川崎汽船(9107)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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川崎汽船(9107)の株価チャート 川崎汽船(9107)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】川崎汽船グループは、「ドライバルク」、「エネルギー資源」及び「製品物流」の3区分を報告セグメントとしています。なお、「ドライバルク」セグメントにはドライバルク事業、「エネルギー資源」セグメントには液化天然ガス輸送船事業、液化ガス事業、電力事業、原油・製品事業及びエネルギー事業戦略、「製品物流」セグメントには自動車船事業、物流事業、近海・内航事業及びコンテナ船事業が含まれています。「その他」の区分には報告セグメントに含まれない船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれています。 各報告セグメントを構成する主要な会社(2026年3月31日現在)は、次のとおりです。 報告セグメントの内容各報告セグメントを構成する主要な会社名国内国外Ⅰ ドライバルク 川崎汽船㈱"K" LINE BULK SHIPPING (UK) LIMITED、"K" LINE PTE LTD、'K' Line (India) Shipping Private LimitedⅡ エネルギー資源 川崎汽船㈱、ケイライン・ウインド・サービス㈱"K" LINE (TAIWAN) LTD.、"K" LINE ENERGY SHIPPING (UK) LIMITED、"K" LINE DRILLING/OFFSHORE HOLDING,INC.、"K" LINE PTE LTDⅢ 製品物流 川崎汽船㈱、川崎近海汽船㈱、㈱ダイトーコーポレーション、日東物流㈱、ケイラインロジスティックス㈱、日本高速輸送㈱、北海運輸㈱、㈱シーゲートコーポレーション、日東タグ㈱、オーシャンネットワークエクスプレスホールディングス㈱※、KLKGホールディングス㈱、KLKGロジスティックスホールディングス㈱K LINE (THAILAND) LTD.、KAWASAKI (AUSTRALIA) PTY. LIMITED、"K" LINE AMERICA, INC.、"K" LINE (Deutschland) GmbH、"K" LINE (BELGIUM) N.V.、PT. K LINE INDONESIA、"K" LINE MARITIME (MALAYSIA) SDN. BHD.※、"K" LINE (CHINA) LTD.、"K" LINE (AUSTRALIA) PTY LIMITED、"K" LINE (EUROPE) LIMITED、"K" LINE PTE LTD、"K" LINE (VIETNAM) LIMITED、"K" LINE BRASIL TRANSPORTES MARITIMOS LTDA.、"K" LINE SHIPPING (SOUTH AFRICA) PTY LTD、OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.※、"K" LINE (KOREA) LTD.、"K" Line European Sea Highway Services GmbHⅣ その他 川崎汽船㈱、ケイラインマリンソリューションズ㈱、㈱リンコーコーポレーション※、㈱ケイ・エム・ディ・エス、ケイラインビジネスサポート㈱、㈱ケイラインビジネスシステムズ、ケイライントラベル㈱、ケイラインローローバルクシップマネージメント㈱"K" LINE HOLDING (EUROPE) LIMITED、K MARINE SHIP MANAGEMENT PTE. LTD.(注) 無印:連結会社  ※:関連会社(持分法適用) 上記の事業の系統図は概ね次のとおりです。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針川崎汽船は2022年5月9日より、川崎汽船グループの目指す姿として「企業理念」、「ビジョン」及び「大事にする価値観」を以下のとおり掲げています。<企業理念>~グローバルに信頼される ~海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献します。<ビジョン>全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指します。<大事にする価値観> ・お客様を第一に考えた安全で最適なサービスの提供 ・たゆまない課題解決への姿勢 ・専門性を追求した川崎汽船ならではの価値の提供 ・変革への飽くなきチャレンジ ・地球環境と持続可能な社会への貢献 ・多様な価値観の受容による人間性の尊重と公正な事業活動 川崎汽船は、海運業を主軸とする物流において、自社と社会の低炭素・脱炭素化の推進を通じて企業価値向上を図り、その実現のための新たな成長機会を追求していくことを基本方針としています。 (2)中期的な会社の経営戦略事業環境が大きく変化しているなか、川崎汽船グループは2022年5月9日に2022年度から2026年度までの5か年の中期経営計画を公表しました。川崎汽船グループならではの強みである専門機能を磨き上げ、2050年に向けた自社と社会の低炭素・脱炭素化の実現と、収益成長を両立させるための長期経営ビジョンを達成していくため、足元の5年間で実行する施策を中期経営計画において明確化しました。船隊の代替燃料船への移行と並行してエネルギーインフラの転換を進めると同時に、この事業機会を確実に捉え、収益性と成長性を高めていくためにも、経営資源の集中と顧客とのパートナーシップの強化により企業価値の持続的な向上につなげてまいります。その実現のため、事業戦略の実行、事業基盤の構築及び資本政策の明確化に取り組みます。 企業価値向上への取組みを定量的に管理していくための経営指標及び目標はそれぞれ以下のとおりです。経営指標2026年度最新見込(目標)ROE5% (10%以上)ROIC5% (6.0~7.0%)収支経常利益1,000億円 (1,600億円)最適資本構成・ 事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努める・ 自営事業及びコンテナ船事業に必要な資本レベルを検証する株主還元方針・ 川崎汽船は業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し、企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を進めることを株主還元方針としている・ この還元方針に基づき、8,800億円以上の株主還元を計画・ 2025年度までに約6,740億円を実施し、残りの中期経営計画期間では、2026年度に1株当たり120円(基礎配当40円、追加配当80円)の年間配当を予定・ 2026年度には配当に加えて1,300億円(上限)の自己株式取得を予定・ 引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の  実施を検討する (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題・事業戦略 川崎汽船グループは、2022年5月に公表した5か年の中期経営計画にて定めた、海運業を主軸とした川崎汽船グループの強みを生かしたポートフォリオ戦略に基づき、事業ごとの役割を明確化し、各事業の特性に応じたメリハリのある資源配分により事業の収益性を強化し、企業価値の更なる向上に努めます。 「成長を牽引する役割の事業」である鉄鋼原料、自動車船、LNG輸送船事業へは、環境対応を機会として成長を実現し全社収益の柱となることを目的とし、経営資源を集中的に配分して事業成長を実現します。「スムーズなエネルギー転換をサポートし新たな事業機会を担う役割の事業」である電力炭、油槽船、LPG船事業では、事業リスクの最小化を図りながらも、新エネルギー輸送需要への対応を推進します。「稼ぐ力の磨き上げで貢献する役割の事業」であるバルクキャリア、近海内航、港湾・物流事業では、市況耐性を高め、安定収益確保に努め、シナジーを追求した事業戦略を進めます。「株主として事業を支え収益基盤を安定させる役割の事業」では、コンテナ船事業を川崎汽船の重要な主要事業の一つと捉え、持分法適用関連会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」という。)の持続的な成長と発展のために、株主としての支援強化を目的とし、継続的な人的支援と経営ガバナンスへの関与を通じた企業価値の最大化を目指します。「新規事業領域」では、液化CO2輸送事業や洋上風力発電支援船事業など、グループ会社間の専門領域を磨き上げ、シナジーを追求し、川崎汽船グループの強みを生かせる事業領域の拡張を目指します。 ・機能戦略社会・自社の環境対応の目標と、その実現のための選択肢が具体的に進展し、新たな顧客ニーズ、事業機会・収益機会が出現するなか、顧客・パートナーに選ばれるため、川崎汽船の強みである3機能(環境・技術、安全・船舶品質管理、DX)を更に強化し成長戦略を進めます。3機能に加え川崎汽船グループの提供価値の源泉である人材・組織の事業基盤を強化することで、選ばれる能力とリソースを備え事業の獲得に繋げていきます。 ・資本政策最適資本構成を意識したキャッシュアロケーションにより資本効率と財務健全性を両立し、成長のための投資を行ったうえで積極的な株主還元を行い、企業価値向上を進めます。最適資本構成では、事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努めます。投資計画では、中期経営計画に基づき、「成長を牽引する役割を担う3事業」と「環境対応」に重点を置き、事業・目的に応じたリスク・リターンを鑑みて投資規律を効かせ、好況の時は抑制的に、市況が悪化した折には戦略的に投資を実行していきます。株主還元政策では、中期経営計画期間の業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を検討します。