日本郵政(6178)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


日本郵政(6178)の株価チャート 日本郵政(6178)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】(1) 日本郵政グループの事業の内容日本郵政グループ(以下「日本郵政グループ」といいます。)は、日本郵政、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」といいます。)、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」といいます。)及び株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命保険」といい、日本郵便及びゆうちょ銀行と併せて「事業子会社」と総称します。)を中心に構成され、「郵便・物流事業」、「郵便局窓口事業」、「国際物流事業」、「不動産事業」、「銀行業」、「生命保険業」等の事業を営んでおります。当該6事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であり、報告セグメントに含まれていない事業を「その他」に区分しております。各事業における事業の内容並びに日本郵政及び関係会社の位置づけは次に記載のとおりであります。なお、日本郵政は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。また、日本郵政は、当連結会計年度より、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合が50%を下回ったことから、銀行法に定める銀行持株会社でなくなり、特定事業会社(企業内容等の開示に関する内閣府令第18条第2項に規定する事業を行う会社)に該当しなくなりました。セグメントの名称主な事業内容関係会社等郵便・物流事業郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等○ 日本郵便○ 日本郵便輸送株式会社○ 日本郵便メンテナンス株式会社○ JPロジスティクスグループ株式会社○ JPトナミグループ株式会社  及び同社傘下の連結子会社32社○ JPビズメール株式会社○ 株式会社JPメディアダイレクト○ JP楽天ロジスティクス株式会社○ JPロジスティクス株式会社○ 東京米油株式会社△ JPライネックス南海パーセル株式会社△ JPトナミグループ株式会社傘下の関連会社4社郵便局窓口事業郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、物販事業、提携金融サービス等○ 日本郵便○ 株式会社郵便局物販サービス○ JPコミュニケーションズ株式会社○ 日本郵便オフィスサポート株式会社○ JP損保サービス株式会社○ 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社○ JPシステム開発株式会社○ 株式会社ゆうゆうギフト○ JP東京特選会株式会社△ セゾン投信株式会社△ 株式会社ジェイエイフーズおおいた△ リンベル株式会社国際物流事業豪州を中心としたグローバル市場におけるフォワーディング及びロジスティクス事業等○ Toll Holdings Pty Limited  及び同社傘下の連結子会社178社△ Toll Holdings Pty Limited傘下の関連会社3社不動産事業不動産事業等○ 日本郵便○ 日本郵政不動産株式会社○ JPプロパティーズ株式会社○ JPビルマネジメント株式会社銀行業銀行業等○ ゆうちょ銀行○ ゆうちょローンセンター株式会社○ JP投信株式会社(注4)○ JPインベストメント株式会社  及びその他連結子会社13社(注4)○ ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社  及びその他連結子会社1社△ 日本ATMビジネスサービス株式会社生命保険業生命保険業等○ かんぽ生命保険○ かんぽシステムソリューションズ株式会社△ 大和アセットマネジメント株式会社 セグメントの名称主な事業内容関係会社等その他グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業、投資事業日本郵政○ 日本郵政コーポレートサービス株式会社○ ゆうせいチャレンジド株式会社○ 日本郵政キャピタル株式会社  及び同社傘下の連結子会社1社○ 株式会社JPデジタル○ JPツーウェイコンタクト株式会社○ 日本郵政建築株式会社△ 株式会社Good Technology Company△ Aflac Incorporated (注) 1.○は連結子会社、△は持分法適用関連会社であります。2.日本郵政の連結子会社である日本郵便は、連結子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミホールディングス株式会社(以下「トナミHD」という。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権比率は87.24%となり、日本郵政の連結子会社となりました。なお、トナミHDが2025年6月23日を効力発生日とする株式併合等を実施した結果、JWT株式会社の議決権比率は、当連結会計年度末において100%となっております。JWT株式会社は2025年7月1日付でJPトナミグループ株式会社に商号変更しております。3.2025年6月27日付で、日本郵政は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、日本郵政のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。なお、本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が日本郵政の連結子会社であることに変更はありません。4.JP投信株式会社は、前連結会計年度はゆうちょ銀行の持分法適用関連会社でしたが、ゆうちょ銀行が同社の株式の追加取得をしたことにより、当連結会計年度末時点においてゆうちょ銀行の連結子会社となっております。なお、2026年4月1日付で、JP投信株式会社を存続会社、JPインベストメント株式会社を消滅会社とする合併を実施し、商号をゆうちょアセットマネジメント株式会社に変更しております。 ① 郵便・物流事業当事業では、郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等を行っております。 (a) 郵便事業郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS※)を提供しております。また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しております。その他、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行等の業務を行っております。※ EMS=国際スピード郵便(Express Mail Service) (b) 物流事業物流サービスとして、宅配便(ゆうパック等)及びメール便(ゆうメール等)の運送業務を行っており、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供いたします。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、物流ソリューションセンターを中心として、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PL※サービスの提供を展開しております。さらに、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配需要を獲得するため、2014年に資本・業務提携した海外物流パートナーである、仏GeoPost S.A.及び香港Lenton Group Limitedとの間で開発した国際宅配便サービスである「ゆうグローバルエクスプレス」により国際郵便で提供できない付加価値サービスに対応いたします。※ 3PL(サードパーティーロジスティクス)=サード・パーティー(=3PL事業者)が、荷主の物流業務全体又は一部を荷主から包括的に受託するサービスの形態。 (c) その他(a)及び(b)の業務の他、カタログ等に掲載されている商品の販売又は役務の提供に係る申込みの受付け、商品代金の回収等の業務や、地方公共団体からの委託を受けて空き家調査業務等を行っております。 ② 郵便局窓口事業当事業では、お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した直営の郵便局(2026年3月31日現在20,093局(うち、営業中は19,917局))及び業務を委託した個人又は法人が運営する簡易郵便局※(2026年3月31日現在4,022局(うち、営業中は3,373局)。ただし、銀行代理業務等に係る委託契約を締結しているのは3,370局(うち、営業中は3,357局)、生命保険募集委託契約を締結しているのは292局(うち、営業中は290局))において郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務等、保険窓口業務等、物販事業を行っている他、提携金融サービスを行っております。※ 簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)第3条に規定する日本郵便が郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を委託する者が設ける施設であり、日本郵便と受託者との受委託契約により行う業務が異なります。 (a) 郵便・物流事業に係る窓口業務郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパック等物流サービスの引受、印紙の売りさばき等を行っております。 (b) 銀行窓口業務等ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っております。 (c) 保険窓口業務等かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っております。 (d) 物販事業カタログ等を利用して行う商品の販売並びに商品の販売又は役務の提供に係る契約の取次ぎ及び当該契約に係る代金回収を行う業務等として、生産地特選品販売、年賀状印刷サービス、フレーム切手販売、文房具等の郵便等関連商品の陳列販売等を行っております。また、社員による販売に加え、インターネット及びDMによる販売を行っております。 (e) 提携金融サービスかんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険、自動車保険、傷害保険等の販売を行っております。 (f) その他の事業(a)~(e)の業務の他、以下の業務を行っております。・地方公共団体からの委託を受けて行う戸籍謄本や住民票の写し等の公的証明書の交付事務、ごみ処理券等の販売、バス利用券等の交付事務・当せん金付証票(宝くじ)の発売等の事務に係る業務・日本放送協会からの委託を受けて行う放送受信契約の締結・変更に関する業務・郵便局等の店頭スペース等の活用、窓口ロビーへのパンフレット掲出等の広告業務・会員向け生活支援サービス業務(郵便局のみまもりサービス) 等 ③ 国際物流事業当事業では、Toll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)、同社傘下の子会社及び関連会社において、アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際貨物輸送、及び、アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供しており、下表の2部門で構成されております。 区分部門名サービス概要フォワーディング事業グローバルフォワーディング(Global Forwarding)アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際貨物輸送サービス等を提供ロジスティクス事業グローバルロジスティクス(Global Logistics)アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供 ④ 不動産事業当事業では、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業のほか、賃貸用建物の運営管理等を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めたグループ外の収益物件の取得も推進しております。また、日本郵政の子会社である日本郵政不動産株式会社が、2025年10月1日に同社子会社であるJPプロパティーズ株式会社の発行済株式の49%を追加取得し、完全子会社化しております。 ⑤ 銀行業当事業では、ゆうちょ銀行が、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、シンジケートローン等業務、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務などを営んでおります。また、日本郵便の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。また、ゆうちょ銀行及びその関係会社は、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。 (a) 資金運用ゆうちょ銀行は、2026年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める186.1兆円の貯金を、主として有価証券145.3兆円(内、国債41.4兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)88.2兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。 (b) 資金調達、資産・負債総合管理ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所・日本郵便が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。また、郵政管理・支援機構が、公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。さらに、上記(a)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みのもとで、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。 (c) 手数料ビジネスゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。 ⑥ 生命保険業当事業では、かんぽ生命保険が、保険業法に基づく免許・認可を得て、生命保険の引受け及び有価証券投資、貸付等の資産運用業務を行っております。また、日本郵便との間で生命保険募集・契約維持管理業務委託契約等を締結し、2026年3月31日現在、20,058局(うち、営業中は19,882局)の郵便局で生命保険募集等を行っております。 (a) 生命保険業かんぽ生命保険は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、かんぽ生命保険には、他の生命保険会社にはない、業務を行うに当たっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(3) 事業に係る主な法律関連事項 ③(i)~(l)」をご参照ください。業務の種類内訳保険引受業務① 個人保険及び財形保険② 個人年金保険及び財形年金保険③ 再保険(注)資産運用業務④ 有価証券の取得⑤ 不動産の取得⑥ 金銭債権の取得⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。)⑧ 有価証券の貸付⑨ 預金又は貯金⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等 (注) かんぽ生命保険と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてをかんぽ生命保険が受再しております。 (b) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行かんぽ生命保険は、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。・アフラック生命保険株式会社・エヌエヌ生命保険株式会社・住友生命保険相互会社・第一生命保険株式会社・東京海上日動あんしん生命保険株式会社・日本生命保険相互会社・第一ネオ生命保険株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・明治安田生命保険相互会社・メットライフ生命保険株式会社 (c) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務かんぽ生命保険は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 ⑦ その他上記の各事業のほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するグループシェアード事業、公社から承継した病院及び宿泊施設の運営、成長性の高い企業に出資を行う投資事業等を行っております。 (a) グループシェアード事業日本郵政グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1か所に集約した方が効率的な実施が見込まれる間接業務(電気通信役務及び情報処理サービスの提供、人事及び経理に関する業務、福利厚生に関する業務、不動産の管理等に関する業務、人材派遣・紹介等の業務、コールセンターに関する業務、人材育成に関する業務及び健康管理業務など)を、事業子会社等から受託して実施することにより、業務を支援するとともに、経営効率の向上を図っております。 (b) 病院事業日本郵政グループの企業立病院として、東京逓信病院を運営しております。