ソマールグループ(ソマール及びソマールの関係会社)は、ソマール、子会社9社及びその他の関係会社によって構成されております。
なお、株式会社EB associatesは、当連結会計年度において、株式を売却したことにより、連結の範囲から除外しております。
ソマールグループの事業内容は以下のとおりであります。
なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。また、各事業における主要な会社の名称は、次の「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
(1) ソマール及び子会社
① 高機能材料事業
(コーティング製品) |
電子部品用フィルム、粘接着フィルム、精密部品用フィルム 産業資材用フィルム、設計・複写用フィルム、サイン用フィルム、受託生産 |
(高機能樹脂製品) |
電気絶縁用樹脂、電子部品用接着・封止樹脂、レジスト材料、洗浄剤 |
(電子材料) |
回路基板材料、回路形成材料、アラミッド材料、機能性フィルム |
(機能性樹脂) |
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、樹脂用添加剤 |
② 環境材料事業
(ファインケミカルズ) |
工業用殺菌剤、製紙用ケミカルズ |
(製紙用化学品) |
紙塗工用バインダー、製紙関連ケミカルズ |
③ 食品材料事業
(食品素材等) |
増粘安定剤、乾燥野菜、食品添加物 |
④ その他の事業 新規開発事業関連製商品
(2) その他の関係会社
㈱ナガツタコーポレーションはゴルフ練習場経営を行っており、㈱シンクは総合リース業、ゴルフ場用品の販売及び保険代理業、㈲対和は投資顧問業、㈱宗屋は主にゴルフ場経営及び不動産賃貸管理業、多摩興産㈱はゴルフ場経営、㈲龍和は有価証券の売買等を行っております。その他の関係会社各社の事業活動と、ソマール及び子会社の事業活動の間に関連性はありません。
(事業系統図)
事業の系統図は次のとおりであります。
(注)図中の → は主要な商品、製品の流れを示しております。
ソマールグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてソマールグループが判断したものであります。
(1)経営方針
ソマールグループは、「高い企業倫理観のもとで、真に社会に貢献できる企業となることを目指す」とするソマールグループの経営理念に沿って、長年培ってきた独自のコア技術を更に強化するとともに、これら技術を総合的に活用して独自の事業領域を構築し、顧客に存在価値を認められる開発型企業としての位置づけを更に高めてまいります。
また、グローバルに通用する企業品質を心がけ、将来に向けた成長分野と市場で重点的な事業展開を行うとともに、未来を切り拓く次世代技術にも積極的にチャレンジしてまいります。
(2)経営戦略等
ソマールグループが長年関わってきた電子回路基板や自動車電装部品、更にはデジタル光学機器部品などを中心とするエレクトロニクス関連分野は、ソマールグループ独自のコア技術が特に活用でき、今後も成長が見込まれる重要分野と位置づけており、市場の拡大が期待できる海外新興市場や堅調な成長が続く北米や欧州市場などでの事業活動を積極的に推進してまいります。その中で、ソマールグループは、「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持ちながら、それぞれの機能を相乗的に高め、複雑・多様な課題解決に向けて、適時・適切な提案を行ってまいります。加えて、事業領域を拡げる新たな市場の開拓や技術開発にも果敢にチャレンジして、共同開発やOEM製品の提供、更には受託製造といった「テクノロジーパートナー」としての存在価値を高め、企業の社会的責任を果たしてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ソマールグループは、継続的な企業価値の増大を最も重要な経営課題として認識し、売上高営業利益率や総資産経常利益率といった事業や資本の効率性の指標を重視しながら、営業利益等の各利益金額の増加及びキャッシュ・フローの創出等を重要な経営指標として掲げております。
高付加価値製品の拡販や新製品の開発などを進展させつつ、グローバル展開を更に強化し、海外地域における事業活動を活発化させることで、今後とも経営指標の向上に向けて諸施策を実施し、業績の拡大及び企業価値の増大を図ってまいります。
(重視する経営指標等)
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達成目標 |
実績 |
|
第77期 (当連結会計年度) |
第76期 (前連結会計年度) |
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売上高営業利益率 |
4.0% |
6.7% |
3.2% |
総資産経常利益率(ROA) |
5.0% |
7.5% |
3.9% |
自己資本比率 |
60.0% |
64.2% |
62.4% |
海外地域売上比率 |
20.0% |
25.5% |
22.3% |
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進展し、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、ウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、中東問題、中国の不動産不況などの影響から、ソマールグループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。
