アクセルスペースホールディングス(402a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


アクセルスペースホールディングス(402a)の株価チャート アクセルスペースホールディングス(402a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 

(1) アクセルスペースホールディングスグループについて

 アクセルスペースホールディングスグループはアクセルスペースホールディングスと連結子会社1社で構成されており、アクセルスペースホールディングスは、持株会社としてアクセルスペースホールディングスグループの経営管理及びそれに付帯又は関連する業務等を行っております。他方、アクセルスペースホールディングスグループの主要な事業はいずれも連結子会社である株式会社アクセルスペースにおいて行っております。アクセルスペースホールディングスグループは「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」をビジョンに掲げ、従来人々にとって遠い存在であった宇宙が、日常的にかつ当たり前のように利活用されている社会の実現を目指しております。

 当該ビジョンを達成するために、アクセルスペースホールディングスグループは、2008年より世界に先駆けて小型衛星の開発に取り組んでまいりました。現在は、AxelLiner事業とAxelGlobe事業の2つの事業を運営しております。AxelLiner事業は創業以来約17年にわたり蓄積してきた経験・ノウハウを基盤とし、小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めて顧客向け小型衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供しております。AxelGlobe事業はアクセルスペースホールディングスグループが保有・運用する光学地球観測衛星コンステレーションが取得した画像データを販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しております。農業や土地管理をはじめ、環境や金融、報道等、他産業での用途にも拡大しております。

 なお、「衛星コンステレーション」とは、複数機の人工衛星を打上げ、それらを一体運用して事業等に活用する仕組みのことをいいます。

 

 事業セグメントは、上記AxelLiner事業及びAxelGlobe事業の2つとしており、これは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

 なお、アクセルスペースホールディングスは特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

 

 

(2) 基盤となる小型衛星に関する技術

小型衛星の特徴と技術の源泉

アクセルスペースホールディングスグループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、ベースとなる技術は、創業者である中村友哉及び永島隆の指導教員であった中須賀真一氏が教授を務める東京大学大学院工学系研究科、及び創業者である宮下直己氏の指導教員であった松永三郎氏(故人)が当時准教授を務めていた東京工業大学(現・東京科学大学)理工学研究科機械宇宙システム専攻において研究開発されていた複数の超小型衛星プロジェクトから生み出されたものです。

当時、一般に人工衛星と言えば、質量1トンを超える大型衛星が主流であり、時に5年以上にも及ぶ長い開発期間や宇宙用の部品を用いることによる高額な調達費用のため、政府系機関による開発が一般的でした。アクセルスペースホールディングスグループが手掛ける小型衛星は独自ノウハウにより、宇宙でも利用可能な民生部品を積極的に選定・活用したり、信頼性を損なわない範囲で各種環境試験を簡略化することによって、低コストでの設計製造、及び契約の締結から宇宙での利用開始までの期間の短縮を実現しました。

これにより民間企業が自社衛星として人工衛星を保有する可能性が切り拓かれるほか、衛星コンステレーションによる同一地点の高頻度観測や冗長性の確保といった新しい価値を提供することが可能となりました。

 

小型衛星に関する実績

創業以来、「WNISAT-1」「ほどよし1号機」「RAPIS-1」等の顧客向け人工衛星に加え、アクセルスペースホールディングスグループのAxelGlobe事業向け人工衛星である「GRUS」5機を含む合計11機の小型衛星を製造した実績を有しております。

株式会社アクセルスペースを設立後、大学で培ってきた技術・経験を活かし、質量約10キログラムの日本初の超小型民間気象衛星「WNISAT-1」の開発を株式会社ウェザーニューズより受託、2013年に打上げ、2024年2月まで運用を行いました。「WNISAT-1」の開発と並行する形で、2009年より内閣府総合科学技術会議による最先端研究開発支援プログラムの1テーマである「日本初の『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」の一環として「ほどよし1号機」の開発を主導、2014年に打上げ、2025年3月まで運用を行いました。その後「ほどよし1号機」の実績を生かし「WNISAT-1」の後続機である「WNISAT-1R」を開発し2017年に打上げ、2025年5月まで運用を行いました。2016年にはJAXAとの間で技術実証衛星である「小型実証衛星1号機(RAPIS-1)」の開発・運用に関する契約を締結し、2019年にイプシロンロケット4号機にて打上げました。なお、日本において、政府系機関の衛星開発をスタートアップ企業が受託するのは初めてのことでした。「RAPIS-1」については約1年半にわたって軌道上運用を継続し、全ての実証ミッションを成功裡に終えたのち、停波しております。

これら顧客のための人工衛星開発に加え、AxelGlobe事業に用いる地球観測衛星「GRUS-1A」を2018年に1機、2021年には「GRUS-1B, C, D, E」を4機同時に打上げることで、5機による地球観測衛星コンステレーションのサービスを日本で初めて開始しております。なお、姿勢制御に不具合の発生した「GRUS-1E」の商用運用を停止しておりましたが、本書提出日現在、商用運用復旧に向けた作業を進めております。

 

 

 

このように、多様な衛星を短期間に複数打上げ、並行して運用する経験を積んでまいりました。多様なミッションを通じて、小型衛星を構成する機器(コンポーネント)に関するサプライチェーンの確立、コストと信頼性のバランスを考慮したシステム設計、打上げ事業者や政府系機関との交渉等、プロジェクト推進に関わるあらゆる技術的・非技術的ノウハウを蓄積してまいりました。

 

アクセルスペースホールディングスグループの小型衛星の開発・製造・運用技術の特徴

アクセルスペースホールディングスグループの人工衛星の開発・製造・運用には次のような技術力があり、これらの技術力を用いた短期・低コストでの小型衛星開発を行えることがアクセルスペースホールディングスの強みです。また、実績が重視される衛星開発の中で、アクセルスペースホールディングスグループで運用している「GRUS-1」、「PYXIS」及び「GRUS-3α」を除き、上記のいずれの人工衛星プロジェクトにおいても、総合評価方式による一般競争入札及び顧客からの指名により人工衛星の開発に対して相応の対価を得ていることからも、アクセルスペースホールディングスグループの人工衛星開発能力の高さが評価されているものと認識しております。

 

[1] 小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準と製造体制

 アクセルスペースホールディングスグループの創業者らは大学生時代から小型衛星開発の研究を重ね、小型衛星のミッション遂行に必要となる設計思想及び設計製造ノウハウを獲得しております。アクセルスペースホールディングスグループの創業後、これらの設計・製造ノウハウを、大学レベルで必要とされるミッション遂行に必要な水準から、人工衛星ビジネスをするために必要十分となる独自の水準にまで向上させております。これにより、従来の人工衛星製造の業界において常識だった多くの開発工数や試験工数を削減・簡素化したほか、宇宙空間での利用を前提としていない民生部品の積極採用も行い、開発コストを大幅に削減しつつも、事業用途に耐え得る品質を維持する開発手法の確立に成功しております。

 

[2] 自動運用システム

 アクセルスペースホールディングスグループが手掛けている一般的な地球周回衛星では、地上に置かれているアンテナ(地上局)と通信可能な時間帯は投入軌道によって自動で決まり、夜間・休日関係なく運用が発生します。従来行われていた人力による衛星運用では、こうした変則的な拘束時間に加え、運用ミスが許されないことによるストレスが高く、多大な人的コストがかかっておりました。アクセルスペースホールディングスグループでは創業以来、こうした運用にかかる手間・ミスを避けるため、人工衛星の運用の無人化・自動化を目指した運用システムを開発し、2018年に打上げた「GRUS-1A」より適用を開始しました。現在ではクラウド上の自動運用システムが人工衛星の監視・運用の大半を無人で実施し、軌道上の衛星に発生した軽微な不具合は自動復旧するなど効率的な衛星運用を実施しているほか、人工衛星に送付するコマンドは事前に設定された運用計画に基づき全てプログラムが生成するなど、運用ミスを防ぐ工夫をしております。さらに、他物体との衝突リスクが顕在化した時には自動で衝突回避運用を実行する機能の実装も進めております。人工衛星運用の自動化はアクセルスペースホールディングスグループの創業当時より強く掲げた目標であり、人工衛星に搭載するソフトウエアと地上側の人工衛星運用ソフトウエアの両者を内製し、それらを相互に連携させることで高度な運用自動化を実現しております。このように人工衛星の開発と運用をワンストップで提供できることは、設計・製造・運用全ての経験を有した事業者のみが実現できることであり、特に人工衛星の運用経験のない顧客を取り込めるようになる点で、強い競争力となると考えております。

 

[3] 民生部品の積極的な利用をはじめとした独自のサプライチェーン網の構築
 宇宙は地上とは異なる過酷な環境(真空、宇宙放射線、大きな温度変動等)であるため、一般には宇宙環境を想定して製造されていない民生部品をそのまま利用することはできません。アクセルスペースホールディングスグループは最先端の半導体などの民生部品から宇宙利用できるものを独自に選定するノウハウ・技術を有しております。これによって例えば衛星搭載のメイン計算機ボードを内製化しており、安価でありつつも小型かつ高性能な衛星の実現に貢献しております。こうしたノウハウの積み重ねにより、アクセルスペースホールディングスグループは、外部機器の調達と自社開発品を組み合わせた独自のサプライチェーン網を構築しております。また、長納期かつ高額な調達機器に関しても、外部メーカーと共同開発に取り組み、アクセルスペースホールディングスグループが宇宙利用の経験とノウハウ等を提供することで、安価で短納期な部品を開発するなど、更なる原価低減に向けた施策も進めております。一方で近年では数千機を超えるいわゆるメガコンステレーションの誕生から、小型衛星向けのコンポーネントの開発が活発となっており、徐々に安価で高性能なコンポーネントも市場に流通し始めております。アクセルスペースホールディングスグループは内製と外部パートナーとの共同開発、外部調達をバランスよく併用することで技術・コスト両面で競争力のある製品開発を進めております。

 

シナノケンシ株式会社と共同開発を行っている

リアクションホイール(衛星の姿勢制御装置の一つ)の原理試作品

 

 

(3) AxelLiner事業

AxelLiner事業は、顧客向け小型衛星プロジェクトの開発・製造・打上げ・運用を提供しております。

AxelLiner事業の前身となる、創業当初から取り組んできた顧客専用衛星開発では、顧客の要望に応じた小型衛星の設計から製造・運用までを提供してまいりました。その実績として、「WNISAT-1」、「ほどよし1号機」、「WNISAT-1R」、「RAPIS-1」が挙げられます。

 

現在の主要顧客は政府系機関で、2025年5月期はAxelLiner事業の売上高の99%以上を占めております。また、同時期の売上高は国内100%になります。政府系機関より委託を受け、取り組んでいるプロジェクトのうち、主なものは以下のとおりであります。

 

・光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証(2031年度(注)までの最大10年間)

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)が公募した「経済安全保障重要技術育成プログラム」におけるテーマの一つであり、2023年3月に採択されました。本開発・実証プロジェクトは、株式会社Space Compass(NTT株式会社とスカパーJSAT株式会社の合弁会社)、NICT、日本電気株式会社とともに、大容量・低遅延でのデータ通信・データ処理のサービスの提供を可能にする技術の研究開発に取り組み、日本近傍で衛星光通信ネットワークシステムとしての機能・性能実証を行います。このうち、アクセルスペースホールディングスグループは地球低軌道光通信衛星コンステレーションを構築する小型の光通信衛星及びネットワーク統合制御システム(ネットワーク運用制御システム、衛星管制システム、衛星自律化システム)の開発を行うと共に、システム実証のための光通信ターミナル搭載の地球観測衛星や電波(RF)地上局の構築を担当します。

 

光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の実装後のイメージ図

 

 

・Beyond 5G 次世代小型衛星コンステレーション向け電波・光ハイブリッド通信技術の研究開発(2024年度まで(注))

 次世代の人工衛星の標準コンポーネントとなり得る光通信技術に関連し、2021年にNICTより委託された案件です。国立大学法人東京大学、国立大学法人東京工業大学(現・東京科学大学)、株式会社清原光学とともに、次世代小型通信衛星コンステレーション構築に向け、キーコンポーネントである光通信機、及び従来製品より高速なKa帯通信機の開発を行いました。

 

(注)各機関の会計年度を示します。

 

また、顧客の専用衛星の開発・運用及びAxelGlobe事業に供する小型衛星「GRUS-1」の開発・運用を通して、アクセルスペースホールディングスグループは設計の標準化や量産に関する技術的知見の蓄積、必要となる諸手続きや調整のほか、政府や周波数調整の国際機関、ロケット・地上局・保険事業者等の外部関係者との関係性の構築など、衛星プロジェクト遂行に必要なあらゆる経験を積んでまいりました。こうして得たノウハウをベースに、顧客が求めるミッションを実現する衛星について、設計・製造・各種手続きから運用までをワンストップサービスとして提供することを目指しております。

衛星は、大きくは通信、電源、姿勢制御等、人工衛星としての基本機能に必要な機器と衛星の主構造の総称を指すバス(衛星バス)と、その人工衛星を製造・開発する目的となるミッション機器の2つで構成されております。それまでの衛星開発では、バス部の設計は、個別の要素技術は流用していたものの、衛星バス及び自動運用システムの標準化・汎用化が十分に進んでおらず、顧客のミッションに応じたカスタマイズでの設計工程が毎回発生し、複数の衛星案件を獲得して成長する上での課題となっていました。アクセルスペースホールディングスグループではバス部設計の標準化・汎用化の推進により、開発の効率化、開発期間の短縮化を進めております。

2010年代後半に入り、政府が宇宙ベンチャーの支援を本格的にスタートし、今後も宇宙ビジネスは加速度的に成長することが見込まれる環境となりました。時流により、世の中の期待にタイムリーに応えていくためには、衛星開発手法を抜本的に変革しなければならないと考えるようになったことから、改めて専用衛星事業のあり方を見直したのが、AxelLiner事業です。顧客の事業デザインのサポートから軌道上運用までの衛星開発に関わる長くて複雑なプロセスをパッケージ化し、それらを容易に管理できるソフトウエアを提供することで、他に例のない革新的なサービスを作り上げることを目指しております。なお、本サービスの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 2021年より経済産業省による「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」(注)の補助事業者として、小型衛星の量産化を見据えた設計の汎用化、製造の効率化、運用の自律化・自動化についての実証を進めており、2024年3月にAxelLinerの実証衛星初号機となる「PYXIS」の打上げを行いました。「PYXIS」はアクセルスペースホールディングスグループが開発する汎用バスシステムの実証というだけでなく、ソニーグループ株式会社との協業により、IoT向け低消費電力広域(LPWA:Low Power Wide Area)通信規格のELTRES™(エルトレス:衛星測位システムを標準搭載し、見通し100km以上の長距離伝送性能を持つソニー独自のLPWA通信規格)に対応した衛星無線実験装置を搭載しました。なお、「PYXIS」は打上げ後、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから運用を終了しております。

 

(注)本事業は2021年度から2022年度まで経済産業省が実施し、2023年度から2026年度はNEDOが「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)」として実施するものです。また、実施期間は各機関の会計年度を示します。

 

 

(4) AxelGlobe事業

 AxelGlobe事業はアクセルスペースホールディングスグループが運用する衛星にて撮影した画像データを販売及び衛星画像を使ったサービスを提供しており、現在5機の「GRUS-1」により顧客が求める世界中の地点の衛星データを高頻度かつ安価に提供ができることを最大の強みとしております。

 AxelGlobe事業を構成する小型衛星「GRUS-1」において提供する衛星画像の地上分解能(画像における1ピクセルに相当する地上の幅)は2.5mと、地上の航空機1機レベルの識別が可能であり、撮影幅は55km(直下視の場合)、撮影長は最大約1,000㎞と世界的に見ても商用衛星としては幅広い画像を一度に取得することができます。

 

 

 一般的な衛星画像としては、一眼レフカメラのように人の目で見たように写る光学画像と、電波を用いた合成開口レーダー(SAR; Synthetic Aperture Radar)画像の大きく分けて2種類がありますが、「GRUS-1」が取得する画像は光学画像となります。照射した電波の反射強度を白黒の画像として表現しているSAR画像と比較し、「GRUS-1」が取得する光学画像は普段目にしている写真と同種の画像であり、直感的に理解しやすく誰にでも使いやすいという特徴があります。光学画像には悪天候時や夜間の撮影ができないという弱点がありますが、広域を撮影できる、複数波長のデータがあるため情報量が多い、面積あたりの画像単価が低い等のSAR画像にはないメリットもあります。衛星自身が電波を発して観測を行うSAR衛星に対し、光学衛星はSAR衛星のように衛星自身が電波を照射しない、受動的な観測手法であるため消費電力が少なく、その分一つの衛星でより広い面積を撮影することが可能です。また、衛星開発コストも低く抑えられ、比較的安価に通常の写真のような扱いやすい衛星画像をユーザーへ届けられる特徴があります。実際にサービスを利用する顧客セグメントは幅広く、2025年5月期のAxelGlobe事業の売上高の約51%は民間企業であり、官民問わず幅広い事業者にサービスを提供しております。

 また、同時期の国内外売上高比率は国内約69%、国外約31%になります。販売チャネルについては、国内外50社以上の販売代理店と契約しておりますが、国内においては直販による営業活動も強化し、衛星画像にAI技術等を用いて解析した情報を付加した解析サービスや、衛星画像を用いた課題解決を行うコンサルテーションサービスも合わせて提供しております。これらのサービスを充実させていくために、様々な非宇宙産業のキープレイヤーとの協業に向けた取組みを積極的に進めております。

 

 

光学衛星とSAR衛星の比較

 

