応用地質グループ(応用地質及び応用地質の関係会社、以下同じ)は、応用地質(応用地質株式会社)、子会社26社及び関連会社4社により構成されており、防災・インフラ事業、環境・エネルギー事業、国際事業の3つの事業を営んでおります。
応用地質グループの事業内容及び応用地質と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
《防災・インフラ事業》
応用地質、国内の連結子会社9社、及び関連会社1社は、主に自然災害(地震・津波・火山災害、豪雨災害、土砂災害など)に対する社会や企業の強靭化を支援するためのソリューションサービス、及び社会インフラの維持管理(整備・維持・更新)を支援するためのソリューションサービスを提供しております。
《環境・エネルギー事業》
応用地質、国内の連結子会社4社は、主に地球環境の保全及び負荷軽減対策などを支援するためのソリューションサービス、及び資源・エネルギーの開発・保全・有効活用などを支援するためのソリューションサービスを提供しております。
《国際事業》
海外の連結子会社13社、及び関連会社3社は、海外におけるインフラ整備やメンテナンス、防災、資源・エネルギー開発に関わる製品・ソリューションサービスを提供しております。
(注) 無印.連結子会社 26社
※1.関連会社 持分法適用会社 4社
以上について事業系統図によって示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において応用地質グループが判断したものであります。
① 応用地質グループを取り巻く経営環境
長期化するウクライナ情勢に加え、中東情勢の緊迫化などによるエネルギー価格および原材料価格の高止まり、世界的な物価上昇や中国の景気減速など、国際情勢における不確実性は高まっています。また、国内においてもコロナ禍後の社会・経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られるものの、資源・資材価格の高騰、労働市場における需給の逼迫など引き続き不安定要素を抱える状況が続いています。
こうした中で応用地質グループを取り巻く市場環境を見ると、国内においては、政府による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」(2021年度から2025年度までの5年間で約15兆円程度の事業規模を想定)策定後も、改正国土強靱化基本法が成立(2023年6月)する等、公共事業分野において引き続き安定的な市場機会が見込まれます。また、国内外でのグリーンエコノミーへの政策転換の動き等が活発化しており、資源循環や生物多様性ビジネス市場の拡大も期待されます。更には、2050年までにカーボン・ニュートラルを目指す政府方針のもと、洋上風力発電等の再生可能エネルギー分野の市場拡大も予想されます。こうした点を踏まえ、応用地質グループの各事業の市場環境を概観すると以下のようになります。
《インフラ・メンテナンス事業》
国内においては、国土強靭化計画の進展や高度成長期に建設された各種社会インフラの老朽化を背景に、公共部門を中心にインフラの補修・維持管理や建替え等に関する需要が今後も継続することが予想されます。また、海外においても先進国を中心に同様な需要増が期待されます。
《防災・減災事業》
近年は、台風や豪雨等による自然災害が毎年のように発生・激甚化しており、そうした災害からの復旧工事の需要や災害防止のための需要、災害発生の予兆把握に関する需要などが高まる傾向があります。こうした、国土強靭化計画の進展や防災・減災意識の高まりを背景に、同事業関連の需要は今後も拡大していくことが期待されます。
《環境事業》
環境に関する社会的関心・意識は近年大きく高まってきており、応用地質グループが実施する環境アセスメントやアスベスト対策サービスなどに加え、脱炭素社会や資源循環型社会の形成に繋がる業務への需要が高まっていくことが期待されます。また、自然災害の多発化や資源循環という観点からも、応用地質グループが提供する災害廃棄物処理支援関連サービスへの需要が堅調に推移することが期待されます。
《資源・エネルギー事業》
世界的な脱炭素化の流れや政府による「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」策定に伴い、再生可能エネルギーへの関心が高まっており、応用地質グループの洋上風力発電関連支援サービス等に対する需要も高まっていくことが期待されます。また、政府の原子力政策の見直しに伴い、原子力発電所関連の地質調査などの需要も高まることが期待されます。
② 経営方針並びに対処すべき課題
応用地質グループは、こうした経営環境を踏まえ、長期ビジョン『OYOサステナビリティビジョン2030』および中期経営計画『OYO中期経営計画2026』を策定しました。『OYOサステナビリティビジョン2030』のアクションプランとして策定しました『OYO中期経営計画2026』の遂行により、社会・環境価値と事業収益を向上させ、持続可能な社会の実現への貢献を目指します。
(1)『OYO Advance 2023』の振返り
応用地質グループは、サステナブル経営の推進を基本方針とする中期経営計画『OYO Advance 2023』を通して、4つのセグメント(インフラ・メンテナンス、防災・減災、環境、資源・エネルギー)にて「社会価値」「環境価値」「顧客価値」の最大化に取り組んでまいりました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を主軸としたイノベーション戦略にも注力してまいりました。加えて、政府のカーボン・ニュートラル方針や第6次エネルギー基本計画の策定などを背景に、再生可能エネルギー市場拡大の動きが加速するなかで、洋上風力発電関連業務を伸長させる等、着実に業容拡大を図ってまいりました。