(注) 逓信病院設置数は2026年3月31日現在、東京逓信病院の1か所であります。 (c) 宿泊事業「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の運営、管理を行っております。(注) 宿泊事業における施設設置数は2026年3月31日現在、「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の1か所であります。 (d) 投資事業成長性の高い企業に出資を行うことにより、出資先企業と日本郵政グループとの連携及び中長期的なグループ収益の拡大を図っております。 上記のほか、日本郵政は、事業子会社等の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うこととしております。 (2) 日本郵政グループの事業系統図日本郵政グループの事業系統図は、次のとおりであります。(注) 1.持分法非適用の非連結子会社及び関連会社は、記載を省略しております。2.日本郵政の連結子会社である日本郵便は、連結子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミHDに対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権比率は87.24%となり、日本郵政の連結子会社となりました。なお、トナミHDが2025年6月23日を効力発生日とする株式併合等を実施した結果、JWT株式会社の議決権比率は、当連結会計年度末において100%となっております。JWT株式会社は2025年7月1日付でJPトナミグループ株式会社に商号変更しております。3.2025年6月27日付で、日本郵政は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、日本郵政のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。なお、本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が日本郵政の連結子会社であることに変更はありません。4.JP投信株式会社は、前連結会計年度はゆうちょ銀行の持分法適用関連会社でしたが、ゆうちょ銀行が同社の株式の追加取得をしたことにより、当連結会計年度末時点においてゆうちょ銀行の連結子会社となっております。なお、2026年4月1日付で、JP投信株式会社を存続会社、JPインベストメント株式会社を消滅会社とする合併を実施し、商号をゆうちょアセットマネジメント株式会社に変更しております。 (3) 事業に係る主な法律関連事項日本郵政グループが行う事業に係る主な法律関連事項は、次のとおりであります。 ① 日本郵政株式会社法(a) 趣旨日本郵政の目的、業務の範囲等が定められております。日本郵政は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的日本郵政は、日本郵便の発行済株式の総数を保有し、日本郵便の経営管理を行うこと及び日本郵便の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲日本郵政は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとされております。(法第4条第1項)イ. 日本郵便が発行する株式の引受け及び保有ロ. 日本郵便の経営の基本方針の策定及びその実施の確保ハ. 日本郵便の株主としての権利の行使等ニ. イ.からハ.に掲げる業務に附帯する業務 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ. その目的を達成するために法第4条第1項に規定する業務のほかに行う必要な業務(法第4条第2項)ロ. 募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第8条)ハ. 取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議(法第9条)ニ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ホ. 定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議(法第11条) (e) ユニバーサルサービスの提供日本郵政は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) (f) 株式の保有日本郵政は、常時、日本郵便の発行済株式の総数を保有していなければならないこととされております。(法第6条) (g) 株式の処分政府は、保有義務のある3分の1超の株式を除き、その保有する日本郵政の株式について、できる限り早期に処分するものとされております。(法附則第3条)なお、政府は、日本郵政の株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源を確保するため、日本郵政の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、日本郵政の株式をできる限り早期に処分するものとされております。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法附則第14条) ② 日本郵便株式会社法(a) 趣旨日本郵便の目的、業務の範囲等が定められております。同社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的日本郵便は、郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務並びに郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲イ. 日本郵便は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとされております。(法第4条)ⅰ 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務ⅱ 銀行窓口業務ⅲ ⅱに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、銀行窓口業務契約の締結及び当該銀行窓口業務契約に基づいて行う関連銀行に対する権利の行使ⅳ 保険窓口業務ⅴ ⅳに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、保険窓口業務契約の締結及び当該保険窓口業務契約に基づいて行う関連保険会社に対する権利の行使ⅵ 国の委託を受けて行う印紙の売りさばきⅶ ⅰからⅵに掲げる業務に附帯する業務ロ. 日本郵便は、イ.に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができるものとされております。ⅰ お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和24年法律第224号)第1条第1項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第5条第1項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行ⅱ 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成13年法律第120号)第3条第5項に規定する事務取扱郵便局において行う同条第1項第1号に規定する郵便局取扱事務に係る業務ⅲ ⅱに掲げるもののほか、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務ⅳ ⅰからⅲに掲げる業務に附帯する業務ハ. 日本郵便は、イ.及びロ.に規定する業務のほか、イ.及びロ.に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、イ.及びロ.に規定する業務以外の業務を営むことができるものとされております。ニ. 日本郵便は、ロ.ⅲに掲げる業務及びこれに附帯する業務並びにハ.に規定する業務を営もうとするときは、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならないものとされております。※ 金融2社は、現在、日本郵便が金融のユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすために営む銀行代理業又は保険募集等に係る業務委託契約を日本郵便との間でそれぞれ締結しております。これらの契約を締結している銀行又は生命保険会社を、それぞれ関連銀行、関連保険会社といいます。 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ. 新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第9条)ロ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ハ. 総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするとき(法第11条)ニ. 定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議(法第12条) (e) ユニバーサルサービスの提供日本郵便は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) ③ 郵政民営化法(a) 趣旨郵政民営化の基本理念、基本方針等を定めるとともに、公社の解散に伴い、公社の機能を引き継がせる新たな株式会社(以下、本③において「新会社」といいます。)の設立、新会社の株式、新会社に関して講ずる措置、公社の業務等の承継等に関する事項その他郵政民営化の実施に必要となる事項が定められております。2012年5月8日公布の郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、郵政民営化法が改正され、郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できるようにするユニバーサルサービスの確保が義務づけられ、また、日本郵政が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。 (b) 株式の処分日本郵政の発行済株式の総数は政府が保有し、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式の総数は日本郵政が保有するものとされており、政府が保有する日本郵政の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとされておりますが、その割合は、常時、3分の1を超えているものとされております。また、日本郵政が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式について、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(法第5条、第7条及び第62条) (c) ユニバーサルサービスの提供日本郵政及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持するものとし、郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするものとされております。(法第7条の2) (d) 同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務については、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加えるとともに、ゆうちょ銀行について銀行法等の特例を適用しないこととする日又はかんぽ生命保険について保険業法等の特例を適用しないこととする日のいずれか遅い日以後の最初の3月31日までの期間中に、郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和するものとされております。また、日本郵便は、日本郵便株式会社法第4条第2項第3号に掲げる業務及びこれに附帯する業務並びに同条第3項に規定する業務(以下「届出業務」といいます。)を営むに当たっては、届出業務と同種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう特に配慮しなければならないとされております。(法第8条及び第92条) (e) ゆうちょ銀行における業務の制限ゆうちょ銀行は、これまで郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされておりましたが(同法第110条)、2025年6月27日付で日本郵政がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は新規業務に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の届出を受けた場合、郵政民営化委員会へその旨を通知しなければならないこととされております。届出を要する業務の概要は、以下のとおりです。※ 日本郵政が総務大臣に届け出た日以後は、従前の認可手続きに代わり、ゆうちょ銀行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うにあたっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております(同法第110条の2)。なお、郵政民営化委員会から2025年7月30日に公表された「株式会社ゆうちょ銀行の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和7年7月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。イ.外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れロ.資金の貸付け又は手形の割引(次のⅰからⅵに掲げる業務を除く)ⅰ 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付けⅱ 国債証券等を担保とする資金の貸付けⅲ 地方公共団体に対する資金の貸付けⅳ コール資金の貸付けⅴ 日本郵政、日本郵便又はかんぽ生命保険に対する資金の貸付けⅵ 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付けハ.銀行業に付随する業務等のうち、次のⅰからⅻに掲げる業務ⅰ 債務の保証又は手形の引受けⅱ 特定目的会社発行社債の引受け等ⅲ 有価証券の私募の取扱いⅳ 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託ⅴ 外国銀行の業務の代理又は媒介ⅵ デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅶ 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅷ 有価証券関連店頭デリバティブ取引ⅸ 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅹ 投資助言業務ⅺ 信託に係る事務に関する業務ⅻ 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務ニ.登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次のⅰからⅲに掲げる業務を除く)ⅰ 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為ⅱ 国債等の募集の取扱い等ⅲ 証券投資信託の募集の取扱い等ホ.その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次のⅰからⅷに掲げる業務を除く)ⅰ 休眠預金等代替金の支払等ⅱ 当せん金付証票の売りさばき等ⅲ 国民年金基金の加入申出受理業務ⅳ かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集ⅴ 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務ⅵ 拠出年金運営管理業(個人型)ⅶ 公的給付支給等口座の登録申請受付業務等ⅷ 個人番号の利用による口座管理業務ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める業務 また、内閣総理大臣及び総務大臣は、下記(f)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合、下記(g)(h)の規制に係る認可の申請があった場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(同法第107条、郵政民営化法施行令第2条)2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりであります。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。イ.通常貯金・・・1,300万円ロ.定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、ハ.を除く。)・・・1,300万円ハ.