また、経営管理の更なる高度化により、事業ごとの資本コスト及びキャッシュ・フローを意識した経営管理の導入及び事業投資マネジメント導入による投資規律の維持・強化により、資本効率を最適化し、企業価値の更なる向上を目指します。 ・中期経営計画の振り返りと次期中期経営計画への重点課題現時点での振り返りとして、現中期経営計画では、地政学・通商政策関連などの環境変化が激しいなか、業績面においては、自営事業の安定化・コンテナ船事業の収益のアップサイドを確保し、株主還元拡充に成果がありました。一方で、資本効率向上・事業成長への投資に課題があると認識しており、2026年度中のPBR1倍達成、更にPBR1倍超への定常化に向けた取組みが必要と考えております。次期中期経営計画では将来的なROE15%以上の実現に向けて、「自営事業の成長戦略」、「コンテナ船事業の課題解決」、「資本政策」を重点課題とし、利益成長と資本効率改善を両輪で取り組みます。そのなかで資本政策については、「まずは短期的に自己資本比率(オフバランス込み)50%前後をめどに資本適正化を目指す」方針を掲げており、2026年5月29日公表の通り、1,300億円(上限)の自己株式取得を実施することを決定しています。引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の実施を検討します。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において川崎汽船グループが判断したものです。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント方針・体制 川崎汽船グループは国際的な事業展開を行っており、海運業を含む物流事業の経営には、様々なリスクが存在しています。リスクマネジメント強化のため、より体系的にリスクを管理すべく、事業継続に及ぼす影響の大きいリスクとして主要リスクを定義しています(表1)。また、主要リスクを、「船舶運航に伴うリスク」、「災害リスク」、「コンプライアンスに関わるリスク」、「その他の経営に関わるリスク」の4つのリスクに分類し、それぞれ対応する委員会を設けています。代表執行役社長がこれら全ての委員会の委員長を務め、平時においても四半期ごとに委員会を開催し、リスクマネジメントの強化を図っています(図1)。また、ERM(Enterprise Risk Management)を踏まえ、守りのリスクマネジメントのみならず、全社横断的に事業戦略機会としても捉えて対応しています。 また川崎汽船を取り巻く事業環境(地政学・市場・社会・技術等)の変化を、川崎汽船事業戦略と統合し、機能戦略の推進力を強化し、実効性を高めるために、2026年4月には部門横断的な統合戦略会議体を新たに設置しました(表2)。各会議体は中長期的な戦略及び重要施策に基づき、戦略・施策の実行確度を高めるための推進・ステアリング機能を担っています。危機管理委員会は、リスクマネジメント全般を統括する組織として、各委員会・会議体を横断する調整・統合機能を担っています。 表1 主要リスクNO主要リスク所管組織(2026年4月~)①人材・人権リスク経営リスク委員会/サステナビリティ経営推進会議②法務・コンプライアンスリスクコンプライアンス委員会③船舶運航リスク安全運航推進委員会④経済活動変動リスク経営リスク委員会/ジオエコノミクス会議/サステナビリティ経営推進会議/環境・技術会議⑤情報システム・情報セキュリティリスク経営リスク委員会/デジタル会議⑥災害リスク災害対策委員会⑦気候変動リスク経営リスク委員会/サステナビリティ経営推進会議/環境・技術会議 図1 リスクマネジメント 体制図(2026年3月までの体制図)経営リスク委員会は、今後、統合戦略会議体と連携して外部環境変化に対する対応を進め、危機管理委員会はリスクの観点でそれを調整・統括する。表2 統合戦略会議体(2026年4月に新設。経営リスク委員会と適宜連携。川崎汽船のコーポレート・ガバナンス体制は「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 コーポレート・ガバナンス体制についての模式図」参照)統合戦略会議体内容ジオエコノミクス会議地政学を背景とした課題に対する推進や情報共有、論点整理を通じ、川崎汽船戦略へ落とし込みを行う。サステナビリティ経営推進会議サステナビリティ推進方針の立案、個別課題の進捗管理、マテリアリティの特定・見直しを行う。環境・技術会議自社及び社会の低・脱炭素化、イノベーションに関する調査分析、戦略立案、具体的施策の統括を行う。デジタル会議各案件の優先順位付け、リソース配分、部門横断案件の調整、進捗管理、課題解決を行う。 (2)リスクマネジメントプロセス 川崎汽船グループにおけるリスクマネジメントを徹底すべく、グループ全体に関わるリスクを特定し、情報管理・モニタリングを行いながら、リスクマネジメントに取り組んでいます。各リスクの管理は、期末にリスクの再評価や網羅的なリスクの洗い出し・特定を行ったうえで、管理体制の有効性や主要リスクから重要課題を定め、各委員会において定期的にレビューを行い、再評価、対策の実施を行うPDCA体制としています。