JSP(7942)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


JSP(7942)の株価チャート JSP(7942)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 JSPグループは、JSPと国内子会社11社、海外子会社27社、関連会社4社及びその他の関係会社1社(2026年3月31日現在)で構成され、発泡技術を主体として機能性、経済性を高めたプラスチック製品の製造販売を主な事業内容としております。また、これらに付随する事業活動も展開しております。

 JSPグループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分はセグメントと同一の区分であります。

 

(押出事業)

 JSPは、主にスチレンペーパー(発泡ポリスチレンシート)、ミラボード(発泡ポリスチレンボード)、ミラマット(高発泡ポリエチレンシート)、キャプロン(ポリエチレン気泡緩衝材)、ミラフォーム(発泡ポリスチレンボード)及びミラプランク(発泡ポリエチレンボード)の製造販売をしております。㈱JSPパッケージングは、主にシートの成形加工品を販売しております。㈱ケイピーは、JSP及び㈱JSPパッケージングのシートの成形加工品の委託加工をしております。㈱ミラックスは、ミラネット(高発泡ポリエチレンネット)の委託生産及びJSP製品の二次加工をしております。セイホクパッケージ㈱は、JSP製品や一般包装資材の仕入販売等をしております。三昌フォームテック㈱は、建築土木資材を中心としたビーズ成型品の製造販売をしております。海外では、JSP Seihoku Material Technology(Kunshan)Co.,LTD.が、JSP製品や一般包装資材の仕入販売等をしております。

 

(ビーズ事業)

 JSPは、主にARPRO(発泡ポリオレフィンビーズ)及びスチロダイア(発泡性ポリスチレン)の製造販売をしております。JSPモールディング㈱は、ビーズ成型品の委託加工をしております。北菱イーピーエス㈱、本州油化㈱及びNK化成㈱は、ビーズ成型品の製造販売をしております。海外では、JSP International Group LTD.、

JSP Brasil Industria de Plasticos LTDA.、JSP International S.A.R.L.、JSP Foam Products PTE.LTD.、

JSP Advanced Materials (Wuxi) Co.,LTD.、JSP Advanced Materials (Dongguan) Co.,LTD.、

JSP Advanced Materials (Wuhan) Co.,LTD.、JSP Plastics (Shanghai) Co.,LTD.、KOSPA㈱、

Taiwan JSP Chemical Co.,LTD.及びJSP Foam India Pvt.Ltd.が主にこの事業に携わり、現地でARPRO及びビーズ成型品の製造販売をしております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 JSPグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、JSPグループ(JSP、連結子会社及び持分法適用会社)が合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)会社の企業理念

 JSPグループは、「創造的行動力による社会への貢献」を企業理念とし、コア事業である発泡樹脂製品及び新しい素材を用い、省資源・省エネルギーで社会生活の利便性向上に寄与する価値を、社会に提供していくことを使命としております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

a.長期ビジョン

 第61期(2019年3月期)スタートにあたり、10年スパンの長期的な方向性を示す『VISION2027』を策定しました。長期ビジョンでは、「顧客と消費者に感動を届ける」、「株主と地域社会に満足を届ける」、「社員一人ひとりがワクワク感を持って仕事をする」など、すべてのステークホルダーに感動と満足を届けることの意を込め、新しい経営方針「Deliver with WOW!」を定め、将来のありたい姿を「真のグローバルサプライヤーとして社会から必要とされる企業」とし、海外市場に目を向けた地理的拡大、独自技術の強みを活かした新規需要の掘り起こしや周辺領域への事業拡大などを積極的に推進してまいります。

 

(経営方針) 「Deliver with WOW!」

・VISION2027の基本方針

①既存事業の強化・拡大

②事業領域の拡大

③経営基盤の強化

 

・2027年度の定量的ビジョン

 売上高 180,000百万円、営業利益 18,000百万円、営業利益率 10%

 

・進むべき事業領域

 (ⅰ)ARPRO事業、(ⅱ)建築住宅断熱材、(ⅲ)フラットパネルディスプレイ表面保護材、(ⅳ)新たな事業領域(新規事業創出及びM&Aとして売上高30,000百万円規模を目指します)の4つの成長エンジンを、今後の進むべき事業領域として位置付けました。

