一正蒲鉾(2904)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


一正蒲鉾(2904)の株価チャート 一正蒲鉾(2904)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

一正蒲鉾グループは、一正蒲鉾、連結子会社2社で構成され、その事業は、食品の製造販売を主な事業の内容として、当事業に関する物流、サービス等の事業を展開しています。一正蒲鉾グループの事業にかかわる位置づけは、次のとおりです。

また、当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていた「運送・倉庫事業」の量的重要性が増したため、報告セグメントを従来の2区分から、「水産練製品・惣菜事業」及び「きのこ事業」、「運送・倉庫事業」の3区分に変更しています。

 

水産練製品・惣菜事業、きのこ事業

一正蒲鉾㈱

水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を行っています。

PT.KML ICHIMASA FOODS

水産練製品の製造販売を行っています。

 

運送・倉庫事業

㈱イチマサ冷蔵

貨物運送業及び倉庫業を事業としており、主に一正蒲鉾の製品及び材料の運送・保管を行っています。

 

 

 

事業の系統図は、次のとおりです。

 

 

 


 


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において一正蒲鉾グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の方針

一正蒲鉾グループの社是「人生はやまびこである」のもと、全従業員は「正しきことは正しく報われる」という創業者野崎正平の信念を受け継ぎ、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で行動することとしています。また、経営理念「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」のもと、水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を主体とした事業を展開し、常に「安全・安心な品質」と「お客さまに愛されるおいしさ」を追求することで事業の永続的な発展を図っています。

事業の展開に当たっては、法令の遵守、人権の尊重、公正な取引及び商品・サービスの安全・安心に取り組むとともにお客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま及び従業員並びに地域社会から満足していただけるよう次の基本方針のもと企業価値の向上に努め、一正蒲鉾グループの一層の発展を目指していきます。

① すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全で安心な商品・サービスの提供を行っていきます。

  水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図っていきます。

・魚肉たんぱく製品のおいしさや健康機能を追求した「安全・安心で高品質な商品」を国内外に拡販し、水産

練製品業界のトップブランドを目指す。

・DXによる工場の合理化・少人化を実現し、付加価値や生産性の向上に結びつけ、収益の最大化を図る。

・原材料の持続可能性を実現する新たな価値を持った食の提供により、一正ブランドの向上を図る。

  きのこ事業の技術研究並びに商品開発を強化し、事業規模及び事業領域の拡大を目指していきます。

・栽培技術の更なる進化による安定栽培の維持と最大収穫量の実現を通し、拡販による収益の最大化を図る。

・おいしさや栄養機能等の調査・研究を進め、付加価値の向上と一正まいたけブランドの確立を実現する。

・AI・IoTにより管理、最適化されたスマートファクトリーのもとで、環境に配慮した省エネ・循環型ビジネ

スモデルの構築を目指す。

(2)超長期ビジョン

一正蒲鉾グループでは、30年後のありたい姿で 

ある“ICHIMASA30ビジョン” (2016~2045

年度)を次のとおり制定し、30年後のありたい姿から今を変革していくというバックキャスティング思考をもとにグループ経営を行っています。

 ①「“安全・安心”に“健康・環境”と

 “心の豊かさ”をプラスして世界中に日

  本の“食”で貢献するグローバル企 

  業」

 ②「常に技術を探求し、未来に向けてあ

  らゆる“食”の情報を発信する食品バ 

  イオ企業」

 ③「あらゆるステークホルダーの皆さま

  に“食”を中心に“幸せ”と“喜び” 

  をお届けするあたたかい企業」


 

 

(3)第二次中期経営計画の総括

一正蒲鉾グループでは、2021年7月から2026年6月までの5か年を第二次中期経営計画「成長軌道への5年」と位置づけ、引き続き収益力、財務基盤の強化に取り組むとともに、海外事業の更なる拡大を図っていきます。

 

1)経営基本方針

 「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステー ジ「成長軌道」を確実に実現する。」

・国内マーケットは少子高齢化のもと縮小が予想されるが、商品力、生産力、販売力に磨きをかけ、競争優位性を確立しシェア拡大を目指す。

・海外マーケットでは成長マーケットを分析し、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業ともに拡販を推進する。

 

