日本コークス工業グループ(日本コークス工業および日本コークス工業の関係会社)は、日本コークス工業(日本コークス工業株式会社)、子会社8社およびその他の関係会社である日本製鉄株式会社および住友商事株式会社で構成されており、コークスの製造・販売、一般炭および石油コークスの仕入・販売ならびにコールセンター事業、粉粒体機器・装置の製造・販売などを主たる業務としている。
日本コークス工業グループの主な事業の内容、日本コークス工業グループ各社の当該事業における位置づけは次のとおりである。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一である。
(1) コークス事業……………………日本コークス工業北九州事業所で生産するコークスおよび副産物を国内外鉄鋼会社等に直接販売するとともに、連結子会社の日本コークス工業東北㈱などの販売会社へ販売している。 (会社総数2社)
(2) 燃料・資源リサイクル事業……海外から輸入した一般炭および石油コークスをセメント・製紙会社等に販売しているほか、産業廃棄物処理およびリサイクル事業、コールセンター事業を行っている。 (会社総数4社)
(3) 総合エンジニアリング事業……日本コークス工業栃木工場で製造する粉粒体装置・機器等を販売している。また、連結子会社の有明機電工業㈱およびサンテック㈱が日本コークス工業の機械・電気工事等の一部を施工しているほか、産業機械等の製造および修理を行っており、その一部を日本コークス工業で仕入販売している。 (会社総数3社)
(4) その他……………………………連結子会社の三池港物流㈱は、大牟田地区を中心に港湾荷役および貨物輸送を行っている。また、日本コークス工業で、社有地の開発・賃貸事業および仲介・分譲事業を行っている。 (会社総数3社)
(注)各事業の会社数の算定において、日本コークス工業は重複して数えている。
事業の系統図は次のとおりである。
日本コークス工業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において日本コークス工業グループが判断したものである。
(1) 会社の企業理念
日本コークス工業グループの企業理念は、以下の通りである。
・人類の活動に不可欠な資源や素材と高付加価値技術を社会に供給し続けることにより、存在価値のある企業と
して、よりよい社会環境の構築に貢献するとともに、人類社会の永続的発展に寄与する。
・独自の企画・提案力によるソリューションビジネスの展開
・社会的に信頼される新しい企業文化の創造
・企業活動を通じた、働く社員の自己実現と生活の安定・充実
(2) 会社の経営の基本方針
日本コークス工業グループは、上記の企業理念に基づき、環境保全への配慮、地域社会との共生および企業倫理の徹底など、社会を構成する一員として求められる責任を果たし、取引先、株主、地域社会からの一層の信頼を得られる企業を目指していく。
ESG経営にも取り組み(安全・環境対策、働き方改革・ダイバーシティ、等)、2050年カーボンニュートラルに向けて、具体的な方法を掲げて実施する。
また、主力であるコークス事業のより一層の競争力強化を図り、市況等に左右されない事業基盤を確立するとともに、非コークス事業の事業基盤を強化・安定化させ、多面的な利益構造を確立することを目指している。
(3) 経営戦略等
上記の経営方針に基づく日本コークス工業グループの経営戦略は、次のとおりである。
[コークス事業]
・安全・環境・防災体制の強化
・2A炉老朽化更新投資(パドアップ)の着実な実行
・安全・安定操業の維持
・国内外の安定的なコークス需要家の確保と収益力の強化
・水素・アンモニア供給体制構築等、新たな収益源の開拓
[非コークス事業]
(燃料・資源リサイクル事業)
・需要家の燃料転換に対応した商品の拡大
・自社石炭ヤード等のインフラの効果的活用
・廃棄物の有効活用と適正処理による安定した収益の確保
(総合エンジニアリング事業(化工機事業))
・粉体処理ソリューションビジネスモデルへの更なる進化
・製品の付加価値向上(新製品の開発強化と既存製品のブラッシュアップ)
・海外への販路拡大
・テスト体制、生産体制の強化
[ESG経営への取り組み]
・安全・環境・防災体制の確立を目指した生産・操業現場の構築
・カーボンニュートラルも含めた地球環境の保全や循環型社会構築のための環境課題への対処
・人権の尊重・ダイバーシティへの対応等
・ステークホルダーとのコミュニケーション・コンプライアンスの徹底によるガバナンスの向上
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
日本コークス工業グループを取り巻く経営環境は、中国経済の減速やウクライナ・中東地域をめぐる情勢、世界的な金融引締めによる経済状況、原料炭やコークスの需給バランスの変化など、先行きが不透明な状況に置かれている。
このような状況のなかで、日本コークス工業グループは、それぞれの事業において、次のような経営環境の認識のもとに、収益力の改善などに向け、各事業で様々な施策を推進していく。