 

b.中期経営計画「Change for Growth 2026」(第67期~第69期)について

 第67期から第69期を実行期間とする中期経営計画「Change for Growth 2026」では、「グループ全体の収益力強化」を基本コンセプトの第一に掲げ、市場環境の変化のみに頼らない主体的な持続的成長を目指すと同時に、資本効率を意識した経営を実施してまいります。また、前中期経営計画において推進してきたサステナビリティ経営を更に突き詰める必要があります。カーボンニュートラルに向けた世界的気運の更なる高まり、人的資本への対応など、非財務分野への更なる対応に関する社会的要求が高まっていることは周知のとおりです。また、環境対応力の高さを今後の成長の源泉として位置付けており、循環型経済への転換を積極的に推進していきます。また、「経営基盤の強化」として、前中期経営計画において人事制度の見直しを検討してきました。2024年度より、JSPは新人事制度として、年齢や勤続年数を重視した制度から、職責や期待する役割・能力を重視した制度へ移行し、運用が始まりました。多様化するキャリアパスへの対応や専門性が活かされる仕組み作りを含め、「働きがいのある企業風土の醸成」に取り組みます。

・基本コンセプト

「グループ全体の収益力強化」

「発泡樹脂製品による社会への貢献」*

「経営基盤の強化」

① 人材育成の強化

② 労働安全と環境保全

③ コーポレート・ガバナンスの強化

④ 情報システム基盤の強化

⑤ 働きがいのある企業風土の醸成

⑥ 人材の多様性

*「発泡樹脂製品による社会への貢献」とは、前中期経営計画における基本コンセプトの一つ「経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと提供価値を拡大」と同じ考え方です。

 

・最終年度/第69期(2027年3月期)の定量目標と前提条件

 

<定量目標>

売上高 160,000百万円、営業利益 10,000百万円、営業利益率 6.3%

<前提条件>

為替

:140円/米ドル、150円/ユーロ、20.0円/人民元

 

原油価格(ドバイ)

:90米ドル/バーレル

 

(要約セグメント情報)

(単位:百万円)

事業の種類

第66期 実績

第69期 中期計画

売上高

営業利益

売上高

営業利益

押出事業

41,956

2,078

54,000

2,600

ビーズ事業

87,294

6,542

106,000

8,600

その他

5,800

82

135,051

8,703

160,000

11,200

調整額

△1,139

△1,200

合計

135,051

7,563

160,000

10,000

(注)第67期(2025年3月期)より、セグメント情報の「その他」は、人材と資産活用の観点から親和性の高い「押出事業」と統合します。

 

・設備投資計画

 持続的成長及び収益性強化を目的とした戦略的投資として、メキシコのラモス・アリスペ工場の新設、インドのプネ工場の新設、チェコのヘブ工場の生産能力増強などARPRO生産能力増強のほか、自動化、省力化、省エネ化など合理化効果の高い設備投資を積極的に行います。3年間で30,000百万円の設備投資を計画しております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 成長戦略の推進における課題

・長期ビジョン『VISION2027』では、JSPグループの進むべき事業領域を(ⅰ)ARPRO事業、(ⅱ)建築住宅断熱材、(ⅲ)フラットパネルディスプレイ表面保護材、(ⅳ)新たな事業領域(新規事業創出及びM&A)の4つとし、中期経営計画「Change for Growth 2026」(第67期~第69期)においても定量目標を設定し取り組んでおります。

(ⅰ)ARPRO事業(*1)

自動車生産台数の成長が鈍化していることから、引き続きHVAC(*2)関連部品や輸送用通い函など非自動車部品分野への用途拡大を目指します。また、リサイクル材への需要の高まりとARPROのグローバル対応力、開発・提案力における優位性により市場シェア拡大を目指します。

*1 従来は、「自動車部品分野」としておりましたが、発泡ポリプロピレン事業は、製品名をARPROに統一したため、ARPRO事業としました。

*2 空調システムを指します。Heating(暖房)、Ventilation(換気)、Air Conditioning(空調)。

(ⅱ)建築住宅断熱材(*3)

住宅着工件数が伸び悩む中で、伸び筋分野であるミラフォームラムダやプレカット品などの高付加価値製品の拡販により収益性向上を目指します。

*3 中期経営計画より高付加価値製品の増加率で目標設定しています。

(ⅲ)フラットパネルディスプレイ表面保護材

前中期経営計画では1年目(2021年度)で販売目標を達成しましたが、2年目以降はテレワーク等による特需終了に伴う生産調整により販売は低調に推移し、その後需要は持ち直し堅調に推移しました。需要動向に対応するとともに、顧客要求に対する技術提案力と新規顧客獲得によりさらなる増販を目指します。

