SCSKグループは、SCSK、連結子会社33社、持分法適用関連会社3社より構成され、「産業IT」「金融IT」「ITソリューション」「ITプラットフォーム」「ITマネジメント」及び「その他」の報告セグメントに係る事業の連携により、ITコンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO等のサービス提供を行っております。
顧客企業は、多くの上場企業を含む日本の産業構造を代表する大手及び中堅企業であり、親会社である住友商事㈱は大口得意先であります。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
SCSKグループにおける6つの報告セグメントに係る事業並びに事業展開の状況は次のとおりであります。
産業IT
主に製造、通信、エネルギー、流通、サービス、メディア等の顧客に対して、長年の実績とノウハウに基づき「基幹系システム」「情報系システム」「SCM」「CRM」等のシステム開発、保守・運用を通じて、様々なITソリューションを提供しております。
また自動車業界の顧客に対して自動車の電子制御を行うECU(Electronic Control Unit)に搭載されるソフトウェアにおいて、モデルベース開発を用いた組み込みソフトウェア開発や、自社製品であるミドルウェア(QINeS-BSW)の提供、ソフトウェア検査、プロセス改善等の幅広いソリューションをグローバル規模で提供しております。
(主な子会社)
㈱ベリサーブ、SCSK九州㈱、SCSK北海道㈱、
SCSK USA Inc.、SCSK Europe Ltd.、思誠思凱信息系統(上海)有限公司、
SCSK Asia Pacific Pte. Ltd.、PT SCSK Global Indonesia、SCSK Myanmar Ltd.、
SCSKオートモーティブH&S㈱
金融IT
主に銀行・信託、生損保、証券、リース、クレジット等の金融機関におけるシステム開発・保守・運用に携わり、金融業務を理解した高度な金融システムの構築実績を有するプロとして、顧客の金融ビジネス戦略の実現と、安全かつ効率的な経営をサポートしております。
(主な子会社)
SCSK RegTech Edge㈱
ITソリューション
自社開発のERP(統合基幹業務)パッケージであるPROACTIVEや生産管理システムをはじめ、Oracle等のERPの導入・開発から保守・運用までのライフサイクル全般を支援するAMO(Application Management Outsourcing)サービスやECサービス・コンタクトセンターサービス等の幅広いITソリューションを提供しております。また、人手による支援業務とITを組み合わせた、IT企業ならではのBPOサービスを提供しております。
(主な子会社)
SCSKサービスウェア㈱、ダイアモンドヘッド㈱、㈱Skeed
ITプラットフォーム
確かな技術力・ノウハウに基づき、ITインフラ分野とCAD、CAE等「ものづくり」分野において、最先端技術を駆使し、顧客のニーズに的確に応えるサービス/製品を提供し、顧客の様々なビジネスを柔軟にサポートしております。
(主な子会社)
ネットワンシステムズ㈱、㈱アライドエンジニアリング、SCSKセキュリティ㈱
ITマネジメント
堅牢なファシリティや高度セキュリティを備えたソリューション志向のデータセンター「netXDC(ネットエックス・データセンター)」を展開し、運用コストの削減、インフラ統合・最適化、ガバナンス強化、事業リスク軽減等、顧客の経営課題を解決する提案型アウトソーシングサービスを提供しております。また、各種クラウドのインフラ提供、オンサイトでのマネジメントサービス、24時間365日のSEサポート等の提供を行っております。
(主な子会社)
SCSKシステムマネジメント㈱、ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン㈱、
SDC㈱、SCSK NECデータセンターマネジメント㈱
その他
幅広い業種・業態におけるソフトウェア開発とシステム運用管理、システム機器販売、コンサルティングサービスや地方拠点の特色を活かした、SCSKグループ各社からのリモート開発(ニアショア開発)等を行っております。
なお、「その他」の事業は、いずれも2024年3月期及び2025年3月期において報告セグメントの定量的な基準値を満たしていません。
(主な子会社)
SCSK Minoriソリューションズ㈱、㈱Gran Manibus、
SCSKニアショアシステムズ㈱
SCSKグループにおけるセグメント区分と主要な関係会社の関係は下図のとおりとなります。
(注) 1 各報告セグメントにおいては、SCSK及びグループ各社が顧客との直接取引を行うとともに、グループ間において機能を補完する取引を行っております。
