酉島製作所(6363)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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酉島製作所(6363)の株価チャート 酉島製作所(6363)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】 酉島製作所グループは、酉島製作所と子会社31社(うち連結子会社30社)及び関連会社2社で構成され、各種ポンプ・ポンププラント、環境装置、小水力発電設備、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売、据付工事・サービスを主な事業内容としております。 酉島製作所グループの主な事業内容に係わる位置付け等は次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。事業の内容主な事業内容会社ポンプ事業ポンプ、ポンププラント、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売及び据付工事・サービス国内酉島製作所、㈱九州トリシマ、新東邦㈱、その他2社※協和機工㈱、※AESSEAL TORISHIMA JAPAN CO.,LTD.海外酉島ポンプ香港有限公司PT.TORISHIMA PUMP MFG INDONESIAPT.GETEKA FOUNINDOPT.TORISHIMA SERVICE INDONESIATORISHIMA EUROPE LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS FZCO.酉島ポンプ(天津)有限公司TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS EUROPE LTD.TORISHIMA PUMPS (INDIA) PRIVATE LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS ASIA PRIVATE LTD.TORISHIMA AUSTRALIA PTY LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS THAILAND LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS (SAUDI ARABIA) LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS MALAYSIA SDN.BHD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS FORMOSA LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS OF MICHIGAN LLC.CRYO PUMP REPAIRS LTD.AUSTRALIAN FLUID HANDLING PTY LTD.TORISHIMA TRADING AND SERVICES WLL.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS EGYPT.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS TURKIYE POMPA.TORISHIMA AL YASEAH SERVICE SOLUTIONS LLC.JUNEUNG CO.,LTD.KRG SPECIALIST ENGINEERING SERVICES LTD.その他 3社環境新エネルギー事業環境装置の製造・販売及び各種廃棄物の再利用品等の企画・製造・販売小水力発電設備の販売及び据付工事・サービス国内酉島製作所(注)※印は、関連会社であります。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】酉島製作所グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において酉島製作所グループが判断したものであります。 (1)経営方針 酉島製作所グループは、創業以来「金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是を掲げてまいりました。100年以上にわたり、社会の心臓部であるポンプの安定供給と稼働を確保し、お客様との信頼を徹底的に追求することで「社会に欠かせない企業」を目指しております。  