(1)ダイトグループの事業の内容について
ダイトグループは、ダイト、連結子会社であるDaito Pharmaceuticals America, Inc.及び大桐製薬(中国)有限責任公司によって構成されており、原薬及び製剤(医療用医薬品・一般用医薬品)の製造販売及び仕入販売、原薬及び製剤に係る製造受託、並びに健康食品他の販売を主な事業としております。
なお、ダイトグループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、販売品目毎の内容を記載しております。
<ダイトの主な販売品目>
① 原薬…原薬とは医薬品(注1)を製造するための原材料(医薬品原料)であり、ダイトグループはその製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。
② 製剤…ダイトグループは、医療用医薬品(注2)や一般用医薬品(注3)の製剤の製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。
(注1) 医薬品(薬)とは、化学物質が生体に作用する性質を、人間や動物の病気を治すための道具として利用したものであり、原薬とは、このような性質を持っている化学物質自体のこと。原薬は少量で高い薬理効果を示す場合が多いものの、この少量の原薬だけを正確に服用することはまず不可能なため、これらに乳糖やでん粉などの添加剤を加えて溶け易く、または吸収しやすく、あるいは使いやすい量・嵩にすることによって、その化学物質が最も有効に働きやすい形に加工されます。この加工されたものは製剤(錠剤や顆粒剤等)と呼ばれ、これらに必要な包装や表示がなされると、医薬品(薬)となります。
なお、医薬品の一般的な製造工程の概要は以下のとおりであります。
(注2) 医療用医薬品とは、病院や診療所が発行する処方箋に基づいて処方される医薬品のこと。
医療用医薬品は、大別して新薬(先発品)とジェネリック医薬品(後発品)に分けられます。
先発品は、化合物の特定・薬理活性(薬理効果)の特定動物による毒性の確認などの基礎データから、人による有効性・安全性のデータ、さらには有用性のデータを揃えて申請し、承認・許可・発売に至るまでに多額の費用と十数年の歳月を要します。
一方、後発品(ジェネリック医薬品)は、先発品の特許が切れた後に他の製薬会社が承認・許可を得て製品化でき、同じ有効成分、同等の効き目、安全性をもち、研究開発費が少額ですむため、薬価が先発品より低く設定されております。
(注3) 一般用医薬品とは、薬局や薬店で販売され、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のこと。大衆薬やOTC(Over The Counter)医薬品などとも呼ばれております。
③ 健康食品他…健康食品や、医薬部外品等の医薬関連商品。
(2)ダイトグループの事業の特徴
① 医薬品業界におけるダイトグループの位置づけ
ダイトグループは、設立から今日に至るまでに培った豊富な経験と技術を活かし、医薬品原料である原薬の製造・販売に加え、製剤の製造・販売も行っており、原薬から製剤までの一貫した製造が可能な体制のもと、国内外の医薬品メーカーと幅広く取引を行っております。また、自社開発品や他の医薬品メーカーとの共同開発品の製造・販売並びに国内大手メーカー等からの製造受託を積極的に行っており、先発品からジェネリック医薬品までの医薬品業界における多様なニーズに対応できる事業展開を行っております。
② 原薬
自社開発品や共同開発品の製造・販売並びに他社商品の取り扱いを行っており、国内外の医薬品メーカー・医薬品原料メーカー・商社と幅広く取引しております。
医薬品(新薬)の開発において、医薬品原料となる原薬の製造工程等については、当該医薬品の特許等とも密接に係わるため、大手新薬メーカーにおいて、特に、特許期間中は、当該医薬品の原薬の生産について、基本的に大手新薬メーカー及びグループ会社等において、生産を行うのが一般的である一方、ジェネリック医薬品については、特許が切れていること、ジェネリックメーカー(ジェネリック医薬品の製造販売業者)として、幅広いジェネリック医薬品を効率的に取り揃える必要性等から、原薬を自社で製造せず、他社から購入することが一般的であるとダイトグループでは考えております。
このような医薬品業界の原薬に対する方針により、ダイトグループはジェネリックメーカーを中心として、主に自社開発の原薬を供給しております。
また、近年、わが国においては、高齢化社会の進展に伴い、国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、医療費を抑制するための政府の重点施策としてジェネリック医薬品(後発品)の使用促進が行われております。2017年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。2024年4月~2025年3月期には数量シェアが86.5%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。
このようなジェネリック医薬品の市場動向から、ダイトグループでは、大量生産から少量多品種生産に対応できる生産設備を保有し、国内大手から中小のジェネリックメーカーに至る幅広いニーズに対応しております。
③ 製剤
国内大手メーカー等からの先発品の製造受託を積極的に行っており、またジェネリック医薬品市場に対応するため、ジェネリック医薬品の開発・製造も行っております。
また、2005年の改正薬事法施行により、新薬メーカーは、生産設備を自社で持たなくても新薬の承認を受けることが可能となりました。これにより、多額の研究開発費を投じて新薬開発に取り組んでいる新薬メーカーは、効率的な事業展開を図るため、研究開発と販売に財源と人材を集中させ、製造をグループ外の中堅メーカーに全面的に委託するニーズが高まってきているものとダイトグループでは考えております。
このような中、ダイトグループでは、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)はもとより、FDA(米国食品医薬品局)及びEMA(欧州医薬品庁)の要求する基準をも充足しております。医薬品の製造において最も重要視される品質管理能力を高めることで、大手新薬メーカーからの信頼を獲得するとともに、多様な剤形に対応しうる生産設備を保有することで、大手新薬メーカーからの製造受託を行うことが可能になっております。