このPDCAでは、各委員会がボトムアップでリスクの再評価や洗い出し・特定を行う手法と、まだ顕在化していないものの重要性が高まっているエマージングリスクのようなメガトレンドの変化をトップダウンで評価をする手法を併用し、重層的に対応しています。メガトレンドの変化は、リスクのみならず機会となるため、次年度の事業戦略立案時に行うPEST分析を軸として、メガトレンド認識を的確に事業戦略に生かす側面と、最新のリスクトレンドの変化を評価し対応する側面とで、リスクと機会の双方を網羅するよう取り組んでいます。 具体的には、PESTの要素を各事業のバリューチェーンに掛け合わせることでリスクシナリオを想定し、経営陣により発生可能性・影響度・備えの程度を整理のうえ、ヒートマップを作成します。さらに専門家による分析や調査レポート等の外部知見も得ながら、注視すべき課題を特定し、ボトムアップ式のリスク特定と合わせて重要課題を選定します。また、PDCAサイクルの過程でリスクマネジメントに対する情宣を行っています。リスク対策や期初に特定した重要課題への取組み状況を、取締役会や執行役員会を通じて社内に周知しています。さらに、組織内でリスクマネジメントプロセスを監視及びサポートする体制強化を推進しています。 図2 リスクマネジメントプロセス (3)リスク情報 川崎汽船グループにて認識しているリスク項目の内容、対応策、組織への影響の可能性、潜在的なビジネスインパクトの大きさ、さらに、それらを基にした各項目のリスク重要度を、下表に纏めています。リスク名①人材・人権リスク影響度非常に大きいリスク内容 川崎汽船グループは、グローバルに事業を展開する企業グループとして、事業活動が地域社会・国際社会に与える影響を自覚し、かつ、それを踏まえて事業活動を進めていくことが社会的責任の重要な側面の一つと考えています。また、企業に対して、自社の事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権尊重を求める国際社会からの要求が年々高まっています。この様な状況下で、川崎汽船グループ及びサプライチェーン上に存在する人権問題への対応が不適切であることにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 また、川崎汽船に必要な人材が不足することにより、業界内での競争力の低下や事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。事業へのインパクト 川崎汽船グループの事業活動に関わるステークホルダーに対する人権問題が発生した場合、川崎汽船グループの社会的信用やブランドイメージが低下し、川崎汽船グループの営業活動、財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。 また、必要な人材の不足は事業活動の制約となるため、川崎汽船グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。対策 川崎汽船グループはグループ全体で遵守される行動規範である「グループ企業行動憲章」において、川崎汽船グループの事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重することを掲げています。また、同憲章のより具体的な指針として掲げられた「川崎汽船グループ人権基本方針」では、人権尊重に関連した国際規範や法令を尊重・遵守するとともに、川崎汽船グループの事業活動との関わりにおいて生じる人権への顕在的又は潜在的な負の影響を把握して、これを未然に防止又は軽減していく、という一連のプロセスである「人権デューディリジェンス」を実施することを定めています。さらに、「サプライヤーサステナビリティガイドライン」を策定し、人権尊重に関わる項目についても取引先への要求事項として明確にしています。これらの方針やガイドラインのもと、サプライチェーンも含めた川崎汽船グループの事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権尊重に向けた取組みを推進すべく、優先的に取り組むべき人権課題を特定し、改善に向けたアクションプランを実行するPDCAサイクルの確立を目指しています。さらに、従来の「サステナビリティ経営推進委員会」の役割を発展させ、新たに設置した統合戦略会議体の一つとして人権も含めたサステナビリティを扱うサステナビリティ経営推進会議を立ち上げ、中長期的な方針の立案又は見直しのみならず、全社横断的な戦略の実効性を高めるべく体制強化を進めています。 また、川崎汽船の業界内での競争力強化や安定的な事業継続を図るべく、「事業の持続的成長・変革をリードしていく人材」、「事業環境変化に柔軟に対応できる人材」という視点から人材の確保・育成に取り組んでいます。 リスク名②法務・コンプライアンスリスク影響度非常に大きいリスク内容 川崎汽船グループは、グローバルに事業を展開する企業グループとして、事業活動が地域社会・国際社会に与える影響を自覚し、かつ、一層高いコンプライアンス意識をもって事業活動を進めていくことが社会的責任の重要な側面の一つと考えています。