マルイチ産商グループは、マルイチ産商、連結子会社19社及び持分法適用関連会社5社で構成され、水産物、畜産物等の生鮮食料品及び同加工品ならびに一般加工食品の卸売を主な内容とし、一部水産物、畜産物等の加工品製造、養殖事業、物流事業等の活動を展開しております。
マルイチ産商グループの事業内容及びマルイチ産商と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の4部門は「第5経理の状況 1.連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
◆水産事業(水産物及び同加工品関連)
販 売・・・・主としてマルイチ産商が小売店等へ販売するほか、飲食店等の取引先については子会社㈱ダイニチが、一部業務用卸等の取引先については子会社㈱ナガレイ及び関連会社㈱ヨネクボが販売しております。また、養殖魚生産者に対する水産飼料の販売及び市場荷受等に対する養殖魚の販売を子会社㈱三共物商、㈱ダイニチ及び㈱小島水産が行っております。
仕 入・・・・主としてマルイチ産商が企業集団外部から仕入れるほか、子会社㈱三共物商は九州地方(主に大分、鹿児島、宮崎)、子会社㈱ダイニチ及び㈱小島水産は四国地方(主に愛媛、高知)の養殖魚生産者からの仕入機能を果たしており、子会社㈱獅子丸水産、㈲木原水産、㈱内海水産、㈱マルセイ水産及び関連会社㈱とじまかしまFarmは養殖魚を生産し、それぞれマルイチ産商および子会社㈱ダイニチに商品を供給しております。子会社㈱丸一北海屋及び㈱山政北海屋は、それぞれ東京(豊洲)、名古屋の水産卸売市場からの仕入機能を果たしており、主としてマルイチ産商に商品を供給しております。
製造加工・・・・子会社㈲伊勢金商店、関連会社㈱宇和島海道及び㈱食縁フードテックは養殖魚を中心とした水産加工品の製造・加工を行っており、主として子会社㈱ダイニチが原料を供給し、食品卸等へ販売するとともに、子会社㈱ダイニチへ製品を供給しております。
◆一般食品事業(一般加工食品関連)
仕入・販売・・・主としてマルイチ産商が企業集団外部から仕入れ、小売店等へ販売しております。
製造加工・・・・子会社信田缶詰㈱が水産缶詰を中心とした水産加工品の製造・加工を行っており、主としてマルイチ産商水産事業が原料を供給し食品卸等へ販売するとともにマルイチ産商一般食品事業に製品を供給しております。
◆畜産事業(畜産物及び同加工品関連)
仕入・販売・・・主としてマルイチ産商が企業集団外部から仕入れ、小売店等へ販売しております。
製造加工・・・・子会社大信畜産工業㈱及び関連会社㈱北信食肉センターが食肉製品・食肉惣菜等の畜産品製造・加工を行っており、主としてマルイチ産商が原料を供給し、製品を購入しております。惣菜等については、子会社ファーストデリカ㈱が製造・加工を行っており、主としてマルイチ産商が原料を供給し、製品を購入しております。
◆丸水長野県水グループ
当グループは、水産物、畜産物等の生鮮食料品及び同加工品ならびに冷凍食料品を主に取り扱っており、主として子会社㈱丸水長野県水が企業集団外部から仕入れ、小売店等へ販売しております。なお、子会社㈱エム・フーズは、食肉味付け等の加工を行い、主として子会社㈱丸水長野県水が原料を供給しております。
◆その他
子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、物流業務及び冷蔵倉庫事業を行っております。
以上についての事業の関連概要図は次のとおりであります。
(注) 無印 連結子会社
○印 持分法適用関連会社
マルイチ産商グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてマルイチ産商グループが判断したものであります。
(1) 経営方針等
a.経営理念
一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。
一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの場としよう。
b.経営方針
マルイチ産商は1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市に㈱長野中央魚市場を設立し、水産物の卸売事業を開始しました。以来、「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう」の経営理念に基づき、豊かな食生活を支えるべく、美味しさと安全・安心をお届けすることを社会的使命に事業を推進しております。
創業時に制定した屋号の「」の丸は日本を表し、そこに一の字が大書されているのは「日本一」になりたいという願望が込められています。「長野県のマルイチ」から「日本の中のマルイチ」への脱皮は、創業時から語り継いできたマルイチ産商の普遍的な経営方針でもあります。
c.事業展開方針
