今期の成績(増減の理由)
1当中間連結会計期間(2026年4月1日~2026年9月30日)の連結業績の概況
当中間連結会計期間における国内景気は緩やかに回復しました。先行きにつきましては、雇用及び所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、引き続き中東情勢や自然災害の影響の注視が必要で、金融資本市場の変動の影響などにも注意する必要があります。
そのような景気動向の中、インターネットイニシアティブ(IIJ)グループが主にかかわる法人ICT(*1)関連市場では、クラウドコンピューティング関連サービスやAI(*2)等の企業活動への順次浸透、それらも含む要因によるインターネットトラフィック(*3)の継続増加、事業継続に必要なサイバーセキュリティ対策の重要性の急速な高まり等がみられます。企業のネットワーク及びシステムの構成は、DX(*4)の進展等を背景に、旧来の社内閉域ネットワークからインターネット技術も融合した複合的なものへと変化してきており、今後も堅牢かつ柔軟なネットワーク及びシステムとその安定運用の重要性が増していくと期待されます。
このような市場環境の中、当中間連結会計期間におきましては、多様な業種においてネットワーク及びシステム構築の需要が引き続き旺盛で、国内外における大型案件(*5)の獲得が一段と進展しました。売上高は前年同期比29.9%増と大幅に伸長し、公表見通しを約303億円上回りました。営業利益は、ハードウェア導入中心の大型案件のシステム構築売上計上やインフレ等による全般的なコスト増加基調の中で、増収効果等で前第2四半期の退職金制度改定に伴う一時的な利益11.7億円の反動減を吸収し、前年同期比7.4%増となり公表見通しを上回りました。ネットワークサービス(除くモバイル関連サービス)では、セキュリティ関連サービスやIPサービス等が堅調に増加し、売上高は前年同期比6.6%増となりました。既存サービスの機能強化や経済産業省によるサプライチェーンセキュリティ対策評価制度への対応を支援するアセスメントサービスの提供開始(*6)等でサービス群を拡充しました。モバイル関連サービスでは、IoT用途等の法人向けモバイルサービス及び個人向けモバイルサービスが堅調に推移し、売上高は前年同期比9.4%増となりました。システムインテグレーションでは、国内での高需要継続に加え、海外でのGPU(*7)基盤構築との複数大型案件の寄与があり、売上高及び受注額は各々前年同期比57.1%増及び87.5%増と大幅に伸長しました。新規事業分野では、インターネットイニシアティブ(IIJ)関連会社(株)DCP(*8)において、(株)ゆうちょ銀行様がデジタル通貨「DCJPY」の発行を予定しており、また、金融機関等43社が参加するトークン化預金の銀行間決済の本格検証が開始いたしました(*9)。
当中間連結会計期間の業績につきましては、総売上高は、前年同期比29.9%増の210,303百万円(前年同期 161,910百万円)となりました。売上原価は前年同期比34.7%増の170,800百万円(前年同期 126,782百万円)となり、売上総利益は前年同期比12.5%増の39,503百万円(前年同期 35,128百万円)となりました。内訳といたしましては、ネットワークサービスの売上高は前年同期比7.5%増の93,535百万円(前年同期 87,047百万円)、売上総利益は前年同期比2.5%増の24,207百万円(前年同期 23,613百万円)となり、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比57.1%増の115,208百万円(前年同期 73,344百万円)、売上総利益は前年同期比35.2%増の14,581百万円(前年同期 10,786百万円)となりました。そのうち、システム構築売上は前年同期比114.4%増の60,669百万円(前年同期 28,296百万円)、システム運用保守売上は前年同期比21.1%増の54,539百万円(前年同期 45,048百万円)となりました。システムインテグレーションの受注は、前年同期比87.5%増の170,261百万円(前年同期 90,816百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売の受注は前年同期比143.3%増の89,365百万円(前年同期 36,728百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比49.6%増の80,896百万円(前年同期 54,088百万円)となりました。システムインテグレーションの受注残高は、前年同期末比61.0%増の213,963百万円(前年同期末 132,915百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売の受注残高は前年同期末比150.2%増の60,634百万円(前年同期末 24,237百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比41.1%増の153,329百万円(前年同期末 108,678百万円)となりました。ATM運営事業の売上高は前年同期比2.7%増の1,560百万円(前年同期 1,519百万円)、売上総利益は前年同期比1.9%減の715百万円(前年同期 729百万円)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比16.4%増の22,972百万円(前年同期 19,740百万円)となりました。営業利益は、前年同期比7.4%増の16,531百万円(前年同期 15,388百万円)となりました。税引前中間利益は、ファンドに係る金融資産評価益422百万円(前年同期 431百万円の評価益)、受取配当金225百万円(前年同期 179百万円)、銀行借入及びリース取引等に係る支払利息805百万円(前年同期 651百万円)及び為替差損109百万円(前年同期 74百万円の損失)等があり、前年同期比5.9%増の16,045百万円(前年同期 15,149百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する中間利益は、前年同期比7.4%増の10,772百万円(前年同期 10,032百万円)となりました。
(*1) ICT:Information and Communication Technologyの略。コンピュータによる情報通信に関するハードウェア、ソフトウェア、システム及びデータ通信等に関する技術の総称。
(*2) AI:Artificial Intelligenceの略。コンピュータシステムや機械が、推論、判断及び学習等の人間の知能を再現する技術のこと。
