NGKグループの企業集団は、NGK、子会社57社(うち連結子会社46社、持分法適用会社1社)及び関連会社1社で構成され、その主な事業内容と、各構成会社の当該事業に係る位置づけは次の通りです。
なお、次の3事業区分は「第5 経理の状況1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度より、組織変更に伴い「エネルギー&インダストリー事業」に含まれていた産業機器関連製品を「エンバイロメント事業」へ変更しております。
〔エンバイロメント事業〕
当事業は、自動車排ガス浄化用部品、センサー及び一般産業用セラミックス製品・機器装置の製造・販売を行っております。
自動車排ガス浄化用部品の製造は、国内ではNGK、米国ではNGK CERAMICS USA,INC.、欧州ではNGK CERAMICS EUROPE S.A.、NGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.、インドネシアではP.T.NGK CERAMICS INDONESIA、中国ではNGK(蘇州)環保陶瓷有限公司、メキシコではNGK CERAMICS MEXICO, S. DE R.L.DE C.V.、タイではNGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD.が行っております。
また自動車排ガス浄化用部品の販売は、国内ではNGK、米国ではNGK AUTOMOTIVE CERAMICS USA,INC.、欧州ではNGK EUROPE GmbH、インドネシアではP.T.NGK CERAMICS INDONESIA、中国ではNGK(蘇州)環保陶瓷有限公司、タイではNGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD.が行っております。なお南アフリカのNGK CERAMICS SOUTH AFRICA (PTY) LTD.につきましては、現在清算手続きを進めております。
センサーの製造は、国内ではNGK及びエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、欧州ではNGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.が行い、販売は国内ではNGK、欧州ではNGK EUROPE GmbHが行っております。
化学工業用耐蝕機器の製造・販売は、NGK及びエヌジーケイ・ケミテック㈱が行っております。液・ガス用膜分離装置の製造・販売は、NGK及びエヌジーケイ・フィルテック㈱が行っております。燃焼装置及び耐火物の製造は、国内ではエヌジーケイ・キルンテック㈱、エヌジーケイ・アドレック㈱、中国ではNGK(蘇州)熱工技術有限公司、タイではSIAM NGK TECHNOCERA CO.,LTD.が行い、販売は、国内ではNGK及びエヌジーケイ・キルンテック㈱、中国ではNGK(蘇州)熱工技術有限公司、タイではSIAM NGK TECHNOCERA CO.,LTD.が行っております。低レベル放射性廃棄物用処理装置の製造及び販売は、NGKが行っております。
NGK NORTH AMERICA,INC.は、米国における持株会社です。
〔デジタルソサエティ事業〕
当事業は、半導体製造装置用製品、電子工業用製品、ベリリウム銅製品、金型製品の製造・販売を行っております。
半導体製造装置用製品の製造は、国内ではNGK及びエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、米国ではFM INDUSTRIES,INC.が行い、販売は国内ではNGK、米国ではNGK ELECTRONICS USA,INC.が行っております。
電子工業用製品の製造はエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、NGKエレクトロデバイス㈱グループ、販売はNGK、NGKエレクトロデバイス㈱グループ、NGK EUROPE GmbHが行っております。
ベリリウム銅製品の製造は、国内ではNGK及びエヌジーケイ・メテックス㈱が行い、販売はNGKが行っております。海外については、米国ではNGK METALS CORPORATIONが製造・販売を行っております。欧州ではNGK BERYLCO FRANCEが製造・販売を行い、NGK BERYLCO U.K. LTD.が加工・販売、NGK DEUTSCHE BERYLCO GmbHが販売支援を行っております。中国では恩基客(中国)投資有限公司が販売支援を行っております。金型製品については、エヌジーケイ・ファインモールド㈱にて製造・販売を行っております。
〔エネルギー&インダストリー事業〕
当事業は、NAS®電池及び電力用がいし・機器の製造・販売を行っているほか、NAS®電池を活用した電力の販売を行っております。
NAS®電池の製造・販売は、NGKが行っております。また、NAS®電池を活用した電力の販売は恵那電力㈱、あばしり電力㈱が行っております。
がいしの製造は、国内ではNGKと明知ガイシ㈱、米国でNGK-LOCKE,INC.が行っております。販売は国内ではNGK、米国ではNGK-LOCKE,INC.、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行っております。中国では恩基客(中国)投資有限公司が調達支援を行っております。なお米国のLOCKE INSULATORS,INC.及び中国のNGK唐山電瓷有限公司につきましては、現在清算手続きを進めております。
配電用機器の製造は、国内ではエナジーサポート㈱グループ、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行い、販売は国内ではNGK及びエナジーサポート㈱グループ、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行っております。
(その他の事業)
保険代理業及びゴルフ場経営のエヌジーケイ・ライフ㈱等があります。
