キムラタン(8107)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】キムラタングループは、連結財務諸表提出会社(キムラタン)、連結子会社9社、持分法非適用関連会社1社で構成されております。主要な事業は、不動産事業、アパレル事業、及びウェアラブル事業であります。不動産事業としては、株式会社キムラタンエステート、株式会社キムラタンプロパティ、イストグループ(株式会社イスト、株式会社ライブ、コネクト株式会社)、有限会社九建機材において主に不動産賃貸業を営んでおり、2025年4月1日付で主に不動産特定共同事業を営むSwanStyle株式会社の発行済株式の全部の取得により子会社化し、新規に連結の範囲に含めております。特にイストグループにおいては、リノベーションにより付加価値を高めた中古物件の販売を強味としており、再販事業にも注力しております。アパレル事業は、ベビー・子供服、その他衣料雑貨等の自社企画・設計による独自性のある高付加価値で品質にこだわった製品を中心に、国内においては、ネット通販による消費者への直接販売を中心に展開しており、一部、百貨店におけるインショップ(得意先売場内の自社ブランドコーナーにおいて、自社販売員が消費者に接客販売を行い、店頭在庫の管理も自社販売員が行う形態)の運営を行っております。ショップ業態における店舗運営業務についてはキムラタンの連結子会社である株式会社キムラタンリテールに委託しております。ウェアラブル事業は、ウェアラブルIoT技術を用いた園児見守りソリューションとして、園児の午睡の見守りや体調変化のチェックなどのサービスを主に全国の保育施設に提供することで、安心・安全の確保と保育の質の向上に貢献することを目指すと共に、ウェアラブルIoT技術を活かした熱中症対策商品の販売も手掛けており、新たな売上及び販路の拡大を図っております。なお、当連結会計年度より、セグメントの名称を「その他事業」から「ウェアラブル事業」に変更しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてキムラタングループが判断したものであります。 (1) 経営方針キムラタンは、2025年4月に創業100年を迎えたことを機に、新たな事業展開として、「衣・健・住」を軸とした戦略的ビジネスモデルを推進しています。この3領域への集中投資とシナジー創出により、収益性の向上と社会的価値の両立を目指してまいります。 「衣」ブランド価値の再構築と差別化による収益力強化キムラタンの原点である子ども服事業は、「キムラタンらしさ」を追求した独自のブランド価値の確立により、競争優位性を高めてまいります。現状の経営資源を有効に活かすために差別化された領域への集中戦略に転換し、ターゲット層を絞り込み、エッジの効いたブランドポジショニングにより、顧客ロイヤルティの向上と収益性の改善を図ってまいります。 「健」少子高齢社会に対応したヘルスケア領域への展開キムラタンはこれまで園児見守りサービス「cocolin」を通じて、保育施設内の安全・安心を支援してまいりましたが、少子高齢化を踏まえ、高齢者を対象とした熱中症対策を含む「室内見守り」分野へ事業領域を拡大します。特に高齢者の室内での熱中症が深刻な問題となっている状況を踏まえ、高齢者向け見守りサービスの開発に着手し、熱中症アラート機能等を備えた商品・サービスを提供することで、新たな収益機会を創出してまいります。 「住」資産性・社会性を兼ね備えた不動産事業の拡大生活の基盤である「住」領域では、以下の4つの収益モデルを通じて、安定的かつ成長可能な事業基盤の構築を進めます。① 賃貸不動産の保有による安定収益の確保 収益性の高い賃貸資産の保有により、企業経営に必要なキャッシュ・フローの安定化を図ります。② 空き家の再生・再販売約900万戸とも言われる日本の空き家問題に対し、キムラタンはリノベーション等を通じて、低価格・高付加価値な中古住宅として市場に再供給。資源の有効活用と地方活性化を両立させます。③ 不動産小口化投資商品の提供不動産特定共同事業の許可を活かし、再生物件を小口化・証券化して投資家に提供。利回りに加え、ESG視点からの再生型資産運用という新たな投資価値を創出します。④ 地域密着型のマッチングプラットフォーム運営地方移住やリノベーション希望者と、地元工務店・デザイン事務所をつなぐマッチングサイトを構築。地域経済への波及効果を生み出しながら、キムラタンのプラットフォームビジネスとして収益化を図ります。 以上の「衣・健・住」の各領域において、社会課題の解決と収益性の両立を図ることで、持続可能な成長と企業価値の最大化を実現してまいります。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題キムラタングループは、2026年3月期において営業利益91百万円を計上いたしましたが、経常損益では57百万円、最終損益では98百万円の純損失を計上する結果となりました。この結果を真摯に受け止め、今後の持続的成長に向けては、収益力の一層の強化と安定的かつ健全な財務基盤の構築が喫緊の課題であると認識しております。 ① 不動産事業の戦略的拡大と基盤強化2024年8月、キムラタンはリノベーションによって中古物件の資産価値を再生するノウハウを有するイストグループを子会社化し、「再販事業」をキムラタンの新たな事業の柱として位置づけました。また、同年9月には株式会社メディカグループより「HOUSEリサーチ」事業を譲受。これにより、中古住宅を取得したい一般顧客と住宅会社をつなぐマッチングプラットフォームへと刷新を進め、再販事業との相乗効果を通じた新たな収益源の創出を目指しております。さらに、2025年4月には、不動産特定共同事業の許可を保有するSwanStyle株式会社の株式を取得し、これにより個人投資家からの資金調達を可能とする小口不動産投資スキームの導入を進め、不動産関連収益モデルの多角化と投資家層の拡大を図ります。キムラタングループでは、不動産ビジネスの中核をなす「賃貸事業」「再販事業」「不動産特定共同事業」「マッチング事業」という4領域のバランス最適化を志向しており、物件選定・取得、リノベーション、販売チャネルに至るまでの体制をグループ全体で構築することで、経営資源を最大限に活用し効率的な事業運営を図ってまいります。今後も、物件ポートフォリオの最適化や物件仕入における積極的な情報収集とスピーディーな意思決定を行い、不動産事業の中長期的な利益成長を目指してまいります。 ② アパレル事業:ブランド価値再構築と収益体質の改善アパレル事業においては、売上の拡大よりも「キムラタンらしさ」の再構築によるブランド価値の向上を最優先課題とし、顧客セグメントの再定義と選択と集中による差別化戦略を推進しております。具体的には、特定のニッチ層に向けた商品開発を強化し、ブランドロイヤリティの高い顧客基盤の構築を目指します。また、SNSを中核としたデジタルマーケティング施策を通じてブランド認知の再拡大と新規顧客獲得に注力するとともに、粗利益率の向上、在庫消化率の改善による事業体質の改善に取り組んでおります。これにより、アパレル事業の収益性回復と再成長への道筋を明確に描いてまいります。 ③ ウェアラブル事業:事業領域の拡張と中長期的成長戦略ウェアラブル事業においては、2026年3月期も導入園数および利用園児数が順調に増加し、保育現場での事故防止への関心の高まりを追い風に、今後も安定した成長が見込まれます。一方で、国内出生数の減少という構造的課題に対応すべく、キムラタンはウェアラブルIoTの応用領域を保育領域にとどまらず高齢者福祉・介護分野へと拡張する方向で舵を切っております。2025年3月には、高齢者向けの室内熱中症リスク軽減をテーマに、ミツフジ株式会社との資本・業務提携契約を締結いたしました。これは、高齢者の室内事故防止や健康モニタリングへの技術応用を通じて、新たなソリューション型サービスとしての収益モデルの構築を目的としています。今後は、園児見守り領域と高齢者見守り領域の両輪による事業展開を推進し、中長期的に社会課題の解決に資する成長エンジンの確立を図ってまいります。 キムラタングループでは、これらの取り組みを通じて、持続的な増収・増益の実現を目指すとともに、キャッシュ・フローの最大化と自己資本の充実を図り、経営の安定性を高めてまいります。加えて、今後の成長戦略においては、M&A・アライアンスを含めた柔軟かつ機動的な経営判断を通じて、企業価値の長期的な向上に一層努めてまいる所存です。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在においてキムラタンが判断したものであります。 (1) 経済状況・消費動向に関するリスク日本国内の景気変動や個人消費の低迷、所得環境の悪化などにより、キムラタングループの事業において需要が減少し、売上の減少や利益率の悪化を招く可能性があります。