逆イールドの解説と事例


国債の金利と償還期限の関係を表すグラフのことをイールドカーブ(利回り曲線)といいます。(1)国債の償還期限が短いものほど金利が低く、償還期限の長いものほど金利が高くなる形を順イールド、(2)償還期限が長くなるほど金利が低くなる形を逆イールドといいます。インフレ抑制のため中央銀行が利上げする局面や金融危機、バブル崩壊などによって景気が後退する直前で、長短金利が逆転して逆イールドになることがあります。逆イールドが観測されると、約1年半後にリセッション(景気後退入り)に陥りやすいとの過去データもあります。

米国債が逆イールドになったケース

米国債の長短金利差が逆転した年
(1)1978年8月18日から1980年5月1日
(2)1980年9月12日から1981年11月5日
(3)1982年1月14日1982年7月16日
(4)1988年12月13日から1989年6月29日
(5)1989年8月11日から1989年10月11日
(6)1990年3月8日から1990年3月29日
(7)1998年6月9日から1998年7月27日
(8)2000年2月2日から2000年12月28日
(9)2006年1月13日から2006年3月29日
(10)2006年6月8日から2007年3月20日
(11)2019年8月27日から2019年8月29日
(12)2022年7月6日から

(1)1978年8月18日から1980年5月1日 1979年前後の第2次オイルショック時、当時のFRB議長であったボルカー氏が、インフレを抑制するために政策金利を20%まで引き上げたときの米国債のイールドカーブです。アメリカの10年物と2年物の長短金利は、1978年8月18日から1980年5月1日まで短期金利の方が上回る現象が起きていました。

逆イールド1979年12月3日

(2)1980年9月12日から1981年11月5日 実質GDPの減少とともに、1980年から1983年にかけてインフレ率が年13.5%から年3%まで急激に減少

逆イールド1981年8月6日

(3)1982年1月14日から1982年7月16日 実質GDPの減少とともに、1980年から1983年にかけてインフレ率が年13.5%から年3%まで急激に減少

逆イールド1982年7月1日

(4)1988年12月13日から1989年6月29日 1987年10月1日に起きたブラックマンデーにより株価が世界的に大暴落。

逆イールド1989年6月29日

(5)1989年8月11日から1989年10月11日

逆イールド1989年10月02日

(6)1990年3月8日から1990年3月29日

逆イールド1990年3月27日

(7)1998年6月9日から1998年7月27日 ドットコム景気

逆イールド1998年7月15日

(8)2000年2月2日から2000年12月28日 ITバブルの崩壊

逆イールド2000年11月15日

(9)2006年1月13日から2006年3月29日

逆イールド2006年3月20日

(10)2006年6月8日から2007年3月20日 2007年9月から顕著化したサブプライム住宅ローン危機を発端に金融危機(リーマン・ショック)が起きる

逆イールド2007年02月12日

(11)2019年8月27日から2019年8月29 2016年12月から2019年にかけて段階的に政策金利引き上げ

逆イールド2019年8月27日

(12)2022年7月6日から コロナ禍で落ち込んだ経済を立て直すために実施された大規模金融緩和と、ロシアよるウクライナ侵攻が重なって世界的な高インフレが発生。FRBはインフレを抑え込むために急激な利上げを実施しました。

逆イールド2023年1月17日



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