④ 研究開発、生産及び営業体制
ダイトグループでは、原薬及び製剤を幅広く生産可能な体制を構築しております。これにより、原薬から製剤に至る多くの情報収集が可能となっており、研究開発活動に役立てております。
また、ダイトグループでは、研究開発及び製造に経営資源を集中させるため、MR(医薬情報担当者)を有さず、医療機関への営業行為を行っておりません。そのため、ダイトが開発したジェネリック医薬品については、当該医薬品の薬効領域で強い販売力を持っている医薬品メーカーと製品毎に連携し、販売・販促活動を依頼しております。
ダイトグループの事業系統図は次のとおりであります。
[事業系統図]
※1 ダイトは、2025年6月1日付で連結子会社である大和薬品工業株式会社を吸収合併しております。
※2 Daito Pharmaceuticals America, Inc. はダイト製品の米国への輸出業務の支援を目的として、2008年6月に設立され、現在は市場調査等を行っております。
※3 大桐製薬(中国)有限責任公司は、中国市場での医薬品製剤の販売と、ダイトの医薬品製剤の製造受託を目的として、2012年9月にダイトの子会社としております。
※4 株式会社フェルゼンファーマは、日本国内における医薬品製剤の販売チャネルの多様化を目的として、2017年9月に出資しております。
※5 千輝薬業(安徽)有限責任公司及び安徽鼎旺医薬有限公司は、中国市場での原薬・製剤の販売強化を目的として、2024年8月に出資比率を引上げております。
(1)会社の経営の基本方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてダイトグループが判断したものであります。
ダイトグループは、顧客及びステークホルダーから選ばれ続ける企業を目指し、社是、経営理念、行動指針のもと、法令を遵守し、地球環境への配慮も行いながら、高品質な医薬品の安定供給に努め、人々の健やかな生活に貢献することを願って事業活動を展開しております。今後においては、更なる品質の向上を図るとともに、医薬品の新たな分野、新たな技術への挑戦を行い、世界を舞台として優れた医薬品を提供する企業に成長することを目指しております。
(社是)
創造 闘志 誠実
一、アイデアをもち考える人間
一、実行力と根性のある人間
一、自分は企業を守る人間
(経営理念)
社員が「楽しい会社、楽しい仕事」を実感できる働きやすい職場を作り、健康な社会作りに貢献し、選ばれ続ける企業を目指します。
・「楽しい会社」とは
社員自らの成長と会社の成長が連動し、いきいきと楽しく仕事ができる会社
・「楽しい仕事」とは
病を治したい患者さんや健康を求めるお客様に役立つように、社会に対して製品を供給する喜びを味わえる仕事
(行動指針)
経営理念のもと、選ばれ続ける企業を目指します。
・誠実な姿勢 法令を遵守し、公正、公平に活動します
・みなさまからの信頼 更なる品質の向上とお客さまへの確実な供給を行います
・社会への貢献 日々の活動を通し、みなさまを支えます
・環境との調和 環境に配慮し、地球とともに歩みます
・更なる挑戦 新たな分野、新たな技術へ挑戦します
・世界への飛躍 世界を舞台として優れた医薬品を提供します
(2)中長期的な会社の経営戦略
ジェネリック医薬品業界の見通しにつきましては、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施され、ジェネリ
ック医薬品の普及が拡大して参りました。一方で、毎年薬価改定が実施され、薬価の切り下げを中心とした社会保
障費抑制策を受け、日本の医薬品市場は今後厳しい状況で推移するものと予想されます。
今後、医薬品業界・ジェネリック医薬品業界を取り巻く環境が厳しさを増すものと予想されるなか、ダイトグルー
プは中長期的な視点にたってビジョンを実現する必要性を強く認識し、前回策定の「3カ年中期経営計画2025」を
1年オーバーラップした形でローリング改定した中期経営計画「DTP2027」を策定し、2027年5月期には連結売上高
57,000百万円、連結営業利益6,000百万円を目指しております。
事業戦略としての柱は、次の通りであります。
・既存ビジネスの効率化
・中国ビジネスの強化
・新規ビジネスへの参入
・PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化
・人的資本への投資
経営数値目標は、次の通りであります。
2025年5月期目標
・連結売上高 49,000百万円
・連結営業利益 3,500百万円
(*2025年5月期の想定為替レートは150円/1㌦としています。)
(3)目標とする経営指標
ダイトグループは、持続的な成長を支えるための本源的な収益力の強化と安定的且つ積極的な株主還元を図る観点から、重要な経営指標として、売上高や、EBITDA、一気通貫比率※1、CCC※2、ROIC※3、ROE、DOE※4を採用いたしました。
※1 : [ 開発中の自社製造または自社製販ジェネリック品目のうちグループ内原薬を使っている成分数 ] /
[ 開発中の自社製造または自社製販ジェネリック品目 成分数 ]
※2 : 債権流動化影響を除いた資金化日数
※3 : (税引後営業利益+持分法投資損益) / (期首期末平均有利子負債+期首期末平均株主資本)
※4 : 配当金総額 / 期末株主資本
(4)経営環境
ダイトグループは、医薬品の原料である原薬から最終的な製剤までの製造・販売を幅広く行うことにより、医薬品業界における様々なニーズに応え、信頼をかちえてきました。
しかしながら、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施されております。薬価の切り下げを中心とした社会保障費抑制策を受け、日本の医薬品市場は今後厳しい状況で推移するものと予想されます。
ジェネリック医薬品についても、国のジェネリック医薬品使用促進策が進められたことにより普及が拡大し、需要が増加する一方、安定供給体制および品質管理体制の強化が求められております。
今後、医薬品業界・ジェネリック医薬品業界を取り巻く環境が厳しさを増すものと予想されるなか、今後ダイトグループが更なる成長を遂げるため、以下の事項が重要な課題であると認識しております。
