大東建託(1878)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】大東建託グループは、大東建託、連結子会社71社、関連会社5社で構成され、建物賃貸事業によって土地活用を考える土地所有者に対し、建物賃貸事業の企画・建築・不動産の仲介・不動産管理までを総合的に提供するとともに、関連事業にも積極的に取り組んでいます。なお、大東建託グループの各事業における大東建託及び関係会社の位置づけは次のとおりであり、セグメントと同一の区分です。建設事業…………………大東建託は、土地の有効活用に関する企画を提案するとともに建築請負契約を締結し、設計及び施工を行っています。大東建設株式会社は、大東建託が施工する建築工事の一部の請負を行っています。大東スチール株式会社は、大東建託の建築工事に要する資材の一部を供給しています。DAITO CANADA TRADING INC.は、カナダの現地製材所と連携し、安定的に適正価格で木材調達を行い、大東建託に供給しています。株式会社シマは、関西圏・首都圏を中心に公営住宅や民間物流施設等の施工を行っています。 不動産賃貸事業一括借上…………大東建託パートナーズ株式会社は、「賃貸経営受託システム」において、家主と一括借上契約を締結し、また、入居者と転貸借契約を締結し、一括借上事業を行っています。不動産の仲介…………大東建託リーシング株式会社、ハウスコムグループ及び良部屋商務咨詢(上海)有限公司は、賃貸建物に対し入居者の仲介斡旋を行っています。不動産の賃貸…………大東建託株式会社が保有しているオフィスビル等の一部を、テナントに対し賃貸しています。 保証人の受託…………ハウスリーブ株式会社は、賃貸建物入居者の保証人受託等の事業を行っています。 不動産プラットフォーム………株式会社キマルームは、不動産業務の総合デジタルプラットフォームの企画・開発・販売・運営を行っています。 不動産開発事業…………大東建託は、物流施設、ホテルの開発・販売を行っています。株式会社インヴァランスは、東京23区を中心に資産運用型マンションの開発・販売をしています。大東建託アセットソリューション株式会社は、収益不動産の買取リノベ再販・開発販売を行っています。DK Realty Management America,Inc.は、アメリカにおける不動産管理・仲介事業を行っています。Amethyst Investment,LLC.は、アメリカにおける収益不動産の買取リノベ再販を行っています。株式会社アスコット及び同社の子会社は、都心エリアを中心にマンション、オフィス、商業施設、物流施設等の開発・販売をしています。大東建託インベストメント・マネジメント株式会社は、不動産ファンドの管理・運営を行っています。KME PROP REAL ESTATE,LLC.は、ドバイにおける収益不動産の開発販売を行う予定です。 金融事業…………………大東ファイナンス株式会社は、建築資金融資(金融機関から長期融資が実行されるまでのつなぎ融資及び長期融資の2次融資)等を行っています。大東みらい信託株式会社は、不動産管理信託を中心とする信託業務及び資産承継・資産管理に関するコンサルティング業務を行っています。少額短期保険ハウスガード株式会社は、家主及び賃貸入居者向けの火災保険を販売しています。ハウスリーブ株式会社(ハウスペイメント㈱はハウスリーブ㈱に吸収合併されました)は、賃貸不動産専用のクレジットカード決済代行業務を行っています。D.T.C. REINSURANCE LIMITEDは、大東建託リーシング株式会社及びハウスコムグループを代理店とする賃貸アパート・賃貸マンションの入居者に対する火災保険等の再保険会社です。 その他事業………………1)株式会社ガスパル及び地域子会社は、燃料(LPガス等)の販売等を行っています。 2)ケアパートナー株式会社は、デイサービスセンター及び住宅型有料老人ホーム、保育施設の運営、訪問介護・看護サービス等を行っています。 3)大東コーポレートサービス株式会社は、障害者雇用促進法に基づき設立された特例子会社であり、大東建託グループからの事務作業の受託及びシェアードサービス等を行っています。 4)DAITO ASIA DEVELOPMENT PTE.LTD.は、海外ホテル事業の運営を行っている会社に対し出資及び資金融資を行っています。 5)DAITO ASIA DEVELOPMENT (MALAYSIA) SDN.BHD.及びDAITO ASIA DEVELOPMENT (MALAYSIA) Ⅱ SDN.BHD.は、マレーシアのクアラルンプールにおけるホテル事業を行っています。 6)DAITO KENTAKU USA,LLC.は、米国における不動産投資事業を行っています。 7)大東バイオエナジー株式会社、株式会社一戸フォレストパワー及び株式会社一戸森林資源は、自然エネルギー等による発電事業及びその管理・運営並びに電気の販売等に関する事業を行っています。 事業の系統図は、次のとおりです。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大東建託グループが判断したものです。(1) 経営基本方針私たち大東建託グループは、これまでオーナー様や入居者様の人生に寄り添い、想いを託され、従業員が一丸となってその実現に取り組んでまいりました。そして、これからも、託された想いを次の世代、未来へとつないでいくことが、大東建託グループの存在価値であると考え、グループパーパス「託すをつなぎ、未来をひらく。」