(コークス事業)
コークス事業については、原料炭市況が不透明な状況下、最適な販売体制の構築により、収益確保に努める。また、顧客需要に応えるべく、安全・安定操業を最優先としつつ、2Aコークス炉更新工事を着実に実行するとともに、
①環境対策工事の実施などによる各種環境規制の遵守及び地域社会との共生
②その他のコークス炉の健全性維持
③工場各設備への継続的な設備投資やメンテナンスの実施
④販売施策の見直し
⑤更なるコスト削減への取り組み(エネルギー使用量の削減・原料配合の改善など)
⑥水素・アンモニア供給体制構築
等を推し進めていく。
(燃料・資源リサイクル事業)
脱炭素の対応強化により加速する需要家の燃料転換へ向けた動きに対して、日本コークス工業グループは、バイオマス燃料などカーボンニュートラルに向けた商品の取扱いの拡大を進めていく。
また、燃料の調達・販売から廃棄物処理までを一貫して取り扱う体制の下、安定した収益の確保を目指す。
(総合エンジニアリング事業)
化工機事業については、産業全般に亘る基礎技術である粉体処理技術において、長年培ったノウハウをもとに、自社の独自性や優位性を生かし事業を行っている。
技術開発面では、日本コークス工業が蓄積する粉体処理技術や、粉体技術センターで実施する各種テストから得られる知見を生かし、顧客ニーズに対応する処理プロセスの提案や新製品の開発、変化する顧客ニーズに応えるための既存製品のブラッシュアップを推進する。
営業面では、顧客対応力の向上を図ると共に、海外市場への拡販強化を図る。
また、カーボンニュートラルでニーズが高まる電子・電池・樹脂分野等への展開強化を図る。
産業機械事業を担う有明機電工業株式会社については、機械工事・電気工事のノウハウを併せ持つ特徴を生かし、受注拡大および利益率改善により収益拡大を図ると共に、コスト削減や生産性向上、製品およびメンテナンスの高付加価値化などにも注力する。
併せて、グループ内の連携強化を図るため、日本コークス工業グループ案件の受注拡大にも取り組んでいく。
(その他)
港湾運送事業を営む三池港物流株式会社については、自社で保有する港湾設備や倉庫を活用し、三池港(福岡県大牟田市)における貨物取扱数量増加ならびにコスト削減を図る。
不動産事業については、非事業用不動産の売却に加え、賃貸事業についても積極的に推進していく。
(ESG経営への取り組み)
日本コークス工業グループは、サステナビリティ推進委員会を中心に、日本コークス工業グループにとっての重要度および社会にとっての影響度の基準から設定した重要課題(マテリアリティ)に基づき、サステナビリティ経営を推進する。
具体的には、「2 『サステナビリティに関する考え方及び取組』」に記載のとおりである。
また、脱炭素に対する取り組みとしては、
①コークス炉から発生するガスの自家消費や回収した熱の電力・蒸気への変換などのエコプロセスによるCO2の削減
②グループ会社所有森林(北海道に約4千2百ヘクタールの森林を所有)によるCO2吸収やCCUS(CO2の 回収・利用・貯留)技術の利用によるカーボンオフセット
③水素製造・販売や太陽光発電等のカーボンフリーエネルギー事業の検討
などにより、2050年カーボンニュートラルに向けて挑戦していく。
(5) 目標とする経営指標
日本コークス工業グループは、健全な財務体質を維持しつつ、企業価値を高めるための各種施策や安定的な配当の実施のため、中期的には、連結経常利益を50億円以上確保することを、経営指標としている。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは日本コークス工業グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載している。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において日本コークス工業グループが判断したものである。
(1)需給および市況の変動
日本コークス工業グループは、石炭・コークスというエネルギー関連素材の仕入・製造・販売事業を行っているが、これらは、国内外の経済状況や需給状況の変動により、その仕入・販売の価格および数量が大きく変動する可能性があり、日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、日本コークス工業グループは、コークス事業のより一層の競争力強化を図り、市況等に左右されない事業基盤を確立する事を、経営の基本方針としている。
(2)海外情勢の変動
日本コークス工業グループは、石炭(一般炭およびコークス用原料炭)、石油コークス、バイオマス燃料等を海外から輸入しているが、各輸入先において、自然災害、政治または経済環境の変化、税制、規制、法律の変更、人権問題等により、仕入価格の高騰や石炭等の供給遅延または停止が起こった場合には、日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(3)為替レートの変動