(5)気候変動への対応:TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示
異常気象による災害の増加・激甚化など、気候変動は事業に大きな影響を与える事象となっています。このた
め、機関投資家を中心とするステークホルダーは、企業に対して、気候変動に関するリスクと機会を特定し、それ
らが事業に与える影響を評価した上で、重要なリスクの顕在化を防ぎ、重要な機会を享受するための対応を求めて
います。ダイトグループにおいても、長期的な観点から気候変動によるリスク・機会と事業への影響を把握して、負
の影響を低減するなどの対応に取り組むことの重要性を強く認識しており、2021年12月にワーキンググループを立
ち上げ、TCFD提言の枠組みに沿ったシナリオ分析を開始しました。以降、気候変動に関するリスク・機会に関し
て、定性的な評価を経て、複数のシナリオ下での定量的な財務影響の評価まで行っています。今後、具体的な対応
策の検討・立案等を進め、取組みの強化と情報開示の充実を図っていきます。
①ガバナンス
ダイトでは、気候変動に関するリスクと機会の特定と対応策、並びに経営戦略への統合方針や財務計画の素案の策
定を、TCFD提言への対応のためのワーキンググループが行い、この結果を経営会議で審議・決定し、取締役会で承
認する体制を取っています。当該ワーキンググループには、関連主要部署の執行役員及び責任者がメンバーとして
加わっており、全社的なリスクマネジメントの一環として取組みを進めています。
②戦略
気候変動に関するリスク・機会については、上述のワーキンググループにおいて、「気候シナリオ分析」による
検討を進めています。2022年5月期は、気候変動に関するリスク・機会の定性的な評価を行い、キードライバー
(ダイトの事業に大きな影響を与える可能性のある要因)を特定しました。2023年5月期は、それに続くステップと
して、「シナリオ群の決定」と「定量的な財務影響の評価」を行いました。詳細は以下のとおりです。
■シナリオ群の決定について
・主要な国際機関(IEA, IPCC等)、環境省、気象庁などの公的機関や、研究所、NGO等が公表している情報に基
づいた以下の2つのシナリオを前提に、シナリオ分析を行いました。
◇1.5℃シナリオ…脱炭素社会への移行が進み、平均気温の上昇が1.5℃に抑えられる世界観。脱炭素に向けた政府による規制や政策が強化されるとともに、顧客の製品・サービスに対する志向も変化し、企業の気候変動対応が強く求められることから、移行リスクが高まると想定されます。一方で、気候変動による自然災害の激甚化や増加は一定程度抑制され、物理的リスクは相対的に低いと推測されます。
◇4℃シナリオ …脱炭素社会への移行が進まず、平均気温が4℃以上上昇する世界観。気候変動による自然災害の激甚化、海面上昇、異常気象の増加など、物理的リスクが高まると想定されます。一方で、政府による規制強化が積極的に導入されないなど、移行リスクは低いと推測されます。
・更に、1.5℃と4℃シナリオに整合する、ダイトが定性的に重要であると判断した気候関連リスク・機会が顕在
化した際の影響を変化させるキードライバー(パラメータ情報など)を公表されている情報から特定しており
ます。
■定量的な財務影響の評価:
・上記の2つのシナリオに基づき、ダイトが定性的に重要と評価した気候関連リスク・機会がダイトの事業や財務状
況に与える潜在的な財務影響額を定量的に推算しました。その結果は次ページ表のとおりです。
・なお、以下の気候関連リスク・機会は、定量的な財務影響の評価の結果、事業や財務状況に与える影響が相対的に小さいと判断し、重要な気候関連リスク・機会から除外しています。
* 急性的な物理的リスクのうち、「大雪の激甚化」によるリスク
* 慢性的な物理的リスクとしての「地下水使用量の規制下における冷却水の利用増加」
* 「顧客企業における脱炭素推進に伴う、外注部分の内製化による生産場所の適正化、技術供与による高付加
価値化の需要増加」による機会
重要な気候変動に関連するリスク・機会は以下の通りです。
③リスク管理、指標と目標
上記により、事業に与える影響が重要であると特定された気候関連リスクについては、優先順位を考慮の上、その影響を顕在化させないための対応策を検討・立案し、ダイトグループの経営戦略に反映していく方針です。
ダイトグループでは、GHG排出量の削減目標の設定に際し、Scope1、Scope2及びScope3をモニタリング指標として採用しています。2024年5月期のGHG Scope1排出量、Scope2排出量及びScope3排出量の実績は、以下のとおりです。
Scope1排出量(連結): 9,102 t-CO2
Scope2排出量(連結):19,303 t-CO2
Scope3排出量(ダイト単体):145,454 t-CO2
〔Scope3排出量のカテゴリ別の内訳〕
|
カテゴリ |
GHG排出量(t-CO2) |
割合(%) |
|
1 購入した製品・サービス |
107,599 |
74.0 |
|
2 資本財 |
29,395 |
20.2 |
|
3 Scope1, 2に含まれない燃料及びエネルギー活動 |
3,745 |
2.6 |
|
5 事業から出る廃棄物 |
4,426 |
3.0 |
|
6 出張 |
194 |
0.1 |
|
7 雇用者の通勤 |
95 |
0.1 |
|
合計: |
145,454 |
100.0 |
今後は、長期的なGHG削減目標の設定も行い、単年度ごとに進捗状況の評価を行っていく方針です。併せて、Scope3排出量の算出強化も行っていきます。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中期経営計画2027(注1)(DTP2027 : Daito Transformation Plan 2027) におきまして、ダイトグループは、ダイトグループを取り巻く環境及び課題を下記の通りと認識しております。
<政策及び規制面>
・毎年薬価改定や選定療養の導入などの医療費及び薬剤費抑制策の進展
・安定供給体制に対する評価と少量多品種生産の是正のための方策検討の進展
・ニトロソアミン類(注2)対応を始めとする品質基準の更なる高まり
<業界動向>
・長期化する供給不安問題と顧客からの安定供給への評価の高まり
