日本精鉱グループは、日本精鉱と連結子会社2社により構成されております。
また、その他の関係会社である株式会社川嶋とは原料取引を行っております。
日本精鉱グループの主要な事業は、アンチモン事業と金属粉末事業に大別され、各セグメントごとの事業内容は次のとおりであります。
[アンチモン事業]
日本精鉱は、各種プラスチック材料に添加される難燃剤及びポリエステルやアクリル系樹脂の触媒等に使用され
る各種三酸化アンチモンのほか、ブレーキ材料として使用される三硫化アンチモン、耐熱性が求められる各種エンプラ系樹脂の難燃剤用アンチモン酸ソーダ等を製造、販売しております。
販売は、日本精鉱が直接販売するケースと、代理店等を通じて販売するケースがあります。
連結子会社の日テイ精礦(上海)商貿有限公司は、中国国内市場でアンチモン製品等の販売と原料の調達を行っております。
[金属粉末事業]
連結子会社の日本アトマイズ加工㈱は、電子部品用金属粉末(導電ペースト用の銅粉・貴金属粉やパワーインダクタ用軟磁性材としての鉄系合金粉等)、粉末冶金用金属粉末(精密モーター軸受用の青銅粉・黄銅粉・錫粉、自動車部品用の銅粉・青銅粉・黄銅粉等)等の製造販売を行っております。
日本精鉱の取引先の中には金属粉末も使用されている顧客もあり、子会社製品の一部は日本精鉱を通じても販売されております。
[その他]
本社ビルの一部を賃貸する不動産賃貸事業、高糖度トマト養液ハウス栽培事業等を行っております。
日本精鉱グループの主要な事業の系統図は、次のとおりであります。
将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において、日本精鉱グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
日本精鉱グループは以下の基本理念と経営理念を事業運営の基本方針として今後も堅持してまいります。
基本理念
日本精鉱グループは、環境と安全そして成長を最重要課題と認識し、社会との共存を図り、より豊かで快適な生活環境を創るために必要な物づくりの一翼を担うことに、誇りを持って、たゆむことなく、挑み続けることを基本理念とします。
経営理念
1.お取引先様の立場に立ったサービスを提供します。
私たちは、お取引先様の信頼にお応えすることを絶えず念頭に置いて、その多様なご要望に、的確かつ迅速に対応いたします。
2.法令・規則を遵守します。
私たちは、法令・規則を遵守し、適時・適切な企業情報の開示を心がけ、公明正大で透明性の高い経営を推進することで、お取引先様や株主様の信用を得られるようにたゆむことなく努力いたします。
3.環境をたいせつにします。
私たちは、環境に配慮した企業活動を通じ、社会の発展に寄与すると共に、次の世代に豊かな地球環境を引き継ぐことを目指します。
4.魅力ある職場を創ります。
私たちは、グループ社員が安全で衛生的な労働環境のもと、いきいきと活動し、自らの能力と使命を存分に発揮することができる機会と職場を創ることを心がけます。
5.安定した収益を確保し、成長戦略を続けます。
私たちは、優れた品質とサービスを提供することで安定した収益を確保しつつ、常に高い目標に向かって成長を続けるように、全員で取り組みます。
(2)目標とする経営指標
日本精鉱グループでは、2023年3月期から2025年3月期までの3カ年を活動期間とする中期経営計画を以下の通り策定しております。
<スローガン>
グループ力を発揮し、持続可能な事業の成長に向けて、チャレンジし続ける
『Challenge for Sustainable Growth』
<基本方針と具体的施策>
1.グループ連携の強化
・グループ経営管理機能の拡充
・グループ経営資源の戦略的配分
・共同研究開発体制の推進
2.収益力の改善
・自動化・省人化によるコスト削減
・高付加価値製品の拡充・強化
・デジタル化による業務プロセス効率化
3.新たな価値を生み出す事業の創出
・オープンイノベーション推進による新規事業創出
・車載向け製品の取組み強化
・サステナビリティ事業への取組み
4.魅力ある会社づくり
・多様な人財が活躍できる環境づくり
・ステークホルダーエンゲージメントの強化
・SDGs活動の推進
<目標とする経営指標>
同計画の最終年度である2025年3月期において、連結営業利益24億円以上、連結ROE10%以上と設定しておりま
したが、事業環境の大きな変化のため、連結営業利益11億円以上、連結ROE7%以上に修正いたします。
(3)経営環境と優先的に対処すべき課題
当連結会計年度における、日本精鉱グループを取り巻く経営環境につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
