朝日放送グループホールディングス、朝日放送グループホールディングスのその他の関係会社である㈱朝日新聞社はそれぞれに子会社、関連会社から構成される企業集団等を有し、放送、新聞、文化等広範囲に事業を行っております。
朝日放送グループホールディングスの企業集団等は朝日放送グループホールディングス、子会社29社、関連会社16社(朝日放送グループホールディングスグループ)で構成され、放送・コンテンツ事業及びライフスタイル事業を行っております。
朝日放送グループホールディングスグループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、朝日放送グループホールディングスグループが判断したものであります。
Ⅰ.中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
1.中期経営戦略2021-2025 NEW HOPE
朝日放送グループホールディングスグループは、大きく変化する事業環境において、様々な課題に対処するため、2021年5月、中期経営戦略2021-2025 NEW HOPEを発表しました。「人材」「グループ連携の強化」「DX」「社会課題の解決」を重点目標に定め、多様化の促進、グループ連携の強化、データ・デジタル技術活用に向けた基盤整備、ABCグリーン宣言やABC@Colorful宣言を通じた社会課題解決への取り組みなどを行ってきました。
さらに、マネジメントの重要な課題として、資本効率を改善して企業価値を高めるため、「事業ポートフォリオの最適化」「中長期目線とスピード感の両輪を見据えての投資」「政策保有株式売却等による資産の有効活用」を推進。「2025年度までにROE5%」の達成を目指しています。
2.重点目標に対する2023年度の主な取組
(1)人的資本投資の強化
朝日放送グループホールディングスは、事業環境の変化に対応し、海外市場も視野にいれたマルチウインドウでのコンテンツ展開、ライフスタイル事業の多角化を進めております。その実現には多様性に富む人材の育成・確保がKSF(Key Success Factor)です。グループ内外の個の力と全体の力を最大限に発揮できる組織を目指して、様々な取り組みを行っています。
・「人材交差点構想」(ABCカレッジ&サロン)
新たなビジネス・アイデア創造につなげるため、社内外から人が集い、つながり合うことで発想豊かな人材を育てたり、人脈を作る場を提供しています。
・「ABC@Colorful宣言」(ダイバーシティ&インクルージョン推進)
事業のウイングスパン拡大に伴い、グループ内人材のダイバーシティ&インクルージョンを推進。中長期的な成長に向けて、組織の多様性を形づくり、社内の意識を高めています。
(2)DXによるビジネス創造
・AI活用の取り組み
朝日放送グループホールディングスグループは、業務効率化やアイデア創出に向け、AI活用に積極的に取り組んでいます。グループ全体のデジタルリテラシー向上と活用促進のため、生成AIガイドを策定し、ABC版ChatGPTサービス「ABChat」などのサービスを次々にリリースし、グループ社員約1,700名にまで利用範囲を拡大。2023年12月の利用件数は4,000件を超えました。
・業績アップに向けたデータドリブン戦略
朝日放送テレビ(以下 ABCテレビ)とABCファンライフが連携した通販特番で、CDP(Customer Data Platform)に蓄積されたユーザーデータを分析してユーザーのニーズに合った施策・顧客体験をデザインし、会員登録率を上昇させることに成功しました。引き続きグループ各社でデータドリブンに基づいたサービスデザインの実践と、事業展開の可能性を切り開いていきます。
・デジタルセールス事業
2022年度にスタートしたデジタルセールス事業(デジタル市場での企業プロモーションに関する課題をグループの企画力・クリエイティビティで解決する事業)の2023年度の売上高は、前年の3倍を超え、順調に売上を伸ばしています。引き続き、成長を続けるデジタル市場で新しい顧客・商流を開拓し、グループの大きな成長に繋げることを目指します。
3.数値計画
中期経営戦略3年目となる2023年度の業績は、連結売上高は904億5千2百万円で計画どおりとなりましたが、営業利益は8億3千2百万円と計画を下回りました。今後、収益性の回復と企業価値の向上を図り、2025年度までに連結売上高1,000億円の達成を目指します。
Ⅱ.事業別戦略
