東京エレクトロン(8035)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


東京エレクトロン(8035)の株価チャート 東京エレクトロン(8035)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

 東京エレクトロングループは、東京エレクトロン及び27社の関係会社で構成され、エレクトロニクス技術を利用した半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスを主な事業の内容としております。当該事業における東京エレクトロングループの位置付けは、次のとおりであります。なお、東京エレクトロングループは「半導体製造装置」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 東京エレクトロンは、連結子会社東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱、東京エレクトロン九州㈱、東京エレクトロン宮城㈱他が製造した製品を仕入れて販売しております。連結子会社TEL Manufacturing and Engineering of America, Inc.は、製品の製造及び販売等を行っております。保守サービス等については、連結子会社東京エレクトロンFE㈱、Tokyo Electron America, Inc.、Tokyo Electron Korea Ltd.、Tokyo Electron Europe Ltd.他が行っております。また、次世代技術の開発等については、東京エレクトロン及び連結子会社TEL Technology Center, America, LLC等が行っております。なお、東京エレクトロングループの物流、施設管理業務及び保険業務については、連結子会社東京エレクトロンBP㈱が主として行っております。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 東京エレクトロングループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新が速く活発なエレクトロニクス産業の中で、半導体製造装置のリーディングカンパニーとして、ビジネスを積極的に展開しております。

 

① 経営方針

 東京エレクトロングループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能をもつメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、事業環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く応えることにより、世界の市場に高い付加価値をもつ製品・サービスを提供してまいりました。また、東京エレクトロンは、技術革新が新たな価値を生み、継続的な市場拡大が見込まれる事業領域において、時代をリードする独創的な技術を創出し成長を続けてきました。

 東京エレクトロンの原動力は、業界のリーディングカンパニーとして育んだ豊かな技術力、確かな技術サービスに基づくお客さまからの信頼、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員と、そのチャレンジ精神です。

 今後も、東京エレクトロンのもつ専門性と最新技術を活かして事業を推進し、夢と活力のあるワールドクラスの高収益企業を目指すとともに、世の中の持続的な発展を支えるために不可欠な半導体の技術革新に貢献してまいります。

 

② ビジョン

 東京エレクトロングループのビジョンは「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」です。

 東京エレクトロングループは、世の中の持続的な発展を支える半導体の技術革新を追求します。東京エレクトロンの専門性を生かし、付加価値の高い最先端の装置と技術サービスを継続的に創出することで、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を目指していきます。

 そして、企業の成長は人、社員は価値創出の源泉と位置づけ、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、このビジョンの実現に向けて活動してまいります。

 

③ 事業環境

 情報通信技術の進化とともにデータ社会への移行が進む中、デジタル技術の活用と応用が様々な産業や分野において拡がっています。そして、これを支えるのが半導体の技術革新です。大容量、高速、高信頼性、低消費電力など、半導体の進化に向けた技術の追求は止まりません。トランジスタの誕生から76年。半導体デバイス市場は、2023年に約5,300億ドル(注)1になりましたが、2030年頃には1兆ドル(注)2へと、現在の2倍に相当する高い伸びが見込まれております。東京エレクトロングループが参入する半導体製造装置事業は、社会の重要インフラである半導体を支え、夢のある社会の発展に向け、今後も大きく成長していくものと予想しております。

 

 (注)1 世界半導体市場統計(WSTS)

 (注)2 東京エレクトロンによる試算

 

④ 中長期的な成長を見据えた取り組み

 東京エレクトロングループは、将来の成長と発展を目指すため、2022年6月に、2027年3月期を目標年度とする中期経営計画を発表しました。半導体市場及び半導体製造装置市場の大きな成長が見込まれる中、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を追求するマイルストーンとして、この中期経営計画を位置付けております。

 

    

 

 また上述の中期経営計画の達成に向けた取り組みに加え、ワールドクラスの利益の創出とさらなる企業価値の向上を目指し、今後5年間の成長投資、人材投資の計画を2024年2月に以下のとおりアップデートいたしました。