主要な事業の系統図は次の通りであります。
(連結子会社合計46社)
(1)会社の経営の基本方針
NGKグループが掲げる「NGKグループ理念」と「NGKグループビジョン Road to 2050」は以下の通りです。
<NGKグループ理念> https://www.ngk.co.jp/info/philosophy/
私たちの使命
「社会に新しい価値を そして、幸せを」
私たちが目指すもの
「人材 挑戦し高めあう」
「製品 期待を超えていく」
「経営 信頼こそが全ての礎」
<NGKグループビジョン Road to 2050> https://www.ngk.co.jp/info/vision/
2050年の未来社会を見据え、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会への爆発的進化という大きな流れを新たな発展機会と捉え、①ESG経営の推進、②収益力向上、③研究開発への注力、④商品開花への注力、⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の5つの変革に取り組み“Surprising Ceramics.”をスローガンにNGK独自のセラミック技術を活かし、「第三の創業」に向けて事業構成の転換を図ってまいります。
NGKグループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。既存事業の収益力の向上と共に、2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」を目標に掲げ、研究開発とマーケティングに注力することにより売上高成長率の維持・向上を実現し、利益成長を目指します。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。株主・投資家との透明で適切なコミュニケーションで資本コストの引き下げに努めると共に、これを上回る収益性確保に向けて事業計画の立案や設備投資の意思決定プロセスを回してまいります。また、配当性向及び純資産配当率等を参照して積極的な株主還元に努めます。これらにより財務健全性との両立を図りつつ、ROEを構成する利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指します。
更に、NGKの企業価値向上に資する管理指標として、営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-added)を使用しております。環境負荷の低減や人権尊重への取組みなど多岐にわたる社会的責任を果たすとともに、将来の競争力の源泉である人的資本や研究開発への投資を積極的に行いつつ、着実に利益成長を実現できるよう付加価値の拡大に努めてまいります。
NGKグループを取り巻く環境は、不動産市場が低迷する中国経済の鈍化、ロシアによるウクライナ侵攻や中東の紛争が長期化する状況下、2024年は世界的な選挙イヤーでもあり、不透明な状況が続くことが予想されます。一方、中長期の観点では、「地球沸騰化」と表現されるように地球温暖化の進行による影響が危機的な状況にある中、脱炭素社会実現に向けたカーボンニュートラルへの取組みは拡大していきます。また生成AI(人工知能)時代の到来を迎え、情報通信が高度化しデジタル社会の発展は加速度的に進展すると想定しております。NGKグループは社会に新しい価値を提供する企業を目指し、NGKグループビジョンにおいて「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」ことをありたい姿として定め、その実現に向けて「5つの変革」を推進しております。NGKグループの基幹事業である自動車関連製品は電動化の進展により縮小していく懸念はありますが、2050年の未来社会に向けて、カーボンニュートラルやデジタルソサエティ関連の製品を拡大させ、事業構成の転換を着実に進めるべく、「ESG経営の推進」と「既存事業の収益力向上と新規事業の創出」を図ってまいります。
NGKグループの重点課題に対する取組みは以下の通りです。
① ESG経営の推進
NGKグループは、持続的な成長と将来のありたい姿への変容を推進すべく、ESGを経営の中心に位置づけております。NGKグループ理念「社会に新しい価値を そして、幸せを」に基づき、独自のセラミック技術で新しい価値を提供することで持続可能な社会の実現に貢献し、社会の皆さまからの期待に応え、信頼を得たいと考えています。これをNGKグループのサステナビリティに係わる基本的な考え方とし、NGKグループ理念の実現に向けて、ESG(環境・社会・企業統治)及びSDGs(持続可能な開発目標)を念頭に置きつつ、カーボンニュートラルとデジタル社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指します。
また、NGKグループは海外19カ国で36のグループ会社(うち製造会社18社)がビジネスを展開しており、これらの目標達成と経営の透明性・自律性を高めるべく、グループで働く全員が公正な価値観や国際的な水準の判断基準に従って行動できるよう環境整備を進めております。その一環として、国の内外において、関係法令、国際ルール及びその精神を遵守しつつ、高い倫理観をもって社会的責任を果たすべく、会社の姿勢を示す「NGKグループ企業行動指針」、役員や従業員が従うべき道筋を示した「NGKグループ行動規範」を改定・制定し、運用を開始いたしました。
社長を委員長とする「ESG統括委員会」のもと、全てのステークホルダーに信頼されることを目指してESG要素を始めとするNGKグループのサステナビリティ課題に取り組み、これを取締役会が適切に監督してまいります。
〔環境(E)〕