2)全社戦略と主な戦術・施策

 上記の経営基本方針のもと、5つの重要戦略キーワードから全社戦略を設定し、全従業員が戦略実行に向けた戦術を策定し、施策を実行していきます。

全社戦略

主な戦術・施策

①「変革」と「創造」

 持続的成長と働きがい向上のために人財投資を積極的に行うとともに、「変革」と「創造」を基軸とした考動を通じ経営環境の変化を克服する。

 

 

・IWS(いちまさワークスタイル)、新しい働き方の確立

・働きやすい・働きがいのある・多様な人財が活躍する会社づくり

・風通しが良く誰もが自由に発想し、創造的な意見が飛び交う組織風土への変革

・成長する意志ある誰もが成長できる能力開発環境の構築

・すり身原料にとらわれない商品の研究開発

・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究

②「選択」と「集中」

 水産練製品・惣菜事業は商品・市場・生産等の「選択」と「集中」を徹底し、魚肉たんぱく製品の強みを活かした攻めの販売施策を通じ国内において圧倒的な基盤をつくる。

 

・魚肉たんぱく製品の強みを活かした主力商品のリニューアル継続やサステナブルな商品の開発強化

・主力商品である「サラダスティック」の販売強化と新設する本社第二工場の合理化・省人化・量産体制の確立

・販売・廃止の生産アイテム選択を着実に実施し、生産効率化・生産性向上と販売の強化・効率化の両立を実現

・販売地域の「選択」と「集中」による海外拡販強化

・多様な国際ニーズに対応した商品開発と市場開拓

③「デジタルトランスフォーメーション(DX)」

 全社で「DX」の推進に取り組み、ニューノーマルでの競争優位性を確立し、事業収益の最大化を実現する。

 

 

(顧客価値の創出)

・DXを活用した市場データの深度ある収集、分析と提供

・フードテックによる応用、実現の可能性の探求

(生産性向上・働き方改革)

・全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進

・DXによる新しい製造方法の研究開発

・スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上

・生産管理システムによる品質向上と効率化推進

・SFA・CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化

・ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築

④「新規事業」

 「新規事業」への取組みは、第二次中期経営計画  期間中に探索を行い事業化に着手する。

・水産練製品・惣菜事業+きのこ事業+「第3の事業」の主力3事業の構築を指向

・新規専担部署の設置

⑤「アライアンス」

  お取引先さまと強固かつ高品質な「アライアンス」体制を構築し、ともに環境・経済・社会等の変化に対応する

・品質向上の技術・知的サポート実施

・「一正やまびこ会」等を通じたアライアンス活動の実施

・「いちまさ通信」による情報提供の継続

・運行管理システムの構築・運営

 

 

3)第二次中期経営計画最終年度数値目標(連結ベース)

 

項目

2026年6月期数値目標

売上高

   400億円

営業利益

    26億円

自己資本利益率(ROE)

    10%

投下資本利益率(ROIC)

    9%

自己資本比率

    60%台

 

一正蒲鉾グループの経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標は上記のとおりですが、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(4)経営環境

① 国内外の市場環境

 2023年の国内出生数は8年連続で減少し過去最少となる72万人台となり、政府の少子化対策の効果はなかなか表れないなか、高齢化の進展等とともに、国内市場はこれまで以上に厳しい経営環境が予想されます。

 世界的な食料需要の拡大、気候変動を要因とする天候不順、政治的な不安定性や紛争といった地政学的な要因の影響等により、原材料やエネルギー等の価格は、当面、現在の水準に高止まりするものと想定しています。 

 また、アメリカを中心とする世界経済の動きは円ドル等の為替や金利、株式市場に大きく影響を与えており、原材料やエネルギー等の価格の商品への価格転嫁による国内の物価上昇により、2024年5月まで実質賃金が26か月連続マイナスとなるなど、消費者の生活防衛意識は日増しに強まっています。

 一方、海外では、健康志向が高まっている米国や西欧諸国などの先進国、そして成長を続ける東南アジア諸国などの新興国において、水産練製品の需要が拡大しており、市場の成長余地は大きいと考えられます。

 また、CO2排出量や食品ロスの削減など、持続可能な社会を実現するために、ESG経営の実践やSDGs目標の達成に向けた社会的な要請は日増しに強まっています。

 新型コロナウイルスは2023年5月には5類感染症に移行し、その影響が小さくなるなか、2024年6月の訪日外客数は313万5千人となり、円安を背景に前年同月比51.2%増となるなど、国内経済はインバウンド効果による経済の活性化を期待する声が広がっています。一方、観光客数の急回復が「オーバーツーリズム」として住民生活に悪影響を及ぼす懸念も報道されています。