川崎汽船グループの役職員が法令違反行為や企業倫理違反行為等を発生させることにより事業活動に甚大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、社会的な機運の高まりにより、自社のみならず持続可能な社会づくりに向けてサプライチェーン全体での協力が不可欠になっています。事業へのインパクト コンプライアンス上のリスクは、社会情勢、国民意識によっても変化するものであり、コンプライアンス上の問題が生じた場合、川崎汽船グループの社会的信用やブランドイメージの低下、またそれに伴う対応のため、川崎汽船グループの営業活動、財政状態・経営成績に悪影響を与える可能性があります。 対策 川崎汽船グループでは、「グループ企業行動憲章」を制定し、法令及び企業倫理の遵守(コンプライアンス)を川崎汽船グループ企業の行動原則の一つとして掲げています。また、より具体的な指針として、取締役会にて決議された「川崎汽船グループ グローバルコンプライアンスポリシー(以下、「グローバルポリシー」という。)」並びに競争法、反贈収賄、経済制裁規制・反マネーロンダリング、個人情報保護の分野について具体的な遵守基準を示した個別ポリシーを制定し、川崎汽船及びグループ会社役職員(契約社員や出向者等を含む)に遵守を義務付けています。川崎汽船及び川崎汽船グループ会社のコンプライアンスを担保するための方針及びコンプライアンス違反に対する対応措置を審議するための場として、年4回コンプライアンス委員会を開催し、毎年11月をコンプライアンス月間と位置付け、コンプライアンスの重要性を再認識させるため、社長メッセージを配信するとともに、必修のコンプライアンスeラーニング研修、外部講師を招いてのコンプライアンスセミナー、階層別人事研修の中でのコンプライアンス研修等、組織的にコンプライアンス文化を醸成する様々なプログラムを実施しています。 また、川崎汽船及び川崎汽船グループでは、お客さまから信頼されるサービスの提供に欠かせないパートナーとしてのお取引先さまとの、相互の信頼関係の確立と共生を図っています。これに加えて川崎汽船グループでは、サプライチェーン全体における企業としての社会的責任(CSR)の推進にお取引先さまとともに取り組むべく、「サプライチェーンにおけるCSRガイドライン」を策定しています。 リスク名③船舶運航リスク影響度非常に大きいリスク内容 川崎汽船グループは、安全運航の徹底、環境保全を最優先課題として、安全運航水準と危機管理体制の維持強化を図っています。不測の事故による船体・積み荷・船員及び荷役関係者への損害や損傷、とりわけ油濁その他環境汚染につながる重大事故等が発生し、環境汚染を引き起こした場合、事業活動に甚大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、海賊被害、政情不安・武力紛争地域での運航、船舶へのテロ行為リスクの増大、サイバーリスクは、川崎汽船グループの船舶に重大な損害を与え、また船員の生命を危険にさらすなど、川崎汽船グループ船舶の安全運航、海上輸送事業全般に悪影響を与える可能性があります。事業へのインパクト 不測の事故、とりわけ油濁その他環境汚染につながる重大事故等が起これば、川崎汽船グループの財政状態・経営成績に重大な影響を与え、川崎汽船グループの社会的信用やブランドイメージの低下により広範な営業活動に重大な影響を与える可能性があります。対策 川崎汽船グループは安全運航の徹底を最優先課題として安全運航水準と危機管理体制の維持強化を図っています。安全運航については、代表執行役社長を委員長とする安全運航推進委員会を定期的に開催し、事故防止や海賊やテロへの対応などを含む安全運航に関わる全ての案件について、ソフト面・ハード面においてあらゆる視点に基づいて検討し、教育・指導を含めた様々な対策を行っています。更に緊急時の事故対応をまとめた「事故対応マニュアル」を策定し、定期的な事故対応演習により継続的改善を図っています。なお、最善を尽くしたうえでも回避しきれなかった場合においても十分な対応を行うため適切に保険を付保し備えとしています。また川崎汽船グループの事業活動が地球環境に負荷を与えることを自覚し、それを最小限にすべく、環境憲章を掲げ、環境への取り組みを確実に推進するために、従来の「GHG削減戦略委員会」や「サステナビリティ経営推進委員会」、その下部組織の役割を発展させた統合戦略会議体として、環境・技術会議及びサステナビリティ経営推進会議を新たに設置し、全社横断での検討・推進を通じて、意思決定の質及び実行確度の向上を図っています。 リスク名④経済活動変動リスク影響度大きいリスク内容 川崎汽船グループの事業は、世界経済の動向と密接に結びついており、様々な経済的要因の変化による影響を受けます。特に、事業売上において米ドル建て収入の比率が大きく、円高が進むと円建ての収益が減少するリスクがあります。加えて、船舶投資や運転資金調達には借入金を活用しており、金利上昇も利益が減少する要因となります。また、燃料費は運航コストの大きな部分を占めるため、原油価格の変動は利益に影響します。これらの市場リスクは、世界的な経済動向や地政学的なリスクなど、様々な要因によって変動するため、川崎汽船グループにとって大きなリスク要因です。 