NGKグループは、2050年までにCO2排出量ネットゼロとする目標を掲げ、カーボンニュートラル、循環型社会、自然との共生への寄与を骨子とした「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、具体的な行動計画として「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」と「第5期環境行動5カ年計画」を定め、その実現を目指しております。5カ年計画の最終年度となる2025年度には目標値であるScope1及びScope2におけるCO2排出量55万トン(2013年度比25%削減)を達成できる見通しであります。マイルストーン(中間目標)とする2030年度の同37万トンの排出量(同50%削減)についても、2025年度までに海外拠点で使用する電力全量の再生可能エネルギー由来への切り替え、国内外の製造拠点への合計32メガワットの太陽光発電設備の導入などにより達成を目指します。また、目標達成を前倒しで実現すべく、水素やアンモニアなどカーボンニュートラル燃料によるセラミック焼成技術や、CO2の回収・利用・貯蔵関連技術として、ガス分離膜や大気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)の開発、CO2を再利用するメタネーションの実証試験を推進しており、NGKグループ内での実証・適用を進めるほか、カーボンニュートラル関連製品・サービスの開発にも取り組んでまいります。2023年11月には3年連続となるグリーンボンド(無担保社債)を発行しました。環境効果のある製品・サービスの提供、自社の事業活動・生産活動におけるカーボンニュートラルへの取組みなどを加速してまいります。
また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に関する情報をNGKウェブサイト等に開示しているとともに、自然との共生への対応については、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のアーリーアダプター(早期採用者)として賛同を表明しました。今後も社会的な要請に遅れることなく関連情報の開示を拡充してまいります。
〔社会(S)〕
NGKグループは、自社及びサプライチェーンにおける人権を尊重する取組みを展開することで、事業活動が影響を及ぼす全ての人々の人権が侵害されることのない社会づくりに貢献します。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を開示、また「子どもの権利とビジネス原則」を支持し事業活動において子どもの権利を尊重し、子どもの権利の推進に向けた社会貢献活動等に取り組むことを宣言しております。
NGKグループは、NGKグループ理念の中で、「挑戦し高めあう人材」を私たちが目指すものの1つと位置づけ、「社会に新しい価値を そして、幸せを」という私たちの使命の実現と、NGKグループビジョンの実現に向けた「5つの変革」に取り組んでおります。これらを成し遂げるためには、人材一人ひとりの活躍が不可欠です。2023年6月に「NGKグループ人的資本経営方針」、「人材育成方針」ならびに「社内環境整備方針」を定め、採用や育成を通じて5つの変革に取り組む人材の充実を図ること、その人材が持てる力を十分に発揮できる環境を整えることを推進してまいります。NGKでは、自律的な成長に取り組むことが出来るような多様なキャリアパスの提供や、テレワーク活用といった柔軟な働き方、長時間労働の削減を中心とする社内環境整備などの施策にも取り組んでおります。女性活躍については、新卒採用に占める女性比率の数値目標を設定すると共に、配属先・異動先での職域拡大を図っています。また、育休・産休取得者のキャリア早期再開を促すための早期復職支援制度の導入、育休からの復職者研修の実施、男性育休制度の拡充などの制度面からのアプローチに加えて、仕事と家庭の両立への理解を深めることを目的とした社内講演会を開催するなど、女性が活躍しやすい環境づくりに取り組んでおります。海外人材については、NGKグループは従業員約20,000人のうち、約6割が海外に所在しております。グループ運営において、それぞれの地域の事情、文化、習慣に基づく素早く適切な意思決定を行うためには現地人材の活躍が不可欠と考えており、海外拠点の幹部層も現地化するなど、現地人材の積極的な登用に努めております。
NGKは、内閣府、中小企業庁が推進する「パートナーシップ構築宣言」を公表しております。NGKグループのサプライチェーンにおいては、サプライチェーンを構成する調達パートナーと公正・公平な取引を行い、共に繁栄を図るため、「門戸開放」「共存共栄」「社会的協調」を調達の基本軸に掲げ、地球環境の保全、人権尊重、労働環境などに配慮した「NGKグループ調達方針」を定めております。また取引先企業への訪問や実態調査アンケート等を通して、サステナブル調達へのリスク・CSR詳細評価を行っております。
〔ガバナンス(G)〕
コーポレートガバナンスについては、取締役会の更なる機能発揮の観点から、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資する独立社外取締役を選任し、その数を全取締役の3分の1以上としております。また、経営の透明性を確保し取締役会の監督・監視機能を強化するため、独立社外取締役を過半数として構成する指名・報酬諮問委員会で役員の人事及び報酬決定等に係る公正性の確保及び透明性の向上を図ると共に、社外役員を主要な構成員とし役員等が関与する不正及び法令違反等への対応を取り扱う経営倫理委員会を設置し、取締役会への答申又は報告、勧告等を行うこととしております。役員等が関与する不正・法令違反に歯止めをかける仕組みとして、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度とは別に、社外弁護士を通じて経営倫理委員会に直接報告するホットライン制度を設置し、経営陣から独立した通報体制を設けるなど、コンプライアンス体制の充実を図っております。
また、NGKグループで働く全ての人が倫理観を持って正しい事業活動を行うための道しるべとして「NGKグループ企業行動指針」及び「NGKグループ行動規範」を策定しており、その周知徹底に取り組んでおります。さらに様々な領域で取り組むコンプライアンス活動を国際的な水準に照らして評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。