を策定しました。このパーパスのもと、100年企業へと歩みを進めるため、2030年のありたい姿である「DAITO Group VISION 2030」を掲げています。「DAITO Group VISION 2030」では、コア事業の領域拡大に加え、コア周辺事業との有機的な連携を通じて、高齢化や過疎化、災害不安等の社会課題の解決に取り組むことを目指しています。ステークホルダーの皆さまからの信頼と期待に応えながら、次の50年、100年も社会に必要とされる企業であり続けるため、変革と挑戦を重ね、持続的な成長を実現してまいります。 (2) 目標とする経営指標大東建託グループは、「ROE(自己資本当期純利益率)20%」の達成を重要な経営指標として定めています。当期においては、ROE20.5%となり目標とする経営指標を達成しました。 (3) 経営環境と対処すべき課題当連結会計年度における国内経済は、賃上げの進展等による個人消費の下支えに加え、設備投資や雇用環境の持ち直しがみられるなど、全体として底堅く推移しました。一方で、金利上昇や円安の進行に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給や資材価格動向への懸念など、国内外の事業環境には不確実性が残りました。新設住宅着工戸数は、2025年4月から2026年3月までの累計で711,171戸(前年同期比12.9%減)、大東建託グループの主要市場である賃貸住宅着工戸数も308,906戸(前年同期比13.5%減)と低調に推移しました。このような事業環境のもと、大東建託は、2030年に向けた前半期間にあたる中期経営計画(2024年度から2026年度)において、「グループ一丸 新たな挑戦」を基本方針として掲げ、計画の一丁目一番地と位置付ける人的資本経営(働きやすさと働きがいの両立)の推進を起点として、建設事業における受注確保と収益性の向上、不動産賃貸事業におけるストック収益の拡大と入居率の維持向上、さらに注力分野である不動産開発事業の強化・拡大に取り組みました。 (4) 中長期的な会社の経営戦略大東建託グループは、「DAITO Group VISION 2030」実現に向けたロードマップの第一フェーズとして、2024年度から2026年度を対象期間とする中期経営計画を推進しています。2030年に向け、「グループ一丸 新たな挑戦」をスローガンに掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。本中期経営計画では、「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「新たな注力分野への対応」の3つを重要テーマとしています。人的資本経営を基盤に、建設事業及び不動産賃貸事業における収益力の強化を図るとともに、不動産開発事業をはじめとする成長領域の拡大に取り組んでいます。また、最終年度である2026年度の計画については、売上高2兆500億円、営業利益1,420億円、ROE20%以上を目標としています。引き続きパーパスに基づく考動を実践し、グループ全社員の力を最大化することで、「DAITO Group VISION 2030」の実現に向けて取り組んでまいります。 セグメント別の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。① 建設事業建設事業では、建築費や金利の上昇に対応するため、高い家賃設定が可能な都市部への販売エリアのシフトや、金融機関・税理士等からの紹介による富裕層向け営業の強化を継続してまいります。また、木造CLT造やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの環境配慮型賃貸住宅の供給にも引き続き積極的に取り組んでまいります。 ② 不動産賃貸事業不動産賃貸事業では、高いマーケティング力と入居斡旋力を背景に、高水準の入居率を維持しつつ、入居者様のライフスタイルに合わせた良質な住空間と暮らしのサービスを引き続き提供いたします。また、仲介事業では、これまでの主力である賃貸仲介事業に加えて売買仲介事業の強化にも取り組み、売上の拡大を図ってまいります。 ③ 不動産開発事業不動産開発事業では、株式会社インヴァランスや大東建託アセットソリューション株式会社、株式会社アスコット及び同社の子会社など、首都圏を中心にマンション開発や土地仕入れに強みを持つデベロッパーをグループに迎え入れ、商業施設やアパートメントホテル、物流施設など、取り扱う物件タイプの多様化を進めてまいりました。今後は各社の開発力を活かしながら、資産効率の高いアセットタイプへの注力を進めるとともに、さらなる収益スキームの拡大に取り組んでまいります。また、北米を起点に海外での不動産管理・販売を展開し、「管理戸数世界一」を目指してグローバル展開を推進してまいります。 ④ その他の事業(金融事業+その他事業)その他の事業では、既存のエネルギー事業や介護・保育事業の安定成長に加え、新たにグループ会社のケアパートナー株式会社が運営を行う住宅型有料老人ホーム事業へ参入し、事業所の新規開設を進めています。短期的には、新規開設に伴う費用が先行して発生するものの、中長期的には、高齢化といった社会課題の解決に貢献するとともに、安定的な収益基盤の拡大につながるものと考えています。