*1:衛星1機が1日あたりに撮影可能な面積

*2:国内SAR小型衛星事業者とアクセルスペースホールディングス製造コストの比較より

 

 「GRUS-1」では人間の目でも視認可能な可視光線に加え、人間の目には見えない近赤外線(波長帯:770nm-900nm)や植物のクロロフィルが良く反応すると言われるレッドエッジ(波長帯:705nm-745nm)のデータを取得することができ、可視光だけでは判別が難しい作物の生育状況の把握や森林の健康状態の確認といった用途への応用が可能です。これらのデータをAxelGlobe専用のウェブプラットフォームを通じて提供しております。

2021年3月に打上げられた「GRUS-1B, C, D, E」のフライトモデル4機

(アクセルスペースホールディングスグループのクリーンルームで撮影)

 

 AxelGlobe事業で提供するサービスの詳細は以下のとおりであります。

 

事業の特徴

[1]顧客要望に合わせた高い衛星利用効率

 アクセルスペースホールディングスグループが提供する衛星画像は基本的に顧客の要望があった場所を撮影するタスキングを基本としており、事前にあらゆる箇所を撮影し、アーカイブとして提供するビジネスモデルと比較して死蔵されるデータを少なくすることが可能です。

 

[2]一度に広範囲にわたる撮影

撮影幅55㎞(直下視の場合)、撮影長最大約1,000kmの広範囲を一度に撮影することが可能です。長距離にわたる海岸線や、広域の農地や森林のモニタリングにも適しております。

 

[3]高頻度での撮影

 同一地点を2~3日に1回撮影が可能です。顧客のニーズにより、月1回、月3回、月6回の撮影リクエストを受け付けております(タスキング画像販売)。特定のエリアを定期的にモニタリングすることができるため、時間による変化をタイムリーに把握し、適切な事業判断に活用できます。

 

サービスラインナップ

[1]AxelGlobe タスキング(タスキング画像販売)

 顧客が指定する期間・エリアを1回だけ撮影することが可能なサービスです。世界中のどこでも撮影可能な人工衛星の特徴を生かし、指定した期間内で1箇所又は複数箇所の撮影を依頼、撮像後のデータを入手することができます。また予め設定された比率を超える雲が検出された場合は無償にて再撮影を行います。これらの依頼・データのダウンロードはAxelGlobeのウェブプラットフォームへのアクセスにより実行できるほか、APIを利用し、他社ITサービスとの連携も可能です。

 

[2]AxelGlobe モニタリング(モニタリングサービス)

 小型衛星コンステレーションを保有することから実現できたモニタリングサービスです。顧客が指定するエリアについて、顧客が指定した期間、低頻度(月1回)~高頻度(月6回程度)の中で顧客が希望する頻度を選び、契約プランに応じて衛星画像を撮影、販売するサービスです。AxelGlobe タスキングと同じく、契約からデータのダウンロードまでAxelGlobeのプラットフォーム及びAPIを通じてアクセス可能です。

 

[3]AxelGlobe エマージェンシー(緊急撮影サービス)

 災害の発生直後など、一刻を争う情報の取得ニーズに対応するサービスです。衛星コンステレーションによる高頻度観測により世界中どこでも、そして非常に広域にわたる影響について迅速に事態の確認が可能です。システム構成上最短で撮影3時間前まで撮影リクエストの受付を行い、撮影後の優先的なデータのダウンリンク(衛星から地上に向けて電波を送信すること)を行います。2024年1月1日に発生し、石川県で最大震度7を記録した「令和6年能登半島地震」においても、国際災害チャーターへのデータ提供を行いました。

 

[4]AxelGlobe アーカイブ(アーカイブ画像販売)

 過去に撮影したアクセルスペースホールディングスグループの衛星画像の中から、顧客のリクエストに応じて画像を販売するサービスです。画像の撮影タイミングを問わないことから、より安価に衛星データを活用することが可能です。

 

[5]AxelGlobe モザイク(モザイク画像生成)

 広域の画像を撮影した場合、あるいはこれらの画像を組み合わせた広域地図を作ろうとした場合、どうしても雲の映り込みが生じます。AxelGlobe モザイクは同地点を複数回撮影し、それぞれの画像のうち、雲が写っていない箇所を組み合わせ、地図などの作成に必要な雲の写っていない衛星画像(モザイク画像)をオンデマンドで提供するサービスです。数千km2から数百万km2の範囲をカバーしており、関心ある分野・地域ごとに柔軟にモザイク画像の生成をご依頼いただけます。複数の画像を組み合わせておりますが、それぞれの画像間の境界をシームレスに補正し、また色味の補正なども行うことで、視覚的な分析に適した画像を作成します。

 

[6]撮影サブスクリプションサービス(シャッター権販売)

 顧客が撮影場所を自由に決めることのできるサービスです。本サービス以外では撮影画像は購入を前提としておりますが、本サービスの場合、サムネイルを確認して必要な画像のみダウンロードすることができる(要追加費用)ため、費用を抑えながら関心地点の撮影ができます。また、撮影画像については一定期間、他の顧客には公開されないようにすることが可能です。

 

[7]解析・コンサルテーションサービス

 撮影した衛星画像に特定の画像処理を加えて、高付加価値の画像を提供するサービスです。特に、植物の育成状況を分析する植生分析に強みがあります。単に衛星画像を提供するだけではなく、衛星画像の活用についてのコンサルテーションも個別に行っております。アクセルスペースホールディングスグループの衛星画像データに、他のデータを掛け合わせることで新たなビジネスの創造や、研究開発に利用されております。

 

サービス利用事例

 AxelGlobeが提供するサービスを活用できる主な産業・用途として、農業、インフラモニタリング、環境、報道、安全保障、宇宙状況把握、マッピングが挙げられます。衛星は世界中のあらゆる地域を撮影できるため、これらの産業・用途に対してサービスをグローバルに提供していくことが可能です。具体的には、次に示すように活用されております。

 

[1]農業

 衛星画像はただ目で見るだけでなく、得られている波長データごとの演算・分析を行うことにより作物の生育状況を解析することができます(アクセルスペースホールディングスグループの「GRUS-1」による衛星画像は赤、緑、青、近赤外、レッドエッジ、パンクロマティックと呼ばれる6つの波長帯域によるデータを取得しております)。生育の状況を「GRUS-1」などの衛星画像から確認、分析を行うことで、収穫適期の把握や水・肥料の管理が効率的にできるようになります。また、森林の育成状況に関する情報が樹種判断等の管理にも利用されております。その他季節ごとの植生の状況について分析することで、耕作放棄地を発見することや、農作物の経済指標作成等、多様な用途での活用が可能です。

NDVI処理/NDRE処理(注)の画像

 

 (注) NDVI処理/NDRE処理…植物が一定の光の波長帯域を反射又は吸収する特性を活かして、特定の波長帯域の反射率の差を指標として観測し、植物の生育状況を衛星画像上で可視化する処理。近赤外線帯域(「GRUS-1」では770nm-900nm)の波長を活用したものをNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)、レッドエッジ帯域(「GRUS-1」では705nm-745nm)の波長を活用したものをNDRE(Normalized Difference Red Edge Index)といいます。

農地状況分析・生育状況把握

 

[2]インフラモニタリング

 広範囲を一度に撮影可能であり、かつ定期的に撮影できる衛星画像は、対象地域の工事進捗や異常を容易に確認することを可能にします。また、容易に現地に行くことのできない遠隔地も撮影対象とすることができるため、長距離にわたるパイプラインや外洋に浮かぶプラント、メガソーラーなど、大規模なインフラのモニタリングや工事進捗の把握の効率化に活用可能で

 

工事進捗のモニタリング(工事ライフサイクル)

 

[3]環境

 人が立ち入りにくい地帯の広範囲かつ日々の変化迅速な環境モニタリングや、森林の伐採などの変化、河川における堆積物の変化による流域のモニタリングなどを自動検出することができるため、業務効率化に活用可能です。このほか、地上からの実測データなども組み合わせつつ、森林域における樹種ごとの地上部バイオマスの推定などを行い、森林の管理精度の向上や生物多様性保護への貢献にもつなげることができると考えております。

 

複数の時点間の堆積物の定量化による流域モニタリング

 

[4]報道

 報道で衛星画像が活用される場面は近年増加しております。画像そのものではなくシャッター権を販売することで、世界中どこでも関心のある地域を自由に決め、都度指定して撮影することが可能です。また必要な画像のみ追加費用で購入できるようにすることで、従来と比較して、費用を抑えた形で衛星データを活用することができます。

 近年はSNSが発達し、また、生成AIの発展等により誰でも画像を容易に作成できるようになったため、偽の画像を使ったフェイク情報の拡散リスクが叫ばれております。このような中、衛星画像はファクトを示すデータとしての価値が高まると見込んでおります。

 

[5]安全保障

 人工衛星は世界中を領空の制約に縛られることなく観測することができるため、地上から立ち入ることができない場所でも、何が起きているかを一定程度知ることができます。こうした情報は、安全保障の観点において極めて重要な役割を果たします。

 

 

「GRUS⁻1」にて撮影したシンガポールの港湾エリア。AIを用いて貨物船を自動的に検出(画像右)

 

[6]宇宙状況把握(SSA:Space Situational Awareness)

 軌道上に打上げられる衛星の数が近年急速に増加しており、スペースデブリ(宇宙ゴミ)への関心も高まっております。軌道上物体の衝突によってスペースデブリが急増するのを防ぐため、宇宙交通整理(STM:Space Traffic Management)についての議論も始まっておりますが、こうした議論を進めるにあたり、軌道上の状況を正確に把握することは欠かせません。地上からの望遠鏡やレーダーでの監視に加え、軌道上の衛星から他の物体を直接観測するニーズが出てきております。

 次の画像はオーストラリアのHIGH EARTH ORBIT ROBOTICS PTY LTD(HEO Robotics社)の要請により2024年2月に「GRUS⁻1」が撮影した、軌道上を漂う日本のH-IIAロケット2段目の画像になります。ロケットの1段目や補助ブースター、フェアリング(衛星を保護するカバー)等は海に落下しますが、2段目は衛星を切り離して役割を終えた後も、このように数年から数十年間、軌道上に残存し続けます。

 

軌道上を漂うH-IIAロケット2段目(HEO Robotics社の要請により「GRUS-1」が撮影)

 

[7]マッピング

 衛星による広範囲な観測は、道路・建物、土地、湾岸線などの把握や、地図の作成・更新や都市開発に活用が可能です。

 異なる時期に撮影された衛星画像とAIによる画像分析から、変化量の大きなポイントを抽出し、広範囲なエリアの中から、更新などの対応が必要なポイントを効率的に特定することができます。

 また、複数回撮影した同一地点の画像を用いて、雲のない衛星画像データ(モザイク画像)の組成と提供を実現しております。

 

AxelGlobe モザイクによる雲なし画像の生成例。

「GRUS-1」にて撮影した複数の衛星画像(左)から雲なし画像を合成する。

 

[事業系統図]

 アクセルスペースホールディングスグループの事業系統図は以下のとおりであります。

 アクセルスペースホールディングスは連結子会社である株式会社アクセルスペースに対して経営管理業務等を提供し、その対価を同社より受領しております。

 

 株式会社アクセルスペースにおいては、AxelLiner事業の顧客は現在政府系機関が多く占めており、それらの顧客に対して小型衛星の製造、開発等のサービスを提供しております。AxelGlobe事業の顧客は国内外、官民それぞれ存在し、それらの顧客に対し衛星データの提供や、衛星データを活用した解析・コンサルティングサービスを提供しております。商流としては株式会社アクセルスペースが直接顧客に対してサービスを提供する場合と代理店を経由する場合があります。

 

 また、株式会社アクセルスペースは衛星開発に際し、必要な部材や機器のベンダー調達と内製化したコンポーネントの組み合わせで開発を行なっております。衛星の打上げに関しては、打上げ事業者から打上げ枠を購入し、事業に必要なデータ管理については、データセンター事業者のサービスを利用しております。

また、衛星と地上との通信を行うため、地上局等の通信事業者と契約し、通信サービスを利用しております。

 

 

 



事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。

 アクセルスペースホールディングスグループは、これらのリスクの発生可能性を十分に検討及び認識した上で、リスクを回避し、及びリスクが顕在化した場合には適切な対応を進める方針ですが、その対応を講じた結果には不確実性が伴います。したがって、アクセルスペースホールディングス株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

 また、これらの主なリスクは、投資家の投資判断の過程で重要であると考えられる事項については、幅広く記載しておりますが、投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、これら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。

 アクセルスペースホールディングスグループが属する宇宙産業全体としては、未だ市場草創期であることから、将来の市場規模及びその拡大の可能性には不確実性を伴います。また、アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する小型衛星関連サービスを含めて、宇宙関連技術や商業サービスの開発には長期間にわたり多額の研究開発費用を要し、さらに全ての研究やサービス開発が成功する保証はなく、様々な事情による遅延のリスクがあります。このように、アクセルスペースホールディングスグループの事業は性質上、様々な不確実性とリスクを有しており、アクセルスペースホールディングス株式への投資は、一般投資者による投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。

 なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在においてアクセルスペースホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1)衛星画像及びそのサービス市場の成長鈍化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する世界の衛星画像及びサービス市場は、衛星画像市場が2023年1,913百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には3,005百万米ドルに達すると予測され、衛星画像を元に提供される衛星画像サービス市場が2023年3,110百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には4,924百万米ドルに達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024)。

 アクセルスペースホールディングスグループにおいても、これまで衛星画像を利用したことのない新規顧客の開拓や、既存顧客との衛星画像の新規需要の開拓に取り組むことで、衛星画像及びその衛星画像サービス市場の成長を一層加速できると考えております。

 しかしながら、景気減速その他様々な理由による衛星画像及びそのサービスを必要とする事業者の財政状態の悪化、衛星画像の急激な技術進化、衛星事業者に関する規制の動向、衛星画像の需要の減退をはじめとする市況変動等により、想定どおりに市場が成長しない可能性があります。また、顧客が政府系機関の場合には宇宙関連事業に投入可能な予算額の減少、国際情勢の変化により国防予算の縮小が生じる可能性があり、市場に十分な需要が生じない可能性があります。さらに、衛星画像に関して、アクセルスペースホールディングスが想定していない人工衛星画像以外の他分野の画像撮影技術の進化等により、想定どおりに衛星画像市場が成長しない可能性があります。

 また、契約相手方との関係や競合相手、所在国の状況によっては、アクセルスペースホールディングスが希望する価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があり、アクセルスペースホールディングスが期待するだけの需要を喚起できない可能性があります。

 加えて、アクセルスペースホールディングス又はNovaspace社が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその計算結果は大きく異なります。このため、今後、当該仮定・前提条件が想定と異なる場合には、想定している市場成長率が鈍化し、アクセルスペースホールディングスグループの業績が想定どおりに成長しない可能性があります。

 したがって、上記の予測どおりに衛星画像及び衛星画像サービス市場が拡大しなかった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 現在、国内・海外で小型地球観測衛星のコンステレーション構築計画を表明する企業は複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い、国内大手企業と海外企業が連携する事例なども増加していることから新規参入が相次ぐ可能性があります。また、AxelGlobe事業を展開する光学衛星分野については、主に海外においてすでに事業を展開している企業等が存在します。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、これまでに11機の小型衛星の開発・運用を行ってまいりました。これらを経て小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準、宇宙でも利用可能な民生部品の積極的な活用による低コストの衛星開発手法、安定的な衛星運用ノウハウ、良質な衛星画像処理技術を確立してまいりました。これにより小衛星の開発・製造・運用の短期間かつ低コストでの実施や、それらを源泉として低価格で高品質な衛星画像サービスの提供を可能とすることで、競合企業に対する優位性を構築し、AxelLiner事業とAxelGlobe事業のそれぞれにおいて競争力を向上させてきました。

 今後も技術発展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に行っていくとともに、ユーザー業界のニーズに合わせたソリューションの提供等、お客様目線に立ってサービスをより充実させていき、さらに知名度向上に向けた取り組みも積極的に行ってまいります。

 しかしながら、競合他社が大幅な技術革新、より付加価値の高いビジネスモデルやソリューションの開発、政府系機関等からの補助金受領などにより競争力を高めた場合、又は想定以上の企業数の新規参入等により競争が激化した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 2.AxelLiner事業」に記載のとおり、将来的にAxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立及びユーザーエクスペリエンス(UX)革新の鍵となるソフトウエアの「AxelLiner Terminal」完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに対応する予定です。
 当該ビジネスモデルの実現のためには、アクセルスペースホールディングスグループ独自の汎用バスシステムの確立及びAxelLiner Terminalの提供が重要です。しかしながら、本書提出日現在において、アクセルスペースホールディングスグループの想定する汎用バスシステムに必要な技術が実証できておりません。汎用バスシステムの技術開発については、2024年3月5日(日本時間)に実証衛星「PYXIS」を打上げ、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。2025年6月24日(日本時間)に打上げ、初期運用中の「GRUS-3α」にて実証実験を実施しておりますが、システム又は機材の故障及び宇宙天気等の変化による自然災害等の影響で「GRUS-3α」での実証実験がアクセルスペースホールディングスの想定どおりに完了しない可能性があります。また、「GRUS-3α」で一定の実証が完了したとしても、今後もさらなる実証実験が必要です。アクセルスペースホールディングスグループは、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)基盤となる小型衛星に関する技術」に記載のとおり、必要となる技術開発を進めておりますが、汎用バスシステムの技術的確立の遅延、標準部品の選定と量産化の課題、AxelLiner Terminalの開発遅延・ソフトウエアの複雑性による安定稼働等、アクセルスペースホールディングスの想定どおりに実行されない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスが十分に資金調達を行うことができない等の理由により、必要な開発資金を適宜投入する事が困難となり、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があり、競争力を失う可能性があります。