競争法及び海外腐敗行為防止法などの法令遵守については、2024年4月に「NGKグループ腐敗防止方針」を新たに定めたと共に、継続的な経営トップのメッセージ発信、国内外グループ会社の役員・従業員向けのコンプライアンス教育の実施、国際的な水準に沿った競争法遵守プログラムの運用、「競争法遵守ハンドブック」の活用などにより徹底を図っております。
品質コンプライアンスについては、経営トップによる品質活動や品質委員会の直接指導の実施などの仕組みを強化すると共に、経営層及び従業員に対する品質教育の徹底など企業体質の改善に取り組んでおります。労働環境の安全面では、リスクアセスメントの推進による重大災害リスクの特定と未然防止対策の強化に加え、グループ全体の現場マネジメント力の強化を図り、業務災害リスクの低減に取り組んでまいります。
リスクマネジメントについては、経営レベルの視点から重要と考えるリスクを事業環境、戦略、内部要因に分類し継続的に見直しを行っております。NGKグループのサステナビリティ課題を含む個別のリスク事項については、各種の委員会を設置してリスク管理を行っておりますが、国内外の環境変化が加速する中、部門を横断し全社視点で取締役会につながる統合的なリスク管理の仕組みを構築するため、2023年度より社長直轄の統括委員会として「リスク統括委員会」を設置し、重点フォローリスクについて取締役会の決議を経て対応策の検討を開始いたしました。
② 既存事業の収益力向上と新規事業の創出
NGKグループは、全社の視点から企業価値を高めるために事業ポートフォリオ方針を定め、NGK版ROICを用いた収益性と、売上高成長率を用いた成長性の二軸で精査しております。コア事業や今後の成長が期待される事業群への経営資源の投入を検討するほか、低成長・低収益に区分される事業については、今後の事業継続の判断において単年度及び中期的な経営計画に基づく計数面での評価に加えて、長期的な視点での成長可能性、収益性等を個別に社内の戦略会議等で議論し、経営に関する重要な事項として取締役会が監督してまいります。また、設備投資の意思決定にあたっては、個別の投資の回収期間のほか、NGK版ROICやインターナルカーボンプライシング(ICP)を用いたESG視点での価値評価も考慮し判断してまいります。さらに持続的な利益成長と将来の企業価値の源泉となる人的資本や知的資本への投資を両立させ、同時に環境負荷の低減や人権尊重への取組みなどサステナビリティに関する取組みも総合的に評価するため、管理指標として営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-added)を導入しております。これにより、短期の収益性や中長期の成長性といった財務価値に加えて財務諸表に表れない非財務価値を高めて、企業価値向上につなげてまいります。
各事業の収益性改善に向けて、世界的なインフレに伴う費用増を適切に価格に転嫁していくほか、収益力をさらに高めるべく「モノづくり∞(チェーン)革新」を進めております。モノづくりチェーンにおける理想と現状のギャップを埋める「生産革新活動」、工場単位のロス削減により製造原価を改善する「原価低減活動」を柱とし、デジタル技術の活用によりモノづくりシステムの高度化とグローバル連携を進め、原燃料費などの高騰や需要変動に対して、更なる原価低減とリードタイムの短縮、在庫の削減に取り組むことで、収益力強化につなげてまいります。
DX推進については、NGKグループデジタルビジョンのもと、グループ全体で加速させてまいります。モノづくり領域に加え、新規材料の開発や開発リードタイムを短縮するマテリアルズ・インフォマティクスや特許戦略にIPランドスケープを活用する等データを活用した価値創造や、本社・間接部門における徹底的な業務効率化とデータ連携を進め、固定費の削減やデータに基づく業務履行と意思決定へと変革を推進します。
事業構成の転換には新規事業の創出が不可欠であり、その重要施策として、2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」を目標に掲げております。マーケティング機能を主体としたNV推進本部、セラミックス材料技術や要素技術などNGK独自の差異化技術を有する研究開発本部、生産技術・エンジニアリングなどの製造技術本部の3本部が連携し「研究開発」から「商品開花」へのスピードを高めてまいります。2024年度の研究開発費は前年度同様過去最高水準の310億円を投じることを計画しており、2021年からの5年間で1,300億円を投じるとしたNGKグループビジョンを上回るペースで進めております。2021年から2030年までの10年間で3,000億円、うち8割をカーボンニュートラルとデジタル社会関連に配分し、社会課題の解決に資する将来の有望なテーマに対して重点的に経営資源を投じてまいります。また、開発スピードを上げつつこれまで以上の差異化技術を作るべく、早い段階から製造技術本部を巻き込んだコンカレント開発に取り組むほか、ベンチャーキャピタルやスタートアップ企業への出資など外部とのアライアンスを活用した新製品・新規事業の創出も積極的に推進し、事業構成の転換を図ってまいります。
セグメント別の重点課題は以下の通りです。各報告セグメントを構成する主要製品については、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報)(セグメント区分の変更)」をご覧ください。
〔エンバイロメント事業〕
世界の自動車生産の回復や各国の排ガス規制強化等により、当面は高水準の需要に対応しつつ生産性の改善やグローバル生産体制の最適化と安定供給体制の構築により利益最大化を目指します。電気自動車の普及拡大により将来的には内燃機関ビジネスは漸減するものの、短期的には欧州をはじめとする更なる規制強化に対応すべく、新製品のガソリンセンサーの開発を加速させることに加え、CO2センサーの潜在的な需要に対する準備を開始するとともに、中長期の需要縮小局面において適正な収益を確保できる価格の見直しを進めてまいります。また、世界的に拡大が期待されるカーボンニュートラル関連市場に対して、大気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)や、CO2、窒素、水素など分子レベルで分離するサブナノセラミック膜など、社会の環境ニーズに貢献できる製品や設備の早期事業化に向けて、産業プロセス事業をエンバイロメント事業区分に組み込むとともに、CN事業推進部を新設し、本社工場の一部を新製品開発拠点に再編、開発体制を強化いたしました。広義に環境関連を包含する事業として、高付加価値品の投入、技術イノベーションで貢献してまいります。
