日本空調サービス(4658)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】日本空調サービスグループは、日本空調サービス(日本空調サービス株式会社)、連結子会社12社(国内5社、海外7社)及び非連結子会社1社(海外1社)により構成され、空調を中心とした建物設備等のメンテナンス、維持管理及びリニューアル工事を主な事業としております。なお、日本空調サービスグループは、セグメント情報を記載していないため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注) 上記子会社はすべて連結子会社であり、上記のほか非連結子会社としてNACS BD Co., Ltd.があります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】日本空調サービスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本空調サービスグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針日本空調サービスグループは、「お客様の事業活動のサステナビリティに寄与し、社会全体の価値向上を図る」ことがパーパス(存在意義)であると認識しており、「サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上」を長期ビジョン(ありたい姿)としています。その長期ビジョンを実現させるために、経営理念である「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」をミッション(果たすべき使命)とした事業活動を展開することで、社会的価値の創造に努めております。そして、その結果として経済的価値が創造されるという考えを経営の基本方針としております。 〈目的〉サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上▼〈手段〉社会的価値創造▼〈結果〉経済的価値創造 (2)目標とする経営指標日本空調サービスグループは、長期ビジョン達成に向けた企業価値の拡大に資する成長戦略(本業の競争優位性の強化)に最大限注力してまいります。良質なサービスを適正な価格で提供できる人的資本の価値向上を加速させ、本業による持続的な成長を実現することで、結果として資本生産性及び全てのステークホルダーへの還元も拡充できるものと考えております。このような認識のもと、日本空調サービスは、2025年3月期を初年度とする「2024中期5ヵ年経営計画」を策定し遂行してまいりましたが、2年目にあたる2026年3月期において数値目標の一部が達成されたことから、その内容を見直すとともに、2030年3月期を最終年度に加えた「2026中期4ヵ年経営計画」を新たに策定いたしました。本計画におきましては、本業による持続的な成長を確認する指標として、売上高の持続的な成長を前提とした営業利益率8%程度の実現を目標としております。また、資本効率を意識した経営の指標として、投資家との対話等から想定される8%程度の株主資本コストを大幅に上回る15%のROEの実現を目標とし、利益を追求した結果としての持続的な正のエクイティ・スプレッドの創出に努めてまいります。 (3)利益配分に関する基本方針日本空調サービスグループは、本業の持続的な成長による利益拡大を前提とした、株主の皆様に対する利益還元を重視しております。また、安定的な利益還元を重要な経営課題のひとつと認識しており、経営基盤の強化に向けた内部留保の充実を勘案しつつ、利益配分を決定することとしております。前述の認識に基づき、株主の皆様への安定した利益還元の実現を目的として、累進的な配当を実施してまいります。それと同時に、連結配当性向を50%とする基本方針を継続し、ROE15%の目標と併せることで、DOE7.5%を目標とした株主の皆様への持続的な利益還元を実現させてまいります。また、企業価値の拡大に資する成長投資の機会を模索しつつも、正のエクイティ・スプレッドの拡大に寄与する投資機会が見込めない場合には、経営基盤の安定性を損なわないレベル(自己資本比率50~60%程度)において、自己株式取得等による資本構成の適正化に努めます。なお、株主還元を広義の従業員への還元と位置付け、従業員がその恩恵を最大限に享受できる仕組みとして機能する従業員持株会への加入促進を図り、エンゲージメントの更なる向上、人的資本の価値向上の加速、企業価値の拡大という好循環を目指してまいります。 (4)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略、会社の優先的に対処すべき課題経営環境につきましては、不安定な国際情勢や物価上昇等が続き、依然として先行き不透明な状況で推移するものと予想しております。日本空調サービスグループの中核事業である建物設備メンテナンスは、外部要因の変動に需要が左右されにくい面はあるものの、その重要な補完的役割を担う建物設備工事につきましては、お客様の設備投資計画に一定程度依存しております。設備投資の不確実性や、サプライチェーンの混乱は依然として懸念され、日本空調サービスグループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。