トグルホールディングス(652a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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トグルホールディングス(652a)の株価チャート トグルホールディングス(652a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

トグルホールディングスグループは、「不動産業界における属人知の超克を礎として、産業社会に革命をもたらす。」というミッションのもと、不動産領域を起点に、土地・建物・事業に関する知見、判断及び業務プロセスを、データとソフトウエアを活用して再現可能な仕組みへと変えていく事業を展開しております。

トグルホールディングスグループは、不動産領域で培ってきた専門的な知見、判断や業務の流れを、個人に閉じた経験にとどめず、会社に残り、次の実行に活かせる仕組みとして蓄積・活用しております。また、「つくる・かえる・かわる」というパーパスのもと、不動産領域で事業をつくり、その現場で生まれる判断や知見を仕組みにかえ、日々の事業運営に活かしております。

トグルホールディングスは持株会社として、グループ全体の経営戦略策定、資源配分やガバナンス体制の構築を通じて、各事業子会社の成長を支援しております。具体的には、Land Creationにおいては、つくる地所が不動産開発・不動産売買等を、つくる資産が富裕層の不動産投資家向けの不動産情報の提供及び資産運用コンサルティングを展開しております。また、Agentic Platformにおいては、つくるAIがSaaSプロダクトの開発・提供、トグルホールディングス内のAIソリューションユニットでAIを活用したコンサルティング等を展開しております。

 

(1) 事業の概要

トグルホールディングスグループは、「不動産業界における属人知の超克を礎として、産業社会に革命をもたらす」というミッションの実現に向け、「産業変革事業」の単一セグメントのもと、不動産市場に流通していない土地の中から新たな開発用地を創出する「Land Creation」と、企業内に蓄積される会話、判断及び知見を業務の実行につなげることで効率化・収益化を図る「Agentic Platform」の2つのサービスを展開しております。現時点において、トグルホールディングスグループの収益の殆どはLand Creationによるものでありますが、Land Creation自体がAgentic Platformによってもたらされた事業基盤の上で成り立っているため、トグルホールディングスグループの事業はLand Creation単体では存在し得ず、Agentic Platformがすべての事業の根幹を成す構造となっております。

 

 

2025年9月期

売上高

Land Creation

12,288,930千円

Agentic Platform

64,421千円

 

 

 Agentic Platformは、業務を観測・構造化・自動化することにより、業務効率並びに生産性及び収益性の向上を図る仕組みです(図1)。Land Creationで展開する不動産再開発についても、2020年10月につくる地所をグループ化した後、Agentic Platformを活用して業務の標準化及び効率化を進めることで、属人的な業務への依存を低減し、再現性のある事業運営体制を構築してまいりました。トグルホールディングスグループは、今後もAgentic Platformを基盤として、様々な産業における業務の非効率を改善するとともに、M&Aを通じて自ら事業運営に関与することで、事業の成長及び収益性の向上を図ってまいります。

 


(図1)Land CreationとAgentic Platform

<Land Creation>

Land Creationは、複数の土地を取りまとめることで価値の向上が見込まれる土地を見つけ出し、地権者その他の関係者との協議及び合意形成を通じて、開発可能な用地を新たに創出するサービスです。複数の土地を一体化することにより建築可能な床面積等を拡大し、個々の土地のままでは実現し得なかった開発価値を創出することで、地権者及び不動産デベロッパー等の各関係者に新たな価値を提供しております。トグルホールディングスグループは、主として東京を中心とした一都三県において、複数の土地を一体化することにより開発価値の向上が見込まれる比較的小規模な土地を対象としております。住宅、ホテル、オフィス等の開発用地としての活用を想定し、地権者その他の関係者との合意形成後に土地を取得し、権利調整、既存建物の解体、建築計画の具体化等を行った上で、不動産デベロッパーに販売しております。土地の取得から販売までの保有期間は、案件ごとに異なるものの、概ね6か月程度となっております。また、東京都内を中心に事業基盤を強化するとともに、大阪及び福岡にも営業拠点を設置し、各地域における需要及び案件の収益性等を検証しながら対象地域を拡大しております。

こうしたLand Creationを効率的に行うため、独自開発の土地解析システム(グループ内専用システム)を活用し、不動産市場に流通していない土地の中から、複数の土地を一体化することで開発価値の向上が見込まれる候補地を特定しております。複数の土地を取りまとめて開発用地を創出する不動産再開発事業は従来から存在していたものの、再開発候補地の発見、建築可能規模の検証、多数の地権者との合意形成及び案件進捗の管理等が担当者個人の経験や勘に依存しやすく、継続的かつ組織的に事業規模を拡大することが難しい領域であると、トグルホールディングスグループは認識しております。このプロセスにおける大きな障壁の1つが、再開発候補地の発見及び建築可能規模の検証を、膨大な土地情報に対して継続的に行うことが困難な点にあります。土地に建築可能な建物の規模及び形状は、公図(注1)、地番(注2)及び筆界(注3)等により特定される土地の位置及び形状、土地の面積、道路幅員(注4)、接道条件(注5)、都市計画(注6)、用途地域(注7)、容積率(注8)、建蔽率(注9)その他の条件によって決まり、道路幅員等のわずかな差異が建築可能な延べ床面積に大きく影響する場合があります。これらの不動産・建築情報は、国、地方公共団体その他の管理主体に分散しており、紙、PDF、画像その他の異なる形式で管理されている場合があります。また、個々のデータは単体では利用可能であっても、作成基準、更新時期及び位置情報等が異なることにより、同じ地区のデータであっても住所、地番、筆界、道路及び緯度経度等が相互に一致しない場合があります。トグルホールディングスグループは、これらの不動産・建築情報を収集及びデジタル化し、緯度経度その他の位置情報と照合しながら補正・統合することで、土地ごとの法規制及び開発条件を一体的に解析するための独自の地図データ基盤を構築しました。その結果、不動産事業者であってもアクセスすることのできないオフマーケットに存在する潜在的な開発用地情報にアクセスすることが可能になりました。図2では、東京都における不動産市場のうち、オンマーケット(公開情報)とオフマーケット(非公開情報)の割合を示しております。東京都では、1年間で市場に出回る土地情報が約2.4万件にとどまる一方、公開情報だけでは捉えにくい膨大な土地情報が存在します。トグルホールディングスは、そのようなオフマーケットの土地情報を解析対象としております。

 

 


(図2)東京都の不動産規模と公開情報の割合

(注) 1.東日本不動産流通機構「不動産市場動向(統計)表6 土地(全体)の基本指標[東京都]」より、2025年の土地の新規登録件数

2.東京都「東京の土地2024(土地関係資料集)」第3章「土地所有状況」表3-1-4「民有地の所有者数及び面積」より、東京都内の民有地所有者数。時点は同資料記載年次に基づく

 

土地の位置、形状及び法規制に関する情報を統合した後には、当該土地に建築可能な建物の規模及び形状を算定するボリュームチェック(注10)が必要となります。建築可能規模の算定に当たっては、建築基準法(注11)をはじめ、日影規制(注12)、天空率(注13)、斜線制限(注14)、接道条件その他の複数の法令上及び幾何学上の条件を同時に考慮する必要があります。特に、天空率を考慮した建築可能規模の算定においては、あらかじめ作成された建物が規制に適合しているかを確認するだけではなく、複数の制約条件を満たす建物の規模及び形状を逆算する必要があります。そのため、法令の内容並びに地域又は審査機関ごとの実務上の運用を計算可能なルールに置き換え、複数の条件を組み合わせて処理する数理的なアルゴリズム(注15)が必要となります。これらの計算は、確率的に回答を生成する大規模言語モデル(LLM)(注16)等の汎用モデルとは性質が異なり、あらかじめ定められたルールに基づく決定論的アルゴリズム及び数理計算を中核としております。トグルホールディングスグループは、土地及び建物の形状並びに関連法令等を踏まえ、建築可能な建物の規模及び形状を半自動的に試算する独自のアルゴリズムを開発し、不動産・建築に関する専門人材による検証及び実際の案件で生じた個別事例を継続的に反映しております。

これらの地図データ基盤及びボリュームチェック技術を組み合わせることで、従来は建築の専門家への依頼により数週間から数か月を要していた、複数の土地を一体化した場合の建築可能規模、想定用途及び事業性の検証を、最短約1分で可能にし、再開発候補地の解析の半自動化を実現しております。

Land Creationのビジネスフローは図3のとおりです。トグルホールディングスグループは、再開発候補地を特定した後、地権者との継続的な対話を通じて、複数の土地を一体的に利活用することについて協議し、合意形成を進めます。並行して、建築可能規模及び事業性を検証するとともに、トグルホールディングスグループが有する不動産デベロッパー等の顧客基盤や過去の取引実績等をもとに、対象用地の立地、規模及び想定用途等に応じた開発投資家を選定し、開発意向及び価格水準等を確認します。こうした地権者及び開発投資家双方の意向並びに対象用地の開発可能性を踏まえ、再開発事業計画を検討し、地権者への提案条件を設定しております。対象となる複数の土地について必要な地権者との合意形成が整った後、原則として一括して土地を取得し、賃借人等を含む関係者との権利調整、既存建物の解体、建築計画及び事業計画の具体化等を行います。その後、不動産デベロッパー等の開発投資家が開発に着手できる状態まで整えた開発用地として販売しております。

 

 

 

 

 


(図3)Land Creationのビジネスフロー

また、トグルホールディングスグループは、再開発候補地の特定に加え、地権者との合意形成及び案件管理についても、Agentic Platformを含むグループ内専用システムを活用し、可視化、分析及び標準化を進めております。具体的には、主に以下の取組みを行っております。