〔デジタルソサエティ事業〕
NGKグループビジョンで掲げたデジタル社会関連の事業領域は、世界経済の回復鈍化に伴い短期的には需要が弱含むものの、中長期ではIoTや5Gの進展などにより半導体関連や電子部品関連の拡大が期待されております。半導体製造装置用製品や電子部品関連については、次世代製品の開発や顧客開拓を進めるほか、中長期を見据えた設備投資を進め、拡大する需要に対応してまいります。また、絶縁放熱回路基板の供給能力向上や通信分野の高度化及びパワーモジュールに資す複合ウエハーの開発を着実に進め、デジタル社会に貢献する製品群の拡大を目指します。
〔エネルギー&インダストリー事業〕
2050年のカーボンニュートラルを目指し、脱炭素の動きが世界中で活発化する中、蓄電池の重要性も一層高まっております。エナジーストレージ関連では、NAS®電池の本格的な需要拡大には暫く時間を要しますが、大容量、長寿命、長時間充放電等の特性を生かした商機の掘り起こしを図ってまいります。NAS®電池を活用し、エネルギーリソースをIoT技術で統合制御し電力需給バランスを調整するVPPサービスを開始するなど、従来の「モノ売り」に加え、サービスや価値を提供する「コト売り」を新事業領域として注力してまいります。がいしは、国内電力会社の設備投資抑制が続く中、中長期の市場変化を想定した事業の効率化を継続的に進めてまいります。
NGKグループは、こうした取組みを通じて経営基盤の更なる強化に努め、資本効率重視、株主重視の経営を継続すると共に、持続的な成長と企業価値の向上を通して将来のありたい姿の実現を目指してまいります。
NGKグループは、NGKグループビジョンの実現に影響を与える不確実性をリスクと捉え、グループのリスク課題を包括的に取り扱うためリスク統括委員会を設置しております。当委員会は年3回開催されその活動内容を年1回以上取締役会に報告しており、取締役会はその活動を監督しております。
リスク統括委員会では、内外環境の変化を踏まえたリスク分析・評価、管理すべき重要なリスクを特定すると共に、これらリスクへの対策及び実施状況の把握等のリスク管理プロセスの向上を図り、経営全体の持続性を強化しております。
上記プロセスを通じ、NGKグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを以下のように認識しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日現在)においてNGKグループが判断したものであります。
(1) 事業運営におけるリスク
当社グループは、海外19ヵ国に36のグループ会社を展開し、うち18社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ等が各事業の前提条件となっております。NGKは様々な観点から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症、自然災害等による社会的混乱などを含め、これらの諸条件に予期せぬ事象が発生した場合には、NGKグループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
NGKグループの主要な製品の需要動向、競争や収益環境に関するリスク認識につきましては以下の通りです。
① エンバイロメント事業
当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)は、NGK製品を搭載する内燃機関自動車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わることや、あるいは消費者の価値観やビジネスモデルが変化することによって、需要が変動する可能性があります。NGKグループでは、2030年段階において内燃機関車の市場はピークアウトしているものの、各国の排ガス規制の強化もあり、NGK製品需要は引き続き一定の規模で推移すると予想しており、新製品や高機能品の開発、市場投入が必要不可欠とみております。しかしながら、内燃機関車の減少につながる変化がNGKの想定を超えて進捗した場合や、強化された排ガス規制などの環境規制に対する不十分な取組みや対応の遅延がある場合には、期待する業績を達成できないリスクがあります。
加えて、重要性が高い中国市場においては、競合が台頭するリスクがあります。NGKグループでは、環境規制を先取りした技術対応力や安定した供給力により競争力を強化してまいりますが、競合がNGKグループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。
また、産業機器関連製品については、リチウムイオン電池正極材及び電子部品向け焼成炉の成長が見込まれますが、競合がNGKグループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。
当事業においては、環境規制の内容と時期、需要動向、競合他社の状況等を十分にモニタリングしておりますが、景況の悪化や規制時期の遅れ等、短期間で需要見通しが下方修正される場合には、NGKグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
② デジタルソサエティ事業
当事業は、半導体製造装置メーカー向けの部材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、モーターの駆動制御や発電機などの電力変換を行うパワー半導体モジュール向け絶縁放熱回路基板、基地局で使用される高周波デバイス用セラミックパッケージ、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材を供給しております。