朝日放送グループホールディングスの事業領域は、放送、コンテンツ、ライフスタイルの3つの領域に分かれています。各事業の役割を明確化することで、大きく変化する事業環境の中で、グループのコンテンツ、サービスの価値を最大化し、「総合コンテンツ事業グループ」として成長を続けることを目指します。
1.放送事業
ABCテレビ・ABCラジオ・スカイA(CS放送)からなる放送事業は、2024年度も、引き続き放送の信頼性をさらに向上させ、安全・安心な社会に貢献することで朝日放送グループホールディングスグループの存在意義を示し、同時に朝日放送グループホールディングスグループの強みである企画・提案力を強化していくことで収益力の維持、向上を目指します。また、「すべてはコンテンツのために」をスローガンに一人でも多くのユーザー・視聴者・リスナー・生活者に届けられるよう、TVerやradikoへの配信等、新しい時代に沿った事業展開の強化を進めております。
2.コンテンツ事業
成長のキードライバーであるコンテンツ事業では、まず、実写コンテンツ分野において、ドラマ・バラエティ・ドキュメンタリーの3つを軸に成長を図っております。2023年度は、インターネットライブ配信の「バーチャル高校野球」において地方大会全試合の配信をはじめて実現し、より多くの視聴者に感動を届けました。また、朝日放送グループホールディングスとして28年振りのプライム帯全国ネットのレギュラードラマ枠にチャレンジしました。順調に成長を続けているアニメについては、アニメ周辺事業や海外展開を拡充・強化してまいります。さらに、グループ会社が連携し、ドラマやアニメ等に連動したイベント、舞台、音楽分野にも注力してまいります。
3.ライフスタイル事業
今後も、安全・安心・快適で心が満たされる暮らしを実現するため、放送やコンテンツの力も活用しながら、リアルなコミュニケーションや体験の場をより一層、幅広く提供していきます。住宅展示場およびHDC(ハウジング・デザイン・センター)は、住まいや暮らしに関する様々な情報を発信する「複合ライフスタイル情報発信拠点」として発展・進化させていきます。通販事業では、今後も市場成長が予想されるEC事業を強化し、進化させていきます。
事業ポートフォリオの最適化にむけた体制整備
①成長を続けるアニメ事業への重点的な投資
M&Aと組織再編でさらに強化し、2025年度までに売上高80億を目指す
2023年10月、組織再編により、ABCアニメーションの傘下に、2Dアニメーション制作のSILVER LINK.、アニメ商品化企画・制作のゼロジーアクトが入り、さらに12月にはM&Aでグループ入りしたCG制作会社のCGCGスタジオが加わりました。この事業再編で、アニメIPの開発や商品化に向けた各社の役割が明確になり、バリューチェーンが強化されました。事業を本格化した2016年度7億円弱だった売上高は、2023年度には60億円に達しました。今後、より魅力的なIPの創出、 イベントや商品化、ゲームなどによるメディアミックス、海外を含めたマルチウインドウ展開による収益最大化を目指すとともに、並行してM&Aによる事業ラインナップの更なる拡充を進め、2025年度までに売上高80億円を目指します。
②グローバルなニーズが高まるドラマ・バラエティ分野への注力
2023年度に、ABC単独で28年ぶりに、全国ネットのプライム帯連続ドラマをスタート。
2024年春の組織再編で、企画・制作・販売力をさらに強化へ
2023年4月、ABCテレビが全国ネット連続ドラマ枠(日曜よる10時~放送)を新設。第一弾の「日曜の夜ぐらいは…」は「日本民間放送連盟賞/番組部門 テレビドラマ優秀賞」「ギャラクシー賞/月間賞 テレビ部門 奨励賞」を受賞、第二弾も「ギャラクシー賞/月間賞 テレビ部門 奨励賞」を受賞するなど、高い評価を得ています。
2024年4月には、企画・制作・プロモーション力を強みとするABCテレビと、国内外のコンテンツセールスを強みとするABCフロンティアが連携することで、マーケティングからコンテンツ制作・販売戦略まで、一気通貫できる体制を構築しました。配信、海外販売、舞台化など、多面展開をより拡大させ、収益アップを目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において朝日放送グループホールディングスグループが判断したものであります。
(1) 経済状況による影響について
朝日放送グループホールディングスグループの主たる事業である放送事業は、広告収入に依存しております。日本の広告市場は、国内マクロ経済の動向や広告支出額の多い企業の業績に影響を受けると考えられます。