地権者訪問数の最適化

営業対象地、訪問先及び訪問順序の最適化による、営業担当者の生産性及び営業品質の向上

地権者ごとの案件ステータス等を踏まえ、訪問先及び訪問順序を数理的に最適化

地権者との交渉における属人性の排除

地権者との接触履歴、意向、再訪時期及び案件進捗の記録・分析、市場データ分析及び案件管理における属人性の低減

営業員の行動分析

営業担当者の行動及び成果並びに採用経路、研修及び定着状況等の分析結果の、採用、育成及びマネジメント方法への反映

不動産デベロッパーの需要調査

不動産デベロッパー及び投資家の用途別の需要、投資基準及び価格水準の蓄積並びに、取得前の販売可能性及び収益性の検証への活用

 

 

さらに、トグルホールディングスグループは、営業活動から得られたデータを、営業担当者のマネジメント、研修及び人材育成並びに採用活動にも活用しております。営業活動の進め方や案件管理の方法を組織として蓄積・標準化することで、新たに採用した営業担当者についても早期に営業活動を開始し、案件創出に取り組むことができる体制を整備しております。

 

このように、トグルホールディングスグループは、再開発候補地を特定する土地解析技術と、地権者その他の関係者との合意形成を担う営業組織を組み合わせるとともに、営業活動及び案件管理をデータに基づき計測・分析・標準化しております。これにより、従来は担当者個人の経験や技能への依存度が高く、多数の案件を同時並行で進めることが難しかった不動産再開発について、再現性をもって案件を創出・推進できる体制を構築し、営業人員の拡大を稼働パイプライン及び事業規模の拡大につなげております。

 

I)グループ内専用システム

トグルホールディングスグループでは、再開発候補地の特定から、建築可能規模及び事業性の検証、地権者への営業活動、案件管理、不動産デベロッパー等への販売可能性の検証まで、Land Creationにおける一連の業務を一体的に支援するグループ内専用システムを開発・運用しております。本システムでは、国土交通省、法務局、各市区町村が提供するデータや各種法令・条例等を、トグルホールディングスグループ独自のアルゴリズムにより解析し、不動産市場に流通していない土地の中から、複数の土地を一体化することにより開発価値の向上が見込まれる再開発候補地を効率的に特定しております。

また、ボリュームチェック機能により、公図、地番、道路幅員、都市計画、容積率及び建蔽率等の不動産・建築データ並びに建築基準法、日影規制及び天空率等の法令・規制を解析し、対象用地における建築可能な建物の規模及び形状等をシミュレーションしております。これにより、複数の土地の組み合わせごとの開発余地及び事業性を短時間で検証し、地権者への提案条件及び再開発事業計画の検討に活用しております。

営業活動及び案件管理においては、地図上で営業対象地及び案件の進捗状況を一元的に管理するとともに、地権者への訪問実績、接触履歴、対応状況及び再訪時期等を記録し、訪問候補地及び訪問順序の最適化や継続的な営業活動に活用しております。また、複数の地権者が関係する案件について、各地権者への対応状況及び案件全体の進捗を一元的に把握することで、多数の再開発案件を同時並行で進めるための営業活動及び案件管理を支援しております。

さらに、トグルホールディングスグループが不動産デベロッパー等との継続的な取引及び営業活動を通じて蓄積した、用途別の需要、投資基準及び価格水準等に関する情報を集約しております。これらの情報を活用し、対象用地の立地、規模及び想定用途等に応じた開発投資家を選定するとともに、取得に先立って販売可能性及び価格水準を検証しております。

このように、本システムを通じて、土地の探索・分析、営業活動、案件管理及び販売可能性の検証を一つの基盤上で連携させることで、Land Creationにおける一連の業務の効率化、可視化及び標準化を図っております。

 


(図4)ボリュームチェック画面

 

<Agentic Platform>

Agentic Platformは、トグルホールディングスグループがLand Creationを含む自社業務の効率化及び高度化を目的として開発・運用してきた、企業の業務内容(主にPC作業内容)を可視化し、実行及び自動化につなげるための業務基盤です。トグルホールディングスグループは、営業活動、案件管理、会議、商談、社内コミュニケーション、タスク管理及び各種業務システムの利用を通じて発生するあらゆる情報を蓄積・整理し、各業務がどのような工程で行われ、誰が担当し、どの部署又は担当者を経由し、どの段階で誰の確認又は承認を必要とするかを可視化しております。これにより、各業務に要する時間、担当者の作業内容、業務上のボトルネック、承認手続及び次に実行すべきタスク等を把握し、業務フローの改善、業務の標準化及び従業員の人事考課フィードバックに活用しております。また、チャット及び会議の内容から実行すべき業務を抽出してタスクを生成し、必要に応じて複数の作業工程に分解したうえで、従業員が対応すべき業務、他の担当者へ依頼すべき業務及びAIエージェントによる自動化が可能な業務を判別し、それぞれの担当先へ振り分ける仕組みを構築しております。自動化が可能な業務については、エージェントが必要な情報を取得し、資料の作成、各種システムへの入力、関係者への連絡及び進捗管理等を実行する一方、判断、承認、交渉及び顧客対応等を必要とする業務については従業員が担います。このように、人による確認及び判断を介在させながら、自動化可能な業務の範囲を継続的に拡大することで、従業員がより付加価値の高い業務に注力できる環境の構築を進めております。

Agentic Platformは、特定の大規模言語モデル等に依存するものではなく、業務内容、求められる性能、情報管理上の要件及び利用コスト等に応じて、外部事業者が提供する複数の汎用モデルを選択し、又は組み合わせて利用できる構成としております。これらの汎用モデルは、Agentic Platform上でエージェントが情報処理等を行うための構成要素であり、トグルホールディングスグループは、その上位において、業務手順、権限、承認条件、参照情報及び各種システムとの連携等を管理する運用基盤を提供しております。

Agentic Platformは、自社業務における活用に加え、外部顧客に対してもプロダクト又はサービスとして提供しております。プロダクトとしては、主に不動産・建築業界に向けて、ボリュームチェック技術を提供する「デベNAVI」、「VCプロ」や、不動産業務の効率化を目的とした「Gate.」等を販売しており、いずれも月額課金での収益を得ております。また、自社で実現した効率化・自動化についても一部機能を外販しており、外部顧客の業務内容、既存システム及び情報管理体制等を踏まえて業務プロセスを可視化し、業務フローの再設計、各種業務の自動化及び導入後の運用定着を支援することで、顧客企業の生産性及び収益性の向上を図っております。こちらのサービスも月額課金の収益体系となっております。加えて、Agentic Platformとの親和性、顧客基盤、継続的な収益及び業務改善余地等を有する企業については、協業その他の事業上の連携に加え、M&Aを中心とした資本面での連携を含む事業機会を慎重に検討し、トグルホールディングスグループの顧客接点、事業領域及び収益基盤の拡大につなげていく方針です。

 

I)グループ内専用システム(一部社外に提供している機能も含む)

チャット、会議議事録、ノート、カレンダー及びタスク管理等の機能を統合したグループ内専用の業務基盤です。各従業員の業務上のコミュニケーション、会議、タスク及び各種業務システムの利用状況等を収集・整理することで、業務の工程、担当者、関係部署及び承認プロセスを可視化しております。また、チャットや会議の内容からタスクを生成・分解し、従業員が対応すべき業務、他の担当者へ依頼すべき業務及びシステムによる自動化が可能な業務を判別して振り分けております。自動化可能な業務はシステムが処理し、判断や承認を要する業務は従業員が担うことで、人による確認を介在させながら業務効率の向上を図っております。これらの機能及び知見は、Agentic Platformを通じて外部顧客にも提供しております。

 


(図5)自社開発のチャットツール。チャット内の会話から直接タスクが生成されエージェントや社員に振り分ける

ことができる(図中右が生成されたタスク)

 

II)外部向けに提供するプロダクト

トグルホールディングスグループは、Land Creationで培った不動産・建築データの解析技術及び業務効率化のノウハウを活用し、不動産開発事業者、金融機関及び不動産会社等に対して、以下のプロダクトを提供しております。

 

<VCプロ、デベNAVI>

「VCプロ」は、従来、専門家が多くの時間と手間をかけて行っていた開発用地のボリュームチェックを、データとソフトウエアを活用して効率化するSaaSプロダクトです。利用者は、地図上で土地を選択することで、関連法規に基づいた建築可能ボリュームや簡易的なプランニング結果を確認することができ、用地取得に係る意思決定の迅速化と精度向上に寄与しております。

また、「デベNAVI」は、不動産開発事業者を対象とした業務支援プラットフォームです。用地情報の収集・管理から、事業収支シミュレーション、プロジェクトの進捗管理に至るまで、開発業務の主要なプロセスをデジタル上で一元的に支援し、業務全体の効率化に寄与しております。

 


VCプロ

 


デベNAVIによるボリュームチェック

<Gate.>

 不動産業務パッケージ「Gate.」は、約5億件の不動産ビッグデータと人工知能(AI)による分析機能を搭載した、不動産価値分析のためのAIクラウドサービスで、延べ10行以上の金融機関・900社以上の不動産会社でご利用実績があります。「Gate.」は、収益物件・実需物件を査定する「AI査定」、購入・売却を試算する「シミュレーション」、エリアレポート作成の「市場分析」、賃貸・販売事例の「事例検索」などから構成され、主観を排除した資料作成やサポート体制により、顧客における不動産業務の効率化及び生産性向上に貢献しております。

