ELEMENTS(5246)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ELEMENTS(5246)の株価チャート ELEMENTS(5246)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

(1) ELEMENTSグループ概要・経営理念

ELEMENTSグループは、ELEMENTS、国内の連結子会社5社(株式会社Liquid、株式会社アドメディカ、X PLACE株式会社、株式会社ポラリファイ、株式会社ELEMENTS CLOUD四国)、持分法適用関連会社1社(株式会社IDEAL)及び持分法非適用関連会社1社(PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。

ELEMENTSグループは、グループミッションに「BEYOND SCIENCE FICTION」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。

ELEMENTSグループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。

ELEMENTSグループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」「個人最適化」、並びに「個人情報管理」の3つのソリューションに区分されております。

ELEMENTSグループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、ELEMENTSグループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、ELEMENTSグループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、ELEMENTSグループの競争優位性の源泉になっていると考えております。

 


 

 

(2) 個人認証ソリューション

個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。具体的な提供サービスは以下の通りであります。

 

① LIQUID eKYC、ポラリファイ eKYC

2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」及び「ポラリファイ eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行う、ELEMENTSグループの主力サービスです。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影し、それらを照合したり、本人確認書類のICチップの読み取りを実施したりすることで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。

2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。

 


 

金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや継続的顧客、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。

さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。

「LIQUID eKYC」と「ポラリファイeKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、ソフトバンク株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社ジェーシービー、楽天証券株式会社など業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2025年11月末現在で650社以上の事業者に採用され、累計で1.5億万回以上の利用があり、かつ、成長が続いております。

 

② LIQUID Auth

2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。また、パスキー(FIDO2)のサービス提供も行っており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。

 


(3) 個人最適化ソリューション

個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。

 

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。


 

※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。

※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2025」

   eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2024年度予測)

 


有価証券報告書(2023年11月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてELEMENTSグループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

ELEMENTSグループは「BEYOND SCIENCE FICTION」をグループミッションに掲げ、現在は「個人認証」「個人最適化」「個人情報管理」の3つのソリューションにて事業を展開しております。

個人認証ソリューションで「あなたは誰か」を証明し、個人最適化ソリューションで衣食住における「あなただけの服」「あなただけの店舗」「あなただけの居場所」を実現します。個人情報管理ソリューションでは、個人認証ソリューション及び個人最適化ソリューションで取り扱ってきた個人情報管理のノウハウを通じた、セキュアな個人情報管理を実現します。その結果、「金融犯罪」「未着廃棄」「食品ロス」「エネルギー・ロス」「個人情報漏えい」といった、社会課題の解決に繋がる取り組みを続けてまいります。

 


 

(2) 経営環境

ELEMENTSグループを取り巻く経営環境は、法律改正や新型コロナウイルス感染症の影響により、日々変化しております。

個人認証ソリューションでは、2018年の犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正にて、本人確認をオンラインで完結する方法が認められたことや、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響にて非対面サービスの重要性が高まり、従来の対面型サービスから非対面サービスへの移行が急激に進んだことにより、「LIQUID eKYC」の導入が拡大しました。また、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。

eKYC及び当人認証ソリューション市場の市場規模は、2025年に152億円に達すると見込まれております※1。また、個人認証を利用する業界や企業数の拡大、及び提供するサービスと利用シーンの拡大により、将来的には約1.2兆円のマーケットに成長すると想定しております。

個人最適化ソリューションでは、新型コロナウイルス感染症の影響に伴うオフィスへの出社制限や店舗への入場制限、営業時間短縮などにより、導入事業者においてIT投資が一時的に停滞しておりましたが、ELEMENTSグループでは、withコロナの前提でのサービス設計を進めて参りました。現在、経済活動は感染症拡大前に戻りつつあり、事業者からの問い合わせも増えてきております。経済活動の回復に合わせてIT投資が再開されると、従来リアル店舗で提供されていたサービスをリアルとオンラインで複合的に提供できるELEMENTSグループのサービスにとって、中長期的には追い風になることが予想されます。