2 上記の関係会社は主な連結子会社であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、SCSKグループが判断したものであります。
(1) SCSKを取り巻く事業環境と対処すべき課題
国内のITサービス市場は、生成AIやブロックチェーン、クラウドコンピューティング、モバイルテクノロジーをはじめとする急速なテクノロジーの進化、データ分析技術の進化に伴うデータ活用の重要性の増加、データ流出やサイバー攻撃などのセキュリティリスクの増加など、企業のIT戦略、IT投資に質的変化が生じ、ビジネスとITの関係は一層密接になっております。
ITサービス企業は、これらの環境を踏まえ、常に新しい技術を取り込み、自社製品・サービスの継続的な提供価値の向上、革新的な製品・サービスの創出が求められております。また、事業環境の変化が加速し、先を見通すことが難しい「不確実な時代」に持続的に成長していくためには、事業分野、事業モデルの再構築による自己変革が重要となります。
このような事業環境の変化の中、SCSKは経営理念「夢ある未来を、共に創る」に立ち返り、「サステナビリティ経営」を実践していく上で、優先的に取り組む領域を決めて共有するために「マテリアリティ(重要課題)」を策定し、当該方向性を踏まえた2030年の目指す姿としてグランドデザイン2030を策定しました。このグランドデザイン2030の実現に向け2023年4月に第二期の計画となる「中期経営計画(FY2023-FY2025)」を発表いたしました。
<マテリアリティ>
SCSKグループの事業とSCSKグループならではの強み、社会へ対して果たすべき役割から、以下7つのマテリアリティを策定しております。
<グランドデザイン2030>
グランドデザイン2030では、お客様やパートナーと共に社会課題の解決に貢献するビジネスを創り出すことによって、「2030年共創ITカンパニー」の実現を目指しています。
目指す姿の実現に向けて、SCSKグループの本質的な企業力を向上するべく、経済価値と社会価値、人的資本価値等の非財務要素を包含した企業価値である“総合的企業価値”の飛躍的な向上を図るとともに、従来とは非連続な価値創出を前提に社会課題の解決をリードする一流の会社を目指すことを意図する「売上高1兆円への挑戦」を掲げ、具体的な実現へのステップである中期経営計画に取り組んでいます。
<中期経営計画>
中期経営計画(FY2023-FY2025)は、グランドデザイン2030の実現に向けた第二期の中期経営計画として位置付けており、事業分野・事業モデルの再構築を進め、SCSKグループ発で新たな価値を提供する領域に積極的に取り組むことに加えて、収益性・生産性の高い事業モデルへのシフトを進めます。また、社員の能力を最大限に発揮できる業務環境の整備や事業分野・事業モデルの選択・構築を行うことで、社員一人ひとりの市場価値の最大化に取り組んでいきます。それらの推進に向けた具体的な取り組みをグループ基本戦略として取りまとめています。
<グループ基本戦略>
“総合的企業価値”の飛躍的な向上に向け、
・お客様や社会に対して、新たな価値を提供し続けるため、事業分野、事業モデルを再構築する
・社員の成長が会社の成長ドライバーと認識し、社員一人ひとりの市場価値を常に最大化する
(基本戦略1)事業シフトを断行~3つのシフト~
① 顧客市場 - 成長力ある事業領域へのシフト
② 提供価値 - 高付加価値分野へのシフト
③ 事業モデル- 高生産性モデルへのシフト
(基本戦略2)成長市場において、市場をリードする事業を推進
(基本戦略3)社会との共創による「次世代デジタル事業」を創出
(経営基盤強化)
① 技術ドリブン推進
② 人材価値最大化
③ 共感経営の推進
(成長投資)
3年間で1,000億円規模の積極的な投資を実行
(経営指標)
・財務目標
持続的な成長に向けた事業分野・モデルの再構築により高収益成長を実現
<2026年3月期>
- 営業利益:650億円
- 営業利益率:12.5%以上
- ROE:14%
・株主還元
<2026年3月期>
- 配当性向:50%
(2)中期経営計画の進捗
本中期経営計画を、「2030年 共創ITカンパニー」に向けた第二期として位置付け、第一期(FY2020-FY2022)の基本戦略の施策を収益化・業績貢献に繋げるべく、本中期経営計画における3つの基本戦略、経営基盤強化により推進いたします。
●基本戦略1:事業シフトを断行~3つのシフト~
•事業環境の変化に対応し持続的な成長に向け、事業分野・事業モデルを再構築いたします。
•収益率の向上とともに、持続的成長への投資余力・成長余力を創出いたします。
(取り組み例)
① 成長力ある事業領域へのシフト
組織ごとに対象領域を決め、事業の選択と集中を実施し、全社レベルで成長力ある事業領域(製造領域、モビリティ、セキュリティなど)へ要員をシフトし、個別リスキリング施策を実施しております。また全社でも、成長力ある事業領域への対応力を高めるべく、デジタルスキル標準教育を行っております。
