平和紙業(9929)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 平和紙業グループは、平和紙業及び連結子会社3社により構成されており、木材及びその他の原料から製造された紙、紙加工品等の販売及びこれらに付随する紙、紙加工品等の物流、保管・紙加工業務を行う「和洋紙卸売業」並びに不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介を行う「不動産賃貸業」を主たる業務としております。 平和紙業グループの事業内容及び平和紙業と連結子会社の当該事業にかかわる各社の位置付けは次のとおりであります。 (1)和洋紙卸売業 平和紙業及び連結子会社である株式会社辻和並びに平和紙業(香港)有限公司は和洋紙を販売しております。 また、連結子会社である平和興産株式会社は、主として平和紙業及び株式会社辻和の商品の物流、保管、紙加工業務並びに平和紙業及び株式会社辻和以外の取引先についても物流・保管・紙加工業務をおこなっております。 (2)不動産賃貸業 平和紙業は連結子会社である平和興産株式会社及び取引先に不動産賃貸をおこなっております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において平和紙業グループが判断したものであります。(1)経営方針・経営戦略等 平和紙業グループは、「平和を愛し、環境を重んじ、文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意を持って接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。 平和紙業グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる独創的で魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。平和紙業グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っています。同時に、平和紙業グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。 また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の販売・流通を営む平和紙業グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売推進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っています。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への平和紙業の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 平和紙業グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。 また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。 なお、過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高営業利益率(%) 1.0 0.9 1.0 0.9 0.6ROE(%) 1.0 9.8 1.4 1.2 0.8ROA(%) 0.6 5.2 0.7 0.6 0.4 (3)経営環境及び対処すべき課題 紙・板紙の国内需要は、長期にわたって減少傾向が続いており、デジタル化の進展により、特に印刷・情報用紙の落ち込みが続いています。印刷・情報用紙に関しては、今後も需要の減退トレンドが加速していくことが見込まれます。 世界規模で気候変動に対応することが大きな課題となっている中、消費者の環境意識の高まりに加え、企業も環境への負荷を軽減していくことが社会的な要請となっています。その一環として、脱プラスチック・脱炭素を図るための代替素材として、パッケージ用途を中心に紙の持つ役割が再認識されています。平和紙業の強みを発揮できる高級パッケージや特殊機能が付与されている技術紙を中心に、従来の手法に加えSNS等を活用した販売推進活動も活用しながら、売上の拡大を図ります。また、お客様、お取引先様の諸問題を解決するソリューションビジネスの提供を通じて付加価値を高め、収益性の向上へとつなげることで、外部環境の変化に影響されにくい経営基盤の確立を図っていきます。 経営基盤としては、従業員にとって、より働きやすい職場環境を構築するために、時差出勤やテレワークの併用も行いつつ、事業の効率化を推進するためのIT環境の整備やDX化にも投資を進めます。 引き続き、主力事業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めながら、社会における紙需要の変化に対応した新規需要の創出等、新しい取り組みにも挑戦し、サステナビリティ経営の強化にも取り組んでまいります。 ①既存事業の強化 IT化・DX化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は急速な縮小傾向が続いています。平和紙業グループは、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、商品パッケージ等の「Wrapping」用途や特殊機能が付与されている技術紙分野については、需要の高まりが期待されており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2026年度は引き続き、高級パッケージや技術紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けた商品シフトを加速していきます。販売推進活動においても、従来通りお客様とのコミュニケーションを大切にしながら、紙の採用決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化していきます。また、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信を更に強化して需要創造を図っていきます。 環境意識の高まりから脱プラスチック・脱炭素の流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、木材由来のカーボンニュートラル性を持つ紙素材に転換する需要が増えてきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。 