主力の半導体製造装置用製品の需要は半導体の需給状況や各国の規制、技術革新により大きく左右されます。NGKグループは、各国の輸出規制並びに直接の顧客である半導体製造装置メーカーからの需要情報や半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しておりますが、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、NGKグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、NGK独自の技術対応力や製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持しておりますが、顧客ニーズへの対応遅れなどにより市場シェアを喪失する可能性があります。社会のデジタルシフトと共に半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおりますが、革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合などにおいて、期待する成長水準を達成できない可能性があります。半導体に関する各国の輸出規制はより複雑化しており、当局への確認、対応の遅延などによる業績へのリスクがあります。こうした法規制の動向については、各事業本部への情報共有、必要な規程・マニュアルの整備により対応しております。
その他の製品群においては、最終消費財の販売動向や基地局・データセンターへの投資の動向等に大きく左右されることから、客先動向を注視した上で需要の変動に素早く対応できるよう適宜人員体制、生産体制等を見直しております。しかしながら、NGKグループの想定を超えて大きく需要が減少する場合や、需要低迷が長期化する場合には、販売の急激な減少や過剰在庫の発生により業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当事業が属する半導体・電子部品業界は、技術革新やモデルチェンジのペースが速く、主要顧客のニーズに応じてタイムリーに新技術開発、製品投入が出来ない、もしくは競合メーカーがNGKグループの想定を上回って伸長した場合には受注を失い、収益が大幅に減少するリスクがあります。
③ エネルギー&インダストリー事業
当事業は、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)、電力絶縁用がいし及び機器類を供給しております。NAS®電池については、脱炭素に向けた世界的な潮流を受けて、再生可能エネルギー普及に伴う大容量・長時間用途の蓄電池のニーズが主に海外では顕在化しつつあり、将来需要が拡大する可能性があります。当事業では引き続き、NAS®電池の持つ優位性(大容量・長時間)をアピールすると共に、欧州などの有力企業とのパートナーシップ強化や政府の支援策等も活用し、ニーズの取り込みを図ってまいります。しかしながら、リチウムイオン電池などの競合製品の技術革新によりNAS®電池の持つ優位性が失われた場合には、NGKグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
がいしや機器類については、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。国内では、磁器製に対して長期性能に懸念があるものの、比較的安価で軽量なポリマー製がいしが採用される動きが一部であり、想定を上回って普及した場合には業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 海外では競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、収益が減少するリスクがあります。
このような事業環境を踏まえ、NGKグループビジョンにおいてカーボンニュートラルとデジタル社会をNGKグループが取り組むべき社会課題と設定し、事業構成の転換に向けた取組みを進めております。
(2) 研究開発に関するリスク
NGKグループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料及び加工プロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続しております。全社売上高に占める新製品(5年以内に事業化した製品)比率は30%を目標に、研究開発費合計は連結売上高の5%程度を目安として事業規模の拡大に対応して増加させております。
また、NGKグループビジョンでは、2030年までの10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%を「カーボンニュートラル(CN)」、「デジタルソサエティ(DS)」分野に配分し、その通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。目標達成に向けて2022年4月にマーケティングを主体とした「NV推進本部」を新設し、研究開発本部、製造技術本部と連携して新製品創出や事業化を推進しております。しかしながら、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(3)人材におけるリスク
①人材確保・人材管理
NGKグループは、NGKグループ理念の中で、挑戦し高めあう人材を私たちが目指すものの一つと位置づけ、2023年6月にNGKグループ人的資本経営方針を策定しました。この方針の下で目指すべき人材の継続的な確保・育成に向けて様々な施策を講じております。
特に注力するのは「DX人材」と「グローバル人材」の確保・育成であり、デジタル技術を集中的に学ぶ社内DX留学制度や資格取得推奨といった取組みや語学研修をはじめ、異文化理解を基礎としたコミュニケーション・マネジメント研修や、各国エリアスタディなどのセミナーを実施しており、今後も人材育成の仕組みや制度の充実を図ってまいります。また、従業員の挑戦をサポートする社内環境整備の取組みも進めております。