② 高付加価値分野へのシフト
システム開発における上流工程へのシフト、及び、上流工程を担う高度人材の育成・獲得に取り組んでおります。また、提供価値に見合った取引価格へと、単価の適正化の取り組みが順調に進展しております。
③ 高生産性モデルへのシフト
生成AI活用による開発生産性向上に向けて、要件定義から運用、営業支援、企画・分析まで、各工程における適用検証を、全社の推進事項として実施しております。
●基本戦略2:成長市場において、市場をリードする事業を推進
•クラウド・デジタル活用にて成長を期する市場・技術領域において、SCSKグループの保有する強みをもとに、市場成長への貢献と共に、SCSKグループの高成長を実現いたします。
•現有リソースにとらわれないリソース集中、先進技術を組織的に活用、継続的に対象事業を見出します。
●基本戦略3:社会との共創による「次世代デジタル事業」を創出
•コア事業の知見を活かし、従来とは非連続な「次世代デジタル事業」、社会へ新たな価値創出をリードいたします。
•SCSKグループ「マテリアリティ」を起点とした領域における継続的な事業の開拓・挑戦を行います。
(基本戦略2及び基本戦略3の取り組み例)
・金融領域において、AML(Anti-Money Laundering)専業子会社「SCSK RegTech Edge㈱」が、2022年6月に成立した「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図る為の資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」における為替取引分析業の許可を第1号業者として取得しました。SCSK RegTech Edge㈱は、SCSK事業を承継し、金融犯罪対策ソリューション「BankSavior®シリーズ」製品のサービス提供を主軸に、長年にわたり培ってきた金融犯罪対策業務の知見と経験をもとに、ますます巧妙化が進む犯罪組織の手口に対応し、専門特化した組織においてさらなる知見の蓄積と高度なサービスを提供してまいります。
・セキュリティ領域において、サイバーセキュリティ対策に特化した専業子会社「SCSKセキュリティ㈱」を設立し、事業を開始いたしました。セキュリティの専門家として、プロダクト事業とサービス事業の両輪で、お客様のサイバーセキュリティにおける課題解決を支援してまいります。
●経営基盤強化
「技術ドリブン推進」
先進技術獲得による新たな価値創出・事業開拓、社会実装に向けた高度先進技術者の拡充を行うとともに、長年蓄積された業務ノウハウ・著作物等の知財化、全ての顧客フロントでの顧客課題解決に向けた活用促進による知財価値の向上、ファンド出資等を通じたベンチャー企業との協業等のオープンイノベーションの推進を一層強化いたします。
「人材価値最大化」
本中期経営計画の方針である「社員の成長が会社の成長ドライバーと認識し、社員一人ひとりの市場価値を常に最大化する」の実現のため、多様な人材が活躍できるよう、ダイバーシティ&インクルージョンの実践、Well-Being・健康経営の推進、事業戦略と人材ポートフォリオの最適化、処遇・報酬制度等による基盤整備を行います。
「共感経営の推進」
会社・トップマネジメント・リーダーと社員の双方が“共感”することで、一人ひとり、あるいは一企業では成し得ない、大きく・新たな価値を生む原動力となることを踏まえ、共感経営を推進してまいります。
(経営基盤強化取り組み例)
・AIの戦略的専門組織として「AI CoE」ならびに「SCSK AI Integration Lab.」を設立し、自社事業における AI 適用、及びお客様向けの AI 導入支援を加速いたします。お客様への価値提供を通じて蓄積された技術、及びAI をはじめとした、SCSKグループが将来を見据え、先行して習得・蓄積する先進技術を起点に、主体的にお客様や社会のデジタル化に貢献してまいります。
・持続的な人的資本の向上や確保の推進に取り組んでおり、事業戦略に連動した人材ポートフォリオを策定し、デジタル先進技術者や高度デジタルスキル人材等の育成とその能力を発揮する場を整備しております。また、SCSK独自の「SCSK Well-Being Score」を定義、社員のWell-Beingの実感度を測る重要な指標として、可視化の推進・改善サイクルを実行し、働きやすい、働きがいのある会社へのステージアップを目指しております。
(1)リスクマネジメントの基本方針と体制
SCSKでは、リスクを「損失を被る可能性、又は事業活動から得られるリターンが想定から外れる可能性」と定義し、SCSKグループの事業活動の安定化と企業価値の向上を図るため、事業活動遂行時のさまざまなリスクを可能な限り想定し、以下の目的を持って継続的なリスクマネジメントを実施しております。
