室町ケミカル(4885)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


室町ケミカル(4885)の株価チャート 室町ケミカル(4885)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

室町ケミカルは、1917年(大正6年)に売薬の製造販売を目的として創立して以降、医薬品をはじめとした様々な事業に取り組んでまいりました。その結果現在は、医薬品・健康食品・化学品の3つの事業を軸に、長年培ってきた化学技術を活かし、製品・サービスを提供しています。

 

報告セグメント

製品カテゴリ

主要製商品・サービス

医薬品事業

医薬品合成・精製等

高カリウム血症改善薬用原薬、抗凝固薬用原薬

原薬の精製、異物除去

輸入原薬

抗てんかん薬用原薬、抗ヘルペスウイルス薬用原薬

その他

ラジオアイソトープ

健康食品事業

健康食品

スティックゼリー、Tパウチゼリー

化学品事業

イオン交換樹脂・分離膜

ムロマック®、レバチット®、デュオライト™

RO膜(逆浸透膜)、UF膜(限外濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)

水処理装置

純水製造装置、分離・精製装置

受託加工

アミノ酸精製、AdBlue®製造

接着剤等機能材料の混合、分散、リパック

その他

水処理部材、機能性接着剤

 

 

(1) 医薬品事業

原薬(医薬品の有効成分)の販売・製造を主に行っております。

中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内の製薬会社や医薬品商社の求める原薬を調達するほか、自社での原薬合成、原薬の異物除去や精製などの加工を行い販売しています。自社内で日本薬局方に基づいた試験・分析ができる体制も持っており、原薬の輸入・製造・加工・分析・試験と、原薬のトータルサービスを提供しています。

室町ケミカルは、原薬商社としての機能と原薬メーカーとしての機能をあわせ持ちます。商社としての経験から原薬製造のための原料や中間体を海外メーカーから直接調達でき、メーカーとしての経験から自社試験による時間短縮・コスト削減、開拓した調達先の品質向上指導などにより付加価値を高めることができます。

 

① 医薬品合成・精製等

本社工場に医薬品合成工場を有し、原薬の製造を行っております。また、海外から輸入した原薬の精製や異物除去などの加工や医薬品と同等の環境で製造を必要とする化成品(医薬品の添加剤など)の製造も行っております。

 

② 輸入原薬

中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内製薬会社の求める原薬を調達し販売しております。

 

③ その他

医薬品や農薬の研究等に使用されるラジオアイソトープ(注)の輸入販売や保管サービスを行っております。

(注)放射性同位元素。放射線を出す性質のある元素であり、化合物の追跡や分析に使用される。

 

(2) 健康食品事業

事業開始当初より、主にスティックゼリータイプの健康食品の企画・製造を行っております。健康食品の通信販売を行う会社や健康食品メーカーなどからの受託製造を主に行っており、商品設計から関わるODM(注)が大多数を占めています。室町ケミカルは、長年の経験から得た高度なマスキング(味や匂いを包み隠す)技術を有しております。健康・美容成分は苦みや匂いのためそのままでは摂取しづらいケースもありますが、味や香り、食感などを調整し、食べやすく美味しい製品として提供しております。

(注)Original Design Manufacturingの略。発注元企業のブランド名で販売される製品の生産のみを行うOEM(Original Equipment Manufacturing)に対し、ODMは企画や設計、製造までを行う。

 

(3) 化学品事業

液体処理関連製品の販売・加工を主に行っており、主力製品はイオン交換樹脂及び分離膜です。

イオン交換樹脂や分離膜は、純水(不純物を含まない水)の製造をはじめ、液体の精製、濃縮、脱色、金属回収など様々な用途に活用されています。

室町ケミカルは、国内外のメーカーから様々な性能のイオン交換樹脂や分離膜を仕入販売するほか、用途に合わせて洗浄や加工などを行い、主に国内の化学メーカーや機械メーカー、商社などへ販売しています。

また、イオン交換樹脂や分離膜の再生処理も行っています。

室町ケミカルは、純水製造以外の用途の液体処理案件への対応を得意としています。自社内の分析・開発部門で、イオン交換樹脂や使用する液体の分析・試験ができ、長年培ってきたノウハウがあります。さらに様々なメーカーからの商品調達に加え、自社で保有する設備を使用して加工をすることで、顧客の求める処理に最適な製品の選定や使用方法の提案を行うことに努めています。

 