 また、汎用バスシステムの商用化及びAxelLiner Terminalのサービスを開始したとしても、顧客の各種要因により衛星開発自体が進まない可能性、顧客側のコンポーネント製造に必要な資金手当てが困難になる可能性もあり、サービスの提供・継続が困難となる可能性があります。また、スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に実施する必要があり、汎用バスシステムの継続的な改修・AxelLiner TerminalのUX向上等のためには、各種研究部材費・人件費等多額の支出が継続的に必要となり、結果として支出がアクセルスペースホールディングスの想定を上回る可能性があります。
 さらに、アクセルスペースホールディングスグループがサービスの提供のために外部業者と協力して進める場合、当該業者と契約条件を合意できない場合や当該業者によるサービスが想定どおりに提供されない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループのサービス提供に支障が生じる可能性があります。加えて、今後、アクセルスペースホールディングスグループがサービス展開をできたとしても、競争が激化する場合や、アクセルスペースホールディングスグループが付加価値のあるサービスを競争力のある価格で提供できない場合には顧客を獲得できる保証はなく、また、アクセルスペースホールディングスグループが十分な利益を上げられるほどの単価を設定できる保証もありません。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは複数の世界各国の民間企業との間に、AxelLiner事業でのサービス提供について、基本合意書(以下「MOU」という。)等を締結しております。しかしながら、これらのMOU等の締結は、アクセルスペースホールディングスグループの将来の売上高を保証するものではありません。加えて、これらのMOU等について、アクセルスペースホールディングスグループが最終契約を締結できる保証はありません。また、最終契約を締結できたとしても、当該契約の内容は、MOU等の内容とは大幅に異なる可能性もあります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループが締結するMOU等には、相当期間の未来の内容について合意するものが存在し、仮にMOU等の内容どおりに最終契約締結に至ったとしても、将来の時点においては経済合理性を欠いている可能性もあります。

 

(4)政府系機関の顧客について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの既存顧客には、政府系機関が含まれ、売上高に占める割合は以下のとおりとなっており、当面の間、売上高の大部分を占める状況が継続する予測をしております。

相手先

第4期連結会計年度

(自2022年6月1日

至2023年5月31日)

第5期連結会計年度

(自2023年6月1日

至2024年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

4,520

0.3

1,239,099

58.7

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

676,348

51.5

277,301

13.1

経済産業省

128,118

6.1

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

77,949

5.9

115,829

5.5

 

 政府系機関からの発注については、国家予算や地政学上のリスクに影響を受ける傾向があり、政府系機関からの意向により発注金額の縮小、プロジェクト内容の変更又は中止の可能性があります。

 さらに、プロジェクト遂行中に、追加的な規制や要件の遵守を求められる可能性があり、契約対象であるプロジェクトが遅延する可能性、必要な支出に際して政府系機関との見解相違及び支出の必要性についての認識の齟齬が生じる可能性、アクセルスペースホールディングスグループの技術内容を含めた一定の事項について対外的に開示が要求される可能性、調達先の指定等の一定の要件を課される可能性があります。

 加えて、政府系機関との契約においては、契約条件の遵守について政府系機関による調査権が認められており、アクセルスペースホールディングスグループがこれらの規制に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、係る処分等が下された場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合、利益の減少、法令や契約上の義務違反時の課徴金及び他のプロジェクトへの入札禁止等につながる可能性があり、アクセルスペースホールディングスが想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。

 特に機密性の高い案件にアクセルスペースホールディングスグループが関与した場合、機密保持の観点で案件情報の開示が制約される可能性もあり、その場合は投資家への情報提供が十分に行えない可能性があります。

 政府系機関のプロジェクトでは、開発フェーズごとに審査が設けられており、アクセルスペースホールディングスグループが初期フェーズを受注しているプロジェクトでも、競合入札事業者が存在する場合には、アクセルスペースホールディングスグループが当該プロジェクトの後続フェーズを受注できない可能性があります。

 今後も、政府系機関が売上高の大部分を占めると予測しており、アクセルスペースホールディングスグループの収益の大部分を政府系機関に依存する状況が継続する可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業、AxelGlobe事業それぞれにおいて、民間企業からの新規契約の獲得を通じて収益の分散化を推進していきますが、何らかの事情により、収益分散が予定どおり実現できない可能性も考えられます。

 

(5)事業の特性による外的要因リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの業績はミッションの進捗、参加するコンソーシアム全体での計画の変更、新サービスの導入や拡大、サプライヤーの納期遅延や製品仕様変更、競争環境の変化、政府系案件の入札・受注状況、予期せぬ問題の発生など、アクセルスペースホールディングスグループの管理が及ばない要因によって、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。また、研究開発段階では、プロジェクトの進捗に伴う設計の変更、プロジェクトの計画の遅延が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)開発遅延について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelLiner事業における人工衛星の関連技術・宇宙機製造アライアンスによる衛星量産体制の整備やUX革新の鍵となるソフトウエア、AxelGlobe事業における中分解能衛星・高分解能衛星や衛星データ利用促進のためのシステムなど、必要な研究開発を進めておりますが、これらの開発に想定以上の期間を要する場合や開発に失敗するリスクも考えられます。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、重要な技術開発に係る進捗については、毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理することとしており、開発スケジュールへ影響を及ぼさないよう調整を行う方針ですが、仮に開発遅延や失敗が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの予定しているサービス提供開始が遅延し、又はサービスとしての提供を断念する可能性があります。

 また、予期しない事態の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループが開発し打上げた小型衛星が故障又は喪失した場合、原因究明やその後の開発再開に相応の時間を要することや生じた技術的問題に対応するため想定外の費用が生じる可能性もあります。さらに、顧客に提供するサービスにおける失敗や遅延が起きた場合には、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、加えて顧客からの契約に基づく損害賠償請求など、保険では補填できない損害をアクセルスペースホールディングスグループが被る可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)サプライチェーンのリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中~大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelGlobe事業にて今後打上げ予定の中分解能衛星・高分解能衛星に搭載するミッション機器、AxelLiner事業にて汎用バスシステムの研究開発をそれぞれ推進する予定であり、必要となる原材料、研究設備、外注先の供給不足が生じた場合には、研究開発のスケジュールに遅延が生じる可能性があります。当該研究開発の遅延に起因して、顧客に対してのサービス提供が遅延・中止される事により、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、衛星製造に関して、宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を取引先と締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指しております。アクセルスペースホールディングスグループが製造する人工衛星を構成する機器(コンポーネント)の中には、固有の仕様性から製造開発しているメーカーが非常に限られているものも存在しております。アクセルスペースホールディングスグループではコンポーネントの調達に際しては、性能や軌道上の技術的信頼性だけでなく、安定供給の観点からも仕入先の選定を検討し、複数社からの調達可能性を重視しております。

 しかしながら、仕入先企業においての燃料価格の高騰、災害や感染症の発生・拡大等により、調達先の製造能力、世界規模のサプライチェーンの混乱や特定企業の財務状態の悪化・技術開発スケジュールの遅延等により、供給に問題が発生するなどの事象が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループは、人工衛星の製造に係る部品の一部について、他社に委託しており、当該委託先が部品品質や安定供給を確立できない場合、アクセルスペースホールディングスグループの提供する人工衛星の製造に遅延が生じる可能性があります。委託先の部品品質や安定供給の状況を、事前に予想することは困難であり、アクセルスペースホールディングスグループが完全に管理することは出来ません。特に、部品の中でも長納期部品の納品遅延等が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの製造工程に遅延が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、調達先における納品状況などを定期的に確認し、サプライチェーンに関するリスクの低減に努めておりますが、これらの問題が発生した場合、想定どおりの部品提供、サービスの提供を受けることができない可能性があります。特に希少部品の納品遅延が生じた場合には、代替部品の選定に時間を要する可能性もあるため、アクセルスペースホールディングスグループの衛星開発・製造計画を変更せざるを得ない可能性があります。その際には、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)衛星の打上げにまつわるリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、自社で小型衛星を開発・製造していますが、その打上げと軌道投入については外部のロケット打上げ事業者のサービスを利用しています。昨今の衛星に係る打上げの成功率は高くなっているものの、一定程度失敗が生じる可能性は避けることができず、また、打上げ時期について、打上げに必要な許認可の取得に想定以上の時間を要すること、打上げ時の天候や打上げ事業者側の都合等により遅延する可能性もあります。

 これに対し、アクセルスペースホールディングスグループは衛星の打上げ事業者の選定に際しては、打上げ時期のアクセルスペースホールディングスグループ事業計画との整合性のみならず、打上げ実績及び打上げ頻度を重要な基準としており、また事業計画にあわせた打上げを実現するために打上げ業者とも定期的にコミュニケーションをとっております。加えて、打上げの失敗に係る損失を軽減するため、保険事業者が提供する打上げ保険にも加入をしております。

 しかしながら実際に打上げが失敗し、又は打上げ時期が遅延した場合には、当初見込んでいた宇宙空間での小型衛星を利用した実証機会の喪失や、画像データの取得ができなくなることによる画像販売に関する機会損失が発生するなど、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、実証実験やAxelLiner事業におけるミッションの失敗や遅延等によってアクセルスペースホールディングスグループに対する評価が低下し、既存顧客との契約解除が増加し、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、顧客からの損害賠償請求や契約に基づく補償請求など、保険では賄いきれない金額の損害をアクセルスペースホールディングスグループが負う可能性があります。これらの事態が発生した場合には、想定しているサービスの提供の時期が想定よりも大幅に遅れたり、提供を断念せざるを得なくなるなどにより、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)軌道上での衛星の故障について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは創業以来11機の小型衛星の開発及び運用を通じて、設計寿命までの間ミッション運用を継続できる品質水準を担保するための手法・ノウハウを確立してまいりました。さらに、アクセルスペースホールディングスグループが運用する小型衛星については、比較的長期にわたって宇宙空間において運用することを想定しております。

 しかしながら、製造工程中の瑕疵・欠陥部品等の内的要因、運用期間中の極めて厳しい宇宙環境にさらされることにより、想定外の太陽嵐やスペースデブリ等の宇宙環境に起因する外的要因、運用期間中の衛星管制上又は運用上の故障等で、人工衛星の機能不全又は機能低下を招く可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは衛星コンステレーションを構築することにより、運用中の衛星に故障が起きたとしても可能な限り短期間でバックアップを図る体制の構築を目指しておりますが、衛星運用中に上記のような不測の事態が起きた場合には、小型衛星設計段階での寿命を迎える前に、衛星の機能不全又は機能低下が引き起こされ、場合によっては稼働が停止することになります。

 このような事態が生じた場合、地球観測衛星データ及び顧客が要求する水準の画像の提供が不可能になり、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当該衛星データからの収益が悪化することにより、衛星における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、減損損失等を計上する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、初期運用中の実証衛星「GRUS-3α」について軌道上で故障が起きた場合には、上記「(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について」に記載したほか、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)AxelGlobeウェブサイトの安全性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが運営するウェブプラットフォームAxelGlobeでは、顧客の関心領域が登録されるため、これらの顧客の営業上の秘密情報の流出を防止するためにウェブサイトの稼働状況の監視体制の整備に加え、異常が生じた場合にはただちに検知する仕組みを構築しております。

 しかしながら、万が一顧客情報が流出した場合には、アクセルスペースホールディングスグループが責任を問われる可能性があるほか、アクセルスペースホールディングスグループのサービスの信用力低下やイメージ悪化を招き、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)黒字化を達成及び維持できないリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業にて小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めてワンストップで顧客向け衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供、AxelGlobe事業にてアクセルスペースホールディングスグループが運用する地球観測衛星コンステレーションが取得した衛星画像を販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しており、両事業とも宇宙技術開発を主軸としております。このような宇宙技術の研究開発には多額の初期投資が必要となる傾向があり、投資回収期間は長期となる特徴があります。したがって、期間損益において損失が先行する傾向にあり、アクセルスペースホールディングスグループにおいても継続的に営業損失及び当期純損失を計上している状況です。

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業及びAxelGlobe事業を通じて、将来の利益拡大を目指していますが、現在まで当期純損失を計上している状況であり、今後も研究開発に伴う投資が増加することにより、一定期間は損失が続く可能性があります。

 また、既存の顧客契約の中途解約、想定顧客の獲得が遅延した場合、人工衛星製造の延期や研究開発プロジェクトの遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合には、想定どおりの収益達成や原価・経費管理が困難となり、黒字化達成が遅延し若しくは困難となり、又は黒字化達成後にそれを維持できなくなる可能性も想定されます。これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)「受注高」、「受注残高」及び「想定受注残総額」の数値について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスは本書において、セグメントごとの受注状況や将来の収益計上額を管理するための指標である「受注高」や「受注残高」を開示しております。今後、案件が進捗するに当たり契約条件や受注案件の計画の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、サービス提供に応じて支払われる収入の一部が支払われない可能性があり、上記の「受注高」及び「受注残高」の一部が収益に計上されない可能性があります。加えて、アクセルスペースホールディングスは本書において、特定の連結会計年度、四半期連結累計期間、又は中間連結会計期間の末日時点において、契約締結には至っていないものの、競合の存在を認識していない等の理由により、アクセルスペースホールディングスグループによる受注が期待できると認識している「想定受注残総額」を開示しておりますが、当該金額は今後契約交渉が進む過程でアクセルスペースホールディングスグループが受注できない、又は、受注金額がアクセルスペースホールディングスグループの想定と異なる可能性があります。

 

(13)特定の重要な外部パートナー及び顧客への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期的に低下、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループのAxelLiner事業の顧客であるNEDOに対する売上は、2024年5月期には58.7%を占めております。本件は「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」を受託していることによるもので、2029年5月期以降の当該特定顧客に対する依存度は減少する予定です。

 足元、アクセルスペースホールディングスグループは政府系案件を受託することが多いため、今後も上記NEDOの他、NICT等の政府系機関への依存度が高くなる時期が発生することがあります。

 こうした政府系機関とは、複数の受託案件を通して継続的かつ安定した関係を構築してきておりますが、政府動向による案件の消滅やアクセルスペースホールディングス戦略の変更による取引の停止・縮小等の要因により、アクセルスペースホールディングスグループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)収益サイクルの長期化と収益未確保の営業活動のリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、持続的な成長を達成するため、従来から小型衛星の開発活動に継続的に投資をする必要があると考えており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。

 結果として継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりますが、今後AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業から生じる収益貢献により、営業損失が縮小,営業キャッシュ・フローが改善していく見込みです。

 今後の研究開発活動については、その将来的な収益貢献に寄与する事を前提として、慎重に実施する予定ですが、想定していない開発コストの増加等が生じた場合、営業損益の黒字化に時間を要する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、想定顧客の獲得に失敗した場合、技術開発や衛星製造における遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合等には、黒字化に時間を要する、若しくは困難となる可能性があります。

 これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(15)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業継続のために必要となるハードウエア及びソフトウエアの開発・製造・運用のために優秀なエンジニアを確保する必要がありますが、そのような人材の獲得競争が近年激化しております。

 そのような環境の中、アクセルスペースホールディングスグループは外国籍社員にも働きやすい職場環境を整えることで、国内に限らず海外の市場からも積極的に人材を獲得して人材レベルを維持してまいりました。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループの今後の事業運営及び業容拡大に対応するためには、内部管理体制について一層の充実を図ることが必要不可欠であると認識しておりますが、事業規模の拡大に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な事業運営を行うことができず、アクセルスペースホールディングスグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対して、アクセルスペースホールディングスグループの業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底のための内部管理体制を充実・強化していく方針であります。

 

(17)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスの代表取締役である中村友哉は、創業者であり、創業以来最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、アクセルスペースホールディングスグループの事業遂行において重要な役割を果たしております。アクセルスペースホールディングスグループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく、役員への権限委譲や、取締役会などにおける情報の共有等を図っておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合やその他の経営陣及び重要な従業員がアクセルスペースホールディングスグループから離職する場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)法的規制の厳格化及び改正について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 AxelGlobe事業のインフラを構成する地球観測衛星コンステレーションやAxelLiner事業において製造する人工衛星は、「宇宙活動法」「電波法」「外国為替及び外国貿易法(外為法)(輸出管理令を含む)」「衛星リモートセンシング法)」「宇宙物体登録条約」「無線通信規則(ITU Radio Regulations)」といった法規制の対象となっております。重要法令については以下のとおりです。

 宇宙活動法について、同法は人工衛星ごとに内閣総理大臣の許可を受けることとされているところ、アクセルスペースホールディングスグループは必要な許可を得ております。有効期限その他の期限はございませんが、人工衛星の管理を終了するときは、宇宙活動法第28条第1項に基づきあらかじめその旨を内閣総理大臣に届け出るとともに、終了措置を講じなければなりません。同法第30条1項各号に該当する場合は、許可は取り消されますが、通常の人工衛星の運用を行う限りにおいては、該当する可能性は極めて低いと考えます。

 電波法については、電波法第13条に基づき、無線局(人工衛星局及び地球局)に対する免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定められており、再免許を受けることも可能となっております。電波法第5条に定める欠格事由(外国の法人又は団体、等)に該当する場合には、免許が与えられず、同法第75条1項に定める取消事由ともされておりますが、アクセルスペースホールディングスグループの場合、無線局免許は非上場会社である子会社に付与されており、役員はいずれも日本国籍者であることからこれに該当する可能性は極めて低いといえます。