将来の事業拡大に向けた船舶投資計画は、海運市況の悪化や想定外の各国・地域の公的規制・通商政策の導入などにより、計画通りに進まない可能性があります。計画の遅延や中止、あるいは新造船が完成した後に想定していた需要が得られない場合など、収益に悪影響が出る可能性があります。国際的な海運市場では競争も激化しており、既存の船舶についても、市況の悪化や技術革新による陳腐化によって、売却や傭船契約の途中解約を迫られる可能性があり損失につながるリスクがあります。また、保有する船舶等の資産は、市況の悪化や収益性の低下に伴い、減損損失が発生する可能性もあります。また、取引先の業績悪化などにより、契約が履行されない場合、損失が発生するリスクもあります。 海運事業は、国際条約や各国・地域の規制や通商政策の影響を受けやすい事業構造となっています。加えて、地政学的要因、特に米中関係をはじめとする国際秩序の不透明性の高まりも重要なリスク要因です。サプライチェーンの変容や地産地消の動きにより、モノの量や動き(ルート)などのマーケットコンディションやプライシングに影響を与える可能性があります。地政学情勢の変化による荷動きや船舶建造、保守に与える影響は従来エマージングリスクとして管理してきましたが、リスクの顕在化と全社的な対応体制の構築を踏まえ、経済活動変動リスクに統合しました。事業へのインパクト これらの経済活動の変動は、川崎汽船グループの財務状態と経営成績に大きな影響を与える可能性があります。急激な円高は米ドル建て事業売上の円貨換算後の価値を目減りさせ、利益を大きく減少させる可能性があります。金利上昇は資金調達コストを増加させ、投資計画の実行を困難にするだけでなく、既存事業の収益性も悪化させる可能性があります。また、燃料油価格の変動は、運航コストを直接的に増加させ、利益率を低下させる主要因となります。さらに、原油価格の急騰による燃料油価格の高騰で、短期的な収益悪化だけでなく、中長期的な事業計画の見直しが必要となる可能性もあります。 投資計画の遅延や中止は、大きな機会損失となるだけでなく、既に投資した資金を回収できなくなるリスクもあります。市況悪化による船舶の売却や傭船契約の途中解約は、損失につながるだけでなく、将来の輸送能力を低下させ、事業機会の喪失を招く可能性があります。また、保有資産の減損は財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。さらに、取引先が契約不履行となった場合、損失の発生だけでなく、取引関係の喪失による将来的な事業機会の喪失にもつながる可能性もあります。 規制変更への対応には、設備投資や運用変更など多額のコストが必要となる場合があり、収益を圧迫する可能性があります。また、予見可能性の低下により、規制変更への対応や事業計画への反映等が遅れると、事業活動の制限や罰金など、深刻な事態に陥る可能性もあります。地政学情勢の変化に伴うサプライチェーンの変容やトレードパターンの変化は、輸送需要の構造的な変化を引き起こし、川崎汽船グループの収益基盤に影響を与える可能性があります。また、保有船舶は5年ごとの入渠が必要であり、中国ドックへの入渠や中国での船舶建造が阻害されたりした場合、船舶運航ひいては営業活動と経営成績に大きな影響を与えます。国際的な海運市場では、競争の激化は輸送価格の下落を招き、収益性を低下させるだけでなく、トレードパターンが変わること等による市場シェアの減少を通じて川崎汽船グループの業界での地位や経営成績に一定の影響を及ぼす可能性があります。 対策 川崎汽船グループでは、これらの経済活動の変動リスクに対し、様々な対策を講じています。為替変動の影響を和らげるため、為替予約や一部費用のドル化で影響の最小限化に努めています。金利変動リスクに対しては、固定金利での借入や金利固定化スワップを実施し、資金調達コストの安定化に取り組んでいます。燃料費の変動を抑えるため、燃料油の先物取引による価格ヘッジを行っています。また、取引先の契約不履行リスクを軽減するため、取引先の信用状況を常時監視し与信管理を徹底しています。 投資計画は、市場調査と需要予測に基づいて慎重に策定し、想定最大損失額を連結自己資本の範囲内に収めることで、「安定性」と「成長性」の両立に努めています。市況の悪化に備え、船舶の売却や傭船契約の解約についても、市況動向を常に注視し、適切なタイミングで判断できる体制を整えています。また、保有資産の価値を定期的に評価し、減損リスクの早期発見に努めています。あわせて、地政学情勢の変化に柔軟に対応するため、グループ全体での統合管理のもと、リスクの定量化、分散発注の検討など、専門家との協議に基づいたリスクの適正管理を進めています。 また、主要顧客とのパートナーシップ深化を中核としながら、営業・運航要員の増員、環境営業の強化など、営業体制の進化・発展を通じて顧客の事業戦略の変化を機敏に捉え、サプライチェーンや事業モデルの見直しに柔軟に対応しています。 さらに、地政学が経済活動に影響を与える状況の常態化に鑑み、新たに設置した統合戦略会議体の一つとして「地経学」を扱うジオエコノミクス会議を立ち上げ、守りのリスクマネジメントのみならず事業戦略と統合した全社横断的な戦略の実効性を高めるべく、体制強化を進めています。 