気候変動や人口増加といった地球規模の課題が深刻化する中、エネルギー課題への対応や安全・安心な社会の構築へのニーズは、100年後も不可欠であり続けます。私たちは、世界の多様な課題に真摯に向き合い、「ポンプで世界を救う」という壮大な夢を掲げ、絶えず進化し続けます。  現在、酉島製作所グループは世界20カ国・36拠点にオフィスや工場、サービス拠点を展開しております。チーム全員が「One Torishima」として一丸となり、最先端技術によるポンプの提供と安定稼働の維持を通じて、お客様の生涯利益(Lifetime Benefit)の最大化に貢献してまいります。 (2)酉島製作所グループの現況ア. 事業の経過及びその成果(ア)当連結会計年度における事業環境 当連結会計年度における世界経済は、主要国のインフレ沈静化と金融緩和への転換を追い風に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策の動向や、緊迫化するウクライナ・中東地域の地政学リスクなど、依然として不確実な状況が続いております。こうした環境下、酉島製作所グループが手掛ける高性能ポンプ事業に関連する各分野は、以下の経営環境となりました。 a. エネルギー課題への取り組み 生成AIの急速な普及による電力需要の急増、及び省エネ・脱炭素への社会的要請の高まりから、発電や一般産業向けポンプの需要は好調に推移いたしました。また、技術開発の挑戦が実を結び、「超電導モータ液化水素ポンプ」の初受注も達成いたしました。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み 世界的な人口増による水不足、気候変動に伴う豪雨災害対策(事前防災)、及び上下水道インフラの老朽化対策を背景に、各種ポンプの更新需要が拡大いたしました。これにより、海水淡水化や雨水排水、上下水道向けポンプの需要は堅調に推移しております。  酉島製作所グループの重要課題である「エネルギー課題への取り組み」と「安全・安心な社会の構築への取り組み」について、それぞれ「事業環境・成長性」及び「強み・取り組み・成果」の双方から以下に詳しくご説明いたします。 (イ)重要課題における事業実績と今後の展開a. エネルギー課題への取り組み(a) 発電事業環境・成長性: 2025年は、世界の多くの地域で発電所建設市場への投資が極めて活発な1年となりました。その背景には、米国、中国、インドにおける電力需要の急増があります。  米国では、圧倒的な市場規模を誇る生成AIの普及に伴い、データセンターの建設ラッシュが続いております。同時に、「シェール革命」による豊富な天然ガスを活用した「GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)発電所」の建設も急ピッチで進んでおります。また、国家主導で開発に注力する中国や、豊富な労働力とデジタル基盤を武器に外資を誘致するインドでは、自国資源による石炭火力発電が依然として電力供給の主役です。これら世界各地の急激な電力需要に対応するため、各国で発電所投資が加速しております。  日本においても、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせる「GTCC発電」は重要な位置付けにあります。石炭火力の半分以下のCO₂排出量に抑えられる最もクリーンな火力発電であり、将来的に燃料を天然ガスから水素やアンモニアに置き換える計画も含め、脱炭素社会へ移行するための主力技術とされています。さらに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた国の支援制度「長期脱炭素電源オークション」の入札が2024年に開始され、脱炭素電源への投資が促進されております。これらの要因により、国内外を問わず、発電所に不可欠なポンプへの需要が高まっております。  しかし、現在、発電市場では電力関連設備の需給逼迫が深刻な課題となっております。AIデータセンターの爆発的な電力需要に対応するため、北米を中心に世界中でGTCC発電所の建設が急増した結果、ガスタービンメーカーの受注残高は過去最高水準に達し、納期が2~3年待ちという状況にあります。これに伴い、発電所向けポンプの受注においても、納期が長期化する案件が増加しております。 強み・取り組み・成果: GTCC発電の心臓部であるボイラ給水ポンプは、排熱回収ボイラへ高温・高圧の水を送り込むという極めて過酷な環境に耐える必要があり、酉島製作所グループはこの分野における圧倒的なリーディングメーカーです。  酉島製作所グループのボイラ給水ポンプは、国内外のタービンメーカー及びプラントメーカーから絶大な信頼を獲得しております。さらに、発電所で必要とされるボイラ循環ポンプ、復水ポンプ、冷却水ポンプといった多種多様なポンプを、すべてワンストップで一括提供できる体制も強みです。この強みを背景に、直近2年間は受注が大幅に増加しており、2026年度も引き続き順調な受注の継続を見込んでおります。  これは、数年先までの売上が確定し、中期的な経営の安定性を高める要素となります。しかし、この旺盛な需要に確実に応えるためには、これまで取り組んできた「設計期間の短縮」「加工能力の増強」「サービス拠点の拡充」といった生産・サービス体制の整備に、より一層万全を期す必要があります。現在の需要増という追い風を楽観視するだけでなく、発電市場における長期的な構造変化を見据え、将来の脱炭素ソリューション向けポンプの実現に向けた中長期的な投資や研究開発にも、継続して注力してまいります。 (b) 省エネルギー事業環境・成長性: ポンプは発電分野にとどまらず、鉄鋼・化学・製紙・飲料・食品・半導体などの産業全般をはじめ、ビルや商業施設の空調、地域冷暖房にいたるまで、水が流れるすべての場所において「決して止まってはならない産業の心臓」として社会を支えております。そのため、実に日本の総電力消費量の約3割がポンプの稼働に費やされています。  こうした中、地球温暖化に伴う空調需要の拡大や、生成AIの普及によるデータセンターの冷却用電力の急増を背景に、CO₂削減に直結するポンプの高効率化(省エネルギー化)へのニーズは急速に高まっております。 強み・取り組み・成果: 酉島製作所グループは、最新鋭のデジタル技術による流体解析(CFD)、100年以上の歴史で蓄積した設計データとAIの融合、顧客ごとに最適な仕様へと調整するきめ細かな対応、という3つの独自アプローチによって高効率ポンプの製造を実現しております。  2024年度には、世界最高水準の効率を誇る「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発・発売し、省エネ大賞の最高位である「経済産業大臣賞(電気需要最適化分野)」を受賞いたしました。今後も、市場で高まる省エネニーズに応え、高い評価をいただいているSEPのさらなる拡販に注力してまいります。 (c) 脱炭素事業環境・成長性: 日本政府の「水素基本戦略」では、2040年頃に国内の水素サプライチェーンが本格化し、関連市場は1兆円を超える規模へ成長するシナリオが描かれております。また、海外に目を向ければ、同時期に世界の市場規模は90兆円超に達するとの予測も複数の調査機関から発表されており、今後極めて巨大な市場が立ち上がろうとしております。  火力発電の主力であるGTCC発電は、将来的に水素やアンモニアの混焼への移行が計画されており、日本政府の「長期脱炭素電源オークション」においても導入期の主役として期待を集めております。酉島製作所グループが供給するボイラ給水ポンプは、そのシステムの安定稼働を左右する心臓部を担う製品であり、今後さらなる需要の拡大が見込まれます。 強み・取り組み・成果: 酉島製作所グループは、水素・アンモニアサプライチェーンの「つくる・はこぶ・つかう」というすべてのフェーズにおいて、ポンプが不可欠な役割を果たすと考えております。「つかう」工程では、長年培った高温・高圧技術を強みとする「ボイラ給水ポンプ」が、水素やアンモニアを燃料とする次世代クリーン発電プラントの安定稼働を力強く支えます。また「つくる・はこぶ」工程では、低温下でのハンドリングが求められる液化水素及び液化アンモニア向けポンプの開発・製造を加速させております。液化アンモニアポンプについては、アンモニア燃料供給設備向けなどですでに複数の受注を獲得しており、社会実装に向けた実績を着実に積み上げております。  また、技術的難度が極めて高い液化水素ポンプの分野では、国立大学法人京都大学との共同開発により「超電導モータ液化水素ポンプ」の開発に成功いたしました。これはマイナス253℃という極低温下でモータの電気抵抗をゼロにすることで発熱を極限まで抑え、水素の蒸発(ボイルオフ)を最小限にとどめる画期的な製品です。本開発の成果により、2026年1月には、世界初の実装事例として、川崎重工業株式会社から液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに様々な種類の液化水素ポンプを受注いたしました。今後、市場拡大が見込まれる水素分野において、さらなる「大流量化・高圧化・高効率化」を目指した研究開発を継続してまいります。  