 なお、「外為法(輸出管理令を含む)」については、アクセルスペースホールディングスグループが事業上影響を受ける可能性のある事象は打上げる衛星等の輸出手続きが主であり、現在該当する事象は発生しておりません。「衛星リモートセンシング法」については、現時点では、同法が適用される人工衛星を運用しておりませんが、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の打上げ後は、同衛星において同法が適用される可能性があります。

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、宇宙に関連する事業を行う上での様々な規制も受けます。アクセルスペースホールディングスグループでは、すでに打上げが完了した小型衛星「GRUS‐1」及び2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」に関して、適用法令上、必要となる許認可を取得しております。主な取得済みの許認可として、人工衛星の運用に関わる許可、無線免許に関わる許可、人工衛星に関わる許可(人工衛星の管理に係る許可、人工衛星の管理許可、宇宙物体登録)、輸出入管理に関わる許可(人工衛星及び測定機器類)の個別輸出許可、一般包括許可(輸出及び役務取引)、運用に関わる対応(監視システムSWライセンス、打上げ許可など)などがあります。上記以外にも、プロジェクト遂行に必要な許認可を事前に取得しておりますが、将来、アクセルスペースホールディングスグループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、法令違反の要件及び主な許認可取消事由に該当する事象は発生しておりません。

 

 本書提出日現在における、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動に係る主な許認可等は以下のとおりであります。

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2018年12月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星18-005)

-

不正な手段による認可の取得や役員等の欠格条項に違反した場合は許可の取消

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1B)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-016)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1C)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-017)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1D)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-018)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1E)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-019)

-

同上

2025年4月

人工衛星の管理許可

(PYXIS-R)

※GRUS-3αの研究開発名称

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星25-009)

-

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年4月

無線局免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関実第40571号)

2029年5月9日

(5年毎の更新)

免許人である株式会社アクセルスペースの代表者又は役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものが、日本国籍を有しない人や外国法人となるときの免許の取消(外資規制)。

なお、親会社である株式会社アクセルスペースホールディングスはこの外資規制の対象にならないことを総務省に確認しております。

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第581号)

2027年11月30日

(5年毎の更新(注1))

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第591号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第592号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第593号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第594号)

2027年11月30日

(注1)

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年3月

無線局免許

(地球局)

総務省

総務大臣免許

(関地第60595号)

2028年11月30日

同上

2025年4月

無線局予備免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関通陸三第24-00092227号)

2025年10月1日

同上

2019年7月

宇宙物体登録

内閣府

2018‐111Q

-

取消要件ではありませんが、停波・デオービット・軌道再突入時には「宇宙物体登録に係る届出マニュアル」変更届出が必要とされております。

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022B

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022C

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022D

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022E

-

同上

2024年9月

一般包括役務取引許可

経済産業省

BIT-M-WGL-24-S10097

2027年9月15日

許可条件を満たさなくなった場合又は国政的な平和及び安全の維持の観点から必要があると認めるときは許可の取消。

2023年8月

一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可証

経済産業省

MBIT-WGL-23-

S10108

2026年8月9日

同上

(注)1.法律上の期間の上限は5年となっておりますが、電波法施行規則により、人工衛星局ごとではなく、すべての衛星局が一斉に更新期を迎えることになります(一斉再免許)。直近では2027年11月30日に一斉再免許が予定されております。

 

 上記以外に、製造業者が遵守すべき法令として、民法、製造物責任法、関税法、知的財産関連法(知的財産基本法、特許法、著作権法、不正競争防止法等)の適用を受けており、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループはこれらの法令を遵守しており、今後も適宜所管官庁と適切に協議を重ねる等して適用法令を遵守してまいります。

 しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、アクセルスペースホールディングスグループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)知的財産の侵害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは、特許権、著作権、商標権、その他知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。また、自社の技術やサービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産の保護を図るとともに、他者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産調査を行う等、注意を払っております。

 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。ただし、今後何らかの事情によって、アクセルスペースホールディングスグループに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、当該状況になった場合には、結果によりアクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)情報漏洩について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、社員及び顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。さらに、アクセルスペースホールディングスグループでは、地球観測衛星データを含む重要情報を保有しており、当該情報がシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合、及び当該情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他対応に係るコスト負担等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、地球観測衛星データの取得・提供サービスの運用に障害が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクへの対策として、社内ネットワークに接続できる機器をセキュリティソフトウエア導入済のものに限定すること、アクセス制御における多段階認証、統合されたID管理、クラウドサービスやWebへのアクセスを制限・監視するツールの導入などにより、厳格な情報管理を行っております。

 しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、技術流出やサービスに障害が発生する可能性があります。

 こうした事態が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下、損害賠償、セキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)資金調達リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:1年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループにおいては、事業活動を維持拡大するために、今後も多額の研究開発投資が必要となり、また、想定を上回る投資の増加、事業環境の変化へ対応可能な資金確保が事業上重要となります。

 「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のアクセルスペースホールディングスグループビジョンである「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」の実現のために、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造・運用技術への先行投資等、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業の様々な領域での研究開発の必要性が生じ、継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があります。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが将来において想定する資金調達ができない場合や、希望する条件での資金調達ができない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループがキャッシュ・フロー不足に陥る可能性、事業を拡大・成長させるために必要な投資を行うことができない可能性や、アクセルスペースホールディングスが財務制限条項を遵守できなくなる可能性があり、これにより事業計画の一部を遅延又は断念することになり、アクセルスペースホールディングスグループの競争力に悪影響が及ぶおそれがあります。

 また、今後において継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があるところ、継続的な資金調達のためにアクセルスペースホールディングス株主に希薄化をもたらす株式発行が繰り返し行われる可能性や借入による調達を行う場合には、財務制限条項その他の条項により、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動が制約される可能性があります。

 

(23)継続企業の前提に関する重要事象等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:低)

 アクセルスペースホールディングスグループは、2025年5月期第3四半期連結累計期間において、継続的に営業損失を計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 この主たる要因は、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業における研究開発費の先行投資により、投資回収までに期間を要するためであります。

 このような事象又は状況を解消するために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のどおり、アクセルスペースホールディングスグループでは手元流動性確保のため、以下のとおり第三者割当増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施しております。

 

 2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:169,053千円)

 2023年12月:総額6,240,597千円の第三者割当増資による調達

 2024年9月:株式会社みずほ銀行と2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:321,966千円)

 

 当該資金調達により当第3四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は2,013,895千円となっており、さらに2025年3月26日付で株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結し実行しています。また、本公募増資を含めた株式市場からの資金調達や銀行からの融資等を通して、資金調達手段の確保・拡充・多様化を図っております。

 この結果、当面の事業運営に必要な資金を確保しているため、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(24)財務制限条項について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの借入金のうち、2024年9月26日契約の株式会社みずほ銀行からの総借入枠20億円、及び2025年3月26日契約の株式会社三井住友銀行からの借入40億円には、以下の財務制限条項が付されておりますが、2025年2月末時点で当該条項に抵触しておりません。しかしながら、アクセルスペースホールディングスが将来において財務制限条項に抵触した場合、アクセルスペースホールディングスの期限の利益を喪失させる権利を行使した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当第3四半期連結会計期間末において連結貸借対照表の純資産が3,911,858千円であり、2025年5月末時点においても連結貸借対照表の純資産を正の数値で維持する予定であります。今後、上場時点のエクイティ調達額が30億円を下回る場合、財務制限条項に抵触する可能性があります。

 

(借入1) 主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:設備資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:7年

コミットメント期間:2024年9月30日~2026年9月30日

返済期限:2031年9月30日

担保設定:打上保険等でアクセルスペースホールディングスが有する保険金請求債権

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入2)主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利

契約期間:1年(2回の期間1年の延長オプション)

返済期限:2025年9月30日

担保設定:無担保・無保証

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入3)主要な契約条件:

借入先:株式会社三井住友銀行

借入額:4,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:4年

返済期間:2026年4月28日~2029年3月28日

最終返済期限:2029年3月28日

担保設定:無担保

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること

b.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の現預金の金額を、20億円以上に維持すること

c.2025年5月期決算以降、各事業年度末における投資キャッシュ・フローの金額を一定金額の範囲内にすること

d.2026年5月末日までに、株式公開を行うか、または30億円以上のエクイティ性の資金調達を行うこと

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは今後も更なる成長のために旺盛な資金需要があり、その手段として追加的に金融機関からの借入その他の負債性の資金調達を行う可能性があります。係る資金調達を行う場合には、多額の支払利息の負担及び信用リスクの拡大によりアクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、借入契約等において、連結財務諸表における利益や純資産の維持、一定の現預金やキャッシュ・フローの確保等に関する財務制限条項が付されることがあり、仮に条項に違反した場合には、当該契約の期限の利益を喪失することが予測され、アクセルスペースホールディングスグループの存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(25)公募増資による調達資金使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:中)

 東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により調達した資金の使途につきましては、主に自社人工衛星の開発・製造に係る運転資金等に充当する予定であります。しかし、アクセルスペースホールディングスグループが属する業界の急速な変化により、当初の計画どおりに資金を使用した場合でも、想定どおりの投資効果をあげられない可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性があります。当該リスクを踏まえ、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化について適時その動向を注視し、公募増資による調達資金の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。

 

(26)有利子負債について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、事業規模拡大に伴い必要となる「GRUS-3」や高分解能衛星をはじめとする自社衛星の開発・製造を行うための設備投資資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。アクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、第5期連結会計年度末において888,218千円となっており、総資産に占める有利子負債への依存度は、第5期連結会計年度末において12.1%となっております。また、第6期第3四半期連結会計期間末においてアクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、1,141,020千円、総資産に占める有利子負債への依存度は19.4%であり、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (3)重要な資金の借入に関する契約」に記載のとおり、三井住友銀行より2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しておりますため、有利子負債依存度は高まる見込みです。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化、急激な金利上昇等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、現状では財務安全性を最優先に考え、資金使途を詳しく吟味したうえで、アクセルスペースホールディングスグループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。

 

(27)為替相場の変動について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、衛星部品の一部を海外より購入しており、また衛星の打上げについて海外業者を利用しております。一方、売上については一部海外との取引があるものの、アクセルスペースホールディングスグループの資金調達は日本円が重要な部分を占めることが想定されるため、急激な為替相場の変動、特に円安が進んだ場合には、衛星部品の購入等で使用可能な金銭の額が実質的に目減りすることや、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(28)システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、業務運営に必要な情報システムについて適正に管理し効率的な運用を図っておりますが、予期せぬサイバー攻撃、コンピュータウイルス、ソフトウエアやハードウエアの障害、自然災害、その他不測の事態が生じることなどによりシステムトラブルが発生した場合や、第三者によるデータの不正使用等が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(29)配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループは、株主に対する利益還元と、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題としております。現状においてアクセルスペースホールディングスグループは成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえないため、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では将来の成長のための研究開発投資等に充当し、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

 将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(30)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 大規模な地震や、台風、洪水及び宇宙天気の変動などの自然災害、伝染病の蔓延や事故、テロや戦争による国際政治の混迷、資本市場の混乱による経済危機等、不測の事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛星の打上げ施設や部品サプライヤーが自然災害等により損害を被った場合にも、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(31)税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 第5期事業年度末には、子会社に税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、アクセルスペースホールディングスグループの当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(32)業績の季節的変動について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの四半期ごとの収益は、受託案件の納品・検収タイミングやプロジェクトの進捗状況などの要因により大きく変動する可能性があり、特に第4四半期において売上高が多額となる傾向にあります。アクセルスペースホールディングスグループでは、当該季節的要因及び過年度実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、プロジェクトの計画遅延、予期せぬ問題の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(33)四半期或いは事業年度の収益変動による株価変動リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの収益は、様々な要因により四半期或いは事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。例えば、受注案件における進捗状況や打上げなどのイベントの発生、人工衛星の故障など予期せぬ問題の発生、経済や市況の悪化などの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。

 また、政府系案件においては、プロジェクト期間中に実施される審査の結果や開発進捗を踏まえた計画変更の発生などにより、プロジェクトに関連する収益の減少が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 これらの収益変動の結果、収益が市場の期待を下回る水準となった場合、アクセルスペースホールディングスの株価は大きく下落する可能性があります。

 

(34)減損損失に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、事業の遂行において、人工衛星やその製造設備、ソフトウエアなどの無形固定資産などのさまざまな資産に投資を行う可能性があります。連結貸借対照表に計上された固定資産については、市場や競争環境の変化などの影響により、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきと判定される可能性があり、減損損失を計上する場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(35)株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業においては、将来の研究開発活動の拡大により、増資を含めた機動的な資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、アクセルスペースホールディングスの発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループではアクセルスペースホールディングス及び子会社の取締役、アクセルスペースホールディングス及び子会社の従業員に対し、アクセルスペースホールディングスグループの長期的な業績向上のインセンティブとして、ストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は5,396,000株であり、発行済株式総数43,390,000株の12.44%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、アクセルスペースホールディングスの株式価値が希薄する可能性があります。

 

(36)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在59.5%であります。アクセルスペースホールディングスの株式公開後において、アクセルスペースホールディングスの株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合には、株式市場におけるアクセルスペースホールディングス株式の需給バランスが短期的に損なわれ、アクセルスペースホールディングスの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。

 アクセルスペースホールディングスグループは、これらのリスクの発生可能性を十分に検討及び認識した上で、リスクを回避し、及びリスクが顕在化した場合には適切な対応を進める方針ですが、その対応を講じた結果には不確実性が伴います。したがって、アクセルスペースホールディングス株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

 また、これらの主なリスクは、投資家の投資判断の過程で重要であると考えられる事項については、幅広く記載しておりますが、投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、これら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。

 アクセルスペースホールディングスグループが属する宇宙産業全体としては、未だ市場草創期であることから、将来の市場規模及びその拡大の可能性には不確実性を伴います。また、アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する小型衛星関連サービスを含めて、宇宙関連技術や商業サービスの開発には長期間にわたり多額の研究開発費用を要し、さらに全ての研究やサービス開発が成功する保証はなく、様々な事情による遅延のリスクがあります。このように、アクセルスペースホールディングスグループの事業は性質上、様々な不確実性とリスクを有しており、アクセルスペースホールディングス株式への投資は、一般投資者による投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。

 なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在においてアクセルスペースホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1)衛星画像及びそのサービス市場の成長鈍化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する世界の衛星画像及びサービス市場は、衛星画像市場が2023年1,913百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には3,005百万米ドルに達すると予測され、衛星画像を元に提供される衛星画像サービス市場が2023年3,110百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には4,924百万米ドルに達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024)。

 アクセルスペースホールディングスグループにおいても、これまで衛星画像を利用したことのない新規顧客の開拓や、既存顧客との衛星画像の新規需要の開拓に取り組むことで、衛星画像及びその衛星画像サービス市場の成長を一層加速できると考えております。

 しかしながら、景気減速その他様々な理由による衛星画像及びそのサービスを必要とする事業者の財政状態の悪化、衛星画像の急激な技術進化、衛星事業者に関する規制の動向、衛星画像の需要の減退をはじめとする市況変動等により、想定どおりに市場が成長しない可能性があります。また、顧客が政府系機関の場合には宇宙関連事業に投入可能な予算額の減少、国際情勢の変化により国防予算の縮小が生じる可能性があり、市場に十分な需要が生じない可能性があります。さらに、衛星画像に関して、アクセルスペースホールディングスが想定していない人工衛星画像以外の他分野の画像撮影技術の進化等により、想定どおりに衛星画像市場が成長しない可能性があります。

 また、契約相手方との関係や競合相手、所在国の状況によっては、アクセルスペースホールディングスが希望する価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があり、アクセルスペースホールディングスが期待するだけの需要を喚起できない可能性があります。

 加えて、アクセルスペースホールディングス又はNovaspace社が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその計算結果は大きく異なります。このため、今後、当該仮定・前提条件が想定と異なる場合には、想定している市場成長率が鈍化し、アクセルスペースホールディングスグループの業績が想定どおりに成長しない可能性があります。

 したがって、上記の予測どおりに衛星画像及び衛星画像サービス市場が拡大しなかった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 現在、国内・海外で小型地球観測衛星のコンステレーション構築計画を表明する企業は複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い、国内大手企業と海外企業が連携する事例なども増加していることから新規参入が相次ぐ可能性があります。また、AxelGlobe事業を展開する光学衛星分野については、主に海外においてすでに事業を展開している企業等が存在します。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、これまでに11機の小型衛星の開発・運用を行ってまいりました。これらを経て小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準、宇宙でも利用可能な民生部品の積極的な活用による低コストの衛星開発手法、安定的な衛星運用ノウハウ、良質な衛星画像処理技術を確立してまいりました。これにより小衛星の開発・製造・運用の短期間かつ低コストでの実施や、それらを源泉として低価格で高品質な衛星画像サービスの提供を可能とすることで、競合企業に対する優位性を構築し、AxelLiner事業とAxelGlobe事業のそれぞれにおいて競争力を向上させてきました。

 今後も技術発展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に行っていくとともに、ユーザー業界のニーズに合わせたソリューションの提供等、お客様目線に立ってサービスをより充実させていき、さらに知名度向上に向けた取り組みも積極的に行ってまいります。