① イオン交換樹脂・分離膜

イオン交換樹脂はイオン交換(物質中のイオンと溶液中のイオンを入れ替える)機能を持つ合成樹脂であり、純水の製造や排水中の重金属除去など様々な分野に使用されています。ランクセス社製のレバチット®やデュポン社製のデュオライト™をはじめとした様々なメーカーのイオン交換樹脂に加え、顧客の要求に合わせ、室町ケミカルで加工をしたイオン交換樹脂の販売を行っております。国内でも数少ないイオン交換樹脂の再生・乾燥・粉砕等の加工設備を保有しており、顧客のニーズにあった処理を行うことができます。

分離膜は細孔の空いた膜で、用途に合わせた孔径の膜を使用し濾過や濃縮などを行うことができます。各種メーカーの分離膜を販売するほか、分離膜の再生・洗浄も行っております。

 

② 水処理装置

イオン交換樹脂や分離膜を組み込んだ水処理装置の設計・製造を行っております。

 

③ 受託加工

室町ケミカルの製造設備を使用し、顧客から預かった溶液の精製処理のほか、ディーゼル車の排気ガスを浄化するAdBlue®の製造を行っております。また、機能性接着剤(導電性、速乾性、紫外線硬化などの機能を持った接着剤)などの混合及び分散(粉体の粒径が揃い、流体や他の成分中へ均一に混ざること)、使用する分量で小分けするなどのリパック加工も行っております。

 

④ その他

水処理に使用される消耗品や試験用の部材の販売を行っております。また、工業用アロンアルフア®をはじめとした機能性接着剤の販売、主に電子産業向けに帯電防止フィルム(静電気の蓄積を防ぐフィルム)やクリーンルームで使用する消耗品などの販売も行っております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 


有価証券報告書(2024年5月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

室町ケミカルの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において室町ケミカルが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

室町ケミカルは「健康」と「環境」をテーマに社会に貢献することを目指し、「私たちは人々との出会いを大切にし、常に新たなチャレンジと実現化の努力により生きがいと豊かさを提供し、健全な発展を通して社会に貢献する経営を目指します。」を経営理念として掲げております。

「医薬品」「健康食品」「化学品」の3つの事業に経営資源を集中し、問題解決型の企業としてさらなる技術力の向上に努め、持続的な成長を目指します。

 

(2) 中期経営計画

室町ケミカルでは、2025年5月期を最終年度とする3か年計画『中期経営計画2025』を策定しております。長期ビジョンとしての2032年5月期売上高100億円・営業利益率10%以上に向けて、成長に向けた取り組みを強化する3か年と位置付けており、開発強化と収益性改善を主要なテーマとしております。医薬品事業における輸入原薬の売上拡大による売上高の増加、健康食品事業・化学品事業での売上増加と工場稼働率上昇による利益率の改善を見込み最終年度目標を定めております。

しかしながら現時点において、輸入原薬の新規採用の進捗遅れや原材料費等の価格高騰などにより売上・利益ともに計画にやや遅れをとっている状況となっております。一方で、各事業での新製品の立ち上げとそれに伴う工場稼働率の向上、開発テーマの増加など、様々な取り組みの成果は着実に出てきていると考えております。

引き続き開発強化に力を入れ、今後の新製品の売上拡大や新領域での成長に向けた基盤を強化してまいります。

計画の達成状況を判断するための客観的な指標は以下のとおりです。

 

2024年5月期

(当事業年度)実績

2025年5月期

目標

売上高

6,369百万円

7,000百万円以上

営業利益

421百万円

600百万円以上

営業利益率

6.6%

8.5%以上

ROE

15.8%

15%以上

自己資本比率

44.9%

35%以上

 

(注) 上記目標値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等

① 医薬品事業

昨今の世界情勢を受け、原薬調達におけるカントリーリスクの懸念は高まっており、医薬品原薬の複数購買化はいっそう進むと考えております。室町ケミカルにおいても、多地域からの調達ネットワークを強化し顧客の新たな要望に応えるとともに、既存品の安定供給に向けた施策を実施してまいります。また、メーカーとしての室町ケミカルの技術と資源を最大限活かし、必要な設備投資を行いながら、お客様からいただいた多くの開発案件を着実に立ち上げ、取引の拡大につなげてまいります。

 

② 健康食品事業

健康食品業界において安全性の問題が発生して以降、消費者からの厳しい目が注がれているものの、現時点では室町ケミカルが注力するゼリータイプの健康食品市場に冷え込みは見られていません。健康食品市場全体に関しても、当面緩やかな成長を続けると見込んでおります。顧客に安心安全な製品を継続してお届けできるよう、品質管理の精度を高める努力を続けてまいります。

