川崎地質グループ(川崎地質・川崎地質の連結子会社及び関連会社)は、川崎地質及び㈱ユニオン・コンサルタント(連結子会社)及び文化財調査コンサルタント㈱(関連会社)、OHYA UNDERGROUND ENERGY㈱(関連会社)の4社により構成されております。
川崎地質は建設工事に関連する地質調査、土質調査を中心に環境・防災・海洋調査業務等を行い、これらに関連する測量、建設計画、設計等の業務および工事を行っております。㈱ユニオン・コンサルタントは主に地質調査と測量設計を行っております。文化財調査コンサルタント㈱は、主に微化石分析と文化財調査を行っております。その一部は川崎地質が発注しております。また、OHYA UNDERGROUND ENERGY㈱は、大谷石採石場跡地の地下水を利用し、環境保全を図りつつ熱供給を行う関連会社であります。川崎地質は地下空間貯留水管理業務を受託しております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において川崎地質グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
川崎地質グループは、創業以来、「協力一致、積極活動、堅実経営」を社是とし、人間社会と自然環境との共生、国民が安全で安心できる社会に技術をもって広く貢献することを企業理念として参りました。
この理念のもと、「地球環境にやさしい優れた技術と判断力で、豊かな社会づくりに貢献する」を経営ミッションとし、現場を重視するアースドクターとして陸域から海域まで、自然環境との調和を図りながら地盤に関する多種多様な問題に取り組み、誠実・迅速・高品質なサービスを心がけ、時代が必要とする精緻な調査・解析技術を開発し、発注者の課題解決のご要望にお応えできるレベルの高いアドバイスが可能な総合建設コンサルタント技術者集団としての発展を図り、株主の皆様のご期待に応えていくことを経営基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
目標とする中長期の経営指標といたしましては、安定した経営を持続していく上で、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標の一つと考え、その向上に努めて参ります。
① 第74期の業績レビュー
第5次中期経営計画の第72期から第74期の業績は下表のとおりで、第74期は計画ならびに前期に対して増収・増益となりました。そして第5次中期経営計画の目標である売上86億円、営業利益3.85億円、営業利益率4.50%を上回りました。前期に引き続き受注環境は芳しくなかったものの、防衛省の大型業務の施工に伴い大きな利益を得たことが大きな要因となりました。
(第72~74期の業績レビュー)
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売上高 |
営業利益 |
当期純利益 |
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計画 (億円) |
実績 (億円) |
達成率(%) |
計画 (億円) |
実績 (億円) |
達成率(%) |
売上比(%) |
実績 (億円) |
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72期 |
84.8 |
93.8 |
110.7 |
3.22 |
5.15 |
160.2 |
5.50 |
3.30 |
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73期 |
86.1 |
92.9 |
107.9 |
2.62 |
1.15 |
44.2 |
1.24 |
1.57 |
|
74期 |
93.0 |
95.5 |
102.8 |
3.90 |
4.31 |
110.5 |
4.51 |
3.53 |
(注)第73期連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、第73期以降は連結財務諸表に計上した金額を記載しております。
② 第5次中期経営計画の取り組み
企業価値を向上させて将来に亘って安定した利益を確保し持続的に発展していけるよう、下表に示す中・長期ビジョンを定め、具体的な改善に取り組むことでサスティナビリティ経営の推進に努めてきました。
(第5次中期経営計画の取り組み 第72~74期 )
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ビジョン |
取組み |
内容 |
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経営基盤の 強化 |
人材確保 |
新卒採用維持、中途採用強化、定年延長 |
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ダイバーシティ |
次世代育成推進、女性活躍推進 |
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IR強化 |
ホームページ拡充、個人投資家説明会、大谷展示室公開 |
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BCP対策強化 |
BCPガイドライン、備蓄食料、防災訓練、都一斉帰宅抑制 |
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DX推進 |
業務の効率化・省人化、BIM/CIM活用等 |
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技術力向上 |
人材育成 |