 しかしながら、競合他社が大幅な技術革新、より付加価値の高いビジネスモデルやソリューションの開発、政府系機関等からの補助金受領などにより競争力を高めた場合、又は想定以上の企業数の新規参入等により競争が激化した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 2.AxelLiner事業」に記載のとおり、将来的にAxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立及びユーザーエクスペリエンス(UX)革新の鍵となるソフトウエアの「AxelLiner Terminal」完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに対応する予定です。
 当該ビジネスモデルの実現のためには、アクセルスペースホールディングスグループ独自の汎用バスシステムの確立及びAxelLiner Terminalの提供が重要です。しかしながら、本書提出日現在において、アクセルスペースホールディングスグループの想定する汎用バスシステムに必要な技術が実証できておりません。汎用バスシステムの技術開発については、2024年3月5日(日本時間)に実証衛星「PYXIS」を打上げ、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。2025年6月24日(日本時間)に打上げ、初期運用中の「GRUS-3α」にて実証実験を実施しておりますが、システム又は機材の故障及び宇宙天気等の変化による自然災害等の影響で「GRUS-3α」での実証実験がアクセルスペースホールディングスの想定どおりに完了しない可能性があります。また、「GRUS-3α」で一定の実証が完了したとしても、今後もさらなる実証実験が必要です。アクセルスペースホールディングスグループは、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)基盤となる小型衛星に関する技術」に記載のとおり、必要となる技術開発を進めておりますが、汎用バスシステムの技術的確立の遅延、標準部品の選定と量産化の課題、AxelLiner Terminalの開発遅延・ソフトウエアの複雑性による安定稼働等、アクセルスペースホールディングスの想定どおりに実行されない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスが十分に資金調達を行うことができない等の理由により、必要な開発資金を適宜投入する事が困難となり、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があり、競争力を失う可能性があります。

 また、汎用バスシステムの商用化及びAxelLiner Terminalのサービスを開始したとしても、顧客の各種要因により衛星開発自体が進まない可能性、顧客側のコンポーネント製造に必要な資金手当てが困難になる可能性もあり、サービスの提供・継続が困難となる可能性があります。また、スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に実施する必要があり、汎用バスシステムの継続的な改修・AxelLiner TerminalのUX向上等のためには、各種研究部材費・人件費等多額の支出が継続的に必要となり、結果として支出がアクセルスペースホールディングスの想定を上回る可能性があります。
 さらに、アクセルスペースホールディングスグループがサービスの提供のために外部業者と協力して進める場合、当該業者と契約条件を合意できない場合や当該業者によるサービスが想定どおりに提供されない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループのサービス提供に支障が生じる可能性があります。加えて、今後、アクセルスペースホールディングスグループがサービス展開をできたとしても、競争が激化する場合や、アクセルスペースホールディングスグループが付加価値のあるサービスを競争力のある価格で提供できない場合には顧客を獲得できる保証はなく、また、アクセルスペースホールディングスグループが十分な利益を上げられるほどの単価を設定できる保証もありません。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは複数の世界各国の民間企業との間に、AxelLiner事業でのサービス提供について、基本合意書(以下「MOU」という。)等を締結しております。しかしながら、これらのMOU等の締結は、アクセルスペースホールディングスグループの将来の売上高を保証するものではありません。加えて、これらのMOU等について、アクセルスペースホールディングスグループが最終契約を締結できる保証はありません。また、最終契約を締結できたとしても、当該契約の内容は、MOU等の内容とは大幅に異なる可能性もあります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループが締結するMOU等には、相当期間の未来の内容について合意するものが存在し、仮にMOU等の内容どおりに最終契約締結に至ったとしても、将来の時点においては経済合理性を欠いている可能性もあります。

 

(4)政府系機関の顧客について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの既存顧客には、政府系機関が含まれ、売上高に占める割合は以下のとおりとなっており、当面の間、売上高の大部分を占める状況が継続する予測をしております。

相手先

第4期連結会計年度

(自2022年6月1日

至2023年5月31日)

第5期連結会計年度

(自2023年6月1日

至2024年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

4,520

0.3

1,239,099

58.7

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

676,348

51.5

277,301

13.1

経済産業省

128,118

6.1

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

77,949

5.9

115,829

5.5

 

 政府系機関からの発注については、国家予算や地政学上のリスクに影響を受ける傾向があり、政府系機関からの意向により発注金額の縮小、プロジェクト内容の変更又は中止の可能性があります。

 さらに、プロジェクト遂行中に、追加的な規制や要件の遵守を求められる可能性があり、契約対象であるプロジェクトが遅延する可能性、必要な支出に際して政府系機関との見解相違及び支出の必要性についての認識の齟齬が生じる可能性、アクセルスペースホールディングスグループの技術内容を含めた一定の事項について対外的に開示が要求される可能性、調達先の指定等の一定の要件を課される可能性があります。

 加えて、政府系機関との契約においては、契約条件の遵守について政府系機関による調査権が認められており、アクセルスペースホールディングスグループがこれらの規制に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、係る処分等が下された場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合、利益の減少、法令や契約上の義務違反時の課徴金及び他のプロジェクトへの入札禁止等につながる可能性があり、アクセルスペースホールディングスが想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。

 特に機密性の高い案件にアクセルスペースホールディングスグループが関与した場合、機密保持の観点で案件情報の開示が制約される可能性もあり、その場合は投資家への情報提供が十分に行えない可能性があります。

 政府系機関のプロジェクトでは、開発フェーズごとに審査が設けられており、アクセルスペースホールディングスグループが初期フェーズを受注しているプロジェクトでも、競合入札事業者が存在する場合には、アクセルスペースホールディングスグループが当該プロジェクトの後続フェーズを受注できない可能性があります。

 今後も、政府系機関が売上高の大部分を占めると予測しており、アクセルスペースホールディングスグループの収益の大部分を政府系機関に依存する状況が継続する可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業、AxelGlobe事業それぞれにおいて、民間企業からの新規契約の獲得を通じて収益の分散化を推進していきますが、何らかの事情により、収益分散が予定どおり実現できない可能性も考えられます。

 

(5)事業の特性による外的要因リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの業績はミッションの進捗、参加するコンソーシアム全体での計画の変更、新サービスの導入や拡大、サプライヤーの納期遅延や製品仕様変更、競争環境の変化、政府系案件の入札・受注状況、予期せぬ問題の発生など、アクセルスペースホールディングスグループの管理が及ばない要因によって、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。また、研究開発段階では、プロジェクトの進捗に伴う設計の変更、プロジェクトの計画の遅延が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)開発遅延について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelLiner事業における人工衛星の関連技術・宇宙機製造アライアンスによる衛星量産体制の整備やUX革新の鍵となるソフトウエア、AxelGlobe事業における中分解能衛星・高分解能衛星や衛星データ利用促進のためのシステムなど、必要な研究開発を進めておりますが、これらの開発に想定以上の期間を要する場合や開発に失敗するリスクも考えられます。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、重要な技術開発に係る進捗については、毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理することとしており、開発スケジュールへ影響を及ぼさないよう調整を行う方針ですが、仮に開発遅延や失敗が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの予定しているサービス提供開始が遅延し、又はサービスとしての提供を断念する可能性があります。

 また、予期しない事態の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループが開発し打上げた小型衛星が故障又は喪失した場合、原因究明やその後の開発再開に相応の時間を要することや生じた技術的問題に対応するため想定外の費用が生じる可能性もあります。さらに、顧客に提供するサービスにおける失敗や遅延が起きた場合には、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、加えて顧客からの契約に基づく損害賠償請求など、保険では補填できない損害をアクセルスペースホールディングスグループが被る可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)サプライチェーンのリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中~大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelGlobe事業にて今後打上げ予定の中分解能衛星・高分解能衛星に搭載するミッション機器、AxelLiner事業にて汎用バスシステムの研究開発をそれぞれ推進する予定であり、必要となる原材料、研究設備、外注先の供給不足が生じた場合には、研究開発のスケジュールに遅延が生じる可能性があります。当該研究開発の遅延に起因して、顧客に対してのサービス提供が遅延・中止される事により、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、衛星製造に関して、宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を取引先と締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指しております。アクセルスペースホールディングスグループが製造する人工衛星を構成する機器(コンポーネント)の中には、固有の仕様性から製造開発しているメーカーが非常に限られているものも存在しております。アクセルスペースホールディングスグループではコンポーネントの調達に際しては、性能や軌道上の技術的信頼性だけでなく、安定供給の観点からも仕入先の選定を検討し、複数社からの調達可能性を重視しております。

 しかしながら、仕入先企業においての燃料価格の高騰、災害や感染症の発生・拡大等により、調達先の製造能力、世界規模のサプライチェーンの混乱や特定企業の財務状態の悪化・技術開発スケジュールの遅延等により、供給に問題が発生するなどの事象が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループは、人工衛星の製造に係る部品の一部について、他社に委託しており、当該委託先が部品品質や安定供給を確立できない場合、アクセルスペースホールディングスグループの提供する人工衛星の製造に遅延が生じる可能性があります。委託先の部品品質や安定供給の状況を、事前に予想することは困難であり、アクセルスペースホールディングスグループが完全に管理することは出来ません。特に、部品の中でも長納期部品の納品遅延等が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの製造工程に遅延が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、調達先における納品状況などを定期的に確認し、サプライチェーンに関するリスクの低減に努めておりますが、これらの問題が発生した場合、想定どおりの部品提供、サービスの提供を受けることができない可能性があります。特に希少部品の納品遅延が生じた場合には、代替部品の選定に時間を要する可能性もあるため、アクセルスペースホールディングスグループの衛星開発・製造計画を変更せざるを得ない可能性があります。その際には、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)衛星の打上げにまつわるリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、自社で小型衛星を開発・製造していますが、その打上げと軌道投入については外部のロケット打上げ事業者のサービスを利用しています。昨今の衛星に係る打上げの成功率は高くなっているものの、一定程度失敗が生じる可能性は避けることができず、また、打上げ時期について、打上げに必要な許認可の取得に想定以上の時間を要すること、打上げ時の天候や打上げ事業者側の都合等により遅延する可能性もあります。

 これに対し、アクセルスペースホールディングスグループは衛星の打上げ事業者の選定に際しては、打上げ時期のアクセルスペースホールディングスグループ事業計画との整合性のみならず、打上げ実績及び打上げ頻度を重要な基準としており、また事業計画にあわせた打上げを実現するために打上げ業者とも定期的にコミュニケーションをとっております。加えて、打上げの失敗に係る損失を軽減するため、保険事業者が提供する打上げ保険にも加入をしております。

 しかしながら実際に打上げが失敗し、又は打上げ時期が遅延した場合には、当初見込んでいた宇宙空間での小型衛星を利用した実証機会の喪失や、画像データの取得ができなくなることによる画像販売に関する機会損失が発生するなど、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、実証実験やAxelLiner事業におけるミッションの失敗や遅延等によってアクセルスペースホールディングスグループに対する評価が低下し、既存顧客との契約解除が増加し、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、顧客からの損害賠償請求や契約に基づく補償請求など、保険では賄いきれない金額の損害をアクセルスペースホールディングスグループが負う可能性があります。これらの事態が発生した場合には、想定しているサービスの提供の時期が想定よりも大幅に遅れたり、提供を断念せざるを得なくなるなどにより、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)軌道上での衛星の故障について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは創業以来11機の小型衛星の開発及び運用を通じて、設計寿命までの間ミッション運用を継続できる品質水準を担保するための手法・ノウハウを確立してまいりました。さらに、アクセルスペースホールディングスグループが運用する小型衛星については、比較的長期にわたって宇宙空間において運用することを想定しております。

 しかしながら、製造工程中の瑕疵・欠陥部品等の内的要因、運用期間中の極めて厳しい宇宙環境にさらされることにより、想定外の太陽嵐やスペースデブリ等の宇宙環境に起因する外的要因、運用期間中の衛星管制上又は運用上の故障等で、人工衛星の機能不全又は機能低下を招く可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは衛星コンステレーションを構築することにより、運用中の衛星に故障が起きたとしても可能な限り短期間でバックアップを図る体制の構築を目指しておりますが、衛星運用中に上記のような不測の事態が起きた場合には、小型衛星設計段階での寿命を迎える前に、衛星の機能不全又は機能低下が引き起こされ、場合によっては稼働が停止することになります。

 このような事態が生じた場合、地球観測衛星データ及び顧客が要求する水準の画像の提供が不可能になり、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当該衛星データからの収益が悪化することにより、衛星における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、減損損失等を計上する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、初期運用中の実証衛星「GRUS-3α」について軌道上で故障が起きた場合には、上記「(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について」に記載したほか、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)AxelGlobeウェブサイトの安全性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが運営するウェブプラットフォームAxelGlobeでは、顧客の関心領域が登録されるため、これらの顧客の営業上の秘密情報の流出を防止するためにウェブサイトの稼働状況の監視体制の整備に加え、異常が生じた場合にはただちに検知する仕組みを構築しております。

 しかしながら、万が一顧客情報が流出した場合には、アクセルスペースホールディングスグループが責任を問われる可能性があるほか、アクセルスペースホールディングスグループのサービスの信用力低下やイメージ悪化を招き、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)黒字化を達成及び維持できないリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業にて小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めてワンストップで顧客向け衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供、AxelGlobe事業にてアクセルスペースホールディングスグループが運用する地球観測衛星コンステレーションが取得した衛星画像を販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しており、両事業とも宇宙技術開発を主軸としております。このような宇宙技術の研究開発には多額の初期投資が必要となる傾向があり、投資回収期間は長期となる特徴があります。したがって、期間損益において損失が先行する傾向にあり、アクセルスペースホールディングスグループにおいても継続的に営業損失及び当期純損失を計上している状況です。

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業及びAxelGlobe事業を通じて、将来の利益拡大を目指していますが、現在まで当期純損失を計上している状況であり、今後も研究開発に伴う投資が増加することにより、一定期間は損失が続く可能性があります。

 また、既存の顧客契約の中途解約、想定顧客の獲得が遅延した場合、人工衛星製造の延期や研究開発プロジェクトの遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合には、想定どおりの収益達成や原価・経費管理が困難となり、黒字化達成が遅延し若しくは困難となり、又は黒字化達成後にそれを維持できなくなる可能性も想定されます。これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)「受注高」、「受注残高」及び「想定受注残総額」の数値について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスは本書において、セグメントごとの受注状況や将来の収益計上額を管理するための指標である「受注高」や「受注残高」を開示しております。今後、案件が進捗するに当たり契約条件や受注案件の計画の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、サービス提供に応じて支払われる収入の一部が支払われない可能性があり、上記の「受注高」及び「受注残高」の一部が収益に計上されない可能性があります。加えて、アクセルスペースホールディングスは本書において、特定の連結会計年度、四半期連結累計期間、又は中間連結会計期間の末日時点において、契約締結には至っていないものの、競合の存在を認識していない等の理由により、アクセルスペースホールディングスグループによる受注が期待できると認識している「想定受注残総額」を開示しておりますが、当該金額は今後契約交渉が進む過程でアクセルスペースホールディングスグループが受注できない、又は、受注金額がアクセルスペースホールディングスグループの想定と異なる可能性があります。

 

(13)特定の重要な外部パートナー及び顧客への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期的に低下、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループのAxelLiner事業の顧客であるNEDOに対する売上は、2024年5月期には58.7%を占めております。本件は「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」を受託していることによるもので、2029年5月期以降の当該特定顧客に対する依存度は減少する予定です。

 足元、アクセルスペースホールディングスグループは政府系案件を受託することが多いため、今後も上記NEDOの他、NICT等の政府系機関への依存度が高くなる時期が発生することがあります。

 こうした政府系機関とは、複数の受託案件を通して継続的かつ安定した関係を構築してきておりますが、政府動向による案件の消滅やアクセルスペースホールディングス戦略の変更による取引の停止・縮小等の要因により、アクセルスペースホールディングスグループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)収益サイクルの長期化と収益未確保の営業活動のリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、持続的な成長を達成するため、従来から小型衛星の開発活動に継続的に投資をする必要があると考えており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。

 結果として継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりますが、今後AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業から生じる収益貢献により、営業損失が縮小,営業キャッシュ・フローが改善していく見込みです。

 今後の研究開発活動については、その将来的な収益貢献に寄与する事を前提として、慎重に実施する予定ですが、想定していない開発コストの増加等が生じた場合、営業損益の黒字化に時間を要する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、想定顧客の獲得に失敗した場合、技術開発や衛星製造における遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合等には、黒字化に時間を要する、若しくは困難となる可能性があります。

 これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(15)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業継続のために必要となるハードウエア及びソフトウエアの開発・製造・運用のために優秀なエンジニアを確保する必要がありますが、そのような人材の獲得競争が近年激化しております。

 そのような環境の中、アクセルスペースホールディングスグループは外国籍社員にも働きやすい職場環境を整えることで、国内に限らず海外の市場からも積極的に人材を獲得して人材レベルを維持してまいりました。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループの今後の事業運営及び業容拡大に対応するためには、内部管理体制について一層の充実を図ることが必要不可欠であると認識しておりますが、事業規模の拡大に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な事業運営を行うことができず、アクセルスペースホールディングスグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対して、アクセルスペースホールディングスグループの業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底のための内部管理体制を充実・強化していく方針であります。

 

(17)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスの代表取締役である中村友哉は、創業者であり、創業以来最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、アクセルスペースホールディングスグループの事業遂行において重要な役割を果たしております。アクセルスペースホールディングスグループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく、役員への権限委譲や、取締役会などにおける情報の共有等を図っておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合やその他の経営陣及び重要な従業員がアクセルスペースホールディングスグループから離職する場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)法的規制の厳格化及び改正について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 AxelGlobe事業のインフラを構成する地球観測衛星コンステレーションやAxelLiner事業において製造する人工衛星は、「宇宙活動法」「電波法」「外国為替及び外国貿易法(外為法)(輸出管理令を含む)」「衛星リモートセンシング法)」「宇宙物体登録条約」「無線通信規則(ITU Radio Regulations)」といった法規制の対象となっております。重要法令については以下のとおりです。