 

(5)対処すべき課題

① 国内水産練製品・惣菜事業

 国内では、少子高齢化の進展、未婚率や核家族化による単身世帯の増加、食の多様化とグローバル化などの要因により、水産練製品市場は概ね横ばいで推移しており、国内各メーカーにとって新たな需要を創出するための商品開発が共通の課題となっています。

 このような市場の状況に対応するために、水産練製品・惣菜事業においては、お客さまのニーズやライフスタイルの変化に迅速に対応し、新商品を開発するとともに、常に付加価値向上を図るための主力商品のリニューアルを継続し、競争優位性の確立を目指していきます。

 特に、地球環境の維持をはじめとする社会的価値の視点で商品を選択するお客さまが今後も増えていくと考えており、これらの状況を踏まえ、一正蒲鉾はサステナビリティへの取組みを強化し、変化するお客さまのニーズに応え、美味しさと社会的価値を兼ね備えた付加価値の高い商品の開発を進めます。

 また、原材料であるすり身の価格は世界的な需要拡大による品薄傾向等を背景に高止まっており、そのほか副材料、エネルギー等の価格も高い状況が続いています。

 さらに、生産年齢人口の減少による労働力不足は一層深刻になると予想されており、安定した生産を継続し商品供給責任を果たすためにも、生産アイテムの削減を行うことで生産効率化を進め、収益及び競争優位性の確立を図ることとしています。加えて、ファクトリーオートメーションによる省人化が急務であるとの認識のもと、FAシステム部において工場でのAI 、IoT活用を急ピッチで進めています。

 商品開発・リニューアルに当たっては、安全・安心・健康・おいしさの観点から、減塩商品のラインナップの充実や簡単に食べられる高たんぱく商品、国産原材料にこだわった商品、すり身を使用した代替シーフードの“ネクストシーフード”シリーズなど、新しい発想による、これまでにない商品開発も行っています。健康長寿社会の進展にあわせ、安全・安心・健康へのニーズは引続き根強く推移することが予想され、さらなる健康機能の付加についても検討していきます。

  また、2024年7月にマーケティング開発本部を設置し、お客さま視点に基づき、マーケティング・技術研究・商品開発を一気通貫させ、持続可能な成長企業に必要である「お客さま視点での全社連動」を行うことで、これまで以上に、ニーズの変化や新たなトレンドを迅速に把握し、商品力の向上に結び付け、配荷の増加を目指していきます。

② 海外水産練製品・惣菜事業

 国内市場は市場縮小が避けられない一方で、健康志向の高まりから海外での水産練製品需要はカニ風味かまぼこを中心に伸長しており、欧米諸国のほか、アジア各国への輸出量も増加しています。また、冷蔵環境が未整備な地域でも手軽にタンパク質を摂取できる常温商品もラインアップに追加しました。一正蒲鉾グループでは、2015年8月にインドネシアに合弁会社を設立し、水産練製品の製造販売を開始しており、成長が続く東南アジアを中心に、合弁会社から北米、中東等への輸出を強化していきます。しかしながら、2023年から続く中国による日本産水産物の全面輸入停止及び香港の新潟県産品の輸入停止措置は、一正蒲鉾商品の輸出に少なからず影響を及ぼしており、今後も中国政府の動向に注視が必要な状況にあります。

③ 国内きのこ事業

 一正蒲鉾グループを含めた大手メーカーによる大量生産・大量販売の仕組みが確立し、お客さまの健康志向の高まりによる需要増加もありますが、少子高齢化、人口減少等の影響により市場は全体的に横ばい傾向となっています。

 これまでは素材そのものとしての提供が主でしたが、今後はお客さまのニーズが高まっている健康訴求による販促強化を行うとともにデリカ惣菜用の食材として業務用需要も取り込んでいくなど、販売チャネルの拡大も重要であると考えています。また、収益体質をより強化するために、まいたけ包装効率化ラインの設置や省エネルギーの推進により収益の向上を図るとともに、新たに技術研究並びに商品開発対象を拡げ、事業領域の拡大を目指していきます。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがありますが、これらに限られるものではありません。

なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において一正蒲鉾グループが判断したものです。

 


