丸千代山岡家(3399)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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丸千代山岡家(3399)の株価チャート 丸千代山岡家(3399)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

丸千代山岡家は、直営によるラーメン専門店「ラーメン山岡家」を運営するラーメン事業を主として行っており、2025年1月31日現在、188店舗(新業態を含む)を北海道、関東、東北、東海地区の主要幹線道路沿いを中心に、全店舗直営店24時間営業を基本として出店しております。丸千代山岡家が多店舗展開を推進するにあたり、直営店を基本としてきた理由は、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店ベースで維持・管理するとともに、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを実施できることによるものであり、今後も引き続き事業の拡大に取り組む方針であります。

 

[事業系統図]


 


有価証券報告書(2024年1月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において丸千代山岡家が判断したものであります。

(1) 経営方針

丸千代山岡家の経営理念は、「食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ 全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける」であります。

丸千代山岡家はこれまで、「ラーメンでお客様に喜んでもらう」を経営理念とし、ラーメン山岡家を中心とした店舗展開を行ってまいりました。今後は、ラーメンを始めとして『食』に関わる企業として発展していくために、創業当時から守ってきました経営理念をラーメン山岡家の事業理念とし、今後は『食』を通じて「地域貢献」を掲げ、納税や雇用の創出など様々な形で地域社会の発展に貢献し、地域に必要とされる企業を目指していきたいと考えております。

また、この経営理念と合わせて「行動指針」「8つの使命」を策定しております。経営理念を実現するために、従業員が自ら行動する上での指針や使命としております。

 

(2) 経営戦略

今後も、ラーメンは味が第一であるとの認識により、商品の維持管理とサービスレベルを均一化するために従来どおり直営店舗での営業にこだわり、出店方針は原則として郊外型を主体とし、一定数以上駐車スペースを確保できる幹線道路に面した立地としております。更に郊外から都心への展開も可能な業態開発を行っております。今後、日本全国の幹線道路沿いや繁華街に、ラーメン業態を始めとした丸千代山岡家の店舗が必ず存在するような事業の拡大を実現するとともに、効率的な経営を行い企業価値の拡大を図りたいと考えております。

また、丸千代山岡家は原則全店直営での店舗展開をメインとし、更に店舗内調理のチェーン店でナンバーワンのブランド構築を目標としております。

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

国内経済は、個人消費やインバウンド需要を中心として、経済活動の正常化が進んでおりますが、国際情勢は不安定な状況が続き、サプライチェーンの混乱やエネルギー資源の高騰を招いており、世界的なインフレや常態化する円安の影響による更なる物価上昇も懸念され、景気の先行きは依然として予測困難な状況が続いております。

外食産業におきましては、消費行動がコロナウイルス感染症拡大前の状況に戻り、コスト上昇に対する価格改定の機運が高まり、各社売上高は回復へと向かっておりますが、来店客数回復に伴う労働力の不足や人件費、求人費の上昇、慢性化している原材料費や配送費の高騰などにより、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような状況下で、丸千代山岡家の対処すべき課題は、以下のとおりであると考えております。

 

① 店舗管理を行う人員の増員と店舗臨店増による指導強化について

丸千代山岡家は、現在全社で主にラーメン店を183店舗運営しておりますが、店舗管理やマネジメントを行う人員が担当する店舗数も増加傾向にあります。今後は人員を増員することにより、店舗の臨店回数を増やし、より細かいチェックやマネジメントを行うことや店長を始めとした店舗人員への関与強化を行うことで、お客様をお迎えする体制を整備してまいります。

 

② 店内調理と手作り感へのこだわりによる商品クオリティの安定について

丸千代山岡家は、飲食店を運営する企業として、提供する商品のクオリティの安定が重要課題と考えております。

ご来店いただくお客様へ店内調理と手作り感による、こだわりのある付加価値の高い商品を提供出来るよう、スタンダードオペレーションの確立、動画を活用した店舗業務の学習、フィードバックや指導の効率化を行ってまいります。

 

 