中長期的な会社の経営戦略として、日本空調サービスグループは、パーパスである「お客様の事業活動のサステナビリティに寄与し、社会全体の価値向上を図る」について、「いき、続けるために。」という言葉で表現しております。この「いき」には「息」「生き」「活き」等の意味が含まれております。建物設備メンテナンスを通じて、お客様の施設の安定稼働と省エネの両立による施設運営最適化を実現させることで、人々の「生きる(活きる)」を支えるという「目指すべき方向」を堅持し、企業価値の拡大を推進してまいります。その源泉となる人的資本の価値向上こそが最重要経営戦略であり、従業員への還元拡充とパフォーマンスの継続的改善という好循環を加速させることで、「サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上」の実現を目指します。経営戦略の遂行においては、以下に掲げる「対処すべき課題」に取り組むとともに、その目的と手段を間違えることなく、企業価値の拡大に資する成長戦略(本業の競争優位性の強化)に注力し、中長期的な視点の経営を行うためのコーポレート・ガバナンスの充実を進めてまいります。また、「何事にも誠実であることを基本姿勢とし、よりよい結果を目指す努力を惜しまず、あらゆるステークホルダーと納得いくまで対話を行い、最後まで成し遂げる信念をもって実現させる」という日本空調サービスグループが正しいと考えるあり方をもとに、フェアにやるという企業風土の醸成を一層推進するためのコンプライアンスを充実させてまいります。これらの取り組みを中心として、本業の競争優位性を高めるために「やるべきことをやる。」ことで、業界におけるポジションを一層高め、「建物設備メンテナンス業界のリーダー」として、企業価値拡大に資する日本空調サービスグループ独自のビジネスモデルの構築を進めてまいります。 <2026中期4ヵ年経営計画における対処すべき課題> ① 人的資本の強化:エンゲージメントとリクルーティングの拡充による人的資本の強化a 本業の競争優位性の強化を示す営業利益率の継続的な改善を前提とした、最重要ステークホルダーである従業員に対する処遇の改善KPI:継続的な営業利益率の改善を前提とした平均5%程度の給与水準の引き上げの実現※給与水準:全正社員を対象とした定期昇給を含む数値。b 最大の財産である従業員のパフォーマンスを最大化させるエンゲージメントの向上KPI:エンゲージメントスコア75pt以上の実現※エンゲージメントスコア:エンゲージメント(組織や仕事に対し貢献意識を持ち、主体的に参加しているか)の計測を目的とした数値。c 企業価値を生み出す源泉となる従業員数の増加KPI:従業員純増数+100名/年の実現d 企業価値拡大の加速に不可欠な女性社員数の増加KPI:正社員における女性社員比率17%の実現 ② 総合技術力の再構築:現場対応能力、管理能力、提案能力、交渉能力、事務処理能力等、総合的な技術力の再構築a 本業である年間契約、スポット契約、リニューアル工事の売上総利益率の改善KPI:売上総利益率(年間契約+0.5%pt/年、スポット契約+1.0%pt/年、リニューアル工事+1.0%pt/年)の改善b 高品質サービスの中核となる従業員の技術力を向上させるためのコア技術力指数の向上KPI:コア技術力指数CAGR3%以上の実現※コア技術力指数:中長期的に本業を成長させる上で重要な位置付けとなる公的資格にて算出(技術系公的資格取得数×資格点数÷技術系従業員数)する数値。c 特殊な環境を有する施設を中心とした、事業活動のサステナビリティ向上(環境改善や省エネ等による)を目指すお客様への傾注KPI:特殊な環境を有する施設と一般的な施設の売上高比率7:3程度の維持※特殊な環境を有する施設:「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指す。d 将来の収益基盤としての役割を担う海外事業の拡充KPI:海外売上高45億円、海外営業利益2.25億円の実現※海外売上高及び海外営業利益:単純合算数値。 ③ 資本政策の策定と実行:企業価値の最大化を目指す複合的なマネジメントの推進a 長期ビジョンを達成するための利益水準の引き上げKPI:営業利益率8%の実現b 資本効率向上を目的とした投資有価証券の縮減KPI:投資有価証券の純資産比率15%以下の実現c 正のエクイティ・スプレッドの拡大を目指す資本生産性の改善KPI:ROE15%の実現d 積極的かつサステナブルな株主還元の実施KPI:累進的な配当を前提とした配当性向50%、DOE7.5%、従業員持株会加入率60%の実現※投資有価証券の売却益が発生した場合には、当該利益も含めたEPSを基に株主還元を実施いたします。※「<2026中期4ヵ年経営計画における対処すべき課題>①a、b及び②b」のKPIは日本空調サービス単体の数値目標となります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは日本空調サービスグループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の見えないリスクも存在します。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に日本空調サービスグループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。