マルイチ産商グループは、長野県を中心とする甲信越及び北関東を含む首都圏、中京圏を主な販売エリアとして、水産物をはじめ畜産物、デイリー食品、冷凍食品、一般食品、菓子、業務用商品などの食品をフルラインで取り扱う総合食品卸売事業を展開しています。お客様にとって価値ある食品とサービスの提供を通じ、地域社会において、ゆたかな食と生活文化を創造することを目指し、事業活動を進めております。主力販売エリアである甲信越地域では地域密着の強みを活かした提案営業活動によりマーケットの深耕化を進め、首都圏・中京圏エリアでは生鮮流通網の拡大による事業エリアの拡大を進めております。
(2) 経営環境及び中期経営計画
a.経営環境
(環境分析)
わが国経済の動向は、インバウンド需要の回復や個人消費の拡大により回復基調が見込まれる一方で、地政学的リスクの高まりや世界的な金融引締めの継続、原材料・エネルギー価格の上昇等による物価上昇の影響など、依然として先行き不透明な状況が予想されます。食品流通業界では、物流費や人件費の上昇や物価上昇による個人消費の停滞など、厳しい経営環境が継続するものと思われます。
マルイチ産商グループのコアビジネスであります水産事業を取り巻く環境では、生産及び調達面において世界的に水産物生産(天然及び養殖)が頭打ちとなる一方で、世界的な人口増加等による水産タンパク質への需要が増大する中で日本市場の相対的地位の低下もあり、水産物の安定的な調達は大きな課題となっております。販売面では、成熟消費社会・高齢化社会が急速に進み、生活者のライフスタイルや年齢・家族構成の変化による食へのニーズの多様化など、変化への対応力が重要となることが予想されます。
また、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ(持続可能性)経営の推進や、SDGsへの取組みの必要性が世界的な共通課題として認識されており、企業としてリスクの減少のみならず収益機会にも繋がる重要な経営課題として積極的・能動的に取り組むようことが求められております。
(環境認識の全体観)
(環境変化への対応)
マルイチ産商グループは、生鮮品を基軸としたフルライン食品卸売事業を進化させることで持続的成長を目指しております。具体的な戦略及び施策につきましては、b.中期経営計画に記載しております。
さらに、サステナビリティ経営を全社グループにて戦略的に推進すべく、環境問題等に対して中長期的な視点で基本方針と目標を定め、具現化に向けた施策を検討し、実行しております。具体的には、節電対策や太陽光パネル設置など事業価値向上に向けた普遍的な取組みと、食育活動の推進やブルーカーボン事業への参画などの社会・環境価値向上に向けたマルイチ産商グループ独自の取組みを両輪で推進いたします。
b.中期経営計画
①中長期的経営ビジョン「ビジョン2030」
マルイチ産商グループは未来に向けた経営ビジョンの策定に際し、経営理念をベースに、「経済/社会価値の同時実現」「共感者(パートナー)の輪を拡大」「マルイチの独自性を発揮」「エンゲージメント経営の推進」をキーワードに定めました。
そして2030年度をゴールとする中長期的な経営ビジョンに「地域のスペシャルパートナー」を掲げ、マルイチ産商グループの独自機能の提供とステークホルダーとの協業を通じて、日本全国の地域における食品流通の問題・課題を共に解決し、共に成長することを目指してまいります。具体的には、「信州」「顧客」「産地」の3つの事業領域をつなぐプラットフォーマーとして、マルイチ産商グループのコアコンピタンスを磨きながらステークホルダーとの「共生」を図ってまいります。
(「ビジョン2030」の全体像)
(3つの事業領域)
c.中期経営計画2025
■「中期経営計画2025」の位置づけ
ビジョンの達成に向け、2025年3月期を目標年度とする「中期経営計画2025」を策定しました。現在のマルイチ産商グループの位置付けを「ユニークな存在」と定義し、2030年度に「スペシャルな存在」へなる為のステップとして、「3つの事業領域において必要とされる存在になる」ことを中期経営計画期間における到達すべきステージと位置付け、企業価値の向上を目指します。
(「中期経営計画2025」の位置付け)
■事業戦略
達成に向けた具体的な5つの経営戦略としまして「多面的・多角的な事業インフラの拡充」「信州事業の再強化・グループ最適化」「非効率事業・資産の見直し」「業務構造改革の推進」「サステナブル経営の取組み」を掲げ、各施策を実行してまいります。
また、経営戦略の推進を下支えする組織運営方針としまして、「エンゲージメント経営の実践」「連結経営の推進」「ガバナンス体制の強化」に取り組んでまいります。
(「中期経営計画2025」の全体像)
(「中期経営計画2025」の定量目標及びKPI)
戦略施策の実行により、2026年度時点の実力値として連結営業利益30億円+αを目指します。
(2025年3月期の経営方針)
マルイチ産商グループは2030年度をゴールとする経営ビジョンの達成に向けた2025年度を目標年度とする「中期経営計画2025」の2年目として、「信州」「顧客」「産地」の3領域別方針と、「エンゲージメント経営」「業務構造改革」「サステナブル経営」の重点施策に取り組んでまいります。