 


 

事業系統図

 トグルホールディングスグループの事業系統図は以下のとおりであります。

 


 

 

(注1)

公図

土地の位置、形状及び隣接する土地との関係等を表示した、法務局に備え付けられている図面をいいます。

(注2)

地番

土地を一筆ごとに特定するために付される番号をいいます。

(注3)

筆界

一筆の土地が登記された際に、その土地の範囲を区画するものとして定められた境界をいいます。

(注4)

道路幅員

敷地に接する道路の幅をいいます。

(注5)

接道条件

敷地が建築基準法上の道路に接している長さ、位置及び接し方等の条件をいいます。

(注6)

都市計画

都市の健全な発展等を図るため、土地利用、都市施設その他の事項について定める計画をいいます。

(注7)

用途地域

都市計画法に基づき、地域ごとに建築可能な建築物の用途、容積率及び建蔽率等を定める地域区分をいいます。

(注8)

容積率

敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合をいいます。

(注9)

建蔽率

敷地面積に対する建築面積の割合をいいます。

(注10)

ボリュームチェック

敷地条件及び法令上の制限等を踏まえ、建築可能な建物の規模、形状及び用途等を検討することをいいます。

(注11)

建築基準法

建築物の敷地、構造、設備及び用途等に関する基準を定める法律をいいます。

(注12)

日影規制

中高層建築物によって周辺の敷地に生じる日影の時間及び範囲等を制限する規制をいいます。

(注13)

天空率

建築物周辺における天空の見え方を示す指標で、一定の条件のもと、斜線制限への適合判定に用いられるものをいいます。

(注14)

斜線制限

道路、隣地又は北側の採光、通風等を確保するため、建築物の高さを制限する規制をいいます。

(注15)

アルゴリズム

一定の目的を達成するために、入力された情報をあらかじめ定められた手順に従って処理し、結果を導くための計算手順をいいます。

(注16)

大規模言語モデル(LLM)

大量の文章データを学習し、入力された文章に応じて、文章の生成、要約、分類その他の言語処理を行うAIモデルをいいます。

 

 


有価証券届出書の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

トグルホールディングスグループが事業を展開する不動産領域は、市場規模が大きく社会インフラとして重要な役割を担う一方で、専門的な判断や複雑な業務プロセスが多く存在しております。トグルホールディングスグループは、不動産領域を起点に、現場で生まれる判断、知見及びデータを活用しながら事業運営及びプロダクト開発を行っております。以下に、そのための経営方針、認識している経営環境及び対処すべき主要な課題について記載しております。なお、文中の将来に関する記述は、本書提出日現在においてトグルホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

トグルホールディングスグループは、「不動産業界における属人知の超克を礎として、産業社会に革命をもたらす」をミッションとしております。不動産領域での事業運営を通じて培った知見、判断及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えることで、同領域における事業成長を進めるとともに、将来的には広い産業にも活かせる事業基盤を育ててまいります。このミッションを具現化するパーパスとして「つくる・かえる・かわる」を掲げ、事業活動を通じて産業社会の変革に貢献することを目指しております。

 

(2) 経営戦略

パーパス達成に向けた中核的な戦略は、個人に依存しやすかった知識、判断、会話及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えていくことにあります。これは、単に個別業務を効率化するものではなく、企業が自らの知見を蓄積し、意思決定と業務実行を継続的に改善していく状態を支えるものです。

トグルホールディングスグループは、「Land Creation」と「Agentic Platform」の2つのサービスを展開しております。Land Creationにおいて蓄積される現場の知見、業務ノウハウ及びデータを、プロダクトの改善及びサービス開発に活用し、その成果を再びLand Creation及びAgentic Platformへ還元することで、継続的に仕組みの精度向上を図っております。

トグルホールディングスグループは、この両サービスの循環を競争優位性の源泉と位置付け、それぞれの事業戦略を推進しております。

<Land Creation>

Land Creationについては、これまで構築してきた土地解析技術、営業活動及び案件管理の仕組みを基盤として、営業組織の拡充を通じた案件創出力の強化を進めてまいります。不動産再開発は、地権者その他の関係者との継続的な対話及び合意形成を要するため、事業規模の拡大には営業人員の確保が重要となります。トグルホールディングスグループでは、営業活動及び案件管理の標準化を進めることで、採用対象を不動産業界における実務経験者に限定せず、幅広い人材層から営業人員を採用できる体制を構築しております。また、営業活動の進め方や案件管理の方法を組織として蓄積するとともに、グループ内専用システムを活用することで、不動産業界における実務経験を有しない人材についても、入社後早期に営業活動を開始し、案件創出に取り組むことができる体制を整備しております。こうした採用及び育成の仕組みを活用して営業組織を拡充し、営業人員の増加を稼働パイプライン及び案件創出の拡大につなげることで、Land Creationの継続的な事業規模の拡大を図ってまいります。

また、対象地域については、不動産デベロッパー等の開発投資家からの需要が旺盛であり、引き続き大きな開拓余地が存在すると認識している東京都内を中心に事業基盤を強化するとともに、大阪及び福岡にも営業拠点を設置しております。今後も、各地域における需要、案件創出の可能性及び収益性を検証しながら、対象地域を段階的に拡大してまいります。

 

<Agentic Platform>

Agentic Platformにおいては、トグルホールディングスグループ内での活用を通じて、業務プロセスの可視化、標準化及び自動化を推進し、組織全体の生産性向上を図っております。主にバックオフィス部門における業務負担を軽減することで、Land Creationをはじめとする収益部門への人員配置及び採用強化を支える体制を構築しております。トグルホールディングスグループ内で構築した業務フロー及び自動化の仕組みは、外部顧客の業務にも展開可能であることから、顧客企業の既存システム及び業務環境を踏まえて業務プロセスを可視化し、業務の標準化、自動化及び運用定着を支援することで、外部顧客への提供拡大を図っております。

トグルホールディングスグループでは、外部の技術開発事業者が提供する各種モデル及びツールを、自社の自動化基盤と競合するものではなく、その機能及び性能を継続的に向上させるための構成要素と位置付けております。その裏付けとしてトグルホールディングスグループは、特定の外部モデルに依存せず、業務の内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて適切なモデルを選択し、組み合わせて利用できる運用基盤を構築しております。このため、外部モデルの性能向上及び利用コストの低下は、トグルホールディングスグループが自動化できる業務の範囲及び導入効果の拡大につながるものと考えております。

外部顧客への提供を通じて、トグルホールディングスグループの仕組みとの事業親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加えM&Aも選択肢として協議を行います。対象企業としては、不動産業界のみならず、事務作業への依存度が高く業務効率化の余地を有する企業、強固な法人顧客基盤、継続的な収益又は追加的なサービス提供の可能性を有する企業等を想定しております。対象企業の収益性及び財務健全性、トグルホールディングスグループとの事業上の親和性、業務改善の余地並びに追加的なサービス提供の可能性等を慎重に検証してまいります。

 

(3) 経営環境

<Land Creation>

a 市場の構造と成長機会

国内の不動産開発市場、特に東京をはじめとする大都市圏では、住宅、ホテル及びオフィス等の開発用地に対する不動産デベロッパーの需要が引き続き旺盛であると認識しております。一方、都市部では土地の細分化、権利関係の複雑化及び既存建物の存在等により、開発に適したまとまった用地の供給が限られており、不動産デベロッパーの開発需要に対して、開発用地が不足しやすい市場構造となっております。

このような市場環境を踏まえ、トグルホールディングスグループでは、トグルホールディングス独自の分析に基づく潜在市場規模(TAM)を、開発用地の創出領域について約254兆円(注1)、仲介・再販領域について約40兆円(注2)、SaaS・ポータル領域について約1兆円(注3)と試算しております。開発用地の創出領域に係る約254兆円は、日本全国に存在する未活用・未流通の住宅用地の潜在ストック価値に基づくものであります。

トグルホールディングスグループは、これらの川下領域と比較して潜在市場規模が大きく、かつ技術力、営業力及び資本力を組み合わせた実行力が求められる川上の開発用地の創出領域において、個々の土地をそのまま流通させるのではなく、複数の土地を一体化し、地権者その他の関係者との合意形成や権利調整等を経て、新たな開発用地を創出することに大きな事業機会があると考えております。

トグルホールディングスグループが主に事業を展開する一都三県並びに大阪及び福岡においても、既存の土地利用に対して再開発の余地を有する土地が多数存在すると認識しております。

また、トグルホールディングスグループは、不動産デベロッパーとの継続的な取引及び営業活動を通じて、地域、用途、規模等に応じた開発用地への需要及び価格水準を把握しております。こうした需要側の情報を踏まえながら再開発候補地を選定することで、不動産デベロッパーの需要に適合した開発用地の創出を進めております。

一方、不動産デベロッパーによる用地取得の判断は、金利、建設資材価格、人件費及び用途別の需要動向等の影響を受けます。トグルホールディングスグループでは、土地の取得に先立って不動産デベロッパーから開発意向及び価格水準等を確認するとともに、対象用地の建築可能規模及び事業性を検証することで、市場環境の変化を踏まえた案件の選別及び取得条件の設定を行っております。

