リーマンショックは、アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに、アメリカ第4位の投資銀行「リーマンブラザーズ」が2008年9月15日に破綻し世界中に連鎖した金融・経済危機のことです。
サブプライムローンとは、主にアメリカ合衆国で貸し付けられる住宅ローンのうち、信用度が劣る低所得者層を対象とした住宅ローンのことです。返済能力に問題がある人々でも利用できるよう緩い審査基準のもと高金利で貸し出されたため、返済の延滞と住宅の差し押さえが急増しました。
またサブプライムローンは様々な金融商品(債務担保証券(CDO)や不動産証券化商品(REITやMBS)など)に組み込まれる形で証券化されて販売されていたため、不良債権化したサブプライムローンが組み込まれていた金融商品の価値が大幅に下落し、これらの金融商品を抱えていた大手金融機関の財務が悪化しました。2008年にはサブプライムローンを中心とする不動産バブル崩壊が起こり、世界的な金融危機を引き起こしました。
リーマンショックが起きるまでの年表
- 2000年:米国のITバブルが崩壊し景気が急速に後退したため、2001年1月から金融緩和局面に入る。
- 2002年:低金利政策の下で、アメリカでは住宅市場が急速に拡大。低所得者層向けのサブプライムローンなどが提供され、住宅ローンの需要が増加した。
- 2006年:アメリカの住宅市場がピークを迎え、価格が急騰する。 2007年:住宅市場が崩壊し始め、サブプライムローンを保有する金融機関が倒産する。アメリカ第5位の投資銀行ベア・スターンズが、ヘッジファンドの不良債権を引き受けるという形で、リスクを背負う。
- 2008年3月:投資銀行ベア・スターンズが破綻し、次はアメリカ第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻がささやかれる。
- 2008年9月:アメリカ第4位の投資銀行「リーマンブラザーズ」が2008年9月15日に破綻し、金融市場が混乱する。アメリカ政府が緊急支援を打ち出すも、市場は不安定な状態が続く。
- 2008年10月:アメリカ政府が、金融機関に対して総額7000億ドルの「TARP(トラブル・アセット・リリーフ・プログラム)」と呼ばれる救済策を発表する。
- 2009年:アメリカの経済は不況に陥り、失業率が急増する。世界的にも金融危機の影響が拡大し、多くの企業が倒産する。
リーマンショックに至るまでのNYダウ(月足)の動き方
- 最高値:14198ドル(2007年10月) 最安値:6469.9ドル(2009年3月)
- 上げ幅の最大値(終値から高値):1106(2000年3月)
- 下げ幅の最大値(終値から安値):-2967.5(2008年10月)
リーマンショックに至るまでの日経平均株価の動き方
- 最高値:20833円(2000年4月) 最安値:6994.9円(2008年10月) 当区間最後の終値9988.05円
- 上げ幅の最大値(終値から高値):1573(2005年12月)
- 下げ幅の最大値(終値から安値):-4264.1(2008年10月)
NYダウと日経平均株価からは、サブプライムローンによって膨張した株価が、2009年3月までにいったんすべて吹き飛んでしまっている様子が見てとれます。