領域別方針の「信州」につきましては、子会社㈱丸水長野県水との経営統合を進め、グループ再編を機に、成長分野であります外食や宿泊事業、給食事業等の業務筋及び小売店の惣菜部門に対し、マルイチ産商グループの総合力が発揮できる営業体制を構築し、販売シェアの拡大を図ります。また、物流機能の強化に向け、2024年4月の物流子会社の統合による効果を発揮しつつ、顧客ニーズへの対応に向け必要な投資を実行してまいります。
■領域別方針
(信州)
・子会社㈱丸水長野県水との経営統合を推進します。
・グループ再編を機に成長分野であります外食や宿泊事業、給食事業等の業務筋および小売店の惣菜部門に対
し、マルイチ産商グループの総合力が発揮できる営業体制を構築し、販売シェアの拡大を図ります。
・物流機能の強化に向け、2024年4月の物流子会社の統合による効果を発揮しつつ、顧客ニーズへの対応に向
けて必要な投資を実行します。
(顧客)
・マルイチ産商グループの強みであります品揃え機能、商品開発機能、物流機能を活かせるエリアにおいて、アライア
ンスによる販売面や物流面での協業体制を構築しながら、戦略的に販売マーケットの拡大を目指します。
(産地)
・水産分野における国内天然魚と養殖魚の2本柱でマルイチ産商グループ独自のビジネスモデル構築を加速してまいり
ます。
・天然魚については、主要産地でのフルアソート調達の取組み強化や、国内有数の水揚げ港であります銚子に
おける戦略として、子会社信田缶詰㈱の水産物の加工機能を拡充し、銚子前浜で水揚げされる水産物の付加
価値化と流通拡大を推進します。
■重点施策
(エンゲージメント経営)
・社員一人ひとりの力を最大限発揮するための環境整備と風土改革を進めます。
(業務構造改革)
・新基幹システムの導入と安定稼働に全社を挙げて取り組みます。
・RPA(Robotic Process Automation)や生成AIを活用しながら仕事のやり方を抜本的に見直すことで業務の効
率化と生産性向上を目指します。
(サステナブル経営)
・節電対策や太陽光パネル設置など事業価値向上に向けた普遍的な取組みを進めます。
・食育活動の推進やブルーカーボン事業への参画などの社会・環境価値向上に向けたマルイチ産商グループ独自の取組
みを推進します。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
マルイチ産商グループでは、本書提出日現在において、以下のような全社として優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を認識しております。
1.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の強化
生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の構築を推進してまいります。
2.安定的な事業の継続
安定した事業の継続を可能とするため、BCPの策定と実行を推進してまいります。
3.与信管理の徹底
得意先をはじめとする取引先とは十分なコミュニケーション取りつつ、与信管理を徹底してまいります。
4.在庫管理の徹底
商品相場の急激な変動や需給状況の変化等、過剰在庫及び調達不足の原因となり得るリスクを想定した販売計画策定と商品調達を行うことによる在庫コントロールを徹底してまいります。
セグメントごとの具体的な課題及び施策は以下のとおりです。
(水産事業)
水産事業を取り巻く環境は、長引く国内天然魚の水揚量減少と小型化傾向や、世界的な魚食需要の増加と円安の継続により水産物全般の相場高が継続しており、安定的な商品供給の維持と拡大が求められております。
水産事業セグメントにおきましては、水産部門では産地を中心とした戦略投資の実行により、国内水産物の付加価値化と全国へのさらなる流通拡大を進めてまいります。デイリー部門ではエリア卸とのアライアンス推進と調達・配荷物流機能の強化を進めます。
(一般食品事業)
一般食品事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰に伴う商品の値上げが続き、消費者の生活防衛意識が強まることで買上点数が減少する中、店頭での低価格競争が激化しており、さらなる収益力の向上が課題となっております。
一般食品事業セグメントにおきましては、信州域内での卸売機能強化と、商品開発機能の強化と全国卸とのアライアンスによる自社開発商品の販路拡大を推進します。
(畜産事業)
畜産事業を取り巻く環境は、国産畜肉は飼料価格や燃料価格の高騰に伴う生産コスト上昇による高値傾向が継続し、輸入畜肉は円安の影響により仕入価格が高止まりしております。
畜産事業セグメントにおきましては、食肉加工分野への重点投資による製造・流通加工機能の強化と物流改革による機能強化を目指します。
(丸水長野県水グループ)