 

b 競争環境とトグルホールディングスグループの独自性

トグルホールディングスグループのポジショニング及び競争優位性は図6のとおりであります。不動産市場には、不動産デベロッパー、不動産仲介会社、買取再販会社及び地域の不動産事業者等、多数の事業者が存在しております。これらの事業者の多くは、所有者の売却意向が既に顕在化し、不動産仲介会社等を通じて市場に流通している不動産の取得又は仲介を主な事業領域としております。これに対し、トグルホールディングスグループは、市場に流通していない土地の中から、複数の土地を一体化することで開発価値の向上が見込まれる再開発候補地を自ら特定し、地権者その他の関係者との合意形成を通じて新たな開発用地を創出しております。既に顕在化した不動産取引の機会を獲得するのではなく、潜在的な再開発の可能性を見出し、開発用地として成立させるところから事業を開始する点において、一般的な不動産仲介会社及び買取再販会社とは事業の起点が異なります(図6 左上)。また、大手不動産デベロッパーは、大規模な開発案件の企画、開発及び建設等に強みを有する一方、比較的小規模で、複数の地権者との合意形成や権利調整を要する案件については、案件当たりの人的負担が大きくなりやすいと考えております。トグルホールディングスグループは、こうした不動産開発の上流工程を担い、不動産デベロッパーが開発に着手しやすい状態まで整えた開発用地を供給することで、その用地取得機能を補完しております(図6 左下)。

トグルホールディングスグループの独自性は、多数の土地の中から再開発候補地を特定する土地解析技術と、地権者その他の関係者との合意形成を継続的に行い、案件として成立させる営業実行力を併せ持つ点にあります。土地解析技術を有していたとしても、実際に複数の関係者との信頼関係を構築し、それぞれの事情や意向を踏まえながら合意形成を進めるためには、相応の営業組織及び実行力が必要となります(図6 右側「回せない」の壁)。一方、従来型の不動産事業者が多数の再開発候補地を継続的に分析し、複数の案件を同時並行で推進するためには、土地解析や建築可能規模の検証等を効率的に行う技術基盤を構築する必要があります(図6 右側「作れない」の壁)。

トグルホールディングスグループは、テクノロジーと営業実行力の双方を一体的に運用することで、従来は担当者個人の経験や技能への依存度が高かった不動産再開発を、再現性をもって複数案件並行で推進できる事業基盤を構築しております。この点が、Land Creationにおけるトグルホールディングスグループの競争優位性であると考えております。

 


(図6)ヘッド市場・テール市場及びオンマーケット・オフマーケットにおける参入事業者

 

(注) 1.全国の未活用・未流通住宅用地の潜在ストック価値について、約18.5万ha(国土交通省 2023年低未利用地調査)×10,000㎡/ha×137,000円/㎡(2025年地価公示・全国住宅地平均)によりトグルホールディングス算定。

2.国土交通省「2025年土地保有・動態調査(2024年取引分)」全国分析表4-3に基づく全国の土地取引額の概算。

3.矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査(2024年)」による2022年度の国内不動産テック市場規模。

 

<Agentic Platform>

 AI事業者が提供する大規模言語モデル(LLM)等の汎用モデルは、性能が継続的に向上しており、多くの企業において業務への導入が進んでおります。一方、これらのモデルに質問し、得られた回答を従業員が確認・修正したうえで、別のシステムへの入力、関係者への連絡その他の作業を行う必要がある場合には、個別作業の支援にとどまり、業務プロセス全体の自動化にはつながりにくいとトグルホールディングスグループは認識しております。トグルホールディングスグループは、企業内のチャット、会議、タスク及び各種業務情報を収集・構造化し、各業務を実行可能な単位に分解したうえで、エージェントが必要な情報を取得し、各種システムを操作しながら業務を実行するための運用基盤を自社開発しております。これにより、単に質問への回答や文章作成を支援するだけでなく、タスクの生成、担当者への依頼、システムへの入力、関係者への連絡及び進捗管理等を、一連の業務フローとして実行することが可能となります。また、当該自動化基盤は、導入先企業の業務内容や既存システム等に応じて調整することで、広範な業種及び業界に展開できるものと考えております。

 AI事業者が提供する汎用モデルは、トグルホールディングスグループの運用基盤上でエージェントが判断又は情報処理を行うために利用する構成要素であり、AI事業者が提供する汎用モデルとは、担う機能及び領域が異なります。トグルホールディングスグループは、特定の汎用モデルに依存せず、業務内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて、複数のモデルを選択し、又は組み合わせて利用できる構成としております。そのため、AI事業者が提供する汎用モデルの性能向上及び利用コストの低下は、トグルホールディングスグループが自動化できる業務の範囲の拡大及び処理精度の向上につながり、Agentic Platformの機能及び提供価値を高めるものとなります。以上の形で、トグルホールディングスグループは自社で蓄積した業務プロセスの可視化、タスクの分解及び自動化に関する知見を活用し、外部顧客の生産性向上を支援しております。

 

(4) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 持続的な成長と企業価値向上を評価するため、トグルホールディングスグループは定性的な目標(業界変革への貢献、統合インフラの構築)に加え、その進捗を測る具体的な経営指標を重視しております。トグルホールディングスグループがLand Creationにおいて重視するKPI(重要業績評価指標)は下記のとおりです。

<重視するKPI>

 

KPI

カテゴリ

KPI

概要

2025年9月30日

2026年3月31日

2026年6月30日

収益性

稼働

パイプライン

トグルホールディングスグループの営業担当が訪問し、各基準日時点においても提案が進行中の現場の数。地権者数ではなく、取りまとめ案件として1カウント。

稼働パイプラインはトグルホールディングスの将来の売上につながるため重視しております。

1,441 件

(期末時点)

1,878 件

(期末時点)

2,174  件

(期末時点)

収益性

稼働営業

人員数

稼働営業人員とは、地権者との合意形成及び販売先であるデベロッパー等の開発投資家との関係構築、コンストラクションマネジメント等のfee案件を設計する人員等の、売上高に直接貢献する人員を合わせた数であります。営業事務などは含めておりません。

営業活動の効率化は進めているものの、営業員1人が1日に訪問できる件数には限りがあるため、今後も稼働パイプラインを継続的に拡大していくためには、営業人員の増強が重要となります。

営業員の採用から稼働パイプラインの積み上げには一定のリードタイムがあるため、人数は期中平均で算出しております。

63人

(期中平均61人)

56人

(期中平均59人)

82人

(期中平均64人)

 

 営業人員の採用については、Agentic Platformを活用して営業活動を標準化することで、不動産業界での経験の有無にかかわらず業務を遂行できる体制を構築しております。こうした体制の整備等を背景に、2025年4月から9月までの期間と2025年10月から2026年3月までの期間を比較すると、応募者数は503人から1,026人に、採用者数は7人から29人に増加しました。

 

 トグルホールディングスグループは、Land Creationを主体とする事業活動の成果を示す財務指標として、売上高、売上総利益及び売上総利益率並びに営業利益及び営業利益率を管理しております。稼働パイプラインの拡大及び稼働営業人員の増強が売上高の成長につながり、高付加価値案件の拡大が売上総利益率の改善に、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化が営業利益率の向上に寄与するものと位置付けております。これらの指標を月次及び四半期単位で管理しております。

 


 (図7)売上高、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率の推移

(注) 1.2023年9月期の連結財務数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

トグルホールディングスグループの本書提出日現在における「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」は以下のとおりです。また、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、トグルホールディングスグループが合理的であると判断したものであります。

 

① 技術革新への継続的対応と優位性維持

トグルホールディングスグループの競争力は、独自に整備した不動産・建築データ、土地解析及びボリュームチェック技術並びに業務の自動化を支えるシステム基盤に支えられており、これらを継続的に改善することが重要な課題であると認識しております。Land Creationにおける建築可能規模の算定は、建築関連法令並びに土地及び建物の幾何条件を、あらかじめ定められたルールに基づいて処理する決定論的なアルゴリズム及び数理計算を中核としており、確率的に回答を生成する大規模言語モデル(LLM)等とは性質が異なります。一方、LLM等の外部技術の進歩は、Agentic Platformにおける業務分析、タスク生成及び業務実行の高度化に寄与します。

トグルホールディングスグループは、今後も不動産・建築データ、関連法令及び行政上の運用の変更を継続的に反映するとともに、外部技術の進展を適切に取り込み、技術上の優位性及び競争力の維持・向上を図ってまいります。

 

② 営業組織の拡充及び案件創出力の強化

Land Creationの継続的な成長には、再開発候補地を継続的に特定し、地権者との交渉を通じて案件化する営業組織の拡充が重要となります。トグルホールディングスグループは、訪問候補地及び訪問順序の最適化、地権者との接触履歴及び再訪時期の管理、案件進捗の可視化並びに営業担当者の行動分析等を通じて、従来は担当者個人の経験や勘に依存していた営業活動を標準化しております。これにより、採用対象を不動産業界の実務経験者に限定することなく、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、入社後の研修及びグループ内専用システムの活用を通じて早期に戦力化する体制を構築しております。

特定の経験や技能を有する人材の採用のみに依存しない人員体制を構築することで、営業人員の増加に連動して稼働パイプラインを拡大できる事業基盤を整備しております。今後も、東京を中心とする一都三県における案件創出力を強化するとともに、大阪及び福岡、その他地域においても、地区ごとの需要及び収益性を検証しながら営業組織を拡充してまいります。

 

 

③ 収益性及び在庫回転の管理

不動産デベロッパー等による用地取得の判断は、不動産市況、建設費、金利及び用途別の需要等の影響を受けます。建設費又は資金調達コストの上昇等により開発事業の採算性が低下した場合には、用地取得意欲及び取得可能な価格水準が低下し、トグルホールディングスグループの販売価格、保有期間及び収益性に影響を与える可能性があります。