一方で、事業環境の変化・複雑化への対応、事業活動の重複・効率性の低下等により事業収益性の向上には課題を残す結果となりました。こうした課題を踏まえた上で、『OYO Advance 2023』で得られた成果を拡大し、応用地質グループの持続的な成長に向けて事業収益性の向上と資本コストや株価を意識した経営のさらなる強化の必要性を認識しています。
(2)長期ビジョン:『OYOサステナビリティビジョン2030』
応用地質グループは、人と地球の課題を解決し、持続可能な社会を実現するために、これまで、培ってきた技術資産に新たな創造的技術を加え、安全・安心を技術で支えるサービスを展開してまいりました。これからも「サステナブル経営」を推進し、応用地質グループの多様な経営資源を最大限に活用することで、近年ますます多様化する地球規模の社会課題に対応いたします。
そこでSDGs最終年の2030年における人と地球の未来に対する社会課題を抽出し、応用地質グループが取り組むべきことを明確にするために『OYOサステナビリティビジョン2030』を策定いたしました。
ありたい姿を①100年企業に向けた持続的成長、②社会課題の解決に貢献する企業、③「働きやすさ」と「働きがい」を実現する企業として定め、その実現に向けてマテリアリティごとに応用地質グループが対応できる社会課題や貢献できることを整理しました。
(3)中期経営計画:『OYO中期経営計画2026』の位置づけ
応用地質グループは、『OYOサステナビリティビジョン2030』のアクションプランとして中期経営計画『OYO中期経営計画2026』を策定しました。
この中期経営計画では、①セグメント戦略の推進、②バランスシートの最適化、③サステナブル経営の強化を3つの基本方針とし、社会・環境価値と事業収益性を向上させ、持続可能な社会実現への貢献を目指してまいります。
(4)『OYO 中期経営計画2026』基本方針等
A.セグメント戦略の推進
a. セグメントの再編
・市場特性に即した組織・セグメントの再編による事業の効率化と収益性向上
(新セグメント:①防災・インフラ、②環境・エネルギー、③国際)
・グループシナジーの最大化と製品・サービスの見直しによる企画開発・販売力の強化
b. 未来創造・成長投資
・市場ニーズに即したイノベーション開発投資
B.バランスシートの最適化
a. キャッシュアロケーション
・ノンコア資産の売却、売上債権回転期間の短縮化推進、グループ内余剰資金の活用等による資本効
率性の向上
b. 株主還元施策
・営業キャッシュフローと余剰資金活用による株主還元施策の実施
連結配当性向50%以上、且つDOE2%以上を原則とした配当実施
機動的な自己株式取得の継続
C. サステナブル経営の強化
a. 人材戦略・働き方改革
・セグメント戦略に沿った人材ポートフォリオの拡充
・「働きやすさ」と「働きがい」の実現
b. 気候変動リスク対応
・組織活動ならびに事業活動による脱炭素(GHG排出量削減)の取組み
c. ガバナンス・コンプライアンス
・グループガバナンスの強化
・株主とのエンゲージメントの強化
・コンプライアンスの徹底
D.「資本コストや株価を意識した経営」の実現に向けた対応
a. 2026年度目標:ROE6%以上、営業利益率8%以上とする。
・セグメント戦略の推進を通した事業収益性の向上
・バランスシートの最適化を通した資産/資本効率性の向上、資本構成の最適化
・株主エンゲージメント強化やESG開示情報拡充を通した資本コストの低減
応用地質グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす主要なリスクは以下のようなものがあります。
応用地質グループにはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また発生した場合の的確な対応に努めていく方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において応用地質グループが判断したものであります。
応用地質グループの各事業において、公共事業領域は依然として応用地質の主要市場の一つであり、国及び地方公共団体等は主要顧客になります。国及び地方公共団体等の財政状況の悪化や事業量の縮小に伴う発注量の減少、調達方式の変更、並びに不測の事態に伴う指名停止措置等により、応用地質グループの営業成績に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、公共事業に依存した従来型のビジネスモデルからの脱却を進めることで、そうしたリスクの抑制に努めています。
応用地質グループの各事業は、国内外で事業を展開しています。各事業における海外での事業は、主に北米地区やシンガポールを拠点とした海外グループ会社が、現地通貨建てで取引しているため、為替変動により財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、必要に応じて為替予約等の措置を検討することで、そうしたリスクの抑制に努めています。
(3) 気候変動や自然災害等に関するリスク
応用地質グループの各事業は、地震や気候変動に伴う台風・豪雨・河川氾濫等の自然災害、火災等の不測の災害に見舞われた場合には、生産設備やデータの損傷・喪失、人的リソースの喪失等による事業活動の縮退、生産能力の低下などの影響を受ける可能性があります。また、炭素税の導入や環境負荷の少ない設備導入等により事業運営コストが増加する可能性もあります。応用地質は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとするカーボン・ニュートラルを掲げながら気候変動対策に取り組むと同時に、災害等の発生を想定した事業継続計画(BCP)の作成とその定期的な点検・訓練の実施や、気候変動が事業遂行に与える影響を継続的に評価・モニタリングすることで、そうしたリスクを最小限に抑制するよう努めています。
感染症の世界的流行(パンデミック)により、応用地質グループの事業に対する需要減少、サプライチェーンにおける納品遅延や部材不足、調達コスト増加などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、各種リスクシナリオを想定しながら、そうした影響を最小限に抑える対応を取っております。