丸水長野県水グループを取り巻く環境は、長野県内における流通経路の多様化が進行し、県内市場へ参入する企業のボーダーレス化や、業態の垣根を超えた県外資本の参入など、競争環境が激化しております。
丸水長野県水グループセグメントにおきましては、各事業分野においてマルイチ産商グループ内で連携を図りながら信州域内での販売拡大を進めてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
マルイチ産商グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である営業利益を経営指標としております。
(2025年3月期の定量目標)
(単位:百万円)
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2024年3月期実績 |
2025年3月期目標 |
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売上高 |
254,805 |
255,000 |
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営業利益 |
1,827 (営業利益率0.7%) |
2,100 (営業利益率0.8%) |
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経常利益 |
2,370 (経常利益率0.9%) |
2,600 (経常利益率1.0%) |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,551 (親会社株主に帰属する 当期純利益率0.6%) |
1,600 (親会社株主に帰属する 当期純利益率0.6%) |
マルイチ産商グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを適時に把握し、対応する社内規程等を整備・運用するほか、予め取り決めた個々の責任部署において適切な管理を行っております。そのうえで、リスクの影響度や発生可能性を踏まえて重要と判断されるリスクについては、経営会議において状況確認と対策措置を検討し、取締役会へ報告しております。以下では、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてマルイチ産商グループが判断したものであります。
(1) 自然災害・感染症について
マルイチ産商グループでは、広域にわたり営業・物流拠点を設置し事業展開しているため、大規模な自然災害が発生した地域においては、物流やサービスの提供等に支障が生じる可能性が想定されます。マルイチ産商グループといたしましては、社員の人命安全確保と優先業務の継続、基幹コンピュータシステムのバックアップ体制の構築等、危機管理体制に万全を期しております。しかしながら、想定を超える自然災害により甚大な被害が発生し、復旧までに相当な時間を要するなど事業継続に多大な支障が生じる場合には、マルイチ産商グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、活動制限は緩和されましたが、インフルエンザを含めた感染症の拡大が社会経済活動に影響を及ぼす可能性がある中、マルイチ産商グループでは食のライフラインを守ることを社会的使命に、地域のインフラとしての機能を高めながら事業活動を継続しております。しかしながら、マルイチ産商グループ内で感染症が発生した場合で、特に生産現場や物流センターの構内物流業務に従事している従業員が感染し、生産及び入荷、出荷等の物流業務が長期的に停止する、または業務再開までに長期間を要する場合には、マルイチ産商グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症等の感染拡大の防止に向けましては、マルイチ産商グループでは対策本部を設置し、5類感染症移行後も継続して対応にあたっております。具体的には、感染拡大防止と事業継続の両立を図るためのガイドラインを制定して全従業員へ発信し、感染予防及び職場での二次感染防止のための対策を徹底しております。
(2) 食の安全性について
生活者の食の安全性に対する意識は一段と高まっており、例えば水産物におけるアニサキス問題や、畜産物におけるBSEやCSF(豚熱)等、風評も含めた食の安全を揺るがす問題が発生した場合には、生活者の買い控え等の行動により需要が減退することが想定されます。また、マルイチ産商グループにおいて偶発的な事由によるものを含めた異物混入や誤表示などの商品事故が発生した場合には、商品回収・廃棄等の想定外の費用発生や信用力低下等が想定されます。これらの食の安全性に関する事案が発生することにより、マルイチ産商グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