(ⅳ)新たな事業領域

出資する射出成形事業会社の売上規模拡大と国内開発案件(ブロー品等)の事業化に向けた取り組みを推進します。

 

② 収益性改善における課題

・2025年3月期は、国内においては、ベンゼン価格の上昇や円安の影響に伴う主原料であるスチレンモノマーやポリスチレンの価格上昇に加え、原料メーカーの労務費、生産設備維持費用、環境対応費用、物流コストの上昇による価格転嫁の圧力が高まっており、製品価格の改定を適正に行い、収益性を維持・改善することが課題です。また、グループ全体の課題として、労務費や修繕消耗費の上昇が懸念されており、コスト削減や収益性の高い製品比率を高める必要があり、同様に製品価格の改定を適正に行うことが課題です。

 

③ 中期経営計画の基本コンセプトに関わる課題

・「グループ全体の収益力強化」として、資本コストと株価を意識した取り組みを重要視しています。資本収益性と財務健全性を両立した資本構成に向け、バランスシートのコントロールを意識した運営を課題と認識しています。

・海洋プラスチック問題やパリ協定、ESG課題への注目を背景として、プラスチックリサイクル、他素材への転換、脱プラスチックなどの動きが活発化しており、今後さらに資源循環を追求する動きが加速すると想定しております。これらの動きに対し、JSPグループは、「発泡樹脂製品による社会への貢献」を基本コンセプトの一つとして、環境対応型製品による貢献やプラスチック資源循環への貢献により、顧客や社会の課題解決に向けて取り組んでまいります。

・2024年度より、JSPは新人事制度の運用が始まりました。年齢や勤続年数を重視した制度から、職責や期待する役割・能力を重視した制度へ移行しました。多様化するキャリアパスへの対応や専門性が活かされる仕組み作りを含め、「働きがいのある企業風土の醸成」を重要課題と捉えております。

・「経営基盤の強化」の中で、重要課題と認識している事項は「情報システム基盤の強化」です。生産工程における自動化や省力化においてもデジタル化が必要であり、セキュリティ強化も同時に行います。

 

④ その他の課題

・物流の2024年問題への対応を機会と捉え、効率的な配送体制への移行や物流費低減に取り組みます。

・少子高齢化に伴う労働人口の不足、デジタル革命が進む中で専門性の高い特定分野の人材不足など、適時に人材を確保することが年々厳しくなっております。組織の活性化・効率化を推進するとともに、人的資本経営を意識した人材育成システムの充実化を図り、グローバル企業として更なる組織強化に努めてまいります。また、生産工程の短縮、製造ラインの自動化などの対策を実施することで、人手不足解消に努めてまいります。

・IR情報の発信力強化と投資家とのさらなる対話を推進します。

・研究開発と新事業開発の連携を強化し、基礎技術や社外技術の事業化を推進します。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 JSPグループは毎年リスクアセスメントを実施し、リスクの特定、分析、評価を行い、リスク顕在化の未然防止及び低減に努めております。

 JSPグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性がある主要な事業等のリスクは以下のとおりであります。これらの事業等のリスクは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、全てのリスクを網羅したものではなく、リスクアセスメントの結果を加味して投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。

 

(1) 事業(外部)環境に関するリスク

① 主要市場環境の変化

 JSPグループは、2024年度から2026年度の3ヶ年を実行期間とする中期経営計画「Change for Growth 2026」を本年4月よりスタートしました。本計画の対象期間は、10年スパンのありたい姿を定めた長期ビジョン『VISION2027』の最終段階であり、ありたい姿である「真のグローバルサプライヤーとして社会から必要とされる企業」の実現に向け、大きな転換期とする3ヶ年であると認識しております。

  本計画では、基本コンセプトのひとつの柱として「グループ全体の収益力の強化」を掲げ、事業領域の拡大、事業地域の拡大を目指してまいります。前中期経営計画に引き続き、「ARPRO事業」「建築住宅断熱材」「フラットパネルディスプレイ表面保護材」を持続的成長の原動力として位置付け、数量拡大に加え高付加価値製品の販売に注力することで利益率向上を図り収益拡大を目指す計画としておりますが、需要や経済情勢、技術動向、法規制の改定等、様々な要因による市場環境の変化によっては計画どおりに進まない可能性があります。