一方で、人材の流動化や雇用環境の変化等の社会変動において、優秀人材の獲得競争は激化しております。上記の施策を講じたとしても、求める人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合は、事業の遂行能力が向上しないことで、NGKグループビジョンやNew Value 1000といった事業目標を達成できず、業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
②ダイバーシティ&インクルージョンへの対応
NGKグループは、NGKグループ人的資本経営方針に示した求める人材像に合わせ、多様性確保に向けた人材育成方針や社内環境整備方針を定め、ダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進し、多様な人材が各々の能力を発揮して活躍できるよう努めております。具体的には、階層別教育やキャリア自律サポート、部門を超えたジョブローテーション制度等の人事施策を進め、また、新卒・キャリア採用を問わず幅広い人材の採用を実施し、個の多様性を育む取組みに注力しております。
しかしながら、人材の多様化が進まない場合は、人材の同質性が継続し既存の価値観から脱却できず、イノベーションが生まれないリスクがあります。またダイバーシティ&インクルージョンに消極的な企業と認識されることで、採用競争力低下や業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(4) 法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク
① 法令などの遵守に関するリスク
当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、国内外で競争法、輸出入関連法規、労働関連法規等の各種法令や外国公務員贈賄規制などの規制を遵守して事業活動を行っております。これらの法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守等の社会的規範に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的な制裁を受け、レピュテーションが低下し、更に事業収益にまで影響が及ぶおそれがあります。
そのため、NGKグループ企業行動指針及びNGKグループ行動規範に基づいた誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。コンプライアンス活動を国際的な水準に照らし評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たっております。
また、国内外で内部通報制度に関する規程を整備し、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度や、経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」を設置することにより、NGK役員や従業員が関与する法令違反や社会的規範に反する行為等の発生可能性の低減を図っております。
② 人権・安全に関するリスク
NGKグループは、従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題のリスクに対し、安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。従業員の健康増進にも力を入れており、NGKは2024年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人」の認定を6年連続で受けました。
また、グループの事業活動にともない、グループ従業員のみならず、サプライチェーンやNGK製品を通じて、NGKの事業活動に関わる全ての人々の人権を侵害するリスクがあることを認識しております。NGKグループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範を遵守し、「NGKグループ人権方針」を定めているほか、英国現代奴隷法に関する声明を提出し、従業員の理解を向上させるために、e-ラーニングや講演会による各種研修を通じて、人権侵害リスクの防止、軽減に努めております。しかしながら、NGKグループの予想し得ない問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
③ 品質と製品の安全性に関するリスク
NGKグループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、重大な市場クレームや契約違反等、業務の不備によるブランド・レピュテーションの毀損、訴訟の提起等の品質と製品の安全性に関わるリスクを認識しております。
NGKグループは、「NGKグループ企業行動指針」に基づく品質方針の下、お客様の信頼を高める活動を軸とし、業務品質の改善と品質リスクの低減に注力して取り組んでいます。品質経営部が各事業本部の品質活動をモニタリングすると共に、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど、品質と製品の安全性に関わるリスク低減を行っております。
業務品質(お客様との約束を遵守するための仕組み)の改善では、2018年度から全社品質コンプライアンスプログラムの中で、経営層による決意表明、規程・ルールの整備、教育の実施、監査及びモニタリング、防止活動の各項目について継続して取組みを進めております。特に業務の無理・曖昧の防止とコミュニケーションの徹底を図ってきた結果、業務負荷や作業ルールの見直しと、実務現場やグループ会社等のフロントラインへの品質コンプライアンスの理解と浸透が進み、問題をオープンにする組織風土の醸成につながっております。