マルイチ産商グループでは、食の安全性の確保のために安全・安心な商品及びサービスを提供することが最重要課題であると認識し、品質管理体制の強化等に取り組んでおります。具体例としましては、食品衛生管理規程を定め、品質管理部が定期的に食品及び施設の衛生検査を実施しております。また、食品品質安全連絡会やグループ品質管理担当者会議を開催し、品質管理に関する指示事項の徹底や、事例の共有、研修等を実施しております。
(3) 食品の安定供給について
世界的な天然水産資源の減少及び欧米・中国等の魚食拡大に起因する水産物の需給問題、穀物も含めた食品全般にわたる原材料の供給量の減少、国内の畜産生産者の高齢化や輸入畜産物の増加に伴う生産農家数の減少、また為替相場の影響等により食品の供給が不安定となる可能性など、安定的な商品の仕入・調達が困難となった場合にはマルイチ産商グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
マルイチ産商グループでは、食品の安定供給に向け、水産物については全国の産地との強固な取引関係の構築や、養殖魚事業への参入、三菱商事グループとの連携によるチリ銀鮭やマグロ等の安定供給など、商品調達力を確保しております。畜産物については、長野県内の牛肉・豚肉生産者の支援体制や、国内各地の生産者からの調達ルートの構築、商社との連携による輸入商品の調達強化により、安定供給体制を確保しております。
(4) 債権の貸倒れについて
食品流通業界においては、生活者の低価格・節約志向を背景とする店頭での低価格競争や、大手小売業の出店攻勢と異業種の食品市場への参入により企業間競争が激化するなど、厳しい経営環境が続くものと予想されます。加えて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、政府や自治体からの自粛要請等により、多くの企業が厳しい経営環境下にあります。マルイチ産商グループにおきましては、与信管理の徹底を一層強化しておりますが、不測の事態が生じた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 相場及び市況動向について
見越取引(市場相場や需給状況により価格が変動する商品や、調達時期と販売時期が異なる商品において、将来の相場や需要の予測に基づいて販売前にあらかじめ一定数量の商品を確保するための成約を行う取引のこと)において、相場や需要の予測を見誤った場合や、急激な相場変動等の不可抗力が発生した場合に、マルイチ産商グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
マルイチ産商グループは、販売計画や販売先からの受注状況を踏まえた商品調達を行い、過大な在庫を抱えることなく、且つ販売チャンスロスを発生させないことを基本的な方針としています。また、政策・対策商品などの季節商品や一括仕入商品は臨時見越取引商品と位置付け、相場動向を注視しながら在庫ポジションをコントロールすることで在庫リスクを一元的に管理しており、特に取扱金額が大きい商品群については経営会議や取締役会にて進捗状況を検証しております。
(6) 食品流通業界の再編について
食品流通業界における厳しい競争環境を背景とした企業再編やグループ化、さらには小売業による取引卸の集約化や帳合変更の動きが依然継続しており、これによりマルイチ産商グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
マルイチ産商グループとしましては、生鮮食品を基軸とするフルライン食品卸売業というユニークな機能を活かし、三菱商事グループや全国卸と商品調達面や販売面で連携しながら事業拡大を図っております。また、長野県を地盤とした地方卸として、地域に根差した商品調達力や提案力の優位性を生かしたきめ細やかなサービスの提供等により、基盤商圏での持続的成長を図っております。
(7) 法的規制について
マルイチ産商グループの事業活動は、卸売市場法や食品衛生法、JAS法など各種の法令・規制等の適用、行政の許認可等を受けております。マルイチ産商グループでは従業員を対象に法令・規則に関する研修会やe-ラーニング等による学習機会を設けて知識の習得や啓蒙活動を推進し、法令遵守の徹底に努めております。しかしながら、万一、法令に違反する事由が生じた場合や許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、マルイチ産商グループの社会的信用の低下や、事業活動が制限される可能性があり、マルイチ産商グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 経営成績の季節的変動について
マルイチ産商グループの売上構成比の過半数を占める水産品は、お歳暮やお正月用食品購入の時期である12月の年末商戦に売上高及び利益が高くなる傾向があります。万一、12月の業績が悪化した場合にはマルイチ産商グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、連結業績に占める第3四半期(10~12月)の売上高及び営業利益の割合は以下のとおりであります。