当事業年度は売上が前事業年度を上回り工場稼働率は改善したものの、経費を吸収するには至らず営業損失となりました。新規案件の着実な獲得による売上の伸長と、生産体制の見直しによる効率改善を進め、利益改善に取り組んでまいります。また、機能性表示食品や高齢者向け製品など、健康関連分野に向けた製品開発を強化してまいります。

 

③ 化学品事業

競合が多く激しい競争の中、イオン交換樹脂を中心とした液体処理技術を活かし、各々の顧客の抱える課題を解決すべく製商品の開発を強化してまいります。海外のイオン交換樹脂メーカー等との共同開発にも積極的に取り組み、社会課題の解決に資する技術を含めた用途開発と、新たなターゲット市場の開拓を加速させてまいります。

 

品質管理体制の強化

高品質な製品を安定的に提供するため、品質管理体制の強化は重要なものと考えております。新製品の立ち上げが増加していく中でも安定した品質管理を行えるよう、体制の維持・強化に努めてまいります。

 

⑤ 生産体制の強化

新製品の立ち上げや製造量の増加に対応すべく、生産技術の向上に取り組み、工場スペースの有効活用や最適な設備配置、工場インフラの強化など、今まで以上に効率的で安定生産が可能な体制を構築してまいります。

 

人的資本経営への取り組み

魅力ある企業として持続的に成長するためには、人材への投資は不可欠だと考えております。当期は、リモートワークや時差出勤の恒常的な制度化やオフィスカジュアルの導入等、働きやすさ向上を目指した取り組みを進めてまいりました。職場環境の改善により従業員の意欲を引き出し、充実した教育研修により従業員の能力を伸ばすことで、従業員エンゲージメントの向上に努めてまいります。

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

以下において、室町ケミカルの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において室町ケミカルが判断したものであります。なお、室町ケミカルは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

 

(1) 原材料・商品の仕入に関するリスク

医薬品原薬は、それを使用する医薬品メーカー等が製造する特定の製剤の仕様に応じて主に海外から継続的に調達しております。室町ケミカルの原薬輸入及び原材料仕入に係る価格が市況変動及び為替相場等の事情によって急激に変動した場合、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外原薬メーカーの経営状態、販売方針、供給体制、許認可及び現地政情等の影響により、原薬の調達が遅延、難航あるいは不可能となった場合には、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場及び顧客動向に関するリスク

医薬品原薬の販売量は当該製剤の市場での需要変動、競合製品の動向等による影響を受ける可能性があります。液体処理市場においては、顧客の工場操業度、設備投資の動向により需要が変化し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、室町ケミカルは現状、特定の相手先との取引に依存する割合が比較的高く、20245月期における室町ケミカルの売上高の上位7社が占める割合は43%となります。顧客の販売戦略の変更や生産・在庫調整等が取引額に大きく影響する可能性があります。また、室町ケミカルの取引先が企業再編、あるいは資本変更等により他社の傘下に入ること等が発生した場合には、その親会社等の意思決定に取引先動向が左右されることから取引額が減少し、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 許認可及び法的規制に関するリスク

室町ケミカルは医薬品原薬の販売に関して薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、薬機法施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)省令等の規制を受けており、主に下記の承認・許認可等を受けております。室町ケミカルは、当該許認可等を受け、また維持すべく諸条件及び関係法令の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等の取消又は停止等の行政処分事例は発生しておりません。しかし、意図せぬ法令違反等によりこれらの許認可に対し行政庁より許可の取り消しや業務の停止等、不利益処分が下された場合には、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす恐れがあります。

また、健康食品そのものを単独に規定する法律は存在せず、健康食品の明確な定義もありません。しかしながら販売者が、健康食品等を特定疾病や身体機能への効果を標ぼうし販売すると、医薬品等を規定する「薬機法」における無許可無認可医薬品の販売としてみなされることになります。その他の法的規制としては、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止及び公衆衛生の向上・増進を図る見地から、食品の規格・添加物・衛生管理・営業許可を定めた「食品衛生法」、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例を定めることにより公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を確保することを目的とした「不当景品類及び不当表示防止法」、健康増進の総合的な推進に関した基本的な事項を定めるとともに国民の健康の増進を図るための措置を講ずることを定めた「健康増進法」、食品の安全性の確保に関し、基本理念及び施策の策定に係わる基本方針を定め、関係者の責任及び役割を明らかにすることにより、食品の安全性の確保を総合的に推進することを目的とした「食品安全基本法」があります。