世界の景気の先行きは、持ち直しが続くことが期待されますが、世界的な金融引き締めによる金利の高止まりやウクライナや中東の情勢など地政学リスクの高まりによる影響を注視する必要があります。日本経済の先行きにつきましても、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れ、物価上昇、金融資本の変動等の影響に十分注意するなど不透明な状況が続くとみられています。このような状況下、日本精鉱グループは中期経営計画の達成に向けて、前述の具体的施策を行っていくことで、企業価値の更なる向上を目指してまいります。
アンチモン事業につきましては、国内市場において、需要の縮小均衡、海外メーカーとの競争激化、更には特定化学物質障害予防規則(特化則)への対応などにより、厳しい事業環境が続いています。きめ細かい販売活動を実施し、品質の向上や新製品の開発などに努め、シェア拡大に取り組んでまいります。また、原料調達の取組みを強化すると共に、生産工程の見直しや自動化・省人化、業務プロセスの効率化などで生産性の改善を行い、コストダウンの実現を図ってまいります。
金属粉末事業につきましては、電子部品市場において、デジタル技術の進化や自動車の電装化などにより中長期的に需要の拡大が見込まれる一方、品質・機能・安定供給に対する要求水準が高まっています。こうした顧客ニーズに応えるために、鉄系合金粉の生産工程増設を完了させるなど、生産能力の増強を行うと共に、高機能製品の開発と品質マネジメントシステムの強化を行ってまいります。また、自動化による生産の効率化、製品歩留まりの改善、継続的な原価低減の取組みなどを行い、収益力の向上を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、各セグメントにおいて以下のようなものがあります。(アンチモン事業は提出会社である日本精鉱と連結子会社である日テイ精礦(上海)商貿有限公司が、金属粉末事業は連結子会社である日本アトマイズ加工㈱が、それぞれ営んでおります。)
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において日本精鉱グループが判断したものであります。
[アンチモン事業]
1.経済活動の状況
同事業のアンチモン製品はプラスチック製品や繊維製品などの難燃剤をはじめ、触媒や顔料、ブレーキ材料、ガラス清澄剤など、様々な用途を持っており、最終需要は自動車や家電製品、OA機器、繊維製品など、多種の産業分野にわたっています。そのため、同事業は各産業の生産活動状況に影響されます。従って、国内外の関連市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、景気変動やパンデミックによる経済活動の制限などによって、同事業の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
2.原料地金の調達
同事業の主要製品である三酸化アンチモンはアンチモン地金(以下「原料地金」)を原料としております。原料地金の主要原産地は中国であり、同国の資源保護政策等により、原料地金の安定的調達に影響を及ぼす可能性があるという面でリスクを抱えております。
そのため、日本精鉱では、中国に供給を大きく依存していることによるリスクに対応するため、中国以外にも安定的なサプライ・ソースを確保すべく、取り組んでおります。
3.原料地金価格及び為替の変動
原料地金はドル建てで輸入しており、原料地金価格および為替の変動リスクを有しており、同事業の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。これらのリスクに対しては、在庫数量の適正化やリードタイムの短縮などの施策を行うことや為替予約を行うことで、影響の低減を図ってまいります。
4.競合
現在中国は、原料地金の最大の供給国ですが、同時に製品である三酸化アンチモンの競合先でもあります。
日本における三酸化アンチモン市場の約半量は輸入品が占め、その内約40%が中国製品であり、厳しい価格競争を強いられております。
それに対抗するため、日本精鉱ではコスト低減努力の他に、高品質製品やお客様が要求される特殊仕様の製品の製造・販売に注力しております。
5.三酸化アンチモンの特定化学物質障害予防規則適用
同事業の主要製品である三酸化アンチモンが、2017年6月1日から特定化学物質障害予防規則(以下「特化則」)の管理第2類物質に追加されました。これにより、日本精鉱事業所において、発散抑制措置や作業環境測定・特殊健康診断の実施等が必要となる他、同製品を使用しているお客様にも同様の対応が新たに必要な場合があります。