リスク名⑤情報システム・情報セキュリティリスク影響度大きいリスク内容 川崎汽船グループは、世界の経済活動を支える物流インフラとして、安全・安心な海上輸送及び物流サービスを提供するため、情報セキュリティの確保と向上へ対策を講じています。昨今のサイバー攻撃は、多種多様化を極め、不正アクセスによる情報の漏洩、ウイルス感染によるシステム停止等が発生することにより事業活動に甚大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、川崎汽船はDX戦略のもとデジタル化・AI活用を推進していますが、デジタル技術やAIの進展に伴い活用が進むなか、当該技術動向への対応が十分に図れない可能性があります。事業へのインパクト 不正アクセスによる情報の漏洩、ウイルス感染によるシステム停止等が発生した場合には、川崎汽船グループの営業活動、財政状態・経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、デジタル化やAI活用に関し、技術進展への対応が十分に図れない場合には、業務・運航効率の低下や意思決定の遅延等により、コスト増加や収益機会の逸失を招き、川崎汽船グループの競争力及び中長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策 川崎汽船グループでは、継続的にサイバーセキュリティの強化を進めています。これまでにPC、サーバーなどのエンドポイントや通信ネットワークのセキュリティ強化、最新技術を用いた監視体制を導入しました。さらに、グローバルでの認証基盤構成を見直し、多要素認証やアカウント管理認証レベルの高度化、迅速な脆弱性への対応を進めることで、グループ全体のITガバナンスの強化、認証レベルの向上、マルウェア・情報漏洩への対策強化を実現し、サイバーインシデントに迅速かつ的確に対応できる体制を築いています。加えて、サイバーインシデント発生時の初動対応について、対応手順を明確化し、実効性の向上を図っています。近年、インターネット回線による船舶運航データの船陸共有化と安全品質の向上へのデータ活用が進んでおり、衛星通信容量の拡大に伴い、船内ICT機器及び船内ネットワークの整備が必須となっています。今後、船陸間でインターネット環境への接続が一層増えることによるサイバーリスクを見据え、川崎汽船グループの船舶管理会社では一般財団法人日本海事協会からサイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)の認証を取得し、船上のサイバーリスクへの対応力強化に努めています。「安全」は海上輸送を主軸とする川崎汽船グループの事業の根幹を成すものであり、サイバーリスクへの対応を強化することで、より安全で最適な輸送サービスを提供してまいります。また、技術的対策に加え、川崎汽船グループ全般におけるセキュリティ教育・啓発活動を通じ、セキュリティファーストの文化を醸成して、安全・安心・安定、強靭なIT基盤を構築していきます。加えて、「AI・デジタライゼーション推進委員会」の役割を発展させ、新たに設置した統合戦略会議体としてデジタル会議にて、外部環境の変化を適時的確にモニターし、デジタル戦略の立案や具体的施策の推進、統括などを通じて、全部門のデジタル戦略推進を全社視点で加速させるべく体制強化を進めています。 また、AI・データ活用の進展が船舶運航における経済性向上、収益力の強化及び業務効率の向上に大きく寄与するとの認識のもと、各種施策を推進しています。 リスク名⑥災害リスク影響度大きいリスク内容 自然災害やパンデミック発生時の事業継続は、社会の機能の一端を担い社会に責任を負う川崎汽船グループの責務であるとともに、川崎汽船グループの存在意義に関わる重大な事項です。首都圏直下型大地震が発生した場合には、多くの建物、交通、ライフラインに甚大な影響が及ぶことが想定され、また新型インフルエンザ等対策特別措置法に準ずる感染症が発生し、パンデミックとなった場合には、多くの人々の健康に重大な影響が及ぶことが懸念されます。また、これらの自然災害又はその二次災害に伴う風評被害が広がることが懸念されます。事業へのインパクト 自然災害発生時、また新型インフルエンザ等対策特別措置法に準ずる感染症が発生し、パンデミックとなった場合には、川崎汽船グループの営業活動、財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。対策 川崎汽船グループではこれらの災害等を想定した事業継続マネジメント(BCM)を策定し、自然災害の発生時には、この計画を適用又は応用することで可能な限りの事業継続ができるよう備えています。新型コロナウイルス感染症(COVID19)に関する一連の対応を振り返り、パンデミックに備えた行動手引書を作成しました。なお、災害等を想定した本社・社外での訓練等を定期的に実施し、そこで明確になった課題に対処することで、継続的に見直しを行いかつ実効性を高めていきます。 リスク名⑦気候変動リスク影響度大きいリスク内容 地球温暖化をはじめとする気候変動は、気象・海象の変化をより激しくし、安全運航の妨げにつながる危険性があります。