トグルホールディングスグループは、土地の取得に先立ち、複数の不動産デベロッパー及び投資家から購入意向及び価格水準を確認し、建築可能規模及び事業性を検証したうえで、案件化の可否及び取得価格を判断しております。

今後も、複数の販売先候補を確保するとともに、案件ごとの収益性、販売可能性を慎重に検討し、加えて在庫保有期間を継続的に管理・短縮し、市場環境の変化に応じて売却条件を適切に見直すことで、在庫リスクの抑制及び資金回収の早期化を図ってまいります。

 

④ 安定的な資金調達力の確保

Land Creationにおける土地取得資金の大部分は、金融機関からの借入により調達しております。そのため、事業規模の拡大に応じた借入枠の確保、資金調達コストの管理並びに借入期間と土地の販売時期の適切な管理が重要な課題となります。金利が上昇した場合には、トグルホールディングスグループの金融費用が増加するほか、金融機関の融資方針の変化により、借入条件又は資金調達可能額に影響が生じる可能性があります。

トグルホールディングスグループは、案件ごとの収益性、販売可能性及び在庫保有期間を踏まえて借入条件及び返済期限を管理するとともに、案件の取得及び販売並びに借入金の返済実績を継続的に積み上げることで、金融機関との信頼関係の強化を図っております。また、借入先の分散及び新たな金融機関との取引拡大を進め、安定的な資金調達基盤の構築を図ってまいります。加えて、上場を契機として情報開示及びガバナンス体制を一層強化するとともに、上場後に期待される対外的信用力の向上を金融機関との取引基盤の拡大につなげることで、事業成長に必要な資金の安定的な確保及び資金調達コストの適正化に努めてまいります。

 

⑤ 収益基盤の拡大と財務規律の両立

トグルホールディングスグループは、現在の主要な収益基盤であるLand Creationの継続的な成長を図るとともに、Agentic Platformを中長期的な収益源として育成し、収益基盤の拡大及び多様化を進めることを重要な経営課題として認識しております。

Agentic Platformにおいては、プロダクト又はサービスの提供にとどまらず、顧客企業の業務プロセスを可視化し、業務フローの標準化及び自動化を支援することで、生産性及び収益性の向上を図ってまいります。また、サービスの提供を通じて、トグルホールディングスグループとの事業上の親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加え、M&Aを含む資本面での連携を検討してまいります。

M&Aの実行に当たっては、対象企業の顧客基盤、継続的な収益、財務健全性及び業務改善余地に加え、取得価格、資金調達方法及び買収後の統合方針並びにトグルホールディングスグループのROE及びROIC等への影響を慎重に検証し、企業価値及び資本効率の維持・向上を図ってまいります。

また、事業規模の拡大に伴い、人件費、業務委託費、その他の販売費及び一般管理費並びに金融費用が増加する可能性があることから、収益成長と費用管理の両立が重要となります。トグルホールディングスグループは、規律を持った財務モデルを策定・管理しており、今後も売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費率、有利子負債、金融費用並びに当期純利益等の主要な財務指標を適切に管理してまいります。

 

⑥ 組織運営及び内部管理体制の強化

トグルホールディングスグループは、今後の人員採用について、Land Creationの営業人員をはじめとする収益部門を中心に進める方針です。一方、管理部門及び開発部門については、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化を進めることで、事業規模の拡大に対して人員数が比例的に増加しない組織体制の構築を図っております。

また、事業及びグループ規模の拡大に対応するため、財務・会計、法務、コンプライアンス、情報システム及び内部監査等については、必要な専門人材を適切に配置するとともに、職務権限、予算及び業績管理、内部統制、情報セキュリティ並びにグループ会社管理等の体制を継続的に強化してまいります。

 

 

⑦ 法令遵守及びAI・データガバナンス体制の強化

トグルホールディングスグループは、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、個人情報の保護に関する法律その他の事業関連法令に加え、AI及びデータ利用に関する国内外の規制及びルール形成の動向を継続的に把握し、適切に対応する必要があります。

特に、Agentic Platformの提供及び運用においては、顧客企業及び従業員の会議、会話、顧客情報、業務上の操作履歴その他の情報を取り扱う場合があることから、情報の取得及び利用の目的、取得範囲、アクセス権限、保存期間並びに外部事業者が提供する汎用モデルへの情報提供等を適切に管理することが重要となります。

トグルホールディングスグループは、法務・コンプライアンス及び情報管理体制の整備を進めており、2026年7月には、トグルホールディングスが提供する自動化エージェントを対象として、AIマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 42001:2023」の認証を取得しております。今後も、当該マネジメントシステムの継続的な運用及び改善を通じて、AI及びデータの適切な利用並びに潜在的なリスクの早期把握に努めてまいります。

 

これらの対応策は相互に連携しており、その着実な実行を通じて、経営課題を克服し、持続的な成長軌道を確保してまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要と考えられる事項につきましては、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてトグルホールディングスグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。

 

(リスクの目安)

 

レベル

影響

顕在化可能性

高

事業撤退の可能性がある

数ヶ月から1年で発生する可能性がある

中

事業計画の見直しが必要になる

直近では低いが数年後に発生の可能性がある

低

影響は限定的

可能性は低いが注視が必要

 

 

(1) 不動産市況の変動リスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:景気後退)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの事業、特に不動産開発や不動産売買は国内外の経済情勢、金融政策(金融緩和・引き締め、金利動向等)、税制の変更、不動産需給バランス、人口動態の変化、地価の変動等、様々な要因による不動産市況の変動の影響を受ける可能性があります。特に、投資用不動産市場の環境が悪化した場合、販売価格の下落、販売期間の長期化、仕入価格の上昇、賃料水準の下落等を通じて、トグルホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、特定の地域やアセットタイプに集中投資することなく、市場動向を注視しながら分散投資を心がけることで、市況変動リスクの低減を図ってまいります。また、経済・金融情勢や不動産市場に関する情報収集及び分析を継続的に行い、変化に迅速に対応できる体制を構築してまいります。さらに、安定的な収益基盤の確立を目指し、SaaS事業である「デベNAVI」等のストック型収益モデルの強化にも注力してまいります。

 

(2) 金利変動リスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:金融政策の変更)

① リスク内容

トグルホールディングスグループは、不動産の仕入れや開発資金の大部分を金融機関からの借入れにより調達しております。トグルホールディングスグループの不動産仕入れにおけるLTV(Loan to Value:不動産価値に対する借入金の割合)は、案件ごとに異なるものの、90%~100%程度(2025年4月以降の48件中43件のLTVが90%以上)となっております。そのため、将来的に金融緩和政策の縮小や短期・長期金利が上昇した場合、支払利息が増加し、トグルホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、金利上昇は不動産投資家の期待利回りを上昇させ、不動産価格の下落要因となる可能性や、不動産投資市場全体の資金調達環境を悪化させる可能性もあります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、金利変動が経営に与えるリスクを軽減するため、不動産を仕入れてから売却するまでの期間を短縮することに努めております。これに伴って借入期間も短縮されるため、金利変動リスクを最小限に抑える効果があります。加えて、一つ一つの不動産物件において十分な粗利率を確保できるよう投資委員会で厳しく管理しており、こうした取り組みによって、多少の金利変動が生じてもトグルホールディングスグループの財務基盤に大きな影響が及ばない体制を構築しております。また、安定的な財務基盤を維持・強化するため、自己資本の充実に継続して努めてまいります。同時に、金融機関との良好な関係を維持し、必要に応じて柔軟かつ多様な資金調達手段を確保することにも注力してまいります。

 

 

(3) 特定の取引への依存及び業績変動に関するリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの不動産開発・販売事業においては、一件あたりの取引金額が比較的高額となる傾向があります。不動産の売買契約締結から決済・引渡しまでには一定の期間を要し、許認可取得の遅延、買主側の資金調達状況、その他の予期せぬ事象により、当初予定していた決済時期が翌四半期や翌事業年度にずれ込む可能性があります。その結果、特定の大型案件の決済時期が変動することにより、四半期ごと又は事業年度ごとの業績が大きく変動する可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、特定の大型取引の動向が業績に与える影響について、投資家に対し適時適切な情報開示を行うよう努めてまいります。中長期的には、「デベNAVI」等のSaaS、AIエージェントといったストック型収益モデルの育成・強化を図り、収益構造の安定化を目指してまいります。また、不動産開発・販売事業においては、プロジェクトの工程管理を徹底し、計画的な販売及び決済の実行に努めるとともに、複数のプロジェクトを異なる時期に展開することで、単一案件への依存度を低減し、業績の平準化を図ってまいります。

 

(4) 競争激化のリスク

(影響レベル:低、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループが事業を展開する不動産開発領域は規模が大きい市場として注目されており、既存の不動産会社、建設会社、IT企業に加え、国内外からの新規参入が相次いでおります。競合他社がトグルホールディングスグループよりも優れた技術やサービス、価格競争力のある商品を提供した場合、あるいは大規模な資本力を背景とした事業展開を行った場合、トグルホールディングスグループの市場シェアや収益性が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、Land CreationとAgentic Platformの双方を展開している強みを活かし、現場で得られる知見、ノウハウ及びデータとAI技術開発を継続的に循環させることで、顧客ニーズに即したサービスの提供及び継続的な技術高度化を実現しております。また、継続的なサービス改善、M&A及び事業提携等を通じて事業領域の拡大を図ることで、他社との差別化を推進し、競争優位性の確保に努めてまいります。

 