財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円 (g) ゆうちょ銀行における子会社保有の制限ゆうちょ銀行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第111条第1項)また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(郵政民営化法第111条第7項) (h) ゆうちょ銀行における合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可ゆうちょ銀行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(郵政民営化法第113条第1項、第3項及び第5項)ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(郵政民営化法第113条第2項、第4項及び第6項) (i) かんぽ生命保険における業務の制限かんぽ生命保険は、郵政民営化法により、政令で定めるもの以外の保険の種類の保険の引受けを行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(同法第138条第1項)また、保険業法第97条の規定により行う業務以外の業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(郵政民営化法第138条第3項)なお、保険料として収受した金銭その他の資産を次に掲げる方法以外の方法により運用しようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第138条第2項)イ.保険契約者に対する資金の貸付けロ.地方公共団体に対する資金の貸付けハ.コール資金の貸付けニ.日本郵政又は日本郵便に対する資金の貸付けホ.郵政管理・支援機構に対する資金の貸付けヘ.その他内閣府令・総務省令で定める方法また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(k)(l)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(j)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。一方、日本郵政がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、かんぽ生命保険は、郵政民営化法第138条に係る認可は要しないものの、かんぽ生命保険が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(同法第138条の2)日本郵政は2021年6月9日付でかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の届出を行ったことから、かんぽ生命保険は、郵政民営化法第138条の2の定めに基づき、新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用にかかる認可手続きは不要となり、届出制へと移行しております。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 (j) かんぽ生命保険における加入限度額かんぽ生命保険の保険契約については、郵政民営化法及び関連法令により、被保険者1人について加入できる保険金額などの限度(加入限度額)が定められております。(法第137条、郵政民営化法施行令第6条、第7条及び第8条)なお、被保険者が郵政民営化前の簡易生命保険契約に加入している場合には、加入限度額は、以下の金額から簡易生命保険契約の保険金額等を差し引いた額となります。イ. 基本契約の保険金額の加入限度額ⅰ 被保険者が満15歳以下のとき 700万円ⅱ 被保険者が満16歳以上のとき 1,000万円(被保険者が満55歳以上の場合の特別養老保険の保険金額は、加入している普通定期保険及び普通定期保険(R04)とあわせて800万円)ただし、被保険者が満20歳以上55歳以下の場合は、一定の条件(加入後4年以上経過した保険契約がある場合など)のもとに、累計で2,000万円までとなっております。なお、特定養老保険については、年齢にかかわらず、500万円までとなっております。ロ. 年金額(介護割増年金額を除きます。)の加入限度額年額90万円(初年度の基本年金額)(夫婦年金保険及び夫婦年金保険付夫婦保険の配偶者である被保険者に係る額を除きます。)ハ. 特約保険金額の加入限度額ⅰ 疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・あわせて1,000万円ⅱ 上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・1,000万円(注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。ニ. 払込保険料総額の加入限度額財形積立貯蓄保険及び財形住宅貯蓄保険・・・あわせて550万円(財形商品については、他に、関連法令による払込保険料総額等の制限があります。) (k) かんぽ生命保険における子会社保有の制限かんぽ生命保険は、子会社対象会社を子会社(保険業法第2条第12項に規定する子会社)としようとするとき(同法第106条第1項第16号に掲げる会社にあっては、かんぽ生命保険又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を取得し、又は保有しようとするとき)は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第139条第1項)また、保険会社等(保険業法第106条第1項第1号から第2号の2まで又は第8号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第139条第7項) (l) かんぽ生命保険における保険契約の移転、合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可かんぽ生命保険がする保険契約の移転、かんぽ生命保険を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないものとされております。(法第141条第1項、第3項、第5項及び第7項)また、内閣総理大臣及び総務大臣は、日本郵政又はかんぽ生命保険の子会社を移転先会社とする保険契約の移転、保険会社(保険業法第2条第2項に規定する保険会社)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第141条第2項、第4項、第6項及び第8項) (注) 日本郵政がかんぽ生命保険の株式の全部を処分した日又は日本郵政がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、かんぽ生命保険と他の生命保険会社との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める決定があった日のいずれか早い日以後は、上記(i)に記載の同法第138条の2に基づく届出は不要となります。加えて、この場合には、上記(i)から(l)までに記載の郵政民営化法上の制限等は適用されないこととされております。(法第134条) ④ 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法(a) 趣旨郵政管理・支援機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。 (b) 概要郵政管理・支援機構の目的は、公社から承継し政府による支払保証が継続された郵便貯金(積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金等)及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行することにより、郵政民営化に資するとともに、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与することとされております。(法第3条)郵政管理・支援機構は、郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)をその業務の範囲とし、郵便貯金管理業務の一部をゆうちょ銀行に、簡易生命保険管理業務の一部をかんぽ生命保険に、それぞれ委託しております。(法第13条、第15条及び第18条)郵政管理・支援機構は、ゆうちょ銀行との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための預金に係る契約を、かんぽ生命保険との間で簡易生命保険契約の再保険の契約を、それぞれ締結しております。(法第15条及び第16条)また、郵便局ネットワークの維持の支援に要する費用に充てるため、郵政管理・支援機構が関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命保険)から拠出金を徴収し、日本郵便に対し郵便局ネットワークの維持に要する費用の一部に充てるための交付金を交付することとされております。(法第18条の2及び第18条の3) ⑤ 郵便法(a) 郵便の実施郵便の業務については、日本郵便が行うことが郵便法に定められております。(法第2条)また、日本郵便以外の何人も、郵便の業務を業とし、また、日本郵便が行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならないとされております。(法第4条) (b) ユニバーサルサービスの提供郵便法の目的が、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することと規定されているとおり(法第1条)、日本郵便は郵便のユニバーサルサービスを提供することが義務付けられております。 (c) 業務の制限イ.郵便約款日本郵便は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第68条)ロ.郵便業務管理規程日本郵便は、業務開始の際、郵便の業務の管理に関する規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第70条)ハ.業務の委託日本郵便は、郵便の業務の一部を委託しようとするときは、他の法律に別段の定めがある場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第72条)ニ.料金日本郵便は、郵便に関する料金を定め、あらかじめ総務大臣に届け出なければならず、これを変更するときも同様とされております。また、第三種郵便物及び第四種郵便物については、日本郵便が料金を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第67条)なお、2026年6月12日、第221回国会(特別会)において、郵便法の一部を改正する法律案が成立しております。施行後は、定形郵便物の料金について、上限の額を定め、総務大臣の認可を受けることとされる予定であります。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において日本郵政グループが判断したものであります。 (1) 日本郵政グループの経営理念及び経営方針① グループ経営理念 郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。 ② グループ経営方針・ お客さまの生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。 ・ 企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します。 ・ 適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します。 ・ グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。・ 働く人、事業を支えるパートナー、社会と地域の人々、みんながお互い協力し、社員一人ひとりが成長できる機会を創出します。 (2) 経営環境当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、米国の関税政策の影響を受けつつも、米国を中心に総じて底堅く推移しました。米国経済は、関税政策による物価上昇が限定的ななか、個人消費を中心に堅調に推移しましたが、FRB(連邦準備制度理事会)は、労働市場の急減速を受け、2025年9月以降、3会合連続で利下げを行いました。ユーロ圏経済は、ECB(欧州中央銀行)が2025年4月と6月に利下げを実施した後、政策金利は据え置かれたものの、内需を中心に底堅く推移しました。日本経済は、米国による関税政策の影響が見られましたが、内需の持ち直しもあり緩やかに回復しました。賃金と物価がともに上昇するなか、日本銀行は2025年12月に利上げを行いました。しかしながら、2026年2月末には米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、世界経済全体の先行き不透明感が急速に高まりました。金融資本市場では、米国の長期市場金利は、関税政策により上下に振れた後、労働市場の弱さや景気減速懸念から低下に向かいました。その後、米国とイスラエルの軍事行動を契機とする原油価格の高騰を受け再び上昇傾向に転じました。また、日本の長期市場金利は、2025年4月に米国の関税引き上げ表明を受け一時1.1%台まで急低下しました。その後は物価高が続くなか、財政悪化懸念や原油価格高騰もあり、上昇基調に転じました。ドル円相場は、米国の関税政策への懸念等から、2025年4月下旬に一時140円程度まで円高が進行しましたが、日本の財政悪化懸念等もあり、2026年1月には160円程度まで円安が進行しました。その後は為替介入への警戒等により円高に転ずる局面があったものの、イラン情勢の緊迫化等により再び円安基調に転じました。日経平均株価は、米国同様に、2025年4月上旬に一時31,000円台まで急落しましたが、好調な米国株式市場や日本の新政権への政策期待等から上昇基調が続き、2026年2月末に最高値を記録しました。その後は原油価格高騰による景気減速懸念等を受け、下落しました。物流業界においては、EC市場規模の拡大が続く一方で、業界内の激しい競争に加え、諸物価や人件費の上昇に伴うコストの増加等により、厳しい環境が続いています。また、働き方改革関連法等によるドライバー拘束時間に係る基準強化などから生じる、いわゆる物流の「2024年問題」への対策として、「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき業界・分野別に作成された自主行動計画に掲げられた取組みの実行のほか、改正物流総合効率化法及び改正貨物自動車運送事業法が施行され、物流業界を取り巻く事業環境に変化が生じています。郵便事業においては、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少が続いています。こうしたなか、経営環境の変化に応じて機動的に郵便に関する料金を変更することができるようにするため、定形郵便物の料金の上限の額を日本郵便の申請に基づき総務大臣が認可する制度に見直すことなどを内容とする郵便法の一部を改正する法律案が第221回国会(特別会)において成立しました。銀行業界においては、当連結会計年度の全国銀行における預金は27年連続で増加し、貸出金も15年連続で増加しました。金融システムは、各国の経済政策運営や中東情勢を中心とする地政学的リスク、海外ノンバンク部門の動向等が、様々な経路を通じて金融システムに及ぼす影響については引き続き丁寧に見ていく必要があるものの、全体として安定性を維持しています。生命保険業界においては、超高齢社会の進展や人口減少等に加え、度重なる自然災害の発生、資源価格の高騰や為替の変動等、先行きが読めない不確実な状況が続くとともに、ライフスタイルの変化や、生成AIの急速な広まり等による社会のデジタル化の進展等、社会全体が大きく変化している現在、お客さまの人生に寄り添い、万が一に備えるお客さまの自助努力を支援し、安心を提供するという役割が、ますます大きくなってきていると考えております。日本郵政グループは、「郵便・物流」「貯金」「保険」の生活に必要な基礎的サービスや物販、提携金融サービス等を全国約2万4,000か所の郵便局ネットワークを通じて提供するほか、不動産事業など多数のサービスを展開しております。郵便・物流事業においては1日に約3,000万か所への郵便配達箇所数、銀行業においては約1億2,000万口座の通常貯金口座数、生命保険業においては約1,577万人のお客さま数(契約者さま及び被保険者さまを合わせた人数(個人保険及び個人年金保険を含み、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みます。))など、毎日の生活の中で多くのお客さまにご利用いただいており、お客さまとの接点の多さは日本郵政グループの強みとなっております。 (3) 日本郵政グループの経営戦略等① 中期経営計画等について日本郵政グループは、2026年度~2028年度を対象とした新たな中期経営計画として「JP プラン 2028」(以下「JP プラン 2028」といいます。)を2026年5月に公表しました。 (a) JP プラン 2028の基本方針日本郵政を取り巻く10~15年後の長期的な環境変化を踏まえ、長期的に目指す姿として、前中期経営計画において掲げた共創プラットフォームを、総合物流プラットフォーム・総合金融プラットフォーム・生活サポートプラットフォームから構成される3つの機能に深化することに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて、今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力・価値の創出を目指します。本中期経営計画期間においては、3つのプラットフォームを支える基盤である郵便及び郵便局ネットワークが、郵便物数の大幅減、窓口の来客数減少などにより持続可能なユニバーサルサービス提供に課題を抱える現況から、「目指す姿」に向けた第一歩として、ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長を同時に実現することを目指します。 (b) ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長に向けた3つの重点戦略「JP プラン 2028」のもと、「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」、「成長領域での利益成長による企業価値向上」、「グループ経営基盤の強化」という3本柱を掲げて取り組みます。「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」は、郵便物数の減少や人件費・物価高騰等により、現行の事業構造ではサービス維持が困難になりつつあるという課題に対応するものです。集配拠点の集約、生産性向上による要員配置の最適化、窓口営業時間の弾力化など、郵便・物流事業、郵便局窓口事業の抜本的な構造改革に取り組み、業務効率化や生産性向上を進めてまいります。「成長領域での利益成長による企業価値向上」は、郵便物数や窓口来客数の減少といった収益課題に対し、金融・不動産・物流といった成長余地のある事業で利益拡大を図るものです。金融事業では、商品ラインアップを拡充し多様な年代のお客さまニーズに対応するとともに、郵便局のリアルチャネルに加え、デジタルチャネル・リモートチャネルを活用してお客さま接点の充実を図ります。不動産事業では、賃貸事業を基盤に分譲・回転型事業及びマネジメント事業を強化し、総合デベロッパーとしての事業拡大を目指します。物流事業では、日本郵便の強みであるラストワンマイルに加えて、国内外の企業間物流の強化として国際物流・国内物流の全てを運営できる物流網を構築し、また、ゆうパック・ゆうパケットの収益拡大に取組むことなどを通して、総合物流企業への転換を目指します。「グループ経営基盤の強化」は、不祥事の発生や激しい外部環境変化等を踏まえ、ガバナンス・コンプライアンス・DX・人的資本経営・資本政策の取組みを進めることで、信頼回復と企業価値向上の基盤を強化することを目的としています。 ② 経営者の問題意識と今後の方針日本郵政グループは、人口減少やデジタル化の進展など、今後10~15年にわたる社会・経済環境の大きな変化を見据えた上で、日本郵政グループに大きな影響を与える課題の解決に向けて、今後3年間に取り組むべき主要戦略をまとめた「JP プラン 2028」を2026年5月に公表しました。「JP プラン 2028」では、人口減少や高齢化の加速、地方での過疎化、そしてデジタル化やAIなどの技術革新による社会や経済の在り方そのものが大きく変わりつつあるなか、こうした長期的な変化を踏まえ、日本郵政グループが長期的に目指す方向性を示しました。これまでの共創プラットフォームを「総合物流」「総合金融」「生活サポート」という3つのプラットフォーム機能に深化させることに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力と価値を生み出すことを目指します。財務面では、新中期経営計画期間の重点戦略等に取り組むことにより、中長期的な目標として株主資本コストを上回るROEの継続的な創出を目指します。なお、「JP プラン 2028」については、2027年度に郵便料金改定が実施された場合を見据え、一定の幅をもって経営目標を設定しております。「JP プラン 2028」の3年間は、長期的に目指す姿である「3つのプラットフォームの深化と不動産事業による価値創出」に向けたステップとして位置づけております。郵便物数や窓口来客数の減少等、グループの直面する課題に鑑み、「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」、「成長領域での利益成長による企業価値向上」及び「グループ経営基盤の強化」を重点戦略としております。「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」については、郵便・物流事業において、郵便物数が減少するなかで、グループの使命である郵便サービスを持続的に提供するため、集配拠点の集約等による業務効率化や生産性向上・要員管理の高度化により戦略的な要員配置の最適化を進め、徹底したコスト削減と収益向上の取組みを通じて損益改善を図ります。そのうえで、ニーズやコスト等を踏まえて各種郵便サービスの料金の見直しを検討し、また、現在、法令で求められているサービス水準の見直しを要望してまいります。また、郵便局窓口事業において、人口減少や過疎化の進展により、地域事情は多様化し、郵便局窓口の社員数減少が予測されるなか、窓口営業時間の弾力化等を通じて地域事情に応じた柔軟な運営体制を構築することにより生産性向上を進めます。また、地域のインフラ維持機能やお客さまの暮らしを支えるサービスを提供することで、地域の生活を支える生活サポート拠点としての機能を発揮することを目指します。「成長領域での利益成長による企業価値向上」については、金融、不動産、総合物流による利益拡大を進めます。金融事業においては、若年層~中高年層に向けた商品ラインアップ拡充や、日本郵政グループが強みを持つリアルチャネルに加え、アプリ等のデジタルチャネルや、専門的な知識を持つ社員との応対ができるリモートチャネルを活用したお客さま接点の充実により、多様な年代のお客さまの潜在的ニーズに対応します。不動産事業においては、将来的に総合デベロッパーへの転換を目指します。そのステップとして、「JP プラン 2028」期間においては、グループ保有不動産の開発による賃貸事業等のストックビジネスを強化するとともに、継続的な分譲マンション事業や、用地仕入れ、開発、売却により利益を獲得する回転型事業等のフロービジネスへ取り組むとともに、不動産投資顧問会社の設立や私募ファンドの運用等によるフィービジネスなども取り組むことで事業領域を拡大させてまいります。物流事業においては、日本郵政グループの強みであるラストワンマイルに加えて、M&Aや資本業務提携等を活用し、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指し、あらゆるお客さまの要望に応えられる利便性の高い物流サービスを提供してまいります。「グループ経営基盤の強化」については、AIやデジタル技術の活用を推進し、お客さまの体験価値や業務における社員の体験価値を高めるグループDXの取組みを推進してまいります。人的資本戦略については、「事業環境の変化や成長戦略に応じた人材ポートフォリオの構築」と「社員一人ひとりの可能性の最大限の引き出し」を推進してまいります。サステナビリティ経営の推進に関しては、「社会と地域の発展」と「ステークホルダーの幸せの実現」2つの社会的価値の創造を通じて、経営理念の実現を目指します。ガバナンス体制を強化する取組みについては、各郵便局の実態を的確に把握し、法令等のルールの浸透を支援する新組織を設置することにより、ガバナンスを抜本的に強化するとともに、お客さまが郵便局を信頼・安心して利用していただける環境を構築してまいります。そして、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保については、交付金・拠出金制度も活用しつつ、その責務を果たし、地域社会に貢献するとともに、郵便局ネットワークの一層の活用・維持による安定的なサービスの提供等を図るため、グループ各社の経営の基本方針を策定し、その実施に努めてまいります。ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、2社の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとするという郵政民営化法の趣旨に沿って、所要の準備を行ってまいります。なお、2025年6月27日付で、日本郵政は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、日本郵政のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が日本郵政の連結子会社であることに変更はありません。日本郵政は、資本効率の向上、株主還元の強化を目的として、自己株式の取得を実施しており、2024年5月15日付の取締役会決議に基づき、2024年5月16日から2025年3月31日の間、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT‑3)及び立会市場における取引により日本郵政普通株式233,305,400株を取得し、2025年3月28日付の取締役会決議に基づき、2025年4月11日付で保有自己株式のうち233,305,400株を消却いたしました。その結果、2025年4月11日時点における発行済株式総数は2,972,934,900株となりました。また、2025年5月15日付の取締役会に基づき、2025年8月28日から2026年3月31日の間、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT‑3)及び立会市場における取引により日本郵政普通株式164,740,300株を取得し、2026年3月27日付の取締役会決議に基づき、2026年4月10日付で保有自己株式のうち164,740,300株を消却いたしました。 (4) 対処すべき課題① 非公開金融情報の適切な取り扱いの確保に向けた取組等について郵便局において、お客さまから事前に同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局ご案内に利用した事例が2024年度に確認されたことを受け、発生原因を分析し再発防止策を策定するとともに、関係者の責任を明確化いたしました。日本郵政グループは、総力をあげて再発防止策の実効性を不断に検証しながら改革を継続し、お客さま本位のサービス提供が図られるよう、全力で取り組んでまいります。また、同年度に受領したグループ主要4社に対する金融庁の報告徴求命令並びに日本郵政及び日本郵便に対する総務省の報告徴求命令に基づき、再発防止策及びその実施状況等について定期的に報告を行ってまいります。 ② 商品認可前の勧誘行為の再発防止について 2024年1月4日に販売を開始した一時払終身保険に関し、販売に係る保険業法上の認可を取得する前に日本郵便及びかんぽ生命の社員である生命保険募集人が勧誘行為を行った事案を受け、日本郵政、日本郵便及びかんぽ生命は、実態を把握するための調査を実施し、調査結果等を踏まえた再発防止策を策定いたしました。再発防止策に掲げた各種施策等について、進捗管理を着実に実施しながらPDCAを回し、法令違反を再発させない態勢構築とお客さま本位のサービス提供に向けて、日本郵政グループの全役職員が一丸となって取り組んでまいります。 各事業セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。 ③ 郵便・物流事業郵便・物流事業については、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少、荷物分野における競合他社との激しい競争、諸物価や人件費の上昇によるコスト増加などにより、一段と厳しさを増しており、将来にわたる事業の持続可能性を確保するため、徹底的なコスト削減と収益拡大に取り組んでまいります。コスト削減に向けては、郵便物の減少に対応するため、柔軟な通集配体制の構築を行い、要員配置の適正化や荷物配達の内製化の推進に取り組むほか、集配拠点の集約により拠点配置の最適化を図ってまいります。また、運送料及び車両の削減のほか、機械処理の拡大・省人化の推進により生産性向上を図ってまいります。収益拡大に向けては、他企業との連携強化を進めるほか、送達日数のスピードアップや差出条件の緩和等サービスレベルの改善を通じて、越境EC分野やフリマアプリ市場も含めたEC市場の荷物の確実な獲得に取り組み、荷物の収益拡大を図ってまいります。郵便物については、利用ニーズの喚起や利便性向上による利用拡大に向けた取組みを強化し、郵便物数の減少を可能な限り食い止めます。年賀郵便についても、魅力的な新商材の投入、デジタル関連サービスの展開のほか、年賀葉書の価値を感じていただけるようなプロモーションを展開する等、利用拡大に向けた取組みを強化してまいります。これに加え、toB・toCの物流を一体で運営できる総合物流企業へ成長すべく、子会社であるトナミHDや資本業務提携を結んだロジスティードホールディングス株式会社(以下「ロジスティードHD」といいます。)等と連携しながら、資産の相互利活用や業務の共同化等、ラストワンマイルを含めてシナジーを発揮し、国内外の物流サプライチェーン網の確立に取り組んでまいります。こうした損益改善策に着実に取り組むとともに、更なるコスト削減・収益拡大の取組みについても検討するものの、今後の業績見通しは厳しい状況であることから、郵便料金全般の見直しについても検討を行う必要があると考えております。また、郵便のサービス水準の見直し等についても総務省に要望することを検討するとともに、関係者間の調整に取り組んでまいります。なお、過去5事業年度の郵便、ゆうパック、ゆうパケット及びゆうメールの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。 (単位:百万通・百万個) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期郵便14,85814,44513,57812,56611,751ゆうパック568554547558565ゆうパケット420426463537563ゆうメール3,3463,1132,8733,2413,174 このほか、内閣官房及び公正取引委員会により示されている「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」にも沿った形で、協力会社の皆さまとのパートナーシップ構築に向けた取組みを継続し、価格転嫁・取引適正化を進めてまいります。なお、点呼業務不備事案については、2026年度においても確実に点呼を行うとともに、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、必要な手段を適切に講じ、物流サービスを確実かつ不断に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、再発防止策を策定し、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組みについて計画通り実施し、総務省及び国土交通省へ報告するとともに、報道発表を行いました。 ④ 郵便局窓口事業郵便局窓口事業については、送金決済件数や保有保険契約件数の減少に伴う銀行・保険受託業務手数料の減少に加え、諸物価や人件費の上昇によるコスト増加などにより、事業環境は厳しさを増しており、郵便・物流事業と同様に、徹底的なコスト削減と収益拡大に取り組みます。コスト削減に向けては、物件費等の削減に取り組むほか、窓口営業時間の弾力化を進め、柔軟な運用体制のもとで、これまで以上にお客さまニーズや地域事情に応じた商品・サービスを提供することにより、生産性の向上を図ってまいります。収益拡大に向けては、郵便局における金融商品のご案内・お手続きのためのお客さまへの来局ご案内を一部再開することを踏まえ、ゆうちょ業務における各顧客基盤強化の取組みやかんぽアフターフォローの着実な実施に取り組むほか、物販収益の拡大や、地域を支える生活サポート拠点として、自治体業務の受託の拡大等にも取り組んでまいります。このほか、非公開金融情報の不適切な利用事案については、法令等の趣旨に立ち返ったルールの整備、日本郵政グループの幅広い顧客接点でお客さまの非公開金融情報等の利用に係る同意をいただく取組みの促進と同意を得た非公開金融情報等を活用するシステム環境整備、お客さま本位の活動を実践する人材育成、リスク認識力の強化及びガバナンス強化を内容とする再発防止策を徹底してまいります。加えて、認可取得前勧誘事案については、法令等遵守の徹底及び業務品質の確保に向けた取組みを行うほか、それらの再発防止策の実効性確保のため、モニタリング・フォローアップの強化や2線による1線へのけん制機能の発揮など、リスク認識力の強化に向けた取組みやガバナンス強化に向けた取組みを行ってまいります。 ⑤ 国際物流事業トール社を通じて、新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減及び成長分野への経営資源の投入等により、ロジスティクス事業とフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上に、引き続き取り組んでまいります。また、JPロジスティクス株式会社(以下「JPロジスティクス」といいます。)等、日本郵政グループ内企業との連携強化にも、引き続き取り組んでまいります。加えて、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指す方針のもと、国際物流業務においても、更なる付加価値の向上に取り組んでまいります。 ⑥ 不動産事業日本郵便及び日本郵政不動産株式会社において、不動産事業が収益の柱の一つとなるよう、引き続き、JPタワー等のオフィス、商業施設をはじめ、住宅、保育所及び高齢者施設の賃貸事業を、住宅については分譲事業も行ってまいります。さらに、用地仕入れ、開発、売却により利益を獲得する回転型事業等のフロービジネスへ取り組むとともに、不動産投資顧問会社の設立や私募ファンドの運用等によるフィービジネスなども取り組むことで事業領域を拡大させてまいります。具体的には、グループ保有不動産の有効活用や新たな収益機会の拡大の観点から、建築費や収益物件価格が高騰している状況下、適切なタイミングで開発や取得の計画を策定・実行してまいります。また、稼働中の物件については、収益及び資産価値の維持向上に向けて、共同事業者等との連携や外部委託を適切に活用しながら、良質かつ効率的な運営に取り組んでまいります。 ⑦ 銀行業ゆうちょ銀行を取り巻く経営環境は、キャッシュレス技術や生成AI等に代表される社会のデジタル化進展、少子・超高齢化に代表される人口動態の変化や金利ある世界への転換等、目まぐるしい変化を続けており、その変化は今後も加速していくことが想定されます。一方で、前中期経営計画期間中における日本郵政による2度のゆうちょ銀行株式の売出しにより、同行の民営化プロセスは大きく進展し、ビジネス展開の柔軟性を高めているところです。このような状況のなか、ゆうちょ銀行の企業価値を一層向上させるため、15年後にありたい姿として新たに「中長期ビジョン」を策定しました。そして、「中長期ビジョン」実現に向けた第一歩として、新中期経営計画を策定しました。新中期経営計画においては、4つの事業戦略の推進を通じ、2つのミッションの達成に向けて取り組んでまいります。 (新中期経営計画における4つの事業戦略等)(a) デジタルペイメント事業戦略リテールビジネスで推進してきた「安心・安全・便利」なサービス提供に、ポイント経済圏との連携等を通じた「お得さ」を加え、「ゆうちょ通帳アプリ」(以下、「通帳アプリ」といいます。)を起点に、お客さまによるゆうちょ銀行口座の日常使いを促進します。また、通帳アプリ等を通じて集積される金融取引データ等を基に、お客さま起点のデジタルマーケティング・広告配信を実施し、LTV※1とお客さまの体験価値を向上します。さらに、様々なパートナー企業との提携により、トークン化預金※2「ゆうちょDCJPY」を活用した安全・即時の資金決済の実現等、新たな金融サービスの創出に取り組んでまいります。 ※1 LTVとは、Life Time Valueの略語であり、顧客が生涯に亘り企業にもたらす利益、価値のことです。※2 トークン化預金とは、銀行預金にブロックチェーンなどの技術を活用し、預金をデジタル上で取り扱えるようにしたものです。 (b) コンサルティング事業戦略総合金融プラットフォーマーとして、全世代に伴走する金融コンサルティングを推進します。具体的には、パートナー企業との連携を通じてお客さまの多様な金融ニーズに応える商品・サービスのラインアップを拡充し、それらをリアル・デジタル・リモートと複線化したサービス提供チャネルの中から最適なチャネルを通じて全国・全世代のお客さまに提供します。特にデジタルチャネルにおいては、スマートフォン等でいつでも手軽に資産形成等の相談ができる対話型AIサービス「ゆうちょAIコンシェルジュ(仮称)」を導入し、お客さま一人ひとりのニーズ等を踏まえた提案を通じて、顧客体験価値の向上を目指します。 (c) 市場運用・アセットマネジメント事業戦略国内金利上昇を捉え、日本国債等の円金利資産の再構築を進めるとともに、外国証券等のリスク性資産と合わせた運用ポートフォリオ全体の最適化により、リスク対比リターンのさらなる向上を追求します。また、ゆうちょアセットマネジメント株式会社を中核に、特色あるアセットマネジメントビジネスに挑戦するとともに、海外アセットマネジメント会社をはじめとする新たなパートナー企業との提携深化も目指します。 (d) 地域・企業ソリューション事業戦略ゆうちょ銀行の子会社のゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社を中核とする地域プライベートエクイティ投資基盤を構築し、パートナーとなるファンド運営会社との連携強化も通じ、地域活性化をサポートする投資実績を着実に積み上げます。また、地域金融法人等とのリレーションシップ・マネジメント強化や地域企業への決済ソリューション提供等を一層強化し、「Σ(シグマ)ビジネス(投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス)」をレベルアップした地域・企業ソリューションビジネスを推進してまいります。 (e) 人的資本経営・企業風土改革4つの事業戦略と連動した人材の採用、配置、育成及び自律的キャリア形成に資する機会の提供に加え、女性活躍に向けたキャリアサポート充実や社員の様々な知識・経験等の社内共有等を通じ、多種多様なバックグラウンドを有する人材が活躍できる環境整備を推進します。また、お客さまと社員の「声」を直接経営に活かすサイクルとして、社員参画型の「みんなの声委員会 -ECHO-」を一層強化し、全社員が一丸となって企業価値向上に取り組む組織風土を醸成します。 (f) 経営基盤の高度化テクノロジーの進展や今後の人口動態等の環境変化を踏まえ、生成AIの有効な活用に加え、ⅠT投資を積極化し、抜本的な業務効率化を推進します。また、非公開金融情報の不適切な利用事案等を受けた内部管理態勢の強化に加え、サイバーセキュリティ、マネー・ローンダリング対策、市場運用リスク管理等、銀行業務の根幹を支える取組みを一層強化します。 (新中期経営計画における財務目標・資本政策)財務目標については、ゆうちょ銀行連結ベースの当期純利益、ROE(株主資本ベース)、OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)※3、CET1比率(平時目標レンジ)※4を設定しています。金融ユニバーサルサービスを提供する責務を果たしながら、新中期経営計画で定めた財務目標の達成に向けた取組みを推進し、資本コストや資本収益性を意識した経営に努めます。資本政策は、株主還元、財務健全性、成長投資のベストバランスを追求してまいります。特に株主還元のうち配当については、基本的な考え方として、配当性向は50%程度とし、利益成長を通じた累進的な配当を実施してまいります。なお、ゆうちょ銀行の運用ポートフォリオの状況を踏まえ、現状では年1回の期末配当とする方針です。また、自己株式取得は、市場環境、成長投資の機会、日本郵政の株式保有方針等を踏まえて随時検討してまいります。そのほか、株主のみなさまからのご支援に感謝するとともに、より多くの方々にゆうちょ銀行株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を継続実施しております。なお、新たに2027年度から長期保有優遇を導入します。 ※3 Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のことです。ゆうちょ銀行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券運用等を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益等も分母に含めたOHRを指標として設定しています。経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出します。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)をいいます。※4 バーゼルⅢ最終化(完全適用)、その他有価証券評価益除くベース。2026~2028年度の目標。 ⑧ 生命保険業かんぽ生命保険では、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、かんぽ生命保険がお客さまに届ける価値を明確にした上で、2026年5月、新中期経営計画を公表しました。新中期経営計画では、お客さまの人生や社会に必要不可欠な存在であり続けたいという想いを込めて、2040年に目指す姿として、「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」となることを掲げております。これに向け、新中期経営計画期間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、3つの重要戦略とそれを支える経営基盤の確立に取り組むことで、日本全国のお客さまとのつながりを拡大・深化させ、安心を届けてまいります。 (a) 「かんぽ価値提供モデル」の確立日本郵政グループと接点のあるお客さまは多数存在しており、大きな潜在的保険ニーズを抱えております。こうしたニーズに十分に応えるべく、かんぽ生命保険ではAI・デジタル、お客さまデータに基づくマーケティング手法を駆使し、質と量を伴った、お客さま本位の業務モデルである「かんぽ価値提供モデル」を確立してまいります。これにより、リモート、デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上し、お客さまに合った「分かりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、かんぽ生命保険ならではの安心を届けてまいります。 (b) 運用環境の変化を捉えた資産運用と社会課題の解決国内金利上昇等の運用環境の好転を捉え、運用関係損益の持続的な増加を目指し、ポートフォリオの再構築を推進してまいります。あわせて、インパクト投資の推進や産学連携により、資産運用を通じた社会課題の解決や次世代産業構造の柱となる企業の発掘にも貢献してまいります。 (c) みらいへの挑戦経営基盤を強化しながら、既存の提携関係の強化等に取り組むとともに、かんぽ生命保険の事業と親和性がありシナジー効果と利益貢献が見込める新たな領域を探索することで、さらなる収益獲得に向けたインオーガニック成長等による提供価値拡大に挑戦してまいります。加えて、AI・デジタル等を駆使し、サービスの変革と業務の再構築に取り組むことで、事業変革に挑戦してまいります。 (d) 経営基盤の確立3つの重要戦略を支えるため、「人的資本経営」、「ガバナンスの強化」、「ステークホルダーとの対話」、「財務・資本政策」といった経営基盤の確立に取り組んでまいります。「人的資本経営」では、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を構築し、社員の成長と企業価値の向上につなげます。「ガバナンスの強化」では、保険業法等の改正や、社会環境等の変化を踏まえた各種課題に対応します。「ステークホルダーとの対話」では、幅広いステークホルダーと相互の信頼関係を深めながら、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を実現します。「財務・資本政策」では、ERMに基づく資本管理と利益創出、株主還元の好循環の実現に取り組みます。 (参考)過去の新契約、保有契約の件数の推移は下記のようになります。 (単位:万件)契約の種類2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期新契約(個人保険)1731627942簡易生命保険806726660602557かんぽ生命保険1,4741,3721,3091,2781,214 (注) 2007年10月1日の民営化時の簡易生命保険契約は5,517万件でした。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】下記Ⅰ~Ⅲにおいて、日本郵政グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、日本郵政グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。下記「Ⅰ. 日本郵政経営陣が特に重視する日本郵政グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において日本郵政経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において日本郵政グループが判断したものであります。 <日本郵政グループのリスク管理態勢>リスク管理の取組みとして、コンダクト・リスク等の新興リスク(未知のリスク)を含めた日本郵政グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの統制の強化や、グループに重大な影響を与える可能性のあるリスクの顕在化を未然防止する仕組みの整備、リスク発生時の経営への報告の迅速化などを行うことで、「影響の極小化」、「危機の予兆把握・未然防止」、「リスク顕在化の早期把握」の三位一体の取組みを推進しています。現在、日本郵政における2線部署の機能強化に向け、リスク管理とコンプライアンスの一元的管理に取り組んでいます。その一環として、グループ各社のリスク及びコンプライアンス管理担当役員で構成する「グループリスク・コンプライアンス委員会」を日本郵政の経営会議の諮問機関として設置、コンプライアンスやオペレーショナルリスクに係る事項等を審議し、重要事項について、経営会議、取締役会等へ報告しています。同委員会では、グループ各社の課題や取組みに関する情報共有・協議等を実施しています。また、グループ各社の役員・社員向け研修を通じてリスク感度の向上にも取り組んでいます。グループ各社は、自社のリスク管理を統括する部署を設置し、事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等を主体的に実施しています。また、日本郵政に対し必要な報告を行うなど、グループ全体としてのリスク管理態勢を整備しています。グループ各社の金融リスクについては、経営管理機能と一体となった管理を行い、適切なリスクコントロールを図っています。これらの取組みを通じて、リスク管理の高度化を図り、グループの持続的かつ健全な経営の実現を目指していきます。 <グループ重要リスク管理>日本郵政は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、日本郵政グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を実施することにより、経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.日本郵政経営陣が特に重視する日本郵政グループの事業等のリスク日本郵政は、「金融・戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けて行った役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と日本郵政グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する日本郵政グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、有価証券報告書提出日現在における日本郵政経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し日本郵政グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 (金融・戦略リスク)1.郵便・物流事業に関するリスク物流業界では、激しい競争が継続する中、最低賃金の引上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げの動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。郵便事業においては、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引上げに伴う人件費や調達コストの上昇等が続く厳しい状況の中で、郵便サービスの安定的な提供を維持していくため、2024年6月施行の郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しております。これらの取組みを実施したものの、当事業年度の郵便・物流事業は、前々事業年度、前事業年度に続き営業損失を計上しました。郵便・物流事業において、業務効率化の努力を続けるとしても更なる運賃改定や料金改定が必要となる可能性もあります。また、成長が続くEC市場やフリマ市場を取り込むことは急務となっています。このような状況に対応するため、日本郵便は、集配拠点の集約による業務効率化、生産性向上による要員配置の最適化、今後の郵便サービスの持続的な提供のための見直しの検討等を通じた、郵便・物流事業の構造変革に取り組んでまいります。また、新たな事業領域での成長に向け、国内外の企業間物流を強化し、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業への転換を目指します。しかしながら、これらの施策が計画どおりに進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、他社との協業が奏功しない場合等には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2025年6月25日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消の処分を受けました。当該処分の執行により、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)は使用できなくなりました。なお、当該許可が取り消されたため、その後5年間は当該許可を再取得することもできなくなります。また、上記とは別に、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査を受け、同年10月1日に運輸支局から軽四輪車に関する行政処分の執行が111局に対して通知、同年10月8日に執行され、その後も、順次、行政処分が執行され、2026年2月10日に最終の行政処分通知を受領しました。これにより、一部の車両停止が1,862局で執行されましたが、2026年6月1日に終了しております。なお、車両停止の間は、他の運送会社への委託等により車両不足を補ってまいりました。今後も同様の法令違反事例が発生する場合は、さらに厳重な処分を受ける又は郵便ネットワークの信頼性・レピュテーションに重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、日本郵便の郵便・物流事業においては、前々事業年度、前事業年度と当事業年度で3期連続の営業損失を計上しているため、翌事業年度に営業損失の計上が見込まれる場合や、重大な法令違反により経営環境が著しく悪化した場合には、郵便・物流事業で使用している固定資産について、減損損失を計上する可能性があり、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.新規事業・資本提携・業務提携・M&Aに関するリスク(1) 新規ビジネス、資本・業務提携・外部委託先に関するリスク日本郵政グループは、社会課題解決と収益機会の両立に向けた新規ビジネス等をグループ横断的な体制で検討しておりますが、これらによる成長戦略が実現できず、ビジネスポートフォリオ転換が進まなかった場合等は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵政グループは、日本郵政グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っており、2025年10月には、HTSK Investment L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、総称して「KKR」)と株式譲渡契約を締結し、同年12月に、ロジスティードHDの株式の19.9%をKKRより譲り受けました。また、物流分野での連携を通じて当事者の更なる企業価値の向上を図ることを目的として、ロジスティードHD及び同社の中核子会社であるロジスティード株式会社(旧社名「株式会社日立物流」を吸収分割により承継した会社)との資本業務提携契約を締結しております。こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、上記の事例も含め、目標の変更や日本郵政グループとの関係の変化等により、期待どおりの効果を得られない場合、要員や設備等の必要なオペレーション基盤を整備できないことにより、業務拡大が奏功せずに多額の費用負担や投資に係る減損損失が発生した場合、提携先・投資先において違法行為・不正行為・顧客情報等の漏えい・不祥事等が発生した場合、資本提携先の業績や株価が低迷した場合等には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便は、ヤマト運輸株式会社との2023年6月の合意に基づき、「クロネコゆうパケット」及び「クロネコゆうメール」の引受を開始しておりましたが、2024年10月に、ヤマト運輸側の一方的な事情で、2025年1月から当面の間、「クロネコゆうパケット」の運送委託を停止させる申し入れを受けました。日本郵便はこれを受け、ヤマト運輸を相手方とする損害賠償等請求訴訟を進めております。今後、日本郵便とヤマトホールディングス株式会社及びその子会社との関係性が悪化し協業が維持できない場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他の企業の買収に関するリスク物流業界全体が難局にある中、強力な幹線輸送ネットワークの構築等を目的として、2025年2月末から4月にかけて、日本郵便において子会社であるJWT株式会社(2025年7月1日付商号変更によりJPトナミグループ株式会社)を通じてトナミHDの株式に対する公開買付けを実施し、同年4月17日に議決権の所有割合87.24%を取得して連結子会社とするとともに、その後の株式併合により、JPトナミグループ株式会社の完全子会社となりました。こうした企業の買収については、当該事業分野の競争激化や日本郵政のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を日本郵政グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.ユニバーサルサービス提供に関するリスク日本郵政及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスの利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービス維持の法的義務があるため、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応を制限される可能性があります。このような状況に対応するため、日本郵便は、集配拠点の集約による業務効率化、生産性向上による要員配置の最適化、窓口営業時間の弾力化による柔軟な運営体制の構築等を通じたユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた郵便・物流事業及び郵便局窓口事業の構造改革に取り組んでまいります。ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない日本郵政グループの強みでもありますが、このような取組みが奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合やこのような取組みによりユニバーサルサービスの利便性が損なわれたり、それでもなお収益性を上回る費用の増加等が見込まれたりする場合には、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性があります。さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から日本郵政グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合は、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 4.金融商品の営業活動に関するリスク日本郵政グループは、お客さま本位のサービス提供に取り組んでおります。郵便局窓口においては、窓口営業時間の弾力化による柔軟な運営体制の構築のほか、お客さまのニーズに応える商品・サービスの充実、お客さまとの接点の充実等に取り組んでまいります。また、投資信託の販売においては、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約2万拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した日本郵政グループの強みを活かした販売態勢の強化に取り組んでおります。生命保険の販売においては、かんぽ生命及び日本郵政グループと接点のあるお客さまが多数存在し、潜在的に多様な保険(保障)ニーズを抱えていることが想定されます。こうしたニーズに対し、リモート・デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上させ、お客さまにあった「わかりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、潜在的保険ニーズに応えてまいります。しかしながら、このような取組みが奏功せず、新商品の開発や既存商品の改定がお客さまのニーズに応えられないこと、営業方針を理解浸透できないことや社員のスキルが不足すること等により販売実績が低迷し、また、長期的な保有契約件数の減少等につながった場合等は、日本郵政グループの収益が大幅に減少し、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.金融市場環境の変化に関するリスク日本郵政グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業の金融2社からの収益より生じておりますが、金融2社の業績・財政状態は、国家間の軍事衝突や通商政策を巡る対立、国内外の景気・物価・雇用等の経済環境、政治情勢、主要国の金融政策・財政政策の動向や、これらの外的要因の変化に伴う金利・株式・為替等の市場価格変動の影響を受けます。足元、海外においては軍事衝突や通商政策を巡る対立、及びこれらの長期化に対する懸念等から資源価格が高騰することによる世界的なインフレや景気減速に対する懸念の高まりや、一部主要国の金融政策見通しに変調が見られており、国内においても財政拡張による財政不安や、資源価格高騰、円安、人件費増加等によりインフレ圧力が高まるなどの動きが見られます。これらの影響により、金融市場も不安定な環境が継続しておりますが、今後、国内外の経済環境及び事業環境の深刻な悪化や、金融市場の急激な変動、混乱が発生した場合は、金融2社の業績・財政状態への影響を通じて日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。金融市場環境の変化が日本郵政グループの事業、業績及び財政状況に影響を及ぼす主なリスクは以下のとおりです。(市場リスク)金融2社は有価証券を中心に様々な金融商品を取り扱っておりますが、金利・株価・為替等の市場価格の急激な変動が発生した場合は、保有する金融商品の価格下落による評価損・減損損失・売却損や、円高による外貨建金融商品の円貨建て価値低下、金利の大幅低下による債券再投資時の資金収益低下などが発生する可能性があります。(信用リスク)金融2社が保有する有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済・金融情勢の深刻な影響等による経営環境の変化により財政状態の悪化等が生じた場合は、与信関係費用が増加又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。(市場流動性リスク・資金流動性リスク)経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等は、金融2社が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。また、銀行業において多額の貯金引き出しが発生した場合や、生命保険業において大量解約に伴う解約返戻金の増加や巨大災害に伴う保険金の支払等により、通常よりも多額の資金調達が必要となる場合は、資金調達コストが上昇する可能性があります。これらのリスクに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、リスク等を適切に管理し必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、国内外の経済環境及び事業環境の深刻な悪化や、金融市場の急激な変動、混乱が発生した場合は、金融2社の業績・財政状態への影響を通じて日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.金融2社の株式売却に関するリスク日本郵政は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされております(下記「(参考)①日本国政府による日本郵政株式の保有状況及び日本郵政による金融2社の株式保有状況(2026年3月期末日時点)」をご参照)。かんぽ生命保険の株式については、2021年5月に売出しを実施し、保有割合は50.0%を下回りました。ゆうちょ銀行の株式については、2025年3月の売出し及び2025年6月における同社株式に係る株式処分信託への拠出により、保有割合(議決権)は50.0%を下回りました。今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配慮し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存ですが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が日本郵政保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合は、日本郵政の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定どおりに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.日本郵政グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク③日本郵政グループ固有に適用される規制等」をご参照)。日本郵政グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2026年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、日本郵政の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、日本郵政の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュ・フローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、日本郵政が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、日本郵政の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。また、日本郵政が金融2社の株式を処分しその持分が低下することに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、日本郵政の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、日本郵政グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により日本郵政グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2026年3月末現在)」をご参照)。 (オペレーショナルリスク)1.法令等違反に関するリスク日本郵政グループでは、郵便物等の放棄・隠匿事案や資金横領事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。一方で、日本郵政グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。また、2024年度に郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報(注1)を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命保険の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。日本郵政グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。日本郵政グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づき、2025年3月18日に非公開金融情報の適切な取扱いの確保に向けた取組みについて、5月19日に一時払終身保険の販売に係る認可取得前の勧誘についての各種再発防止策を策定・公表し、着実に実行しているところです。上記の違反以外にも、2024年6月には、郵便局における委託先業者への下請法違反に対し、公正取引委員会からの行政指導を受けております。さらに、2025年3月には、日本郵便において、法令で定められた点呼業務(注2)を実施しないまま配達業務を行った事案について全国調査を行い、同年4月23日に調査結果及び再発防止策等を国土交通省及び総務省へ報告しました。同日、総務省から本事案の再発防止策及びユニバーサルサービスの確保等に関して報告徴求命令を受領しました。その後の行政処分の状況は、上記「(金融・戦略リスク)1.郵便・物流事業に関するリスク」に記載のとおりです。点呼適正化に向けては、これまで①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組みを実施しているところです。上記のような態勢・予防策・再発防止策が十分な効果を発揮せず、法令等違反が発生した場合は、日本郵政グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(注1)非公開金融情報:お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(具体例:口座残高、引落情報、保有ファンドの状況等)(注2)点呼業務:貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条において、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して酒気帯びの有無等の確認を行うことと定められているもの。 2.人的リスク2026年3月末現在、日本郵政グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫に加え、給与水準が他社に劣後する等、労働市場における日本郵政グループの魅力や優位性が低下した場合は、人材の確保が困難となる可能性があります。郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組みを進めておりますが、労働人口の減少によるトラックドライバー等の人手不足が深刻化した場合は、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、物価上昇及び労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合は、1人当たりは小さな増額であっても、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本郵政グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成や評価・処遇の仕組みの見直し、DE&Iの推進(女性活躍・高齢者就業・障がい者雇用・外国人雇用・性の多様性への対応等)による真の多様性の実現、人材ポートフォリオの多様化、ハラスメント相談体制の整備等を通じた社員の誇りとやりがいの向上に向けた取組みと柔軟で多様性のある組織への転換を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合は、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、人的資本に関する事項は、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 3.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)日本郵政グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルとデジタルをシームレスに連携し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、地政学的緊張の高まりや経済安全保障上の観点から国家・組織による高度なサイバー攻撃の増加や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、日本郵政グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加や委託先等サプライチェーンの多様化等の結果、当該リスクが高まっております。こうした中、日本郵政グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、外部環境の変化を踏まえつつ、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。しかしながら、日本郵政グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間にわたり停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.コンダクト・リスク日本郵政グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨を掲げており、グループ及び各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおります。しかしながら、上記「1.法令等違反に関するリスク」に記載のとおり、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題などお客さま本位といえない営業が行われていた問題、お客さまの同意を得ないまま非公開金融情報を用いた勧誘が行われていた問題など過去に複数の法令違反事案が発覚しました。日本郵政グループは、こうした事案に対して再発防止策を策定し、お客さま本位の業務運営の徹底、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組みの継続を行ってまいりますが、今後、社会規範に悖るような広義のコンプライアンス・リスク(お客さま本位の業務運営に反する事象、いわゆるコンダクト・リスクを含む)が顕在化した場合は、お客さまをはじめとするステークホルダーの支持を失い、加えて、監督官庁による行政処分を受ける可能性があり、日本郵政グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.