(1)社会リスク

① 国内人口減少に係るリスク

国内では少子高齢化が進行し、今後も長期的に市場の縮小が予想されるなかで、競合他社の新商品の上市や販売プロモーションの強化などにより、一正蒲鉾グループ商品の競争優位性の低下やシェアの減少が生じ、一正蒲鉾グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、常に消費者ニーズやライフスタイルの変化に迅速に対応し、新商品開発を推進するとともに、新たな消費機会を提供していく戦略を展開しています。また、継続的な商品リニューアルを通して付加価値を向上させる取組みも行っています。さらに、お取引先さまとの緊密なコミュニケーションによる未導入商品の拡販、若年層・若年家族層へのSNS活用による購買機会を拡大させる取組みを行っています。同時に、海外市場への進出を進め、海外需要の開拓にも力を入れています。

 

②  温暖化・気候変動に係るリスク

  一正蒲鉾グループは、地球環境の維持が最も重要な課題であるとの認識のもと、「ESG経営宣言」及び「環境方針」を定め、地球温暖化の防止と循環型社会の実現に向けて取組みを行っています。しかしながら、将来的に気候変動のリスクを緩和するために、一正蒲鉾グループの取組みを超えた環境規制強化、カーボンプライシングの導入、環境負荷に対する課金が行われた場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

  一正蒲鉾グループは、TCFDの提言への賛同を表明しており、CO2排出量の削減を指標・目標として明示することにあわせ、環境コストの経営に対する影響を多角的な視点からシミュレーションしながら取り組んでいます。生産プロセス及び設備の効率向上、必要なエネルギー使用量の削減を通して、コスト削減と環境への負荷軽減を同時に実現することや太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー由来電力などの持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進めています。

 

③ お客さまニーズに係るリスク

お客さまニーズの変化は、市場環境や競争状況に大きな影響を及ぼす要因の一つであり、常にお客さまの要求や嗜好が変化しており、この変化に対応できないことで一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、お客さまニーズやトレンドを把握するために、継続的な市場調査と競合分析を実施しています。

2024年7月にマーケティング開発本部を設置し、お客さま視点に基づき、マーケティング・技術研究・商品開発を一気通貫させ、持続可能な成長企業に必要である「お客さま視点での全社連動」を行うことで、これまで以上に、ニーズの変化や新たなトレンドを迅速に把握し、商品力の向上に結び付け、配荷の増加を目指していきます。

 

④ 流通の変化に係るリスク

一正蒲鉾グループの商品は、主に総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどを通してお客さまにお届けしています。これらの業界動向やお取引先さまの経営状態、販売政策等の変化が、一正蒲鉾グループ商品の販売機会や販売価格に影響を及ぼす可能性があります。加えて、インターネットによる商品販売の増加は、将来的な商品開発、販売政策に大きな影響を及ぼすと考えています。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、お取引先さまの店舗への巡回訪問などの活動を通して、未導入商品の拡販や魅力的な売り場づくりの提案を行っており、商品の認知度や魅力を高める取組みを行っています。また、自社のホームページやインターネット通販会社、総合スーパーのEC販売サイトを活用して、インターネット販売の増加を図るとともに、お客さまのニーズに柔軟に対応した商品の販売を行っています。また、データ分析で販売ノウハウを蓄積し、販売戦略の最適化に努めています。こうした様々な取組みを通して、変化する流通市場環境に適応し、販売機会の最大化と競争力の向上を図っています。

 

⑤ 物流に係るリスク

一正蒲鉾グループは、国内生産拠点で製造、生産した商品を、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどへ主にトラックで輸送しています。物流業界ではドライバー不足、倉庫内作業者不足や高齢化が深刻な問題となっており、将来的に物流の供給力が不足することで、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、各地に物流拠点を設置し、これらの拠点を中心にした効率的な物流網の構築を進めています。また、パレット輸送や鉄道コンテナ輸送などの活用により、物流業界への負担を軽減する取組みを行っており、物流供給力の低下によるリスクに対処するだけでなく、より持続可能な物流体制の構築にも努め、将来の物流の変化にも迅速に対応していくことを目指しています。

 

⑥ 海外事業に係るリスク

一正蒲鉾グループは、国内で製造された商品の輸出やインドネシアの合弁会社における水産練製品の製造販売など、海外事業を展開しています。しかしながら、現地の経済状況や政治的な動向、食品の安全性に関する問題、法律や規制に関する課題など、予期せぬ事態が発生することにより事業展開が計画通りに進行しない可能性があります。こうした事態が発生した場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、世界各地の経済や政治的な動向を継続的に把握し、食品規制の変更などの情報を収集し、市場分析を通して経営戦略を策定しています。また、合弁事業においては、適切な専門知識を持つ人材を派遣し、技術指導を行うことで現地での事業運営を支援しています。さらに、継続的なミーティングにより意思疎通を図り、営業推進とリスク対応の両面から事業の管理体制を強化しています。