③ 人材の確保・育成・定着に向けた取り組みについて

丸千代山岡家は、今後も全国各地で出店を継続していくこととしており、更に店舗のサービスレベル向上を最重要課題としておりますが、採用活動の効率化や担当人員増強による人材採用の更なる強化、トレーニングセンターを活用した体系的な人材育成を行ってまいります。また、福利厚生や労働環境を向上させ、定着率の向上を図ってまいります。

 

④ 店舗設備の新規導入など、従業員が営業に専念できる環境整備について

丸千代山岡家は現在、来店客数の大幅増に伴い1店舗当たりの売上高も上昇しており、時間当たりに店舗で勤務する従業員も増加しております。今後も安定的に商品を提供するために厨房設備などバックヤードの整備や働きやすい店舗環境へ改善するための設備導入など、従業員が営業により専念できる環境を整備してまいります。

 

⑤ 売上拡大に伴う、店舗開発や購買など本社機能の強化について

丸千代山岡家は現在、来店客数の大幅増に伴い全社売上高が急激に拡大しております。そのため、従業員数や使用食材の仕入量の増加もあり、本社機能の強化が重要課題となっております。また、今後も継続して出店を行っていく方針としており、店舗開発機能の強化も必要となっております。今後、人事総務部や購買部を始めとした人員増や各種業務のシステム化による効率化を推進するなど、店舗運営を支えるバックオフィス機能を強化してまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

丸千代山岡家は、着実な事業拡大を通じて企業価値を向上させていくことを重要な経営目標と位置付けております。このため、店舗数の純増による売上規模の拡大は勿論、事業の収益力を占める営業利益、営業利益率を中長期的な経営の重要指標として考えております。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2024年4月30日)現在において丸千代山岡家が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1) 丸千代山岡家の事業展開について

① 事業内容について

丸千代山岡家は、2024年1月31日現在、「ラーメン山岡家」を主として183店舗(新業態を含む)を北海道から本州、九州地区の主要幹線道路沿いを中心に、全店舗直営店、年中無休営業を基本として出店しております。丸千代山岡家が多店舗展開を推進するにあたり、直営店を基本としてきた理由は、一定の品質・サービス・清潔さの水準を全店ベースで維持・管理するとともに、店舗のスクラップ・アンド・ビルドを実施できることによるものであり、今後も関東、東海、関西地区を中心に引き続き事業の拡大に取り組む方針であります。

しかしながら、丸千代山岡家のセグメントはほぼラーメン事業のみであることから、国内景気の悪化・低迷等の外的要因、あるいは丸千代山岡家固有の問題発生等により、当該事業の展開に何らかの支障が生じた場合は、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 豚肉・豚骨への依存度について

丸千代山岡家のラーメンには、チャーシュー用の豚肉、スープ用の豚骨と、豚を多く使用しております。そのため、豚肉・豚骨の仕入については複数の取引先から調達し、リスクの分散を図っております。しかし、主要食材である豚の安全性に問題が発生した場合、売上原価の高騰など丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 出店政策について

丸千代山岡家の出店における基本方針は交通量の多い幹線道路沿いと考えており、立地条件が売上高を大きく左右すると考えております。今後の出店に当っても上記方針に基づき、物件に関する情報ルートを拡大し、より多くの情報の中から出店候補地の諸条件を検討したうえで、選定を行ってまいります。

ただし、丸千代山岡家の出店条件に合致する物件がなく、計画通りに出店できない場合、または出店後における周辺環境の変化や、ファミリーレストラン、コンビニエンスストアといった外食及び同業他社との競合が発生した場合、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材の確保・育成について

丸千代山岡家は直営店の出店を図るため、人材の確保を行っていく必要があります。特にスーパーバイザー(担当エリアの店舗運営における管理監督者)及び店舗の人材確保並びに育成が重要であると考えており、中途・新卒を含め採用活動を行っております。また、採用した人材については、教育担当専任者が中心となり、研修店舗におけるOJT等で教育を進めております。

しかし、人材確保、育成が丸千代山岡家の計画通りに進まない場合には、店舗におけるサービスの質の維持や計画通りの店舗展開が出来ず、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 敷金・保証金について