SCSKでは、グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを適切にマネジメントするため、リスクマネジメントに関する規程を定め、併せてリスクマネジメントの統括部署としてリスクマネジメント部を設置しております。本規程に基づき、毎年定期的に国内外のグループ会社も含めリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価)を実施しております。その実施にあたっては、リスク所管部署並びに事業グループ等の各組織が、リスクマネジメント部と協力してリスクシナリオを作成の上、リスクを洗い出し、影響度と発生可能性の2軸で定量的にリスク評価をしております。その後、リスクマネジメント部において各リスクを全社リスクマップとして可視化させ、重点的対応が必要と考えられるリスクについては、当該リスクの性質や状況に着目しつつ、適切な対策が講じられるよう取組んでおります。
リスクマネジメント部は、これら一連のリスクマネジメント活動が適正に機能するよう、全社視点で一元的にリスク管理状況の把握・評価を行い、定期的に執行役員 社長に対して報告するとともに、適宜リスク対応方針の指示を受けております。また、これらの状況全般について、経営会議へ報告の上、取締役会に報告しております。
上述のリスクマネジメント活動を通じて、事業環境の変化に適応するためにリスクマネジメントの高度化に努めております。
(2)事業等のリスク
SCSKグループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在においてSCSKグループが判断したものであります。
① 事業環境リスク
SCSKグループが属するITサービス業界において、クラウド化やDX化の進行や昨今の急速なAI技術の成長による市場の質的変化に加え、慢性的なIT人材不足や顧客企業の内製化が加速している状況にあり、ITサービスの開発・利用環境が大きく変わりつつあります。また、サステナビリティ意識の高まりを受け、政府や企業等においても「脱炭素」、「循環経済」等、社会課題解決への取り組みが進む一方で、世界的な紛争が拡大・長期化傾向にあり、地政学リスクの顕在化も懸念されています。更に国内においては、為替相場や国内労働市場の変化等を背景にした物価や人件費の高騰が起きております。このような環境の下、事業環境・経営環境の変化等により顧客企業のIT投資への意欲が急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が今より激化した場合には、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客企業におけるIT投資実行の時期と規模は、経済環境、金利・為替動向等に影響を受けるため、間接的にSCSKグループの業績も影響を受ける可能性があります。
このため、SCSKグループは経営の基本スタンスとして「成長戦略としてのサステナビリティ経営」を掲げ、AI技術も含めたコアコンピタンスを活用して、様々な業種・業態の顧客企業と社会と共に、各種の社会課題にビジネス機会を見出し、社会が必要とする経済価値と社会価値の創出を実現することに取り組んでおります。従来の事業分野や事業モデルにとらわれることなく、成長可能性のある市場・事業領域を選択し、より収益性・生産性の高い事業モデルへとシフトすることを目指します。
② システム開発リスク
SCSKグループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、大型かつ複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画どおりの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにニアショアを含む多数の業務委託会社と取引しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。
このため、SCSKグループでは、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施等で全社標準を整備・運用し、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。
③ 技術革新への対応に伴うリスク
ITの技術革新は激しく、既存技術の進化や新たな技術へのキャッチアップの遅れ、またITサービス市場における技術標準の急速な変化によって、SCSKグループが保有する技能・ノウハウ等が陳腐化し、競争優位性を喪失する可能性があります。このような環境下、SCSKグループが技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測し得ても適切に対応できない場合には、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは、技術革新に適時・的確に対応する以下のような戦略的取り組みを行っております。