 

個人情報管理ソリューションでは、近年多くの企業にて問題になっている個人情報管理をサービス対象としています。東京商工リサーチの調査※2によると、2023年だけでも、上場企業とその子会社で個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは147社、事故件数は175件、漏えいした個人情報は4,090万8,718人分(前年比590.2%増)となっております。また大手企業に限らず、近年は、半数以上の病院が利用する電子カルテシステムを狙った個人情報に対する攻撃も増えており、医療機関においても個人情報管理の重要性はますます高まっている状況です。ELEMENTSグループにおいては、グループでこれまで培った情報セキュリティ技術や暗号鍵分散管理技術を個人情報管理に特化させ、企業の個人情報管理の改善、個人情報の匿名化・仮名化を行うことで、社会全体としての情報の利活用が促進されると考えております。

※1 株式会社矢野経済研究所「eKYC/当人認証ソリューション市場に関する調査」(2023年7月18日発表)

※2 株式会社東京商工リサーチ「2023年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査」(2024年1月19日発表))

 

(3) 経営戦略

ELEMENTSグループは、経営方針に基づき様々な事業に取り組んできた結果、現在は「個人認証」「個人最適化」「個人情報管理」の3つのソリューションを提供しております。今後も、社会課題の解決とともに、企業価値をさらに高めていくことを目指して参ります。

個人認証ソリューションのサービスである「LIQUID eKYC」は、現在多くの事業者に導入頂き、グループの成長を牽引しております。また、個人認証ソリューションのその他サービス、個人最適化ソリューション、並びに個人情報管理ソリューションにおいては、これまでの研究・開発を活かして、現在は商用化フェーズに移行し、次なる事業の柱となるよう取り組んでおります。各サービスとも当初は研究・開発期の費用負担から赤字となりますが、商用化や事業成長に伴い売上高が増加して損益分岐点を上回ると、営業利益が拡大する収益モデルとなっています。

ELEMENTSグループ全体の利益構造としては、先行して成長フェーズに入った個人認証ソリューションの継続拡大に加えて、個人最適化ソリューション及び個人情報管理ソリューションの商用化フェーズの進展を通じ、改善していくものと考えております。

 


 

 

ELEMENTSグループは今後の成長戦略として、「個人認証ソリューションの拡充」「個人最適化ソリューションの成長」「個人情報管理ソリューションの立ち上げ」「アライアンス及びM&Aの活用」の4点を考えております。

 

① 個人認証ソリューションの拡充

個人認証ソリューションにおいては、「LIQUID eKYC」の市場拡大を目指します。現在は、金融業や通信業が主力市場でありますが、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービスへの導入も進んでおります。さらには公共分野や医療分野など、認証を必要とするシーンは日常生活において多岐にわたり、今後はそれらの市場への導入を目指します。また、提供開始済みのオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」に加え、事業者横断で不正利用を検知するサービスなど個人認証ソリューションの拡充による利用シーンの拡大も目指します。加えて、適切な時期において海外市場への積極的な展開を考えております。人口増加に伴い、eKYCが必要とされる各種オンライン取引の規模拡大が期待されるアジア太平洋地域(APAC)での展開を目指します。

 

②個人最適化ソリューションの成長

個人最適化ソリューションにおいては、これまで衣食住の各分野で事業を展開してきました。足元はELEMENTSグループ全体の選択と集中の観点からサービスの縮小、撤退を進めてきました。今後は、既存の継続事業に加え、ELEMENTSグループが培ってきた画像認識技術を活用する生成AI技術を生かした新分野の立ち上げを通じ、パートナー事業者と協業しながら、事業の再成長を目指しております。

