1株あたりの利益(EPS)に対して株価が何倍にあるかを表す指標をPER(株価収益率)といいます。今の株価が割安か割高かを判断するときに使います。
PERの計算式は以下の通りです。
PERは、数値が高いほど利益に対して株価が割高、数値が低いほど利益に対して株価が割安と判断します。
計算に使う1株あたりの利益(EPS)は、実績値を使う場合と、予想値を使う場合があります。
成長期待の高いグロース企業は将来への期待から株価が高騰してPERも高くなることがあります。ただし株価の値上がり幅が大きい銘柄は、短期筋が好むことが多く、急騰することもあれば急落することもあるので、初心者が手掛けるときは注意が必要です。
売上・利益ともに成長、または安定していて、株価が緩やかに上昇している銘柄で、PERやPBRが割安に放置されている銘柄があれば、ねらい目です。
PERは、一般的に20から30程度が適正ともいわれていますが、特に決まりがあるわけではありません。セクターごとに適正水準が異なることも多いので、同業他社や日経平均、全銘柄のPERと比べて割高か割安かを判断します。
実例を使って、実際にPERを計算してみましょう。
1・日和産業(2055)/2016年12月2日/株価208/1株当たりの利益(連結・会社予想) 22.26
主力の飼料事業(配合飼料の製造販売及び得意先の生産畜産物の売買等)と畜産事業(畜産物の生産及び販売、子豚の生産及び肉豚の肥育)を展開する東証スタンダード上場企業。
208÷22.26=9.34倍
2・テックファームホールディングス(3625)/2016年12月2日/株価1880円 1株当たりの利益(連結・会社予想)0.16
業務支援向けシステムソリューションの開発・運用・保守などを手掛ける東証グロース市場に上場している会社。
1880÷0.16=11750倍
参考
下図はソニーグループの株価とPERの推移を表すグラフです。株価が上がりつづけていても、利益も成長していれば、PERは割安な水準を示すことわかる事例のひとつです。