基礎研修・専門研修拡充、社内インターンシップ、外部出向 |
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研究開発促進 |
微動アレイ探査、ICT岩盤観察、AI能力向上等 |
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組織体制・事業活動の改善 |
人事制度改訂 |
マネジメント強化、貢献度・成長度の適切な評価 |
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事業領域拡大 |
コンサル業務対応強化、M&A |
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成長分野強化 |
再エネ事業(洋上風力発電)、老朽化インフラ整備事業 |
・得意分野に係る斜面や堤防の解析・設計等の業務量拡大・利益確保
第71期以降、対象業務の全体に占める割合は売上高で18~20%、粗利益で22~24%を維持しています。コンサル業務の原価率は業務全体に比べて平均的に5~7%低く、また市場環境がより安定しています。一定の売上と利益を維持したものの、増収・増益には至っておらず、引き続き、コンサル業務の対応力強化に取り組みます。
・得意分野や成長分野における事業推進強化
再エネ事業や放射性廃棄物処分事業に係わる売上拡大に努めました。前者に係わり海洋調査部門を一つの組織に統合し、物理探査からボーリングまでワンストップでサービスを提供する体制を整備しました。また海上鋼製櫓の増設、CPT調査船所有企業との営業提携等の取組みの結果、同部門の売り上げは第71期9.0億円、第72期13.0億円、第73期26.4億円、第74期8.3億円となりました。全般に売り上げを伸ばしてきたものの、川崎地質顧客が事業者として選定される・されないが大きな変動要因であり、また第73期には現場トラブルによる利益減となるなどのリスクも発現し、引き続き受注拡大とリスク管理に努めてまいります。
・災害対応の積極的推進
地震や豪雨に伴う土砂災害(斜面崩壊、河川堤防損壊等)では、地質・土質に係る高度な知識と経験を駆使した発生原因の究明や対策検討が欠かせません。第74期は能登半島地震等に係り、管轄事業所である北陸支店で数億円規模の災害対応業務を受注し、全国の事業所が支援する体制で対応し、大きな社会貢献を果たしました。このような取組みを災害対応以外の業務に拡充し、全社の売上と利益をさらに伸ばす取組みを進めていきます。
・持続的に発展する企業を目指した企業価値向上
定年延長、人事制度改訂、育児に伴う短時間勤務制度改訂、リモートワーク促進、リフレッシュ休暇制度改訂等の職場環境の整備を進めています。働きがいのある職場環境を整備し、社員が安心して業務に精励するとともに新たな領域等に果敢にチャレンジできる企業を目指します。この結果、年次有給休暇取得や育児休暇取得が増えるとともに、社員各位の成長度と貢献度をそれぞれ適切に評価して給与および賞与に反映させる人事制度を運用し、社員の働きがい向上を促進してきました。一方で、これら施策が生産性の低下に繋がり、第74期の一人当たり売上高の減少を招いた可能性があります。これらの解決のため、今後はDX推進等を強化し、業務変革と働き方改革を両立させ、企業価値向上と持続的発展、ならびに社員満足度向上に努めます。
現在の日本社会は、介護問題が深刻化し、女性やシニアを含め多様な働き方へのニーズが高まっています。川崎地質においてもこれらを将来に亘る課題と位置付け、業界を取り巻く市場環境の変化や、その中での川崎地質の独自性への期待を踏まえ、業績維持・拡大とともに働きがいのある企業、社会から必要とされる企業を目指します。
この先の3年間を対象とする第6次中期経営計画は、長期的な将来展望を見据え、技術開発やDX推進による業務対応の効率化・高度化と働き方改革推進、M&Aを含む協業・連携による販路拡大、社員自身の健康維持、株主ならびに女性やシニアを含むあらゆる世代社員の満足度向上などを今後の重要な対処すべき課題とします。創立82周年を迎える第75期は、上記の改善取組みを着実に積み重ね、上場企業として将来に亘って安定した経営基盤構築を目指してまいります。
参考:中期経営計画 https://www.kge.co.jp/medium-term-plan.html
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
現在、売上を着実に伸ばしている海洋調査部門は、一案件当たりの受注金額が総じて大きく、一方で荒天待機費用等の経費に関わる不確定要因が大きいことから、借入(有利子負債)やキャッシュ・フローに与える影響も大きくなる傾向にあります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において川崎地質グループが判断したものであります。
(1)公共事業動向
川崎地質は、官公庁・公共企業体をはじめとした公共部門との取引比率が高いことから、公共投資の動向により経営成績は影響を受ける可能性があります。
(2)季節的変動
公共事業については、その納期が年度末に多いことから、川崎地質決算月は11月ですが、売上高は第2四半期と第4四半期に集中するという季節変動の傾向があります。
(3)退職給付債務
国債利回り等の変動により割引率や期待運用収益率の変更が余儀ない場合、経営成績は影響を受ける可能性があります。
(4)気候変動
気候変動により業務進捗に大きな障害が発生した場合、売上高の減少、採算の悪化等、川崎地質グループの業績に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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