・研究開発組織を設置し、先端・先進技術の開発や市場の技術動向分析、政府のIT戦略と重点分野の把握、保有技術把握の実施。
・スタートアップ・アクセラレーターやコーポレート・ベンチャーキャピタルファンドを通じた新しい技術の組織的発掘の推進(技術提携を含む)。
・従業員の技術スキル向上を目的とした取り組みの実施。
また、システム構築やサービス提供にかかる技術並びに製品の調達の分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。
④ 情報セキュリティリスク
SCSKグループでは、顧客向けに各種のITサービスを提供しており、システム開発から運用に至るまで、業務を通じて、顧客企業が保有する個人情報やシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。このような状況において、コンピュータウイルスや不正アクセス等のサイバー攻撃、もしくは人為的過失等により、機密情報の漏えい・改ざん等が発生する可能性があります。あるいは顧客システムの運用障害やその他の理由により、顧客向けITサービスが停止を余儀なくされる可能性があります。この結果、顧客企業等からの損害賠償請求やSCSKグループへの信頼喪失を招き、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは、セキュリティシステムを導入し、サイバー攻撃の検知時に的確に対応する体制を整備しております。また、役職員のコンプライアンス意識の徹底を図るとともに、SCSKグループのみならず各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて啓発と教育を徹底する、全社開発標準に情報セキュリティ観点を組み込み、情報セキュリティ監査を実施する等の情報セキュリティ強化策を講じております。業務委託会社にはSCSKの規定する「情報セキュリティガイドライン」の遵守を求め、確認書による定期的なモニタリング、必要に応じたオンサイトレビュー(立入調査)及び是正指導等により、SCSKグループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を要請しております。また、予期せぬ情報流出・漏えいの発生に備え、専用保険に加入しております。
⑤ 投資リスク
SCSKグループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への投融資、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また、重点分野や新規分野におけるソフトウェア開発やサービス開発のための投資を行っております。こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは、投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整え、強化に努めております。
⑥ 知的財産権に関するリスク
SCSKグループは、外部ベンダーの開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、このような事業活動において、第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等をSCSKグループに対して提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは第三者の知的財産権に関する調査等を行うとともに、知的財産権に関する社内での教育・啓発を図り、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めております。
⑦ 製品調達リスク
SCSKグループでは、国内外のベンダー各社から、幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しておりますが、これらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更やグローバル化が進むサプライチェーンが様々な世界情勢によって停滞すること等による製品供給の停止がSCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、独自の海外拠点・ネットワークを活用して海外製品・技術の発掘、情報収集に努めている他、国内外のベンダー各社と良好な取引関係を維持して製品販売戦略を共有しつつ、必要な場合はSCSKが適量の在庫を保持することにより安定的な製品の調達を図っております。