2023年の日本の総広告費は、新型コロナの5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化などにより回復が見られ、前年から3.0%増加し、7兆3,167億円となりました。中でもインターネット広告費は、進展する社会のデジタル化を背景に、前年比7.8%増と過去最高を更新しました。
朝日放送グループホールディングスグループの連結業績は、メディア接触の変容と相まって、今後も国内広告市場等の動向に影響を受ける可能性があります。こうしたリスクに対応するために、中核である放送事業の価値を維持、向上しながらコンテンツ事業、ライフスタイル事業の成長を図ることで、各事業間、グループ各社間の連携をより深化させ、グループ全体で変化に対応できる体制を構築いたします。
(2) 放送事業について
①番組制作について
朝日放送グループホールディングスグループは、朝日放送テレビ株式会社を中心に放送事業各社が連携し、継続して斬新で魅力ある番組を開発し発信する体制を整えてまいりました。しかし、視聴者や広告主、社会のニーズに応えることができなければ、支持される番組を制作し続けることはできないと考えております。経営理念に掲げている通り「変化に対応しながら進化を続け、強力な創造集団として、社会の発展に寄与する」ことは朝日放送グループホールディングス事業の根幹であり、視聴者・広告主・社会のニーズに応えることができなければ、朝日放送グループホールディングスの経営にも悪影響を及ぼす可能性があると考えています。
今後も、これまで以上に、視聴者のニーズや社会の変化を積極的に感じ取り寄り添うことで、これまでの手法にとらわれない新たな番組作りのあり方を常に模索し、広く支持される番組作りを進めてまいります。
②番組内容について
朝日放送グループホールディングスグループは、放送番組の内容については、番組審議会や放送番組検討会議等の社内チェック機関ならびに日常の社員教育により問題が生じないように努めておりますが、完璧であることを保証するものではありません。大きな訴訟や賠償につながるような誤った報道または番組内容があった場合は、朝日放送グループホールディングスグループの評価に重要な影響を与え、経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
そうした事態を避けるため、今後も放送人としての意識とモラルを保つための制度や研修体制を強化し、放送倫理に基づいた番組制作体制の確立をはかってまいります。
③競合メディアについて
技術革新とIT化の普及により、映像コンテンツに触れることができるデバイスは多様化し、インターネット動画配信サービスが利用者を大きく伸ばし続けるなど、放送事業においては大きな脅威となっており、今後もこの状況は進んでいくものと思われます。
一方で、コンテンツの供給先としてとらえれば、こうした状況はビジネスチャンスの拡大につながると考えられますが、それらの進展状況や朝日放送グループホールディングスグループとしての対応が遅延する又は支障が生じた場合には経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
今後は、地上波放送の価値を維持しながら、グループ全体でコンテンツビジネスの拡大を図り、新たなメディア環境に柔軟に対応しうる体制を構築してまいります。
(3) 法的規制について
朝日放送グループホールディングスは放送法の規定に基づき認定放送持株会社としての認定を受けております。また朝日放送グループホールディングスグループの売上の大半を占める放送事業は、電波法や放送法等の法令による規制および政府、監督官庁の放送行政に大きな影響を受けております。
朝日放送株式会社は1951年10月に放送法に基づく放送免許を取得、60年以上にわたり更新し、2018年4月にテレビおよびラジオの放送免許を朝日放送グループホールディングスの子会社である朝日放送テレビ株式会社および朝日放送ラジオ株式会社にそれぞれ承継しております。最近では2023年11月に更新を受けており、有効期限が5年であります。
しかしながら、将来において、これら法令に違反する重大な事実が発生した場合、免許・登録等の取り消しや行政処分が発せられ、朝日放送グループホールディングスグループの事業活動や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、法令改正や監督官庁の放送行政の施策により、新たな設備投資が必要となりコストの増加が生じる可能性も考えられ、その場合、朝日放送グループホールディングスグループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼすことになります。