 
③個人情報管理ソリューションの立ち上げ

2023年8月に個人情報管理ソリューションである「ELEMENTS CLOUD」の提供開始を発表いたしました。本サービスについては、既存の個人認証ソリューションの提供事業者に加え、医療関連分野の事業者等への導入を図っていきます。

 

④アライアンス及びM&Aの活用

ELEMENTSは、非連続的な成長の手段としてアライアンス及びM&Aの活用を実施しております。当該戦略の一環として、2024年2月に株式会社アドメディカの子会社化を実施、2025年1月には株式会社ポラリファイの子会社化を発表いたしました。今後も、財務健全性の維持と両立しながら、アライアンス及びM&Aを活用していきます。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ELEMENTSグループは、財務指標として、連結売上総利益及びEBITDA(営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+株式報酬費用+のれん償却額の合計にて算出)を重視しております。連結売上総利益については、事業の成長も考慮した上で、グループ全体としての収益性を示す重要な指標として考えております。EBITDAについては、グループ全体の事業運営状況の健全性及び継続性を示す重要な指標として考えております。

財務指標の推移については以下の通りであります。

 

 

第7期
連結会計年度

(自2019年
  12月1日

 至2020年
  11月30日)

第8期
連結会計年度

(自2020年
  12月1日

 至2021年
  11月30日)

第9期
連結会計年度

(自2021年
  12月1日

 至2022年
  11月30日)

第10期
連結会計年度

(自2022年
  12月1日

 至2023年
  11月30日)

第11期
連結会計年度

(自2023年
  12月1日

 至2024年
  11月30日)

連結売上総利益 (千円)

498,160

816,243

1,088,212

1,499,344

2,183,371

EBITDA(千円)

△912,606

△691,052

△573,451

△125,757

343,089

 

 

 

(5) 対処すべき課題

ELEMENTSグループは、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① サービス設計と品質の維持

ELEMENTSグループが提供するAIクラウド基盤(IoP Cloud)は、サービス提供の過程で日々取得する「ヒト」に関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げております。ELEMENTSグループのサービスは、各導入事業者が展開するサービスに組み込まれる形で、各導入事業者からユーザーに提供されます。ユーザーは、これらのサービスを利用するにあたり、ELEMENTSグループの管理するデータベースにユーザー自らがデータをアップロードします。ユーザーから取得したデータをELEMENTSグループが保管するため、様々な面から機械学習を行い、既存サービスの品質向上のみならず新規サービスの開発に繋げられるのが、ELEMENTSグループの特徴です。しかしながら、各事業者または産業固有のオペレーション・フローに対応したサービス設計を行うためには、それぞれの事業者または産業の特徴を理解する必要があります。価値が高いサービスを提供するには、大量のデータを日々取得できる、効率的な機械学習環境を整備することが有効であるとELEMENTSグループは考えており、日常生活の自然な導線上でユーザーにお使い頂けるよう、ユーザビリティの高い自社サービスの設計と品質の維持を心がけております。

 

② 海外展開

ELEMENTSグループが提供するAIクラウド基盤(IoP Cloud)は、個人が日常生活から発するデータを分析対象としているため、対象市場は国内に留まりません。データ収集の対象数が多い市場で事業を行うことは自然な流れであり、人口増加と経済成長が著しい、アジア太平洋地域(APAC)市場は最重要マーケットと認識しております。ELEMENTSグループは、インドネシア共和国にて同国の華僑系財閥である「Salim Group」と現地合弁会社「PT. Indoliquid Technology Sukses」を設立し、ELEMENTSグループが国内で展開するサービスの単純な海外移管に限定しない、現地の文化や市場ニーズにマッチしたサービスの展開を目指して活動を行っております。

 

③ システムの安定性確保

ELEMENTSグループが提供するAIクラウド基盤(IoP Cloud)は、インターネット上にてサービス提供を行っております。ELEMENTSグループの事業を支えるサーバーは、主に外部クラウドサービスであるAmazon Web Services, Inc.が提供するAmazon Web Services (AWS)で管理されており、利用者数の増加及びそれに伴うアクセス数の飛躍的な増加への対応並びにユーザビリティ向上のため、複数のサーバーによる負荷の分散・システムの冗長化・定期的なバックアップの実施・各種不正アクセス対策等によるシステムセキュリティの強化・システム稼働状況の監視等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組みを行っております。