・研究開発投資:1.5兆円以上(5年累計)

・設備投資:7,000億円以上(5年累計)

・人材採用:グローバルで10,000人の採用(5年累計)

 

■ 人材に関する取り組み

 「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という考えのもと、社員のやる気と会社へのエンゲージメントを重視した経営に取り組んでいます。

 

    

 

これらを社員と共有するとともに、定期的なエンゲージメントサーベイを進めることにより、社員の高い能力とやる気を引き出し、世の中の持続的な発展を支える半導体の技術革新に貢献することで夢と活力のある会社の維持向上に努めます。

 また、将来の成長機会を取り込むために積極的な採用を継続していくとともに、Global、Generation、Genderの3Gの観点を意識しながら、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの向上に取り組んでまいります。そして、組織として膨張ではなく適切な成長を実現するため、業務の効率化、平準化を進め、社員一人一人のワークライフバランスの向上を図るとともに、様々なキャリアパスを示した上で、並行して教育プログラムの充実化を図り、社員の成長を支えてまいります。

 加えて、次世代の経営執行を担う人材を育成するため、「TELサクセッションプラン」に基づき後継候補者の育成をおこなっております。指名委員会はその育成状況を分析、精査の上、取締役会に報告するとともに、取締役会は後継者育成プランが適切に実行されるよう監督しております。

 社内のこうした取り組みとともに、社外においても将来の半導体人材の育成に取り組んでおります。東京エレクトロンは日米の大学によって構成される「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS(注)3)」に参画するなど、様々なプログラムを支援しており、半導体の技術革新をリードする人材育成に寄与することで、半導体産業の発展に貢献してまいります。

 

 (注)3 U.S.- Japan University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors

 

■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組み

 東京エレクトロングループは、半導体製造装置のリーディングカンパニーとして、高性能・高品質の製品やサービスの継続的な提供を通じ、より高い利益を上げて経済価値を高めるとともに、サステナビリティに関する取り組みの推進により、持続可能な社会の発展に貢献し社会価値を高めることで経営基盤を強化し、企業価値の向上を図ります。

 東京エレクトロングループのこのような活動は高い評価をうけており、2024年4月に経済産業省と㈱東京証券取引所が創設した「SX(注)4銘柄2024」に選定されました。SXとは、社会と企業のサステナビリティを同期化させ、そのために必要な経営・事業変革をおこない、長期的かつ持続的な企業価値向上を図る取り組みです。東京エレクトロンは、半導体製造装置市場の変化にタイムリーに対応すべく、研究開発、調達・製造、販売、据付・保守サービスなどバリューチェーンにおける全方位的な取り組みをおこなっており、環境負荷対応やサプライチェーンにおけるリスクに適切に対処し、長期にわたり高い業績を上げ、企業価値を向上させてきたことが評価されました。

 

 (注)4 サステナビリティ・トランスフォーメーション

 

◇ 環境に関する取り組み

 社会において地球環境保全の重要性がより一層高まる中、東京エレクトロングループではお客さまやパートナー企業さまと連携し、サプライチェーン全体で半導体の技術革新と環境負荷低減に取り組むことにより、事業リスクの低減や新たなビジネス機会の創出に注力しております。具体的には、E-COMPASS(Environmental Co-Creation by Material, Process and Subcomponent Solutions)の推進により、様々な活動を展開しております。

 

 ・半導体の高性能化と低消費電力化に貢献

 ・装置のプロセス性能と環境性能の両立

 ・事業活動全体におけるCO2排出量の削減

 

 2024年3月期には、環境中期目標についてSBT(注)5の認定を取得し、科学的根拠に基づく目標の確実な達成に努めるとともに、環境長期目標については当初2050年としていたネットゼロの達成時期を2040年へ前倒しし、サプライチェーン全体における温室効果ガスの削減に取り組んでおります。また、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会について気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく取り組みを推進し、気候変動に対する継続的な対応策を講じるとともに透明性の高い情報開示をおこなうことで企業としてのレジリエンス(対応力)の向上に努めております。