(5) 技術革新への対応リスク

(影響レベル:低、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループは、AIをはじめとする先端技術を活用した事業展開を強みとしております。しかし、AI、ビッグデータ、IoT、ブロックチェーン等の技術は急速に進展しており、新たな技術やサービスの登場により、既存の技術が陳腐化する可能性があります。トグルホールディングスグループがこれらの技術革新の動向を的確に把握し、迅速かつ適切に対応できなかった場合、技術的な優位性を失い、競争力が低下し、トグルホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、国内外の最新技術動向に関する情報収集・調査研究を継続的に行い、技術革新への対応力を維持・強化してまいります。技術開発体制を強化し、研究開発への投資を積極的に行うとともに、外部の専門家や研究機関、先進的な技術を持つ企業との連携も視野に入れ、常に技術力の向上に努めます。また、従業員のスキルアップ支援や専門人材の確保・育成にも注力し、組織全体の技術対応力を高めてまいります。

 

 

(6) M&A・事業提携に関するリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループは、事業拡大や競争力強化のため、M&A(企業の合併・買収)や事業提携を重要な戦略の一つとして位置付けております。しかし、M&Aや事業提携の実施にあたっては、対象企業の事業、財務、法務等に関する事前のデューデリジェンス(詳細調査)を慎重に行いますが、偶発債務の発生や未認識の簿外債務、訴訟等のリスクが顕在化する可能性を完全に排除することはできません。また、買収後の統合プロセス(PMI)が計画通りに進まなかった場合や、期待したシナジー効果(事業上の相乗効果)が十分に得られなかった場合、のれんの減損損失が発生するなど、トグルホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

M&Aや事業提携を行う際には、外部の専門家も活用し、対象企業や事業のリスクについて詳細なデューデリジェンスを実施いたします。また、買収・提携後の統合計画を事前に策定し、組織体制、業務プロセス、企業文化等の統合を円滑に進めるための施策を実行します。さらに、シナジー効果の創出に向けた具体的な取り組みを計画・実行し、その進捗状況を継続的にモニタリングすることで、投資効果の最大化を図ってまいります。

 

(7) 情報セキュリティ・個人情報保護のリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループは、事業運営上、顧客情報、取引情報、不動産情報、従業員情報など、多くの機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報について、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの感染、内部関係者による不正行為、不注意による情報漏洩等が発生した場合、トグルホールディングスグループの社会的信用の失墜、損害賠償請求、行政処分等につながり、事業運営及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、情報セキュリティを経営上の重要課題と認識し、情報管理規程を整備するとともに、技術的・物理的・人的なセキュリティ対策を講じております。具体的には、情報システムへのアクセス制御、不正アクセス監視、ファイアウォールの設置、従業員に対する情報セキュリティ教育の実施、委託先の管理体制の強化等に取り組んでおります。また、個人情報保護法をはじめとする関連法令を遵守し、個人情報の適切な取得、利用、管理を徹底してまいります。インシデント発生に備えた対応計画を策定し、定期的な見直しと訓練を実施してまいります。

 

(8) 法令・規制に関するリスク(宅地建物取引業法)

トグルホールディングスグループの主要な事業は、宅地建物取引業法に基づく免許を得て、事業活動を行っております。

   当該免許はトグルホールディングスグループ事業の根幹となるものであることから、その有効性等を適切に管理するとともに、

  その他関連法令についても改正や改廃の有無を適時にモニタリングできる体制を整備しております。 

なお、宅地建物取引業法については、免許の有効期間及び更新期限、事務所ごとの専任宅地建物取引士の設置状況(法定人数割合を含む)及び宅地建物取引士証の有効性、宅地建物取引業者票・報酬額表の掲示状況、並びに従業者証明書、従業者名簿及び業務帳簿の作成・更新・保存状況等を管理対象とし、人員異動や拠点の新設・廃止等が生じた場合には経営管理ユニット総務チームに情報を集約のうえ、事務所ごとの法定要件充足を継続的に確認する体制を整備しております。また、内部監査及び監査役監査においても、宅地建物取引業者票等の掲示状況、専任宅地建物取引士の配置状況及び宅地建物取引士証の有効性、従業者証明書・従業者名簿・業務帳簿の整備状況等を確認対象とし、宅地建物取引業法に係る法令遵守状況をモニタリングしております。なお、法令・規制の不遵守が発生した場合には、重大な事業上の影響を及ぼす可能性はありますが、現状、継続的に支障をきたす要因は一切発生しておりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

免許、許可、登録等の別

有効期間

関連する法律

登録等の交付者

取り消し条項

つくる地所

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(2)

第9463号

令和5年11月22日

から

令和10年11月21日

宅地建物取引業法

国土交通大臣

同法第5条(破産、禁固以上の刑に処せられた場合等の欠格事由への該当)

及び第66条(免許の不正取得等の取消事由への該当)

つくる資産

宅地建物取引業者免許

東京都知事(1)

第113903号

令和8年5月16日

から

令和13年5月15日

宅地建物取引業法

東京都知事

同法第5条(破産、禁固以上の刑に処せられた場合等の欠格事由への該当)

及び第66条(免許の不正取得等の取消事由への該当)

 

 

(9) 法令・規制に関するリスク(宅地建物取引業法以外)

(影響レベル:中、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの事業は、宅地建物取引業法、建設業法、金融商品取引法、建築基準法、都市計画法、個人情報保護法、不正競争防止法、消費者契約法など、多岐に渡る法規制の適用を受けております。これらの法規制が改正された場合、新たな規制が導入された場合、あるいは既存の法規制の解釈・運用が変更された場合、トグルホールディングスグループの事業活動が制約を受けたり、対応コストが増加したりする可能性があります。また、万が一、トグルホールディングスグループがこれらの法規制に違反した場合、行政処分、許認可の取消し、訴訟の提起等により、事業継続に支障をきたし、社会的信用の失墜を招く可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、コンプライアンス体制の強化を経営の最重要課題の一つと位置付け、関連法規の遵守を徹底しております。法務・コンプライアンス部門を設置し、社内規程の整備、役職員への教育・研修の実施、内部監査体制の強化等を通じて、法令遵守意識の向上とリスクの未然防止に努めております。また、弁護士等の外部専門家との連携を密にし、法改正や新たな規制の動向を常に把握し、適切に対応できる体制を構築しております。

 

 

(10) 主要人材への依存リスク・人材確保のリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの事業は、不動産、建築、金融、IT(特にAI)等の専門知識や経験を有する人材によって支えられております。特に、経営幹部や特定の分野における専門性の高い人材への依存度が高い場合、当該人材が社外に流出した場合、トグルホールディングスグループの事業展開、技術開発、組織運営等に支障が生じる可能性があります。また、事業拡大に伴い、これらの専門人材を含む優秀な人材を継続的に確保・育成することが不可欠ですが、採用市場の競争激化や労働需給の変化等により、計画通りに人材確保が進まない場合、事業成長の制約要因となる可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、特定の個人に過度に依存しない組織体制の構築を目指し、権限委譲や業務の標準化、情報共有の促進に努めております。また、人材育成プログラムや研修制度を充実させ、従業員の能力開発とキャリア形成を支援するとともに、次世代の経営を担う人材の育成にも注力してまいります。採用活動においては、採用チャネルの多様化やトグルホールディングスグループの魅力発信を強化し、優秀な人材の獲得に努めます。さらに、従業員が意欲を持って長期的に活躍できるような、働きがいのある職場環境の整備や福利厚生制度の充実に努めてまいります。

 

(11) 事業モデル特有のリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループは、Land Creationにおいて不動産開発、コンストラクションマネジメント等を展開し、Agentic PlatformにおいてSaaSの提供、AIエージェント等のサービスを展開しております。これらのサービスには、それぞれ特有のリスクが存在します。例えば、Land Creationにおいては、不動産市況の変動や開発プロジェクトの進捗遅延等のリスクが存在し、Agentic Platformにおいては、技術の陳腐化リスク、システム障害リスク、顧客獲得や解約率に関するリスク等が存在します。これらの事業特有のリスクが顕在化した場合、当該事業の収益性が低下し、トグルホールディングスグループ全体の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、各事業の特性に応じたリスク管理体制を構築し、リスクの未然防止及び発生時の影響最小化に努めてまいります。Land Creationにおいては、案件審査及びプロジェクト管理の高度化を通じてリスク低減を図り、Agentic Platformにおいては、高度な技術人材の採用及び育成並びに研究開発投資を継続的に実施するとともに、サービス改善及び安定的なシステム運用に努め、顧客満足度の向上を図ります。また、両事業を通じて蓄積される知見及びデータを活用しながら事業運営の高度化を進めるとともに、各事業に関連する法規制の動向を注視し、適切に対応してまいります。

 

(12) 自然災害・システム障害のリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの事業拠点や、トグルホールディングスグループが開発・保有・管理する不動産、あるいはトグルホールディングスが利用するデータセンター等が、地震、台風、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合、物的損害や事業活動の停止を余儀なくされる可能性があります。また、トグルホールディングスグループが事業運営に利用している情報システムやネットワークに、予期せぬ障害、サイバー攻撃、電力供給の停止等が発生した場合、サービスの提供が中断し、顧客からの信頼低下や事業機会の損失につながる可能性があります。これらの事象が発生した場合、復旧費用や機会損失等により、トグルホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、自然災害やシステム障害等の発生に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な見直しと訓練を実施しております。データのバックアップ体制を整備し、重要な情報システムの冗長化や耐障害性の向上に努めております。また、必要に応じて拠点の分散化やリモートワーク環境の整備を進め、災害発生時においても事業を継続できる体制の構築を図ってまいります。