酉島製作所グループは、これら次世代クリーンエネルギーの全フェーズにわたり、世界最先端の最適なポンプソリューションを提供し続けることで、持続可能な脱炭素社会の実現にグローバルに貢献してまいります。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み(a) 海水淡水化・上水・送配水事業環境・成長性: 中東・北アフリカ地域を中心に、人口増加や都市化に伴う深刻な水不足に対応するため、海水淡水化・上水・送配水プラントの新設・拡張プロジェクトが活発に進んでおります。  世界の海水淡水化プラントの総容量は、過去20年間において年率7%以上でコンスタントに拡大しており、地球温暖化の影響も背景に、今後もこのスピード以上の年率10%程度での拡大が見込まれています。  地域別で見ると、中東・アフリカ地域は世界市場の約5割を占める海水淡水化プラント市場の中心であり、酉島製作所グループが強みを持つ主要マーケットです。また、海水淡水化システムの主要な部材であるRO(逆浸透)膜の供給においては日本企業が世界的に高い競争力を維持しており、日本の先進技術が世界の水インフラを支える大きな構造となっています。  さらに、沿岸部のプラントで造られた淡水を内陸の消費地へと供給する大規模な送配水インフラの整備も不可欠であり、海水淡水化プラントの建設に伴い、送配水ポンプ市場も拡大傾向にあります。(※中東情勢の影響については、後述の「イ. 対処すべき課題」をご参照ください。) 強み・取り組み・成果: 「RO膜法」による海水淡水化プロセスにおいて、大型・高圧ポンプは不可欠な心臓部であり、酉島製作所グループはこの分野で世界トップシェアを誇っております。また、プラントから都市部へと「命の水」を届ける送水・配水工程においても、長年培ったポンプ技術を活かし、安定した水インフラの構築に貢献しております。  これらの水インフラ事業は稼働時に大量の電力を消費しますが、世界最高水準の効率を誇る酉島製作所グループのポンプは、消費電力の削減に直結しています。「安全な水をつくる・はこぶ」と、「CO₂を削減する」というSDGsの二大課題を同時に解決することが、酉島製作所グループの重要な使命です。  受注実績については、2025年度は前年度比で減少となったものの、2026年度においては、海水淡水化プラント及びそれに伴う送配水プロジェクトの活発な引き合いを背景に、堅調な受注を見込んでおります。 (b) 雨水排水・下水道事業環境・成長性: 国内においては、気候変動に伴う豪雨災害の激甚化やインフラの老朽化に対応するため、政府主導による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」(2021〜2025年度、事業規模約15兆円)が集中的に実施されてきました。  国土交通省の調査によると、過去10年間(2015年〜2024年)における国内の水害被害総額は約7兆円以上に及んでおり、国は「事前防災」の重要性を掲げ、強力な対策を推進しております。こうした背景から、激甚化する災害への備えやインフラ老朽化対策、地域防災力のさらなる強化を目的に、2026年度から2030年度までの5年間でおおむね20兆円規模の国家予算を投じる「第1次国土強靭化実施中期計画」が新たにスタートいたします。 強み・取り組み・成果: 酉島製作所グループが得意とする大型・大流量ポンプは、水害対策において重要な役割を担っております。近年の雨水排水設備の更新需要の増加を背景に、日本だけでなく世界各国においても受注は堅調に推移しております。  特に、酉島製作所が開発した「耐水モータ 一体型ポンプ」は、従来の設備にはない防水構造を採用しているため、浸水時でも運転を休止することなく継続でき、極めて高い注目を集めております。本製品は、国土交通省が推進する下水道技術海外実証事業(WOW TO JAPANプロジェクト)に採択され、パキスタンの排水機場における実証試験をクリアいたしました。外気温が50℃を超える過酷な環境下でも安定した稼働を証明し、現地で高い評価を獲得しております。今後は、恒常的な洪水被害に苦しむアジア諸国など、さらなる海外展開も視野に入れています。  また、2026年4月には、内閣府「国土強靭化基本計画」に基づいた表彰制度である「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」において、企業・産業部門の最高位「最優秀賞」を受賞いたしました。  以上の状況のもと、次期連結会計年度における酉島製作所グループの通期業績見通しは以下のとおりを見込んでおります。 