また、品質リスクの低減では、4つの品質活動をルール化するとともに守るべき6つの品質を定め、その考え方・やり方をQRE-P(Quality Risk Elimination - Process:製品の企画から量産に至る商品化プロセスで、より効果的に品質リスクを排除するための手順)に示して全社展開する活動を継続しております。また、2023年に定めた製品・サービスの安全性に関する活動の全社的なガイドラインをベースに各事業部門に適切なリスク評価の方法を構築するとともに教育を拡充して理解と浸透を推進しております。
しかしながら、NGKグループが製造・販売する製品とサービスにおいて、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
(5) 情報システムのリスク
当社グループは、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務に広くITシステムを活用しております。また、働き方改革の実現に向けてグループ共通の情報通信システム(ICT)やデータプラットフォームを構築し、活用を促進しております。NGKグループでは、NGKグループ情報セキュリティ方針に基づきITセキュリティ体制の構築や全体のセキュリティ向上に取り組んでおり、従業員に対しては情報セキュリティ教育を実施し、内部の情報資産の適正な管理・運用の徹底に努めております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生した場合には、NGKグループの社会的信用や業務の継続、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(6) 為替、資金及び資材調達のリスク
NGKグループは、グローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替レートの変動に対しては、需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買等の対策を実施すると共に、短期的な変動に対しては、先物為替予約などによりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、NGKグループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
資材調達については、各地域における素材価格やエネルギーコスト、物流費の上昇によって製造・販売コストが増加し業績に悪影響を及ぼすほか、サプライチェーンの混乱や、本国・調達元の法規制の変化への対応が遅れることによる資材調達の遅延や顧客への出荷滞留等、NGKグループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。素材価格やエネルギーコスト等の上昇に対しては適正な売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組んでいるほか、サプライチェーンについては、海外拠点先からも情報を入手して状態監視を行い、在庫管理や調達先の多様化を図る等リスク低減に努めております。しかしながら、特定の素材・設備の流通が滞り、過度の価格の上昇やサプライチェーンの混乱が起こる場合や、法令・規制に違反しレピュテーションが低下した場合には、NGKグループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(7) 気候変動と災害のリスク
①気候変動に関するリスク
NGKグループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に関するリスク認識について「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿った形で、財務影響も含めて公表しています。具体的には、2〔サステナビリティに関する考え方及び取組〕の該当箇所、及びNGKホームページをご覧ください 。
https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment-tcfd.html
一方、TCFDで想定したシナリオ以外の事象が発生した場合には、追加的費用が生じて業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、気候変動対応目標の未達により、顧客などのステークホルダーの評価が下がり、更にはブランド価値の毀損やビジネス機会の損失が生じるリスクがあります。
②大規模災害及び感染症に関するリスク
NGKグループは国内外に拠点を有しており、温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等による水害、大規模な地震や火災等の災害により操業困難な拠点が発生する可能性があります。
そのため、NGKグループは、関連規程類の策定や訓練等を通じ、BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進し、災害発生時の事業継続や早期復旧のため、主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保等の各種対策に取り組んでおります。しかしながら、想定を超える事象によって主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合、また、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合などには相当期間、生産活動が停止し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
また、重大な感染症が発生・蔓延し、社員、サプライヤーや顧客に罹患者が出た場合や、顧客の操業が著しく低下した場合には、NGKグループの製品の生産・販売に悪影響を及ぼすリスクがあります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー