いい会社なのに割安に放置されている株に着目して投資をする方法をバリュー投資といいます。割安株をみつけるときは、PER(ピーイーアール)とPBR(ピービーアール)の2つの指標を使うのが一般的ですが、これ以外にも相場の過熱感(買われすぎか売られすぎか)を判断するテクニカル指標(RSIや移動平均乖離率、ボリンジャーバンドなど)を使った探し方もあります。
PERは、株価÷1株益で求められる値です。現在の株価が一株益に対して何倍の水準にあるのかを見る指標です。一株益とは、会社が一年間事業を行って生み出した一株当たりの最終利益のことです。分子に来る株価は低ければ低いほど、分母に来る1株益は数値が大きければ大きいほどPERの値も小さくなります。つまりPERは数値が小さいほど割安な株であることをあらわしています。おおむね15から30の間にあれば適正であると言われていますが、適正水準を示すボーダーラインの決まりは特になく、同業他社のPERと比較するのが一般的な使い方です。こちらのページから同業他社のPERやPBRを比較することができます。売上高・利益ともに成長していて、株価も伸びているけどPERがまだ高くない銘柄などは注目銘柄の一つです。例:エスプールのPER(実績)の推移
PBRは、株価÷1株株主資本で求められる値です。1株株主資本は、会社の資産から負債(借金など)を引いた純粋な資産のことで、仮に今すぐに会社を解散した場合に株主が1株あたりに戻ってくる金額を表しています。一株株主資本は負債が少なければ少ないほど数値が大きくなるので、この数値が大きいほど会社の財務体質は健全であると言えます。一般的に、PBRは1を基準にして割高割安を判断します。1よりも小さければ割安で、1よりも大きければ割高とされています。1を基準とする理由は、次の通りです。
1株100円の銘柄を1株買った直後に会社が解散し、そっくり100円が戻ってくる場合がPBR=1です。このときの株主の損益はプラスマイナスゼロです。損益分岐点がゼロになるライン「PBR=1」を割安割高をはかる目安としています。
80円で株を買って直後に100円が戻ってきたら株主の利益はプラス20円となります。このときのPBRは、80÷100=0.8。割安な株が買えたと言えます。逆に120円の株を買って直後に100円しか戻ってこなければ株主は20円の損失を蒙ります。このときのPBRは120÷100=1.2。割高な株を買ってしまったということになります。
もうひとつチェックしておきたいのがROEです。ROEは当期利益÷株主資本×100(%)で求められる値で、株主が出資した資金でどれくらいの利益を出しているかを見る指標です。この数値は大きければ大きいほど、株主から集めた資金を効率よく使って利益を上げているといえます。
全上場銘柄の低PERと低PBRのランキングはこちらのページで確認できます。ただし割安株の中には、会社の資産を売却したことで一時的に純利益が伸びて割安になっている銘柄、株式分割をしたことで株価が下がってPERが低くなった銘柄などもあります。指標だけで判断するのではなく会社の財務体質や売上高や営業利益、経常利益の推移なども併せてチェックしましょう。
相場の過熱感(買われすぎ、売られすぎ)の判断
株価は、上がりっぱなし、または下がりっぱなしで動き続けることはありません。買われすぎて株価が上がりすぎた場合や、売られすぎて下がりすぎた場合は若干の調整がはいります。移動平均乖離率やRSI、ボリンジャーバンドなどテクニカル指標は、相場の過熱感を見極める目安として利用されています。株取引の練習ができるページでは、これらのテクニカル指標を使った株の練習ができます。