 宇宙活動法について、同法は人工衛星ごとに内閣総理大臣の許可を受けることとされているところ、アクセルスペースホールディングスグループは必要な許可を得ております。有効期限その他の期限はございませんが、人工衛星の管理を終了するときは、宇宙活動法第28条第1項に基づきあらかじめその旨を内閣総理大臣に届け出るとともに、終了措置を講じなければなりません。同法第30条1項各号に該当する場合は、許可は取り消されますが、通常の人工衛星の運用を行う限りにおいては、該当する可能性は極めて低いと考えます。

 電波法については、電波法第13条に基づき、無線局(人工衛星局及び地球局)に対する免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定められており、再免許を受けることも可能となっております。電波法第5条に定める欠格事由(外国の法人又は団体、等)に該当する場合には、免許が与えられず、同法第75条1項に定める取消事由ともされておりますが、アクセルスペースホールディングスグループの場合、無線局免許は非上場会社である子会社に付与されており、役員はいずれも日本国籍者であることからこれに該当する可能性は極めて低いといえます。

 なお、「外為法(輸出管理令を含む)」については、アクセルスペースホールディングスグループが事業上影響を受ける可能性のある事象は打上げる衛星等の輸出手続きが主であり、現在該当する事象は発生しておりません。「衛星リモートセンシング法」については、現時点では、同法が適用される人工衛星を運用しておりませんが、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の打上げ後は、同衛星において同法が適用される可能性があります。

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、宇宙に関連する事業を行う上での様々な規制も受けます。アクセルスペースホールディングスグループでは、すでに打上げが完了した小型衛星「GRUS‐1」及び2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」に関して、適用法令上、必要となる許認可を取得しております。主な取得済みの許認可として、人工衛星の運用に関わる許可、無線免許に関わる許可、人工衛星に関わる許可(人工衛星の管理に係る許可、人工衛星の管理許可、宇宙物体登録)、輸出入管理に関わる許可(人工衛星及び測定機器類)の個別輸出許可、一般包括許可(輸出及び役務取引)、運用に関わる対応(監視システムSWライセンス、打上げ許可など)などがあります。上記以外にも、プロジェクト遂行に必要な許認可を事前に取得しておりますが、将来、アクセルスペースホールディングスグループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、法令違反の要件及び主な許認可取消事由に該当する事象は発生しておりません。

 

 本書提出日現在における、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動に係る主な許認可等は以下のとおりであります。

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2018年12月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星18-005)

-

不正な手段による認可の取得や役員等の欠格条項に違反した場合は許可の取消

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1B)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-016)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1C)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-017)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1D)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-018)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1E)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-019)

-

同上

2025年4月

人工衛星の管理許可

(PYXIS-R)

※GRUS-3αの研究開発名称

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星25-009)

-

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年4月

無線局免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関実第40571号)

2029年5月9日

(5年毎の更新)

免許人である株式会社アクセルスペースの代表者又は役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものが、日本国籍を有しない人や外国法人となるときの免許の取消(外資規制)。

なお、親会社である株式会社アクセルスペースホールディングスはこの外資規制の対象にならないことを総務省に確認しております。

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第581号)

2027年11月30日

(5年毎の更新(注1))

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第591号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第592号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第593号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第594号)

2027年11月30日

(注1)

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年3月

無線局免許

(地球局)

総務省

総務大臣免許

(関地第60595号)

2028年11月30日

同上

2025年4月

無線局予備免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関通陸三第24-00092227号)

2025年10月1日

同上

2019年7月

宇宙物体登録

内閣府

2018‐111Q

-

取消要件ではありませんが、停波・デオービット・軌道再突入時には「宇宙物体登録に係る届出マニュアル」変更届出が必要とされております。

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022B

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022C

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022D

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022E

-

同上

2024年9月

一般包括役務取引許可

経済産業省

BIT-M-WGL-24-S10097

2027年9月15日

許可条件を満たさなくなった場合又は国政的な平和及び安全の維持の観点から必要があると認めるときは許可の取消。

2023年8月

一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可証

経済産業省

MBIT-WGL-23-

S10108

2026年8月9日

同上

(注)1.法律上の期間の上限は5年となっておりますが、電波法施行規則により、人工衛星局ごとではなく、すべての衛星局が一斉に更新期を迎えることになります(一斉再免許)。直近では2027年11月30日に一斉再免許が予定されております。

 

 上記以外に、製造業者が遵守すべき法令として、民法、製造物責任法、関税法、知的財産関連法(知的財産基本法、特許法、著作権法、不正競争防止法等)の適用を受けており、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループはこれらの法令を遵守しており、今後も適宜所管官庁と適切に協議を重ねる等して適用法令を遵守してまいります。

 しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、アクセルスペースホールディングスグループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)知的財産の侵害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは、特許権、著作権、商標権、その他知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。また、自社の技術やサービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産の保護を図るとともに、他者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産調査を行う等、注意を払っております。

 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。ただし、今後何らかの事情によって、アクセルスペースホールディングスグループに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、当該状況になった場合には、結果によりアクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)情報漏洩について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、社員及び顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。さらに、アクセルスペースホールディングスグループでは、地球観測衛星データを含む重要情報を保有しており、当該情報がシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合、及び当該情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他対応に係るコスト負担等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、地球観測衛星データの取得・提供サービスの運用に障害が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクへの対策として、社内ネットワークに接続できる機器をセキュリティソフトウエア導入済のものに限定すること、アクセス制御における多段階認証、統合されたID管理、クラウドサービスやWebへのアクセスを制限・監視するツールの導入などにより、厳格な情報管理を行っております。

 しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、技術流出やサービスに障害が発生する可能性があります。

 こうした事態が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下、損害賠償、セキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)資金調達リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:1年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループにおいては、事業活動を維持拡大するために、今後も多額の研究開発投資が必要となり、また、想定を上回る投資の増加、事業環境の変化へ対応可能な資金確保が事業上重要となります。

 「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のアクセルスペースホールディングスグループビジョンである「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」の実現のために、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造・運用技術への先行投資等、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業の様々な領域での研究開発の必要性が生じ、継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があります。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが将来において想定する資金調達ができない場合や、希望する条件での資金調達ができない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループがキャッシュ・フロー不足に陥る可能性、事業を拡大・成長させるために必要な投資を行うことができない可能性や、アクセルスペースホールディングスが財務制限条項を遵守できなくなる可能性があり、これにより事業計画の一部を遅延又は断念することになり、アクセルスペースホールディングスグループの競争力に悪影響が及ぶおそれがあります。

 また、今後において継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があるところ、継続的な資金調達のためにアクセルスペースホールディングス株主に希薄化をもたらす株式発行が繰り返し行われる可能性や借入による調達を行う場合には、財務制限条項その他の条項により、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動が制約される可能性があります。

 

(23)継続企業の前提に関する重要事象等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:低)

 アクセルスペースホールディングスグループは、2025年5月期第3四半期連結累計期間において、継続的に営業損失を計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 この主たる要因は、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業における研究開発費の先行投資により、投資回収までに期間を要するためであります。

 このような事象又は状況を解消するために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のどおり、アクセルスペースホールディングスグループでは手元流動性確保のため、以下のとおり第三者割当増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施しております。

 

 2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:169,053千円)

 2023年12月:総額6,240,597千円の第三者割当増資による調達

 2024年9月:株式会社みずほ銀行と2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:321,966千円)

 

 当該資金調達により当第3四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は2,013,895千円となっており、さらに2025年3月26日付で株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結し実行しています。また、本公募増資を含めた株式市場からの資金調達や銀行からの融資等を通して、資金調達手段の確保・拡充・多様化を図っております。

 この結果、当面の事業運営に必要な資金を確保しているため、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(24)財務制限条項について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの借入金のうち、2024年9月26日契約の株式会社みずほ銀行からの総借入枠20億円、及び2025年3月26日契約の株式会社三井住友銀行からの借入40億円には、以下の財務制限条項が付されておりますが、2025年2月末時点で当該条項に抵触しておりません。しかしながら、アクセルスペースホールディングスが将来において財務制限条項に抵触した場合、アクセルスペースホールディングスの期限の利益を喪失させる権利を行使した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当第3四半期連結会計期間末において連結貸借対照表の純資産が3,911,858千円であり、2025年5月末時点においても連結貸借対照表の純資産を正の数値で維持する予定であります。今後、上場時点のエクイティ調達額が30億円を下回る場合、財務制限条項に抵触する可能性があります。

 

(借入1) 主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:設備資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:7年

コミットメント期間:2024年9月30日~2026年9月30日

返済期限:2031年9月30日

担保設定:打上保険等でアクセルスペースホールディングスが有する保険金請求債権

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入2)主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利

契約期間:1年(2回の期間1年の延長オプション)

返済期限:2025年9月30日

担保設定:無担保・無保証

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入3)主要な契約条件:

借入先:株式会社三井住友銀行

借入額:4,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:4年

返済期間:2026年4月28日~2029年3月28日

最終返済期限:2029年3月28日

担保設定:無担保

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること

b.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の現預金の金額を、20億円以上に維持すること

c.2025年5月期決算以降、各事業年度末における投資キャッシュ・フローの金額を一定金額の範囲内にすること

d.2026年5月末日までに、株式公開を行うか、または30億円以上のエクイティ性の資金調達を行うこと

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは今後も更なる成長のために旺盛な資金需要があり、その手段として追加的に金融機関からの借入その他の負債性の資金調達を行う可能性があります。係る資金調達を行う場合には、多額の支払利息の負担及び信用リスクの拡大によりアクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、借入契約等において、連結財務諸表における利益や純資産の維持、一定の現預金やキャッシュ・フローの確保等に関する財務制限条項が付されることがあり、仮に条項に違反した場合には、当該契約の期限の利益を喪失することが予測され、アクセルスペースホールディングスグループの存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(25)公募増資による調達資金使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:中)

 東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により調達した資金の使途につきましては、主に自社人工衛星の開発・製造に係る運転資金等に充当する予定であります。しかし、アクセルスペースホールディングスグループが属する業界の急速な変化により、当初の計画どおりに資金を使用した場合でも、想定どおりの投資効果をあげられない可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性があります。当該リスクを踏まえ、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化について適時その動向を注視し、公募増資による調達資金の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。

 

(26)有利子負債について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、事業規模拡大に伴い必要となる「GRUS-3」や高分解能衛星をはじめとする自社衛星の開発・製造を行うための設備投資資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。アクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、第5期連結会計年度末において888,218千円となっており、総資産に占める有利子負債への依存度は、第5期連結会計年度末において12.1%となっております。また、第6期第3四半期連結会計期間末においてアクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、1,141,020千円、総資産に占める有利子負債への依存度は19.4%であり、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (3)重要な資金の借入に関する契約」に記載のとおり、三井住友銀行より2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しておりますため、有利子負債依存度は高まる見込みです。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化、急激な金利上昇等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、現状では財務安全性を最優先に考え、資金使途を詳しく吟味したうえで、アクセルスペースホールディングスグループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。

 

(27)為替相場の変動について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、衛星部品の一部を海外より購入しており、また衛星の打上げについて海外業者を利用しております。一方、売上については一部海外との取引があるものの、アクセルスペースホールディングスグループの資金調達は日本円が重要な部分を占めることが想定されるため、急激な為替相場の変動、特に円安が進んだ場合には、衛星部品の購入等で使用可能な金銭の額が実質的に目減りすることや、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(28)システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、業務運営に必要な情報システムについて適正に管理し効率的な運用を図っておりますが、予期せぬサイバー攻撃、コンピュータウイルス、ソフトウエアやハードウエアの障害、自然災害、その他不測の事態が生じることなどによりシステムトラブルが発生した場合や、第三者によるデータの不正使用等が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(29)配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループは、株主に対する利益還元と、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題としております。現状においてアクセルスペースホールディングスグループは成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえないため、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では将来の成長のための研究開発投資等に充当し、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

 将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(30)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 大規模な地震や、台風、洪水及び宇宙天気の変動などの自然災害、伝染病の蔓延や事故、テロや戦争による国際政治の混迷、資本市場の混乱による経済危機等、不測の事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛星の打上げ施設や部品サプライヤーが自然災害等により損害を被った場合にも、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(31)税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 第5期事業年度末には、子会社に税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、アクセルスペースホールディングスグループの当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(32)業績の季節的変動について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの四半期ごとの収益は、受託案件の納品・検収タイミングやプロジェクトの進捗状況などの要因により大きく変動する可能性があり、特に第4四半期において売上高が多額となる傾向にあります。アクセルスペースホールディングスグループでは、当該季節的要因及び過年度実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、プロジェクトの計画遅延、予期せぬ問題の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(33)四半期或いは事業年度の収益変動による株価変動リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの収益は、様々な要因により四半期或いは事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。例えば、受注案件における進捗状況や打上げなどのイベントの発生、人工衛星の故障など予期せぬ問題の発生、経済や市況の悪化などの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。

 また、政府系案件においては、プロジェクト期間中に実施される審査の結果や開発進捗を踏まえた計画変更の発生などにより、プロジェクトに関連する収益の減少が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 これらの収益変動の結果、収益が市場の期待を下回る水準となった場合、アクセルスペースホールディングスの株価は大きく下落する可能性があります。

 

(34)減損損失に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、事業の遂行において、人工衛星やその製造設備、ソフトウエアなどの無形固定資産などのさまざまな資産に投資を行う可能性があります。連結貸借対照表に計上された固定資産については、市場や競争環境の変化などの影響により、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきと判定される可能性があり、減損損失を計上する場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(35)株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業においては、将来の研究開発活動の拡大により、増資を含めた機動的な資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、アクセルスペースホールディングスの発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループではアクセルスペースホールディングス及び子会社の取締役、アクセルスペースホールディングス及び子会社の従業員に対し、アクセルスペースホールディングスグループの長期的な業績向上のインセンティブとして、ストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は5,396,000株であり、発行済株式総数43,390,000株の12.44%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、アクセルスペースホールディングスの株式価値が希薄する可能性があります。

 

(36)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在59.5%であります。アクセルスペースホールディングスの株式公開後において、アクセルスペースホールディングスの株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合には、株式市場におけるアクセルスペースホールディングス株式の需給バランスが短期的に損なわれ、アクセルスペースホールディングスの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。

 アクセルスペースホールディングスグループは、これらのリスクの発生可能性を十分に検討及び認識した上で、リスクを回避し、及びリスクが顕在化した場合には適切な対応を進める方針ですが、その対応を講じた結果には不確実性が伴います。したがって、アクセルスペースホールディングス株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

 また、これらの主なリスクは、投資家の投資判断の過程で重要であると考えられる事項については、幅広く記載しておりますが、投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、これら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。

 アクセルスペースホールディングスグループが属する宇宙産業全体としては、未だ市場草創期であることから、将来の市場規模及びその拡大の可能性には不確実性を伴います。また、アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する小型衛星関連サービスを含めて、宇宙関連技術や商業サービスの開発には長期間にわたり多額の研究開発費用を要し、さらに全ての研究やサービス開発が成功する保証はなく、様々な事情による遅延のリスクがあります。このように、アクセルスペースホールディングスグループの事業は性質上、様々な不確実性とリスクを有しており、アクセルスペースホールディングス株式への投資は、一般投資者による投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。

 なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在においてアクセルスペースホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1)衛星画像及びそのサービス市場の成長鈍化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが事業を展開する世界の衛星画像及びサービス市場は、衛星画像市場が2023年1,913百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には3,005百万米ドルに達すると予測され、衛星画像を元に提供される衛星画像サービス市場が2023年3,110百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2033年には4,924百万米ドルに達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 17th Edition, 2024)。

 アクセルスペースホールディングスグループにおいても、これまで衛星画像を利用したことのない新規顧客の開拓や、既存顧客との衛星画像の新規需要の開拓に取り組むことで、衛星画像及びその衛星画像サービス市場の成長を一層加速できると考えております。

 しかしながら、景気減速その他様々な理由による衛星画像及びそのサービスを必要とする事業者の財政状態の悪化、衛星画像の急激な技術進化、衛星事業者に関する規制の動向、衛星画像の需要の減退をはじめとする市況変動等により、想定どおりに市場が成長しない可能性があります。また、顧客が政府系機関の場合には宇宙関連事業に投入可能な予算額の減少、国際情勢の変化により国防予算の縮小が生じる可能性があり、市場に十分な需要が生じない可能性があります。さらに、衛星画像に関して、アクセルスペースホールディングスが想定していない人工衛星画像以外の他分野の画像撮影技術の進化等により、想定どおりに衛星画像市場が成長しない可能性があります。

 また、契約相手方との関係や競合相手、所在国の状況によっては、アクセルスペースホールディングスが希望する価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があり、アクセルスペースホールディングスが期待するだけの需要を喚起できない可能性があります。

 加えて、アクセルスペースホールディングス又はNovaspace社が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその計算結果は大きく異なります。このため、今後、当該仮定・前提条件が想定と異なる場合には、想定している市場成長率が鈍化し、アクセルスペースホールディングスグループの業績が想定どおりに成長しない可能性があります。