 

⑦ 感染症(新型コロナウイルス)のリスク

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、各国の経済活動に大きな影響を及ぼしましたが、日本国内では、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行し、感染時の対応も個人の選択を尊重し、国民の自主的な取組みをベースとしたものに変わっています。ただし、エムポックス(サル痘)の世界的な感染拡大が懸念されるなど、一正蒲鉾グループ内で様々な感染症が広がることによって工場の操業停止や営業活動の停滞が生じた場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、世界保健機関や厚生労働省などのホームページからの情報を常に収集し、社内に周知するとともに、「新型コロナウイルス等感染防止マニュアル」に基づき、引続き従業員とその家族の安全確保を最優先に感染防止対策に万全を期し、商品供給責任を果たすよう企業活動の継続に努めています。

 

(2)経営リスク

① 原材料、副材料等の調達に係るリスク

一正蒲鉾グループは、国内外から原材料、副材料のほか、設備やその部品等を調達しています。主要な原材料であるスケソウダラを中心としたすり身は、水産資源の保護を目的とした漁獲規制の強化や国際的な需要増加、為替変動などによって価格が上昇する可能性があります。

また、多くの副材料を国内外から調達しており、主要産地での温暖化にともなう天候不順による農産物の不作や鳥インフルエンザなどの様々な感染症の発生等により、供給不足や価格上昇が発生する可能性があります。

さらに、生産設備や設備部品の調達においても、世界的な半導体不足は落ち着きを見せつつあるものの、深刻さを増す人手不足による納入期間の長期化などにより、一時的な生産停止や調達価格の上昇が考えられます。これらが将来的に一正蒲鉾グループの想定を超える場合には、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、すり身については常に市況情報を把握し、適切な価格やタイミングで購入することや、様々な魚種や漁場、また購買先を分散化することによりリスクを低減するとともに、代替材料の検討を進めながら安定調達体制の強化に努めています。 

副材料についても、購買先の分散化や副材料の種類を減らすことで調達リスクの軽減を図っています。また、生産設備等に関しても、納期の長期化を想定した前倒しでの設備導入計画の策定や予備部品の確保等により、生産の安定性を確保しています。

 

② 価格競争に係るリスク

一正蒲鉾グループが提供する水産練製品やきのこ類などの主力商品には、複数の競合先があります。競合他社との競争が激化しており、この競争激化が価格の下落などの影響を及ぼす可能性があり、その結果、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、独自の技術開発や機能性の研究を積極的に推進しています。これにより、他社と差別化された付加価値の高い商品を提供することで、市場において競争力を保ちつつ、価格競争による影響を最小限に抑えることを目指しています。さらに、お客さまニーズやトレンドの変化を迅速に捉え、市場ニーズに合った商品の開発を行っています。これにより、お客さまにとって魅力的な選択肢を提供し、競合他社との差別化を図っています。

また、一正蒲鉾グループの持続可能な社会への取組みをお取引先さま、お客さまに案内することにより、一正蒲鉾グループ商品への支持を得る努力を始めています。こうした取組みを通して競争激化に対応し、業績への影響を軽減することを目指しています。

 

③ エネルギー調達に係るリスク

一正蒲鉾グループは、水産練製品やきのこ類などの主力商品を製造・生産するために電気及びガスを中心としたエネルギーを必要としており、その多くは海外からの輸入に依存しています。このエネルギー供給国の政治的な不安定性や紛争といった要因によって供給が途絶える可能性や、需給バランスが崩れることにより急激なエネルギー価格の変動が発生するリスクがあります。また、将来的には環境法規制の変更により、特定のエネルギー源の利用が制限される可能性も考えられます。これらのリスクは、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、生産プロセス及び設備の効率向上に取り組み、必要なエネルギー使用量の削減を通して、コスト削減と環境への負荷軽減を同時に実現する方針を推進しています。また、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーや省エネ技術など、持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進め、環境への配慮とエネルギー調達リスクの軽減を両立させることを目指しています。こうした対策を継続的に検討し、実行していくことで、一正蒲鉾グループはエネルギー調達リスクに対する強固な戦略を展開しています。

