無担保コールとマイナス金利政策についてと、銀行に与える影響


無担保コールについて

無担保コールは、日本の短期金融市場(インターバンク市場)で行われる1985年7月からスタートした取引の一つで、金融機関同士が担保を必要とせずに短期資金を貸し借りする取引をいいます。
具体的には、短資会社が取引を仲介する「ブローキング取引」で行われます。出資金(貸し手)と受資金(借り手)が短資会社に取引条件を提示し、条件が合致すれば取引が成立します。
取引のリスクは貸し手が負い、利子は後払い方式で、手数料は双方が短資会社に支払います。
無担保コールの取引期間には、オーバーナイト物(翌日物)、2日物から6日物、1週間物から3週間物、1カ月物から1年物などがあります。通常、10億円や100億円単位の取引が中心となっています。また、1日で貸し借りが完結する日中コールも存在します。
無担保コールレート(翌日物)は、日銀の金融調節による誘導対象となっています。

金融政策の変更

日銀は2024年3月19日の金融政策決定会合で2016年に導入したマイナス金利政策の解除を決めました。マイナス0.1%としていた政策金利を0から0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げました。あわせて長期金利を低く抑え込むための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れ終了も決めました。
またマイナス金利導入時は、銀行は日銀の当座預金に資金を預けると0.1%の金利を支払わなけれななりませんでしたが、今回の修正で、銀行は日銀の当座預金に資金を預けると、逆に0.1%の利息が得られるようになります。

マイナス金利政策について

マイナス金利政策は、通常の金融政策とは逆に、中央銀行が民間の銀行に対して預金金利をマイナスに設定する政策です。
これは、経済を刺激し、インフレーションを促進するための手段の一つです。
マイナス金利政策を採用する理由の一つは、経済がデフレーションや低成長に直面している場合、金利を下げても十分な効果が得られない場合に用いられます。
マイナス金利政策の目的は、以下のようなものがあります。

  1. 銀行が中央銀行に預金する際にマイナス金利がかかるため、銀行は預金せずに貸し出しや投資を増やすことが奨励されます。これにより、経済全体の活性化を図ります。
  2. 通貨価値が低下すると、輸出が促進され、国内企業の競争力が高まる場合があります。
  3. マイナス金利政策はインフレーションを促進し、中央銀行が設定した目標レベルに達するのを支援します。

一方で、マイナス金利政策にはいくつかの懸念点もあります。例えば、銀行の利益率が低下することで、貸し出しの厳格化や手数料の増加などの影響が生じる可能性があります。

マイナス金利導入後の地銀の財務状況

2016年にマイナス金利導入後は、貸出金が増える一方で、自己資本比率は下がり続けていた銀行が多く見られました。

ふくおかフィナンシャルグループ(8354)の自己資本比率の推移

ふくおかFGの自己資本比率の推移

めぶきフィナンシャルグループ(7167)の自己資本比率の推移

めぶきFGの自己資本比率の推移

コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)の自己資本比率の推移

コンコルディアFGの自己資本比率の推移

千葉銀行(8331)の自己資本比率の推移

千葉銀行の自己資本比率の推移

九州フィナンシャルグループ(7180)の自己資本比率の推移

九州フィナンシャルグループ(7180)の自己資本比率の推移

あおぞら銀行(8304)の自己資本比率の推移

あおぞら銀行の自己資本比率の推移



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