 

④ 情報管理体制の強化

ELEMENTSグループはサービスの提供において、ヒトに関するデータ(ユーザーの個人情報)を取り扱っており、情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、連結子会社の株式会社Liquidにおいては、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格である「ISO/IEC 27001」及び国内規格である「JIS Q 27001」の認証を取得しております。機密情報や個人情報について、以前より社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備を行っておりますが、今後も引き続き情報管理の徹底及び体制の強化を図ってまいります。

 

⑤ 知的財産権の確保

ELEMENTSグループは、日々の開発業務から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独または他社と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。画像解析及び機械学習領域においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、ELEMENTSグループも特許権等の取得により活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してシステムを開発・提供することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術領域については、他社に先立って戦略的に特許権を取得していきます。

 

⑥ 人材の確保及び教育の強化

ELEMENTSグループはこれまで、少人数で効率的な組織運営を行ってまいりました。一方で、今後の業容拡大に向け、ELEMENTSグループの成長速度に見合った人材の確保及び従業員の実務的なスキル強化も重要な課題と認識しております。そのため、今後も優秀な人材の獲得及び教育に取り組んでまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

ELEMENTSグループは、各分野において今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、今後もELEMENTSグループの事業拡大に応じた内部管理体制の強化を図り、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 

⑧ 財務体質の強化

ELEMENTSグループは2024年11月期に設立以来初の営業黒字を計上いたしましたが、過去、営業赤字が継続しておりました。今後、十分な売上高が獲得できない場合や研究・開発期のサービスに対する新規投資が増加した場合には営業赤字、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字が発生する可能性があります。ELEMENTSグループは経営の健全性を保つために、キャッシュ・フローを重視した経営に努めておりますが、今後の事業強化や拡大を図るためには資金が必要となります。そのような場合に備え、常に一定水準の手元流動性を確保し、信用獲得に努めてまいります。手元流動性確保のため、資金調達や内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の更なる強化を図ってまいります。

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

ELEMENTSグループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。ELEMENTSグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてELEMENTSグループが判断したものであります。また、以下の記載はELEMENTSグループの事業もしくはELEMENTS株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク
① 競合について

ELEMENTSグループは、画像解析及び機械学習領域において事業を展開しておりますが、当該領域においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。また、優れた競合企業の登場、競合企業によるサービス改善や付加価値が高いビジネスモデルの出現等により、ELEMENTSグループの競争力が低下する可能性があり、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ELEMENTSグループでは今後も明確に他社との差別化が図られる分野、収益性の高い分野、競合が少ない分野などにターゲットを絞った戦略的な経営を進めて、引き続き事業の拡大及び競争力の維持・強化に努めてまいります。

 

② 技術革新について

ELEMENTSグループが提供するAIクラウド基盤(IoP Cloud)の根幹となる画像解析及び機械学習技術は、進展が著しいという特徴を有しております。ELEMENTSグループでは、研究開発活動によって画像解析及び機械学習技術の進展に常時対応していく方針でありますが、ELEMENTSグループが想定していないような新技術・新サービスの普及等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応できない可能性があります。また、事業環境の変化に対応するための開発費用が多額となる可能性や、研究開発活動によって得られた成果を事業化できない可能性、さらには事業化した場合でもELEMENTSグループが想定している収益を得られない可能性も考えられます。このような場合には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

このような環境の中で、ELEMENTSグループは、画像解析及び機械学習技術に関して、最新技術の開発を率先して行うとともに、優秀な人材の確保に取り組んでおります。

 