 

④ 季節変動に係るリスク

一正蒲鉾グループの主力事業である水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業は、第2四半期連結会計期間において特に売上高と利益が集中する傾向があります。また、おでん具材の揚物や鍋物具材のまいたけは、秋から春先の需要期間における気候や気温の変動に影響を受ける傾向があり、地球温暖化の進行などによって販売機会が減少する可能性があります。こうした要因により、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、年間を通じて販売を平準化するために、他の四半期連結会計期間においても新たな商品開発や食べ方提案を強化しています。さらに、気候変動や気温の影響を最小限にするために、生産プロセス及び設備の効率性向上や太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーや省エネ技術などの持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進めています。こうした対策により、リスクに柔軟かつ効果的に対応する体制整備を行っています。

連結業績

 

売 上 高

営業利益又は
営業損失(△)

金額(千円)

百分比(%)

金額(千円)

当連結会計年度の第1四半期連結会計期間

7,329,492

21.3

△71,115

当連結会計年度の第2四半期連結会計期間

11,524,543

33.4

995,901

当連結会計年度の第3四半期連結会計期間

8,478,880

24.6

545,247

当連結会計年度の第4四半期連結会計期間

7,154,489

20.7

△198,787

合    計

34,487,406

100.0

1,271,246

 

 

(2)オペレーショナルリスク

① 人材確保に係るリスク

一正蒲鉾グループが持続的に成長していくためには多様かつ優秀な人材の獲得と育成が不可欠です。個々の従業員エンゲージメントが高く、成長できることが、一正蒲鉾グループの持続的成長に繋がると考えています。しかしながら、国内の少子高齢化は着実に進行しており、また雇用の流動性が高まることによって、特に若年層を中心とした人材確保がますます難しくなると予想しています。将来的には、人材確保が困難となる可能性や人材が流出する可能性、そして人材育成が計画通りに進まない可能性が考えられます。これらの状況が発生した場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、ライフ・ワーク・バランスを重視した取組みや健康経営の推進を通して、従業員が充実した働き方を実現できる環境を整えています。多様な人材が能力を発揮できるような組織の構築や、労働環境の整備・改善による「働きやすい、働きがいのある会社」の実現を目指しています。

さらに、新しい働き方であるIWS(いちまさワークスタイル)を目指し、従業員が就業時間の一部を日常業務以外の能力開発や知的創造活動に充てることを奨励しています。また、職制や職能に応じた全社研修プランにより、誰もが自ら学び成長を実現できる研修環境を整備し、従業員一人ひとりが自らの能力を高め、組織全体の持続的な成長に貢献することを目指しています。

また、デジタルトランスフォーメーションやファクトリーオートメーションを進め、少子高齢化社会の人手不足に対応した製造、販売、管理体制を目指しています。

 

② 食の安全に係るリスク

一正蒲鉾グループは、「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」との経営理念のもと、食の安全・安心に取り組んでいます。しかしながら、将来において一正蒲鉾グループが販売した商品に品質問題が発生し、健康への危害が拡大することで、一正蒲鉾グループの想定を超えて大規模な商品回収等が発生した場合には、一正蒲鉾グループの社会的信用が損なわれ、企業価値が低下するだけでなく、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、一正蒲鉾グループ以外でも、食品業界において重大な品質問題が発生した場合、波及的に一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

  一正蒲鉾グループは、ISO22000、FSSC22000、GLOBALG.A.P等の認証取得に加えて、生産管理システムの導入を進めることで、トレーサビリティの管理体制を強化しています。さらに、バリューチェーン全体での安全・安心を確保するために、お取引先さまとの協働により商品の安全性を高める様々な取組みを行い、徹底した品質管理体制を構築しています。

 

③ 情報セキュリティに係るリスク

一正蒲鉾グループは、開発、生産、販売、管理などの業務において、重要な企業情報やお客さまの個人情報についてコンピューターを利用した情報システムで管理しています。しかしながら、将来的に、システムを構成する機器の故障・不具合、自然災害や停電といった要因による機器やソフトウェアの損傷や情報消失、社外からのコンピューターウイルスの侵入や不正アクセスによる情報漏洩、あるいはシステム障害が発生する可能性があります。こうした事態が発生した場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、「情報管理関連規程・マニュアル」に基づき、情報セキュリティ対策と個人情報保護を徹底しています。さらに、コンピューターシステム上のトラブルや脆弱性が生じないように、定期的なウイルスメンテナンスを実施するなどの対策を講じています。このようなセキュリティ対策の強化によって、情報漏洩やシステム障害などのリスクを最小限に抑えることを目指しています。