さらに、景気後退時には資金調達環境も厳しくなるため、財務基盤の安定確保が課題となる懸念があります。 (2) 災害等に関するリスク日本は自然災害の多発地域であり、地震、台風、洪水、津波等により本社・店舗・賃貸物件やシステムインフラが被災すると、事業活動の一時停止や営業損失、復旧費用の増大をもたらす可能性があります。また、海外を含むサプライチェーンの断絶による原材料・製品供給の遅延、顧客サービスの停止等、複合的な影響を受ける恐れもあります。 (3) 不動産市況変動リスク不動産市場は、金利水準、景気動向、不動産取引規制、建築資材価格、投資家マインドなどの複合的な要因によって大きく影響を受けます。キムラタングループが展開する再販事業や賃貸事業では、これらの市況変動によって、不動産価格の下落による販売利益率の低下、流動性リスク、含み損による減損損失の計上等のリスクが顕在化する可能性があります。 (4) 空室率・入居率に関するリスクキムラタングループが保有・運用する賃貸物件においては、エリアの人口動態、景況感、競合物件の増加、建物の老朽化等により、空室率の上昇や賃料の下落、リフォーム費用負担の増加等が発生する可能性があります。 (5) 建築・改修コストの上昇リスク再販事業における付加価値創出のためのリノベーションやリフォームは、資材価格や施工単価の上昇によるコスト圧迫を受けやすい構造です。特に建材価格の高騰(特に輸入木材・鉄鋼・コンクリートなど)、職人・施工人員の人手不足による工賃上昇、工期の遅延による機会損失等の外部要因によって価格上昇が加速するリスクがあります。また、改修範囲が想定以上に広がることによるコスト負担増による利益計画への影響が懸念されます。 (6) 物件取得における競争激化リスク不動産仕入の競争は年々激化しており、良質な収益物件や仕入価格が魅力的な中古住宅へのアクセスが難しくなっています。これにより、仕入価格の上昇による利益率の低下、価格上昇による長期保有リスク等のリスクが想定されます。 (7) 法的・規制リスク不動産業界は都市計画法、建築基準法、不動産特定共同事業法など多岐にわたる法令・規制が適用される業界です。これらの規制が改正された場合、法令対応に伴うコスト増 新規プロジェクトの中止・見直し等の影響を受ける可能性があります。 (8) 天候に関するリスク季節商品である子供服は、気温や天候の変動に大きく左右されるため、異常気象によって販売シーズンの短縮や在庫滞留が発生する恐れがあります。これにより、販売機会の喪失や値引き販売の増加、利益率の低下が生じる可能性があります。 (9) 製品の安全性に関するリスク繊維製品の製造過程での針などの異物混入、有害物質の含有、縫製不良等は顧客の安全・健康に直接影響し、回収対応や損害賠償請求、ブランドイメージの失墜を招く恐れがあります。 (10) 市場競争力に関するリスクファッション市場はトレンドの変動が激しく、競合他社やファストファッションブランド、海外ブランドとの競争が激化しています。市場動向の見誤りや商品企画の遅れは、販売不振や顧客離れにつながり、ブランド価値の低下、売上・利益の減少を招くリスクがあります。 (11) 製品の仕入に関するリスク主要生産拠点である中国における労働賃金の上昇や労働力不足は製造コストや納期に影響を及ぼす可能性があります。加えて、中国政府の規制強化や米中貿易摩擦などの地政学的リスク、及び為替変動によるコスト上昇は利益率を低下させる要因となります。これらが供給網の混乱やコスト増加を招いた場合、業績悪化を引き起こす恐れがあります。 (12) 特許・知的財産リスクキムラタングループが展開するウェアラブル事業においては、IoT技術、センサー制御、通信機能、ウェアラブル端末の形状・素材、ソフトウェア等、多岐にわたる技術要素を活用しており、当該分野における特許権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権に関するリスクが存在します。 (13) 個人情報保護・法規制リスクウェアラブル機器が扱う個人情報や健康情報に関して、個人情報保護法や関連法規の遵守が厳しく求められています。規制強化やデータ漏洩事故が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜を招き、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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