(*3) インターネットトラフィック:インターネットを通じて転送されるデータ流量のこと。
(*4) DX:Digital Transformationの略。データとデジタル技術を活用して、ビジネスモデル・業務プロセス等を変革すること。
(*5) 大型案件とは期間総額10億円以上の案件を指す。
(*6) 詳細は2026年8月25日発表のプレスリリース「IIJ、セキュリティ対策評価制度への対応を支援するIIJ SCS評価制度アセスメントソリューションを提供開始」をご参照下さい。
(*7) GPU:Graphics Processing Unitの略。並列演算処理に優れ、AI学習・推論や画像処理等に用いられるプロセッサーのこと。
(*8) 詳細は2026年6月22日発表のプレスリリース「株式会社ディーカレットホールディングス、2026年7月1日付で株式会社DCPに商号変更およびブランドロゴ刷新のお知らせ」をご参照下さい。
(*9) 詳細は2026年8月26日発表のプレスリリース「金融庁FinTech実証実験ハブ支援案件トークン化預金の銀行間決済の検証に43社が参加」をご参照下さい。
2経営成績の分析
インターネットイニシアティブ(IIJ)グループは、ネットワークサービスとシステムインテグレーションを複合して顧客に提供しており、「ネットワークサービス及びSI事業」を主要な報告セグメントとしております。以下では、役務別の分析により記載しております。
<連結業績サマリー>
(注) 1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(含む研究開発費)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報サマリー>
i) 売上収益
当中間連結会計期間における売上収益は、前年同期比29.9%増の210,303百万円(前年同期 161,910百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>
法人向けインターネット接続サービスの売上高は、法人IoT等用途向けモバイルサービス及びIPサービス等の売上増加があり、前年同期比6.5%増の28,099百万円(前年同期 26,384百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス等の売上増加があり、前年同期比7.2%増の15,015百万円(前年同期 14,012百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス等の売上増加があり、前年同期比10.8%増の36,176百万円(前年同期 32,641百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、前年同期比1.7%増の14,245百万円(前年同期 14,010百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比7.5%増の93,535百万円(前年同期 87,047百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域>(注)1
(注) 1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。
2.IPサービスには、インターネットデータセンター接続サービスが含まれます。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<システムインテグレーション売上高>
システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、国内での高需要継続に加え、海外での複数のGPU基盤構築等の大型案件での総額約170億円の売上計上もあり、前年同期比114.4%増の60,669百万円(前年同期 28,296百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げによる増加等があり、前年同期比21.1%増の54,539百万円(前年同期 45,048百万円)となりました。
これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比57.1%増の115,208百万円(前年同期 73,344百万円)となりました。
当中間連結会計期間のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、国内での高需要継続に加え、海外での複数のGPU基盤構築等の大型案件での総額約525億円の受注もあり、前年同期比87.5%増の170,261百万円(前年同期 90,816百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売の受注は前年同期比143.3%増の89,365百万円(前年同期 36,728百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比49.6%増の80,896百万円(前年同期 54,088百万円)となりました。
当中間連結会計期間末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比61.0%増の213,963百万円(前年同期末 132,915百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売の受注残高は前年同期末比150.2%増の60,634百万円(前年同期末 24,237百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比41.1%増の153,329百万円(前年同期末 108,678百万円)となりました。
<ATM運営事業売上高>
ATM運営事業売上高は、前年同期比2.7%増の1,560百万円(前年同期 1,519百万円)となりました。
ii) 売上原価
当中間連結会計期間における売上原価は、前年同期比34.7%増の170,800百万円(前年同期 126,782百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>
ネットワークサービスの売上原価は、外注関連費用の増加等があり、前年同期比9.3%増の69,328百万円(前年同期 63,434百万円)となりました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比2.5%増の24,207百万円(前年同期 23,613百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は25.9%(前年同期 27.1%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>
システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、仕入の増加等があり、前年同期比60.9%増の100,627百万円(前年同期 62,558百万円)となりました。システムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比35.2%増の14,581百万円(前年同期 10,786百万円)となり、売上総利益率は12.7%(前年同期 14.7%)となりました。
<ATM運営事業売上原価>
ATM運営事業売上原価は、前年同期比7.0%増の845百万円(前年同期 790百万円)となりました。売上総利益は、前年同期比1.9%減の715百万円(前年同期 729百万円)となり、売上総利益率は45.8%(前年同期 48.0%)となりました。
iii) 販売管理費等
当中間連結会計期間における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件関連費用の増加等があり、前年同期比9.9%増の22,925百万円(前年同期 20,853百万円)となりました。
その他の収益は、前第2四半期の退職金制度改定に伴う一時的な利益1,169百万円の反動減等により、89百万円(前年同期 1,219百万円)となりました。その他の費用は136百万円(前年同期 106百万円)となりました。
iv) 営業利益
当中間連結会計期間における営業利益は、前年同期比7.4%増の16,531百万円(前年同期 15,388百万円)となりました。
v) 金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当中間連結会計期間における金融収益は、ファンドに係る金融資産評価益422百万円(前年同期 431百万円の評価益)及び受取配当金225百万円(前年同期 179百万円)等により、889百万円(前年同期 743百万円)となりました。
当中間連結会計期間における金融費用は、銀行借入及びリース取引等に係る支払利息805百万円(前年同期 651百万円)、為替差損109百万円(前年同期 74百万円の損失)等により、914百万円(前年同期 756百万円)となりました。
当中間連結会計期間における持分法による投資損益は、(株)DCPに関する損失594百万円(前年同期 355百万円の損失)等があり、461百万円の損失(前年同期 226百万円の損失)となりました。
vi) 税引前中間利益
当中間連結会計期間における税引前中間利益は、前年同期比5.9%増の16,045百万円(前年同期 15,149百万円)となりました。
vii) 中間利益
当中間連結会計期間における法人所得税費用は、5,197百万円(前年同期 5,019百万円)となり、当中間連結会計期間における中間利益は、前年同期比7.1%増の10,848百万円(前年同期 10,130百万円)となりました。
非支配持分に帰属する中間利益は、(株)トラストネットワークスに係る利益等により76百万円(前年同期 98百万円)となり、当中間連結会計期間における親会社の所有者に帰属する中間利益は、前年同期比7.4%増の10,772百万円(前年同期 10,032百万円)となりました。
viii) 中間包括利益
当中間連結会計期間における中間包括利益は、保有株式の時価上昇(*)の影響4,690百万円(前年同期 63百万円)等により前年同期比42.1%増の15,364百万円(前年同期 10,809百万円)となり、当中間連結会計期間における親会社の所有者に帰属する中間包括利益は、前年同期比42.7%増の15,288百万円(前年同期 10,711百万円)となりました。
(*)インターネットイニシアティブ(IIJ)グループはIFRSにおける金融商品に関して、ファンドの公正価値変動は連結損益計算書上の純損益として認識し、株式の公正価値変動はその他の包括損益を通じて自己資本の増減として認識しております。
業績の見通し
【2027年3月期第2四半期(中間期)の連結業績予想と実績との差異及び通期業績予想の修正(上方修正)に関するお知らせ(12:00開示)より】
修正の内容
1.2027年3月期中間期の連結業績予想と実績の差異(2026年4月1日~2026年9月30日)
(単位:百万円、1株当たりは円)
前回発表予想(A):180,000 / 15,350 / 14,050 / 9,550 / 53.88
増減額(B-A):売上収益 30,303 / 営業利益 1,181 / 税引前利益 1,995 / 1株当たり純利益 1,222
増減率(%):売上収益 16.8 / 営業利益 7.7 / 税引前利益 14.2 / 1株当たり純利益 12.8
(ご参考)前期実績(2026年3月期中間期):161,910 / 15,388 / 15,149 / 10,032 / 56.64
2. 2027年3月期通期連結業績予想の修正(2026年4月1日~2027年3月31日)
(単位:百万円、1株当たりは円)
前回発表予想(A):売上収益 385,000 / 営業利益 38,500 / 税引前利益 37,000 / 純利益 25,000 / 1株当たり純利益 141.03
今回修正予想(B):売上収益 428,000 / 営業利益 39,000 / 税引前利益 37,500 / 純利益 25,500 / 1株当たり純利益 143.79
増減額(B-A):43,000 / 500 / 500 / 500
増減率(%):11.2 / 1.3 / 1.4 / 2.0
(ご参考)前期実績(2026年3月期):売上収益 345,395 / 営業利益 34,835 / 税引前利益 35,242 / 純利益 24,188 / 1株当たり純利益 136.51
修正の理由
当中間連結会計期間におけるインターネットイニシアティブ(IIJ)グループの売上収益は、多様な業種においてネットワークやシステムの構築需要が引き続き旺盛で、公表見通しを大きく上回りました。営業利益、税引前中間利益及び親会社の所有者に帰属する中間利益につきましては、システム構築売上においてハードウェア導入中心の大型案件が複数あり、インフレ基調等による全般的なコスト増加もありましたが、増収効果等により、前第2四半期の退職金制度改定に伴う一時的な利益の反動減も吸収し、公表見通しを上回りました。
通期連結業績予想につきましては、システムインテグレーションの受注環境や受注残高の状況等を鑑み、売上収益、営業利益、税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益の予想を上方に修正いたします。