 したがって、上記の予測どおりに衛星画像及び衛星画像サービス市場が拡大しなかった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 現在、国内・海外で小型地球観測衛星のコンステレーション構築計画を表明する企業は複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い、国内大手企業と海外企業が連携する事例なども増加していることから新規参入が相次ぐ可能性があります。また、AxelGlobe事業を展開する光学衛星分野については、主に海外においてすでに事業を展開している企業等が存在します。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、これまでに11機の小型衛星の開発・運用を行ってまいりました。これらを経て小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準、宇宙でも利用可能な民生部品の積極的な活用による低コストの衛星開発手法、安定的な衛星運用ノウハウ、良質な衛星画像処理技術を確立してまいりました。これにより小衛星の開発・製造・運用の短期間かつ低コストでの実施や、それらを源泉として低価格で高品質な衛星画像サービスの提供を可能とすることで、競合企業に対する優位性を構築し、AxelLiner事業とAxelGlobe事業のそれぞれにおいて競争力を向上させてきました。

 今後も技術発展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に行っていくとともに、ユーザー業界のニーズに合わせたソリューションの提供等、お客様目線に立ってサービスをより充実させていき、さらに知名度向上に向けた取り組みも積極的に行ってまいります。

 しかしながら、競合他社が大幅な技術革新、より付加価値の高いビジネスモデルやソリューションの開発、政府系機関等からの補助金受領などにより競争力を高めた場合、又は想定以上の企業数の新規参入等により競争が激化した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 2.AxelLiner事業」に記載のとおり、将来的にAxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立及びユーザーエクスペリエンス(UX)革新の鍵となるソフトウエアの「AxelLiner Terminal」完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに対応する予定です。
 当該ビジネスモデルの実現のためには、アクセルスペースホールディングスグループ独自の汎用バスシステムの確立及びAxelLiner Terminalの提供が重要です。しかしながら、本書提出日現在において、アクセルスペースホールディングスグループの想定する汎用バスシステムに必要な技術が実証できておりません。汎用バスシステムの技術開発については、2024年3月5日(日本時間)に実証衛星「PYXIS」を打上げ、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。2025年6月24日(日本時間)に打上げ、初期運用中の「GRUS-3α」にて実証実験を実施しておりますが、システム又は機材の故障及び宇宙天気等の変化による自然災害等の影響で「GRUS-3α」での実証実験がアクセルスペースホールディングスの想定どおりに完了しない可能性があります。また、「GRUS-3α」で一定の実証が完了したとしても、今後もさらなる実証実験が必要です。アクセルスペースホールディングスグループは、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)基盤となる小型衛星に関する技術」に記載のとおり、必要となる技術開発を進めておりますが、汎用バスシステムの技術的確立の遅延、標準部品の選定と量産化の課題、AxelLiner Terminalの開発遅延・ソフトウエアの複雑性による安定稼働等、アクセルスペースホールディングスの想定どおりに実行されない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスが十分に資金調達を行うことができない等の理由により、必要な開発資金を適宜投入する事が困難となり、アクセルスペースホールディングスグループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があり、競争力を失う可能性があります。

 また、汎用バスシステムの商用化及びAxelLiner Terminalのサービスを開始したとしても、顧客の各種要因により衛星開発自体が進まない可能性、顧客側のコンポーネント製造に必要な資金手当てが困難になる可能性もあり、サービスの提供・継続が困難となる可能性があります。また、スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に実施する必要があり、汎用バスシステムの継続的な改修・AxelLiner TerminalのUX向上等のためには、各種研究部材費・人件費等多額の支出が継続的に必要となり、結果として支出がアクセルスペースホールディングスの想定を上回る可能性があります。
 さらに、アクセルスペースホールディングスグループがサービスの提供のために外部業者と協力して進める場合、当該業者と契約条件を合意できない場合や当該業者によるサービスが想定どおりに提供されない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループのサービス提供に支障が生じる可能性があります。加えて、今後、アクセルスペースホールディングスグループがサービス展開をできたとしても、競争が激化する場合や、アクセルスペースホールディングスグループが付加価値のあるサービスを競争力のある価格で提供できない場合には顧客を獲得できる保証はなく、また、アクセルスペースホールディングスグループが十分な利益を上げられるほどの単価を設定できる保証もありません。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは複数の世界各国の民間企業との間に、AxelLiner事業でのサービス提供について、基本合意書(以下「MOU」という。)等を締結しております。しかしながら、これらのMOU等の締結は、アクセルスペースホールディングスグループの将来の売上高を保証するものではありません。加えて、これらのMOU等について、アクセルスペースホールディングスグループが最終契約を締結できる保証はありません。また、最終契約を締結できたとしても、当該契約の内容は、MOU等の内容とは大幅に異なる可能性もあります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループが締結するMOU等には、相当期間の未来の内容について合意するものが存在し、仮にMOU等の内容どおりに最終契約締結に至ったとしても、将来の時点においては経済合理性を欠いている可能性もあります。

 

(4)政府系機関の顧客について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの既存顧客には、政府系機関が含まれ、売上高に占める割合は以下のとおりとなっており、当面の間、売上高の大部分を占める状況が継続する予測をしております。

相手先

第4期連結会計年度

(自2022年6月1日

至2023年5月31日)

第5期連結会計年度

(自2023年6月1日

至2024年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

4,520

0.3

1,239,099

58.7

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

676,348

51.5

277,301

13.1

経済産業省

128,118

6.1

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

77,949

5.9

115,829

5.5

 

 政府系機関からの発注については、国家予算や地政学上のリスクに影響を受ける傾向があり、政府系機関からの意向により発注金額の縮小、プロジェクト内容の変更又は中止の可能性があります。

 さらに、プロジェクト遂行中に、追加的な規制や要件の遵守を求められる可能性があり、契約対象であるプロジェクトが遅延する可能性、必要な支出に際して政府系機関との見解相違及び支出の必要性についての認識の齟齬が生じる可能性、アクセルスペースホールディングスグループの技術内容を含めた一定の事項について対外的に開示が要求される可能性、調達先の指定等の一定の要件を課される可能性があります。

 加えて、政府系機関との契約においては、契約条件の遵守について政府系機関による調査権が認められており、アクセルスペースホールディングスグループがこれらの規制に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、係る処分等が下された場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合、利益の減少、法令や契約上の義務違反時の課徴金及び他のプロジェクトへの入札禁止等につながる可能性があり、アクセルスペースホールディングスが想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。

 特に機密性の高い案件にアクセルスペースホールディングスグループが関与した場合、機密保持の観点で案件情報の開示が制約される可能性もあり、その場合は投資家への情報提供が十分に行えない可能性があります。

 政府系機関のプロジェクトでは、開発フェーズごとに審査が設けられており、アクセルスペースホールディングスグループが初期フェーズを受注しているプロジェクトでも、競合入札事業者が存在する場合には、アクセルスペースホールディングスグループが当該プロジェクトの後続フェーズを受注できない可能性があります。

 今後も、政府系機関が売上高の大部分を占めると予測しており、アクセルスペースホールディングスグループの収益の大部分を政府系機関に依存する状況が継続する可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業、AxelGlobe事業それぞれにおいて、民間企業からの新規契約の獲得を通じて収益の分散化を推進していきますが、何らかの事情により、収益分散が予定どおり実現できない可能性も考えられます。

 

(5)事業の特性による外的要因リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの業績はミッションの進捗、参加するコンソーシアム全体での計画の変更、新サービスの導入や拡大、サプライヤーの納期遅延や製品仕様変更、競争環境の変化、政府系案件の入札・受注状況、予期せぬ問題の発生など、アクセルスペースホールディングスグループの管理が及ばない要因によって、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。また、研究開発段階では、プロジェクトの進捗に伴う設計の変更、プロジェクトの計画の遅延が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)開発遅延について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelLiner事業における人工衛星の関連技術・宇宙機製造アライアンスによる衛星量産体制の整備やUX革新の鍵となるソフトウエア、AxelGlobe事業における中分解能衛星・高分解能衛星や衛星データ利用促進のためのシステムなど、必要な研究開発を進めておりますが、これらの開発に想定以上の期間を要する場合や開発に失敗するリスクも考えられます。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、重要な技術開発に係る進捗については、毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理することとしており、開発スケジュールへ影響を及ぼさないよう調整を行う方針ですが、仮に開発遅延や失敗が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの予定しているサービス提供開始が遅延し、又はサービスとしての提供を断念する可能性があります。

 また、予期しない事態の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループが開発し打上げた小型衛星が故障又は喪失した場合、原因究明やその後の開発再開に相応の時間を要することや生じた技術的問題に対応するため想定外の費用が生じる可能性もあります。さらに、顧客に提供するサービスにおける失敗や遅延が起きた場合には、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、加えて顧客からの契約に基づく損害賠償請求など、保険では補填できない損害をアクセルスペースホールディングスグループが被る可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)サプライチェーンのリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中~大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおり、AxelGlobe事業にて今後打上げ予定の中分解能衛星・高分解能衛星に搭載するミッション機器、AxelLiner事業にて汎用バスシステムの研究開発をそれぞれ推進する予定であり、必要となる原材料、研究設備、外注先の供給不足が生じた場合には、研究開発のスケジュールに遅延が生じる可能性があります。当該研究開発の遅延に起因して、顧客に対してのサービス提供が遅延・中止される事により、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、衛星製造に関して、宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を取引先と締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指しております。アクセルスペースホールディングスグループが製造する人工衛星を構成する機器(コンポーネント)の中には、固有の仕様性から製造開発しているメーカーが非常に限られているものも存在しております。アクセルスペースホールディングスグループではコンポーネントの調達に際しては、性能や軌道上の技術的信頼性だけでなく、安定供給の観点からも仕入先の選定を検討し、複数社からの調達可能性を重視しております。

 しかしながら、仕入先企業においての燃料価格の高騰、災害や感染症の発生・拡大等により、調達先の製造能力、世界規模のサプライチェーンの混乱や特定企業の財務状態の悪化・技術開発スケジュールの遅延等により、供給に問題が発生するなどの事象が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、アクセルスペースホールディングスグループは、人工衛星の製造に係る部品の一部について、他社に委託しており、当該委託先が部品品質や安定供給を確立できない場合、アクセルスペースホールディングスグループの提供する人工衛星の製造に遅延が生じる可能性があります。委託先の部品品質や安定供給の状況を、事前に予想することは困難であり、アクセルスペースホールディングスグループが完全に管理することは出来ません。特に、部品の中でも長納期部品の納品遅延等が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの製造工程に遅延が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、調達先における納品状況などを定期的に確認し、サプライチェーンに関するリスクの低減に努めておりますが、これらの問題が発生した場合、想定どおりの部品提供、サービスの提供を受けることができない可能性があります。特に希少部品の納品遅延が生じた場合には、代替部品の選定に時間を要する可能性もあるため、アクセルスペースホールディングスグループの衛星開発・製造計画を変更せざるを得ない可能性があります。その際には、アクセルスペースホールディングスグループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)衛星の打上げにまつわるリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、自社で小型衛星を開発・製造していますが、その打上げと軌道投入については外部のロケット打上げ事業者のサービスを利用しています。昨今の衛星に係る打上げの成功率は高くなっているものの、一定程度失敗が生じる可能性は避けることができず、また、打上げ時期について、打上げに必要な許認可の取得に想定以上の時間を要すること、打上げ時の天候や打上げ事業者側の都合等により遅延する可能性もあります。

 これに対し、アクセルスペースホールディングスグループは衛星の打上げ事業者の選定に際しては、打上げ時期のアクセルスペースホールディングスグループ事業計画との整合性のみならず、打上げ実績及び打上げ頻度を重要な基準としており、また事業計画にあわせた打上げを実現するために打上げ業者とも定期的にコミュニケーションをとっております。加えて、打上げの失敗に係る損失を軽減するため、保険事業者が提供する打上げ保険にも加入をしております。

 しかしながら実際に打上げが失敗し、又は打上げ時期が遅延した場合には、当初見込んでいた宇宙空間での小型衛星を利用した実証機会の喪失や、画像データの取得ができなくなることによる画像販売に関する機会損失が発生するなど、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、実証実験やAxelLiner事業におけるミッションの失敗や遅延等によってアクセルスペースホールディングスグループに対する評価が低下し、既存顧客との契約解除が増加し、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、顧客からの損害賠償請求や契約に基づく補償請求など、保険では賄いきれない金額の損害をアクセルスペースホールディングスグループが負う可能性があります。これらの事態が発生した場合には、想定しているサービスの提供の時期が想定よりも大幅に遅れたり、提供を断念せざるを得なくなるなどにより、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)軌道上での衛星の故障について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは創業以来11機の小型衛星の開発及び運用を通じて、設計寿命までの間ミッション運用を継続できる品質水準を担保するための手法・ノウハウを確立してまいりました。さらに、アクセルスペースホールディングスグループが運用する小型衛星については、比較的長期にわたって宇宙空間において運用することを想定しております。

 しかしながら、製造工程中の瑕疵・欠陥部品等の内的要因、運用期間中の極めて厳しい宇宙環境にさらされることにより、想定外の太陽嵐やスペースデブリ等の宇宙環境に起因する外的要因、運用期間中の衛星管制上又は運用上の故障等で、人工衛星の機能不全又は機能低下を招く可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは衛星コンステレーションを構築することにより、運用中の衛星に故障が起きたとしても可能な限り短期間でバックアップを図る体制の構築を目指しておりますが、衛星運用中に上記のような不測の事態が起きた場合には、小型衛星設計段階での寿命を迎える前に、衛星の機能不全又は機能低下が引き起こされ、場合によっては稼働が停止することになります。

 このような事態が生じた場合、地球観測衛星データ及び顧客が要求する水準の画像の提供が不可能になり、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当該衛星データからの収益が悪化することにより、衛星における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、減損損失等を計上する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、初期運用中の実証衛星「GRUS-3α」について軌道上で故障が起きた場合には、上記「(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について」に記載したほか、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)AxelGlobeウェブサイトの安全性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループが運営するウェブプラットフォームAxelGlobeでは、顧客の関心領域が登録されるため、これらの顧客の営業上の秘密情報の流出を防止するためにウェブサイトの稼働状況の監視体制の整備に加え、異常が生じた場合にはただちに検知する仕組みを構築しております。

 しかしながら、万が一顧客情報が流出した場合には、アクセルスペースホールディングスグループが責任を問われる可能性があるほか、アクセルスペースホールディングスグループのサービスの信用力低下やイメージ悪化を招き、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)黒字化を達成及び維持できないリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業にて小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めてワンストップで顧客向け衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供、AxelGlobe事業にてアクセルスペースホールディングスグループが運用する地球観測衛星コンステレーションが取得した衛星画像を販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しており、両事業とも宇宙技術開発を主軸としております。このような宇宙技術の研究開発には多額の初期投資が必要となる傾向があり、投資回収期間は長期となる特徴があります。したがって、期間損益において損失が先行する傾向にあり、アクセルスペースホールディングスグループにおいても継続的に営業損失及び当期純損失を計上している状況です。

 アクセルスペースホールディングスグループは、AxelLiner事業及びAxelGlobe事業を通じて、将来の利益拡大を目指していますが、現在まで当期純損失を計上している状況であり、今後も研究開発に伴う投資が増加することにより、一定期間は損失が続く可能性があります。

 また、既存の顧客契約の中途解約、想定顧客の獲得が遅延した場合、人工衛星製造の延期や研究開発プロジェクトの遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合には、想定どおりの収益達成や原価・経費管理が困難となり、黒字化達成が遅延し若しくは困難となり、又は黒字化達成後にそれを維持できなくなる可能性も想定されます。これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(12)「受注高」、「受注残高」及び「想定受注残総額」の数値について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスは本書において、セグメントごとの受注状況や将来の収益計上額を管理するための指標である「受注高」や「受注残高」を開示しております。今後、案件が進捗するに当たり契約条件や受注案件の計画の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、サービス提供に応じて支払われる収入の一部が支払われない可能性があり、上記の「受注高」及び「受注残高」の一部が収益に計上されない可能性があります。加えて、アクセルスペースホールディングスは本書において、特定の連結会計年度、四半期連結累計期間、又は中間連結会計期間の末日時点において、契約締結には至っていないものの、競合の存在を認識していない等の理由により、アクセルスペースホールディングスグループによる受注が期待できると認識している「想定受注残総額」を開示しておりますが、当該金額は今後契約交渉が進む過程でアクセルスペースホールディングスグループが受注できない、又は、受注金額がアクセルスペースホールディングスグループの想定と異なる可能性があります。

 

(13)特定の重要な外部パートナー及び顧客への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期的に低下、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループのAxelLiner事業の顧客であるNEDOに対する売上は、2024年5月期には58.7%を占めております。本件は「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」を受託していることによるもので、2029年5月期以降の当該特定顧客に対する依存度は減少する予定です。

 足元、アクセルスペースホールディングスグループは政府系案件を受託することが多いため、今後も上記NEDOの他、NICT等の政府系機関への依存度が高くなる時期が発生することがあります。

 こうした政府系機関とは、複数の受託案件を通して継続的かつ安定した関係を構築してきておりますが、政府動向による案件の消滅やアクセルスペースホールディングス戦略の変更による取引の停止・縮小等の要因により、アクセルスペースホールディングスグループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)収益サイクルの長期化と収益未確保の営業活動のリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、持続的な成長を達成するため、従来から小型衛星の開発活動に継続的に投資をする必要があると考えており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。

 結果として継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりますが、今後AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業から生じる収益貢献により、営業損失が縮小,営業キャッシュ・フローが改善していく見込みです。

 今後の研究開発活動については、その将来的な収益貢献に寄与する事を前提として、慎重に実施する予定ですが、想定していない開発コストの増加等が生じた場合、営業損益の黒字化に時間を要する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、想定顧客の獲得に失敗した場合、技術開発や衛星製造における遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合等には、黒字化に時間を要する、若しくは困難となる可能性があります。