・ファンドや医薬品卸も含めた合従連衡の幕開けと、新薬兼業や外資のジェネリックビジネス縮小(撤退)の流れ
・中国やインド産を始めとする輸入原薬との激しい競合
<金融資本市場>
・資本コストと資本生産性を重視した経営への転換(PBR1倍割れ脱却に向けた対応策の開示要請)
・常態化する歴史的な円安水準と、高騰する輸入原料、ユーティリティ及び建築費
・日銀の金融政策正常化に伴う長短金利の上昇
また、ダイトグループは、ダイトグループの相対的優位性は、大きく下記の要素にあると認識しております。
・原薬から製剤までの「一貫製造」
・一貫製造体制を日本・中国の両国に有することによる「日中連携」
・FDA(米国食品医薬品局)査察を継続的にクリアする業界トップクラスの「品質管理体制」
・上記品質管理体制に裏付けられた高い「安定供給力」
以上を踏まえて策定されました、新中期経営計画 DTP2027 におけるダイトグループの事業戦略の5つの柱は下記のとおりです。
|
①既存ビジネスの効率化 ②中国ビジネスの強化 ③新規ビジネスへの参入 (オーファン新薬アライアンス) ④PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化 ⑤人的資本への投資 |
各事業戦略の概要は下記のとおりです。
① 既存ビジネスの効率化
これまでダイトグループは「全方位ビジネス」を掲げ、ジェネリック医薬品を中心に多種多様の医薬品・原薬を生産することにより、規模拡大を目指してまいりました。この「全方位ビジネス」は売上高の増加や、経営リスク分散の観点からは有効な施策ではありましたが、その反面、多くの製品とビジネスモデルによって利益構造の把握が複雑化し、また、各部署において応急的に増員が続く状況を招いているという課題があります。
本課題解決のために、社長直轄の「ポートフォリオマネジメント部」(以下「PM部」)を新設し、このPM部が中心となって、既存製品に対する「選択と集中」を推進し、空いた生産キャパシティ、人的キャパシティにて高付加価値製品を生産することにより利益率の向上を目指します。
このほか、既存ビジネスの効率化の観点では、以下の施策を推進して参ります。
・生産の効率化及び品質保証の強化
・開発戦略の抜本的な見直しと研究テーマの実現
・原薬製造4拠点の役割分担と最適化
② 中国ビジネスの強化
ダイトグループは、下表のとおり、およそ15年に亘って中国企業への出資を通じて、中国における原薬・製剤の生産ビジネスを推進して参りました。そして、ダイトグループはこの日中連携の優位性を活かし、中国において「日本品質・中国コスト」の原薬・製剤を生産し、これを日本市場にて販売しております。
|
出資年 |
出資先企業名 |
業態 |
|
2010年 |
千輝薬業(安徽)有限責任公司 |
原薬メーカー |
|
2012年 |
安徽微納生命科学技術開発有限公司 |
製剤メーカー |
|
2019年 |
安徽鼎旺医薬有限公司 |
原薬メーカー |
従来、中国のジェネリック医薬品市場は、その薬事承認ルールの独自性及び曖昧さと、低価格メーカーの乱立ゆえに、日本企業の進出は困難とされておりました。しかし、近年になって承認ルールが明確化され、また、中国政府が導入した集中購買制度において、品質基準、安定供給体制、環境規制対応が強く求められるようになった結果、ダイトグループが15年かけて培ってきた「日本品質・中国コスト」「潤沢な現地生産リソースに由来する安定供給体制」「環境規制対応」という強みがダイレクトに中国市場で活かせる状況に変化してきております。
この状況を踏まえ、今般、ダイトグループでは、千輝薬業及び鼎旺医薬との資本業務提携の強化を図り、現在12%である出資比率を21%まで引き上げ、今後、ダイトグループと、千輝薬業及び鼎旺医薬との強力な連携を通じて、中国市場での原薬・製剤の販売を強化して参ります。
現在、子会社の大桐製薬(中国)有限責任公司では、2品目の中国国内向けジェネリック医薬品の中国当局への承認申請を行っており、また、2027年5月期中までに約11成分の中国国内向けジェネリック医薬品の受託製造を検討中であり、グループ内での収益の柱の一つとなることが期待されております。
③ 新規ビジネスへの参入 (オーファン新薬アライアンス)
これまでのダイトグループの成長を支えてきた国内ジェネリックビジネスは、政府目標である数量置換率80%に達し、将来の成長が鈍化することが予測される中、毎年薬価改定に伴う単価の下落による売上、利益率の低下や、生物学的同等性試験の難易度の上昇などにより、安定して利益を上げ続けることが困難になりつつあります。
そこで、ダイトグループでは「新規ビジネスの参入」の一形態として、オーファンドラッグの開発・受託の分野を開拓して参ります。
オーファンドラッグは国内外で大きな市場の伸びが期待され、ジェネリックに比較して薬価の下落が発生しづらいという特長があります。
ダイトグループの米国FDA対応のノウハウを生かし、パートナー企業より、日米欧の市場を視野に入れた製品の開発・受託を請け負います。
そのパートナー企業とのアライアンスの一例と致しまして、ダイトグループは、2024年6月18日付でオーファンドラッグの開発で国内トップクラスの実績を誇るノーベルファーマ株式会社との「パートナー関係構築に向けた協定」を締結いたしました。今後、ノーベルファーマ株式会社とダイトグループは、補完関係にある両社の強みを持ち寄り、オーファンドラッグビジネスを推進して参ります。
④ PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化
ダイトグループの株価はPBR1倍割れの状態が継続しており、資本市場からの信頼と評価は高いものとは言えない状況です。その原因の1つに、社内の資本コストに関する意識が高いとは言えない状況にあったことが挙げられます。
これを受け、ダイトグループでは、この度の新中期経営計画 DTP2027において、日米の金融業界での経験と米国での修士号取得者を新たにCFOとして登用することといたしました。また、当該CFO傘下に財務部、経営企画部、DX推進部を集約し、資本コストを加味した投資判断フレームワークを策定、国内外の投資家の皆様との対話の強化を図ってまいります。