ソマールグループは、人々の暮らしに直結した幅広い業界に関わっておりますが、なかでも、スマートフォンやデジタルカメラといった情報端末機器で代表されるエレクトロニクス関係業界や、IT化・自動化が一段と進展する自動車関係業界、更には、製紙や食品といった業界などに深く関わってまいりました。そうした業界では、経済のグローバル化やわが国の少子高齢化を背景として国内需要の縮小が進行し、そのため、事業の軸足を海外市場へと移行させております。これに加えて、とりわけエレクトロニクスや自動車の業界では、人々の価値観の多様化の進展に伴い関連する製商品やサービスに対する要求が複雑・高度化し、かつ、その変化のスピードが一段と速まっており、その結果として、競合各社間の競争が益々激しさを増す厳しい経営環境となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ソマールグループは、業績の持続的な向上と社会への更なる貢献を目指して、社会が求める課題の解決や新たな価値の創造に取り組み、長年培ってきた経営資源をベースにして、事業の重点化と他社との差別化を重視した事業運営を積極的に推進してまいりました。
今後は引き続き、ソマールグループの経営方針に沿って、ソマールグループ独自の技術や情報を総合的に活用し、国内市場はもとより、グローバルな成長市場で積極的な事業展開を推進してまいります。とりわけ次に記載する事項は、ソマールグループが次のステージへと飛躍するために取り組むべき重要な課題と認識し、スピーディーな経営判断と各施策の着実な実施を通して成果を積み重ねながら、企業価値の向上に努めてまいります。
① ソマールグループの経営資源を生かした新規事業領域の育成
ソマールグループの収益を高め、持続的な成長を果たしていくためには、ソマールグループの強みを生かした既存事業の強化は勿論のこと、特長ある新たな事業領域の開拓が不可欠です。
ソマールグループの中核事業である高機能材料事業では、例えば、長年深く関わってきた電子部品や自動車電装部品などの業界に加え、これまで培ってきた独自の技術や情報を活用して、新たに高速5G通信や半導体等の領域にもビジネスをスタートさせました。更に、安定した需要が見込まれる機能性食品、微生物固定化担体を用いた水処理、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアルの早期上市を目指しております。
こうした新たな事業領域を切り開くための開発の芽を今後も積極的に育てながら、かかる芽を事業の1つの柱となるまで大きく成長させていくことが急務であります。
そのためには、次代を担うグローバルな人材を積極的に登用・育成し、社会が直面する様々な課題の解決能力を強化しながら、一方では、社内の経営資源のみに頼ることなく、他企業との連携や産学連携、更にはM&Aといった様々な選択肢も視野に入れながら、引き続き積極的なチャレンジを続けてまいります。
② 経済のグローバル化に対応した独自の情報・生産・物流網の強化
経済のグローバル化とともに、ソマールグループの主要な取引先も生産拠点を海外の成長市場へと積極的に移転を進め、これに呼応してソマールグループも、取引先からの様々な要望に適切に応えていくため、グローバルなサプライチェーンの構築に鋭意努めてまいりました。
その結果として、ソマールグループの当連結会計年度の海外地域売上高は、連結売上高の25.5%を占めるまでに成長し、海外市場の重要性が一段と高まっております。ソマールグループが得意とする自動車電装部品の業界や様々な電子部品の業界は、まさしく世界規模でのビジネス活動を展開しており、かかる業界の需要をよりグローバル視点で的確に捉え対応していくため、ソマールグループは2018年12月にはオランダに、2019年2月にはベトナムに新たな拠点を構築し、また、2020年7月にはシンガポールに海外事業の資本再編を目的とした中間持株会社を設立し、ソマールグループの発展に生かすべく活動を始めました。
今後は、ソマールグループが持つこうしたグローバル拠点を通じて、海外市場の様々な情報をスピーディーかつ的確に把握し、各市場の潜在的なニーズも掘り起こしながら、顧客の課題解決に応えるサプライチェーンを構築して、引き続きその機能強化に努めてまいります。
③ ソマールグループの競争力を高め社会への貢献に資するガバナンス体制の強化
政府の成長戦略の一環として策定されたコーポレートガバナンス・コードが、2015年6月から上場企業に適用され、企業のガバナンスの重要性が益々社会に認識されるようになっております。しかしながら、企業の不祥事は様々な形で継続し後を絶つことがありません。企業の存立は様々なステークホルダーとの信頼の上に成り立っており、かかる認識に立脚した企業経営が益々求められております。
わが国企業の最近の不祥事発生事例では、とりわけ大企業におけるリスクマネジメントが注目を浴びており、発生の場は国内に留まらず、経営の目が届きにくい海外の子会社にも広く及んでおります。
こうした状況に鑑み、グローバルに事業を拡大しているソマールグループとしましては、引き続きグローバル視点でガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
ソマールグループが長年培ってきた良き経営理念を大切にし、役員自ら率先垂範してその経営理念を生かした行動を実践し、ソマールグループのあるべき姿と価値観を全社員が共有して事業活動ができるよう、経営者自ら様々なコミュニケーションに努めております。