③ 特定のサービスへの依存について

ELEMENTSグループは個人認証ソリューションにおいて、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を提供しておりますが、2024年11月末時点で「LIQUID eKYC」の売上高は、グループ全体の約6割を占めております。当該割合に関しては、今後変わる可能性がありますが、売上高の面で相当程度の依存がある状態にあります。

ELEMENTSグループでは、認証精度やユーザビリティの点で、優位性を高めているものの、強力な競合企業が登場した場合、競争激化により売上高が減少することが考えられます。また、犯罪収益移転防止法(犯収法)上、特定事業者が非対面で本人特定事項を確認する際にeKYCの利用が法律上認められておりますが、今後犯収法が改正され、eKYCの利用に制約が課せられたり、システムを変更する必要が生じたりする場合には、利用者が減少する、または、対応に多額の費用を要した結果、ELEMENTSグループの売上高及び利益が減少する可能性があります。このような場合には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ELEMENTSグループでは、個人認証ソリューションにおける認証精度やユーザビリティの改善により、競合優位性を高めていく方針です。また、今後の成長に向けて次なる事業の柱を確立すべく、新規事業開発に努めております。これらの開発により、特定サービスへの依存度低下に努めてまいります。

 

(2) 事業内容に関するリスク
① 新規サービスの黒字化に長期間要することについて

ELEMENTSグループが、「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」を軸に事業者向けに様々なサービスを提供するためには、実証実験等にて社会実装に向けた要否判定を経て、機能を開発する必要があります。新たな事業を開始する際は、こうした研究・開発及び商用化(実証実験を含む)、そしてその先の成長を見込んでおりますが、新規機能やサービスの開発着手以降、商用化やその先の成長が想定通り進まない場合は、黒字化まで長期間要する可能性があります。さらに、本格運用がスタートした後も軌道に乗った展開ができるとは限らず、方針の変更や見直し、撤退等何らかの問題が発生する可能性も想定されます。

ELEMENTSグループは各領域において事業を展開することで事業リスクの分散を今後も行っていく方針ですが、新規サービスの黒字化が進まない場合は、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権について

ELEMENTSグループは、第三者との間の知的財産権に関する紛争を未然に防止するため、新サービスの開発の際には、特許事務所に先行特許調査を委託し、また弁護士の助言を得ながら製品のライセンス取得を実施しておりますが、ELEMENTSグループのようなエンジニア・研究者を中心とする開発型企業の場合、第三者との知的財産権に関する紛争を完全に防止することは事実上不可能であります。ELEMENTSグループは、特許権等の知的財産権の取得、弁護士や弁理士等の専門家との連携等により知的財産権に関する紛争の防止に努めておりますが、第三者と知的財産権に係る紛争が生じた場合、当該紛争に対応するために多くの人的または資金的負担がELEMENTSグループに発生するとともに、場合によっては損害賠償請求、ライセンス料等の支払請求や製品等の差止の請求等を受ける可能性があり、ELEMENTSグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

今後につきましても、第三者との間の知的財産権に関する紛争を防止するための管理を行ってまいりますが、ELEMENTSグループがこのような紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議のうえ、当該知的財産権によってはライセンサーとも協力し、対応する方針です。

また、ELEMENTSグループは特許権等の知的財産権を積極的に取得していく方針でありますが、ELEMENTSグループが出願する特許権等の知的財産権の全てが登録される保証はありません。ELEMENTSグループが知的財産権を十分に保全できない場合には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業運営体制に関するリスク

① 代表取締役への依存及びELEMENTSグループの事業推進体制について

ELEMENTSの代表取締役会長である久田康弘は、ELEMENTS設立当初からELEMENTSグループ経営に関わっております。また、代表取締役社長である長谷川敬起は、2016年11月にELEMENTSに入社後、事業責任者として「LIQUID eKYC」の立ち上げを実施、2020年2月からは株式会社Liquidの代表取締役を務めております。経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において両名の果たす役割は極めて重要となっております。

ELEMENTSグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、経営体制の整備を進めており、また、共同代表性を採用し役割を分担することで、個人への依存度を低下させるように努めております。しかし、当面は依然として両名への依存度は高く、近い将来において何らかの理由により両名もしくはいずれかの業務執行が困難となった場合、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び教育について

ELEMENTSグループは、エンジニアを中心として、サービスの開発や画像解析・機械学習等要素技術の開発を行っております。それらを支えるエンジニアについて、既存従業員のスキルアップを図るとともに、新たな人材の確保を行っていきたいと考えております。しかし、今後適切な人材を十分に確保できず、あるいは在職中の従業員の退職等により、十分な開発・販売体制を築くことができない場合には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ELEMENTSグループはこのようなリスクを踏まえて、積極的な採用活動や社外ネットワークの強化を行うとともに、働きやすい環境の整備や処遇制度の充実等、従業員のモチベーションを向上させる仕組みの構築を継続して推進してまいります。

 

③ 個人情報の取り扱いについて

ELEMENTSグループは「BEYOND SCIENCE FICTION」をグループミッションに掲げ、ヒトが直接ネットワークに繋がる世界観「IoP」の実現のために、ヒトに関するデータ(ユーザーの個人情報)を自社で保管していく方針です。

個人認証ソリューションにおいては、容貌・本人確認書類・氏名・住所・生年月日等の個人情報を、当該ソリューションにおけるサービス提供や、収集したデータを機械学習することによる認証精度の向上を目的として取得しております。また、現在は実施しておりませんが、今後、事業者横断で不正利用を検知するサービスや認証サービスを提供する際は、ELEMENTSグループが事業者から取得した個人情報を第三者提供する可能性があります。

個人最適化ソリューションにおいては、衣食住の領域における最適化を実現するために、体型情報・足型情報・購買情報・位置情報等の個人情報を、当該ソリューションにおけるサービス提供、ヒトに関するデータの機械学習を目的として取得しております。

個人情報の取扱いについては、日本においては「個人情報の保護に関する法律」が適用され、諸外国においては、GDPR(EU一般データ保護規則)や当該国の個人情報に関する法律(個人情報に関する法令等)が適用されることがあります。

ELEMENTSグループは個人情報に関する法令等や個人情報の取扱いを事業運営上の重要事項と捉え、その重要性を十分に認識し、個人情報保護基本規程をはじめとした個人情報保護に関連する規程等を制定し、運用しております。

ELEMENTSグループのサービスの提供に際しては、ELEMENTSグループの責任において第三者となる業務委託先に個人情報の保管等について再委託する場合があります。その場合においても、個人情報に関する法令等を遵守し、適切かつ合理的な方法で業務委託先の安全管理を行っております。

しかしながら、自然災害や事故、外部からの悪意による不正アクセス行為及び内部の故意又は過失による顧客情報の漏洩、消失、改ざんまたは不正利用等により、万一ELEMENTSグループまたはELEMENTSグループの業務委託先から個人情報が漏洩した場合には、信用の失墜又は損害賠償による損失が生じ、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システム障害等について

ELEMENTSグループの事業は、インターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによってインターネットの切断、ネットワーク機器の作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。ELEMENTSグループでは、稼働状況の定期的なモニタリング、異常発生時の対応方法等の明確化などシステム障害の発生防止のための対策を講じておりますが、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合等には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ELEMENTSグループは、クラウドベースのサービスのほとんどを、Amazon Web Services (AWS)を利用して提供しています。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避するために、システム冗長化のみならず複数のアベイラビリティゾーンの利用による冗長性の確保や各種不正アクセス対策等によるシステムセキュリティの強化、また、システム稼働状況の監視等を実施しております。しかしながら、このような対応にも関わらず自然災害、事故、不正アクセスなどによってAWS上のELEMENTSグループのサービス及びAWSそのもののシステム障害が発生した場合、またはAWSとの契約が解除される等によりAWSの利用が継続できなくなった場合等には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報セキュリティ対策について