日本空調サービスは、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、取締役を中心としたメンバーで構成されるリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクの管理を適切に行い、リスクの未然防止を図っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本空調サービスグループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。No.項目リスク対策①外部経営環境●世界の経済動向、金融危機、戦争、自然災害、気候変動、感染症の流行等の影響による受注の減少及び事業活動の停滞及び停止○大型病院や製造工場等を中心とした多様な業種へのサービス展開○建物設備メンテナンス及び建物設備工事の重要性が高い顧客への傾注○顧客への積極的なソリューション提案(省エネ・省コスト提案、環境改善提案)による環境負荷低減を通じた環境問題へのアプローチ○南海トラフ地震等の大規模災害や未知の感染症発生等を想定し、事業継続計画(BCP)の策定及び従業員の安否確認体制の強化○可能な範囲での在宅勤務や時差出勤等の実施による働き方の多様化促進○特に大型病院等の施設維持管理業務において、不測の事態に対応可能な余力体制の構築を推進○経営企画部を中心に、気候変動イニシアティブへの対応、現状把握及びリスクと機会の分析を推進②競争環境●外部経営環境の変化によるお客様のメンテナンスコスト見直し意識の加速●新規受注に向けた企業間競争の激化○高い参入障壁を持つビジネスモデルの構築による競争力強化・機器メーカーの制約を受けない独立系企業グループであることによる柔軟なサービスの提供・約2,500名の技術系従業員と日本全国及びアジア地域への拠点展開による迅速な自社対応ときめ細かなサービスの提供・維持管理に高度な技術力が要求される特殊な環境を有する施設への傾注・高度な技術力に加えて、ソリューション力とトータルサポート力による高品質サービスの提供 No.項目リスク対策③労働力●国内での生産年齢人口減少に伴う採用環境の競争激化●人材不足に起因する技術力及びサービス提供力の低下による信用失墜●人材不足に起因する労働環境の悪化及び退職者の増加等による技術系従業員の不足や多様性の減少○人材教育の質と効率を一層高めることや、新入社員の早期戦力化を目的として設立した技術・研修センターにて、技術力の底上げと安全意識の向上を図り、人的資本の価値向上に注力○国内外での積極的な人材確保による雇用創出や、処遇改善によるエンゲージメント向上④海外展開●進出国における言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、政治、経済の混乱、予期せぬ為替レートの変動、商習慣の違い、現地社員のストライキ等による海外事業の停滞●進出国における競合企業との競争●事業計画未達による減損○関係機関及び現地での情報収集、海外マネジメント部門における営業展開や国内各部門による現地社員の教育等の継続的な支援の実施○強みであるソリューション力とトータルサポート力を最大限に発揮した高品質サービスの提供による競合企業との差別化⑤メンテナンス・工事施工の事故や災害等●従業員の人為的なミスによる顧客への損失等の発生●建物設備工事において、竣工後一定期間における瑕疵担保責任に伴う補修工事等の発生●顧客からの訴訟等の提起●賠償責任保険でまかないきれない損失の発生や信用失墜によるブランド力の低下○新入社員への10年カリキュラム等の充実した研修や実践的なOJTによる技術力向上○事業実態に即した保険内容への適宜見直し○特に維持管理に高度な技術力を要する医薬品製造施設等は、医薬施設管理部により最適な施設環境を提供するための品質管理及び品質保証体制を強化⑥特有の法的規制・取引慣行・経営方針●官公庁関連案件の入札制度参加資格条件の変更等による機会喪失●指定管理者制度(官公庁の官業の民間への開放策)等の導入に伴う競争激化による逸注○官公庁関連を引き続き重要な顧客としつつも、日本全国及びアジア地域に拠点を展開しているメリットを最大限に活かした民間顧客の新規開拓に傾注⑦情報管理●不測の事態による保有情報(技術・営業情報等の重要な機密情報や、ステークホルダーの個人情報等)の消失、漏洩または改ざん等の発生●社会的信用の失墜、被害を受けたステークホルダーへの損害賠償、事業活動への支障等○重要なサーバーを信頼性の高いデータセンターに設置し、大規模災害時にも情報を保全○情報セキュリティ対策の継続的強化と、全従業員への情報セキュリティ教育の実施による運用面の強化⑧内部統制●担当者の不注意・判断ミス・共謀、組織内外の環境の変化や非定型的な取引、費用と便益の比較衡量、経営者による不正等の様々な要因による内部統制システムの機能不全●将来的な不正行為発生の可能性と、それに伴う企業価値の毀損や社会的信用の失墜等○ガバナンス統括部を中心に、企業価値向上にとって有効かつ効率的な内部統制システムの構築とその運用及び推進を強化○全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施による、コンプライアンス意識と実務に関わる法令等の知識の向上○誠実な企業風土の醸成と対話の充実(注) 特殊な環境を有する施設は「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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