 

 (注)5 Science Based Targets。SBTはパリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先の目標年として企業が設定する目標

 

◇ ガバナンスに関する取り組み

 東京エレクトロングループは、グローバル競争に勝ち抜き、持続的な成長を果たしていくために、コーポレートガバナンス体制が重要と考えています。常に最適で実効性の高い取締役会と攻めの経営執行体制を構築し、取締役会の実効性評価や機関投資家などからの意見を踏まえた課題に継続的に取り組むことで、中長期的な企業価値向上と持続的成長に向けた強固なコーポレートガバナンス体制を実現してまいります。

 東京エレクトロングループでは、このような体制や以下に示す取り組みを「攻めと攻めのガバナンス」(下図参照)と称して、実効性の向上に努めております。左側の攻めが短中長期の利益を同時に志向しながら常にワールドクラスの利益率を追求していくことを示しており、右側の攻めがすべての企業活動で不動の基礎をなす「Safety, Quality, and Compliance」、社員をはじめとするステークホルダーとのエンゲージメントやセキュリティの強化・向上を追求することを指しています。

 

    

 

 《ガバナンスの実効性を強化する取り組み》

  ・CEOミッションを社員と共有:短中長期の利益と継続的な企業価値の向上とやる気重視経営の実践

  ・監査役会設置会社:取締役会及び監査役会から構成される監査役会設置会社とし、監査役会による

            経営の監督のもと、実効性のあるガバナンスを実現

  ・取締役会オフサイトミーティングの実施:取締役、監査役及びコーポレートオフィサーによる

                      中長期的な戦略や課題などの議論(年2回)

  ・CEO報告:取締役会でCEO自ら重要な業務執行状況を報告(毎取締役会)

  ・代表取締役評価クローズドセッション:代表取締役を除く取締役、監査役及び

                     コーポレートオフィサーによるセッション(年1回)

 

 《業務執行を支えるオペレーティングリズム》

  ・コーポレートオフィサーズ・ミーティング :執行側の最高意思決定機関(月1回)

  ・CSS(Corporate Senior Staff)ミーティング:全業務執行のグローバル横串の連携(年4回)

  ・四半期レビュー会議:中期経営計画の進捗をモニタリング(年4回)

 

 今後も半導体製造装置市場は高い成長が見込まれます。そのため、東京エレクトロンが事業展開する拠点数も現在の19の国と地域、87拠点から近い将来には100拠点を超えると予想しています。このような中、実効性の高いガバナンスと業務執行を支える効果的なオペレーティングリズムの実現により、短中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を追求してまいります。

 

⑤ 資本市場との対話

 東京エレクトロングループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営層が率先してIR(Investor Relations)、SR(Shareholder Relations)活動に取り組んでおります。IR活動においては、四半期ごとの決算説明会や中期経営計画説明会にCEO及び各担当役員が登壇し、事業戦略や成長のストーリーを共有しています。また、CEO直轄組織としてIR専門部隊を設置しており、2024年3月期においては、ニューヨークにIR分室を設けました。これにより北米地域における投資家の皆さまとの対面での対話の機会が増加し、東京エレクトロングループをはじめ、日本の半導体製造装置業界の認知が広がりました。

 

⑥ 資本政策

 東京エレクトロングループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、持続的な成長を目指し、ROE向上など高い資本効率を追求します。

 このような資本政策のもと、積極的な株主還元や高水準の成長投資、経営戦略に基づく優秀な人材の確保及び育成、お客さまやお取引先さまとの協業やその成果など、近年の高い利益成長の実績と将来に向けたさらなる成長への期待を背景に、2024年3月末時点の時価総額は東京証券取引所プライム市場で第3位となりました。純資産と比較して時価総額が大きく増加したことで、2024年3月末時点のPBR(株価純資産倍率)は10倍以上の水準となっております。