 

 

(13) コンプライアンスリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループ役職員による法令違反、社内規程違反、不適切な会計処理、インサイダー取引、反社会的勢力との関係、各種ハラスメント等のコンプライアンス違反が発生した場合、行政処分、訴訟の提起、許認可の取消し等につながる可能性があります。また、これらの事象はトグルホールディングスグループの社会的信用を著しく損ない、企業イメージの悪化、顧客や取引先との関係悪化、従業員の士気低下等を招き、事業運営及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、コンプライアンスを経営の最重要基盤と位置付け、代表取締役を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、グループ全体のコンプライアンス体制の整備・強化を図っております。コンプライアンス・リスク管理規程や行動規範を定め、全役職員に対するコンプライアンス研修を定期的に実施し、法令遵守意識の浸透を図っております。また、内部通報制度を設け、不正行為等の早期発見と是正に努めるとともに、内部監査部門による監査を通じて、業務の適正性を確保してまいります。

 

(14) 気候変動関連リスク

(影響レベル:低、顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

気候変動の進行に伴う異常気象の頻発化・激甚化は、トグルホールディングスグループが開発・保有・管理する不動産に対する物理的リスク(洪水、高潮、土砂災害等による損害)を高める可能性があります。また、脱炭素社会への移行に向けた政策・規制(炭素税の導入、省エネルギー基準の強化等)の強化は、トグルホールディングスグループの事業運営コストの増加や、保有不動産の資産価値の低下につながる可能性があります(移行リスク)。これらの気候変動に関連するリスクへ適切に対応できなかった場合、トグルホールディングスグループの事業、業績及び財政状態、さらには企業価値に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、気候変動が事業に与えるリスクと機会を認識し、その影響の把握に努めております。物理的リスクに対しては、ハザードマップ等を活用した立地評価や、災害に強い設計・建材の採用等を検討してまいります。移行リスクに対しては、事業活動における温室効果ガス排出量の把握・削減、省エネルギー性能の高い不動産の開発・改修、再生可能エネルギーの利用等を推進してまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)等の国際的な枠組みを参考に、情報開示の充実に努めることを検討してまいります。

 

(15) 特定の経営者へのリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの代表取締役である伊藤嘉盛は、創業以来、経営方針や事業戦略の決定、新規事業の推進、技術開発、組織構築等において極めて重要な役割を果たしており、トグルホールディングスグループの事業活動は代表者に大きく依存している側面があります。不動産、金融、スタートアップ経営に関する代表者の豊富な経験とリーダーシップはトグルホールディングスグループの強みでありますが、何らかの理由により代表がトグルホールディングスグループの業務を継続することが困難になった場合、トグルホールディングスグループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、特定の経営者に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。取締役会における意思決定機能の強化や、執行役員制度の導入による業務執行体制の整備、各部門への権限委譲を推進しております。また、経営理念や経営戦略を組織全体で共有し、次世代の経営幹部候補の育成にも注力することで、代表の伊藤に不測の事態が生じた場合でも、持続的な経営が可能となる組織基盤の強化を図ってまいります。

 

 

 

 

 

(16) 配当政策に関するリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスは株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、トグルホールディングスグループは現在、成長過程にあると考えており、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及びトグルホールディングスグループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であり、本方針について株主からの理解が得られない場合、トグルホールディングスグループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 対応策

トグルホールディングスグループは、機関投資家との個別ミーティングの実施、機関投資家・アナリスト向けカンファレンスの参加、決算説明会の実施、コーポレートサイトにおけるIR特設ページの充実等を通じ、株主との対話に注力してまいります。それらIR活動を通じて、トグルホールディングスグループが重視する中長期目線に立った企業価値の最大化を詳細に繰り返し説明することで、トグルホールディングス配当方針について支持を獲得すべく尽力してまいります。

 

(17) 四半期業績の偏重に関するリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:大、顕在化する可能性のある時期:2026/9期)

① リスク内容

トグルホールディングスグループの業績は四半期ごとに偏りが生じ、特に第4四半期に売上及び利益が偏重する傾向があります。これは事業上の季節性によるものではなく、自社グループのバランスシートで販売用不動産を保有する事業特性上、期末にかけて当該不動産を持ち続け、より多くの販売先と商談を行う事による収益の最大化を企図することに起因するものであります。

売上及び利益が偏重する第4四半期に見込んでいた案件が仮に翌期第1四半期にずれ込んだ場合、通期の業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 対応策

案件ポートフォリオマネジメントを強化し、可能な限り四半期毎の売上及び利益の偏重が発生しないようグループを挙げて取り組んでおります。具体的には四半期ごとの地権者様との調整状況、案件の進捗状況、及び顧客の需要動向を継続的にモニタリングし、月次及び四半期単位で業績見通しを更新しております。また、手掛ける案件数を増加させることによるボラティリティの低減を継続的に図っており、特定の四半期に業績が偏重する状態を早期に解消すべく尽力してまいります。

 

 

 

(18) 新株予約権の行使に伴う希薄化に関するリスク

(影響レベル:低、顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:2026/9期以降)

① リスク内容

トグルホールディングスは、役員及び従業員等に対して新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、トグルホールディングスの発行済株式総数が増加し、既存株主の議決権比率及び1株当たり利益等が希薄化する可能性があります。また、新株予約権の行使により発行される株式が市場で売却された場合には、トグルホールディングス株式の需給関係に影響を及ぼし、株価が変動する可能性があります。

一方、トグルホールディングスは、中長期における連結業績及び時価総額の継続的な向上を重視して経営を行っており、株主の皆様と利害を一致させたマネジメント層に対する長期的なインセンティブプランは、トグルホールディングスの企業価値向上に有効であると考えております。そのため、トグルホールディングスでは、在籍要件、業績要件及び時価総額要件を新株予約権の権利行使条件に付した設計を、必要に応じて採用しております。

とりわけ、代表取締役に対して2026年9月28日付で割り当てた第14回新株予約権については、トグルホールディングスの創設者かつ大株主である伊藤嘉盛の長期にわたる経営への従事並びに業績及び時価総額の向上へのコミットメントを促すインセンティブとして、今後においてもトグルホールディングスグループの経営に一層注力していく上で有用であると考えております。トグルホールディングスは、指名報酬委員会及び取締役会における審議を経て、業績及び時価総額の達成状況に応じて権利行使可能株数が確定するガバナンス上も適切な設計であることを確認した上で、同新株予約権を割り当てております。

 

参考情報として、トグルホールディングスにおける第1回から第14回の新株予約権の残存株数及び権利行使条件の概要を記載した表を掲載いたします。

                                     (2026年9月28日現在)

回数

割当日

対象者

株数

権利行使

価格

権利行使条件及び割合

中長期
 インセンティブ

1-1

2024年3月29日

役職員

71,955株

26円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

1-2

2024年6月28日

役職員

85,700株

26円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

1-3

2024年12月27日

役職員

83,665株

26円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

2

2023年3月7日

役職員

128,630株

26円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

3

2023年3月7日

社外協力者

2,210株

26円

2024年9期~2026年9期までの間に売上高80億円を超過

-

4

2024年12月17日

役職員

33,415株

26円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

5

2024年12月17日

役職員

14,735株

26円

上場かつ、2029年11月1日以降

〇

6

2025年6月30日

役職員

105,335株

815円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

7

2025年6月30日

役職員

14,735株

815円

上場かつ、2030年4月1日以降

〇

8

2025年9月30日

社外取締役・社外監査役

44,625株

1,120円

時価総額が800億円を超過

-

9

2025年10月1日

役職員

50,000株

1,120円

上場かつ、2027年10月1日以降1/2、2030年10月1日

以降2/2

〇

10

2025年10月31日

役職員

110,855株

1,120円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

11

2025年10月31日

役職員

190,370株

1,120円

上場かつ、2030年6月30日以降

〇

12

2026年5月20日

役職員

225,130株

3,306円

上場時1/4、上場1年後2/4、上場2年後4/4

-

13

2026年5月20日

役職員

30,000株

3,306円

うち15,000株は上場かつ、2031年2月1日以降

残り15,000株は上場かつ2031年4月1日以降

〇

14

2026年9月28日

代表取締役

763,400株

4,000円もしくは新規上場時公開価格のいずれか高い方

調整後EBITDAが150億円を超過し、かつ基準時価総額が3,000億円を超えた場合:行使可能割合15%
 調整後EBITDAが250億円を超過し、かつ基準時価総額が5,000億円を超えた場合: 行使可能割合35%
 調整後EBITDAが350億円を超過し、かつ基準時価総額が7,000億円を超えた場合: 行使可能割合60%
 調整後EBITDAが500億円を超過し、かつ基準時価総額が1兆円を超えた場合: 行使可能割合100%

◎

 

 

② 対応策

トグルホールディングスでは、新株予約権の付与に際して、付与対象者、発行数量、行使価額、行使期間及び行使条件を適切に設定し、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合を考慮して運用しております。

また、新株予約権の発行内容、潜在株式数及び残存状況について、法令及び証券取引所の規則に基づき適時適切に開示しております。今後の新株予約権の発行についても、株主価値への影響、付与の必要性及び希薄化の程度を総合的に検討した上で戦略的に決定していきます。

なお、第14回新株予約権は他の新株予約権と比較して割当株数が多くなっておりますが、業績(調整後EBITDA※)及び時価総額に係る要件を4段階に設定し、段階的に権利行使が可能となる設計としていることから、短期間における大量の株式の希薄化は回避される見通しです。