室町ケミカルとしては、法律を遵守するよう最善の注意と努力を行うとともに、監督諸官庁に対する報告及び照会・指導の要請並びに立会いの受け入れを行い、指導内容に対しては迅速に改善をすることで対応しております。しかしながら予期しない法律又は規制の変更及び現行の法的規制における法令の解釈・適用によって新たな対策が必要になった場合には、室町ケミカルの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

室町ケミカルの主要な承認・許認可等は以下のとおりです。

許認可等の名称

所管官庁等

有効期間

主な許認可取消事由

医薬品製造業許可証

福岡県

5年

薬機法第75条第1項

医薬品販売業許可証

福岡県/東京都

6年

薬機法第75条第1項

向精神薬輸入業者免許書

厚生労働省

5年

麻薬及び向精神薬取締法第51条

毒物劇物一般販売業登録票

福岡県/東京都/茨城県

6年

毒物及び劇物取締法第19条第4項

毒物劇物製造業登録票

厚生労働省

5年

毒物及び劇物取締法第19条第4項

毒物劇物輸入業登録票

厚生労働省

5年

毒物及び劇物取締法第19条第4項

菓子製造業(パン以外)

福岡県

6~9年

食品衛生法第55条、第56条

清涼飲料水製造業

福岡県

6~9年

食品衛生法第55条、第56条

JISマーク表示制度認証

一般財団法人日本品質保証機構

3年

JIS Q 1001 15

一般建設業許可

福岡県

5年

建設業法第29条

 

 

(4) 品質に関するリスク

室町ケミカルは、取り扱う医薬品原薬や健康食品の製造の品質に関して、取扱い及び生産工程での管理徹底、継続的な研究開発によりその維持・向上に取り組んでおり、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)及び食品GMPの品質基準に適合する生産体制を備えております。しかしながら、外的要因等の影響によりこうした生産体制の維持が困難となり製品の品質低下が生じた場合、社会的信用力や営業上の競争力が低下することにより、室町ケミカルの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

室町ケミカルでは、品質管理基準等に適合するよう細心の注意を払い品質保証に取り組んでおりますが、原薬供給もしくは開発製造、受託製造を行う医薬品に関して品質保証の取り組みの範囲を超えてこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、医薬品の発売後に予期していなかった副作用が発生したり、製造過程での製品への異物混入等が発見される、あるいは薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される可能性があります。

輸入供給する原薬についても、特に海外における原薬製造の部分においては日本国内の種々の基準や規制に適合する製品が供給されるよう、継続した製造工程や製造環境等のコントロールが不可欠であり、納品後に異物混入が見つかるなどして回収を余儀なくされる場合があります。

 

(5) 薬価改定等に関するリスク

医療用医薬品は政府の制定する薬価基準により保険価格が定められており、定期的に実施される薬価改定により販売が好調な品目等において薬価の引き下げ等が行われた場合の影響が予想されます。薬価改定後には、医薬品製造販売における販売価格低下、利益幅減少等の影響や、原薬販売における需要変動や販売価格低下、利益幅減少等の影響が生じ、政府による医療保険制度抜本改革と併せ室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 競合に関するリスク

室町ケミカルでは、医薬品事業において自社で分析を行う設備を有しており、日本国内の品質基準への対応の面で取引先からも相応の評価を得ております。また、医薬品製造販売においても少量多品種生産に対応可能な工場を保有することから製造受託において競合他社に比べ優位な部分もあるものと考えております。しかしながら、競合他社の分析設備導入や同種工場新設によっては室町ケミカルの優位性が損なわれ、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

健康食品事業については、スティックゼリーの製造において、高速充填機を複数台所有し、中規模・大規模の案件にも対応できる体制を有しております。しかしながら、競合他社の設備導入等による増産対応によっては室町ケミカルの優位性が損なわれ、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

化学品事業についてはイオン交換樹脂の粉砕・乾燥設備を保有しているのは国内でも稀であり、長年の加工実績により培われた技術は直ぐに真似できない領域まで来ています。しかしながら、一般的な水処理用途(純水製造等)で使用される製品については、特別な技術を必要とせず価格面による優位性が第一となり、取り扱う競合他社も多く、取引額の減少から経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権に係る紛争に関するリスク

物質、製法、用途、製剤等に関する特許権等、他者の権利の存否が製品開発に大きな影響をもたらすため、室町ケミカルは特許権を中心とした知的財産権に関し調査を実施しております。しかしながら、室町ケミカルと知財権者との見解の相違から、無効審判請求の申立を含む法的紛争に発展する可能性(室町ケミカルが原告)や特許抵触の疑義があることを理由に法的紛争に発展する可能性(室町ケミカルが被告)が想定され、そのような場合には判決の内容により室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 設備・固定資産に関するリスク

室町ケミカルは、固定資産を多数所有しており、経済情勢の変化等に伴ってそれらの資産価値が著しく変動し、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、室町ケミカルが保有する製造設備の中には、導入から長期間が経過した資産も含まれます。適時適切な修繕・メンテナンス・更新等を計画実施しておりますが、老朽化による予期せぬ機器不具合や不慮の故障により製造スケジュールに影響が生じる可能性があります。

設備導入に際しては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な検討を行っておりますが、新規開発品目の販売開始時期の遅延、又は販売予定数量の減少等が発生し、当初の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 研究開発に関するリスク

室町ケミカルは、取引先からの開発依頼案件、受託案件に関する研究開発活動、製法や品質の分析活動を行っております。これらの活動は、製造販売、業務受託に先行して開始する場合が多々ありますが、必ずしも見込んだ収益獲得につながらない可能性があり、これらの活動を通じて過大な先行投資が行われた場合には、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、新規開発商品を市場に出す際に、承認手続き等が必要な場合には計画的に対応しておりますが、室町ケミカル又は取引先メーカー等において計画通りの承認取得ができない場合には市場への供給に遅延が生じ、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害、事故等に関するリスク

室町ケミカルの工場拠点は福岡県、茨城県にあり、自然災害等で両拠点同時に被害を受ける可能性は低いと考えられます。しかし、医薬品、健康食品、化学品全ての生産拠点は福岡県に集中し、室町ケミカルの工場は全てにおいて直ちに代替が効くものではないことから、災害や事故等が発生した場合、製造設備等への損害、製造ラインの停止、取引先や工場近隣住民への補償等により、室町ケミカルの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 金利変動に関するリスク

室町ケミカルでは、金融機関からの借入によって製造設備、運転資金その他必要な資金を調達しておりますが、今後、市場において金利が上昇した場合には室町ケミカルの借入金利も上昇することが予想され、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。なお、室町ケミカルの借入金には財務制限条項が付されている契約があり、これらには財務諸表の純資産額、経常利益、当期利益等について一定水準の維持を条件とする財務制限条項が付されております。万一、室町ケミカルの業績が悪化し、財務制限条項に抵触した場合には、当該契約による借入金の返済を求められる結果、室町ケミカルの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 売掛金回収に関するリスク

室町ケミカルでは、取引先各社との売掛取引に際しては十分な与信管理の元で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 税効果会計に関するリスク

繰延税金資産の計算にあたっては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、室町ケミカルの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 安全性確保及び環境保全に関するリスク

製造、分析、研究の過程等で使用し、又は発生する化学物質の中には、人体、生態系、その他環境に悪影響を与える可能性のある物質も含まれます。室町ケミカルは、関連諸法令の遵守を徹底すると共に、有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、土壌汚染、水質汚濁及び悪臭その他環境被害の発生防止に取り組んでおります。しかしながら、取り扱う物質の特性上予期し得ない現象や結果が発生する可能性も否定はできず、万一事業活動に関係する環境問題が発生した場合には、損害賠償義務の発生やブランドイメージの毀損等経営に影響を与える結果となる可能性があります。また、関連諸法令の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、室町ケミカルの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 人材確保に関するリスク

室町ケミカルは今後の事業継続・拡大のため質の高い人材を継続的に確保していくことが重要な課題であると認識し人材確保に注力しておりますが、周辺情勢の変動により人材を十分に確保できなかった場合には室町ケミカルの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 機密情報の管理に関するリスク

室町ケミカルは、各事業における業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。室町ケミカルでは、機密情報の授受に際し秘密保持契約締結を徹底しているほか、従業員教育やIT統制を通じて機密情報の管理の徹底を図っておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、室町ケミカルの信用の失墜等により、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) ITに関するリスク

室町ケミカルは、各拠点・外部との通信ネットワークや様々なITシステムを使用し事業活動を行っております。円滑な事業活動のため、通信ネットワークやITシステム、機器等の適切な管理に努めておりますが、管理の不備やシステム障害、自然災害、サイバー攻撃等により通信ネットワークやITシステムの停止、誤作動が発生した場合には、正常な事業活動の継続が困難となり、室町ケミカルの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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