⑧ 大規模な自然災害等によるリスク
本社を含めた大都市圏の拠点と資産が首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模震災により被災した場合や気候変動に起因した大規模自然災害及び世界的な流行が懸念される新型ウイルス等の感染症が発生した場合、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、不測の事態の発生に備え、事業継続計画の策定や災害対策本部の整備、経営機能を代行可能なバックアップ拠点の整備等の他、SCSKグループ社員やSCSKグループで働くパートナーの在宅勤務等を通じ、従業員の安全の確保に努めつつ、事業継続のための体制強化を図っております。
⑨ 人材の確保・育成に関するリスク
SCSKグループの事業活動においては人材が最大の経営資産であり、人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、SCSKグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、事業規模拡大にあわせた新卒採用に加え、即戦力となるキャリア採用を強化することで、事業革新および新たな事業創出のために必要な人材の安定的確保に努めております。事業戦略の実現に向けては、事業領域ごとの戦略に応じた人材ポートフォリオ計画の策定により計画的な採用・育成を推進し、IT人材の市場価値の高まりへ対応するための評価・報酬制度を整備するとともに、多様な働き方を実現することで、優秀な人材の確保と定着を図っております。また、社員が安心・安全に仕事をできる働きやすい職場環境づくりと、社員の健康の維持・増進を目指す健康経営の推進により、社員の能力を最大限に引き出し、仕事に対する充実感や働きがいの実感による組織への高いエンゲージメントの維持を目指しております。事業戦略と連動した人材戦略を実行することで、事業成長とエンゲージメント向上の好循環を実現し、優秀な人材の確保・育成を図っております。
⑩ サステナビリティに関するリスク
(a)気候変動に関するリスク
異常気象や風水害が社会生活や事業活動に及ぼす影響が甚大であることから、企業に対して社会全体から温室効果ガスの排出量削減に向けた取り組みや、再生可能エネルギーの導入など「脱炭素社会」へ向けた積極的な対応が求められております。このような中、顧客企業をはじめとする様々なステークホルダーからSCSKグループの脱炭素社会実現に向けた取り組みが不十分だとみなされた場合、事業機会の逸失や社会的評価の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは、SBTイニシアチブの認定を取得した中長期的な温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、削減に向けて、環境に配慮した事業活動に意欲的に取り組むとともに、幅広い業界にわたる顧客企業やパートナー企業との共創を通じて脱炭素社会の実現に貢献しております。また、SCSKグループのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みについてはホームページで開示しております。
(https://www.scsk.jp/corp/csr/environment/carbonneutral.html)
(b)人権に関するリスク
国連で「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択されるなど、社会的責任の観点から企業に対して人権に配慮した適切な対応が要請されております。人権にかかわる対応が不十分な場合、SCSKグループの社会的な信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、SCSKグループでは、事業活動に関わる一人ひとりの個性や価値観を尊重し、互いの力を最大限に活かせるよう、経営理念とともに約束の一つとして「人を大切にします。」を掲げております。これらに基づき、SCSKグループの事業活動の影響を受けるすべての人々の人権を尊重するという考え方や責任について示すものとして「SCSKグループ人権方針」を策定しております。また、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築することで、事業とサプライチェーン全体で起こりうる人権への負の影響を特定し、その防止、又は軽減を図るように継続的に努め、企業として社会的責任を果たしております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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