また、新中期経営計画 DTP2027においては、価値の創造に繋がる数値目標である KGI (Key Goal Indicator)を設定、対外的に公表するとともに、社内各事業本部に、これらのKGIの達成のために必要な KPI (Key Performance Indicator)を設定し、社内目標として活動して参ります。
なお、KGIのうち、資本生産性指標としてはROICとROEを採用しております。
⑤ 人的資本への投資
ダイトグループでは、新中期経営計画 DTP2027 の①~④の課題解決を支える基礎として、人的資本への投資を、最後の事業戦略の柱として設定致しました。
ダイトグループの最大拠点である富山県では人口が減少し、採用競争が激化する傾向にあり「選ばれない企業」は将来的に事業の継続が困難になることが懸念されます。
業務効率化及び人材確保の観点から、柔軟な働き方を可能とするITインフラの整備と非効率業務の廃止を推進するとともに、キャリアパスプログラムの充実を図り、重要な社内プロジェクトへの積極的な若手の登用を通じて、次世代後継者を育成してまいります。
また、②中国ビジネス強化の観点からも、海外拠点への派遣、及び海外拠点からの受け入れを通じ、グループ全体としてグローバルマインドの醸成を図り、また組織体制の強化を図っていく方針であります。
(注1)詳細はダイトWebサイトに掲載の「2024年7月17日付 2024年5月期 決算説明会資料」をご覧ください。
https://www.daitonet.co.jp/ir/library.html
(注2)発がん性物質の一種。近年、複数の医薬品に混入していることが確認され、各国当局から、その含量が基準値以下であることを確認したり、その混入リスクに関する自主点検を行うといった要請がなされております。
以下において、ダイトグループの事業展開上のリスク要因となる可能性についての主な事項を記載しております。また、ダイトグループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいはダイトグループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。ダイトグループは、これらのリスク発生可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが本株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において、ダイトグループが判断したものであります。
また、以下の記載は、ダイト株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(1)ダイトグループの事業内容について
ダイトグループは、①原薬の製造販売及び仕入販売、②他社開発の製剤の製造受託並びに③自社開発または共同開発による製剤の製造販売を主幹事業としております。
① 原薬の製造販売及び仕入販売
原薬の各品目は、基本的にはそれぞれ顧客が製造する特定の製剤の品目と紐付いて継続的に販売されますが、その販売量は当該製剤の市場での販売動向及び顧客の生産量調整による影響を受けます。また、ダイトグループの顧客であるジェネリックメーカー等の医薬品開発戦略の変更や原薬製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、後述のとおり、ダイトグループは新薬メーカー等からの製造受託を行っているため、当該受託品目に関連するジェネリック医薬品向け原薬に係る受注が制約される場合があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは常に市場の動向を把握し、顧客との連絡を密に取り顧客の生産調整、開発戦略及び製造委託に係る方針転換について情報収集に努め、販売減少のリスクを低減すると共に、市場及び顧客のニーズに対応する製品の提案を行い、販売の拡大に努めております。
② 他社開発の製剤の製造受託
他社開発の製剤の製造受託に係るダイトグループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤に係る顧客の販売方針による影響を受けます。また、ダイトグループの顧客である製薬会社の医薬品開発戦略の変更や医薬品製造の内製化等の製造委託に係る方針転換等があった場合には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは常に製剤市場の動向の把握及び顧客の販売方針の情報収集を行い、市場及び顧客のニーズに対応する製造、品質管理体制の整備に努め、製造受託を獲得するための活動を行っております。
③ 自社開発または共同開発による製剤の製造販売
ダイトグループは大手医薬品販売業者や医療機関向けの営業を行っていないことから、製剤の自社開発を行う場合、その販売を担う、競合品を取り扱っていない他の医薬品メーカー等を確保する必要があります。したがって、そうした医薬品メーカー等を確保できない場合等においては、自社開発の医薬品製造販売を行うことができない可能性があります。また、自社開発または共同開発による製剤の製造販売に係るダイトグループの収益は、当該製剤の市場での販売動向及び当該製剤の販売を担う医薬品メーカー等の販売方針に影響を受けます。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは販売を委託する医薬品メーカーとの関係維持及び新規開拓に努め、自社開発の医薬品を販売するための医薬品メーカー等への積極的な営業活動を行っております。
(2)ジェネリック医薬品市場の動向について
高齢化社会の進展に伴い、日本の国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、こうした医療費の増加傾向を抑制するため政府はジェネリック医薬品の使用促進を進めております。2017年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。2023年4月~2024年3月期には数量シェアが82.7%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。