日本コークス工業グループは、石炭等の仕入ならびに石炭・コークスの販売等の外貨建て取引(主に米ドル建て)を行っているため、為替レートの変動による影響を受ける。為替リスクは、主に、外貨建てのコークスの販売と原料となる石炭の輸入取引により相殺されるが、相殺されない部分は日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(4)金利の変動
日本コークス工業グループは、有利子負債を有しているため、金利変動による影響を受ける。著しい金利変動は、借入金の金利負担として日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。なお、長期借入金の大部分については、金利上昇リスクを可能な限り回避するため、金利スワップ等のヘッジ取引を行っている。
(5)借入債務に係る財務制限条項
日本コークス工業グループの借入金にかかる契約には財務制限条項が付されているものがある。日本コークス工業または日本コークス工業グループの経営成績や財務状況が悪化し、当該条項を満たすことができないことが判明した場合は、直ちに借入金の一括返済を求められるものではないが、貸付人等との間で今後の対応について協議を行うことになっており、その結果如何では、期限の利益を喪失するなど今後の安定・継続的な資金の調達に影響を及ぼす可能性がある。
なお、財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(連結貸借対照表関係) 3.財務制限条項」に記載している。
(6)固定資産の価値の下落
日本コークス工業グループが保有している固定資産のうち、有形固定資産、無形固定資産等については、時価や収益性をもとに資産価値を検討しているが、今後さらに時価の下落、収益性の低下等に伴い資産価値が下落した場合は、減損を余儀なくされ、日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(7)法的規制
日本コークス工業グループは、国内外で各種の法的規制(租税法規、環境法規、労働法規、貿易・為替法規等の事業関連法規)に服しており、万が一、法令に違反した場合には、当局から課徴金・営業停止の行政処分を受けるほか、その利害関係者から損害賠償請求等を提訴される可能性がある。
なお、上記のような様々な法令、規則等の適用を受けており、これらの法的規制が変更または強化された場合には、規制遵守のための費用が増加する可能性があり、その場合には、日本コークス工業グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(8)コークス事業への依存
日本コークス工業グループの主力事業は、コークス事業であり、当該事業への依存度が高いため、当該事業の業績が市場環境等により変動する状況が続く場合には、日本コークス工業グループ全体の経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、日本コークス工業グループは、非コークス事業の事業基盤の強化・安定化による、多面的な利益構造の確立を経営の基本方針としている。
(9)コークス炉の更新等
日本コークス工業北九州事業所においてコークスを生産するコークス炉は、稼働開始から長期間が経過しており、老朽化対策や維持・修繕のためのコストが増加する可能性がある他、生産トラブルなどにより、生産量が大きく変動する可能性がある。
そのため、4炉団(1A、1B、2A、2B)のうち、最も老朽化が進んでいる2A炉につき、2023年2月より更新工事を行っているが、その他の炉についても、健全性維持のための対策等を行っている。
(10)重大な災害、事故、訴訟等
日本コークス工業北九州事業所をはじめとする日本コークス工業グループの各事業所が、大規模な台風、地震などの自然災害に見舞われた場合等には事業活動が制約を受けることなどにより、業績に影響が生じる可能性がある。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において日本コークス工業に不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により業績に影響が生じる可能性がある。
なお、日本コークス工業が過去に経営していた炭鉱に関連して、第二次世界大戦中の旧朝鮮半島出身労働者の就労については、行政当局等と連携して適切に対応していく方針である。
(11)繰延税金資産について
日本コークス工業グループは、将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っているが、将来の課税所得の予測が変更となり、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の回収可能性を減額する事で、日本コークス工業の経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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