それらに対応するため、日本精鉱では施設面での措置や社員教育等を行い、法令遵守の体制を整え、今後も必要に応じ見直してまいります。
また、お客様に対しては、法令対応に必要な措置についてのフォローを実施する他、同製品の品質を維持しながら、特化則の適用除外となる特殊加工を施した製品提供の提案を行うなど、事業への影響を最小限にすべく対応を進めてまいります。
6.環境保全
同事業の製品の一部には、前述の特化則管理第2類物質の他、毒物及び劇物取締法の劇物、或いは化学物質排出把握管理促進法の第一種指定化学物質があります。万一、保管・輸送途上等での不測の事態により、紛失、落下飛散等が発生した場合、環境汚染を引き起こす可能性があります。
その管理については、法令を遵守するとともに日本精鉱の品質環境マネジメントマニュアルに基づき策定された標準書・手順書に従い万全を期してまいります。
7.人財の確保
国内において少子高齢化などによる労働力人口の減少に伴い、人財不足の深刻化および採用競争が激化している環境下、同事業において人財の確保が十分に行えない場合、生産力・技術力・サービスなどの低下により、同事業の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
同事業では、採用活動の多様化、人的資本への取り組み強化、魅力ある会社づくりなどの各種施策により、人財の確保に係るリスクの低減に努めてまいります。
[金属粉末事業]
1.経済活動の状況
同事業の金属粉末は主に自動車部品、家電部品、電子機器部品の素材として使用されており、同事業は最終需要である自動車や電機・電子機器等の各業界の設備投資および生産動向に影響を受けます。従って、国内外の関連市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、景気変動やパンデミックによる経済活動の制限などによって、同事業の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
2.事業継続計画(BCP)
大地震等の自然災害や、火災、設備故障などにより、長期に亘り工場の操業が停止し、顧客への製品納入に支障をきたすような事態に陥ることを避けるために、生産拠点を野田本社工場(千葉県野田市)・つくば工場(茨城県牛久市)の2拠点体制としております。
事業継続計画に沿って定期的な教育・訓練を行い、さらに改善を加えることにより、事業継続マネジメントの有効性を高めるための適切な施策を実施しています。
今後は大型化している台風や集中豪雨などの風水害や未知の感染症に対する事業継続計画の立案・策定を行ってまいります。
3.粉末微細化や新合金製品化の収益性
電子部品の小型化、軽量化、高性能化が進み、より微細な金属粉末が求められています。また、新機能付加により製品差別化を目指す顧客ニーズもあり、同事業の新たな合金粉末製品の要求も高まっています。
しかしながら、技術上の要因等によりこのような製品は製品歩留まりが低下して、コストが高くなる傾向がありますが、適正な加工費単価の確保などで収益性の向上に努めてまいります。
独自の水アトマイズ法の技術力の向上を図り、従来よりもさらに効率の良い製造方法を確立することで、顧客ニーズに対応できるように努めてまいります。
4.原料価格および為替相場の変動
同事業の製品販売価格は、原料である鉄、銅、銀、ニッケルなどをベースにしていますが、特に銀や銅、ニッケルは原料の仕入から販売までの期間、相場の変動に伴い収益が大きく左右されます。
したがって、在庫数量の適正化やリードタイムの短縮などの施策を実施することで、これを最小限に留めるように努めております。また為替変動による収益へのリスクを回避するために、輸出製品価格を円建てといたしております。
5.人財の確保
国内において少子高齢化などによる労働力人口の減少に伴い、人財不足の深刻化および採用競争が激化している環境下、同事業では電子部品需要の拡大に対応して、つくば工場での増築・生産能力の増強を行い、生産活動を強化しておりますが、人財の確保が十分に行えない場合、生産力・技術力・サービスなどの低下により、同事業の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
同事業では、採用活動の多様化、従業員満足度の向上、人財育成、省力化・自動化の推進などの各種施策により、人財の確保に係るリスクの低減に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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