ダイトグループは、ジェネリックメーカー向けの医薬品原薬の販売及び自社開発または共同開発による製剤の製造販売の強化を図っておりますが、政策転換その他の理由によってジェネリック医薬品市場の成長が停滞した場合、ダイトグループの経営成績等に影響を受ける可能性があります。なお、2024年5月期において、ダイトグループのジェネリック医薬品に関連する売上高(連結)は、ダイトグループの売上高(連結)総額の8割程度を占めております。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは常にジェネリック医薬品市場の動向及び政府のジェネリック医薬品に対する方針の動向を注視し、事業展開の検討を行っております。またジェネリック市場の中でも今後成長が見込める高薬理活性製剤領域に注力するなどの対応を行っております。
(3)薬価改定、政府による医療保険制度の見直し等について
医療用医薬品は政府の定める薬価基準により保険償還価格が決められております。薬価基準は、市場における売買価格の実勢価格調査の結果に基づき、これまで原則として2年に一度改定されていましたが、2021年度から毎年改定されております。
薬価改定後には、販売価格低下等の影響を受ける可能性があります。また、医療保険財政の悪化に伴い、政府は医療保険制度を抜本的に見直す方針であるため、その内容によってはダイトグループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは医療保険制度の方針の見直しに関する情報収集を行い、事業展開を検討すると共に、製品の価値に見合った適正価格での販売に努め、また生産効率化による原価低減活動を行っております。
(4)法改正及び法規制等に関するリスク
ダイトグループは医薬品の製造、販売に関して薬機法、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)関連法令の規制を受けており、主に下表のような承認・許認可等を受けております。ダイトグループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消された場合には、ダイトグループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約され、各業務の遅滞が発生した場合等には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは関連法規等の情報収集を行い、法令に従った対応を実施し、リスク低減に努めております。
(ダイト)
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許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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医薬品卸売販売業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (第 富卸0163号) |
2027年5月27日 (6年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
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東京都 |
東京都知事許可 (第5301120444号) |
2030年7月29日 (6年ごとの更新) |
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大阪府 |
大阪府知事許可 (B10145号) |
2027年7月25日 (6年ごとの更新) |
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第一種医薬品製造販売業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16A1X00010) |
2024年9月30日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
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第二種医薬品製造販売業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16A2X00047) |
2024年9月30日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
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許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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医薬品製造業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16AZ000317) |
2024年9月30日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
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医薬部外品製造業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16DZ200029) |
2028年5月14日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
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医薬部外品製造販売業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16DOX10018) |
2024年11月11日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
(大和薬品工業株式会社)
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許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