付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があり、東京・大阪・名古屋のギャラリー等でのイベント開催を通じて、需要の喚起につなげてまいります。 ②新規取り組みへの挑戦<和洋紙卸売業> 長期的に情報伝達媒体としての紙の需要が減少していくと予測される中、平和紙業を取り巻く事業環境や顧客のニーズも大きく変化し続けています。こうした状況に対応するために、従来の延長線上で物事を捉えるだけではなく、新たな視点から事業環境を見直すべく、平和紙業では事業開発本部を中心とした、「新たな価値・市場・事業の創造」に取り組んでいます。特に、社会における脱プラスチック・脱炭素に向けた動きが加速する中で、平和紙業は、これまでの特殊な紙を扱う企業から、特殊な素材を扱う企業へと裾野を広げられるよう、検討を進めています。社内での新たな取り組みへの挑戦はもちろん、従来の紙販売に近い領域でのM&Aによる成長機会についても引き続き検討していきます。平和紙業の持続的成長に資する案件が出てきた際には、手元資金の水準を見ながら積極的に検討し、事業基盤を拡充してまいります。<不動産賃貸業> 大阪・名古屋地区で保有する固定資産の収益化を進めています。大阪事務所ビル(HSK南船場ビル)については、耐震補強及びリニューアル工事が完了し、その一部を賃貸区分とすることし、2026年4月より一部賃貸区分の賃貸借契約が成立しております。また名古屋地区においては、等価交換により取得したオフィス及び賃貸用住戸の完成引き渡しが2026年2月に完了し、2026年度の収益化を計画しております。また、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図っており、物流子会社である平和興産株式会社では、一部、外部顧客からの物流の引き受けも開始し、効率的な倉庫運営を図るべく、物流体制の改善に取り組んでいます。不動産の有効活用は順調に進んでおり、今後、適切な追加投資も行いながら、将来的な固定資産の入れ替え等も検討していきます。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関するリスクのうち、平和紙業グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。また、必ずしも以下のリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において平和紙業グループが判断したものであります。(1)紙需要及び市況の変動リスク 平和紙業グループは、特殊紙を中心とする紙の販売を主要事業としております。平和紙業グループの売上高の約95%は 国内売上高が占めており、国内景気の大幅な後退や需要構造の変化等によって国内需要の減少が生じた場合には、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、出版業界や広告業界等、さまざまな業界において、従来の紙媒体からインターネットを媒体としたオンラインでの情報伝達・サービス等へと移行が進んでいます。これは、長期間のデフレ進行による消費需要の低迷、少子・高齢化に伴う消費者ニーズの変化、デジタル化、IT技術の進展によるメディアの多様化といったさまざまな要因によるものと考えられます。日本製紙連合会の試算によると、2025年の紙・板紙の内需は、印刷・情報用紙の不振が続き、物価の高騰により消費が停滞し、梱包資材の出荷も振るわなかったことから、紙は前年比4.3%減少し、板紙も前年比1.0%の減少に転じ、縮小しました。2026年についても、引き続き印刷物のデジタル化で印刷・情報用紙が縮減する見通しとなっているほか、コスト削減に伴う需要縮減の影響に加え、物価高騰による消費の減少により、梱包用板紙需要も減少が予測されます。平和紙業が得意とする高級印刷紙等では、インバウンド需要の回復、さらには脱プラスチック・脱炭素を目的とした紙需要の増加等は期待できるものの、紙全体の需要動向が平和紙業の想定以上に急速に、あるいは著しく縮小した場合には、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(2)固定資産や商品在庫の減損リスク 平和紙業グループは、事務所及び倉庫として、土地をはじめとする固定資産を東京・大阪・名古屋に保有しております。また、紙の流通事業者の中でも、平和紙業は、ファンシーペーパー等の特殊紙を小ロットで供給することを強みとし、幅広い顧客に支持されていることから、多品種の紙の在庫を倉庫に保有しており、2026年3月31日現在で平和紙業グループの商品在庫は36億円と、総資産の約21%を占めております。 自社開発商品も含め、在庫を多く持つことは平和紙業の強みを発揮していくための重要戦略の一つでもあり、そうしたビジネスモデルでの展開は新規参入障壁にもなっております。また、2026年2月末の発生した米国・イスラエルとイランとの間の軍事的緊張の高まりや、それに伴うホルムズ海峡の事実上の閉鎖等により、在庫を絞りすぎることによるリスクも顕在化しております。しかしその一方で、多品種を揃えることで、ある一定の不動商品が出るリスクはあり、また、販売に応じた在庫を適正に保つことが重要であるとの考えから、在庫の中身の入れ替えにも注力しております。しかしながら、不回転商品が平和紙業の想定以上に増加した場合には、評価替えや減損等によって、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(3)コスト上昇リスク 2025年度は、製紙メーカーの価格改定の影響を受け、流通を担う平和紙業の調達コストも上昇しました。また、平和紙業はサプライチェーンの一環で物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、物流業界内での働きやすい環境の構築等により、車両・ドライバー不足や物流コストがさらに上昇する可能性があり、加えて原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰する可能性もあります。物流コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、ご負担をお願いさせていただく場合もございますが、これまで通りのサービスレベルでの納品が難しく、顧客満足度が低下した場合は、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、昨今のデジタル化等を背景とした情報伝達媒体としての紙需要の減少局面では、製紙メーカーの中では、事業再構築に伴って、老朽化した抄造設備の停機等が進行しています。