丸千代山岡家は、賃借により出店を行うことを基本方針としており、土地・店舗の賃借に際して家主に敷金保証金を差入れております。敷金保証金の残高は2023年1月期末が591,652千円、2024年1月期末が581,654千円となっており、総資産に対する比率は、各々7.0%、5.2%を占めております。敷金保証金は賃貸借契約終了をもって丸千代山岡家に返還されるものでありますが、賃借先のその後の財政状態によっては回収が困難となる場合や店舗営業に支障が生じる可能性があります。

また、丸千代山岡家側の都合によって不採算店舗の契約を中途解約する場合などは、当該契約に基づき、敷金保証金の一部又は全部が返還されない可能性があり、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 特定人物への依存度について

丸千代山岡家の創業者である代表取締役会長山岡正は、設立以来、経営方針や事業戦略の決定等、丸千代山岡家事業の中心的役割を担っております。現在のところ、他の取締役に権限を委譲する等代表取締役会長山岡正に過度に依存しない体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が丸千代山岡家経営から離れることになった場合、丸千代山岡家の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

① 法的規制について

丸千代山岡家が運営する店舗は飲食店として、主に食品衛生法による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合や、その他丸千代山岡家事業に関連する法的な規制が強化、新設された場合には、設備投資等必要措置に対応するため、新たな費用負担が生じることなどにより、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 衛生管理について

丸千代山岡家では、安全な食品を提供するために、食品衛生法に基づき所轄保健所より営業許可証を取得し、全店舗に食品衛生管理責任者を配置しております。また、店舗内の衛生管理マニュアルに基づき、従業員の衛生管理や品質管理を徹底しております。更に、専門機関による定期的な各種衛生検査を実施しております。

現在のところ、丸千代山岡家では設立以来食中毒の発生等で行政処分を受けた事例はありませんが、丸千代山岡家の衛生管理諸施策の実施にもかかわらず、衛生問題が発生した場合や、他業者の不手際による連鎖的風評被害、食材メーカー等における無認可添加物の使用等による消費者の不信、また社会全般的な各種衛生上の問題が発生した場合には、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 短時間労働者に対する社会保険の適用拡大について

現在の短時間労働者に対する社会保険については、一日または一週間の労働時間及び一ヶ月の労働日数が通常の業務に従事する者の概ね4分の3以上である場合には加入が義務付けられており、該当するパート・アルバイトなどの短時間労働者は加入しております。

しかしながら、今後、短時間労働者に対する社会保険の適用基準が拡大された場合には、保険料の増加、短時間労働の就労希望者の減少等により、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 有利子負債について

丸千代山岡家は、店舗出店に伴い、主に設備資金を借入金により調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率は下表のとおりの水準で推移しております。近年は低金利が持続しておりますが、今後、借入金利が上昇に転じた場合には、丸千代山岡家の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2022年1月

2023年1月

2024年1月

有利子負債残高(千円)(注)

2,697,399

3,294,914

2,983,924

(対総資産額比率)

40.2%

38.9%

26.7%

純資産額(千円)

2,227,539

2,461,869

3,866,660

(自己資本比率)

33.0%

29.1%

34.6%

総資産額(千円)

6,702,184

8,462,952

11,163,578

支払利息(千円)

24,363

29,661

32,955

 

(注) リース債務及び割賦債務を含めて表示しております。

 

(4) 固定資産の減損に係る会計基準の適用について

丸千代山岡家は、店舗設備を原則自社保有しております。今後、店舗の営業損益に悪化が見られ短期的には回復が見込まれない場合、固定資産の減損に係る会計基準が適用されることにより減損損失が計上され、丸千代山岡家の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 自然災害等について

丸千代山岡家は、飲食店の経営を主要な事業としておりますが、消費者の来店動機を大幅に減少させるような地震・台風等による大規模な自然災害等が発生した場合、業績及び固定資産へのダメージなどにより財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症について

丸千代山岡家は、飲食店の経営を主要な事業としておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府からの緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置の適用による、各自治体からの要請等に基づく飲食店舗への営業自粛や営業時間短縮、外出自粛要請などが長期化した場合、丸千代山岡家の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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