵機海運の資金調達手段は間接金融に負うところが大きいことから、金利上昇による利払い負担増加が業績に影響を及ぼすリスクがあります。倉庫や船舶といった大型設備投資に係る長期借入金の調達については、原則として固定金利での調達を行うことで将来の金利上昇リスクの低減を図っております。また、運転資金借入については、金利動向を注視しながら、固定金利と変動金利を組み合わせて調達することで利払い負担軽減を図っております。 ⑥ 為替動向兵機海運の事業においては、外貨建取引もあり、為替動向により兵機海運の損益に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、外航事業におけるドル建て売上と港運事業でのドル建てのフレイト支払等で相殺され、為替変動リスクは従前より軽減されております。 ⑦ 事業用資産の減損兵機海運は倉庫や船舶などの事業用固定資産を多く保有しておりますが、経営環境の変化等で、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合などには、減損会計の適用により減損損失が発生し、兵機海運の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 傭船先の経営状況の動向一部の傭船先について、船舶取得のための金融機関借入に対し債務保証を行っていることから、経営環境の変化による傭船先の経営状況によっては、債務保証の履行等により、兵機海運の業績および財務に影響を及ぼす可能性があります。但し、当該保証債務は担保による保全によりリスクは低減されております。また、傭船先に対しては、通常の訪船活動でのモニタリングに加え、財務諸表等を定期的に徴求する等により、経営状況を常に注視しております。 ⑨ 法的規制への対応兵機海運の事業は、各種の法的規制を受けており、これらの規制への対応が適切に行われなければ、兵機海運への信用低下を招き、兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。また規制の改廃や新設が行われた場合には、その対応のためのコストの増加が経営に影響を及ぼす可能性があります。兵機海運では、コンプライアンス委員会を中心に、業務の適正を確保する体制を構築するとともに、必要に応じて、外部の専門家に適宜意見を求めて、その補完としております。 ⑩ 業務上の事故輸送貨物や保管貨物の安全確保が不十分な場合には、貨物保証リスクの懸念があります。また、兵機海運の輸送手段である船舶については、事故等による運航リスクがあります。これらの事故が発生した場合、兵機海運の業績及び財務に影響を及ぼす可能性があります。兵機海運では、これらの事故の未然防止策として、内航・外航海運事業では、月次の船舶安全会議及び訪船時の注意喚起、倉庫部門では月次の安全衛生会議及び外部の専門家による安全衛生講習等による指示事項の順守を図っております。 ⑪ 労働災害兵機海運は、船舶、倉庫などの現場作業を多く有しており、事故等の発生により、作業員の負傷等の労働災害が発生するリスクがあります。事故発生の未然防止策として、安全教育の強化による事故リスク低減に注力しております。 ⑫ 情報システムリスク兵機海運は、基幹システムをはじめとする多くの業務システムを有しております。これらのシステムが障害等により正常に稼働しない事態が発生した場合には、業務の遂行ができないことによって兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。また、兵機海運は業務上、多くの顧客情報を有しており、これらの情報がサイバー攻撃等による外部漏洩や紛失等の事態に陥った場合には兵機海運の経営に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、情報セキュリティに関する最新情報を入手しながら、ネットワークシステムのセキュリティ向上に継続して取り組んでおります。 ⑬ 自然災害等の発生兵機海運の事業拠点において自然災害が発生した場合には、顧客の輸送サービスが停止することによる売上高の減少、また被災設備の修復の費用負担等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。兵機海運では、近年の自然発生の頻度から想定しうる範囲内で、顧客サービスの維持・従業員の安全・兵機海運施設の保全に現場からの意見を重視しながら、全社的に取り組んでおります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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