平和紙業取扱商品の改廃やリニューアルが必要となるケースも出てきており、代替商品の開発や、他の仕入先への切り替え等により仕入れコストが増加し、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 (4)商品の品質等に関するリスク 平和紙業グループは、販売する商品の特性に応じた最適な品質を確保できるよう、各商品の仕入先・メーカーに厳格な品質管理を要請していますが、予期せぬ仕入先・メーカーの事情により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する場合があります。大規模なリコールや商品の欠陥・品質不良は、その処理に多額のコストが発生し、平和紙業グループの販売商品の信用に重大な影響を与えることとなり、これにより需要が低下し、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(5)資金調達リスク 平和紙業グループでは、運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本に、設備投資の調達については自己資金を基本としていますが、今後、M&Aの検討等も含め、一部資金を金融機関からの長期借り入れや社債の発行等により調達する可能性があります。そのようになった場合、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、平和紙業グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、平和紙業グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。 また、金融機関からの借り入れや社債等には各種のコベナンツ(融資取引における情報開示や財務等の特約事項)が規定されている場合もあり、平和紙業グループの経営成績、財政状態または信用力の低下等の要因で、いずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引き上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。これらの要因により、平和紙業グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(6)カントリーリスク ウクライナや中東情勢の長期化、米国・イスラエルとイランとの間の軍事的緊張の高まりや、それに伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖等、世界的な地政学リスクの高まりにより、原燃料価格の高騰、急激な為替相場の変動、物流費用の増加等が平和紙業の想定を上回った場合、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、平和紙業グループの連結子会社である平和紙業(香港)有限公司は、米国向け商品に使用する特殊紙を取り扱っていることから、米国による通商政策等の動向が間接的に平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。あわせて、香港の政治・経済・社会情勢の変化や各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止等のカントリーリスクを有しております。香港周辺地域(台湾を含む)において地政学リスクが高まった場合、債権回収や事業遂行において遅延または支障が生じる可能性があり、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(7)自然災害・感染症等の発生リスク 平和紙業グループは、東京・大阪・名古屋をはじめ全国7拠点に販売・物流網を有し、静岡県富士市にも各拠点の中心となる物流拠点を構えることで事業活動は地域的に分散されており、売上高も地域的な偏在は大きく見られません。しかし、販売・物流拠点の周辺で、大規模な地震、台風・豪雨及び津波・洪水等の自然災害、火災、停電、戦争、情報セキュリティの欠陥、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生し、さらには事業所や倉庫等の物流インフラが被害を受けた場合、復旧のための費用、販売機会損失、商品等への損害等により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、これらの自然災害または有事等により、平和紙業グループのITシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連でのサービス提供が困難となり、平和紙業グループの顧客満足度が低下し、平和紙業グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、平和紙業グループの顧客事業の中断並びにイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(8)訴訟等のリスク 平和紙業グループは、特殊紙を中心とする紙の流通・販売事業を主に営んでおり、業務の遂行に当たっては、法令順守等コンプライアンス経営に努めておりますが、その事業活動の遂行過程において、平和紙業グループは、お客様、仕入先及び競合他社その他の関係者から、平和紙業グループが提供する商品・サービスの不備、社員の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩または知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される恐れがあります。また、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出した場合には、事業活動に支障をきたす恐れがあります。かかる法的手続きは長期かつ多額となることがあり、また、結果の予測が困難となる場合があり、平和紙業グループに不利な判断がなされた場合には、平和紙業グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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