〔連結業績〕売上高   95,500百万円営業利益  5,200百万円経常利益  4,400百万円親会社株主に帰属する当期純利益  3,800百万円(為替レートは1ドル=155円を前提としております) ※業績見通し等の将来に関する記述は、酉島製作所が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を酉島製作所として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。上記見通しには、2026年2月10日に開示しております2026年7月取得予定の新日本造機株式会社は含めておりません。 イ. 対処すべき課題(ア)外部環境a. 中東情勢 酉島製作所グループのターゲット市場の一つである中東地域では予断を許さない情勢が続いておりますが、2026年度期初時点において、事業活動に対する直接的な影響は生じておりません。  しかしながら、紛争が長期化した場合には、世界的な資材価格や物流費用の高騰に加え、酉島製作所が高性能ポンプを数多く供給しているUAE、カタール、サウジアラビア等の経済・財政へ及ぼす影響が懸念されます。万一、同地域の海水淡水化プラントや発電プラントの安全が脅かされるような事態となった場合においては、その安定的な運営維持を確保することが酉島製作所グループの極めて重要な使命であると認識しております。 b. 納期の長期化 世界的なAIデータセンターの建設ラッシュや、脱炭素社会への移行に向けたGTCC発電への投資加速を背景に、電力関連設備の需要が世界規模で急増しております。これに伴い、主要な発電設備メーカーの受注残高が高水準で推移しており、その影響を受けてポンプを供給する酉島製作所においても受注案件の納期が長期化しております。  特に足元では、2026年度の納入・売上計上が一時的に抑制されることを当面の重要課題と捉えております。ただし、積み上がった受注残については、2027年度以降に着実な納入と売上計上へと繋げてまいります。したがって2026年度においては、比較的納期が短く当期の業績に直結するサービス事業(メンテナンス・部品供給等)へより一層注力し、グループ全体の収益確保に努めてまいります。 (イ)酉島製作所グループの課題a. 中期経営計画 酉島製作所グループは、創業100周年を迎えた2019年に「私たちはポンプを愛し、世界によりよい変化を生み出すために、進化し続けます。」という新たな経営理念を策定いたしました。  2021年度には中期経営計画「Beyond 110」を策定し、創業110周年(2029年度)の目標として「売上高600億円、営業利益50億円」を掲げましたが、2022年度にこれを7年前倒しで達成いたしました。これを受け、2024年度には「売上高1,000億円、営業利益100億円、ROE10%」へと目標を上方修正し、「世界No.1」のポンプメーカーになるというビジョンを掲げました。2025年度の受注高は949億円に達し、売上高1,000億円の目標達成に手が届く水準に近づいております。一方で、利益面は2025年度の経常利益目標は達成したものの、営業利益100億円の目標達成については、今後の課題と認識しております。  さらに、2026年2月10日には「Beyond 110」の先にある持続的な成長を見据え、住友重機械工業株式会社から新日本造機株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。この戦略的買収により、酉島製作所グループの市場及び製品ポートフォリオをさらに拡大してまいります。  なお、株式取得は2026年7月1日に完了する予定です。現行の「Beyond 110」の目標数値は自律成長で達成を見込んでいることから、同社の株式取得完了後に2029年度にむけた中期経営計画を修正する予定です。 b. 新市場の拡大 酉島製作所グループは2020年、経済産業省より「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されました。水ポンプのスペシャリストとして、世界の海水淡水化市場や日本の発電市場において、No.1の高性能ポンプメーカーとしての地位を確立しております。一方で、世界的な総合ポンプメーカーへとさらなる飛躍を遂げるため、海外の大手競合が強みを持つオイル&ガス向けポンプ市場への本格参入が長年の課題となっていました。  同市場への参入には、業界における基準(API規格)への対応と豊富な納入実績が不可欠です。このような状況下、オイル&ガス事業向けのポンプ・蒸気タービン及び発電所向けの蒸気タービンの製造販売を行う新日本造機株式会社を新たにグループに迎え入れることとなりました。