 

④ 法的規制変更に関連するリスク

一正蒲鉾グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、労働基準法、環境法令などの規制や海外進出先の現地法令などを遵守しながら事業活動を展開しています。しかしながら、将来的に予測不可能な法的規制の新設や変更があった場合、企業活動に制約が生じる可能性があります。また、法令違反や社会的要求に反する行動によって処罰を受けた場合、企業活動の制限や対応コストの増加、一正蒲鉾グループの社会的信用が損なわれ、企業価値の低下が考えられ、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループの「行動規範」に基づいて、国内外の法令の遵守、人権の尊重、公正な取引などに取り組んでいます。リスク管理の統括部門であるリスク統括室と各担当部門が連携し、関連法令の遵守に努力しています。また、従業員向けの定期的なコンプライアンス研修や「コンプライアンスの手引き」の配布などを通して、法令遵守の徹底を促しています。これにより、法的規制変更によるリスクに対応するだけでなく、組織全体で法令遵守を徹底する企業文化を醸成し、企業価値の維持・向上と業績・財政の安定を図ることを目指しています。

 

(4)財務リスク

① 保有資産の減損に係るリスク

一正蒲鉾グループは、事業運営に使用するための固定資産や有価証券を保有しています。しかしながら、これらの保有資産から生じる将来の収益性や資産価値に変化が生じ、減損処理が必要とされる場合、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、経営会議において経済的合理性を検証した投資や保有の判断を行っています。また、これらの投資や保有については実施後も継続的にモニタリングを行い、変動する経済動向や市場状況に適切に対応しています。これにより、保有資産の価値変動によるリスクを最小限に抑え、業績及び財政状況の安定を維持する努力をしています。

 

② 金利・為替変動リスク

 2024年3月には日銀が金融政策決定会合で、賃金の上昇をともなう2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になったとして、「マイナス金利政策」を解除し、7月には、年0%~0.1%程度だった政策金利を年0.25%程度とする追加利上げに踏み切り、デフレからの脱却や景気回復に向け、日本の金融政策は「金利のある世界」への回帰へと大きな転換点をむかえています。また、米国景気の減速に対応したFRB(アメリカの連邦準備制度理事会)による金利政策は円ドルの為替相場に大きく影響を与え、一正蒲鉾グループの想定を超えた金利の上昇や為替の変動は業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

主に日本、米国の景気や物価、金融政策、為替、海外の金利、株価などの金利・為替変動要因を継続的に注視しながら、常に対応を検討しています。今後、金利が大きく上昇することが確実に見込まれる、あるいは為替が大きく変動し、過度な円安が進行し、一正蒲鉾グループの収益に影響を及ぼすことが見込まれる状況においては、金利・為替をリスクヘッジすること等により、影響を軽減することも考えていきます。

 

(5)災害・事故リスク

① 自然災害等に関するリスク

一正蒲鉾グループは、本社を含む国内に7つの生産拠点、1つの栽培センター、8つの支店、関係会社1社、また合弁工場をインドネシアに有しています。これらの施設は地震や台風などの大規模な自然災害や地球温暖化の進行等による局地的で被害が深刻な豪雨災害が発生する可能性があります。これらにより、管理部門の機能停止、工場の生産設備の被災、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限などが引き起こされ、企業活動が広範囲にわたって停止する可能性が考えられます。同様に、生産拠点で大規模な火災などの事故が発生する場合も、一正蒲鉾グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

一正蒲鉾グループは、「事業継続計画(BCP)」や「自然災害対応マニュアル」のガイドラインに基づき、迅速な対策本部の設置や全社的な対応体制の構築を行っています。また、定期的な避難訓練の実施や従業員安否確認システムの活用による安全確認、クラウドサービスやデーターセンターの活用による情報システムの防御など、危機管理体制の構築に取り組んでいます。また、生産設備の定期点検や老朽化した設備の更新なども行っており、大規模な事故の発生を未然に防ぐための取組みを行っています。

さらに災害等の緊急事態に対応した安定した供給・ロジスティクスに関する機能を維持するため、これらの機能を東西2カ所に分散・設置し、相互補完を行う体制を整備しています。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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