ELEMENTSグループは本人認証関連サービスを提供する事業者として、厳重な情報セキュリティ管理体制のもと自社内の情報を管理しています。また、連結子会社の株式会社Liquidにおいては、情報セキュリティマネジメントシステム (ISMS)の国際標準規格である「ISO/IEC 27001」及び国内規格である「JIS Q 27001」の認証を取得し、情報管理についての各種規程を定めて運用し、従業員への教育を定期的に実施する等、情報管理の対策を講じております。また、金融機関からはFISCの安全対策基準(金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準)や「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」に準じた体制の構築・運用していることを確認するためのチェック並びに監査等委員及び内部監査担当者による監査を受けております。また主要なサービスに使用するアプリケーションには外部のセキュリティ事業者による定期的な脆弱性診断を実施し、機密情報を含むデータ・ベースへのアクセス可能者を限定し、アクセス履歴を記録するなど、外部の不正アクセス防止やELEMENTSグループの従業員による情報漏洩への関与を未然に防ぐ措置を講じております。

このような対策にも関わらず、外部の不正アクセスによる場合やELEMENTSグループから情報の漏洩等が発生した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、ELEMENTSグループが企業としての社会的信用を喪失し、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 小規模組織における管理体制について

ELEMENTSグループの組織体制は小規模であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。ELEMENTSグループは今後も外部からの採用と人材の教育に努め、内部管理体制及び業務執行体制の強化を図り、また、業務効率化や生産性向上のために必要なシステム投資を行っていく方針であります。しかし、急激な事業拡大が生じた場合、十分な人的・組織的対応が取れない可能性があります。また、今後の人員増加に伴い、先行して一時的に固定費負担が増加する場合も想定され、そのような状況が生じた場合には、ELEMENTSグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 業歴が浅いことについて

ELEMENTSグループは2013年12月に設立された社歴の浅い会社であり、また、主力サービスである「LIQUID eKYC」についても、2019年7月に提供開始と業歴が浅いことから、過年度の業績及び財政状態だけでは、今後のELEMENTSグループの業績や成長性を判断する材料としては不十分な面があります。また、過去に生体決済事業の終了など事業変遷の経緯があるため、今後も主力サービスが変遷し、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財務状況に関するリスク

① マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて

ELEMENTSグループは現時点では開発活動を中心とした企業であり、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を構築し、その後に各種売上を得られるようになるまでは多額の費用が先行して計上されることとなります。そのため、当連結会計年度末においてはマイナスの繰越利益剰余金を計上しております。

ELEMENTSグループは、これらの初期投資に基づく将来の利益拡大を目指しております。しかしながら、将来において想定どおりに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、ELEMENTSグループの事業が計画どおりに進展せず当期純利益を計上できない場合には、マイナスの利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、初期投資に際しては計画的に行うとともに、顧客獲得や売上高の拡大及び収益性の向上に向けた取組みを行っていく方針であります。

 

② 税務上の繰越欠損金について

ELEMENTSグループには現時点では税務上の繰越欠損金が存在しております。事業計画の進展から順調にELEMENTSグループ業績が推移することによる繰越欠損金の使用、または繰越欠損金の期限切れによる消滅により、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益又は当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、税制改正に係る情報については、ELEMENTS顧問税理士を通じて早期に捉えるようにしております。また、グループ各社の業績管理プロセスを強化することにより、大幅な業績変化の兆候を早期に捉えるようにしております。

 