 JSPグループは、市場環境の変化に対応するため、上記既存事業に加え新しい事業領域への展開を進めてまいります。また、環境問題への意識の高まりに対し、サステナビリティ経営に軸足を置いた変革戦略を進め、循環型経済に対応した製品とサービスの提供に努めてまいります。

 

② 海外事業展開に関するリスク

 JSPグループは、北米、南米、欧州、アジアの各地域で広く事業を展開しておりますが、各地域の政治的または経済的要因、環境規制等による投資許可、移転価格税制上の問題、社会情勢の変化や各種規制の動向、労働争議、人材確保の困難さ、為替レートの変動等が各地域の事業活動に支障をきたし、JSPグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 JSPグループは、JSPグローバル事業部が各拠点のPDCAサイクルを管理することでリスク低減に努めております。また、グループガバナンス強化として内部統制機能の更なる充実化を図ってまいります。

 

③ 価格競争の激化

 JSPグループの製品群はライフサイクルの長いものもあり、多くの製品は厳しい価格競争に晒されています。特にアジア地域では、現地企業の参入や台頭など様々な要因により今後も厳しい価格競争が予想されます。

 JSPグループは、コスト低減に注力するとともに、高付加価値製品シフトによる競合優位性を維持拡大することで適正な利益率の確保に努めてまいります。

 

④ 原燃料価格等の変動

 JSPグループの使用する原料や燃料は、原油及びナフサ価格の変動に大きく影響されるため、価格が大きく変動することがあります。JSPグループの場合、原燃料価格が上昇する局面において、製品価格への反映の遅れなどにより業績の悪化を招き易い傾向にあります。

 2024年度は、一昨年来の地政学的リスクの高まりを背景とした原油相場の急激な高騰は落ち着きを見せるものの、引き続き原油価格は高値圏で底堅い展開が続くと予想されます。また、いわゆる物流の2024年問題をはじめとして物価上昇コストに伴う取引先との値上げ交渉を引き続き進めておりますが、製品価格への全面的な反映が想定よりも遅れる可能性があります。

 JSPグループは、原燃料価格変動に影響を受けない経営基盤構築として、適時に製品価格に反映するため取引先との価格のフォーミュラ化を検討するとともに、コスト低減に努めてまいります。

 

(2) 事業運営に関するリスク

① 人材の確保について

 少子高齢化に伴う労働人口の不足、デジタル革命が進む中で専門性の高い特定分野の人材不足など、適時に人材を確保することが年々厳しくなっております。また、人手不足は生産・物流面でコストアップの大きな要因になりつつあり、JSPグループの業績に影響を与える可能性があります。

 JSPグループは、長期ビジョン『VISION2027』の基本方針「経営基盤の強化」の中で、人材育成を経営の重要課題のひとつとして捉え、人材育成システムの充実化を図り、グローバル企業として更なる組織強化に努めてまいります。また、生産工程の短縮、製造ラインの自動化などの対策を実施することで、人手不足解消に努めてまいります。

 なお、人的資本に関する具体的な取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

② 感染症拡大(パンデミック)に関するリスク

 感染症や伝染病などの拡大に伴い、JSPグループの従業員が感染し従業員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合には、工場における生産及び出荷に支障をきたし、ある一定期間操業を停止する可能性があります。また、JSPグループの工場が稼働可能であっても、原料の供給が停止する場合など、サプライチェーンに問題が生じると操業停止にせざるを得ない状況となるリスクがあります。

 新型コロナウイルスは、流行がはじまって3年以上を経過してようやくほぼ収束したものと認識しておりますが、今後も拡大する可能性はあり一定の感染対策は継続してまいります。また、新たな感染症拡大に備え、事業継続計画(BCP)の観点から本社機能の継続を想定した対策を整備しております。

 

③ 知的財産権について

 JSPグループは、国際的な特許権をはじめとして知的財産を多く保有しておりますが、これらを保護することは将来の利益確保の面でも重要です。他社から侵害を受けたり他社との間で紛争が生じたりする場合には、事業に影響を及ぼす可能性があります。