 東京エレクトロンの配当政策につきましては、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。この方針に基づき、2024年3月期においては、年間配当は393円といたしました。また、自己株式の取得については、現状のキャッシュポジションや中長期的な成長投資資金、株価水準、総還元額の状況などに鑑み、機動的に実施を検討することとしており、2024年3月期については1,199億円の自己株式取得を実施いたしました。

 東京エレクトロングループは、以上のような取り組みを実行することで、さらなる持続的成長と企業価値の向上を通じて、社会に求められ、地球に選ばれる会社として、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念を実践してまいります。

 

 

 なお、文中の将来に関する記述は、本有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報をもとに、東京エレクトロングループが合理的であると判断した一定の前提に基づいており、東京エレクトロングループとしてその実現を約束する趣旨のものではありません。

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が東京エレクトロングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、これらの記載は、東京エレクトロングループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された項目以外のリスクも存在します。

 また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において東京エレクトロングループが判断したものであります。

 

(1) 市場変動

半導体市場は、IoT、AI、5G等の情報通信技術の用途の拡がりやDXの進展、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)への対応を背景としたデータ社会への移行が加速するなか、技術革新が続くことで中長期的にはさらなる成長が見込まれております。しかしながら、世界経済の動向や最終製品の需要、貿易・関税政策、地政学的要因等により、短期的には需給バランスが崩れ市場規模が変動することがあります。半導体市場が急激に縮小した場合には、過剰生産及び在庫の増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失など、一方、急激な需要の増加に対応できなかった場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できず、機会損失が生じるなど、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、こうした市場変動に対応するため、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を把握した上で、設備投資や人員・在庫計画等の適正化を図っております。

また、東京エレクトロングループの売上高は、最先端の大手半導体メーカー等の投資動向の影響を受けやすい傾向にあります。

東京エレクトロングループは、世界中の幅広い顧客と緊密な連携を図る専門組織を設置し、顧客ニーズや投資動向をいち早く把握することに努めるとともに、半導体需要の拡大に伴う新規顧客を開拓するなど、販売体制及び顧客対応力を強化し、顧客基盤の拡大に努めております。

 

(2) 研究開発

東京エレクトロングループは、最先端技術について継続的な研究開発投資を実施し、当該技術を搭載した新製品を早期に市場投入することによって、各製品分野における高い市場シェアの獲得と高利益率の実現に成功してきました。しかしながら、顧客の技術要求に応える新製品をタイムリーに投入できない場合、また、開発した新製品が顧客要求に合致しなかった場合や競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、製品競争力を失い、開発コストの回収が困難となるなど、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、コーポレートイノベーション本部を設置し、革新的な技術開発と各開発本部が持つ製品・技術を融合した独創的な技術提案を行うための全社的な開発体制を構築するとともに、グローバルに展開している研究機関との共同研究や最先端顧客との間で複数世代にわたる技術ロードマップを共有するなど、将来のニーズに対応した強いネクストジェネレーションプロダクトを常に競合に先立ち提供する体制を整えております。

 

(3) 地政学

東京エレクトロングループは、売上高に占める海外売上高の比率が高く、様々な国・地域において事業を展開しております。国際秩序やグローバルなマクロ経済情勢に影響を与える地政学的な対立や地域紛争は、各国・地域の安全保障、外交政策、産業政策及び環境政策に影響を与え、その結果サプライチェーンの一部に影響が出たりマクロ経済環境が悪化したりすることで、東京エレクトロンの事業活動を制約し、グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループでは、国際情勢や各国・地域の外交・安全保障上の措置、産業政策の動向を注視して、製品の輸出入や技術開発に関する規制、マクロ経済の変動による事業への影響を分析しております。これらへの対応策を事前に検討するとともに、政策当局や業界団体、有識者等との対話を行いながら、リスクの早期発見やリスク発現時の迅速かつ適切な対応にあたっております。

 

(4) 調達・生産・供給

東京エレクトロングループは、主要な生産拠点を日本国内に有し、国内外の顧客に製品を供給しております。そのため、国内における地震や風水害等の自然災害、テロ、感染症等の不可抗力による被害や事故等の発生を受け、生産が停止し、復旧に時間を要する場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できない可能性があります。また、安定した製品の製造にはサプライヤーによる部品等の安定供給が欠かせません。災害や事故等のリスクに加え、サプライヤーの経営状態悪化、半導体市場の拡大に伴う供給能力を上回る需要、法改正や労働人口減少等により、部品の調達が滞った場合や国内外の物流網が逼迫した場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できなくなり、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループでは、コーポレート生産本部を設置し、事業継続計画(BCP)などの策定と定期的なレビューを行うとともに、リスク低減に向けた対策を推進しております。例として、代替生産体制の確立、生産棟の耐震強化、生産の平準化、情報システムのバックアップ体制整備や重要部品のマルチソース化、適正在庫の確保等を進めております。また、半導体の需要予測をベースとしたフォーキャストをサプライヤーに共有する等の取り組みを進め、安定供給体制の確立に取り組んでおります。

 

(5) 安全

東京エレクトロングループの製品の安全性に関する問題が発生した場合、受注取消や損害賠償責任が発生します。また、重大な人身事故が発生した場合には、東京エレクトロングループの安全に対する意識や取り組み方が疑問視され、東京エレクトロングループの社会的信用の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、開発・製造・販売・装置据付・サービス・管理等の各業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において事業を進めております。この「Safety First」という方針のもと、製品開発段階におけるリスク低減を意識した本質的な安全設計を実践し、現場作業においても危険予知ミーティングなどのリスクアセスメントを行うことにより、潜在的なリスクを特定して未然防止策を講じています。また、各従業員の業務に合わせた社内の資格認定と安全教育、顧客への装置トレーニング、事故報告システムの整備など、安全への取り組みを全従業員で継続的に推進しております。

 

(6) 品質

東京エレクトロングループの製品は、多くの最先端技術が統合された製品であり、不具合が発生した場合には、リコール等の製品の回収、品質責任に基づく損害賠償責任や不具合対策費用の発生、また、東京エレクトロングループのブランドイメージ及び信頼の低下につながるなど、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループでは、全社統一の品質方針のもと、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制や最高水準のサービス体制の確立に取り組み、継続的改善活動を行いながら、従業員及びサプライヤーへの品質教育を実施しております。開発においては、設計の初期段階から営業、サービス部門と連携し、顧客のニーズに対応すべく技術的な課題解決を図り、さらにシミュレーション技術を使用した検証を徹底するなど、リスク軽減、解消に取り組んでおります。また、不具合発生時においては、根本原因を究明した後、再発防止・類似不具合の未然防止策の実施・徹底を進めております。調達部品の品質管理においても同様に、常にサプライヤーの品質状態を把握し、監査、改善支援等を実施しております。

 

(7) 環境対応

東京エレクトロングループを取り巻くステークホルダーをはじめ、世界全体でサステナビリティに関する社会的要請が高まっており、特に喫緊の課題である気候変動に対する取り組みは急務です。このような状況のもと、脱炭素社会への移行に伴う各国の気候変動政策、環境法令や業界行動規範、技術革新や顧客ニーズ等に適切に対応できなかった場合には、新規製品の開発、仕様変更、改造等の追加対応の費用発生、製品競争力の低下、社会的信用の低下等により、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、E-COMPASSプログラムを展開し、あらゆるお客さま、お取引先さまとのパートナーシップによりサプライチェーン全体での地球環境保全に取り組んでおります。環境法令や業界行動規範の遵守はもとより半導体デバイスの高性能化や低消費電力化に寄与する技術の提供、また業界をリードする中長期環境目標の達成に向けて製品使用時の温室効果ガス排出量削減や事業所における再生可能エネルギーの使用比率の向上及びエネルギー使用量低減に努めております。そのほか、梱包材の見直し、モーダルシフトの推進など、事業活動を通じて地球の環境保全に取り組んでおります。

 

(8) 法令・規制

東京エレクトロングループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・地域において、輸出入規制、環境法、競争法、労働法、汚職・贈賄、移転価格税制を含む様々な分野の法令、規制による制約を受けており、その遵守に努めております。しかしながら、各種法令、規制に抵触した場合には、社会的信用の低下、課徴金・損害賠償の発生、事業の制限など、また、各国の安全保障上の政策や将来において予期せぬ法令改正、規制の強化が生じた際に適切に対応できなかった場合には、その対応に要する費用負担や事業の制限等により東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、チーフ・コンプライアンス・オフィサーのもと、国内外主要拠点においてコンプライアンスに関する活動状況を把握する体制を構築しております。また、法令や企業倫理上疑義のある事項を早期発見し、速やかに対策を講じるため、東京エレクトロングループ統一の内部通報制度を運用しております。さらには、外部機関によるコンプライアンスに関するアセスメントを実施し、抽出された課題は、CEO、取締役会及び監査役会に報告され、迅速かつ効果的な対策及びさらなる体制強化を進めております。

 

(9) 知的財産

東京エレクトロングループの製品は、多くの最先端技術が統合された製品であり、知的財産の権利化と第三者による権利侵害の防止は、製品の差別化と競争力強化の上で重要な要素となります。第三者が保有する知的財産権を侵害した場合には、東京エレクトロングループ製品の生産・販売が制約され、損害賠償金の支払が発生すること等が考えられ、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、知的財産戦略を事業戦略及び研究開発戦略と三位一体で推進することにより、適切な知的財産権ポートフォリオを構築しております。また、他社特許を継続的にモニタリングし、事業及び研究開発部門と連携して適切な対策を講じることで他社特許の侵害を回避する体制を構築しております。

このような取り組みを通じ、製品競争力の向上及び他社特許の侵害リスクの低減を図り、各製品分野における高い市場シェア獲得と利益率向上に努めております。

 

(10) 情報セキュリティ

社会全体のデジタル化が進む中、第三者による不正アクセスやコンピュータウイルス等によるサイバー攻撃は世界的に増加傾向にあります。このような環境下において、東京エレクトロングループ及びサプライヤーに対するサイバー攻撃、内部不正等による情報漏洩やサービス停止等が発生した場合には、競争力・技術的優位性の棄損、製品生産活動を含めた業務の停止、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループでは、サイバーセキュリティに関するソリューション導入やセキュリティ監視、内部不正対策といった技術面・運用面の対策に加えて、グローバルセキュリティポリシーの策定と教育・啓発・訓練を通じて、情報資産の適切な管理・保護に努めております。

また、情報セキュリティ委員会を設置することでグループ各社を含めた組織的強化を図るとともに、情報セキュリティに関する内部監査と外部機関によるアセスメントなどの活動を通じて、情報セキュリティ対策の実効性強化に努めております。

 

(11) 人材

東京エレクトロングループがグローバルな事業展開を進めるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で多様な人材を確保し育成することやダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを実践することが重要となります。しかしながら、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合、また、多様な価値観・専門性を持った人材が個性を発揮して活躍できる環境が整備できない場合には、製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、競争優位性のある組織が実現できないなど、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

東京エレクトロングループは、従業員は持続的な価値創出の源泉であり、従業員のエンゲージメントを高めることは企業価値向上において最も重要な要素と考えております。具体的には東京エレクトロンCEOによる定期的な社員集会を通じた方向性の共有、今後を担う人材を継続的に輩出するための育成計画の構築、従業員のキャリアパスの見える化、魅力的な報酬・福利厚生の提供、長時間労働・ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善や健康経営の推進等に取り組んでおります。加えて、産官学連携の半導体人材育成やグローバルでの大学とのパートナーシップの強化を進めております。

 

(12) 感染症・自然災害等、その他

東京エレクトロングループが事業を遂行するにあたっては、各国・地域における経済環境、金融・株式市場、外国為替変動、企業買収の成否、重要な訴訟、標準規格化競争、感染症、地震や風水害をはじめとする自然災害等の要因により、東京エレクトロングループ業績に影響を及ぼす可能性がありますが、それぞれのリスクに対し必要な対策を行っております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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