これにより、自律成長に加え、外部の新しい力を取り入れて成長する大きな一歩を踏み出すこととなります。 c. つくる力 2023年度から2025年度にかけて、海外売上高の急拡大に伴い、機械加工プロセスの一部を外注化する必要が生じておりました。これに対し、2025年7月に韓国のJuneung社、英国のKRG社の機械加工専門メーカー2社の子会社化及びインド子会社での設備投資を行い、グループ内での生産体制を整えました。さらに、営業技術部門への適切な人員シフトにより、設計図面のリードタイム短縮を実現いたしました。  これらの施策により「つくる力」のボトルネックを解消し、中期経営計画「Beyond 110」が目指す売上高1,000億円の達成を支える強固な生産体制を確保しております。 d. サービス 前述の通り、2026年度は納期の長期化に伴い、ポンプ本体販売における収益の伸びの鈍化が予想され、納期が短く当期中の売上計上が見込まれるサービスビジネスへの注力が重要となります。特に、近年の販売増に伴って順次拡大が予想されるサービス需要を確実に取り込むため、海外の既存拠点の機能強化と、新規サービスセンター開設の双方への投資を拡充してまいります。これらを通じて、世界中のお客様が必要とする場所で、迅速かつきめ細やかなサポートを提供し、収益基盤の安定化を図ってまいります。 (セグメント情報)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、酉島製作所グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末において酉島製作所グループが判断したものであります。 (1) リスク管理体制の概要 酉島製作所グループの事業活動に関する各種のリスク管理については、経営委員会及びリスク管理委員会の指示の下、コーポレート部門に設置したサステナビリティ推進チームがリスクに関する情報を収集・分析し、担当執行役員より経営委員会又は経営会議に報告します。各委員会・会議はリスク評価を行い、対応すべきリスクを確定しリスク対策の概要について協議するとともに、リスク対策の妥当性をリスクの種類に応じて審議します。審議の結果に基づき、CEO又はCOOが子会社又は事業部門に詳細検討及び実行を指示し、実行状況を把握できる仕組みとしております。特に重要度の高いリスクに関しては、CEO又はCOOがその対策の実行状況について取締役会へ適宜報告し、取締役会が重要度の高いリスクについて対策の実行状況を把握できる体制を整備しております。 (2) 戦略上のリスク①地政学上のリスク(政治・経済体制の特殊性)重要度:高リスクの概要[リスク]・米中経済・安全保障摩擦、米国の通商政策の見直し、ロシアによるウクライナ侵攻、米国のイランへの武力攻撃 による湾岸地域の情勢不安、ホルムズ海峡封鎖等による世界経済・貿易の不安定化・酉島製作所グループ全体の受注高において高い割合を占める中東地域(アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン、ヨルダン、トルコ)(2026年3月期において同地域が占める割合は約27.6%)及びアフリカ地域(エジプト、アルジェリア、チェニジア、モロッコ、リビア、ガーナ、ケニア、エスワティニ、スーダン、ナイジェリア)においては以下のリスクが想定される。 a)国家間紛争・内乱・動乱(海上封鎖等)による経済活動の困難性に伴う取引の中断・停止・市場からの撤退リ   スク b)経済制裁が発動されることによる市場へのアクセスが制約されるリスク c)法制度の未整備及び突然の変更に係る対応リスク[機会]・中東地域の経済発展の動向や人口の増加に伴う食糧生産・需要の高まりがインフラ事業の必要性を確たるものにしており、同地域の市場規模や成長性については他の地域と比較して見込みが高いと判断されるため、酉島製作所製品の市場開拓・サービス事業の拡大、現地顧客のニーズを踏まえた営業の機会がある。主な影響・輸出入取引の制約により出荷・船積みが停止・中断し、計画どおりの売上げが未達となる事態の発生・決済不能・遅延による債権回収遅延・不能・追加関税の負担によるコスト発生・不可抗力条項の適用による製品保管費用等のコスト負担・現地納入先での作業困難による取引遅延・未履行による契約解除費用の発生・う回路を使用することに伴う輸送コスト高騰リスク・紛争当事国に専ら依存する原材料等の禁輸に伴う製造ラインの停止対応策・主要マーケットの動向に関する現地拠点の責任者からの情報収集、分析、リスク評価・リスク評価に基づくプロジェクトマネジメントの実施(顧客との公平なリスク分担交渉を含む)・債権回収リスク低減のための決済条件交渉、貿易保険の付保・特定国への依存を可能な限り回避するための調達ルートの複数化 ②サプライチェーンの多様化に伴うリスク重要度:中リスクの概要[リスク]・新規調達先からの納入品に関して品質問題(製品の材質・組み込まれる部品等の品質不良)が発生するリスク・安定的に供給できるグローバル調達網の構築に失敗するリスク(品質維持・改善のために指導を要する場合は、マネジメントコストや時間的コストが発生するリスクが考えられる。)[機会]・他方で、特定地域の特定調達先への依存度を減らすことで、国際政治・経済環境の急激な変化や輸出入規制などの影響を受ける度合いを最小限に抑えることができる。・また、検品体制を含めたグローバル調達網の構築に成功すれば、海外顧客への直接納入が可能になり、顧客との取引において納期やコスト面で優位な条件を提示することで競争力の強化にもつながる機会がある。主な影響・当該調達品の性能未達・納期遅れによって発生する顧客との取引における金銭的負担や交渉コスト(損害賠償請求への対応コスト)の発生・グローバル調達を担う人材の育成にかかるコストの発生対応策・調達品の要求水準の標準化・新規調達先の工場視察・製造現場の課題把握・分析・評価による品質改善指導・グローバル調達に従事する従業員の人材開発 ③気候変動に起因する最終顧客のニーズ変化重要度:中リスクの概要[リスク]・炭素税等のカーボンプライシングの導入に伴う事業コストの増加(資材調達コスト、生産・物流エネルギーコスト)・CO2排出に係る規制・政策の強化(気候変動対策が自治体の入札要件となり、脱炭素社会に向けた取組の進捗が受注機会に影響を及ぼす)・再生可能エネルギー電力の採用による生産コストアップ・低炭素・脱炭素製品ニーズ拡大による既存製品の需要低下(例:火力発電市場の縮小)・異常気象(豪雨や台風など)の頻発化・激甚化による資材調達や工事の遅延が発生、工期への影響を含めた事業コストへの影響・災害発生による保険料増額[機会]・省エネに対応した生産設備の導入による生産コスト低減・エネルギーミックスの変化(短期的にはバイオマス発電、高効率廃棄物焼却施設、地熱発電向けポンプの需要増加、中長期的にはアンモニア発電、水素発電向けポンプの需要増加)・脱炭素・再エネ・省エネ技術の需要増(水素発電・アンモニア発電・CCUS等)・減災技術の需要増(4℃シナリオでより顕著)・水不足による海水淡水化プラント向け需要増主な影響・生産コストの増大・従来の火力発電市場減少による受注減少・販管費の増加・低炭素・脱炭素製品ニーズの拡大による研究開発費等増加・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発費増加・気候変動に対する社会的意識の高まりや評価制度(例:CDP)の進展等への対応不備によるレピュテーション低下対応策・カーボンニュートラル社会に向けた新製品の開発(低炭素製品、水素・アンモニア向け製品の開発)・顧客とのパートナーシップ構築・強化 ・既存製品の継続的改良・高効率化・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発 ④技術革新への対応重要度:中リスクの概要[リスク]・IOTやデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が不十分となり、新規分野への参入が遅延するリスク・新エネルギー分野(液化水素・アンモニア)向けポンプなど新製品開発に遅延又は失敗するリスク[機会]・IOTやDXによる新たな需要の掘り起こし・異種業界との協働による新たな知見・経験の習得、人材開発・他社に先行する分野の開発主な影響・生産性の低下・製品開発費用の負担増大・製品の競争力の低下・新規マーケットの喪失・優秀な研究開発員の確保や新規雇用が困難になる結果、従業員の士気低下対応策・従業員のDX教育の推進、DX実施による従業員のスキルアップ・自社の研究開発に従事する従業員の人材開発・研究トップレベルの大学との共同研究・主要顧客であるプラントメーカとの技術提携 (3) オペレーション上のリスク①サイバーセキュリティとシステム重要度:高リスクの概要[リスク]・ITシステム障害・サイバーインシデント(ランサムウェア攻撃により、電子ファイルが暗号化され事業活動が停止、あるいは情報漏洩が発生するリスク)・誤操作又は不当な目的をもった役職員による情報漏洩(人為的リスク)[機会]・サイバーセキュリティインシデント対応に備えた従業員教育による従業員の情報リテラシーの向上・サイバーセキュリティインシデント対策の策定による事業運営の安定性確保主な影響・生産等現場の混乱・操業停止・技術情報の流出・顧客からの信頼喪失・対応費用等発生による財務状況の悪化対応策・情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底・情報システムへのアクセスを制御するためのID管理・認証基盤の導入、認証の多要素化・中核となる技術情報や営業情報についてファイヤーウォールを設け、システム障害による影響を最小限にとどめる措置の実施・役員及び従業員への情報セキュリティ教育の周知徹底・とりわけ、コンピューターセキュリティインシデントが発生した場合の被害を最小限にとどめることを目的に設置した部署横断的な対応組織(Torishima