日本郵政グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク(1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク① 郵便・物流事業等近年、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化に加え、台湾有事をはじめ東アジア情勢にも懸念が募る等、地政学リスクが高まりつつあります。加えて、2025年以降は、米政権の掲げる通商政策の進展によっては、世界的な貿易摩擦の発生や米中対立の激化につながり、ますます事業環境の不確実性が高まっていくことが危惧されます。これらの要因により、企業におけるサプライチェーン戦略に変化が生じた場合は、国際物流事業に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー価格の高騰や世界経済の減速が生じた場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業日本郵政グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業の金融2社からの収益より生じておりますが、経済・政治・国際情勢の変化等が金融市場環境に影響を及ぼした場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。金融市場環境の変化が影響を及ぼすリスクについては、上記「Ⅰ.日本郵政経営陣が特に重視する日本郵政グループの事業等のリスク(金融・戦略リスク)5.金融市場環境の変化に関するリスク」をご参照ください。 (2) 他社との競合に関するリスク日本郵政グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、日本郵政グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。特に、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、他の物流事業者同士の提携や他の物流事業者とEC事業者の提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。こうした中、日本郵政グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組みが奏功しない場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害発生時の事業継続等に関するリスク日本郵政グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、感染症の大流行、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、日本郵政グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合は、日本郵政グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク(1) 法的規制及びその変更に関するリスク日本郵政グループは業務を行うにあたり、以下のような各種法的規制等の適用を受けております。これらの規制により、日本郵政グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。日本郵政グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、日本郵政グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、日本郵政グループの法的規制については、先述の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合は、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。これらの規制の内容によっては、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及び経済価値ベースのソルベンシー規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主であった日本郵政も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けておりましたが、ゆうちょ銀行の株式の売出し及び株式処分信託の拠出により、日本郵政のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50.0%を下回り、銀行法に基づく規制は銀行持株会社としての規制から銀行主要株主としての規制に変わることとなりました。また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。日本郵政グループが上記規制に違反する等した場合は、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [日本郵政グループが受けている主な許認可等]許認可等の名称根拠条文会社名有効期限許認可等の取消事由等銀行主要株主の認可銀行法第52条の9第1項日本郵政株式会社なし同法第52条の15第1項保険主要株主の認可保険業法第271条の10第1項日本郵政株式会社なし同法第271条の16第1項銀行代理業の許可銀行法第52条の36第1項日本郵便株式会社なし同法第52条の56第1項生命保険募集人の登録保険業法第276条日本郵便株式会社なし同法第307条第1項銀行業の免許銀行法第4条第1項株式会社ゆうちょ銀行なし同法第26条第1項、第27条、第28条生命保険業の免許保険業法第3条第4項株式会社かんぽ生命保険なし同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、金融2社による銀行代理店及び生命保険代理店の管理態勢が想定どおりに機能しない場合等は、金融2社の商品及びサービスの提供が期待どおりに行われない、予期せぬ損失を被る又は行政処分等を受ける可能性があり、日本郵政グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 日本郵政グループ固有に適用される規制等日本国政府は、郵政民営化法により、日本郵政株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き日本郵政に重要な影響を及ぼしうることになります。また、日本郵政が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合は、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、日本郵政グループに関する日本国政府の利益は、日本郵政のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等は、日本郵政のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。日本郵政及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(日本郵政のみ)、事業計画の策定等を行う場合は、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。なお、金融2社については、日本郵政が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行っております。届出以降は上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の銀行及び生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール日本郵政、日本郵便及び金融2社は、公社を承継した機関として、WTO政府調達協定及びその他の国際協定の適用対象となる物品及びサービスを調達する場合は、国際協定に定める手続の遵守が求められます。日本郵政及びグループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合は、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) マネー・ローンダリング等に関するリスク金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。日本郵政グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合は、日本郵政グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。このため、日本郵政グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。しかしながら、かかる取組みが有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合は、業務停止、制裁金等の行政処分等により、日本郵政グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報漏えいに関するリスク日本郵政グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、日本郵政グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティのもとにグループ・データガバナンス分科会、分科会のもとに各社の情報管理部署等をメンバーとする実務者レベルのワーキンググループ(WG)を設置し、体制強化を図っております。同WG等においては、お客さまの個人情報の適切な取扱いの確保やプライバシー保護等にも十分に配慮したデータ利活用を図るべく、必要なルール等の整備を進めています。このような施策が奏功せず、日本郵政グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては、上記「Ⅰ.日本郵政経営陣が特に重視する日本郵政グループの事業等のリスク(オペレーショナルリスク)3.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)」をご参照ください。 (4) 訴訟その他法的手続に関するリスク日本郵政グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟その他の法的手続が提起されるリスクや行政処分を受けるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、日本郵政グループの従業員等から提起されております。かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、日本郵政グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク日本郵政グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合は、日本郵政グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、日本郵政グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ、社会的信用が低下し、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク(1) 中期経営計画に関するリスク日本郵政グループは、2026年5月に新たな中期経営計画である「JP プラン 2028」を策定しました。本計画では、お客さまと地域を支える共創プラットフォームを、総合物流、総合金融及び生活サポートの3つの機能に深化することに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて、今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力・価値の創出を目指すことを長期的に目指す姿として掲げております。3つのプラットフォームを支える基盤である郵便及び郵便局ネットワークが、郵便物数の大幅減、窓口の来客数減少などにより持続可能なユニバーサルサービス提供に課題を抱える現況から、「目指す姿」に向けた第一歩である新たな中期経営計画のビジョンとして、ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長を同時に実現することを目指します。しかしながら、本中期経営計画に記載されている将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定どおりに進捗しなかった場合は、当該計画の実現又は目標の達成ができず、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サステナビリティに関するリスク先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、サステナビリティに関する各種リスク及び機会については、2025年度は、日本郵政グループ全体の製品・サービス開発から調達・製品サービス提供、廃棄までの上流・下流を含むバリューチェーン全体において抽出し、短期(1年以内)、中期(3年以内)、長期(3年以上)の時間軸で、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)において業種別に定められているトピックのほか、日本郵政グループの事業の特質、日本郵政グループで最近発生した不祥事や経営の最重要課題等も参考に項目を洗い出し、グループの関係各社・部署への影響の性質・影響度及び発生可能性に関するヒアリング、信頼及び評判に与える影響の考察を行い、サステナビリティ委員会での審議を経て重要性の評価を行っております。 上記検討で導出したサステナビリティに関する各種リスクは以下のとおりです。「気候変動(物理・移行・大気質の汚染)」「従業員の労働慣行、人材」「重大交通事故・労災事故」「サプライチェーン上の人権・労働」「顧客保護」「デジタル対応(サービスアクセス)」「顧客情報保護・デジタルセキュリティ」「コンプライアンス」 これらのリスク評価、取組状況のモニタリングは、サステナビリティ推進部の担当執行役を委員長とするサステナビリティ委員会で行い、結果は経営会議及び監督機関である取締役会並びに監査委員会へ報告しております。しかしながら、これらへの対応が十分でない場合は、ステークホルダーの支持を失い、企業価値を毀損、また、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態並びに日本郵政グループの株価に影響を及ぼす可能性があります。 (3) DXの取組が奏功しないリスク少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。日本郵政グループでは、2021年7月に日本郵政の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、グループプラットフォームアプリ(郵便局アプリ)、グループ共通ID(ゆうID)及び日本郵政グループ独自のポイントプログラム(ゆうゆうポイント)等のグループ横断的なDX施策を進めております。具体的には、ゆうIDを軸に、郵便局アプリやゆうゆうポイントのほか、デジタル窓口、金融コンタクトセンター等を通じて、お客さまにグループ一体の価値を提供し、お客さま体験価値の向上やグループ外にも広がる新しい価値の提供を実現します。また、お客さま向け窓口業務やバックヤード業務のデジタル化を継続的かつ徹底的に推進し、社員の業務負荷を軽減します。プライバシー保護等に配慮し、お客さまや社会からの信頼を確保しつつ行うお客さま情報の分析やAIを活用し、提案内容・サービスの高品質化を目指します。しかしながら、これらの施策が計画どおりに進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力や業務効率が低下する場合には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い世代・地域のお客さまに新しい価値を提供するDX推進を実現できず、社会的要請に応えられなかった場合は、日本郵政グループの企業価値を毀損する可能性があります。 (4) システム障害等のリスク郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している日本郵政グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、日本郵政グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。日本郵政グループでは、各社の基幹システムの基盤更改等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。しかしながら、このような取組みによっても、システムの障害等に起因し、日本郵政グループの事業が大規模かつ長期間にわたり停止又は制約を受ける場合、日本郵政グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 投資事業に関するリスク日本郵政グループでは、日本郵政キャピタル株式会社、ゆうちょアセットマネジメント株式会社、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社及びかんぽNEXTパートナーズ株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合は、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、日本郵政グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を日本郵政グループが投資後に早期に是正できない場合は、日本郵政グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 不動産投資に関するリスク日本郵政グループは、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めた開発に取り組んでおり、日本郵政不動産株式会社設立以降は、同社においてグループ外の収益物件の取得や共同事業への参画にも取り組んでおります。不動産投資においては、建設費の高騰傾向の継続、物件取得価格の上昇、市場金利の上昇による外部資金調達コスト及び運営管理コストの増加、大手ゼネコンの受注余力逼迫の継続などによって、個別のプロジェクトでの事業計画の見直しや、グループ外の収益物件の取得の中止・遅延などの影響が顕在化しています。さらに、法的規制の変更、大規模災害の発生、消費者動向の変化、ライフスタイルの変容により、既存の施設においても需要の変化等の影響を受ける可能性があります。また、不動産事業の推進におけるノウハウの蓄積、必要な人員の採用、定着等が想定どおりに進捗する保証がないこと、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に影響が生じる可能性があります。これらの事象が日本郵政グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 国際物流事業に関するリスク国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速、サイバー攻撃、地政学リスクの高まり等の影響を受ける可能性があります。新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減及び成長分野への経営資源の投入等により、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上を目指しておりますが、トール社のかかる経営改善策及び成長戦略が奏功しないこと等により、トール社の業績が向上しない場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他ビジネスモデルの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合は、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、日本郵政グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合には、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、トール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合は、外貨建ての資産・負債等が日本郵政の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、トール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 宿泊事業・病院事業に関するリスク日本郵政の営む宿泊事業については、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、日本郵政運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。日本郵政が運営する東京逓信病院は、近年継続して営業損失を計上しているため、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係)グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、日本郵政と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社はその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき日本郵政による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、日本郵政による金融2社の株式売却と連動しておりません。こうした中、日本郵政グループの企業価値を最大化していくために、日本郵政及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合は、金融2社と日本郵政及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性があります。また、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの受託手数料が郵便局窓口事業セグメントの収益の大部分を占めることから、金融2社の経営方針に変更が生じた場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 日本郵政の商標等の金融2社との関係に関するリスク日本郵政及び事業子会社等が締結した、「日本郵政グループ運営に関する契約」等(以下「グループ運営契約」といいます。)に基づき、金融2社株式売却後も、金融2社は引き続き「日本郵政」ブランド及び関連商標の使用を継続する予定です。そのため金融2社の株式売却後も、金融2社における業績の低迷、従業員の不祥事その他の理由により金融2社の社会的信用が低下した場合は、「日本郵政」のブランド・イメージに悪影響を及ぼす可能性、日本郵政グループのコンプライアンス等の内部統制の有効性に疑義があるものと受け止められる可能性があり、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵政はグループ運営契約に基づき、金融2社から、日本郵政グループに属することによる利益の対価としてブランド価値使用料を受け取っており、金融2社がそれぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、収受することを想定しております。しかしながら、金融2社にグループ運営契約を適用しなくなった場合、又は重大な経済情勢の変化等に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク日本郵政が保有する日本郵便及び金融2社の株式の実質価額又は時価が帳簿価額、あるいは特定投資株式の時価が取得原価に比べて著しく下落し、回復する可能性が認められない場合は、減損損失を計上することになり、日本郵政の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより日本郵政の分配可能額が減少し、会社法の規定により日本郵政株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。また、日本郵政グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業及び不動産事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが必要となり、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク日本郵政グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを行った上で、貸借対照表に繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により、繰延税金資産全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合は、繰延税金資産が減額され、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かんぽ生命保険の繰延税金資産の計上では、現行の会計基準及び税制に従い、一定の前提に基づいて見積もった課税所得により将来の税金負担額が軽減することが認められる範囲内で計上しております。したがって、新契約の実績が想定どおりに進捗しない期間がより長期にわたり継続したり、経済環境の大幅な悪化の継続などによる見積りの前提の変更、あるいは税制改正に伴う税率の引き下げにより繰延税金資産額が減少する場合は、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク日本郵政グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提と異なる場合、又は退職給付制度を改定した場合には、退職給付費用及び債務が増加することで、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際財務報告基準(IFRS)の適用に関するリスク日本郵政は、今後の国際財務報告基準(IFRS)の適用について国内外の会計基準の動向等を勘案し対応を検討してまいりますが、将来的に同基準を適用する場合は、現行会計と異なる業績評価や経営管理が日本郵政グループに不利に働くことで日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク日本郵政及び金融2社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当該格付が格下げとなった場合は、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、業務運営に対する不安を想起させる等により、日本郵政グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.各事業に特有のリスク(上記Ⅰ、Ⅱの記載を除く。)1.日本郵便の事業に関するリスク(1) 金融2社から日本郵便に対する郵便局窓口業務の委託(代理店営業)に関するリスク日本郵便は、金融2社との銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づき金融2社から受託手数料を受領しております。2018年12月、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除きます。)は、金融2社からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に受託手数料が見直されました。本受託手数料が、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルールの遵守等のもと、今後、減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合、また、競合商品との競争が激化する等の理由で郵便局の利用者数や利用頻度、金融2社の商品・サービスの利用が減少した場合には、郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。特に、ゆうちょ銀行からの受託手数料は、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づき算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストが削減された場合は、日本郵政グループの郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。日本郵政グループとしては、今後もユニバーサルサービスが郵便局で一体的に利用できるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存ですが、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、郵便局ネットワークに代替する販売チャネルをより重視するようになった場合等の理由から、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合は、日本郵政グループの郵便局窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.ゆうちょ銀行の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に関するリスクゆうちょ銀行は、2026年5月に公表したとおり、2026年度から2028年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。本中期経営計画は、15年後(2040年)にありたい姿として策定した「中長期ビジョン」の実現に向けた第一歩と位置づけており、その実現に向け、「デジタルペイメント事業戦略」、「コンサルティング事業戦略」、「市場運用・アセットマネジメント事業戦略」、「地域・企業ソリューション事業戦略」という4つの事業戦略の推進と、それらを支える人的資本経営や企業風土改革の推進、経営基盤の高度化に取り組んでおります。しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、本項に記載したリスク要因等に伴い、当初計画した成果が得られない可能性もあります。例えば、デジタルペイメント事業戦略においては、ゆうちょ銀行が提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合や、技術革新によりゆうちょ銀行の商品・サービスが陳腐化する場合、ゆうちょ銀行のシステム上の制約により想定どおりに開発が進まない場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。コンサルティング事業戦略においては、専門知識を有するコンサルタントの確保・育成が想定どおりに進捗しなかった場合、導入予定の商品・サービスが何らかの理由により導入できなかった場合や、ゆうちょ銀行が提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。市場運用・アセットマネジメント事業戦略においては、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が想定どおりに推移しなかった場合は、例えば、日本国債への投資が想定どおりに進捗しないことによる運用収益の減少や、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルをはじめとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収ぺースの想定との乖離の他、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。さらに、ゆうちょ銀行は、2026年4月1日付で設立した「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を中核に、アセットマネジメントビジネスに取り組んでおりますが、商品開発・投資家向けの販売が想定どおりに進捗しなかった場合等は、期待された成果が得られない可能性があります。地域・企業ソリューション事業戦略においては、ゆうちょ銀行100%出資子会社である「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を中核とする地域PE投資基盤の構築を進め、GP(無限責任組合員)事業に取り組んでおりますが、想定どおりに投資実績が積みあがらない場合や人材確保・育成が想定どおりに進捗しなかった場合等には、期待された成果が得られない可能性があります。さらに、地域経済の停滞等の影響を受け、地域金融機関とのリレーションシップ・マネジメント強化や事業法人へのソリューション提供が想定どおりに進捗しなかった場合は、事業法人における顧客離反の発生や役務取引等利益の計画が達成できない等、期待された成果が得られない可能性があります。人的資本経営・企業風土改革の推進や経営基盤の高度化においては、DX推進やAI活用等による業務効率化や、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定どおりに進捗しなかった場合は、資金収支等や役務取引等利益の拡大、OHR(経費率)改善等の計画が達成できなくなる可能性や、ゆうちょ銀行の既存の対面型のサービスの維持が困難となる可能性があります。さらに、AI活用を推進することにより、ハルシネーション等のAI利用に伴うリスクが発生する可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。 3.かんぽ生命保険の事業に関するリスク(1) 事業戦略・経営計画に関するリスクかんぽ生命保険は、2040年に「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」を目指し、2026年度からの3年間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、2026年5月に策定した「中期経営計画(2026年度~2028年度)」をはじめとする事業戦略・経営計画を策定しております。こうした事業戦略・経営計画に含まれる取組みには、各種のリスクが内在しているほか、将来において、各種取組みの実施を阻害するリスクが高まる又は新たなリスクが生じる可能性もあります。また、事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境等の一般的経済状況や法制度などの多くの前提を置き、作成されておりますが、かかる前提どおりとならない場合や各施策に対する十分な事業評価が行われず投資額やコストに見合った成果が得られない場合には、当該事業戦略又は経営計画における目標を達成できず、日本郵政グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 商品に関するリスクかんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険、とりわけ養老保険・終身保険などの貯蓄性商品の割合が高く、長期的な日本の人口動態等の要因のほか、国内の雇用水準及び家計所得、貯蓄・投資スタンス、金利を始めとする国内金融市場動向、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性・社会的信用が、新契約数や保有契約の消滅



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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