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医薬品製造業許可 |
富山県 |
富山県知事許可 (16AZ000183) |
2026年12月31日 (5年ごとの更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、法人(業務を行う役員を含む)が第5条第3号の規定に該当するに至ったときは、許可の取り消し、又は業務の停止(薬機法第七十五条第1項) |
(5)販売中止、製品回収、製造物責任等に関するリスク
医薬品の発売後には、発売前に予期していなかった副作用が確認されたり、製造過程での製品への異物混入等が発見されたりすることがあります。また、薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される場合があります。ダイトグループが原薬の供給もしくは製造の受託を行う医薬品、またはダイトグループの自社開発製品に関してこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、ダイトグループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。
また、ダイトグループは、健康食品の販売も行っており、品質不良等によって消費者に健康被害を与えるような事態が発生した場合、当該製品の販売減少、損害賠償の発生またはダイトグループのブランドイメージの毀損等によってダイトグループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは品質管理及び品質保証体制を整えリスク低減に努めるとともに、生産物賠償責任保険を付保するなどの対応を行っております。
(6)知的財産権について
ダイトグループが製造販売するジェネリック医薬品に関しては、結晶形、製法、製剤等に関する特許権あるいは剤形に関する意匠権等、他社の権利が残存している場合が多いため、ダイトグループは、物質・用途特許をはじめ、各種特許を中心とした知的財産権に関し徹底した調査を実施しております。しかしながら、特許抵触の疑義があることを理由に訴訟提起される場合があり、このような事態が生じた場合には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは事業に関連する各種法令を遵守するのはもちろんのこと、弁護士その他の専門家の協力も得ながら、適切な契約の締結による権利義務の明確化、他者の権利の調査等、紛争の未然防止に努めております。
(7)設備投資に関するリスク
ダイトグループは多種多様な製造品目及び製造工程を取扱うことから、少数の製造品目や製造工程のみを取扱う同業者と比較すると、収益に対応した設備投資負担が相対的に大きくなっていると考えられます。また、ダイトグループが継続的に事業を拡大していくためには、新たな製造品目や製造工程の取扱いに対応した設備投資が必要となります。
こうした設備投資が遅延した場合には、受注機会の喪失等により、ダイトグループの経営成績は影響を受ける可能性があります。一方、大規模な設備投資を行った場合、原薬及び製剤を製造する際の特徴上、本格的な生産に至るまでに一定の期間を要するため、減価償却費が先行的に発生することによって売上原価率が大きく上昇する可能性があります。また、大規模な設備投資を行った際に想定していた受注を期待通りに獲得できなかった場合には、ダイトグループの経営成績等は重大な影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは経営戦略及び収益性等の観点から十分に検討した上で設備投資の判断を行い、リスク低減に努めております。
(8)自然災害、感染症、事故等について
ダイトグループの生産拠点が集中している富山県における大規模な自然災害や、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の流行、ダイトグループの製造施設における事故等が発生した場合、製造設備等への損害、生産活動の停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、ダイトグループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは危機の事前回避および危機発生時に迅速な対応を行うため危機管理委員会を組織し、また大規模な災害が発生した場合も事業を継続できるよう事業継続活動計画を策定し、災害発生時の対応能力の継続的向上に取り組んでおります。加えて、火災保険、水害保険、賠償責任保険といった各種の保険を付保するなどの対応を行っています。
(9)原材料または商品の仕入等が困難になるリスク
ダイトグループは、一部の原材料及び商品の仕入や外注加工に関して、海外企業を含む特定の取引先に依存しているものがあり、災害等の要因によってそうした原材料や商品の仕入または外注加工が困難になり、重要な製品の製造停止や重要な仕入販売取引の停止等を余儀なくされた場合には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは複数購買による購買ルートの検討、確保等を進めることにより、安定した原材料及び商品の調達に努めております。
(10)原材料または商品の仕入価格の変動に関するリスク
ダイトグループは海外からの仕入が多く、原薬及び製剤の製造販売に係る原材料や仕入販売に係る原薬等の価格が為替相場等の事情によって急激に変動した場合コストアップ要因となり、ダイトグループの経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは外貨建て取引に係る為替変動リスクに対し、必要に応じて先物為替予約取引等によって一定程度のリスクヘッジを行っております。
(11)有利子負債について