Computer Security Incident Response Team; CSIRT)によるインシデント対応計画の策定や外部団体と連携したインシデント対応訓練の実施、インシデント予防のための役員及び従業員の意識及びスキル向上のための啓発活動の実施 ②人材(確保と維持)重要度:高リスクの概要[リスク]・業務に必要な人材の確保困難・優秀な人材の流出・技術承継の失敗[機会]・採用母集団の拡大、多様な人材採用方法の確立・特殊技能の可視化、多角的な教育プログラムの整備、技術習熟者の教育意欲向上主な影響・公共工事等の受注要件を満たせない・事故等のリスク・外注利用等によるコスト上昇対応策・積極的な技術承継の場として社内に設置した「モノづくり道場」等を通した取組の継続・採用活動の充実化・外注先の事業継承による技術の取り込み・特殊技能への依存度の低減、業務の属人化防止、データ活用によるDXの推進 ③自然災害重要度:中リスクの概要天災地変や異常気象(洪水、台風)に伴う操業の一時停止主な影響・生産地域が大阪府高槻市の本社工場に集中していることから生ずる生産能力の一時的低下・設備破損や提携先被災による事業継続困難・工場設備の復旧や修理等の費用発生による財政状態の悪化・納期遅れによる遅延損害金の支払い対応策・BCP策定・継続的見直し(自社サーバールームの耐震対策、初動訓練強化)・サプライチェーンのマネジメント強化 ④安定的な調達の維持重要度:中リスクの概要協力会社の廃業等による主要部品の供給や工事施工の困難主な影響・代替部品の調達によるコスト上昇・品質維持困難・納期遅延対応策・複数購買・代替供給先の発掘・協力会社の経営支援・安定的な関係構築 ⑤為替リスク重要度:中リスクの概要急速な円高又は円安主な影響・為替変動による輸入コストの上昇(円安)・外貨建て売上減少による損益の悪化(円高)対応策・外貨ポジションの把握・為替予約の実施 ⑥財務リスク重要度:中リスクの概要金利の上昇主な影響・支払サイトの長短ギャップ拡大による資金繰りの悪化・資金繰り悪化による借入増加時の支払い利息の増加・金利支払負担による営業外費用の増加対応策・支払サイトの長短ギャップ発生原因の分析に基づく対応策の実施・個別案件における債権回収促進及び遅延の予防 ⑦有価証券の保有にかかるリスク重要度:中リスクの概要株式市場及び経済環境の動向による保有有価証券の株価下落主な影響経常利益の減少を含む財政状況の悪化対応策保有有価証券の売却及び見直し ⑧品質と安全性重要度:中リスクの概要新しい市場向け製品や技術的難易度の高い製品における不具合発生主な影響・事故の発生等による顧客信用の失墜・不具合修理費負担又は損害賠償請求による損失発生対応策「トリシマ品質」の継続的向上 ⑨安全衛生重要度:中リスクの概要・工事現場作業に関連する健康及び安全に係る重大なインシデント(重大な傷害又は死亡)の発生・パンデミックの発生主な影響・作業現場等での事故の発生・多額の賠償金や顧客信用の失墜・クラスター発生による営業活動の縮小・工事遅延対応策・定期的な安全衛生大会等の開催・定期的な安全パトロールの実施・適切な感染症対策 ⑩係争リスク、倫理・コンプライアンス重要度:中リスクの概要法令・社内規程や倫理規範違反が発生するリスク、訴訟、クレーム紛争主な影響・酉島製作所企業グループに対する信用力の低下・敗訴による多額の損害賠償や事業の差止等・法令違反による営業停止対応策・ガバナンス及びコンプライアンス体制の整備・主要関係国の輸出管理規制の把握及び子会社への周知徹底・取引当事国の投資関係法・基本法・破産法等の最低限の知識・情報収集*重要度とは、酉島製作所グループの事業活動の実績及び見込みを踏まえた上で、酉島製作所グループ事業への影響度及び当該 リスクが顕在化する蓋然性の二つの観点から総合的に判断した評価基準であります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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