こうしたことから、朝日放送グループホールディングスグループでは内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めており、免許・登録等の取り消しや更新拒否の事由となる事実は現時点では発生しておりません。
(4) 個人情報の取り扱いについて
朝日放送グループホールディングスグループでは、番組の出演者、観覧者、会員サービス、ショッピング事業やハウジング事業の顧客情報等の個人情報を保有しております。これら個人情報の取り扱いに関しましては、十分な注意を払っておりますが、不正アクセスや想定していない事態によって外部流出等が発生した場合、朝日放送グループホールディングスグループの社会的信用に悪影響を与え、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
朝日放送グループホールディングスグループでは今後、最新のデジタル技術も活用し、グループ内の各種データの厳密な管理を徹底してまいります。
(5) 災害や事故による影響について
朝日放送グループホールディングスグループは、放送事業においては、放送事故や放送中断による悪影響を最小化するため、全ての設備における定期的な更新と点検整備を行っております。しかし、放送設備、中継設備で発生する災害、停電またはその他の中断事故につながる全ての事象を完全に防止または軽減できる保証はありません。従って、大規模地震や火災、停電等により放送設備等が被害を受ける等した場合、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ハウジング事業やゴルフ事業等における事業用地に何らかの被害が発生した場合も事業収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうした事態に対応しうるよう、従業員の安全を確保しながらの放送継続のためのBCP事業継続計画を整備し、体制を維持・強化してまいります。
(6) 外国人等が取得した株式の取扱等について
放送法では認定放送持株会社の認定要件の一つとして、日本国籍を有しない人、外国政府またはその代表者が特定役員である場合と、日本国籍を有しない人、外国政府またはその代表者、外国の法人、団体が議決権の5分の1以上を占める場合には、認定しない旨が規定されています。一方で、放送法では一定の条件のもとで、上記の外国人等からの名義書換を拒むことができるとの規定もあります。
朝日放送グループホールディングスでは現在、外国人等の議決権比率が5分の1以上を占める状態にはありませんが、今後も外国人等の議決権比率に対する注視を続け、認定を維持するべく必要に応じた適切な対処を行ってまいります。
(7) 成長投資に伴う業務提携や企業買収等について
朝日放送グループホールディングスグループでは、認定持株会社体制下でグループ成長の原動力とするための成長投資を積極的に行ってきました。今後も事業拡大やバリューチェーン構築のための選択肢の一つとして、業務提携や企業買収等を実行する可能性があります。これらについて、必ずしも予期したとおりの成果が得られるという保証はなく、事業環境の急変等により事業収益性が低下した場合には、株式の評価損やのれんの減損等にかかる損失が発生するリスクがあります。また、投資先等においてコンプライアンスや内部統制の不備等が内在するリスクも否定できず、これらに起因して、朝日放送グループホールディングスグループの経営成績、財務状況、およびグループガバナンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを低減するため、投資プロセスにおいて、チャンスとリスクについて検討し協議する体制、制度を整備し、管理バックアップ体制を強化してまいります。その上で、放送事業、コンテンツ事業、ライフスタイル事業、それぞれの領域における戦略に沿った機能や資源を獲得する手段としてM&Aなどの投資を行い成長のエンジンとしてまいります。
(8) 固定資産の減損会計による影響について
朝日放送グループホールディングスグループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証し、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、朝日放送グループホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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