※調整後EBITDA = EBITDA + 株式報酬費用 + 一時的なM&A関連費用

 

(19) 社歴が浅く過年度業績の連続性が限定的であることに関するリスク

(影響レベル:中、顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:2027/9期以降)

① リスク内容

トグルホールディングスは設立からの経過年数が浅く、過年度の財務情報及び経営指標の蓄積が限定的です。また、事業の開始時期、主力事業、事業規模等に変化が生じているため、過年度の業績を単純に比較することや、過年度の業績を基礎として将来の業績を予測することには限界があります。

特に、トグルホールディングスグループの業績は、不動産販売件数及び規模の大小に左右される傾向があります。そのため、今後の事業拡大が計画どおりに進まない場合、又は事業環境が変化した場合には、トグルホールディングスの業績、財政状態及び成長性に影響を及ぼす可能性があります。また、過年度の業績には、事業拡大期における一時的な要因も含まれており、当該業績が将来にわたって継続する保証はありません。

 

② 対応策

トグルホールディングスでは、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、案件数、案件単価等の重要な経営指標を設定し、月次及び四半期単位で実績及び計画との差異を分析しております。また、事業計画については、事業環境、顧客動向、仕入状況及び投資計画等を踏まえて定期的に見直しを行い、取締役会等において進捗状況及び今後の対応方針を確認しております。さらに、事業規模の拡大に対応するため、人材の採用・育成、業務プロセスの標準化、内部管理体制及び財務報告に係る内部統制の整備を進め、持続的かつ安定的な成長基盤の構築に努めております。

 

 

(20) 親会社であるFuni株式会社との関係に関するリスク

(影響レベル:低、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスの親会社であるFuni株式会社(トグルホールディングス代表取締役である伊藤嘉盛が発行済株式の全部を保有する資産管理会社。以下「Funi」)は、複数の賃貸用不動産を保有し、金融機関からの借入れを行う相応の事業規模を有していることから、監査法人との協議の結果、トグルホールディングスの親会社に該当するものと整理しております。人的関係としては、トグルホールディングス代表取締役である伊藤嘉盛がFuniの代表取締役を兼務しておりますが、その他の人的関係はありません。また、取引関係としては、トグルホールディングスがFuniに対して会議音声をAIで分析し、自動で議事録に変換するサービスを提供しております。当該サービスの取引価格は第三者に提供する場合と同額としており、関連当事者取引に該当することから、取引開始前にトグルホールディングス取締役会において取引の必要性及び取引条件の妥当性を確認の上、承認しております。

Funiは中長期保有目的の収益不動産等への投資を基本方針としており、原則として売却を前提に、通常の投資目線として売却想定価格5億円から20億円程度の案件を基本方針とするトグルホールディングス子会社つくる地所株式会社の投資基準とは、投資期間及び投資対象を異にしております。もっとも、伊藤嘉盛がトグルホールディングスの代表取締役であると同時にFuniの実質的な保有者及び役員を兼務していることから、Funi又は伊藤嘉盛が実質的に支配する法人等(Funi以外の資産管理会社を含む)による不動産取得等に関し、トグルホールディングスグループの事業機会との競合、取引条件の妥当性、又は利益相反が生じるおそれがあります。

Funiからトグルホールディングスの経営に関する事前承認を受ける事項はありません。一方、Funi又は伊藤嘉盛が実質的に支配する法人等による不動産買付けについては、トグルホールディングスグループとの事業機会の競合及び利益相反を管理する観点から、後記のとおりトグルホールディングスの特別委員会による事前審議の対象としております。なお、Funiによるトグルホールディングスの経営に関するその他の関与又は定期的な経営情報の報告は行っておりません。

トグルホールディングスは、代表取締役による不動産買付けについて、独立社外役員で構成する特別委員会への事前通知・審議を義務付ける規程等を整備しております。当該規程の対象範囲は、代表取締役が代表者を務める法人、代表取締役が議決権の過半数を直接又は間接的に保有する法人、及び代表取締役が議決権の保有状況、役員の選任その他の事情により当該法人の財務及び事業の方針を実質的に決定できる法人としており、これは、代表取締役自身のコントロールが及ぶ範囲において利益相反を管理するという考え方に基づくものです。このような利益相反管理の枠組みが適切に運用されない場合、トグルホールディングスグループの事業機会の逸失、少数株主利益の毀損、又はコーポレート・ガバナンスに対する市場の信頼低下を通じて、トグルホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 対応策

トグルホールディングスは、「代表取締役の不動産買付けに関する事前通知規程」及び「特別委員会運営ガイドライン」に基づき、代表取締役個人及び代表取締役が実質的に支配する法人(Funiを含む)による不動産取引全件について、特別委員会への事前通知及び審議(承認、条件付承認又は否認の勧告)を経なければ契約を締結できない体制としております。対象範囲は、代表取締役個人の議決権保有状況、役員選任その他の事情に基づく実質的な支配の有無という観点から画定しており、代表取締役の利益相反管理として合理的な範囲を設定しております。

特別委員会は、原則として対面又はオンラインにより開催しておりますが、不動産取引に求められる機動性を踏まえ、対面等による開催が困難な場合には、電子メールを用いて開催することとしております。電子メールによる開催の場合であっても、対象不動産の住所、写真、面積、価格及び売主等、利益相反又は事業機会の競合の有無を判断するために必要な情報を通知するとともに、一定の期間内に委員が当該情報を確認し、必要に応じて質疑応答又は異議申立てを行うことができる運用とすることで、実質的な審議・確認の機会を確保しております。当該期間内に異議の申立てがない場合、当該取引は特別委員会により承認されたものとみなされますが、異議が申し立てられた場合には、当該異議が解消されるまで代表取締役は売買契約を締結することができないものとしております。特別委員会に通知された案件の内容及び審議結果については、定時取締役会において定期的に振り返り報告を行うこととしており、事前の審議機会と事後の取締役会によるモニタリングを組み合わせた牽制体制としております。

また、Funiとの取引関係については、当該取引は関連当事者取引に該当することから、「関連当事者取引管理規程」に基づき、取締役会による事前審議・承認及び特別利害関係を有する取締役の決議への不参加の手続を経るものとしております。あわせて、監査役会が関連当事者取引管理台帳を月次で確認し、Funiとの取引の有無及び取引条件の妥当性を継続的にモニタリングしております。

(コーポレート・ガバナンスの状況の詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 f 特別委員会」を参照。)

 

(21)代表取締役の親族がトグルホールディングスの執行役員に就任していることについて

(影響レベル:低、顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

① リスク内容

トグルホールディングスの代表取締役である伊藤嘉盛の実姉である伊藤嘉恵が、トグルホールディングスの執行役員CLO(最高法務責任者)兼経営管理ユニット長を務めております。代表取締役と執行役員の間に近親者(二親等内の血族)関係が存在することから、実質的又は外形的に、意思決定や業務執行の過程において利益相反が生じるリスク、ガバナンス上の客観性が損なわれる懸念、あるいは特定の個人への権限集中による牽制機能の形骸化が生じる潜在的なリスクが存在します。万が一、親族関係を背景とした不適切な関連当事者取引や利益相反行為が発生した場合、少数株主の利益が損なわれるほか、トグルホールディングスグループの社会的信用やレピュテーション、コーポレート・ガバナンスに対する評価に重大な影響を及ぼし、トグルホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② 対応策 

トグルホールディングスグループでは、代表取締役と執行役員との親族関係に起因する利益相反やガバナンス上の懸念を客観的に排除するため、以下のガバナンス体制及び牽制体制を構築し、厳格に運用しております。

有資格者としての適任性と報酬の妥当性 :執行役員CLOである伊藤嘉恵は、弁護士資格を有し、法律事務所でのM&A実務経験や裁判官として東京地裁等において執務した経歴を持つ法務・コンプライアンス分野の高度な専門家であります。同氏の報酬については、トグルホールディングスの等級制度及び役割グレードに基づく給与テーブルを厳格に適用しており、他のユニット長(同等級)と同一の基準で決定され、親族関係による特別な優遇等は一切行っておりません。

内部監査の独立性確保:内部監査部門の独立性を実質・外形の双方から客観的に確保し、ガバナンス上の懸念を根本的に解消するため、2026年8月をもって、同氏はトグルホールディングスの内部監査室長を退任いたしました。後任の内部監査室長には、代表取締役や同氏と一切の利害関係を有しない公認会計士の並木理人を起用し、完全に独立した内部監査体制を確立しております。

関連当事者取引及び利益相反取引の牽制・監視体制: トグルホールディングスは「関連当事者取引管理規程」を制定し、役員及びその近親者との取引については、取引の合理性及び条件の妥当性を事前に慎重に審議した上で、原則として取締役会による事前承認及び特別利害関係を有する取締役の決議除外を必須とするフローを徹底しております。また、代表取締役個人又はその近親者が50%超の議決権を有する資産管理会社(Funi株式会社等)による不動産取引に対しては、「代表取締役の不動産買付に関する事前通知規程」を設け、独立社外取締役及び監査役のみで構成される「特別委員会」が事前審査及び差止め等の強力な牽制・モニタリングを行っております。

多層的な監督・監査機能:執行役員制度の導入による監督と業務執行の明確な分離に加え、独立社外取締役2名を含む取締役会、全員が独立役員である社外監査役3名による監査役会が多角的な視点から牽制を行っております。さらに、監査役会、内部監査室、監査法人が密に連携する「三様監査」を通じて、業務の適正性と透明性を実効的に担保しております。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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