 これらの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

(15)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業継続のために必要となるハードウエア及びソフトウエアの開発・製造・運用のために優秀なエンジニアを確保する必要がありますが、そのような人材の獲得競争が近年激化しております。

 そのような環境の中、アクセルスペースホールディングスグループは外国籍社員にも働きやすい職場環境を整えることで、国内に限らず海外の市場からも積極的に人材を獲得して人材レベルを維持してまいりました。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループの今後の事業運営及び業容拡大に対応するためには、内部管理体制について一層の充実を図ることが必要不可欠であると認識しておりますが、事業規模の拡大に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な事業運営を行うことができず、アクセルスペースホールディングスグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対して、アクセルスペースホールディングスグループの業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底のための内部管理体制を充実・強化していく方針であります。

 

(17)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスの代表取締役である中村友哉は、創業者であり、創業以来最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、アクセルスペースホールディングスグループの事業遂行において重要な役割を果たしております。アクセルスペースホールディングスグループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく、役員への権限委譲や、取締役会などにおける情報の共有等を図っておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合やその他の経営陣及び重要な従業員がアクセルスペースホールディングスグループから離職する場合、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)法的規制の厳格化及び改正について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 AxelGlobe事業のインフラを構成する地球観測衛星コンステレーションやAxelLiner事業において製造する人工衛星は、「宇宙活動法」「電波法」「外国為替及び外国貿易法(外為法)(輸出管理令を含む)」「衛星リモートセンシング法)」「宇宙物体登録条約」「無線通信規則(ITU Radio Regulations)」といった法規制の対象となっております。重要法令については以下のとおりです。

 宇宙活動法について、同法は人工衛星ごとに内閣総理大臣の許可を受けることとされているところ、アクセルスペースホールディングスグループは必要な許可を得ております。有効期限その他の期限はございませんが、人工衛星の管理を終了するときは、宇宙活動法第28条第1項に基づきあらかじめその旨を内閣総理大臣に届け出るとともに、終了措置を講じなければなりません。同法第30条1項各号に該当する場合は、許可は取り消されますが、通常の人工衛星の運用を行う限りにおいては、該当する可能性は極めて低いと考えます。

 電波法については、電波法第13条に基づき、無線局(人工衛星局及び地球局)に対する免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定められており、再免許を受けることも可能となっております。電波法第5条に定める欠格事由(外国の法人又は団体、等)に該当する場合には、免許が与えられず、同法第75条1項に定める取消事由ともされておりますが、アクセルスペースホールディングスグループの場合、無線局免許は非上場会社である子会社に付与されており、役員はいずれも日本国籍者であることからこれに該当する可能性は極めて低いといえます。

 なお、「外為法(輸出管理令を含む)」については、アクセルスペースホールディングスグループが事業上影響を受ける可能性のある事象は打上げる衛星等の輸出手続きが主であり、現在該当する事象は発生しておりません。「衛星リモートセンシング法」については、現時点では、同法が適用される人工衛星を運用しておりませんが、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の打上げ後は、同衛星において同法が適用される可能性があります。

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは、宇宙に関連する事業を行う上での様々な規制も受けます。アクセルスペースホールディングスグループでは、すでに打上げが完了した小型衛星「GRUS‐1」及び2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」に関して、適用法令上、必要となる許認可を取得しております。主な取得済みの許認可として、人工衛星の運用に関わる許可、無線免許に関わる許可、人工衛星に関わる許可(人工衛星の管理に係る許可、人工衛星の管理許可、宇宙物体登録)、輸出入管理に関わる許可(人工衛星及び測定機器類)の個別輸出許可、一般包括許可(輸出及び役務取引)、運用に関わる対応(監視システムSWライセンス、打上げ許可など)などがあります。上記以外にも、プロジェクト遂行に必要な許認可を事前に取得しておりますが、将来、アクセルスペースホールディングスグループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、法令違反の要件及び主な許認可取消事由に該当する事象は発生しておりません。

 

 本書提出日現在における、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動に係る主な許認可等は以下のとおりであります。

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2018年12月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星18-005)

-

不正な手段による認可の取得や役員等の欠格条項に違反した場合は許可の取消

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1B)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-016)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1C)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-017)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1D)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-018)

-

同上

2020年11月

人工衛星の管理許可

(GRUS-1E)

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星20-019)

-

同上

2025年4月

人工衛星の管理許可

(PYXIS-R)

※GRUS-3αの研究開発名称

内閣府

内閣総理大臣許可

(衛星25-009)

-

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年4月

無線局免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関実第40571号)

2029年5月9日

(5年毎の更新)

免許人である株式会社アクセルスペースの代表者又は役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものが、日本国籍を有しない人や外国法人となるときの免許の取消(外資規制)。

なお、親会社である株式会社アクセルスペースホールディングスはこの外資規制の対象にならないことを総務省に確認しております。

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第581号)

2027年11月30日

(5年毎の更新(注1))

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第591号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第592号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第593号)

2027年11月30日

(注1)

同上

2023年2月

無線局免許

(人工衛星局)

総務省

総務大臣免許

(関宇第594号)

2027年11月30日

(注1)

同上

 

 

取得年月

許認可等の 名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2024年3月

無線局免許

(地球局)

総務省

総務大臣免許

(関地第60595号)

2028年11月30日

同上

2025年4月

無線局予備免許

(実験試験局)

総務省

総務大臣免許

(関通陸三第24-00092227号)

2025年10月1日

同上

2019年7月

宇宙物体登録

内閣府

2018‐111Q

-

取消要件ではありませんが、停波・デオービット・軌道再突入時には「宇宙物体登録に係る届出マニュアル」変更届出が必要とされております。

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022B

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022C

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022D

-

同上

2022年11月

宇宙物体登録

内閣府

2022‐022E

-

同上

2024年9月

一般包括役務取引許可

経済産業省

BIT-M-WGL-24-S10097

2027年9月15日

許可条件を満たさなくなった場合又は国政的な平和及び安全の維持の観点から必要があると認めるときは許可の取消。

2023年8月

一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可証

経済産業省

MBIT-WGL-23-

S10108

2026年8月9日

同上

(注)1.法律上の期間の上限は5年となっておりますが、電波法施行規則により、人工衛星局ごとではなく、すべての衛星局が一斉に更新期を迎えることになります(一斉再免許)。直近では2027年11月30日に一斉再免許が予定されております。

 

 上記以外に、製造業者が遵守すべき法令として、民法、製造物責任法、関税法、知的財産関連法(知的財産基本法、特許法、著作権法、不正競争防止法等)の適用を受けており、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループはこれらの法令を遵守しており、今後も適宜所管官庁と適切に協議を重ねる等して適用法令を遵守してまいります。

 しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、アクセルスペースホールディングスグループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)知的財産の侵害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループは、特許権、著作権、商標権、その他知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。また、自社の技術やサービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産の保護を図るとともに、他者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産調査を行う等、注意を払っております。

 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。ただし、今後何らかの事情によって、アクセルスペースホールディングスグループに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、当該状況になった場合には、結果によりアクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)情報漏洩について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、社員及び顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。さらに、アクセルスペースホールディングスグループでは、地球観測衛星データを含む重要情報を保有しており、当該情報がシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合、及び当該情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他対応に係るコスト負担等により、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、地球観測衛星データの取得・提供サービスの運用に障害が生じる可能性があります。

 アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクへの対策として、社内ネットワークに接続できる機器をセキュリティソフトウエア導入済のものに限定すること、アクセス制御における多段階認証、統合されたID管理、クラウドサービスやWebへのアクセスを制限・監視するツールの導入などにより、厳格な情報管理を行っております。

 しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、技術流出やサービスに障害が発生する可能性があります。

 こうした事態が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下、損害賠償、セキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があり、アクセルスペースホールディングスグループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)資金調達リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:1年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループにおいては、事業活動を維持拡大するために、今後も多額の研究開発投資が必要となり、また、想定を上回る投資の増加、事業環境の変化へ対応可能な資金確保が事業上重要となります。

 「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のアクセルスペースホールディングスグループビジョンである「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」の実現のために、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造・運用技術への先行投資等、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業の様々な領域での研究開発の必要性が生じ、継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があります。

 しかしながら、アクセルスペースホールディングスグループが将来において想定する資金調達ができない場合や、希望する条件での資金調達ができない場合等には、アクセルスペースホールディングスグループがキャッシュ・フロー不足に陥る可能性、事業を拡大・成長させるために必要な投資を行うことができない可能性や、アクセルスペースホールディングスが財務制限条項を遵守できなくなる可能性があり、これにより事業計画の一部を遅延又は断念することになり、アクセルスペースホールディングスグループの競争力に悪影響が及ぶおそれがあります。

 また、今後において継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があるところ、継続的な資金調達のためにアクセルスペースホールディングス株主に希薄化をもたらす株式発行が繰り返し行われる可能性や借入による調達を行う場合には、財務制限条項その他の条項により、アクセルスペースホールディングスグループの事業活動が制約される可能性があります。

 

(23)継続企業の前提に関する重要事象等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:低)

 アクセルスペースホールディングスグループは、2025年5月期第3四半期連結累計期間において、継続的に営業損失を計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 この主たる要因は、2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業における研究開発費の先行投資により、投資回収までに期間を要するためであります。

 このような事象又は状況を解消するために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のどおり、アクセルスペースホールディングスグループでは手元流動性確保のため、以下のとおり第三者割当増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施しております。

 

 2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:169,053千円)

 2023年12月:総額6,240,597千円の第三者割当増資による調達

 2024年9月:株式会社みずほ銀行と2,000,000千円の借入契約を締結

       (当第3四半期連結会計期間末の実行額:321,966千円)

 

 当該資金調達により当第3四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は2,013,895千円となっており、さらに2025年3月26日付で株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結し実行しています。また、本公募増資を含めた株式市場からの資金調達や銀行からの融資等を通して、資金調達手段の確保・拡充・多様化を図っております。

 この結果、当面の事業運営に必要な資金を確保しているため、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(24)財務制限条項について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループの借入金のうち、2024年9月26日契約の株式会社みずほ銀行からの総借入枠20億円、及び2025年3月26日契約の株式会社三井住友銀行からの借入40億円には、以下の財務制限条項が付されておりますが、2025年2月末時点で当該条項に抵触しておりません。しかしながら、アクセルスペースホールディングスが将来において財務制限条項に抵触した場合、アクセルスペースホールディングスの期限の利益を喪失させる権利を行使した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当第3四半期連結会計期間末において連結貸借対照表の純資産が3,911,858千円であり、2025年5月末時点においても連結貸借対照表の純資産を正の数値で維持する予定であります。今後、上場時点のエクイティ調達額が30億円を下回る場合、財務制限条項に抵触する可能性があります。

 

(借入1) 主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:設備資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:7年

コミットメント期間:2024年9月30日~2026年9月30日

返済期限:2031年9月30日

担保設定:打上保険等でアクセルスペースホールディングスが有する保険金請求債権

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入2)主要な契約条件:

借入先:株式会社みずほ銀行

総借入枠:1,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利

契約期間:1年(2回の期間1年の延長オプション)

返済期限:2025年9月30日

担保設定:無担保・無保証

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。

b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。

c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。

 

(借入3)主要な契約条件:

借入先:株式会社三井住友銀行

借入額:4,000,000千円

資金使途:運転資金

借入利率:基準金利+スプレッド

契約期間:4年

返済期間:2026年4月28日~2029年3月28日

最終返済期限:2029年3月28日

担保設定:無担保

財務制限条項:

a.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること

b.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の現預金の金額を、20億円以上に維持すること

c.2025年5月期決算以降、各事業年度末における投資キャッシュ・フローの金額を一定金額の範囲内にすること

d.2026年5月末日までに、株式公開を行うか、または30億円以上のエクイティ性の資金調達を行うこと

 

 また、アクセルスペースホールディングスグループは今後も更なる成長のために旺盛な資金需要があり、その手段として追加的に金融機関からの借入その他の負債性の資金調達を行う可能性があります。係る資金調達を行う場合には、多額の支払利息の負担及び信用リスクの拡大によりアクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、借入契約等において、連結財務諸表における利益や純資産の維持、一定の現預金やキャッシュ・フローの確保等に関する財務制限条項が付されることがあり、仮に条項に違反した場合には、当該契約の期限の利益を喪失することが予測され、アクセルスペースホールディングスグループの存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(25)公募増資による調達資金使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:中)

 東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により調達した資金の使途につきましては、主に自社人工衛星の開発・製造に係る運転資金等に充当する予定であります。しかし、アクセルスペースホールディングスグループが属する業界の急速な変化により、当初の計画どおりに資金を使用した場合でも、想定どおりの投資効果をあげられない可能性があります。また、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性があります。当該リスクを踏まえ、アクセルスペースホールディングスグループを取り巻く経営環境の変化について適時その動向を注視し、公募増資による調達資金の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。

 

(26)有利子負債について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、事業規模拡大に伴い必要となる「GRUS-3」や高分解能衛星をはじめとする自社衛星の開発・製造を行うための設備投資資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。アクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、第5期連結会計年度末において888,218千円となっており、総資産に占める有利子負債への依存度は、第5期連結会計年度末において12.1%となっております。また、第6期第3四半期連結会計期間末においてアクセルスペースホールディングスグループの連結有利子負債残高は、1,141,020千円、総資産に占める有利子負債への依存度は19.4%であり、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (3)重要な資金の借入に関する契約」に記載のとおり、三井住友銀行より2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しておりますため、有利子負債依存度は高まる見込みです。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化、急激な金利上昇等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。アクセルスペースホールディングスグループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、現状では財務安全性を最優先に考え、資金使途を詳しく吟味したうえで、アクセルスペースホールディングスグループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。

 

(27)為替相場の変動について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、衛星部品の一部を海外より購入しており、また衛星の打上げについて海外業者を利用しております。一方、売上については一部海外との取引があるものの、アクセルスペースホールディングスグループの資金調達は日本円が重要な部分を占めることが想定されるため、急激な為替相場の変動、特に円安が進んだ場合には、衛星部品の購入等で使用可能な金銭の額が実質的に目減りすることや、アクセルスペースホールディングスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(28)システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスグループは、業務運営に必要な情報システムについて適正に管理し効率的な運用を図っておりますが、予期せぬサイバー攻撃、コンピュータウイルス、ソフトウエアやハードウエアの障害、自然災害、その他不測の事態が生じることなどによりシステムトラブルが発生した場合や、第三者によるデータの不正使用等が生じた場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(29)配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:小)

 アクセルスペースホールディングスグループは、株主に対する利益還元と、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題としております。現状においてアクセルスペースホールディングスグループは成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえないため、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では将来の成長のための研究開発投資等に充当し、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

 将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(30)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大)

 大規模な地震や、台風、洪水及び宇宙天気の変動などの自然災害、伝染病の蔓延や事故、テロや戦争による国際政治の混迷、資本市場の混乱による経済危機等、不測の事態が発生した場合には、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛星の打上げ施設や部品サプライヤーが自然災害等により損害を被った場合にも、アクセルスペースホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(31)税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 第5期事業年度末には、子会社に税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、アクセルスペースホールディングスグループの当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(32)業績の季節的変動について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの四半期ごとの収益は、受託案件の納品・検収タイミングやプロジェクトの進捗状況などの要因により大きく変動する可能性があり、特に第4四半期において売上高が多額となる傾向にあります。アクセルスペースホールディングスグループでは、当該季節的要因及び過年度実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、プロジェクトの計画遅延、予期せぬ問題の発生などにより、アクセルスペースホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(33)四半期或いは事業年度の収益変動による株価変動リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの収益は、様々な要因により四半期或いは事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。例えば、受注案件における進捗状況や打上げなどのイベントの発生、人工衛星の故障など予期せぬ問題の発生、経済や市況の悪化などの要因により、アクセルスペースホールディングスグループの収益は影響を受ける可能性があります。

 また、政府系案件においては、プロジェクト期間中に実施される審査の結果や開発進捗を踏まえた計画変更の発生などにより、プロジェクトに関連する収益の減少が生じた場合、アクセルスペースホールディングスグループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 これらの収益変動の結果、収益が市場の期待を下回る水準となった場合、アクセルスペースホールディングスの株価は大きく下落する可能性があります。

 

(34)減損損失に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループでは、事業の遂行において、人工衛星やその製造設備、ソフトウエアなどの無形固定資産などのさまざまな資産に投資を行う可能性があります。連結貸借対照表に計上された固定資産については、市場や競争環境の変化などの影響により、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきと判定される可能性があり、減損損失を計上する場合には、アクセルスペースホールディングスグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(35)株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中)

 アクセルスペースホールディングスグループの事業においては、将来の研究開発活動の拡大により、増資を含めた機動的な資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、アクセルスペースホールディングスの発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 また、アクセルスペースホールディングスグループではアクセルスペースホールディングス及び子会社の取締役、アクセルスペースホールディングス及び子会社の従業員に対し、アクセルスペースホールディングスグループの長期的な業績向上のインセンティブとして、ストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は5,396,000株であり、発行済株式総数43,390,000株の12.44%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、アクセルスペースホールディングスの株式価値が希薄する可能性があります。

 

(36)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:数年以内、影響度:大)

 アクセルスペースホールディングスの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在59.5%であります。アクセルスペースホールディングスの株式公開後において、アクセルスペースホールディングスの株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合には、株式市場におけるアクセルスペースホールディングス株式の需給バランスが短期的に損なわれ、アクセルスペースホールディングスの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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