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2022年3月期 (10~12月) |
2023年3月期 (10~12月) |
2024年3月期 (10~12月) |
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売上高 |
28.1% |
28.1% |
27.7% |
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営業利益 |
59.0% |
70.1% |
49.1% |
(9) 減損に係るリスク
マルイチ産商グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産等を保有しておりますが、これらの資産につき時価の下落や期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、発生した場合にはマルイチ産商グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報システムに関するリスク
マルイチ産商グループでは、コンピューターウイルス感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、ウイルス対策ソフトの導入等、適切な対策を講じております。しかしながら、予測不能なウイルスの進入や情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により、情報システムの一定期間の停止や内部情報の漏洩等の事態が発生した場合や、基幹システムの更新において新システム稼働の大幅な遅延や中断等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境に関するリスク
マルイチ産商グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、廃棄物削減や省エネルギー、二酸化炭素排出の削減に取り組むなど、環境に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、関連法令等の変更や社会的な要求の高度化等、それらへの対応に費用負担が増加した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 三菱商事グループとの関係
2024年3月末現在、マルイチ産商は三菱商事㈱の持分法適用会社であり、同社はマルイチ産商株式の20.85%を保有しておりますが、マルイチ産商グループの方針・政策決定及び事業展開については、独自の意思決定によって進めております。マルイチ産商グループと同社グループとの資本関係、取引関係については関連当事者情報に記載のとおりであり、人的関係については下記のとおりであります。
なお、同社から招聘している役員、受け入れている出向者の概要は以下のとおりであります。
a.役員の兼務状況(2024年3月31日現在)
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役職 |
氏名 |
三菱商事㈱における役職 |
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社外取締役 |
鎌田 航 |
食品産業グループ CEO オフィス |
(13) M&Aに係るリスク
マルイチ産商グループは事業の成長に必要な技術、販売網、顧客基盤等を所有する他社の買収や他社との資本提携を通じた事業規模の拡大を目指しております。M&Aに際しては、被買収企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味した上で決定しております。しかしながら、被買収企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合には、マルイチ産商グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、買収により、マルイチ産商グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。
(14) 人材の確保・育成
マルイチ産商グループが持続的な成長を実現していくためには、営業や企画系、管理系等の各方面において優秀な人材を確保し、育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施しております。しかしながら、人材の確保・育成ができなかった場合には、事業目的の達成が困難になる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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