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】(1)リスク管理の体制について大東建託は「大東建託グループの事業を取り巻く様々なリスクに対する管理意識の浸透と、リスクの顕在化、早期発見・対処等の的確な管理・実践」を目的に「リスク管理規程」を制定し、リスク管理の最高責任者を代表取締役社長執行役員CEOとした管理体制を構築しています。各リスクのうち、「戦略リスク」については取締役会等の会議体で議論し、「オペレーショナルリスク」については取締役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長執行役員CEO)でモニタリングし、定期的に取締役会に報告の上、助言・指導・監督を受けています。リスクマネジメント委員会では、「発生頻度×影響度」から重点管理リスクを選定し、各リスクの責任者(統括部長等)を明確にして対策を講じ、毎月重要リスク指標(KRI)をモニタリングしています。これらの結果については、四半期に1回開催されるリスクマネジメント委員会で議論し、各リスクへの対策強化や予兆レベルでの対処等を指示・監督しています。グループ各社のリスクについては、リスクカタログから識別したリスクと固有のリスクをモニタリングし、定期的にリスクマネジメント委員会へ報告するグループ横断的な体制を構築しています。これらの活動は取締役会に報告するとともに、内部監査部門、監査等委員会による監査を受ける体制としています。 大東建託グループの経営または事業活動に大きな影響を与える可能性があるリスクが顕在化した場合は、「危機管理基本マニュアル」に則り、社内イントラネットにより関係者へ第一報を周知し、事象の影響度によって、対応チームを組織して適切に対処する体制を構築しています。また、大東建託グループの事業を取り巻く様々なリスクを早期に発見・是正する仕組みとして、グループ共通で利用できる内部通報窓口を設置して、経営トップから積極的な利用を直接従業員に発信しています。 (2)主要なリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項の内、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において大東建託グループが判断したものです。 ≪戦略リスク≫①原材料・資材の調達に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託は建設事業において、原材料・資材を国内外から調達しています。そのため、世界情勢の不安定化、為替の大幅な変動、国内外のインフレ、建設・物流分野における人材不足等により、原材料・資材の高騰や調達の遅れが発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託では、建設資材の調達に関し、以下の項目に取り組み、原価抑制に努めています。a.カナダに木材調達会社を設立し、現地情報を活用して調達先の拡大を進めるとともに、資材費や輸送費の抑制に取り組んでいます。b.サプライヤーと連携し、施工費や物流費の抑制につながる資材の共同開発を行うほか、情報共有や集約発注による計画生産を推進し、資材生産効率化による価格抑制に努めています。c.複数の調達ルートを確保することでサプライヤーに負担の少ない購買体制を構築し、物流費の抑制を図っています。d.主要資材については、需要変動や突発的な供給制約を踏まえた適正在庫の確保や安全在庫の設定を行い、調達遅延が発生した場合においても、工事進捗への影響を最小限に抑える体制を整えています。e.調達リードタイムや物流状況を継続的にモニタリングし、遅延の兆候を早期に把握することで、代替資材の検討や調達計画の見直し等の是正対応を迅速に実施できる体制を構築しています。 ②税制改正に関するリスク<リスクシナリオ>現行税制において、不動産賃貸事業は土地活用の有効な手段と認識されていますが、固定資産税・相続税・所得税などの関連する税制が改正され税負担が増加した場合、受注高が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託では、税制改正に関する最新情報を継続的に収集・分析し、改正内容に応じた施策を講じる体制を構築しています。また、税制改正によるお客様への影響を軽減するため、建物の商品価値及び付加価値の向上に努め、高い入居率と収益性を確保することで、オーナー様及び入居者様双方の需要を喚起し、不動産賃貸事業の魅力が損なわれないようリスク低減に取り組んでいます。 ③金利急上昇に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託の建設事業において、多くのお客様は建設資金を金融機関からの借入金により調達しています。金利水準はお客様の投資判断における重要な要素であり、経済情勢や金融政策の変更等により金利が急激に上昇した場合、大東建託の業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託では、金利変動による影響を最小化するため、金融機関との連携を強化しています。融資申し込みから実行までの支援を行うことで、発注から事業資金確保(金利確定)までの期間短縮を図っています。また、商談段階において、将来的な金利上昇リスクを考慮した厳格な事業収支シミュレーションを提示し、お客様にリスクを十分に認識いただくことで、発注後のキャンセル防止に努めています。 ④法施行・法改正に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託グループの事業に関係する各種法令(建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、その他労働関係法令や環境関連法令等)に関し、改正や新たな規制が設けられた場合、当該法令等に対応するための経費が追加的に発生し、大東建託グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループにおいては、事業に関係する法令の改正や新設に関する情報について、各専門部門において主務官庁や業界団体等から発信される情報を常にモニタリングして収集し、大東建託グループの関連部門と情報を共有して対応しています。また、改正・新設された法令が施行されるまでの間に、全社的な影響を分析して予算化し、関連部門が連携して、事業への影響の評価と対応に必要な概算費用の算出を行い、次年度以降の予算計画に組み込むよう努めています。 ⑤気候変動に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託グループは、気候変動が事業活動に与えるリスクを重要な課題・機会と認識し対応を進めていますが、想定レベルを超える気候危機や、法改正・新たな法令の施行により業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、TCFD提言に基づくシナリオ分析の継続や法令・規制動向のモニタリング強化を通じて、気候変動リスクへの適切な対応ならびに気候変動に伴う事業機会の積極的な活用に取り組んでいます。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方と取組 (2) 気候変動・自然資本に関する取り組み」に記載しています。 ⑥不動産開発事業の拡大に伴うリスク<リスクシナリオ>大東建託グループでは、中長期的な事業拡大の戦略として不動産開発事業に重点を置き、国内外で事業を展開しています。不動産開発事業の拡大にあたっては、開発期間の長期化や市況変動により、想定を超える開発コストの発生、プロジェクトの遅延等が生じる可能性があります。また、投資規模の拡大や資金回収までの期間が長期化することにより、財務バランスの変動や資金負担の増加や、信用リスクの管理が重要となる場合があり、これらが大東建託グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、不動産開発関連投資の実行にあたり、エリア、投資額、採算性等を検証する投資基準を設け、これに基づき会議体において事業性や想定されるリスクを審議しています。また、案件の規模に応じた投資枠の設定や出口戦略の策定を通じて、適切な事業資金管理とリスクマネジメントを行っています。加えて、事業進捗や資金状況を継続的に把握し、市況や事業環境の変化に応じて投資計画や資金配分の見直しを行うことで、財務バランスの維持及び信用リスクの低減に努めています。海外事業においては、現地専門家との連携やローカルパートナーの知見を活用し、法令遵守とリスク管理を強化しています。 ⑦空室増加に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託グループが管理する賃貸建物において、今後の人口動態や経済状況、賃貸市場環境の変化により、特定エリアで需要が著しく減少した場合、空室の増加に伴い賃料が下落する可能性があります。また、大東建託グループが管理する賃貸建物の大半はサブリース契約を締結しているため、賃料下落により大東建託グループの収入は減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、空室リスクを低減するため、市場動向や周辺賃料相場の分析を継続的に行い、募集賃料の適正化や仲介会社との連携強化に努めるとともに、競争力維持の観点から、定期的な設備更新やリフォームに取り組んでいます。さらには長期的な人口動態や社会ニーズの変化といった外部環境の動向を踏まえ、将来の需要を想定した供給計画を策定することで、中長期的な空室リスクへの対応を行っています。 ≪オペレーショナルリスク≫⑧情報セキュリティに関するリスク<リスクシナリオ>近年、標的型攻撃やランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、企業や自治体を狙った情報窃取や身代金要求、業務システムの停止などの被害が増加しています。大東建託グループにおいても、外部からのサイバー攻撃による情報漏洩リスクに加え、誤操作や不正行為などによる内部からの情報流出リスクが存在しています。これらのリスクが顕在化した場合、機密情報や個人情報の漏洩を招き、事業継続への支障や社会的信用の失墜といった重大な影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、様々な情報セキュリティ対策を複層的に講じるとともに、侵害発生時の速やかな復旧及び事業継続を目指した対策を行っています。a.不正サイト・外部メール・マルウェアの監視・遮断などのネットワーク対策b.端末暗号化、USB制限、多要素認証などによる端末管理と認証強化c.ISO27001の維持や外部診断、バックアップ体制などのセキュリティ・BCP整備d.