 JSPグループは、このリスクを回避すべく知的財産管理の統括部署であるJSP知的財産ユニットを中心として国内外で体制強化に努めております。

 

④ 品質保証について

 JSPグループはメーカーとして、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟のリスクが想定されます。JSPグループの製品は、食品容器、自動車部品、建築住宅断熱材など最終製品の部材として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客において甚大な損害につながる可能性があります。

 JSPグループは、各工場で品質マネジメントシステムの認証取得を積極的に進めるなど、品質保証体制強化に努めております。

 

⑤ 固定資産の減損について

 JSPグループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により減損損失が発生し、JSPグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 2024年3月期において、ビーズ事業に属するJSPEPS事業の資産グループ及び国内連結子会社の資産グループの営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっていることから減損の兆候を識別しました。当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額を帳簿価額と比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回ったため、減損損失の認識は不要と判断いたしました。この詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 今後、市場環境等の変化により、実際の結果が異なった場合又は、前提条件に変化が生じた場合には、翌連結会計年度において、減損損失を認識する可能性があります。

 JSPグループは、重要な投資に関して、当初計画から大きく乖離していないかを確認するため経営幹部の出席する主要会議で報告を求めるなど、定期的なモニタリングを実施しております。

 

⑥ 情報セキュリティ・情報管理について

 IT技術が高度に進化する中で、予期できない水準の情報システム基盤や通信回線の重大な障害、あるいは経営に関わる機密情報の破壊・窃取が発生する可能性は完全に排除することはできません。

 JSPグループは、情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化のため、関連規程を整備し、保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性の確保に努めるとともに、リスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏えい等のリスクを管理しております。また、外部からのJSPグループの情報システムに対する攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練を実施しております。

 

⑦ コンプライアンス・内部統制について

 JSPグループはグローバルに事業を展開する中で、世界各地域の法規制が変更されることによりその遵守が困難となり、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、その遵守のための新たな費用発生や事業活動が制限される可能性があります。

 JSPグループは、コンプライアンスをはじめとする適切な内部統制の重要性を認識し、そのシステムを構築し運用しております。具体的には、国内外共通の企業行動準則を定めその周知徹底を図る他、グループ社員全員が利用できる内部通報制度を整備するなど、コンプライアンス体制強化に努めております。

 

(3) 環境・安全等に関するリスク

① 自然災害・事故災害について

 JSPグループは、国内外に多数の製造工場を有しており、工場における事故・労働災害、外部倉庫・製品輸送における事故、自然災害による生産設備への被害などが発生する可能性があります。

 自然災害の中で最も影響が大きいと予想される地震災害について、発生確率が高いとされる南海トラフの巨大地震が発生した場合、JSP四日市地区の工場などがその影響を受け、多大な損害を被る可能性があります。JSPグループは、地震保険に加入しリスクの顕在化に備えております。

 JSPグループは、無事故無災害、安定供給を目標として安全確保に努めております。また地震、大雨、洪水等の自然災害に対しては、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの運用、防災訓練などの対策を実施しております。

 

② プラスチックの環境問題について

 JSPグループは、省資源・省エネルギーなど地球エネルギー資源の保護及び地球環境への配慮を基本としており、主に発泡プラスチックの機能性・利便性を通じて、社会や市場からの要求に応えております。一方で、プラスチックは不適切な処理により海洋ゴミになり、グローバルな社会問題となっています。また、パリ協定、SDGs、ESG課題への注目を背景として、プラスチックリサイクル、他素材への転換、脱プラスチックなどの動きが活発化しています。特に、欧州においてサーキュラー・エコノミーの動きが進展しており、今後さらに資源循環を追求する動きが加速すると想定しております。これらの動きに対し、対応が不十分あるいは遅れた場合にはJSPグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 プラスチックの環境問題は、JSPグループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)のひとつであると認識しており、環境対応型製品による社会への貢献、また廃プラスチックのマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、再生原料の使用などの取組みを積極的に進めております。

 なお、JSPグループは、気候変動がJSPグループに及ぼすリスクと機会やシナリオ分析、戦略、指標、目標について、JSPのサステナビリティ推進体制において審議し、これを取締役会において承認しています。シナリオ分析を通じて、気候変動によるリスクを低減するとともに、リスクを事業上の機会とできるようJSPグループの事業に則した戦略を推進してまいります。気候変動に関する具体的な取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー