東陽テクニカ(8151)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】 東陽テクニカグループは、東陽テクニカ、連結子会社11社及び持分法適用関連会社1社で構成されており、下記に記載の事業区分における、各種計測に関連する製品・ソリューションの国内外への提供、自社オリジナル製品・ソリューションの開発、これに付帯関連するサポート・保守・修理・校正を主たる業務としております。 東陽テクニカグループの事業内容及び東陽テクニカと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、事業内容の区分はセグメント情報における区分と同一です。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (先進モビリティ) 自動車や鉄道などの輸送機器の「性能(操縦性、乗り心地など)」をはじめ、産業機械を含めた「振動騒音」「安全性/耐久性」などにおける研究・開発に使われる計測と解析、実験データの管理に関する機器やソリューションを提供しています。新たなモビリティ社会の構築に向けて、自動運転技術の高度化やEV(電気自動車)の性能向上、さらにはeVTOL(電動垂直離着陸機)と呼ばれる空飛ぶクルマの開発にも貢献しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、Rototest International AB、Rototest Europe AB (脱炭素/エネルギー) 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーや電気自動車の普及など、エネルギーインフラの大きな変化が求められる中、繰り返し充電できる二次電池や水素を使う燃料電池などのエネルギーデバイス、パワー半導体や有機エレクトロニクスといった電子材料の基礎研究から製品開発まで、幅広く高精度な計測・評価システムを提供しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、㈱エル・テール (情報通信/情報セキュリティ) 情報通信分野では、情報通信技術(ICT)における品質の確保および安全な運用を確立するためのネットワークの性能試験や運用の可視化、情報セキュリティの担保などを実現する試験システムや解析・監視システムなど、最新の技術標準に対応した先進的なソリューションを幅広く提供しています。情報セキュリティ分野では、サービスソリューション型・エンジニアリング型のサービスに加えて、最新IT技術(クラウド、OSS、機械学習、ビッグデータ解析)を活用し、新たなサービス・価値をリアルタイムに提供しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、北京普利科技有限公司、Uila, Inc. (EMC/大型アンテナ) 自動車、情報通信機器、家電や医療機器など、電子機器におけるEMC(電磁環境両立性)の分野で長年にわたりEMC適合試験を支援しているほか、5Gやコネクテッドカー向けのOTA(Over The Air)計測システムなども提供しています。また、パラボラ大型アンテナ地上システムの分野でも30年以上の実績があり、設置から保守・校正までトータルにサポートしています。(主な関係会社) 東陽テクニカ、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、AeroGT Labs Corporation、㈱東陽EMCエンジニアリング (海洋/防衛) 洋上、海中、海底や港湾エリアなど海に関わるさまざまな場所で使用される、世界最先端の調査・計測機器を防衛、洋上風力発電、水産業など幅広い分野に提供しています。防衛分野向けについては、攻撃能力を持たない防衛装備品のみを扱い、計測や海洋の枠を超えた製品ラインアップを展開しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ (ソフトウェア開発支援) ソフトウェア開発におけるライフサイクル全般を支援し、品質や生産性の向上に貢献する製品とサービスを提供しています。さらに、世界で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応し、その安全・安心の実現のために、ソフトウェアの開発現場に求められる最新のセキュリティソリューションを提供しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ (その他) 胸部X線・CT画像の読影支援システムや、整形外科領域における2D、3D画像を用いるデジタルプランニングツール(術前計画支援)など、ライフサイエンス分野に最先端ソリューションを展開しています。また、電子顕微鏡や自社開発の油中粒子計測器、今後の普及が期待される量子コンピューターなども提供しています。(主な関係会社) 東陽テクニカ、㈱レキシー 事業系統図は次のとおりです。 ←→は製品・ソリューションの流れ ◎印は連結子会社 ○印は持分法適用関連会社※はセグメント区分 ※1 先進モビリティ ※2 脱炭素/エネルギー ※3 情報通信/情報セキュリティ※4 EMC/大型アンテナ ※5 海洋/防衛 ※6 ソフトウェア開発支援 ※7 その他
有価証券報告書(2025年9月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、東陽テクニカグループが判断したものです。(1) 会社経営の基本方針 東陽テクニカは、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。東陽テクニカは3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、東陽テクニカの事業を通じて責任を果たしてまいります。<企業理念>“はかる”技術で未来を創る はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献するテクノロジーインターフェース 最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する企業価値の向上 計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす(2) 目標とする経営指標 東陽テクニカグループは、2030年に目指す姿として長期ビジョン“BT600-2030”(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円(新規M&Aを含め500億円以上)、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。(3) 中長期的な会社の経営戦略 事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。 事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、東陽テクニカが扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、東陽テクニカグループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。 財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。 株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。 サステナビリティ経営については、東陽テクニカの企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から東陽テクニカが注力すべき5つの優先課題(マテリアリティ)を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題を全社一丸となって推進しています。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、温室効果ガス排出量の削減、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もサステナビリティの取り組みを強化し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。 (4) 対処すべき課題 東陽テクニカグループは“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、EMC、防衛、ソフトウェア開発など多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。 そのような中、東陽テクニカグループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。 東陽テクニカグループでは独自のビジネスモデルによる優位性を活かし、対処すべき課題として認識している以下の事業戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指してまいります。① 製品戦略 既存製品の拡販に加え、新たな自社開発製品や新技術分野への投資、事業の拡大や製品開発力・製造力を強化するためのM&Aなどを積極的に実施してまいります。さらに国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指してまいります。② 市場戦略 各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められています。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、東陽テクニカグループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。 当期においては、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システムであるハブダイナモメーターを製造するスウェーデン子会社Rototest International ABの新たな販売拠点をドイツに設置し、欧州市場での販売体制の強化を図りました。そのほか、車載電池の開発に用いられる電池充放電評価装置の販売代理店権を中国全土に拡大し、燃料電池/水電解評価システムの世界的メーカーへのOEM供給も開始しました。今後もこのような社会課題の解決に貢献するソリューションの提供を国内外で積極的に推進してまいります。③ サステナビリティ・マネジメント戦略 持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、企業経営において最も重視すべき事項の一つです。東陽テクニカは企業理念に基づいて事業活動を推進することがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。この考えのもと、サステナビリティへの取り組みとして、「技術革新と産業発展への貢献」「環境保全の推進」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題(マテリアリティ)に設定しています。これらの課題に対し、社員一丸となって取り組むとともに、コンプライアンスを徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を通じて社会的責任を果たしてまいります。 東陽テクニカのサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄への選定やCDP「気候変動」でのBスコア獲得など、外部評価機関から高い評価を取得しています。今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。④ 人材戦略 東陽テクニカグループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が東陽テクニカグループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資してまいります。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。さらに従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員による主体的な健康づくりを支援し、働きやすい環境づくりを目指す健康経営を推進しております。(注) マイスター/シニアマイスター制度:社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクは以下のとおりであり、これらリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に東陽テクニカグループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年12月18日)現在において東陽テクニカグループが判断したものです。(1) 自然災害・社会的混乱について 東陽テクニカグループは、国内及び海外に事業展開しております。大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、テロ、戦争、新型ウイルス等の感染症が発生した場合、企業活動全般や人的資源に重大な影響、損害を与え、東陽テクニカグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、安否確認システムの導入やデータセンターの分散化などの対策を講じており、さらなる対策強化のため事業継続計画(BCP)の改善を進めています。(2) 為替レートの変動について 東陽テクニカグループは、海外から製品を輸入し国内外へ販売しております。従って、為替レートの変動が損益に影響を与える可能性があります。急激な円安・円高に対しては、販売価格の変更や為替予約等により、為替レート変動の影響軽減に努めております。また、東陽テクニカグループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、東陽テクニカグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) プロジェクトの長期化について 東陽テクニカグループの事業におきましては、案件によっては建設業の許可を要するなど、プロジェクトが大型化する傾向にあります。そのような案件では計測システムの納期や設置が長期化するため、検収遅延発生の要因が増加しております。期中に予定していた検収時期が後ろ倒しとなり、期中に売上計上できなかった場合、東陽テクニカグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。スケジュール管理の徹底や遅延リスクの高い案件の売上計上時期をあらかじめ保守的に予定することで、軽減してまいります。(4) 総代理店契約解消について 東陽テクニカグループと総代理店契約を締結している海外メーカーが、日本法人の設立や他社からの買収によって、東陽テクニカグループとの総代理店契約を解消する場合、東陽テクニカグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。海外メーカーへの投資によるパートナーシップの強化や、その競合メーカーを含むより多くの海外メーカーと関係構築することでリスクの軽減に努めております。(5) グループガバナンスについて 東陽テクニカグループではM&Aによる事業拡大を推進していることから、国内外で子会社が増加しています。そのため、各子会社における法規制の遵守や業務プロセス管理の徹底が不十分だった場合、法令違反や不正・不祥事によって東陽テクニカグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。東陽テクニカでは買収後の経営統合プロセスを適切に進め、リスクの軽減やシナジーの最大化に努めております。(6) 研究開発について 東陽テクニカグループでは付加価値の高い自社オリジナルソリューションを提供するため、研究開発活動を強化しております。しかしながら、開発期間の長期化等により開発を断念せざるを得ない場合や市場に投入した製品の販売低迷が続いた場合、研究開発コストを回収できず、東陽テクニカグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 人材の確保について 東陽テクニカグループでは、人材を企業にとって最も重要な財産=“人財”と捉え、持続的成長に向けてさまざまなバックグラウンド、経験、スキルを持つ人材を採用しています。今後、国内の少子高齢化に伴う労働力人口の減少等によって、東陽テクニカグループが必要とする能力を持つ人材や必要な人員数を確保できなかった場合、東陽テクニカグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。東陽テクニカグループでは業績連動に基づく社員への積極的な利益還元、人事制度の拡充や働き方改革を推し進めることで“人財”の確保や定着を図り、リスクの軽減に努めております。(8) 人権リスクについて 東陽テクニカグループはグローバルに事業を展開する企業として、自社のみならずサプライチェーンにおいても人権尊重への取り組みが求められていることを認識しています。自社グループやサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働、ハラスメントや差別、不適切な労働条件といった人権侵害があった場合、損害賠償や取引停止、ブランド価値の棄損などが発生するリスクがあり、東陽テクニカグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。東陽テクニカグループでは人権方針を策定して人権尊重の取り組みを強化するとともに、調達方針を策定して取引先にも対応・遵守を求めることでリスクの軽減に努めています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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