従業員教育やフィッシングメール訓練、責任者設置、サプライチェーンへの教育徹底などの人的・組織的管理 ⑨自然災害に関するリスク<リスクシナリオ>地震、火山噴火、台風、水害などの大規模自然災害が発生した場合、従業員や建築現場、事業所、情報設備への直接的な被害に加え、通信ネットワークや物流の遮断による間接的な被害を受ける可能性があります。また、被害を受けたお客様の建物の点検・修繕や、被災地域への支援活動により、多額の費用が発生する可能性があります。さらに、被災地域で社会インフラが大規模に損壊し、生産・流通活動が長期間停止した場合、建築資材や部材の供給が途絶えることがあります。加えて、多数の社員が被災し勤務できなくなることで、契約締結、工事着工・進捗、入居者斡旋活動等が滞り、大東建託グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、「グループ防災ビジョン2030」を策定し、事業継続のための自助と、被災地域への支援を行う共助の行動方針を定めています。大規模自然災害等により事業継続に影響を及ぼす緊急事態が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)に関する規程・マニュアルを策定し、手順と体制を整備しています。さらに、BCPを確実に実行するため、経営層・事業部・全従業員を対象とした訓練を毎年実施し、緊急時の対応力を強化しています。また、従業員が事業所で避難する場合に備え、全事業所に災害備蓄食、衛生用品、モバイルバッテリーなどの備蓄品を保管しています。加えて、本社・事業所での業務継続が困難な場合に備え、テレワーク環境を活用した業務継続をBCPに定め、出社とテレワークを併用したハイブリッドな働き方を継続しています。 ⑩品質管理等に関するリスク<リスクシナリオ>大東建託グループでは、設計・工事・工事監理と連携し、品質管理には万全を期すとともに、建物完成後もメンテナンスの専門部門によるアフターサービス点検等を実施し、長期保証を提供しています。しかしながら、予期せぬ要因により重大な品質問題が発生した場合、レピュテーションの著しい低下により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託の賃貸建物は、全国で統一された品質が得られるよう、決定された仕様、設計基準等により商品開発され、これをもとに各支店の設計課が地域特性に応じた設計を行っています。また、敷地条件、施主要望などで個別対応が必要な計画についても、同様の基準を満たした設計を行っています。加えて、本社設計部門では、意匠、構造、設備それぞれの専門技術者が、必要に応じた技術支援を実施します。施工段階では、施工業者と工事監督の確認後に、施工部門とは異なる専門部署が品質検査を行うトリプルチェック体制にて、次工程への進捗を図っています。また、完成後は、メンテナンス部門がアフターサービス点検を行い、必要に応じて品質維持のための対応・メンテナンスを随時実施しています。 ⑪建設技能労働者減少に関するリスク<リスクシナリオ>建設技能労働者の減少と高齢化は、今後さらに深刻化すると見込まれています。この状況により、現場監督や熟練技能者の確保が難しくなり、工期遅延や引き渡しの遅れが発生する可能性があります。さらに、経験の浅い労働者の増加によって施工品質の低下や瑕疵の発生が懸念され、追加補修費用や顧客対応コストが増加する恐れがあります。加えて、人件費や外注費の上昇による収益性の悪化、監督体制の弱体化による法令違反等のリスクが高まる可能性が懸念されます。 <リスク対策>大東建託では建設技能者減少に関するリスクに対し、複合的な対策を講じています。若年層や未経験者の採用・育成を強化し、研修制度や資格取得支援を通じて技能者を育成するとともに、働き方改革や待遇改善により既存労働者の定着率向上を図っています。また、省力化工法やデジタル技術(BIM等)の導入により生産性を高め、少人数でも品質を確保できる体制整備に注力しています。さらに、海外技能労働者の受け入れ促進や定年退職者の再雇用など、多様な人材確保策を実施しています。品質管理や監督体制の強化にも注力し、未経験者が増えても施工品質を維持できる仕組みを構築しています。これらの取り組みにより、技能労働者減少による影響を最小化し、安定した事業運営を目指します。 ⑫不正・コンプライアンスに関するリスク<リスクシナリオ>大東建託グループにおいて、法令または社内規程に違反する不正行為やコンプライアンス違反が発生した場合、大東建託のレピュテーションが毀損し、取引関係の悪化、株価の下落、訴訟費用の発生等を含む経済的損失が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>大東建託グループでは、未来への志(パーパス)に基づき行動指針を策定し、全従業員がその指針を実践できるよう取り組んでいます。また、企業リスクコントロールならびにコンプライアンス遵守を目的とした専門部門を中心に、規程の整備、牽制の仕組みづくり、運用状況の確認や定期的な研修を実施し、従業員のコンプライアンス意識の向上と不正防止に取り組んでいます。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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