ダイトグループでは、事業拡大に必要な資金の一部を金融機関からの借入によって調達しております。今後ダイトグループは、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、有利子負債比率の低減による財務体質の改善、自己資本の充実を図る方針であります。今後、市場金利が上昇した場合には、ダイトグループの借入金利も上昇することが予想され、その場合にはダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、金融機関からの借入の一部には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものがあり、将来においてこうした財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失した場合等には、ダイトグループの資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは自己資本比率などを指標に一定の財務健全性を維持するよう努めるとともに、金融機関などとの健全かつ良好な関係の維持に努めております。
(12)取引先の企業再編によるリスク
ダイトグループの取引先において企業統合や合併が発生した場合、あるいは外資企業の進出に伴い取引先がその傘下に入ること等が発生した場合には、取引高が減少する可能性があり、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは取引先との良好な関係維持及び企業再編に係る情報収集に努め、企業再編が発生した場合には迅速に対応を行い取引高の減少等の影響を最小限とするよう努めております。
(13)環境保全に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。万一ダイトグループの事業活動に起因する環境問題が発生した場合、損害賠償の発生やブランドイメージの毀損等により、経営成績等が影響を受ける可能性があります。また、環境保全に係る法規制の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、ダイトグループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは土壌汚染、水質汚染及び悪臭等の発生を防ぐため、環境保全に係る法規制を遵守し、化学物質の保管や取扱方法を厳格に定め、モニタリングによる適正管理を実施するなどの対応を行っております。
(14)競合に関するリスク
現状、日本国内の品質基準への対応の面でダイトグループは優位にあるものと考えておりますが、今後、大手外資系原薬バルクメーカーが国内企業の買収等によって日本市場への参入を図る可能性があり、そうした海外企業が増加した場合、ダイトグループの経営成績等は影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは変化し続ける医薬品業界や顧客のニーズに対応した製品及び競争力のある製品の開発、製造、販売を行うなどの対応を行っております。
(15)製商品の品質の維持に関するリスク
ダイトグループは、製造販売、仕入販売もしくは受託製造する原薬及び製剤の品質に関して、生産管理の徹底、継続的な研究開発に基づく創意工夫及び適格な人材の確保等によってその維持・向上に取り組んでおり、製品の品質に関しては日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)だけでなく、FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)の基準にも適合する生産体制を備えております。しかしながら、何らかの事情によってこうした生産体制の維持が困難となり、製商品の品質低下が生じた場合、新規取引獲得に係る競争力の低下や既存の継続的取引の喪失等により、ダイトグループの経営成績及び財政状態は重大な影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは生産物賠償責任保険をはじめとした賠償責任保険を付保するほか、必要に応じ、顧客との契約によって責任範囲を明確化するなどの対応を行っております。
(16)海外での事業展開に関するリスク
ダイトグループは、中国及び米国等海外での事業展開を進めております。海外では法規制や行政指導のあり方等を含めて事業環境が異なることから、予期せぬ費用の発生等により、ダイトグループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは可能な限り効果的かつ速やかな対応をするべく、現地に派遣している従業員、合弁相手、関係当局その他からの情報収集を行い、リスクの低減に努めております。
(17)機密情報の管理について
ダイトグループは、原薬の製造販売や製剤の業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。何らかの要因で情報漏洩等が発生した場合には、ダイトグループの信用の失墜等により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは情報管理に関する規定等を整備し、従業員へ情報管理の重要性を周知徹底し、情報漏洩の防止を図っております。
(18)研究開発について
ダイトグループは、原薬及び製剤の製造販売や業務受託等に関して研究開発活動を行っております。こうした研究開発活動は、製造販売や業務受託の開始に数年間先行して開始する場合がほとんどですが、これらの活動に関する投資については、必ずしも期待通りに収益獲得に結び付かない可能性があり、その場合には、ダイトグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループではこれらのリスクを考慮し十分に検討した上で開発品目の選定を行い、また綿密な開発計画の策定と進捗管理を行っております。
(19)固定資産に関するリスク
ダイトグループは、多額の固定資産(建物、機械装置、土地、投資有価証券等)を所有しているため、経営環境の変化等に伴ってそれらの価値が著しく変動し、減損損失、除却・売却による損失、評価差額の変動等が発生した場合、ダイトグループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対応するために、ダイトグループでは経営戦略及び収益性等の観点から十分に検討した上で固定資産取得の判断を行い、また取得後もモニタリングを行い、事業を執行、管理する体制を整備しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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