(5) 国際紛争・テロ行為に関するリスク
応用地質グループにおける海外での事業は、新興国や途上国における社会資本整備事業、開発事業を主要な市場と位置付けておりますが、これらの国では、国際紛争やテロ行為が発生する場合があり、紛争活動や武装行為に巻き込まれた場合には、事業の中止もしくは停止など、業務遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、長期化するウクライナ情勢により、エネルギー価格や原材料価格の高騰など、世界経済への影響も継続しています。応用地質は、随時、諸外国の治安関連情報や最新の経済関連情報の収集を行うことで、そうしたリスクの抑制に努めています。
(6) 知的財産等に関するリスク
応用地質グループの各事業は、専門技術を用いた各種サービスや製品を提供するとともに、事業を展開する各国において商標登録等も実施していますが、将来的に知的所有権などの使用差し止めや、商標の使用停止、あるいは損害賠償を請求された場合には業績等に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、適切な知財管理を行うための組織を設置することにより、そうしたリスクの低減に努めています。
(7) 資源価格変動に関するリスク
応用地質グループの海外子会社の中には、資源探査用の機器やシステムを販売している会社があります。資源価格の低迷や、資源開発市場の縮小などが発生した場合には、子会社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを低減するため、新しい市場開拓を通して資源依存度の低減を図るなど、事業ポートフォリオの見直しに努めています。
(8) データの偽装・改ざん・流用に関するリスク
応用地質グループの各事業の遂行過程において、社内ルールに反して各種データの偽装や改ざん、及び過去データ等の流用が発生した場合には、信用失墜や損害賠償請求などが発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、コンプライアンス教育の徹底や業務監査室による業務プロセスの検証や、業務マニュアルの見直しなどを進めることで、こうしたリスクの顕在化の抑制に努めています。
(9) ITシステムのセキュリティー管理に関するリスク
応用地質グループの各企業は、ITシステムを活用した業務処理並びに情報管理を行っています。コンピュータウイルスや悪意ある第三者の不正侵入により、ITシステムの停止やランサムウェア攻撃、情報漏洩等が発生した場合には、業務遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、ITシステムの安全性及び情報セキュリティの強化に努めるとともに、関連する諸規定を整備し、ランサムウェア攻撃に対する防御策強化や外部からの不審メールに対する定期的な訓練を行うなどリスクの低減に努めています。
応用地質グループの安定的成長を持続させるためには、高度な専門性を有する優秀な人材の確保・育成が必要不可欠です。しかしながら、少子高齢化による労働人口の減少が進む中で、こうした優秀な人材の確保・育成が進まない場合には、業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。応用地質は、社員の健康保持・増進活動を組織で支える健康経営に取り組むと同時に、働きやすい職場の形成や従業員のエンゲージメント向上、教育制度の充実、安定的な新卒者採用並びに優秀な中途採用者の確保等を推進することにより、そうしたリスクの低減に努めています。
(11) 法的規制に関するリスク
応用地質グループは、会社法、金融商品取引法、税法、労働法、独占禁止法及び建設業法等の法規制を始め、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準等、事業展開している国内外のさまざまな法規制の適用を受けており、社会情勢の変化等により、将来において、改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合には応用地質グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、応用地質グループが直接的または間接的に関係する取引の一部が法規制等に違反していると規制当局が判断した場合には、課徴金等の行政処分や社会的な信用の失墜等の影響を受ける可能性があります。応用地質は、随時、関連する法規制の最新情報や改正動向に関する情報収集に努めるとともに、社内での法令順守教育を徹底することでリスクの抑制に努めています。
(12) 保有資産の減損リスク
応用地質グループは、長期的な取引関係の維持などを目的として株式等の有価証券を保有しており、保有する有価証券の大幅な市場価格の下落、当該企業の財政状態の悪化等があった場合、応用地質グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、応用地質グループは国内外の事業拠点の不動産を所有していますが、不動産価格の下落等があった場合、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、応用地質グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しています。将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合、あるいは制度面の変更等があった場合には繰延税金資産が減少し、応用地質グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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