また、気候変動対策としての脱炭素化の流れは、大量の燃料油を必要とし、主要貨物として様々な化石エネルギー資源を輸送する川崎汽船グループにとって、公的規制等によるコスト増大や輸送需要の構造的変化などの形で事業環境を大きく変える可能性があるだけでなく、気候変動対策が十分でなかった場合、川崎汽船グループの競争力の低下につながる懸念もあります。 事業へのインパクト 今後、気候変動の影響が顕在化し、輸送ルートの変更を余儀なくされることにより運航コストの増加につながることや、積載貨物や船舶の損傷や訴訟リスクが増加する可能性があります。また、気候変動対策としての脱炭素化の流れに対応できなかった場合、川崎汽船グループの営業活動、財政状態や経営成績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。対策 川崎汽船グループは安全運航の徹底を最優先課題として安全運航水準と危機管理体制の維持強化に努めています。自社システムによる気象・海象予測を踏まえた最適航路選定により、高波高域への入域や船体動揺・貨物損傷リスクの低減に努めています。また、事業へ及ぼす影響に対する対策として、荷崩れを引き起こす一因となる特定の横揺れの発生を予測するアプリ導入などにも取り組んでいます。 また「“K” LINE環境ビジョン2050」では、2050年GHG排出ネットゼロへの挑戦を宣言しており、長期ビジョンとして、経済的成長と企業価値向上に向けて、自社・社会のスムーズなエネルギー転換にコミットし、低炭素・脱炭素社会の実現に向けた活動を推進することを掲げています。中期経営計画では、低炭素・脱炭素化を機会とした成長戦略に基づき、環境への投資により成長を実現していく計画です。 また、従来の「GHG削減戦略委員会」や「サステナビリティ経営推進委員会」、その下部組織の役割を発展させ、統合戦略会議体として環境・技術会議並びにサステナビリティ経営推進会議を新たに設置し、気候変動を含む外部環境の変化を踏まえた成長戦略及び重要施策について、全社横断での検討・推進を通じて、意思決定の質及び実行確度の向上を図っています。 さらに、TCFDが提言するシナリオ分析を見直すとともに、そこで特定された「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4項目における気候変動リスクと機会に関する財務インパクトの試算を実施し、開示内容も拡充しています。 (4)エマージングリスク 川崎汽船グループでは、事業戦略の実行を妨げる可能性があり、まだ顕在化していないものの従来に増して重要性が高まっているリスクをエマージングリスクと定義しており、川崎汽船グループで認識しているエマージングリスクを下表に纏めています。 エマージングリスク名海運業を脅かすエマージングな技術革新リスク内容 3DプリンタやAR/VR技術、自動化などの技術革新は、今後海運業の参入障壁を引き下げる技術となる可能性があると考えられます。3Dプリンタで扱うことのできる素材の広がりや造形方式の進化などを背景に、最終製品量産のための活用も広がる可能性が高まっています。またデジタル化や産業メタバースの活用による港湾作業や船舶運航の自動化・自律化の複合的な活用は、人手不足への対応や業務効率化に寄与します。これらの技術革新は、海運業の省コスト化につながる一方で、他業種からの参入障壁が低下する可能性もあります。 また、消費財や完成品の輸送においては、技術革新による製造体制の変化により地産地消が進む可能性があり、特にコンテナ輸送需要や完成車輸送において、事業環境に構造的変化を与える可能性もあり、今後より一層幅広い分野の技術動向に注視していく必要があります。事業へのインパクト 3DプリンタやAR/VR技術、自動化などの技術革新は、参入障壁の低下により、新たな競合他社が市場に参入しやすくなり、価格競争が激化する可能性があります。これは、新しい競合他社の出現につながり、既存企業の市場シェアを奪う可能性があります。また、技術革新はサプライチェーンの効率化やコスト削減につながる可能性や、新技術の普及により、既存の設備やノウハウが陳腐化し、新たな投資が必要となる可能性もあります。事業環境の構造的変化により、川崎汽船グループの営業活動や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対策 新技術に対応できる人材の育成や最新技術を持つ企業との戦略的な提携を検討し、海運ビジネスに捕らわれることなく、最新技術トレンドを常に把握し、自社事業への影響を評価する体制を構築する必要があります。そのために事業部門別に、課題の整理・洗い出しと優先課題の抽出など体系的に整理し、外部専門知見のサポートを得て継続的にリスク状況をモニターできる「リスクインテリジェンスサイクル」を構築し、モニタリングできる体制作りに取り組んでいます。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において川崎汽船グループが判断したものです。また、ここに記載するものが川崎汽船グループの全てのリスクではありません。



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