ソマールグループは、引き続き社外取締役や社外監査役といった独立性の高い社外役員などによる経営監視のもとで、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を生かした経営に努め、ソマールグループの持続的発展と企業価値の向上に資するガバナンス体制となるよう、今後も継続した改善に取り組んでまいります。
ソマールグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。それ故ソマールグループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に鋭意努めてまいります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合にソマールグループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難ではありますが、リスクの顕在化の低減に向けて個別の施策を実施・検討しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてソマールグループが判断したものであります。
(1)全般的事項
ソマールグループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品・食品素材等の仕入販売に係る業務を行っております。
製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等によりソマールグループの原材料の購入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合わせてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、ソマールグループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、ソマールグループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化した場合、仕入先と販売先が直取引を行った場合等には、販売数量の減少及び販売価格の下落により、ソマールグループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、自然災害や火災等の災害、知的財産権をめぐる紛争・訴訟、情報漏洩による損害、製造物責任賠償、技術革新による研究開発変化、環境・リサイクル・食品の安全性等に関わるソマールグループの取扱製品・商品への規制を含めた法制度の変化等により、ソマールグループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2)債権の回収可能性について
営業活動を通じた情報収集等による与信管理を行い、必要十分な債権管理は実施しておりますが、ソマールグループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上又は貸倒損失の発生により、ソマールグループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)特定の取引先への依存について
ソマールグループは、仕入販売に係る製紙用化学品(とりわけ紙塗工用バインダー)や回路基板材料用の電子材料及び機能性樹脂の一定割合を、特定の取引先から購入しております。
ソマールグループとこれらの特定の取引先とは、これまで長年に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針がソマールグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
これに対し、「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持つソマールグループは、その特性を活かして、顧客ニーズの把握に努めるとともに、ビジネスの差別化を図ること等で、新規顧客の開拓や、取り扱い製商品の多様化を推進し、収益基盤の安定化を目指しております。
(4)保有する有価証券の価格変動について
ソマールは、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しており、株式市場の動向や投資先企業の状況等によっては、ソマールの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)減損損失のリスクについて
ソマールグループの固定資産の時価が著しく低下した場合や収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により減損損失が発生し、ソマールグループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)繰延税金資産の回収可能性について
ソマールグループは、繰延税金資産に対して、将来の課税所得の予測等に照らし、定期的に回収可能性の検証を行っております。しかし、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により課税所得の見積もりの変更が必要となった場合や、税率の変動を伴う税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が減額され、ソマールグループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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