③ 資金繰り及び資金調達について

ELEMENTSグループでは、事業の進捗に伴って運転資金、開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が予想されます。このような資金需要に対応すべくELEMENTSグループはこれまでに第三者割当増資や金融機関からの借入等による資金調達を実施しましたが、今後さらにエクイティ・ファイナンス、国や地方公共団体をはじめとする公的補助金等の活用、さらには金融機関によるプロジェクトファイナンス等により資金需要に対応していく方針です。継続的にELEMENTSグループの財務基盤の強化を図ってまいりますが、エクイティ・ファイナンスや売上収入・提携一時金及び公的助成金・補助金等の獲得を含めた資金調達が想定どおり進まない場合等、資金繰りの状況によってはELEMENTSグループの事業活動等に重大な影響を与える可能性があります。

また将来、増資等のエクイティ・ファイナンスを実施した場合には、ELEMENTSの発行済株式数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

④ 配当政策について

ELEMENTSは設立以来配当を実施しておりません。また、ELEMENTSグループは開発活動を継続的に実施していく必要があることから、当面は内部留保の充実に努め開発資金の確保を優先することを基本方針としております。

事業等の進捗によっては利益配当までに時間を要する可能性がありますが、株主への利益還元も重要な経営課題の1つであると認識しており、経営成績と財政状態を勘案して利益配当も検討してまいります。

 

⑤ ストック・オプション行使による株式の希薄化について

ELEMENTSは、ELEMENTS及びELEMENTS子会社の取締役及び従業員等の長期的な企業価値向上に対する士気向上及びインセンティブを目的とし、ストック・オプション制度を採用しております。本書提出日の前月末現在におけるELEMENTS発行済株式総数に対する、新株予約権による潜在株式数の割合は16.07%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、ELEMENTSの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(5) 法的規制等に関するリスク

ELEMENTSグループの事業を規制する主な法規制として、「犯罪収益移転防止法」があります。マネーロンダリング対策等の観点から制定された犯罪収益移転防止法では、特定事業者につき取引時確認が求められます。ELEMENTSグループは、現時点では「特定事業者」に当たらず、直接的な規制の対象ではありません。もっとも、ELEMENTSグループが提供するオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」において、犯罪収益移転防止法に基づいた対応を取る必要があります。また、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を「特定事業者」として規制対象に含める新たな法令等の制定や、非対面での本人特定事項の確認に関する既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、ELEMENTSグループの事業展開が制約される可能性があります。ELEMENTSグループにおいては、現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、また、弁護士や外部諸団体を通じて新たな法規制及び取引関係先の法規制改正の情報を直ちに入手できる体制を整えております。

 

(6) 知的財産権の侵害によるリスク

ELEMENTSグループは、自社システム開発をはじめその事業活動において第三者の知的財産権を侵害することのないよう、社内での調査や弁理士等を通じた調査・確認を適宜実施し、細心の注意を払っております。しかしながら、知的財産権を侵害したとして第三者から不測の訴訟を提起され、その結果によって損失が発生する場合、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 不可抗力によるリスク

① 自然災害・気候変動等に関するリスク

不慮の事故、火災、自然災害等による被害が発生し、ELEMENTSグループが利用するクラウドサーバーが損壊して利用できなくなった場合や、これらの損害に対して保険では対応できず、修復費用や復旧までの逸失利益等が生じた場合には、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ELEMENTSグループにおいては、このようなリスクに対処するため、特に重要なデータについては、安全と考えられるデータセンターで保管しております。

また、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延によるELEMENTSグループの業績への影響は現時点では軽微と考えておりますが、今後の感染拡大の状況によってはELEMENTSグループの事業活動及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 紛争・政情不安に関するリスク

ELEMENTSグループは、インドネシア共和国に合弁会社「PT. Indoliquid Technology Sukses」を設立し、今後も東南アジアを中心に海外事業を展開していく予定であります。テロ・戦争・クーデターあるいは政情不安等によりELEMENTSグループの拠点やサービスが直接または間接的な被害を受ける等の事態が発生した場合、ELEMENTSグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ELEMENTSグループにおいては、このようなリスクに対処するため、政治情勢、財政情勢、法規制変更等について、情報収集を行い、政情不安等の兆候の早期把握に努めております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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